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No.3960の一覧
[0] これはひどいオルタネイティヴ(ぶち壊し注意)[Shinji](2008/08/24 12:52)
[1] これはひどいオルタネイティヴ2[Shinji](2008/08/25 11:13)
[2] これはひどいオルタネイティヴ3[Shinji](2008/08/25 11:11)
[3] これはひどいオルタネイティヴ4[Shinji](2008/08/26 04:35)
[4] これはひどいオルタネイティヴ5[Shinji](2008/08/26 23:24)
[5] これはひどいオルタネイティヴ6[Shinji](2008/08/27 20:54)
[6] これはひどいオルタネイティヴ7[Shinji](2008/08/28 16:19)
[7] これはひどいオルタネイティヴ8[Shinji](2008/08/29 20:22)
[8] これはひどいオルタネイティヴ9[Shinji](2008/08/30 23:24)
[9] これはひどいオルタネイティヴ10[Shinji](2008/08/31 22:48)
[10] これはひどいオルタネイティヴ11[Shinji](2008/09/01 21:59)
[11] これはひどいオルタネイティヴ12[Shinji](2008/09/03 08:21)
[12] これはひどいオルタネイティヴ13[Shinji](2008/09/05 10:13)
[13] これはひどいオルタネイティヴ14(+用語ver1)[Shinji](2008/09/07 08:57)
[14] これはひどいオルタネイティヴ15(+伊隅戦乙女隊ver1)[Shinji](2022/04/20 02:22)
[15] これはひどいオルタネイティヴ16[Shinji](2008/09/11 14:52)
[16] これはひどいオルタネイティヴ17[Shinji](2008/09/13 17:38)
[17] これはひどいオルタネイティヴ18(+伊隅戦乙女隊ver2)[Shinji](2008/09/16 23:33)
[18] これはひどいオルタネイティヴ19[Shinji](2008/09/19 22:36)
[19] これはひどいオルタネイティヴ20[Shinji](2008/09/23 02:45)
[20] これはひどいオルタネイティヴ21(+用語ver2)[Shinji](2008/09/26 21:20)
[21] これはひどいオルタネイティヴ22(+第207衛士訓練部隊)[Shinji](2008/10/02 22:28)
[22] これはひどいオルタネイティヴ23[Shinji](2008/10/09 19:42)
[23] これはひどいオルタネイティヴ24[Shinji](2008/10/23 01:55)
[24] これはひどいオルタネイティヴ25[Shinji](2008/10/31 02:49)
[25] これはひどいオルタネイティヴ26[Shinji](2008/11/22 04:34)
[26] これはひどいオルタネイティヴ27[Shinji](2008/11/25 18:05)
[27] これはひどいオルタネイティヴ28[Shinji](2008/12/14 03:54)
[28] これはひどいオルタネイティヴ29[Shinji](2009/01/11 03:35)
[29] これはひどいオルタネイティヴ30(前編)[Shinji](2009/01/17 04:11)
[30] これはひどいオルタネイティヴ30(中編)[Shinji](2009/01/21 01:11)
[31] これはひどいオルタネイティヴ30(後編)[Shinji](2009/01/28 12:16)
[32] これはひどいオルタネイティヴ31 2009/02/08 00:31[Shinji](2009/05/17 17:57)
[33] これはひどいオルタネイティヴ32[Shinji](2009/02/19 03:33)
[34] これはひどいオルタネイティヴ33[Shinji](2009/04/10 04:03)
[35] これはひどいオルタネイティヴ34[Shinji](2009/03/26 08:07)
[36] これはひどいオルタネイティヴ35[Shinji](2009/03/30 03:38)
[37] これはひどいオルタネイティヴ36(前編)[Shinji](2009/04/08 22:44)
[38] これはひどいオルタネイティヴ36(後編) 2009/04/14 04:28[Shinji](2009/05/17 17:53)
[39] これはひどいオルタネイティヴ37 2009/04/24 06:26[Shinji](2009/05/25 00:10)
[40] これはひどいオルタネイティヴ38[Shinji](2009/05/10 00:10)
[41] これはひどいオルタネイティヴ39(前編)[Shinji](2009/05/12 20:01)
[42] これはひどいオルタネイティヴ39(中編)[Shinji](2009/05/14 23:55)
[43] これはひどいオルタネイティヴ39(後編)①[Shinji](2009/05/17 05:05)
[44] これはひどいオルタネイティヴ39(後編)②[Shinji](2009/05/25 02:35)
[45] これはひどいオルタネイティヴ40①[Shinji](2009/06/01 01:54)
[46] これはひどいオルタネイティヴ40②[Shinji](2009/06/05 02:47)
