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No.3960の一覧
[0] これはひどいオルタネイティヴ(ぶち壊し注意)[Shinji](2008/08/24 12:52)
[1] これはひどいオルタネイティヴ2[Shinji](2008/08/25 11:13)
[2] これはひどいオルタネイティヴ3[Shinji](2008/08/25 11:11)
[3] これはひどいオルタネイティヴ4[Shinji](2008/08/26 04:35)
[4] これはひどいオルタネイティヴ5[Shinji](2008/08/26 23:24)
[5] これはひどいオルタネイティヴ6[Shinji](2008/08/27 20:54)
[6] これはひどいオルタネイティヴ7[Shinji](2008/08/28 16:19)
[7] これはひどいオルタネイティヴ8[Shinji](2008/08/29 20:22)
[8] これはひどいオルタネイティヴ9[Shinji](2008/08/30 23:24)
[9] これはひどいオルタネイティヴ10[Shinji](2008/08/31 22:48)
[10] これはひどいオルタネイティヴ11[Shinji](2008/09/01 21:59)
[11] これはひどいオルタネイティヴ12[Shinji](2008/09/03 08:21)
[12] これはひどいオルタネイティヴ13[Shinji](2008/09/05 10:13)
[13] これはひどいオルタネイティヴ14(+用語ver1)[Shinji](2008/09/07 08:57)
[14] これはひどいオルタネイティヴ15(+伊隅戦乙女隊ver1)[Shinji](2022/04/20 02:22)
[15] これはひどいオルタネイティヴ16[Shinji](2008/09/11 14:52)
[16] これはひどいオルタネイティヴ17[Shinji](2008/09/13 17:38)
[17] これはひどいオルタネイティヴ18(+伊隅戦乙女隊ver2)[Shinji](2008/09/16 23:33)
[18] これはひどいオルタネイティヴ19[Shinji](2008/09/19 22:36)
[19] これはひどいオルタネイティヴ20[Shinji](2008/09/23 02:45)
[20] これはひどいオルタネイティヴ21(+用語ver2)[Shinji](2008/09/26 21:20)
[21] これはひどいオルタネイティヴ22(+第207衛士訓練部隊)[Shinji](2008/10/02 22:28)
[22] これはひどいオルタネイティヴ23[Shinji](2008/10/09 19:42)
[23] これはひどいオルタネイティヴ24[Shinji](2008/10/23 01:55)
[24] これはひどいオルタネイティヴ25[Shinji](2008/10/31 02:49)
[25] これはひどいオルタネイティヴ26[Shinji](2008/11/22 04:34)
[26] これはひどいオルタネイティヴ27[Shinji](2008/11/25 18:05)
[27] これはひどいオルタネイティヴ28[Shinji](2008/12/14 03:54)
[28] これはひどいオルタネイティヴ29[Shinji](2009/01/11 03:35)
[29] これはひどいオルタネイティヴ30(前編)[Shinji](2009/01/17 04:11)
[30] これはひどいオルタネイティヴ30(中編)[Shinji](2009/01/21 01:11)
[31] これはひどいオルタネイティヴ30(後編)[Shinji](2009/01/28 12:16)
[32] これはひどいオルタネイティヴ31 2009/02/08 00:31[Shinji](2009/05/17 17:57)
[33] これはひどいオルタネイティヴ32[Shinji](2009/02/19 03:33)
[34] これはひどいオルタネイティヴ33[Shinji](2009/04/10 04:03)
[35] これはひどいオルタネイティヴ34[Shinji](2009/03/26 08:07)
[36] これはひどいオルタネイティヴ35[Shinji](2009/03/30 03:38)
[37] これはひどいオルタネイティヴ36(前編)[Shinji](2009/04/08 22:44)
[38] これはひどいオルタネイティヴ36(後編) 2009/04/14 04:28[Shinji](2009/05/17 17:53)
[39] これはひどいオルタネイティヴ37 2009/04/24 06:26[Shinji](2009/05/25 00:10)
[40] これはひどいオルタネイティヴ38[Shinji](2009/05/10 00:10)
[41] これはひどいオルタネイティヴ39(前編)[Shinji](2009/05/12 20:01)
[42] これはひどいオルタネイティヴ39(中編)[Shinji](2009/05/14 23:55)
[43] これはひどいオルタネイティヴ39(後編)①[Shinji](2009/05/17 05:05)
[44] これはひどいオルタネイティヴ39(後編)②[Shinji](2009/05/25 02:35)
[45] これはひどいオルタネイティヴ40①[Shinji](2009/06/01 01:54)
[46] これはひどいオルタネイティヴ40②[Shinji](2009/06/05 02:47)
