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No.3960の一覧
[0] これはひどいオルタネイティヴ(ぶち壊し注意)[Shinji](2008/08/24 12:52)
[1] これはひどいオルタネイティヴ2[Shinji](2008/08/25 11:13)
[2] これはひどいオルタネイティヴ3[Shinji](2008/08/25 11:11)
[3] これはひどいオルタネイティヴ4[Shinji](2008/08/26 04:35)
[4] これはひどいオルタネイティヴ5[Shinji](2008/08/26 23:24)
[5] これはひどいオルタネイティヴ6[Shinji](2008/08/27 20:54)
[6] これはひどいオルタネイティヴ7[Shinji](2008/08/28 16:19)
[7] これはひどいオルタネイティヴ8[Shinji](2008/08/29 20:22)
[8] これはひどいオルタネイティヴ9[Shinji](2008/08/30 23:24)
[9] これはひどいオルタネイティヴ10[Shinji](2008/08/31 22:48)
[10] これはひどいオルタネイティヴ11[Shinji](2008/09/01 21:59)
[11] これはひどいオルタネイティヴ12[Shinji](2008/09/03 08:21)
[12] これはひどいオルタネイティヴ13[Shinji](2008/09/05 10:13)
[13] これはひどいオルタネイティヴ14(+用語ver1)[Shinji](2008/09/07 08:57)
[14] これはひどいオルタネイティヴ15(+伊隅戦乙女隊ver1)[Shinji](2022/04/20 02:22)
[15] これはひどいオルタネイティヴ16[Shinji](2008/09/11 14:52)
[16] これはひどいオルタネイティヴ17[Shinji](2008/09/13 17:38)
[17] これはひどいオルタネイティヴ18(+伊隅戦乙女隊ver2)[Shinji](2008/09/16 23:33)
[18] これはひどいオルタネイティヴ19[Shinji](2008/09/19 22:36)
[19] これはひどいオルタネイティヴ20[Shinji](2008/09/23 02:45)
[20] これはひどいオルタネイティヴ21(+用語ver2)[Shinji](2008/09/26 21:20)
[21] これはひどいオルタネイティヴ22(+第207衛士訓練部隊)[Shinji](2008/10/02 22:28)
[22] これはひどいオルタネイティヴ23[Shinji](2008/10/09 19:42)
[23] これはひどいオルタネイティヴ24[Shinji](2008/10/23 01:55)
[24] これはひどいオルタネイティヴ25[Shinji](2008/10/31 02:49)
[25] これはひどいオルタネイティヴ26[Shinji](2008/11/22 04:34)
[26] これはひどいオルタネイティヴ27[Shinji](2008/11/25 18:05)
[27] これはひどいオルタネイティヴ28[Shinji](2008/12/14 03:54)
[28] これはひどいオルタネイティヴ29[Shinji](2009/01/11 03:35)
[29] これはひどいオルタネイティヴ30(前編)[Shinji](2009/01/17 04:11)
[30] これはひどいオルタネイティヴ30(中編)[Shinji](2009/01/21 01:11)
[31] これはひどいオルタネイティヴ30(後編)[Shinji](2009/01/28 12:16)
[32] これはひどいオルタネイティヴ31 2009/02/08 00:31[Shinji](2009/05/17 17:57)
[33] これはひどいオルタネイティヴ32[Shinji](2009/02/19 03:33)
[34] これはひどいオルタネイティヴ33[Shinji](2009/04/10 04:03)
[35] これはひどいオルタネイティヴ34[Shinji](2009/03/26 08:07)
[36] これはひどいオルタネイティヴ35[Shinji](2009/03/30 03:38)
[37] これはひどいオルタネイティヴ36(前編)[Shinji](2009/04/08 22:44)
[38] これはひどいオルタネイティヴ36(後編) 2009/04/14 04:28[Shinji](2009/05/17 17:53)
[39] これはひどいオルタネイティヴ37 2009/04/24 06:26[Shinji](2009/05/25 00:10)
[40] これはひどいオルタネイティヴ38[Shinji](2009/05/10 00:10)
[41] これはひどいオルタネイティヴ39(前編)[Shinji](2009/05/12 20:01)
[42] これはひどいオルタネイティヴ39(中編)[Shinji](2009/05/14 23:55)
[43] これはひどいオルタネイティヴ39(後編)①[Shinji](2009/05/17 05:05)
[44] これはひどいオルタネイティヴ39(後編)②[Shinji](2009/05/25 02:35)
[45] これはひどいオルタネイティヴ40①[Shinji](2009/06/01 01:54)
