これはひどいオルタネイティヴ49――――原作にて最大の欝イベントの幕開けとなるトライアル。それが"この世界"ではどうなったかと言うと、結論を述べれば大成功で幕を閉じた。……何せ戦死者ゼロだし。勿論BETAの襲撃が有った事で騒然ドコロか大騒ぎになったが、BETAの全滅から約1時間の休憩の後。やはりトライアルは中止となってしまっているが主にA-01がコンパニオンよろしく働く催しは再開され、その前に俺の小型種の発見で機械化強化歩兵の追加出撃は有ったモノの、新たな脅威は結局 生まれなかった模様。それにしても……XM3を始め新しく生まれた様々な概念は、参加した人達に物凄い支持を得ていたな~。トライアルでの戦果は勿論の事だが、俺達がBETAを迎撃した時のインパクトも凄かった様で、襲撃後の催しでは前半を更に越える衛士達が各ブースに詰め掛け、伊隅達はヒィヒィ言いながら講義をしていた。何せ ゆ~こさんは先程の俺達6機の戦闘時の映像を、襲撃は自演と言う事から安易に撮影できていたらしく、BETA襲撃に居合わせなかった多くの衛士達にも、直ぐに拵えた各所のモニターで見せていたからだ。……実は俺がBETAと戦っていた時に聴こえた歓声はアレでも一部だったらしい。結構 耳に来たんだけどNE。もし"例の台詞"も全員の参加者に聴かれていたら暫く立ち直れなかったと思うけど、カメラの映像で助かったぜ。しっかし用意周到過ぎですよねェ? 全くもう。原作みたくグダグダになってもソレはソレで反省出来るってか~?また特にバカみたいに人気の有った(千鶴との訓練でパッと浮かんだダケの)シンクロ・システムの担当であった、神村と葛城なんて泣きそうな顔になりながら案内を続けてたし、彼女らには悪いが成果が出ている様で嬉しい。"こっち"に来てから何とか正史より戦力を充実させようと俺なりに頑張って来た"つもり"だったんだけど、まりもちゃんが死なないドコロか偶然助けた帝国軍衛士の様に"誰も"死なず、反響と言う結果も残す事が出来た!だから喜びを抑え切れない俺を許してくれ~。正直トライアルは今迄の実戦より緊張するイベントだったけど、クリア出来た今 多少は余裕を持って良い筈なのだから。色々と神経使ったクーデターが過ぎてから日も浅いし。それに原作みたく俺は"EX世界"には戻らないから、極端な話 自室でゴロゴロして休養する事も可能なのだ。勿論 何人かの部下が入った今そんな余裕は無さそうだけど、今のウチに連休を取って置くのも良いかもしれん。考えてみれば白銀が"こっち"に戻ってからは彼に休む暇なんぞ何一つ無かったしな~。肉体・精神 全ての意味で。だから俺も桜花作戦が終わる迄はハードスケジュールだろうし、今からの数日は大事に消化していかないとね~。――――そんな頭が痛くなる思考は さて置き、俺が帝国軍衛士を助けた直後の話をしよう。俺がCPに連絡を入れた後 腰を抜かしていた方の女の子の肩を貸したりしていると、直ぐに2機の戦術機が来る。それは唯依&まりもちゃんであり、まだ小型種の存在を恐れていた俺にとって非常に頼もしい存在に見えた。だけど……何でだったんだろう? 突然 支援狙撃砲と拡散突撃砲の銃口を向けられた時はビビりましたよマジで。よって咄嗟に網膜投影してみたら以前の様にレイプ目だったし……まりもちゃんダケでなく唯依までもがだぜ?恐らく小型種が残ってたって事で気を引き締めてたんだろうけど、チビるドコロかデカい方が出そうになったよ。しかもハンガーに戻りコックピットを出ると唯依に結構な剣幕で迫られる。主に無茶な出撃をしたと言う事で。……とは言え俺が一人で出撃した事で皆が助かった事は分かっていたらしく、主に怒ってた感が強かったけど、悔しそうな・心配そうな表情も見え隠れしてたので、素直に謝る事で許して貰いました。トイレ行きたかったし。≪――――ですがッ≫≪へぇあ?≫≪あれダケは許容できませんッ! 操縦は百歩譲って良いとして、病み上がりの生身でBETAと戦うなど!!≫≪で、でも"あの時"は帝国軍の娘がヤバそうだったし≫≪分かっていますッ。