[47] これはひどいオルタネイティヴ40③[Shinji](2009/06/11 02:49)
[48] これはひどいオルタネイティヴ40④[Shinji](2009/06/14 06:03)
[49] これはひどいオルタネイティヴ40⑤[Shinji](2009/07/02 03:10)
[50] これはひどいオルタネイティヴ41(前編)[Shinji](2009/07/13 01:30)
[51] これはひどいオルタネイティヴ41(中編)[Shinji](2009/07/28 19:03)
[52] これはひどいオルタネイティヴ41(後編)[Shinji](2009/08/16 04:00)
[53] これはひどいオルタネイティヴ42[Shinji](2009/08/27 00:58)
[54] これはひどいオルタネイティヴ43(前編)[Shinji](2009/09/10 23:51)
[55] これはひどいオルタネイティヴ43(中編)[Shinji](2009/09/20 09:43)
[56] これはひどいオルタネイティヴ43(後編)①[Shinji](2009/10/07 07:49)
[57] これはひどいオルタネイティヴ43(後編)②[Shinji](2009/10/10 22:26)
[58] これはひどいオルタネイティヴ44(前編)[Shinji](2009/11/11 20:38)
[59] これはひどいオルタネイティヴ44(後編)[Shinji](2009/11/17 03:24)
[60] これはひどいオルタネイティヴ45[Shinji](2009/12/04 11:35)
[61] これはひどいオルタネイティヴ46(前編)[Shinji](2009/12/07 06:52)
[62] これはひどいオルタネイティヴ46(後編)[Shinji](2009/12/20 00:54)
[63] これはひどいオルタネイティヴ47(前編)[Shinji](2010/01/26 07:13)
[64] これはひどいオルタネイティヴ47(後編)[Shinji](2010/01/29 14:19)
[65] これはひどいオルタネイティヴ48(前編) 2010/02/20 03:44[Shinji](2010/02/23 04:16)
[66] これはひどいオルタネイティヴ48(後編)[Shinji](2010/03/04 12:24)
[67] これはひどいオルタネイティヴ48.5[Shinji](2010/03/06 20:21)
[68] キャラクター注目度ランキング(~2010年03月09日)[Shinji](2010/03/09 18:23)
[69] これはひどいオルタネイティヴ49 2010/03/14 07:03[Shinji](2010/03/15 12:47)
[70] これはひどいオルタネイティヴ50 2010/04/08 07:58[Shinji](2010/04/10 03:15)
[71] これはひどいオルタネイティヴ51(前編)[Shinji](2010/04/18 14:51)
[72] これはひどいオルタネイティヴ51(中編)[Shinji](2010/05/25 05:31)
[73] これはひどいオルタネイティヴ51(後編)[Shinji](2010/06/26 00:51)
[74] これはひどいオルタネイティヴ52[Shinji](2010/07/27 04:27)
[75] これはひどいオルタネイティヴ53[Shinji](2010/10/06 05:34)
[76] これはひどいオルタネイティヴ54[Shinji](2011/03/29 08:19)
[77] これはひどいオルタネイティヴ55[Shinji](2011/04/02 07:48)
[78] これはひどいオルタネイティヴ56[Shinji](2011/05/16 11:26)
[79] これはひどいオルタネイティヴ57[Shinji](2012/08/02 01:56)
[80] これはひどいオルタネイティヴ58[Shinji](2012/09/01 14:35)
[81] これはひどいオルタネイティヴ59 2012/10/29 15:03[Shinji](2012/11/03 14:33)
[82] これはひどいオルタネイティヴ60 2012/11/02 17:30[Shinji](2012/11/03 14:34)
[83] これはひどいオルタネイティヴ61[Shinji](2012/11/07 21:35)
[84] これはひどいオルタネイティヴ62[Shinji](2013/02/17 10:44)
[85] これはひどいオルタネイティヴ番外編[Shinji](2009/04/14 02:45)
[86] これはひどいオルタネイティヴ番外編②[Shinji](2009/10/15 18:11)
[87] これはひどいオルタネイティヴ番外編③[Shinji](2010/11/04 17:45)
[88] これはひどいオルタネイティヴ(登場人物+用語)[Shinji](2010/10/10 03:07)
[89] これはひどいオルタネイティヴⅡ(原案)[Shinji](2022/03/24 21:32)
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[3960] これはひどいオルタネイティヴ43(中編)
Name: Shinji◆9fccc648 ID:37b9b89a 前を表示する / 次を表示する
Date: 2009/09/20 09:43
これはひどいオルタネイティヴ43(中編)