[46] これはひどいオルタネイティヴ40②[Shinji](2009/06/05 02:47)
[47] これはひどいオルタネイティヴ40③[Shinji](2009/06/11 02:49)
[48] これはひどいオルタネイティヴ40④[Shinji](2009/06/14 06:03)
[49] これはひどいオルタネイティヴ40⑤[Shinji](2009/07/02 03:10)
[50] これはひどいオルタネイティヴ41(前編)[Shinji](2009/07/13 01:30)
[51] これはひどいオルタネイティヴ41(中編)[Shinji](2009/07/28 19:03)
[52] これはひどいオルタネイティヴ41(後編)[Shinji](2009/08/16 04:00)
[53] これはひどいオルタネイティヴ42[Shinji](2009/08/27 00:58)
[54] これはひどいオルタネイティヴ43(前編)[Shinji](2009/09/10 23:51)
[55] これはひどいオルタネイティヴ43(中編)[Shinji](2009/09/20 09:43)
[56] これはひどいオルタネイティヴ43(後編)①[Shinji](2009/10/07 07:49)
[57] これはひどいオルタネイティヴ43(後編)②[Shinji](2009/10/10 22:26)
[58] これはひどいオルタネイティヴ44(前編)[Shinji](2009/11/11 20:38)
[59] これはひどいオルタネイティヴ44(後編)[Shinji](2009/11/17 03:24)
[60] これはひどいオルタネイティヴ45[Shinji](2009/12/04 11:35)
[61] これはひどいオルタネイティヴ46(前編)[Shinji](2009/12/07 06:52)
[62] これはひどいオルタネイティヴ46(後編)[Shinji](2009/12/20 00:54)
[63] これはひどいオルタネイティヴ47(前編)[Shinji](2010/01/26 07:13)
[64] これはひどいオルタネイティヴ47(後編)[Shinji](2010/01/29 14:19)
[65] これはひどいオルタネイティヴ48(前編) 2010/02/20 03:44[Shinji](2010/02/23 04:16)
[66] これはひどいオルタネイティヴ48(後編)[Shinji](2010/03/04 12:24)
[67] これはひどいオルタネイティヴ48.5[Shinji](2010/03/06 20:21)
[68] キャラクター注目度ランキング(~2010年03月09日)[Shinji](2010/03/09 18:23)
[69] これはひどいオルタネイティヴ49 2010/03/14 07:03[Shinji](2010/03/15 12:47)
[70] これはひどいオルタネイティヴ50 2010/04/08 07:58[Shinji](2010/04/10 03:15)
[71] これはひどいオルタネイティヴ51(前編)[Shinji](2010/04/18 14:51)
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[74] これはひどいオルタネイティヴ52[Shinji](2010/07/27 04:27)
[75] これはひどいオルタネイティヴ53[Shinji](2010/10/06 05:34)
[76] これはひどいオルタネイティヴ54[Shinji](2011/03/29 08:19)
[77] これはひどいオルタネイティヴ55[Shinji](2011/04/02 07:48)
[78] これはひどいオルタネイティヴ56[Shinji](2011/05/16 11:26)
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[80] これはひどいオルタネイティヴ58[Shinji](2012/09/01 14:35)
[81] これはひどいオルタネイティヴ59 2012/10/29 15:03[Shinji](2012/11/03 14:33)
[82] これはひどいオルタネイティヴ60 2012/11/02 17:30[Shinji](2012/11/03 14:34)
[83] これはひどいオルタネイティヴ61[Shinji](2012/11/07 21:35)
[84] これはひどいオルタネイティヴ62[Shinji](2013/02/17 10:44)
[85] これはひどいオルタネイティヴ番外編[Shinji](2009/04/14 02:45)
[86] これはひどいオルタネイティヴ番外編②[Shinji](2009/10/15 18:11)
[87] これはひどいオルタネイティヴ番外編③[Shinji](2010/11/04 17:45)
[88] これはひどいオルタネイティヴ(登場人物+用語)[Shinji](2010/10/10 03:07)
[89] これはひどいオルタネイティヴⅡ(原案)[Shinji](2022/03/24 21:32)
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[3960] これはひどいオルタネイティヴ8
Name: Shinji◆9fccc648 ID:37b9b89a 前を表示する / 次を表示する
Date: 2008/08/29 20:22
これはひどいオルタネイティヴ8