分かっていますけど……武さんはもっと自分を大切になさってくださいッ!≫≪えぇ~? だけど≫≪言い訳は結構ですっ! とにかく後の事は私達に任せて、武さんは医師の診察を受けるべきです!!≫≪いや別に何とも≫≪受けるべきです!!≫≪は、はい≫ ←チビっちゃった☆≪(コレは全て私達の不甲斐なさから来た結果。だから私や篁中尉が言えた事じゃないけど、それ程まで彼を?)≫しかし戦術機を飛び降りて兵士級を斬ったと言う"無茶"は許して貰えなかったらしく、俺は途中退場となった。別にBETAと生身で交えたのは10秒も無かったから何とも無いんだけど、ホント上官思いの部下ですね~。まあ初の実戦の様に短い時間で神経を使ったのは間違い無かったので、其処は素直に唯依の言葉に従う事にした。決して唯依さんが怖かった訳では無い。チビってしまったのも只単に我慢の限界を超えてたダケだろう。(キリッ)よってクーデターの前に宣言した通り、診察の後は霞と2人でトランプする事にしました。(39話 後編②参照)≪えっと……これとこれが揃って、これとこれも……≫≪あ、ありのまま今 起こった事を話すぜ! "俺は神経衰弱で2枚のカードを捲ったと思ったら、 何時の間にか勝負がついていた"……な、何を言ってるか分からね~と思うが俺も何をされたか――――≫≪どうしましたか?≫≪えっ? あァゴメン。そ、それより霞……裏返ったカードの傷ダケで絵柄を丸暗記するのは反則だぞ?≫≪白銀さんが悪いんです(……また私を心配させましたから……)≫≪へぇあ≫≪今度は"ぽーかー"か"ぶらっくじゃっく"がしたいです≫≪ダメッ! それだって丸暗記してたら俺が圧倒的に不利じゃないか! 此処は"スピード"に限るだろ!?≫≪ふじこ~≫≪うむうむ。やっぱり"あが~"よりソッチの方が良いぞ?≫――――こうして俺と霞が和んでいた一方、伊隅達は2名を除き全員 疲労困憊の為 翌日は休暇となったとの事。………………2001年12月12日 正午「それじゃ~皆。午後のシミュレーター訓練も頑張って下さいね?」「はっ!」×8昨日の診察で一応 医師には大事を取った方が良いと言われ、ソレを唯依の報告する事で昼過ぎまで寝た俺。んで部屋には霞が迎えに来てくれたので、午前中に訓練していた唯依たち8名と合流して全員で昼食を摂る。その8名とは唯依・まりもちゃん・ライト・フレア・ブリザ・イルマ・ウォーケン姉妹と言うのはさて置き。昨日 家族との再会を果たせたイルマは改めて俺達に感謝しつつ皆に負けないように頑張りますと仰ってくれた。よって俺も午後の訓練に参加したいトコロだったんだけど、ゆ~こさんに呼ばれていた為 先送りとなってしまう。まぁ丁度良かったけどね~。"これから数日間"の俺の予定を聞く為に昨日みたく執務室には行こうと思ってたし。彼女が俺への指示を何も考えていなければ自分で考えるが、勝手な事をして今更 信頼度を落としても困るのだ。そんなワケで俺はPXで唯依達を見送ると、霞と共に地下のエレベータを目指すべく歩き出そうとしたが……「ねえ、ちょっと」「すみません!」「えっ? 速瀬中尉と……」「涼宮少尉です、少佐ッ!」――――2つの声に呼び止められて振り返ると、背後には速瀬と涼宮(妹)が立っていた。相変わらず美形だな。「こりゃまた珍しい組み合わせだな」「そりゃ~昨日の件で私と茜ダケ休暇を貰えなかったしね」「BETAの襲撃が有ったと言うのは驚きましたけど、大事にはならなかったらしくて安心しました」「……ッ……そうね」≪聞いたな!? 全員 実弾を酵素弾倉に変更しろッ!≫(15話 参照)「(もしかすると速瀬中尉は……真実を"察して"いるのかもしれません)」「それで何か用かい?」←何時もの如く速瀬に警戒中「えっと、それなんだけど」「突撃機動部隊の様に私達も訓練をっていきたいトコロなんですけど、お姉……涼宮中尉も居ないので……」「2人じゃ無理が有るのよね~。"新人"をシゴこうとも思ったけど、勝手な事したら大尉に怒られちゃうし」「それ以前に千鶴達も先ずはBETAに置ける座学が先ですから、今日は休みですよ?」