[47] これはひどいオルタネイティヴ40③[Shinji](2009/06/11 02:49)
[48] これはひどいオルタネイティヴ40④[Shinji](2009/06/14 06:03)
[49] これはひどいオルタネイティヴ40⑤[Shinji](2009/07/02 03:10)
[50] これはひどいオルタネイティヴ41(前編)[Shinji](2009/07/13 01:30)
[51] これはひどいオルタネイティヴ41(中編)[Shinji](2009/07/28 19:03)
[52] これはひどいオルタネイティヴ41(後編)[Shinji](2009/08/16 04:00)
[53] これはひどいオルタネイティヴ42[Shinji](2009/08/27 00:58)
[54] これはひどいオルタネイティヴ43(前編)[Shinji](2009/09/10 23:51)
[55] これはひどいオルタネイティヴ43(中編)[Shinji](2009/09/20 09:43)
[56] これはひどいオルタネイティヴ43(後編)①[Shinji](2009/10/07 07:49)
[57] これはひどいオルタネイティヴ43(後編)②[Shinji](2009/10/10 22:26)
[58] これはひどいオルタネイティヴ44(前編)[Shinji](2009/11/11 20:38)
[59] これはひどいオルタネイティヴ44(後編)[Shinji](2009/11/17 03:24)
[60] これはひどいオルタネイティヴ45[Shinji](2009/12/04 11:35)
[61] これはひどいオルタネイティヴ46(前編)[Shinji](2009/12/07 06:52)
[62] これはひどいオルタネイティヴ46(後編)[Shinji](2009/12/20 00:54)
[63] これはひどいオルタネイティヴ47(前編)[Shinji](2010/01/26 07:13)
[64] これはひどいオルタネイティヴ47(後編)[Shinji](2010/01/29 14:19)
[65] これはひどいオルタネイティヴ48(前編) 2010/02/20 03:44[Shinji](2010/02/23 04:16)
[66] これはひどいオルタネイティヴ48(後編)[Shinji](2010/03/04 12:24)
[67] これはひどいオルタネイティヴ48.5[Shinji](2010/03/06 20:21)
[68] キャラクター注目度ランキング(~2010年03月09日)[Shinji](2010/03/09 18:23)
[69] これはひどいオルタネイティヴ49 2010/03/14 07:03[Shinji](2010/03/15 12:47)
[70] これはひどいオルタネイティヴ50 2010/04/08 07:58[Shinji](2010/04/10 03:15)
[71] これはひどいオルタネイティヴ51(前編)[Shinji](2010/04/18 14:51)
[72] これはひどいオルタネイティヴ51(中編)[Shinji](2010/05/25 05:31)
[73] これはひどいオルタネイティヴ51(後編)[Shinji](2010/06/26 00:51)
[74] これはひどいオルタネイティヴ52[Shinji](2010/07/27 04:27)
[75] これはひどいオルタネイティヴ53[Shinji](2010/10/06 05:34)
[76] これはひどいオルタネイティヴ54[Shinji](2011/03/29 08:19)
[77] これはひどいオルタネイティヴ55[Shinji](2011/04/02 07:48)
[78] これはひどいオルタネイティヴ56[Shinji](2011/05/16 11:26)
[79] これはひどいオルタネイティヴ57[Shinji](2012/08/02 01:56)
[80] これはひどいオルタネイティヴ58[Shinji](2012/09/01 14:35)
[81] これはひどいオルタネイティヴ59 2012/10/29 15:03[Shinji](2012/11/03 14:33)
[82] これはひどいオルタネイティヴ60 2012/11/02 17:30[Shinji](2012/11/03 14:34)
[83] これはひどいオルタネイティヴ61[Shinji](2012/11/07 21:35)
[84] これはひどいオルタネイティヴ62[Shinji](2013/02/17 10:44)
[85] これはひどいオルタネイティヴ番外編[Shinji](2009/04/14 02:45)
[86] これはひどいオルタネイティヴ番外編②[Shinji](2009/10/15 18:11)
[87] これはひどいオルタネイティヴ番外編③[Shinji](2010/11/04 17:45)
[88] これはひどいオルタネイティヴ(登場人物+用語)[Shinji](2010/10/10 03:07)
[89] これはひどいオルタネイティヴⅡ(原案)[Shinji](2022/03/24 21:32)
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[3960] これはひどいオルタネイティヴ56
Name: Shinji◆b97696fd ID:1391bf9d 前を表示する / 次を表示する
Date: 2011/05/16 11:26
これはひどいオルタネイティヴ56