2001年10月27日 午前


≪ゆさゆさ ゆさゆさ≫


「朝です……おはようございます。」

「ん……おはよう、社。」


昨日は酷い事をしてしまったが、今朝も律儀に起こしに来てくれた社。

何故そんなに献身的に……けど、社は鑑のイメージを真似してるダケなんだよね……ハァ。

そう言えば……鑑は毎日毎日 白銀を起こしに行ってやってたんだよなあ~。

鍵が閉まってても諦めず、壊してまで起こしに来る位だし。 根性だけはハンパじゃねぇぜ。


「ばいばい。」

「――――とっ、待ってくれ 社。」

「……?」

「あ~……昨日はアリガトな、助かったよ。 ゆーこさんを手伝ってくれたんだろ?」

「……いえ。」

「それと、悪かった。 変な事、言っちまって。」

「……っ……」

「や……社?」

「ダメです、許してあげません。」

「え"ぇあ!?」


な……何故!? 起こしに来てくれたから、怒ってないと思ってたのにっ!


「……名前で呼んでください。」

「えっ?」

「これから名前で呼んでくれれば……許してあげます……」

「あ、あぁ……そんな事で良ければ。 ……ゴホンッ。」

「…………」

「霞。」


≪――――ぽっ≫


「……っ……」

「ちょ……っ! 霞ッ!?」


≪バタンッ≫


……よく判らんが、名前で呼べば許してくれるらしい。

よって言ってみたら、直後に"霞"はさっさと部屋を出て行ってしまった。

こっ恥ずかしかったから視線を逸らしていたので、気付くのに遅れて止め様が無かったぜ……

くそっ……可愛いぜ、ウサギッ娘……何時か絶対にキスしてやる……ッ!

別に名前で呼ぶ事に抵抗は無いんだが、イキナリそんな事を真顔で言われるのは予想外だったな。


「(香月博士だけ名前で……ズルいです……)」


まぁ 鑑をリーディングをしてるんだし、霞も名前で呼んで欲しくなるのは普通か。

……待てよ? だが、そうなると霞が俺を"タケルちゃん"と言うべきな気がする。

でも良いや、原作通りだし。 そもそも霞のキャラじゃ無し、恥ずかしいのかもしれない。




……




…………




2001年10月27日 午後


「軍曹。 明日あたりであれば、シミュレーターに付き合えますよ?」

「ほ、本当ですか!?」


朝食の時に まりもちゃんと そんな事を言い、俺は午後のシミュレーターも終えた。

稼働時間は若干 抑えて合計6時間。 昼食や休憩も挟んだので、夕食の時間が近付いている。

……だが まだ時間が有るので適当に散歩していると、見知った顔が複数あった。

例の207B分隊の四天王だ。……でも、これじゃ鎧衣が涙目? まぁ、今は良いか。


「――――あっ。」

「よう榊、頑張ってるか~?」

「白銀少佐ッ!!」

「うわっ、びっくりした。 いきなり何だよ?」

「神宮寺軍曹に何があったんですかっ!?」

「はっ? ……どう言う事だ? 御剣。」


榊に凄い勢いで迫られた。 EXの白銀も毎日大変だなこりゃ。 何故 彩峰は自重しない?