「はいはい。分かってるわよ」「成る程……だから皆の訓練に混ざりたいってワケかい?」「早い話がそう言う事ね」「唐突な事なので、決して無理にとは言いませんけど……午前は ずっと傍から見ているダケだったので……」「霞」「はい」「コレって俺が判断しても良いのかな?」「問題無いと思います」「そっか……だったら行ってくると良いよ、折角の時間が勿体無さそうだし」「ホント?」「あ、有難う御座います」「連携に置けるヴォールク・データの攻略はA-01の方が遥かに巧いし、色々とアドバイスしてあげてよ」「勿論よ! 任せといて~」「それでは速瀬中尉ッ!」「えぇ。急ぐわよ茜~? それじゃ少佐!」「うん。俺が許可出したって言えば大丈夫だと思うから、喧嘩しないで頑張ってくれよ?」「当然~」「ではッ」「敬礼!!」×2昨日はイルマの護衛&監視をしていた為、速瀬と涼宮(妹)は休暇が無かったらしく手持ち無沙汰だったらしい。故にシミュレータールームで衛士達の様子を眺めていたダケだったらしく、俺の姿を見て声を掛けて来たとの事。う~ん……流石のヤる気だ。以前 俺も一人で眺めてた時が有ったけど、仲間に入れて貰う勇気なんて無かった。だからアッサリと許可してしまうと、速瀬と涼宮(妹)は嬉しさ交じりで敬礼しPXを走り去って行くのだった。「よっぽど体を動かしたかったんだろうな~」「そうみたいです」「分かった?」「とても強く……伝わって来ましたから」「納得納得」「それは重要な事だから……2回言ったんですね?」「うむ。霞も段々と分かって来てるみたいだな。ジュースを奢ってやろう」「9杯で良いです」――――後日ゆ~こさんに"最近 社が意味不明な事を言うんだけどアンタの所為でしょ?"と怒られたりした。……………………数分後 何時もの執務室にて。「来たわね? 時間通りじゃない」「それほどでもない」「褒めて無いわよ。それより……会う事を選んだのよね? ピアティフ」「はい現在 待合室で待機しています」←小声なので白銀には聞こえていない「そんなワケで白銀。アンタには"プレゼント"が有るわ」「プルセニド?」「何処の下剤よそれ。とにかく案内してあげて」「畏まりました」「社。アンタも行くのよ?」「……はい」「全く話が見えないんですが?」「良いから行ってきなさい。あたしは忙しいんだから」「そ、それでは白銀さん」「んぁ? 了解ッス中尉……行くしか無いっぽいですね~」「その"プレゼント"の使い道はアンタが好きにすると良いわ」「生憎 俺は便秘とは無縁なんですけどねェ?」「だから下剤じゃ無いって言ってんでしょ!?」「HAHAHA。繰り返しはギャグの基本ですから」「(……流石は白銀さんです)」「(香月博士が翻弄されるなんて)」なんだか執務室に入ったと思ったらイリーナちゃんの案内で地上に蜻蛉帰りする羽目になりましたでゴザルの巻。意味不明だけどワザワザこっちに俺を呼んだって事は、ついさっき"プレゼント"ってヤツの目処が立ったのかな?イリーナちゃんが昼食の時に居なかったのも"この為"なのだろう。しかし俺の為に何を用意してくれたんですか?出来れば全裸の美少女だと嬉しいんですけど……ゆ~こさんの事だし新しい戦術機か何かだと思って良いだろう。霞が付いて来るあたり新しく開発した彼女のオリジナル兵器の可能性も有るし、既にワクテカが止まらないZE。そんな嬉しさの余り、うっかり痛いギャグを残して俺は2人の女性と執務室を去り、地上の待合室に辿り着いた。「此方です」「待合室?(……って書いてある)」≪ガチャッ≫「!?(ほ、ほほほ本当に来たッ)」「あれ?」「……~~ッ……」――――すると待合室には一人の女の子がソファーに座らず待っており、予想外の"プレゼント"に俺は驚いた。「えぇ~っと、君は帝国軍の……?」「は、はいッ! 昨日は危ない所を救って頂いて本当に有難う御座いました!!」「それでは白銀少佐。私はコレで(……後は白銀さん次第ね)」「ちょっ? イリーナ中尉、待ってくださいって」「何でしょう?」