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No.3960の一覧
[0] これはひどいオルタネイティヴ(ぶち壊し注意)[Shinji](2008/08/24 12:52)
[1] これはひどいオルタネイティヴ2[Shinji](2008/08/25 11:13)
[2] これはひどいオルタネイティヴ3[Shinji](2008/08/25 11:11)
[3] これはひどいオルタネイティヴ4[Shinji](2008/08/26 04:35)
[4] これはひどいオルタネイティヴ5[Shinji](2008/08/26 23:24)
[5] これはひどいオルタネイティヴ6[Shinji](2008/08/27 20:54)
[6] これはひどいオルタネイティヴ7[Shinji](2008/08/28 16:19)
[7] これはひどいオルタネイティヴ8[Shinji](2008/08/29 20:22)
[8] これはひどいオルタネイティヴ9[Shinji](2008/08/30 23:24)
[9] これはひどいオルタネイティヴ10[Shinji](2008/08/31 22:48)
[10] これはひどいオルタネイティヴ11[Shinji](2008/09/01 21:59)
[11] これはひどいオルタネイティヴ12[Shinji](2008/09/03 08:21)
[12] これはひどいオルタネイティヴ13[Shinji](2008/09/05 10:13)
[13] これはひどいオルタネイティヴ14(+用語ver1)[Shinji](2008/09/07 08:57)
[14] これはひどいオルタネイティヴ15(+伊隅戦乙女隊ver1)[Shinji](2022/04/20 02:22)
[15] これはひどいオルタネイティヴ16[Shinji](2008/09/11 14:52)
[16] これはひどいオルタネイティヴ17[Shinji](2008/09/13 17:38)
[17] これはひどいオルタネイティヴ18(+伊隅戦乙女隊ver2)[Shinji](2008/09/16 23:33)
[18] これはひどいオルタネイティヴ19[Shinji](2008/09/19 22:36)
[19] これはひどいオルタネイティヴ20[Shinji](2008/09/23 02:45)
[20] これはひどいオルタネイティヴ21(+用語ver2)[Shinji](2008/09/26 21:20)
[21] これはひどいオルタネイティヴ22(+第207衛士訓練部隊)[Shinji](2008/10/02 22:28)
[22] これはひどいオルタネイティヴ23[Shinji](2008/10/09 19:42)
[23] これはひどいオルタネイティヴ24[Shinji](2008/10/23 01:55)
[24] これはひどいオルタネイティヴ25[Shinji](2008/10/31 02:49)
[25] これはひどいオルタネイティヴ26[Shinji](2008/11/22 04:34)
[26] これはひどいオルタネイティヴ27[Shinji](2008/11/25 18:05)
[27] これはひどいオルタネイティヴ28[Shinji](2008/12/14 03:54)
[28] これはひどいオルタネイティヴ29[Shinji](2009/01/11 03:35)
[29] これはひどいオルタネイティヴ30(前編)[Shinji](2009/01/17 04:11)
[30] これはひどいオルタネイティヴ30(中編)[Shinji](2009/01/21 01:11)
[31] これはひどいオルタネイティヴ30(後編)[Shinji](2009/01/28 12:16)
[32] これはひどいオルタネイティヴ31 2009/02/08 00:31[Shinji](2009/05/17 17:57)
[33] これはひどいオルタネイティヴ32[Shinji](2009/02/19 03:33)
[34] これはひどいオルタネイティヴ33[Shinji](2009/04/10 04:03)
[35] これはひどいオルタネイティヴ34[Shinji](2009/03/26 08:07)
[36] これはひどいオルタネイティヴ35[Shinji](2009/03/30 03:38)
[37] これはひどいオルタネイティヴ36(前編)[Shinji](2009/04/08 22:44)
[38] これはひどいオルタネイティヴ36(後編) 2009/04/14 04:28[Shinji](2009/05/17 17:53)
[39] これはひどいオルタネイティヴ37 2009/04/24 06:26[Shinji](2009/05/25 00:10)
[40] これはひどいオルタネイティヴ38[Shinji](2009/05/10 00:10)
[41] これはひどいオルタネイティヴ39(前編)[Shinji](2009/05/12 20:01)
[42] これはひどいオルタネイティヴ39(中編)[Shinji](2009/05/14 23:55)
[43] これはひどいオルタネイティヴ39(後編)①[Shinji](2009/05/17 05:05)
[44] これはひどいオルタネイティヴ39(後編)②[Shinji](2009/05/25 02:35)
[45] これはひどいオルタネイティヴ40①[Shinji](2009/06/01 01:54)
[46] これはひどいオルタネイティヴ40②[Shinji](2009/06/05 02:47)