2001年12月17日 早朝


――――白銀少佐の個室にて。


「……ぐ~っ」

「白銀さん……白銀さん……」


≪ゆさゆさ ゆさゆさ≫


「……ッ……」

「朝ですよ……白銀さん……」


≪ゆさゆさ ゆさゆさ≫


「…………」

「まだ……起きません……か?」


≪……ゆさゆさ……ゆさ……≫


「…………」

「…………」


≪――――し~ん……≫


「……(朝か?)」

「……しろがね……お兄さん……」(ぼそ)

「何?」

「!?!?」

「あァ……霞か。おはよう」

「お、おはようございます」


ミストさん無双だった次の日の朝……寝ていた俺は意外にも"久しぶりの感触"を受ける事で、意識を覚醒させた。

それが何かと言うと何時ものように(スリップ姿の)霞が布団に入り込んで来て俺が自然と目を覚ますのでは無く。

当初の彼女の様に"早起きした霞"が俺を揺する事で"目を覚まさせてくれる"と言ったモノだった。正直 予想外。

よってネボけつつ眉をコスったりしながら彼女に朝の挨拶の言葉を掛けると、何故か霞は目を丸くさせていた。

コレは薄いリアクションと言えるが、実を言うと霞にとっては地味にオーバーな感情表現と言っても良いのよね。

はて……? 何か気に障る事とかしたっけ? 生憎 昨夜は一緒に"お昼寝"した事をオカズにしてしまったが違う筈。

俺が体を起こす前に何か言っていた様な気はしたんだが……まァ良いか~。今は霞との会話を続けるとしよう。


「ところで霞」

「は、はい?」

「今日は何で普通に起こしに来てくれたんだ? それと"うささん"凄いですね」

「それほどでもないです」


――――彼女は俺を両手で揺すって起こしていたが、今は既に椅子に置いてあった"うささん"を胸に抱えている。


「んで前述の返答は何故に?」

「それは……今は肉体を得た鑑さんが居ますから……」

「純夏が居るから?」

「私が"あんな事"をしては、流石にダメだと思ったからです」

「……あ~ッ……」

「現状の鑑さんは……何時 目を覚ましても良い程 安定していますから……」

「成る程ね」

「……(良い事なんですけど……ちょっと僅かに残念です)」


今の言葉で大体 把握した。恐らく霞は……目を覚ました後の行動が分かり切ってる純夏に遠慮したのだろう。

そりゃ~ソレを知ってるのは当然だよな。何せ毎日毎日 純夏の"脳味噌"にリーディングとかしてたんだから。

つまり幼馴染が俺を起こしに来た時に"きわどい霞"が布団の中に居ては、修羅場になる事を恐れたってワケだ。

う~む。本当なら今日辺りに俺から言うつもりだったんだが、霞の方から止めてくれるとは良い判断してるぜ。

だけど、そうなると彼女は早く添い寝を切り上げたかった? 思えば霞は純夏の行動を真似してたダケだったな。

改めて考えると霞には心配かけまくって怒らせちまった自覚が多々有るので、まァ妥当な展開と言ったトコロか。

普通に寂しい気もするけど、今は純夏の感情を安定し続ける事が最優先なのでネガティブに考えるのは止そう。

よって俺は気を取り直すとベットを離れ"うささん"を両手で抱える霞を見下ろした後、ドアに視線を移して言う。


「入り口に唯依達は居たのかい?」

「いえ……誰も居ませんでした……」

「"能力"を使ってみるに、向かって来たりとかもしてない系?」

「……何が"系"なのかは分かりませんけど……向かってもいないみたいです……」

「そうか~」

「白銀さんが何か……言ったんですか?」

「あァ。今日も午前中は別の用があるから、朝は部屋まで来なくても良いってね」

「武御雷(黒)の事ですか」

「その通り」

「では……これから忙しくなってしまいますね」

「元からな気もするけど、純夏の事も有るし"大きな戦い"も迫ってるからね」