「もしかして"プレゼント"って……」「恐らく彼女の事では無いでしょうか?」「どうして、こうなったんです?」「白銀さんの采配と博士の考えによるモノでしょう」「う~ん」≪ゴホン。問おう……貴女が帝国軍のルーキーか?≫「(何せ白銀さんは性格に難は有るとは言え、帝国 随一の逸材である"七瀬 凛"の本質を初対面で見抜いた。 だから香月博士は手間を掛けて白銀さんと彼女の面会の機会を設け……彼女が望めば突撃機動部隊に……)」俺はともかく ゆ~こさんが考えたのなら仕方無い。プレゼント発言については何か意味が有るんだろう。そうなると、その"意味"を察する必要が有るんだけど……振り返ると この帝国軍の娘は俺を"お兄様"と呼んだ。つまり彼女は俺が死んだ兄とソックリとかで誤解している? ソレはマズい事だから面会の機会を設けてくれた?本来 帝都に戻っている筈の衛士を留めるのって手間が掛かりそうだし、それが俺への"プレゼント"だったのか?正直 正解なら期待外れも良いトコロだけど、後々クーデターでの落ち武者が再度 翻しても困るので喜んどこう。よって今 俺に与えられた ゆーこさんから任務は彼女の誤解を解いてスッキリした気分で横浜を去って貰う事だ!空白の数日間の最初の展開がコレなのは微妙だと思うけど、与えられた仕事は頑張って消化しなくてはならん。「とりあえず其処に掛けてくれ」「は、はい」「霞もな?」「……分かりました」――――イリーナちゃんが退室した後 彼女を座らせると、俺と霞も正面のソファーに腰を降ろした。「それで、え~っと」「!? 失礼致しました。私は帝国陸軍所属"七瀬 凛"少尉であります!!」「御丁寧にどうも。俺は横浜基地 突撃機動部隊 所属"白銀 武"少佐で……」「同じく横浜基地 所属……"社 霞"少尉です」――――互いに自己紹介をするが、流石に起立して での名乗りになった。順番がズれていた様だ。「……(日本人じゃない……それに若い……)」「昨日の件に関してカラダは何とも無かったのかい?」「えっ? あッ、はい……今は何ともありません」「そりゃ~良かった」「ですが白銀少佐こそ、聞いた話によると単機で陽動を引き受けたダケでなく生身で兵士級を……」「はははっ。それに関しては部下に"無理をするな"と怒られてしまったよ」「!? で、では御怪我を……?」「いやいや問題無いさ。それとも何か患(わずら)ってる様に見えるかい?」「……(白銀さんはズルいです……そんな言われ方をすれば、指摘なんか出来ません)」「そんな事は……ッ……!?」≪お兄様……今日も遅くまで訓練をされていたのですか?≫≪はははっ。それに関しては部下に"無理をするな"と怒られてしまったよ≫「!?(……成る程……白銀さんは今は亡き七瀬さんの兄と……)」「……(やっぱり似ている……年も雰囲気も違う筈なのにッ)」「んっ? どうかしたのかい?」「い、いえ。何でも」「なら良いけど……何故 君が"此処"に居るんだい?」「それは今朝 撤収の準備をしていた所、ピアティフ中尉に声を掛けられまして……」「掛けられまして?」「様々な面で活躍されている白銀少佐が、私との面会を求めている……と仰っていました」「ほ~っ」――――別に求めてはなかったけど、聞いて置いて良かった。此処は話を合わせるしか有るまい。「それで……私の方もシッカリ御礼を申して無かったので、面会に関しては喜んで応じさせて頂きました」「ふ~む」「し、しかも……驚くべき事に……」「うん?」「私が望むのであれば既に"根回し"は済んでいる様なので、そのまま国連軍に所属する様に……と」「なぬっ!?」唐突の衝撃的な事実を聞き咄嗟に霞の方を見てみると、彼女は既に知っていたらしく静かに浅く頷いていた。だ、だったら別に教えてくれたって良いじゃないか……でも読めたぞ~? つまり こう言う事なんだな!?ゆーこさんが手間を掛けて面会の場を設けたんだから、旨く交渉して七瀬を味方に引き入れろと言う事かッ!確かに新たな仲間……期待のルーキーが増えるのであれば嬉しいが、コレじゃプレゼントじゃなくて只の任務だ。