「武さんは先に席で待っていてください、私が御食事を持って来ますから」

「分かった。宜しく頼むよ」

「そ、それではッ」

「俺は掻揚げ うどんの大盛りね~?」


唯依を随伴させつつ医師の再診察&看護士による処置を終えた俺は、食事の為にPXにへとやって来た。

すると早速 唯依が"飯を持って来てくれる"と小声で言って下さったので、素直にソレに甘える事にするか。

再び左腕が三角巾に吊られている状態と言えど、正直 白銀の右腕でなら余裕で"お盆"は持てそうだが……

彼女が未だに俺を心配してくれているのは明白。つまり断ると怒られそうなので無茶はダメってワケさ。

よって昼過ぎと言う時間的にPXは空いている為か、早速 京塚のオバハンの方へと向かって行った唯依。

そんな彼女の尻……いや、背中を見送りつつ冷水 片手に適当な席に着くと俺はテレビを眺めて待機する。


「あの……すみません」

「おやっ? 貴女は唯依ちゃん? よく来たねェ~」

「……(以前 叔父様と共に訪れた時、何時の間にか呼称が其の様に……)」

「ご注文は何だい?」

「掻揚げ うどんと(武さんも好きな)鯖味噌定食を……」

「あいよっ! 今回は特別に上等な味にしてやるから待ってな!!」

「は、はい」


――――そのまま待つ事3~4分後。


「ほら特性 掻揚げと鯖味噌、あがったよ!!」

「有難う御座います(……美味しそう)」

「ところで唯依ちゃん」

「……何ですか?」

「妙に嬉しそうな気がするけど、どうなんだい?」

「!? な、何故ですか?」

「初めて此処に来て武に紹介された時は表情が硬いったら無かったからねェ。肩に力を入れっぱなしで」

「うぅッ」

「いや~その反面 巌谷さんと一緒に来た時、唯依ちゃんの父親なのに気さくな人で面食らっちまったねェ」

「……(わざわざ引き返して食事の美味しさを褒めたりと、叔父様に面食らったのは私も一緒です)」

「……って話が逸れちまったね。それで結局、何か良い事でも有ったのかい?」

「はい、まあ……クーデターでの任務も成功しましたし、横浜基地の環境にも慣れて来ましたから……」

「な~に言ってんだい。大方"武の件"に関して良い事でも有ったんだろう?」

「!?!?」

「あっはっはっは、案の定みたいだねェ」

「……っ……ど、どどどどうして そう思われたんですかッ!?」

「待ってる間 何度も武の方を見てニヤニヤしてたじゃないか。そりゃ指摘したくもなるよ」

「あうァッ(……まさか、無意識のうちに そんな失態を……)」

「……武は あの若さで本当に良くやってるよ。昨日も寝癖を付けて此処に来てたりしてねェ」

「ね、寝癖?」

「皆クーデターの一件でストレスが溜まってたのか、昨日 此処(PX)も空気が悪くて見てられなかったよ。
 ソレが分かってた武は私にワザと寝癖を指摘される事で笑いを取ったのさ。雰囲気を和らげる為にね」

「そんな事が……」

「しかも病み上がりに。こっちとしては助かったけど、相変わらず自分を省(かえり)みない子だねェ」

「ど……同意です」

「でも唯依ちゃんと一緒に居る様になった頃から分かったのよ。武も確実に肩の力が抜けて来てるって」

「!? ほ、本当ですか?」

「武も此処に来た時は温厚に見えて近寄り難い雰囲気が有ったからねェ。唯依ちゃんと一緒で」

「……(雰囲気は同じと言っても、武さんと私では格が違い過ぎると思うけど……)」

「だけど今となっちゃ~こんなに"可愛い娘"を侍(はべ)らすようになっちまってるじゃないかいッ!」

「!? き、ききき京塚 曹長ッ!! ――――あうっ!?」


≪――――ばしんっ!!!!≫ ←カウンター越しに唯依の肩を強打


「他の人との交流も多くなってるみたいだし、今の武は以前と比べれば安心して見ていられるよ!!
 これも唯依ちゃん達の御陰なんだからね!? さ~ッ、そろそろ麺が伸びちまうから早く食べな!!」