さておき、よく見ると珠瀬は判り易いが、彩峰までもがソワソワしている気がする。

そこで、今でも唯一冷静で空気の読める御剣に話を振ってみた。 対して頷くと答えてくれる。


「……は。 今日の神宮寺軍曹は何処か、変な様子だったのです。」

「なして?」

「判りませぬ。 それ故に皆、気になっているのです。」

「なんか~、妙にニコニコしてたんですよ~。」

「……鼻唄も歌ってた。」

「ま、マジでッ!? "鬼軍曹"と呼ばれるあの人が!?」


"マジ"と言う白銀語は、既に彼女達には説明済みだ。 今では彩峰も良く使う。


「うん、マジ。」


――――ホラね☆


「何時もは厳しい教官ですけど、あんな軍曹は初めてなんです……」

「だったら、聞いてみれば良かったじゃないか。 分隊長だろ?」

「!? で、ですけど……逆に怖くて聞き難くって……」

「ふ~む。 なんだか判る気もするな。」

「少佐……何か知ってる?」

「俺が?」

「……良く軍曹と、食事してる。」

「あ~。」


ぶっちゃけ、207B分隊のコ達とも、バリバリ食事したいのよね。

でも少佐だからなぁ……横浜基地の空気を読むと、そんなに介入できないんだよな。

原作みたいに白銀が訓練兵だったらともかく、左官も有る意味 自由度が無いね。

まりもちゃん を混ぜたくても教官と訓練兵との立場上、できないみたいで断られるし……

それにしても、見られていたのか。 まぁ、俺も最初はB分隊に気付いてスルーしてたし自然か。


「少佐、何か心当たりは有りませぬか?」

「ん~。」


――――白銀は、つい唸っちゃうんだ☆


「昨日までは確かに、何時もの軍曹だったんですけど。」

「そうだなぁ……有るとすれば、明日シミュレーター訓練に付き合う約束をした位かなぁ。」

「ん。 ――――それだね。」

「それしかないわね。」

「は?」

「うむ、これで合点がいきました。」

「良いな~、神宮寺軍曹~。」

「えっ、え?」


ちょっと君達、何を納得してるんですか?

もしかして……まりもちゃん、シミュレーター訓練如きで何でそんなに喜んでたの!?

あのキャラ壊してまで!? 確かに俺にとってはデートみたいなモンだから嬉しいけどさ……

まりもちゃんが喜ぶのは、染み付いた価値観を考えれば何かオカしいだろッ!

ひょっとすると、戦闘狂だったりしますか? 俺と対戦する事に血が騒いで嬉しかったりッ?

なんか不安。 思わず放心してしまうと、榊達は輪を作って何やらヒソヒソと話している。


「(もしかして、軍曹って少佐に……)」

「(……かもね。)」

「(うむ。 露骨過ぎて そうとは思わなかったがな。)」

「(お似合いかもしれないけどね~。)」

「(けど、軍曹には負けてられないわ。)」

「(そだね。)」

「(あぁ、少佐は我々の目指す方でも有るのだから。)」

「(あうっ。 はぅあぅ……)」


ちょっ、何でイキナリ蚊帳の外にされてるんですか?

全く聞き取れないし、こんな時にいきなり連携発揮するなよ。


「何を話してるんだ?」

「何でもありませんッ。」

「しいて言えば……会議?」

「失礼致しました。」

「あ、あははは~っ。」


寂しいので一歩踏み出して声を掛けると、いきなり一列に並ぶ四人。

意味が判らず首を傾げていると、榊が一歩踏み出して言う。 なんか真面目な顔してる。


「少佐ッ! 必ず合格致しますので、当日宜しくお願いしますっ!!」

『――――敬礼ッ!!』

「ん? あ、あぁ……頑張って……ね?」




……




…………




「どうですか? これで。」

「ざっと見てみるわ、ちょっと待って。」


≪カタカタカタカタ……≫


「……(どきどき)」

「へぇ、やっぱり やるもんじゃない。 問題ないわ。」


夕飯が済むと、俺は昨日今日のシミュレーター・ログを持って執務室に向かった。

メシは何時も通り まりもちゃんと食ったんだけど、ホントにニコニコしてたよ。

EXじゃ普通なんだろうけど、オルタじゃ有り得ないなら笑顔が逆に怖かった。

まぁ……深くは考えない事にしよう。 んで、ゆーこさんにログを渡すついでに言ってみた。


「まりもを不知火S型に乗せたい~?」

「良いですか?」

「別に問題ないわよ。 それにしても 何で?」

「明日 夕飯の後、訓練する事になったんです。 だから軍曹にも慣れて貰おうと思って。
 榊達にもいずれ不知火S型には乗る事になりますから、教官として。」


流石に最初の実機は吹雪かもしれないけど、その辺はどうなんだろう?


「ふ~ん……まりもと、ねぇ。」

「はい。」

「ん~……」

「ゆーこさん?」

「――――決めたっ!」

「な、何をです?」

「明日のオペレーター、あたしが手伝ってあげるわ。 感謝しなさい。」

「ホントですか!? でも、忙しいハズだったんじゃ。」

「ちょっと位なら大丈夫よ。」

「はぁ。」


……どう言う風の吹き回しだ? まぁ、いちいち端末と筐体を往復するよりは断然マシか。

それに不知火S型も機密に入るんだろうから、他の人には任せられないっぽいし。

あぁ、でも霞やピアティフちゃんなら大丈夫かな~?