自分で務めた結果で得る仲間がプレゼントなんて聞いた事ないが……ゆーこさんだったら仕方無いと瞬時に納得。一方 正面に座る七瀬は妙にモジモジとし出した。昨日 別れた時の彼女は凛々しく真面目な雰囲気だったのにッ。「し、正直な所……其処まで私を評価して頂けるとは思えませんでした」「(なァ霞。七瀬って凄いのか?)」←以下小声「(聞いた話によると……戦術機の適正はB分隊の皆さんを越えていたそうです)」「(だったら普通に優秀だな~)」「(トライアルでは惜しい結果だった様ですが……XM3の恩恵を考えれば、当たり前だと思います)」「(だろうね)」「(それと七瀬さんは……武家の人みたいです)」「(なら斯衛の人間? だったら幾らなんでも無理なんじゃ?)」「(既に根回しが滞りなく済んでいる事から……色々と事情が有ったのではないでしょうか?)」「(その辺は七瀬の口から聞くしか無いか~)」「(……そうですね)」「白銀少佐?」「あァごめんゴメン。えっと……七瀬 少尉?」「はい?」「"あの時"俺の事を妙な呼び方をしてたけど?」「!? そ、それは……少佐が戦死した兄と似ていましたので……本当に失礼しました」「いや、構わないよ」――――そう言いながらペコリと謝る七瀬。何だ最初から誤解なんかして無いじゃないか……アホかよ俺。「それにしても」「何だい?」「昨日 色々と見させて頂きましたが……本当に衝撃の連続でした。アレは全て少佐が御一人で?」「いや別に」「はい。全ては白銀さんの発案によるモノです」「(う、ウサギさん!?)」――――俺の戦った時の台詞を思い出すと、衝撃ドコロか"笑劇"の単語の方が妥当だと思うんですけど?「正直 アレらを拝見して目が覚めました。私は何も成長していなかった……衛士を目指した時の様に」「…………」×2「自惚れた話ですが、先日 任官し階級を得てからはBETAに負ける気などせず、自分に自信を持っていました。 なのに国連軍との模擬戦に負けた挙句、奇襲では情けない有様。正直 全てを捨てて逃げ出したい気分でした」「(原作の白銀と全く同じだなァ)」「ですが其処で私を救ってくれたのが白銀少佐でした。あれほどの"可能性"を持つ衛士が共に戦ってくれれば、 必ずやBETAを地上から根絶やしに出来る。あ、貴方に肩を預けていた時……自然とそう感じたのです」「随分と評価してくれたね」「!? そ、それは此方の台詞です。突然ピアティフ中尉に今回の誘いを頂けた時には耳を疑いました。 あれ程のブザマな有様を見せた私を、国連軍はワザワザ"根回し"をして でも必要として頂けるなんて……」「…………」×2――――要するに七瀬は偶然ゆーこさんの目に適った様だ。意外にも突撃機動部隊の戦力の充実に御熱心な事で。「ですから……白銀少佐さえ宜しければ、どうか私を部隊の末席に加えて下さいッ!」「良いぞ」「ほ、本当ですか!?」「でも俺の突撃機動部隊は何か勝手に"世界最強クラス"の中隊とか言われてるけど、頑張れるのかい?」「勿論ですッ! 命を掛けて務めさせて頂く次第です!!」「はははっ。それダケやる気が有れば十分だね。だったらコレから宜しく頼むよ?」「は、はい!! 此方こそ御願い致しますッ!」「(今の七瀬さんは大丈夫みたいです。いずれは家に戻りケジメを付ける様ですし……)」――――こうして握手をした事でアッサリと"七瀬 凛"が加入した事となり、コレで部隊のメンバーは8人だ。「ところで……あ、あのッ」「今度は何だい?」「何故 白銀少佐は私に目を掛けてくれたのでしょうか?」「……っ!?」「ピアティフ中尉の話によると"そう言う事"でしたので……」「(ど、どう言う事だよ霞~?)」「(……言葉通りだと思います)」此処で更なる事実が発覚する。何時の間にか七瀬は、俺が望んだ事から面会するに至ったと思ってる様子ッ!いや考えてみれば最初から そう言ってたじゃないか……兄と言う誤解を解く為の口実だと勘違いしてたけど。無難にゆくなら ゆ~こさんの権限で彼女を呼ぶべきなのに、白銀の名を勝手に使ってくれちゃって全くもう。別にソレはソレで構わないんだけど、頼むから事前に教えて置いて欲しい。