「それより……す、少しは手加減してください」

「何言ってんだい、武はビクともしないのにさ」

「……ッ……肝に銘じておきます」

「それじゃ~武に宜しく言っといておくれよ?」

「はい(……全く敵わないわね……でも"良い事"について深く聞かれなかったダケ……それに……)」

「……(良いかい唯依ちゃん? あの若さで身を削る武の事を……しっかりと支えてやるんだよ?)」

「……(――――母がもし生きて居たのなら、あの様な暖かさが有ったのかしら? でも武さんは……)」

「ふァあ……(テレビつまんねェ、暇潰しにすら成らんわこりゃ……それにしても唯依 遅いな~)」




……




…………




……30分後。


≪ガシューーーーッ≫


「こんちわ~」

「失礼します」

「ようやく来たわね? 待ったわよ」

「すんません、さっき目が覚めたばっかでして……」

「さっき?」

「はい」

「…………」←無言で霞を見る夕子

「…………」←無表情で頷く霞

「ゴメンナサイ、私用と言っても時間を掛けすぎました」

「申し訳ありません。私の責任でも有ります」

「ふぅん」

「……もっと掛かった可能性も有ったみたいですけど」(ぼそ)

「!?!?」

「何 言ってんのよ? 社」

「な、なんでも無いです」

「突然どうしたんだ? 篁」

「お、おぉお気遣い無く……」

「ともかく本題に入るわよ? 時間が押してるんだから」

「"時間が"って?」

「今 言った事が聞こえなかったの?」

「サーセン」

「(まさか……ぐ、偶然よねッ?)」


唯依と先日の戦いについて話しながら遅めの昼食を終えると、俺は彼女と共に執務室を目指した。

そして中に入ると……ゆーこさんと霞が並んで待っており、恐らくウサギが気配を察したのだろう。

俺達が地下にやってきた時点でセキュリティ的な意味でも ゆーこさんには伝わってるんだろうけど、
彼女一人の場合は大抵 仕事に集中してるから、今迄 待ち構えてくれていた事は殆ど無かった。

さて置き。ゆーこさんの言葉に何か違和感が有ったけど、口を挟んだら怖い顔をされたので自重しよう。


「じゃあ、先ずは榊達 訓練兵の事ね」

「そう言えば演習も とっくに終えてるし、そろそろ任官式ってヤツですか?」

「えぇ。正確に言えば"第207衛士訓練小隊 解体式"よ」

「成る程~……んで、ソレは何時始まるんですか?」

「明後日よ」

「となると9日になりますね~」

「当然アンタにも出席して貰うからね?」

「言われなくても出ますってば」


――――何せ まりもちゃんダケでなく"俺達"が手塩に掛けて指導して来たメインキャラ達だしな。


「まりもにも今日中に伝えておくわ」

「あれっ? 未だに軍曹が知らないって変じゃないですか?」

「何でよ?」

「アイツらの教官なんですから、とっくに予定の目処は知ってると思いました」

「まぁ、榊達が元A分隊の連中みたく"普通の訓練兵"なら……ね」

「普通のって……あぁ~」

「まだ他の4人ならともかく御剣は特にワケ有りだから、演習を終えても任官は未定だったのよ。
 でも何時までもシミュレーターで遊ばせて置くにはアレだし、どうにかはするつもりだったけど、
 色々と面倒臭くなりそうからB分隊の任官については後回しにしてたの。だから まりもは知らない」

「!? されど"今回"の事件で……」

「めい……御剣の"正体"が察せられちまったと?」

「そう言う事。殿下と御剣を"すり替えた"説得も"あのまま"問題なく終われば良かったんだろうけど、
 アンタが沙霧大尉を庇った所為で、仮面が剥がれた"殿下"を その場に居合わせた人間は妙に思った。
 だから近いうちに御剣の正体や価値もバレて来るだろうし、御陰様で心置きなく解体 出来るって事」