でも 色々と教えながらやる訓練だし、いちいち人の手を借りるのも、どうだかなあ……


「まりもの午後の指導は中止にして、訓練兵達にも見学させましょう。
 そんでもって、シミュレータールームも1時間は貸切にして――――」

「はぁ。(1時間だけ?)」

「白銀……ちょっと耳 貸しなさい。」

「はい。」


何を思いついたか知らないけど、ゆーこさんは考えを随分とエスカレートさせている。

それを黙って見ていると、手招きされたので近付いで耳を寄せる。

あっ……やっぱり良い匂い。 でも彼女が口にした内容で、俺の顔が引き攣った。


「さ~て、明日が楽しみね~っ!」

「…………」


――――ゆーこさん、やっぱり貴女は恐ろしい人だ。




……




…………




2001年10月28日 午前


「ばいばい。」

「ちがうぞ、霞。」

「……?」

「その場合は、"またね"って言うんだぞ?」


今朝は霞とそんなやり取りをし、朝食では まりもちゃんに ゆーこさんが来る事を伝えた。

そして昼迄はシミュレーターの最終調整。 とにかく、不知火S型に体を慣らしておく。

勿論 台詞は自重しない。 一昨日はダ●ゲルにしたから、今日はラ●サスにしておこう。


「い、伊隅大尉!? うわああああぁぁぁぁぁっ!!!!」


ヴォールク・データの中層で大破。 相変わらず密度が凄い、XM3ないともう無理だわ。

でもなんで彼女の名を叫んだかって? だって大尉ってこの人ダケだもん、沙霧はヤダし。

けど……嗚呼、楽しい。 実戦しないでデータ取ってるだけで仕事になるなら一生やっていたい。

だがBETAと戦うからこそのシミュレーターなのだ。 いずれ賭けるのは命、リスク高ぇぜ。

しかし多くの衛士は死ぬ事を前提として励んでいるんだろう。

天皇陛下バンザーイッ! ……まぁ、俺にはこの世界に10年居続けても理解出来ないだろうね。


「おっ? 皆 もう居たのか。」

「――――敬礼ッ!!」


控えめに昼食を取ってシミュレータールームにやって来ると、まりもちゃん達が居た。

慣れない場所でギコちない様子のB分隊4名も一緒であり、まりもちゃんの言葉で皆が敬礼する。

それに俺もヘタクソな敬礼で返すと、スタスタと ゆーこさんもやって来た。


「もう揃ってるみたいね~。」

「敬――――」

「はい、ストップ。 あたしに敬礼は要らないわよ?」

「……はぁ。」


敬礼を制止され、まりもちゃんは溜息に似た相槌を漏らす。

流石のゆーこさんだぜ……俺は空気を読んでいるが、彼女はフリーダムだ。

……えっ、お前が言うな? 全て脳内だからノーリスクだ、何も問題はないさ☆

さておき、B分隊4名は香月副司令の登場で緊張気味だ。 まぁ、当たり前か。

榊あたりはもっとオーバー・アクションすると思ったが、まりもちゃんが事前に言ってたんだろう。


「それじゃ、白銀 まりも。 着替えてきなさい。」

「ほ~い。」

「了解。」

「榊達は楽にしていなさい、あたしは設定を弄ってるから。」

「は、はいっ!」


ゆーこさん。 名前を連ねたダケなのは判りますが、間にディレイを入れてください。

白銀の嫁になる まりもちゃんを想像してしまったではないですか。

……って、気付いたら まりもちゃんは歩き去っている。 俺もさっさと着替えるか。




……




…………




「お待たせしました。」

「済んだわね? それじゃ~早速 始めるわ。」

「あの、ゆ……副司令。 訓練兵まで連れて来て何を始めるんですか?」