少佐とは言え素は凡人なんだから。しかも迂闊な返答ではイキナリ信頼度が減ってしまいそうだったので、俺は必死になって言葉を選んでいる。されど合理的な答えは浮かばず……結局 色々なストーリーで使われていそうな台詞を使う事にしたのでした。「何故なら君は似ていたのさ」「えっ?」「以前の俺と……ね」「!?!?」×2≪――――バタンッ≫「……(白銀さん……)」「や、社少尉。今の言葉は……?」「本当の事だと思います。白銀さんは貴女と同じ様に首都圏侵攻で、"全て"を失って衛士を目指しましたから」「なっ!? それに そんな短期間で国連軍の少佐にッ?」「……(本当は違う意味なんでしょうけど、今の私にはコレが精一杯です)」「だ、だったら悪い事を聞いちゃったのかしら……?」「そんなコトは無いと思います」「!? そ、それよりも白銀少佐を追わなくちゃッ!」「はい」現実世界であれば只の痛い誤魔化し方なんだけど、"こっち"ならば無駄に格好良く捉えて貰えるかもしれない。また言っている事は原作の白銀を考えれば間違っていないので、俺は固まる霞&七瀬を残して待合室を去った。今思えばコレから彼女を連れてシミュレータールームに行く事になるので無意味な退室でしか無かったんだけど。「ふぅ~っ」「…………」≪じ~~っ……≫ ←物陰から「誰だッ?」「!? そ、その……え~っと」「んっ? 君は確か昨日の……」「は、はい!! ボクは帝国陸軍 第133連隊 所属の"伊隅 あきら"と言いますッ!」「あァ七瀬と一緒に居た衛士か~。……って……伊隅?」「もしや……国連軍に居る姉の事を御存知なのですか?」「うん。色々と世話になってるよ」「そ、そうだったんですか~」≪ガチャッ≫「白銀少佐!」「あっ、七瀬」「七瀬さんッ」「い、伊隅さん……どうして此処に?」部屋を出て溜息を付いていると、物陰から七瀬の元同僚と思われる女の子が覗いていた。恐らく伊隅の妹だろう。何故 彼女が此処に居るかは疑問だったけど、そんな事を考えているウチに七瀬が現れたので、其方に一旦 注意を向けると、伊隅(妹)はポリポリと頭を掻きながら苦笑している。普通に可愛い仕草だ。それにしても一人称 自重。思えば伊隅は違うゲームのヒロインだし、第二のボクッ娘が居ても不思議じゃない。「えへへ……七瀬さんの事が気になって、つい」「でも帝国軍の部隊は帰還してる筈じゃ……?」「他の皆はね。でも一人ダケで帰るんじゃ七瀬さんが可哀相だし」「あ、貴女……(あんなに冷たく接していたのに……)」「七瀬~。良い仲間を持ってたじゃないか」「……ッ……そ、そうみたいです」「有難う御座います、白銀少佐っ!」「でも伊隅には悪い事をしたかな~」「えぇっ? どう言う事ですか?」「だって七瀬はもう、国連軍の一員だしさ」「!?!?」「ごめんなさい。わざわざ待ってて貰って悪いけど、そう言う事なの」「そ、そんな急に~ッ? えっと……そうだ、手続きとかは!?」「此処の人達は皆 仕事が速いから些細な事だと思うぞ?」「あうッ」「(むしろ香月博士の事です。面会を組んだ時点で七瀬さんは……国連軍の人間になっていたかもしれません)」「だから伊隅さん……あの時は有難う。これからは気持ちを切り替えて頑張るわ」「え、えぇ~っ?」――――七瀬は伊隅(妹)に近付いて両手を手に取るが、彼女は"どうしてこうなった"と言わんばかりの表情だ。「では白銀少佐」「わ、分かった。早速 訓練中の俺達の部隊の所に案内するよ」「……ッ……」←四女「白銀さん……それでしたら私は……」「うん、アリガトな霞。気をつけて戻るんだぞ~?」「はい……またね」「またな。そんなワケで伊隅も暗くならないウチに――――」「あ、あのっ!」「伊隅さん?」「どうかしたか?」「お願いしますッ! 宜しければボクにも……ボクにも訓練の様子を見学させて下さい!!」「へぇあ」「貴女……」此処で まさかの伊隅(妹)の横浜基地2泊。一人で帰らせるのは可哀相だとは思ったけど、コレも予想外だった。でも訓練を見学させて良いのか? ……と聞かれれば首を捻るトコロだったんだけど、俺はアッサリと許可した。