「手痛い皮肉っスね~」

「で、ですが副司令ッ! 白銀少佐の判断は間違っていなかった筈です!!」

「……私も そう思います」

「2人とも……」(じ~ん)
 
「別に責めてるんじゃ無いわよ。この御時世 殿下と御剣が入れ替わったってハイヴが落ちる訳でも、
 例の数式が解けるワケでも無いし……むしろ"余計な手間が省けて助かった"とでも言えば満足?」

「……(数式?)」

「なら構わないんですけど、そう言えば榊首相は無事だったんですか?」

「えぇ、健在よ? 少し身を隠した程度で捕らえるのは諦めたみたい」

「随分とアッサリ諦めたみたいですねェ」

「何処の誰のチカラを借りたか知らないけど、奴等 随分と計画的に細かい段取りを組んでたみたい。
でもイキナリ身を隠されて躓いたとは言え……決起軍としては捕らえるべき人間だった筈よ?
 されど結局 捨て置いたって事は、大方"何処の誰かさん"に急かされでも したのかもしれないわね」

「予定が狂うと面倒だから2度目のBETA上陸 直後でも御構い無しとはホントやってくれますよ」

「全くだわ。結局メリットなんて実戦データやB分隊の任官の件 程度よ」

「まぁ、さっさと気持ちを切り替える限りますよ。コレで暫くは"邪魔"も入らなくなるでしょうし」

「そうよね」

「……はい」

「????」


――――俺の言葉に ゆーこさんと霞が頷くが、オルタ5推進派の事を良く知らない唯依は首を傾げていた。


「なら次は、アンタが隊長をしてる……突撃……何だったかしら?」

「"突撃機動部隊"です。暫定的な名前ですけど」

「それそれ。今の所 白銀・篁の2人ダケだから近いうちに人員を増やすべきだと思うんだけど?」

「月詠さん達は数に入ってないんですか?」

「入らないに決まってんでしょ? そもそも"あの時"は臨時だし、国連軍と帝国斯衛軍の衛士が、
 いざハイヴを攻略しますって時に、同じ中隊に所属して周囲が納得するワケ無いじゃないの」

「いや~、其処は ゆーこさんの力で何とか」

「(昨日の事も有るし、何とかしてやりたい気も有るんだけど……)無茶 言うんじゃないわよ」

「へぇあ」

「白銀少佐……」

「分かってるって、言ってみたダケだよ」

「だったら話を戻すわよ?」

「はい」

「白銀・篁。実際のところ、アンタ達の部隊は非常に評価されてるわ」

「ゑっ?」

「ど、どういう事なのですか?」

「先ずA-01の戦果を考えて見なさい」

「伊隅達の……ですか?」

「あの娘達 不知火S型の中隊は、何と一機も撃墜される事無く5個中隊以上の決起軍を倒した。
 だけど その"謎の戦術機・中隊"は、その後 追い詰められてしまった……その後に何が起こったの?」

「俺・篁・月詠さん達・軍曹・B分隊が介入しました」

「そう。驚異的な戦果を上げた"謎の中隊"よりも更に優れた部隊が存在する。ソレがアンタ達よ」

「……今では専ら国連軍・帝国軍・斯衛軍……米軍でも噂されているみたいです……」

「えぇ~っ!?」

「そ、それは幾ら何でも買い被り過ぎなのではッ?」

「確かに噂に尾鰭が付いてるの否めないわね」

「参ったな~」

「別に公にはしないわ。……でも、そんな噂の部隊の"人数"が2人だけって言うのは変だと思わない?」

「うッ……確かに」

「……(わ、私は出来れば武さんと2人ダケの方が……)」

「……(私も近いうちに衛士を目指すべきなんでしょうか?)」

「だから今のうちに人員を確保したいって事」

「成る程~。じゃあ任官したB分隊を加入させますか?」

「却下ね」

「な、何でッスか?」

「言ったでしょう? アンタの部隊の実力はA-01以上……少なくとも同等の部隊なのよ?
 それなのに任官した ばかりの連中を入れて ど~すんのよ、あの娘達はA-01に入れるわ」


まぁ、千鶴らB分隊とかは元々 晴れて任官されればA-01への加入が決定してるんだったな~。

いや別に"晴れて"とは言えないのはさて置き。00ユニットの素体としての役割も担ってるんだっけ?