流石に俺の方が着替えるのが早かった。 当たり前だよね。

しっかし……たまんねぇなあ。 まりもちゃんを直視するのだけは絶対に止めて置こう。

ここで息子が大破したりしたら、戦術機まで大破して情け無い事になってしまう。

それはそうと、まりもちゃんは ゆーこさんが来た理由が判らない。 俺は知ってるけど黙っておく。


「まりもには、これから白銀と戦って貰うわ。」

「えっ!?」

「白銀は不知火に改良を加えた新型に乗るけど、構わないわね?」

「ま、待ってくださいっ! 聞いてませんよ!?」


そりゃ~聞いてないよなぁ。最初は二人で軽く訓練するダケのつもりだったのに。

今なっては午後の指導を中止し、訓練兵までもが見学に来ている。

彼女にとっては予想外だろう。 勿論、俺にとっても予想外なんだけどね。


「あら何? 白銀に負けるのが怖いの~?」

「!?」

「まぁ、そうかもね~。 確かに まりもと白銀じゃ、勝負にならないかも。」

「むっ……そんな事はありません! 確かに少佐の腕は一流だと思いますが、
 私だって少しくらいは戦えますッ。 馬鹿にしないで下さい!」

「ふふん。 なら、決まりね?」

「――――少佐、宜しくお願いします!」

「は、ハーイ。」

「まりも、白銀に勝てれば階級を大佐まで上げても良いわよぉ?」

「!? し、少佐! 手加減抜きでお願いしますっ!」

「はぁ。」


煽るゆーこさん、釣られるまりもちゃん。 でっかいおっぱいが釣れましたねぇ。

特に"大佐にしても良い"って事は まりもちゃんが微塵にも勝つ可能性が無いと言うのと同じだ。

まりもちゃんは流石にそれにはカチンときたらしい。 でも俺はヒクヒクと苦笑いをするしかない。


「……榊。 あんた達はこれから初めて新型を拝めるのよ?
 まだ見ているのは、あたしと 白銀だけ。 自分が設計してなんだけど、かなりの機体よ?
 いずれ あんた達もテストする事になると思うから、しっかり見ときなさい。」

「はっ、はい!!」


まりもちゃんには悪いが、ゆーこさんには逆らえない。

俺は筐体に向かい、まりもちゃん もプンプンと別の筐体に入る。

そして着席すると すぐさま網膜投影で ゆーこさんと まりもちゃん顔が出てくる。

ゆーこさんはニヤニヤとしており、まりもちゃんは至って真剣な表情だ。


『マップは市街戦。 まりもは不知火、白銀は新型の不知火S型。 ここまでは良い?』

「はい。」

『問題ありません。』

『武装は まりもが迎撃後衛、白銀が強襲前衛 仕様。 これも大丈夫?』

「OKっス。」

『同じく。』


迎撃後衛も強襲前衛も役目は違えど武装は殆ど同じ。

――――87式突撃砲×2(36ミリ/120ミリ・予備弾倉4/2)

――――74式近接戦闘長刀×2 65式近接戦闘短刀×2

このうち長刀1本を"92式多目的追加装甲"に変え、
突撃砲を一つにして36ミリの予備弾を4から8に増やしたのが迎撃後衛 仕様だ。

意外と詳しいなって? まぁ、色々と別のポジションも試してみたからね。

格闘はかなり度胸が要るから、俺が一番 好きなのは弾倉も多い強襲掃討なんだが、
ゲームと違って勝手に回復するワケじゃないしなぁ。 燃費の良い強襲前衛の方がマシだ。

白銀の十八番は突撃前衛なんだけど、強襲前衛仕様にしたのは盾は邪魔だからだ。

赤い彗星も名言をいってただろ? 実際BETAに一発でも食らえばオシマイだし、
光線級の攻撃を一時的に凌げるのは有り難いが、それよかBETAを倒せる武器を多く持つ方が良い。