「……ッ……」


此処で話が変わるが、昨日の"あの後"はシミュレータールームに戻り唯依達と普通に訓練して一日を終えました。

その時の俺は皆に不快な思いをさせてしまった事から必死で、頑張ってSⅡ型で先行しつつ指導もこなした気が。

故に特に肖る事も無く"白銀大佐"の力も借りつつ隊長としての役割を続け、皆の評価は上々だったと言っとこう。

でも"あんな事"を言って流石に朝の挨拶をして貰うのは気が引けたので……今朝は断る事にして今に至っている。

口実にした武御雷(黒)の事は別に朝に会うダケなら差し支え無いのだが、純夏の事を考えると遠慮するしかない。

霞が俺のベッドに紛れ込んでいる以前に、部屋の入り口に3人もの女性が居ては精神に支障が出る可能性が有る。

唯依達は真面目に俺の事を気遣ってくれているダケとは言え、自惚れる気は無いが絵的にはハレームなんだよね。

だから、このまま起床時は一人で居られる様に持ってゆきたいが……フラグ構築が出来なくなるのは歯痒い限り。

……とは言え此処まで来て死にたくないので諦めが肝心かもな。そんな事を考えつつ霞との会話を続けていると。

霞が何やら眉を落として俺を見上げており、嗚呼 可愛いなチクショウ!! ……って今は萌えてる場合じゃない。


「んっ? どうしたんだ? 霞」

「……白銀さん……」

「なにかね?」

「こうなってはもう、一緒に寝る事は……難しいかもしれません」

「!? た、確かに……そうだなァ」

「えっと……そ、その……残念……でしょうか?」

「そりゃもう」

「……ッ……(相変わらず優しい人です)」


――――当たり前の事なので即 肯定するが、唐突 過ぎる質問に焦った。対して霞は再び目を丸くさせている。


「……霞?」

「でしたら……これを」

「うささん?」

「はい、うささんです」

「コレが ど~かしたのか?」

「それを私だと思って……置いてあげてください」

「!?!?」

「だ、ダメですか?」

「そんなワケ無いだろ? それ位だったら お安い御用さ」

「有難う御座います」


予想外にも霞からのプレゼント来たコレ!! コレを霞だと思う云々は築いたフラグを考えると冗談だろうが……

何時も侵入して来る時には決まって抱いて寝ていた、大切な"うささん"を貰って良いと言う事は俺が予想するに。

今後 純夏の復活の影響で霞と遊ぶ機会が少なくなるにしろ、それなりの関係で締めれたって事ではないだろうか?

正直 霞とは もう少し遊んであげたかったけど、原作と違い唯依や七瀬……そして悠陽との関わり合いに加えて。

もはや後戻り出来ない程のイベントを構築させてしまったので、結果 色々と時間が無く純夏の復活も早まった。

まァ人類勝利の鍵である"彼女"の復活が早い事は、精神の安定に余裕を費やせるって事で良い話なんだけど……

それはそれで霞や悠陽の様な娘との関わり合いが出来難くなるのは、過ぎた今から考えると残念かもしれない。

……とは言え全てを終わらせて俺が"そのまま"なら後に取り返せば良いので、こんな事を考えても仕方ないZE。

そんな無駄な事を思いながら受け取った"うささん"と視線(目の部分)を合わせると、ふと思うトコロが有った。


「(ウサギ? そう言やウサギとくれば――――)」

「…………」


≪魔法の言葉で~♪≫


「……ッ……」

「白銀さん?」


≪ガシンッ、ガシイイィィンッ! ガシイイイイィィィィン!!!!≫


「…………」

「あ、あの」


≪エイシィ~♪≫


「隊の名前……」

「????」


――――今思えば俺の部隊の名前(突撃機動部隊)はともかく、快速反応部隊はマイナー過ぎたかも知れない。


「"攻強皇國機甲"小隊とかも良かったかなァ?」(ぼそ)