"鑑 純夏"が居て俺が生きてる時点で"素体"になる可能性は無いけど、千鶴達がダメとなると……


「だったら神宮司 軍曹はOKですか?」

「えぇ、まりも だったら構わないわよ」

「今は教官ですけど?」

「暫くは訓練兵の受け入れも無いし、直ぐにでも元の階級に戻ってもらうわ」

「良いんですか? そんなに簡単に決めて。軍曹って進んで教官になったんですよね?」

「野暮な事 聞くんじゃ無いわよ」

「へぇあ」

「でも3人じゃまだ部隊としてはダメね」

「どうするんですか?」

「一応 候補なら3人居るわ」

「ホントですか!? 誰なんです?」

「元 米軍の衛士よ」

「米軍のォ~?」

「!? ま、まさか……」

「アンタ達が決起軍を説得してる時 横槍を入れて来て、速瀬が捕まえた衛士が居たでしょ?
 そいつと一緒に来てた3人の米軍衛士なんだけど。今は米軍をクビになって横浜基地に居るわ」

「えぇ~っ? もう米軍に切られたんですか?」

「でも何故 横浜基地に?」

「情報を見てみたら皆 訓練校をトップクラスの成績で卒業してたし、無職にするには惜しいでしょ?
 3人ともアメリカ人でも無いし(白銀の名を出したりして)餌を撒いたら見事に食い付いて来たわよ」

「ほほ~っ」

「しかし副司令ッ!」

「篁。あたしは白銀に言ってるの」

「うぐっ……(駄目……落ち着かないと、また武さんに出会う前の私になってしまう……)」

「興味が有れば明日 以降にでも会ってみたら?」

「確かに気になりますね。そうする事にしま~す」

「それに、あと一人 丁度 良さそうなのが居たわね」

「もう一人?」

「テスレフ少尉よ。いえ元 少尉かしら?」

「あぁ~っ……(忘れてたZE)」

「テスレフ少尉?」

「あれっ? 篁は知らないっけ? ハンター2の事だよ」

「!? 確か……作戦中では主にウォーケン少佐のサポートをしていた……」

「うん。実は彼女が沙霧大尉を撃ったんだ」

「そ、そんなっ!? まさか彼女が……しかも候補と言う事は……っ!!」

「一応 衛士としての実力は その辺の米軍衛士と比べ物にならない筈よ?」

「アメリカ人 国籍でも無いのにウォーケン少佐の直属を担ってましたしねェ」


でも原作じゃ珠瀬を庇ってアッサリ死んじゃった気がするし、裏で画策した故での直属だったのかな?

されどウォーケン少佐のラプターも沙霧に簡単に墜とされちまったから、むしろ米軍衛士の実力不足?

いや……沙霧大尉や直属の衛士が強過ぎたとも言える。考えてみれば彼らとは戦わなかったんだよね~。

もし戦ってたと思ったら一機や二機は殺られてたかもしれない。最強クラスの衛士とか言われてたしな。

それは さて置き。ゆ~こさんが評価してる位だし"この世界"でのイルマ少尉は相当の実力者なんだろう。

スタイルも抜群だし是非俺の部下として頑張って欲しいトコロだが……唯依が案の定 納得していない。


「……ッ……しかし副司令、幾らなんでもソレでは白銀少佐の立場が……」

「テスレフに関しては多分 問題無いわよ? あたし達 以上に米軍の隠蔽 工作が執拗だったから。
 速瀬が捕まえた時も少なくとも決起軍と帝国軍には顔を見られて無かったし……あまつさえ、
 月詠中尉達やまりも達にも機体のステルスとテレサの工作で、狙撃犯が彼女だとは気付いていないわ」

「テレサ中尉の工作って?」

「あの娘はウォーケン少佐の妹なんだけど、テスレフとは顔見知りだったみたいなの」

「成る程(……あの一瞬で良く遣るなァ)」

「ソレが無かったら候補には入らなかったわね。でも工作はテレサの独断だから処分はアンタに任せるわ」

「何故 俺に」

「あの娘が喜びそうだから?」

「其処は褒めるトコロじゃないんですか?(……そもそも何で喜ぶんだ?)」

「何でも良いから言っときなさい。形としてケジメは必要なのよ」

「は、は~い」

「まあテスレフを使わなかったとしても別の意味で役に立って貰うから、その辺は気にしなくて良いわ」

「だったら尚更 放って置けないじゃ無いスか~」

「どうするかはアンタの都合ね」

「う~ん……」

「……(た、武さんは既にテスレフ少尉を許していると言うの?)」


≪修正なんて とんでもないです。 悪いのは俺なんですから、許してあげてください≫(23話 参照)