俺の好きなゲームは盾なんて意味無かったから、こっちの方が定着しているんだ。

それ以前に、一対一だとポジションなんて関係無い。 武器だけで選んでいる。

ポジションは? ……と聞かれれば、当然 白銀の得意な突撃前衛、武器変更も視野に入れるか。


『まりも、新型について何か聞きたい事は有る? 少しは粘れるかもよ~?』

『……ありませんッ。』

『あら、そぉ? それなら始めるわ――――状況開始。』

「お願いしまぁ~す。」

『――――ッ!!』


≪――――ズシンッ≫


ゲームを思い出して、名も知らない味方と組んだ時の様に"お願い"をしてしまった俺。

すると御気に召さなかったのか、リンクが切れる直前に まりもちゃんの顔が更に引き締まった。

確かに真剣勝負で言うべきじゃなかったかな……でも俺、緒事情で緊張感が……


「(……あれが新型の不知火S型? 少し大きいわね、何か意味が有るのかしら?)」


≪――――ズシンッ、ズシンッ、ズシンッ、ズシンッ≫


「(……機動性はこっちの方が有りそう。 白銀少佐の腕を考えれば、
 接近戦は厳しそうだし、距離さえ詰められなければ……いけるかしら?)」


俺は開始直後から、数百メートル離れた不知火の方へと一直線に走っている。

まりもちゃんは その場で こちらの様子を伺っており、両手には突撃砲と盾。

距離はまだ有るし、RPGではまるで意味が無いけど、相手の動向を探るのも良い策だ。

それにBETAに対して盾の重要性は微妙だと思うけど、戦術機同士だと有効だよなあ。

互いにマシンガンを持った人間が戦えば、盾を持ってたほうが有利だろうし。


「はしる~、はしる~、おれ~た~ち~、切り裂くBETAをそのま~ま~に~♪」


小声で歌う俺。 不知火S型はまだ、何も武器を手にしていない。

……案外この歌、流行るかもな。 くだらない事を考えながら距離を詰める。

そんで有る程度距離を詰めると、長刀を無造作に抜き、変わらずそのまま走り続ける。


「(ど、どう言う事? 何で、この距離で長刀を持って無造作に走ってくるのッ?
 そろそろ射程内よ? こっちは突撃砲を構えているって言うのに……)」


走ってくる俺に対し、まりもちゃんも未だに突撃砲と盾を構えて警戒している。

俺の行動を疑問に思っているのだろう。 何せ水平噴射さえしないんだからな。

竹槍を持ってマシンガンを持つ相手に、特攻しに逝っているようなもんだ。


≪ズシンッ、ズシンッ、ズシンッ、ズシンッ――――≫


「(少佐は何を考えてるの? それ以上 近付いたら、幾らなんでも避ける事は――――)」

「白銀フラッシュッ!!」


≪――――ドオオォォォォンッ!!!!≫


「きゃあっ!?」


120mm滑空砲の射程内にはとっくに入っているが、中距離で撃たれても当たる気はしない。

だって白銀が相手だ。 俺の動きを見ていた時にそれは判っていた だろう。

けど……チェーンガンの有効射程内だと別だし、今 まさに不知火が射撃を開始しようとした時!

直前。 俺は走りながら、マルチ・ランチャーを不知火に無造作に発射すると、直後に噴射行動。

対して誘導性は高いが まりもちゃんの腕の為か命中はしていないようだ、噴射跳躍に避けられる。


「い、今の攻撃……何なの!? ――――えっ!?」

「ウッディ!!!!」


≪――――ガシュウゥッ!!!!≫


「!? そ、そんな……っ!」


"相手が射撃武器を持っていないのに撃たれる"と言う、予想外の出来事。

弾速はチェーンガンの方が上なのに、盾あれど まりもちゃんは慌ててしまったんだろう。

腹部マルチ・ランチャーはまだ仕方ないけど、頭部バルカン砲の概念すら無いんだなあ。

俺は一気に距離を詰め、まりもちゃんは長刀による一撃を食らって大破。 盾も無意味。


『神宮寺機。 致命的損傷、大破。 ぷっ……――――状況終了。』

『……っ!?!?』


――――俺は30秒で勝った。 ゆーこさん、鬼ですかアンタは。




……




…………




「――――まぁ、そう言う訳で。」

「…………」

「BETAを相手にする時は、いかなる時でも油断をしてはいけないわ。
 実戦でも教科書通りに対応しようとしたら地獄を見るわよ? 常に裏の裏を見るの。」

「…………」

「……ね~え? ま・り・もっ?」

「う、うぅぅ~……っ!」


戦いが終わると一旦 筐体を出て、唖然とする訓練兵を前に、
俺とまりもちゃんを左右に、ゆーこさんがニヤニヤとしながら何か言ってる。

対して まりもちゃんが酷い。 これは酷い。 猫背でめっちゃ情け無い顔をしている。

ほらEXのアレだ。 "有明は……有明だけは嫌なのよぅ~!"と言う時のヤツだ。

ゆーこさんは まりもちゃんのクセを全部 知っていて、俺に最短で勝たせるアドバイスをし、
彼女を煽って不知火S型の兵器についてを何も教えず、訓練兵まで呼んで恥を晒させた。