[47] これはひどいオルタネイティヴ40③[Shinji](2009/06/11 02:49)
[48] これはひどいオルタネイティヴ40④[Shinji](2009/06/14 06:03)
[49] これはひどいオルタネイティヴ40⑤[Shinji](2009/07/02 03:10)
[50] これはひどいオルタネイティヴ41(前編)[Shinji](2009/07/13 01:30)
[51] これはひどいオルタネイティヴ41(中編)[Shinji](2009/07/28 19:03)
[52] これはひどいオルタネイティヴ41(後編)[Shinji](2009/08/16 04:00)
[53] これはひどいオルタネイティヴ42[Shinji](2009/08/27 00:58)
[54] これはひどいオルタネイティヴ43(前編)[Shinji](2009/09/10 23:51)
[55] これはひどいオルタネイティヴ43(中編)[Shinji](2009/09/20 09:43)
[56] これはひどいオルタネイティヴ43(後編)①[Shinji](2009/10/07 07:49)
[57] これはひどいオルタネイティヴ43(後編)②[Shinji](2009/10/10 22:26)
[58] これはひどいオルタネイティヴ44(前編)[Shinji](2009/11/11 20:38)
[59] これはひどいオルタネイティヴ44(後編)[Shinji](2009/11/17 03:24)
[60] これはひどいオルタネイティヴ45[Shinji](2009/12/04 11:35)
[61] これはひどいオルタネイティヴ46(前編)[Shinji](2009/12/07 06:52)
[62] これはひどいオルタネイティヴ46(後編)[Shinji](2009/12/20 00:54)
[63] これはひどいオルタネイティヴ47(前編)[Shinji](2010/01/26 07:13)
[64] これはひどいオルタネイティヴ47(後編)[Shinji](2010/01/29 14:19)
[65] これはひどいオルタネイティヴ48(前編) 2010/02/20 03:44[Shinji](2010/02/23 04:16)
[66] これはひどいオルタネイティヴ48(後編)[Shinji](2010/03/04 12:24)
[67] これはひどいオルタネイティヴ48.5[Shinji](2010/03/06 20:21)
[68] キャラクター注目度ランキング(~2010年03月09日)[Shinji](2010/03/09 18:23)
[69] これはひどいオルタネイティヴ49 2010/03/14 07:03[Shinji](2010/03/15 12:47)
[70] これはひどいオルタネイティヴ50 2010/04/08 07:58[Shinji](2010/04/10 03:15)
[71] これはひどいオルタネイティヴ51(前編)[Shinji](2010/04/18 14:51)
[72] これはひどいオルタネイティヴ51(中編)[Shinji](2010/05/25 05:31)
[73] これはひどいオルタネイティヴ51(後編)[Shinji](2010/06/26 00:51)
[74] これはひどいオルタネイティヴ52[Shinji](2010/07/27 04:27)
[75] これはひどいオルタネイティヴ53[Shinji](2010/10/06 05:34)
[76] これはひどいオルタネイティヴ54[Shinji](2011/03/29 08:19)
[77] これはひどいオルタネイティヴ55[Shinji](2011/04/02 07:48)
[78] これはひどいオルタネイティヴ56[Shinji](2011/05/16 11:26)
[79] これはひどいオルタネイティヴ57[Shinji](2012/08/02 01:56)
[80] これはひどいオルタネイティヴ58[Shinji](2012/09/01 14:35)
[81] これはひどいオルタネイティヴ59 2012/10/29 15:03[Shinji](2012/11/03 14:33)
[82] これはひどいオルタネイティヴ60 2012/11/02 17:30[Shinji](2012/11/03 14:34)
[83] これはひどいオルタネイティヴ61[Shinji](2012/11/07 21:35)
[84] これはひどいオルタネイティヴ62[Shinji](2013/02/17 10:44)
[85] これはひどいオルタネイティヴ番外編[Shinji](2009/04/14 02:45)
[86] これはひどいオルタネイティヴ番外編②[Shinji](2009/10/15 18:11)
[87] これはひどいオルタネイティヴ番外編③[Shinji](2010/11/04 17:45)
[88] これはひどいオルタネイティヴ(登場人物+用語)[Shinji](2010/10/10 03:07)
[89] これはひどいオルタネイティヴⅡ(原案)[Shinji](2022/03/24 21:32)
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[3960] これはひどいオルタネイティヴ41(前編)
Name: Shinji◆9fccc648 ID:37b9b89a 前を表示する / 次を表示する
Date: 2009/07/13 01:30
これはひどいオルタネイティヴ41(前編)