「……何を言っているんですか?」

「えっ!? い、いや……こっちの話だよ」

「そうですか」

「じゃあ、モタモタしてるとアレだから早く支度を済ませて純夏の様子を見に行くとするかッ!」

「それが済めば次は元B分隊の皆さんに……」

「うん。アイツらに武御雷(黒)を御披露目してやるとするよ」

「……ッ……そ、それでしたら白銀さん」

「んんっ? 今度は何だい?」

「その"御披露目"と言うモノに……私も付いて行っても良いですか?」(チラッ)

「もちろんさァ☆」


――――この上目遣いを見た瞬間が"もうロリコンで良いや"と思った時である。故に再び即答なのであった。


「!?!?」

「……むッ?」

「(ま、まさか今のも"良い"と言ってくれるとは……思いませんでした)」

「霞さん?」

「(今迄 散々……白銀さんの"決意"に水を差す様な事をして来たのに……私は甘えてばかり……)」


≪――――じわっ≫


「ちょっ!? 何で其処で泣くのッ?」

「……ぅッ……」

「か、かかか霞。何か俺 悪い事したか? 何処か気に障ったんなら謝るからマジで!!」

「いえ……な、何でも有りません」

「モロに泣いちゃってんのにッ?」

「少し寝不足だったダケなので……気にしないでください」

「……むぅッ……だ、だったら良いんだけど……無理するなよ?」

「分かっています。では外で待っていますね?」

「あァ。直ぐに行くよ」

「(やっぱり私は……白銀さんの事を……? それよりも、付いて行くからには役に立たないといけません)」


≪――――バタンッ≫


あ、ありのままに起こった事を話すぜ!? 俺は今 霞の願いを肯定したと思ったら急に涙を流された……以下略。

う~む。実は言ってみたダケで……本当は俺と仕事をしたくなかったのか? 眠いって言ってたくらいだしね。

だったら今後からは即答するのは止めた方が良いかもね~。どう考えても気づくのが遅すぎだろうと思うけど。

しかしながら。彼女は(`・ω・′)←こんな顔をしていた為"やる気"は有る様なので、此処でキャンセルは不味い。

故に仕方無いので霞には今日の相方に成って貰う事にしよう……主に武御雷(黒)に詳しくない俺のカンペとして。




……




…………




アレから2時間後……先ずは霞と共に"安定してはいるモノの意識を戻さない純夏"の様子を見に行く事にしたが。

白銀の元々の性格も有るのか、先日が信じられない"眠りっぷり"を披露する彼女にイタズラしたくなったけど、
霞に遠まわしに止められて未遂で済ませた後……遅れた食事を済ませ今は"ある女性"と通路で向かい合っていた。

俺の隣に控えるウサギが珍しいのか、霞を若干 気にしながら"仕事"の報告をする人物は"伊隅 みちる"大尉だ。


「それで、今 榊達は何処に?」

「先程ハンガーに向かわせました。今頃は目を丸くさせているかもしれません」

「そりゃ~吹雪F型の後続機に"あんなの"が支給されるんですからね~」

「ですが驚いたのは私も同じです。まだ4日前に"あの娘"が"突撃機動部隊"に入ったばかりだと言うのに……」

「言うのに?」

「こうも白銀少佐に影響力と言うか……行動力が有るとは流石としか申せません」

「けど話を持って来てくれたのは副司令ッスよ。俺は殿下と会って食事をしたダケですって」

「は、はあ(……相変わらず読めない人ね)」


何故 彼女と会話をしているのかと言うと、最近まで元B分隊への"指導"云々は彼女が担当していたからである。

だが俺が武御雷(黒)を5機ゲットしてしまった事からA-01とは別の部隊を編成せざるを得なくなってしまい、
伊隅の口から"過程の途中だったが別の人物に指導を委託する事"を告げて貰い、こうして今に至ると言うワケだ。

千鶴達からすればマジで意味が分からないだろうけど、コレも俺が余計な事をした所為なのは間違い無いだろう。

そう考えれば驚かせて申し訳ない限りだが……原作の不知火より遥かに良い機体に乗れると言う事で勘弁してね!