……だが、まりもちゃんは全て自分のミスだと思い込むだろう。

何せ人に教える立場の人間なのに、死の8分どころか30秒で負けてしまったからだ。

しかも そのうち20秒以上はS型が普通に走っていた以外、何も状況の変化が無かったのよね。

その"走っていたダケ"なのが彼女を必要以上に警戒させ、俺はアソコまで距離を詰めれた。

さっさと噴射で近付いていたら、早々と弾幕を張られ、残骸に逃げられていただろう。


「ふっ……くくくっ。 あっはっはっはっ! 可っ笑しい~っ。
 30秒! 30秒よ? あんなに早く負けた まりもなんて初めてみたわよ~っ?」

「あうっ、あぅあぅあぅっ……」

「もうサイコーっ、久しぶりに良いものが見れたわね~。
 ……ふぅ。 それじゃあ榊、アンタ達は自習しといて。 解散っ!」

「は、はい。 敬――――」

「いらない、いらない。 それじゃ~白銀 まりも。
 やっぱ午後はずっと貸し切りにしておくから、仲良くやんなさ~い。」

「はぁ。」


ゆーこさんは笑いを堪える感じでスタスタと去って行った。ディレイ入れてください。

!? ちょ……おまっ。 それはそうと、いちいち榊達を呼んだのはその為ダケなのかよ!?

見学相応の事も考えてくれてたと思ったのに、トコトンやるなこの人……

だが 榊達は空気を読んだらしく、まりもちゃんを哀れむ視線を向けると、
各々が無言で俺に敬礼して去って行った。 ちなみに、彩峰は口元で笑いを堪えてた。

そして残ったのは、俺と"これは酷い状況"のまりもちゃんダケになる。


「し~ろ~が~ね~しょ~さ~?」

「は、はい。」

「うぅっ……お願いします、私を一から鍛え直してくださいっ!」

「えー。」


涙を流す まりもちゃんに対し、俺は引いて嫌そうな顔をした。 可愛いけどね。


「お願いしますっ、私 何でもしますから~ッ!」

「何でも?」


私、何でもしますから。 エロゲーだと確実にラブシーン・フラグだろう。

だが……今の まりもちゃんの顔が余りも情けな過ぎて、全くその気は起きなかった。

よって普通に教える事にし、この顔ではマズいのでとりあえず宥める事から始めた。


「はい~っ、だからお願いしますぅ~っ!」

「はぁ。 ……まぁ 約束ですからね、シミュレーターには付き合いますよ。」

「あ~り~が~と~う~ご~ざ~い~ま~す~。」

「あの、だから。 とりあえず、語尾を延ばすのと 泣くのは止めて下さい。」


さっきからボディを直視してるんだけど、魅力が相殺されている……助かった。


「落ち着きました?」

「は……はい。」

「それじゃあ、新型でヴォールク・データを流して見ます。 先ずは見ててくださいね。」

「……わかりました。」


――――それからは、何とか終わりまで順調だった。




……



…………




そして、夕食。 ピンポイントな時間だったので混んでいた。

よって5分ほど並ぶ事になり注文を済ませると、相手席に適当に座った所が、
タマタマ207B分隊の席と近かったらしく、何やら"さっきの事"を話していた。

こんな時は、ついやっちゃうんだ☆ 俺は体を丸めて聞き耳を立てる。


「さすが白銀少佐……あの神宮時軍曹を僅か30秒で撃墜してしまうとは……」

「でも……軍曹って元中隊長で中尉だったって聞くわよ?」

「……少佐が強いのかな。」

「そうだよ~、やっぱり少佐って凄い人だったんだね~。」


いやそれ、S型のお陰ですよ? ヨイショされてもプレッシャーなんですけど。

俺は走って跳んで斬った以外は、特に何もしてません。

けど……まりもちゃんの悪口を言わないあたり、彼女を尊敬しているんだろうな。


≪お願いしますっ、私 何でもしますから~!≫


≪だったら脱げ! 俺様の機動概念を、先ずは体に叩き込んでやる!≫


「まりもちゃん……ハァハァ。」


――――今夜はまりもちゃんで、とうとう犯っちゃったんだ☆




●戯言●
EXみたいに香月博士にイジめられる姿が書きたくて、ついやっちゃったんだ☆他意はないです。
自分で勝手に設定してなんですけどS型、何も知らない衛士にはタイマンでかなり強いのでは。
そんなワケで、今回は軍曹云々以外はちっともひどくないですね。自重できて良かった。


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