何故なら伊隅(妹)に泣きそうな顔をして叫ばれ・哀願されたので断る事が出来なかったのでした。反則だろアレ。「(伊隅さんの見学を許可されたという事は、白銀少佐は彼女にも才能を感じたのかしら?)」……………………15分後。シミュレータールーム。「そんなワケで今日付けで突撃機動部隊の一員となった七瀬さん」「皆様 始めましてッ! 帝国軍より転属した"七瀬 凛"少尉です!!」「……ッ……」×3「そ、それでコッチが今回の訓練を見学&体験する事になった……」「"伊隅 あきら"少尉です!! 国連軍では姉が御世話になっておりますッ!」「色々と言いたい事は有ると思うけど、質問は後で聞く。ともかく今は訓練に集中しよう」「了解ッ!」×8「セレナ中尉・テレサ中尉も特にシークレット的な事はしなくて良いんで宜しく~」「はいっ!」×2「(す、凄い威圧感ね……特にあの3人。流石は白銀少佐の部下)」「(やっぱり噂は本当だったんだ。此処で頑張ればボクも……?)」七瀬・そして伊隅(妹)を強化装備に着替えさせると、早速 訓練中の唯依たちに2人を紹介したんだけれども。何故か唯依と まりもちゃんに加えて速瀬までもが僅かにレイプ目を披露。3人とも目が合ったら止まったが、七瀬と伊隅(妹)がチビったら どうしてくれるってんだ……もっとヤレと言いたいが、イキナリの士気低下は困る。けど2人は動揺した様子も無く自己紹介を終え、以後モメる事も無く10人(+2名)での混合訓練が開始された。ちなみに俺は訓練には参加していない。唯依に加えて七瀬までにも自重するように気遣われてしまったからだ。「(最近噂になっていた帝国軍の"七瀬 凛"……彼女をも味方に引き入れるなんて、流石は武さんね)」「(また つまらない事で白銀さんに怒りを感じた。どうしちゃったんだろ? 私ッ)」「(アイツの周りにはホントに自然と人が集まるのね~。ソレに私も含まれてると思うと何だか癪だわ)」――――んで今回の訓練に置いて10人ものエロスーツ姿の女性達が居た御陰でオカズには困ったんだけど。≪そ、そんな……白銀少佐ッ。こんな大事な時にオシリを触らないで下さい!≫≪何を言うかセレナ中尉。ワザとらしく生足を見せびらかす君が悪いのだッ!≫≪!? や、やめて下さいッ! 其処ダケは――――≫≪こ、これは……履いていなかったのか!? 飛んだ変態だったんだな君は!!≫「あの人は、きっと履いてないと思うんだ。BOY♂NEXT♂DOORァッーーーー!!!!」←大正解――――結局はテレサと一緒にオペってたセレナさんの生足&尻の誘惑に負けて自慰ちゃったんだ☆「ハァ……たまらなかったわ、今日の武さんの視線」「そ、そろそろ いい加減にしてよ~姉さん」「見られないのは計算済みよ。でも手間は掛かってるけど」「これ以上 続けると武くんに報告しちゃうわよ~?」「御願い止めてよッ! そんな事でイチイチ言われたら私もうトイレとか部屋でしかパンツ脱げないじゃない!!」「いや、ソレが普通だから(……もう諦めようっと)」●戯言●七瀬 凛の突撃機動部隊 加入が確定となりました。伊隅あきらは現在悩んでいる段階ですが早いウチに決めます。次回は"空白の数日間"の2日目になります。たまには実戦以外でも白銀を外出させても良いかもしれませんね~。ラストのオチに関しては某氏に感謝致します。あとageませんでしたが先日ランキングなるものも作っています。http://www.nicovideo.jp/watch/sm9994431今更ですが戦●の絆が良く判らない方の為にリプレイ動画を撮ってみました(どれが私かは一発でバレるでしょう)実は白銀28のアドバイスで横浜基地の衛士達も、こんな感じでヴォールク・データ等のリプレイを見ています。http://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=9258708タニシ氏によるブリザ・スリーブス少尉です。イメージに合っているので是非彼女をイメージしてください。