また当然 伊隅ダケでなく多くの人達が武御雷(黒)の登場には驚いたらしく、元B分隊と成れば言う迄も無い筈。

故に今からハンガーに行った直後の事を考えると楽しみでも有るな。千鶴達と対面するのもトライアル以来だし。


「ところで大尉達の"調子"は どんな感じなんですか?」

「調子と言いますと?」

「シミュレーターの結果 的な意味でッスけど」

「……ふむ……そうですね……皆 先日(クーデター)でのS型の戦果に自信も付いたのか、上々と言った所です」

「具体的には?」

「以前の段階ではリスクの多い前衛役が毎回 何機か撃破されてしまう事が多かったのが最大の反省点でしたが、
 最近の攻略となると2回に1回は脱落者を一人も出さずに反応炉を破壊できる程にまで成長してくれています」

「ほほ~ッ。じゃあ近いウチに100%犠牲者を出さずにクリアできる様にしたいモンですね」

「勿論です。それが最前提であり、何より白銀少佐の"命令"でも有るのですから」




≪絶対に――――死なないで欲しい≫(29話 参照)




「HAHAHA。今思えば無茶な命令をしちゃいましたねェ」

「いえ。こうも希望を見出せた今や、易々と死ぬ訳には参りません」

「その意気です……伊隅大尉……」

「有難う社」

「……(私も人の事を言えませんけど……大尉が微笑む様子を見れるのも、やっぱり白銀さんの……?)」

「……って事で既に聞いてると思いますけど、実際にハイヴに潜るのも近いと思うんで頑張って下さい」

「承知しています。言ってはなんですが、委託の件も有りますしコレで私も本格的に訓練を行えますね」

「でもハイヴだけじゃ駄目ですよ? 突入前は当然 平地戦ですから、そのシミュレーターも忘れないで下さい」


――――自爆に巻き込まれる伊隅はともかく、特に要塞級に殺られた柏木は念入りに鍛えて欲しいトコロだ。


「仰る通りです。他の皆は"例の件"を存じませんから、平地戦の訓練を示唆する声も何度か有りましたし」

「なら言う迄も無かったですかね~?」

「とんでもありません。"白銀少佐が仰っていた"と付け加えるダケで皆の意気込みも変わりますから」

「俺の事(階級)を? ……成る程~ッ……」

「……(納得している? 御見通しと言う事かしら?)」


考えてみれば原作の伊隅は逃避していた白銀に講義も行いながら訓練をしていたし、過労ってレベルじゃね~ぞ?

だとしたら真那さんに千鶴達の指導を押し付けて、伊隅に余裕を持たせたって~のは正解だったかも知れないな。

第19独立警護小隊の皆様には申し訳ない限りだが……冥夜の存在から彼女達が乗り気だったのが幸いと言える。

さて置き。A-01の隊長である伊隅(姉)にはマジで期待しまくりなので、何か士気が上がる様な事を告げねば!


「……(だとすれば……原作から軽く拝借して……)」

「白銀少佐?」

「白銀さん?」

「……っと何でも有りません。ともかく伊隅大尉」

「は、はい?」








「約束ですよ? 必ず生き残って、一緒に基地に咲く桜を見ましょう」≪キリッ≫








「――――ッ!?」

「(伊隅大尉の感情が……乱れた?)」

「(う、嘘ッ? まさか白銀少佐も……"私と同じ事"を想って戦っているとでも言うの!?)」

「あれっ? どうしたんスか?」

「(それ以前に考える仕草が有ったと言う事は、私の考えていた事さえ既に察していたッ?)」

「伊隅大尉ってばっ!」

「あの……大丈夫ですか?」

「!? い、いえ……何でも。失礼致しました」

「ともかく返事を聞かせて欲しいんですけど?」

「……ぅッ……」

「(死ぬ直前に考えてた事を肖った台詞だし、何らかのフラグにはなったか?)」

「わ、分かりました。必ず最後まで生き残りますから……白銀少佐も無理をしないで下さいね?」

「と~ぜんですって。それじゃあ、俺達はコレで失礼しま~す!」

「あッ……はい」

「(詳しくは分かりませんけど……今ので伊隅大尉の"生きたい"と言う感情が、更に高くなったみたいです……)」


う~む、予定よりも伊隅(姉)の反応が薄かったな。こう言うのは"ここぞ"と言う時じゃなきゃ意味が無いのかッ?