「……(そうよ……私がハタいてしまった時も寛大な心で……だから私も彼女を許さないと……)」

「それでテスレフを入れたとしても7人かしら?」

「中途半端ですねェ」

「人数的には許容範囲だけど、アンタに心当たりは有るかしら?」

「そんな事 言われてもなァ……う~ん……」

「……(此処はチャンスかもしれないね。白銀を留める事に少しは繋がるかもしれないわ)」


正直なところイルマ少尉を仲間にできれば満足なんだけど、話を振られたからには考えなくては成らん。

でも別作品のキャラは皆 決まった役職とかに付いてそうだし、何より記憶が曖昧なので直ぐ出てこない。

TEについても唯依を始め主人公の名前すら知らなかったんだよね。なのに部下で居るって凄くないか?

だったら望みが有るとすればTEキャラかな~? ダメなら諦めも安易だろうし……ゆーこさん含めて。


「特に居ないんですけど、強いて言えば……」

「誰よ?」

「アラスカに……凄い姉妹? ……とか居た様な気が……するんですけど~」

「凄い姉妹ですって?」

「アラスカの姉妹……」

「……篁さん……御存知なんですか?」

「えっ? いや知らないぞ?(……幾らなんでも有り得ない。そもそも武さんと接点が無いわ)」

「ともかくソレ位ですねェ」

「まぁ、良いわ。今後また人材を見つけたらアンタに品定めさせるわよ? そのつもりで居なさい」

「了解ッス」

「最後に今回、一番 言いたかった事なんだけど……もう時間が無いし明日の朝にするわ。
 生憎 篁が此処に居ると話せない内容だから、丁度 良かったかもしれないけどね~」

「……ッ……」

「(だったら数式の事か……)何か予定でも有るんスか?」

「あたしにじゃ無くってアンタにだけど」

「!? き、聞いてませんけどッ?」

「コレを見なさい」

「この用紙をッスか?」


≪――――ガサッ≫


「こ、これは……?」←唯依

「し……"白銀少佐・面会予定表"……何なんスか? コレ」

「見ての通りよ? 午後からアンタの見舞いをしたいって連中が来るわ。病室は以前の場所」

「え、えぇ~~っ!?(時間が押してるって"こう言う意味"かよ!?)」

「決まった時間に一人づつ面会者が訪ねて来るから、さっさと行きなさい」

「俺もう入院する必要 無いんですけど?」

「自室に招くワケにも いかないでしょ? アンタの都合より段取りが重要なのよ」

「段取りって……(何なんだよ、このイベント……)」




白銀少佐 面会予定表

16:00~(各15分)

① 神宮司まりも 軍曹

② 月詠真那 中尉

③ 月詠真耶 中尉

④ 伊隅みちる 大尉

⑤ A・ウォーケン 少佐

⑥ 巌谷榮二 中佐




「あ、あの……私はどうすれば?」

「好きにしたら良いんじゃない?」

「篁。凄い悪ィけど立ち会ってくれないか?」

「!? は、はいっ!」←凄く嬉しそう

「やれやれ……それじゃ~失礼しま~す」

「えぇ」

「……またね」


≪ガシューーーーッ≫×2


「行ったわね」

「行ってしまいました」

「社。直ぐアラスカの"凄い姉妹"について調べなさい」

「分かりました」

「アイツが言った位だから、きっと"何か"有る筈よ」

「はい。白銀さんの為に頑張ります」




……




…………




……午後4時前・通路。


「分かりましたか? テレサ中尉」

「…………」

「いくらイルマ少尉が知り合いだったとは言え……工作をして黙って居るのは良くないです。
 結果 彼女を俺の部隊に引き込む事も可能になって来たけど、問題は其処じゃ無いんですよ?」

「…………」

「理解してくれました?」

「……はい」


ゆーこさんの画策で突然6名の人達と"面会"する事になってしまった俺は、以前の病室を目指していた。

勝手に考えるに、幾らなんでも全員(30名以上)とは面会できないから一部の人間に絞られたんだろう。

何故か真耶さんとウォーケン少佐が居るのに驚いたけど、今更 後には引けないので仕事として割り切るか。

いや……むしろ話す機会を貰えて良かったとポジティブに考えよう。特にオルタには出ない真耶さん辺り。


「じゃあ、俺は行きますけど……んっ?」

「…………」


≪じ~~っ……≫


「な、何ですか? テレサ中尉」

「……"修正"はされないのですか?」

「ゑっ?」

「私は罪を犯したのですよ? その"処分"をされるのが白銀少佐ですからッ」

「ですから?」

「修正は妥当な処分だと思います!」

「ちょっ……そ、そんな事が出来るワケないでしょ? もっと自分を大切にして下さいよ」

「ですがッ」

「処分を任されたのは俺で、その俺が下した判断はコレだけ。だから殴る必要なんて無いんです」

「……ッ……」

「テレサ、白銀少佐もこう仰ってるじゃない。諦めなさいよ」

「そう言う事」

「うぅ……わ、分かりました~」

「じゃあセレナ中尉・テレサ中尉ッ! 俺は急ぎますんで、コレで失礼します!!」

「さようなら~」

「頑張って下さい」


≪すたたたたたたっ……≫


そんな病室へ向う途中にウォーケン姉妹と遭遇し、丁度良いのでテレサ中尉に工作の注意をしたんだけど。

俺が"指導"を終えると無言で右頬を出して来たテレサ中尉。何と殴って欲しいらしく、何と言う軍人……

オペ娘と言えど"修正"を望むなんて、見上げた根性だねマジで。されど俺はチキンなのでマジ御免なさい。

つまり女性の顔面を殴れるハズは無く適当に誤魔化すと逃げる事にし、先に行かせた唯依の後を追った。

対してテレサ中尉は手を振ってくれ、名が明らかになったセレナ中尉にも励ましの言葉を頂いたのでした。


「……っ……」

「何て言ったら良いか……残念だったわね? テレサ」

「嗚呼、ハァハァ……あえて私を殴らなかったのね……嗚呼ッ……」

「まただよ(笑)」

「やっぱり白銀少佐は素敵だわァ、私もイルマみたいに尋問されたいな~♪」

「全く貴女の性癖は……姉として恥ずかしいわよ」

「むっ? それはコッチの台詞よ姉さん。今日も"履いてない"癖にッ!」

「!?!?」

「全くもう、バレたら私だって恥掻いちゃうでしょ!? いい加減止めてよッ!」

「で、でも……白銀少佐に何時 バレてしまうかと思うと……」【ヘブン状態!!】

「姉さん白銀少佐が来てからホント変わっちゃったよね~?(私は元々だけど)」

「……(それ以前に、一番 恥を掻くのは私だと思うんだが……)」←隠れていたウォーケン少佐

「う、五月蝿いわね……それよりも兄さんは何処へ行ったのかしら?」

「そう言えば消えちゃったよねェ? 白銀少佐と面会できるなんて羨ましいなァ~」

「……(やれやれ、優秀だったとは言え2人を国連軍に行く様に勧めたのは正解だった様だな)」


――――この日の夜ウォーケン姉妹は、言うまでも無く白銀をオカズに自慰っちゃったんだ☆


「しっかし、何で巌谷さんが交ざってるんだろう」

「……嫌な予感しかしません」(ぼそ)

「唯依?」

「武さんッ」←真剣

「えっ?」

「シャワー云々の件は……何卒 内密に御願いします!!」

「!? 勿論だよ」

「あ、有難う御座います」

「(きっと巌谷さんにバレない様に気遣ってくれてるんだな? ホント良く出来た部下だぜ!)」

「(叔父様が武さんにバラしてしまう私の失態は多々有る。でも……あれダケは隠さないと……)」


――――そして相変わらず擦れ違う2人。及び面会 開始時間(まりも入室)まで残り10分。




●戯言●
例の姉妹の登場は確定では有りません。とりあえず何時何処で出しても良い様に伏線を張ったダケです。
全てはゆーこさんの頑張りに掛かって居るので彼女を応援してね!そして妹以上に姉を変態にしてしまった。
次回の後編は各 面会キャラと白銀との会話が中心になると思います。兄さんが居るツッコミは無しよ!?


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