ならば無駄に臭い台詞をゲロったと言う気恥ずかしさしか残らないので、俺は此処から逃げる様に去る事にした。

対して伊隅(姉)は無言&直立で敬礼しつつ俺&霞を見送っている為、背中に刺さって来る視線が痛かったとです。


「(まさか白銀少佐は"あの娘達"の様に、私をも意思を自分に向けさせる事で生への執着を持たせるつもり?)」

「(……でも……"もう一つの感情"については……深く考えない方が正解かもしれません)」≪チラッ≫


≪抜けられたのは5機……これ迄なのか?≫(41話 中編 参照)


「(確かに"あの時"の私は隊長で有りながら諦めが良過ぎた上に大きな隙を晒していた……そう考えれば……
 突撃機動部隊と同様に"次回の作戦"では重要となるA-01の隊長でも有る私に釘を刺すのも妥当と言える)」

「お~い霞ィ! 置いてくぞ~?」

「ま、待って下さいッ」

「(だとすれば素直に"乗ってみる"のも悪く無いかもしれないわね……望みは皆無だけど望むダケなら只だし)」


此処で何故か霞が一旦 伊隅の方を振り返って足を止めたので、何か彼女に思うトコロでも有ったのだろうか?

例えば最近はA-01の訓練の様子すら見に行ってすら無かったので、今の会話で来て欲しくなったとか……

そうでなくとも彼女達の方には佐渡島の攻略を考えれば必ず顔を出す必要が有るから予定に入れとかないとな。

でも速瀬&涼宮(姉)のマンセル攻撃が未だにトラウマに成り掛けてるから、行くなら行くで慎重にゆかないとね。




『年下のクセに馬鹿にしやがってよぉぉぉ!! 何が"へぇあ"よ平和でしょオラァァァ!!!!』




――――実際は俺の方が年上なんだけど、暴走した速瀬に"こんな事"とか言われたら流石にヘコみそうだし。




……




…………




……霞と歩みを進める事 数分後。俺達は千鶴達の所(ハンガー)に向かう途中での通路で赤い服の人と合流した。


「どうも。お早う御座います真那さん」≪キリッ≫

「おはようございます」≪ペコリ≫

「お、お早う御座います。白銀少佐」

「……って今は"この娘"が居るんで"月詠中尉"の方が良かったッスかね? すみませんでした」

「お構いなく」

「(むしろ満更でも無いみたいです)」

「そう言えば紹介が まだでしたかねェ? ほら霞」

「……社 霞です……よろしくおねがいします」

「は、はあ。此方こそ」

「主に戦術機の開発 云々を担当していましてね……S型やXM3も彼女が居なければ存在してないってトコです」

「!? それは何と言う――――」


本当はXM3やら新兵器やらよりも同等かつ"それ以上"の事にも関わっているんだけど、真那さんには言えない。

それ以前に霞をこうも人前に晒しても構わないんだろうか? 人見知りするって言うキャラも何処へ行ったんだ?

なんか ゆ~こさんも純夏が復活しそうって事で、霞に対する配慮すら俺に全部 投げている様な気がするし……

全くもうッ! もし霞が左近さんみたいな"凄腕"に誘拐されそうになったら どうするんだ? 俺じゃ守れないぞ?

まさか俺を護衛役で置いてるって事じゃないだろうな? いや流石にソレは無い以前に危険なら霞が察するだろう。

さて置き。やはり真那さんで有っても目の前の"子供"が有り得ない技術を持ってるって事に驚いているみたいだ。

まれに俺の傍や横浜基地に居るのを見た程度なのに、その辺の技術仕官よりも凄い"結果"を既に残してるんだし。


「やっぱ意外ですか?」

「え、えぇ……少々驚いております」

「HAHAHA。無理も有りません」

「……でも……」

「んっ? どした~?」

「白銀さんみたいな"有り得ない人"も居ますから……私なんて大した事はしていません」

「!? ……ふふッ……それは確かに一理 有りますね」


――――手の甲を口元に当てて微笑む真那さん。もはや最初に出会った時の面影は無いと言っても良いなコレ。


「2人とも酷ッ! それよりも真那さん」

「何か?」

「快く引き受けてくれたとは伺ったんスけど、本当に大丈夫だったんですか? 指導の件」

「はい。むしろ我々の知識と技術が僅かでも彼女達に……人類の反撃となる作戦に役に経つのであれば本望です」

「ふ~む……って事は少しは"作戦"の話を聞いてました?」

「僅かながらピアティフ中尉より。いずれ帝国の方からも通達が有るでしょうが」

「成る程~。ともかくソレ迄に最善を尽くすとするに限りますねェ」

「仰る通りです……と言う訳で、今後 宜しくお願い致します。社様」

「……え、えっと……私は階級を正式には貰っていないので……中尉にそんなに畏まって頂けなくても……」

「謙遜される事は有りません。貴女の成されている事は間違いなく私達の希望の糧となっているのですから」

「……ッ……」

「故に自信と誇りを持つ事で、いずれは部隊を率いる気持ちで……」

「ふ、ふじこ~ッ」


――――EXの如く優しい表情で言う真那さんに対して、此処で何故か俺の後ろに隠れてしまうウサギさん。


「社様……?」

「すみませんねェ真那さん。霞は少々 人見知りする性格でして(……直前まで忘れてたけど)」

「そうでしたか」

「あと褒められるのに慣れてないってのも有るかもしれません。まァ色々と訳有りって事で」

「……ごめんなさい」

「此方こそ出過ぎた事を申した様ですね」

「それほどでもない」

「其処で何で白銀さんが……応えるんですか?」

「お約束だから気にするな。じゃあ早速 冥夜達に紹介しに行くとしますか」

「はい(……つい白銀少佐と会話していると、今の危機的な状況を忘れてしまう……本当に不思議な方……)」

「(やっぱり私は白銀さんや香月博士 以外の人は苦手かもしれません……でも慣れる様にしないと――――


≪悪かった、寂しい思いをさせて。 だから、今度は霞も一緒に海へ行こう≫(相当 期待している様子)


 ――――鑑さんの事も有りますし、白銀"お兄さん"と一緒に居れる機会が更に少なくなってしまいます)」

「(そう言や"此処"に来てもう2ヶ月近くか……HDDの中身削除したいなマジで)」← 一方完全に忘れている白銀


何故か微妙に俺との歩く距離が近くなった霞と、すっかりキャラが変わった真那さんと3人でハンガーに来た時。

先ず目に入るのは数多くの戦術機が並んでいる光景であり……それらに目を移しながら更に歩くと目的地に到着。

言わずともながら5機の武御雷(黒)が納められているエリアで、予定の通り"彼女達"の姿も有ったんだけれども。




「ど、どう言う事なのよッ? コレって」


「何故5機もの黒い武御雷が……私達の"吹雪F型が有った場所"に有ると言うのだ……?」


「それに国連軍のマーカーが付いてる」


「はうぁうあ~……だ、だだだだったら……ひょっとして、ひょっとすると!?」


「それより、この武御雷ってF型に改造されてるみたいだねーッ?」




各々が武御雷(黒)を見上げながら、まるで初めて白銀を紹介された時と同じ様な顔をして心境を口々にしていた。

相変わらず空気の読めない事をヌカしている"美琴"でさえ、表情は普通に驚いており目を泳がせてしまっている。

そんな彼女達の洞察は当然 正解で有るので、俺が太鼓判を押す事により"半信半疑"を喜びに変えて貰わないとね!

よって俺が足を止めた為に空気を読んで待っている霞と真那さんの視線を感じながら、俺は足を一歩 踏み出した。


「みんな揃ってるみたいだな」

「えッ!? し、白銀少佐?」

「それに――――(月詠!?)」

「ともかく……敬礼な流れ?」

「はわわっ」

「足元に気をつけないと危ないよ~? 壬姫さん」

「敬礼っ!!」

「――――ッ」×4


すると(美琴も含めて)皆 予想通りのリアクションの後に整列すると、此方に敬礼するので俺も当然 真似をする。

一方 真那さんは言わずともながらだが、霞のギコちない敬礼がチラ見した限り妙に可愛かったのは予断として。

俺の言葉を待つ僅かな(整備音を背景とした)沈黙が、妙にギスギスして感じたので俺は再び暴挙に出てしまった。




≪パチンッ!≫




「……話をしよう」

「!?!?」×7




――――即ち"エルシャダる"と言う事であります。こうなったら、もう後戻りは出来ないんだぜッ!?(後悔)








●戯言●
今のウチに霞の好感度を上げておきます。んで早くて次。遅くても次の次には彼女が完全復活すると思います。


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