「…………」

「…………」


ウォーケン少佐から予想外の"米軍の撤収"を聞かされた俺と殿下は、その後の道中 無言だった。

本来であれば俺が何か言いたいトコロだったけど、司令部が決めた事を彼に言っても仕方がない。

それにBETAでは無く日本内での馬鹿らしい争いに米軍衛士の命が危険に晒されているのだ。

原作でもウォーケン少佐は其の事で理不尽に思っていた事からキレてるシーンが有ったしな~。

またヘタレな俺は彼の様なイカつい人に凄まれると失禁しそうなので、口を挟めなかったとも言う。


『……ッ……(くっ……どうして白銀少佐は何も言ってくれないのッ?)』

『……(言いたい事は多々有るが、今は様子を見るしか無い様だ……)』


んで隙を見て榊……いや千鶴や月詠さんのバストアップを確認してみると、案の定だった。

凄~く何か言いたそうな顔をしている。されど俺や殿下が何も言わないので黙っている感じか?

何にせよ下田に着くまでは この調子で行くしかないな……米軍が真っ先に撤退しても望みはある。

彼らが撤収しようと"殿下が逃れた事実"で、潔く諦めてくれる可能性だって有るのだから。

そんなワケでポジティブを意識してSⅡ型を操縦していると、ようやく殿下が口を開いてくる。


「……白銀」

「はい?」

「先程の言葉、どう思いますか?」

「ちょっと……拙い事になるかもしれません」

「具体的には?」

「多くの帝国軍衛士の危険が生じるかと」

「わたくしが無事に逃れたと言う事実が有ったとしても……ですか?」

「えぇ。随分と巧くいった上に被撃墜比も圧倒的に此方が少ないですからね」

「つまり……」

「どう考えても相手側が不完全燃焼です。矛先が別に行っても不自然じゃ無いでしょう」

「……ッ……」

「いや、あくまで予想ですけどね……とにかく、潔く諦めてくれる事を祈るしか無いかな?」

「そう……ですね。"最良の未来"を信じましょう」

「御願いします」


――――う~む、こりゃ決起軍が諦めなかった場合は俺が動かないワケにはいかなくなったな~。




……




…………




……更に十数分後、俺達は特に問題も無く下田へと辿り着いた。


『ハンター01よりHQへ。最優先事項の伝達を行う』

『HQ承認、報告せよ』

『今現在"煌武院 悠陽"殿下が下田へと到着した。一刻も早い受け入れを頼む』

『了解……最寄の部隊を迎えに向かわせる。ハンター01各機は2番艦に搭載せよ。任務 御苦労だった』

『聞いたな? 中隊各機、速やかに移動しろ』

『了解!!』×11

『白銀少佐、我々は これまでだ。失礼する』

『間も無く迎えが来ますので、後は彼らの指示に従ってください』

「はい、有難う御座います」←棒読み


ウォーケン少佐によるHQへの報告後、此処で早くも彼等とは御別れとなってしまった様だ。

本来なら礼を言った後、外に出て握手でもしたい所だったけど、状況が状況だからなァ……

先の事を気にし過ぎていて、彼とイルマ少尉の言葉に感情の篭らない返事しかできなかった。

う~ん、珠瀬とイルマ少尉の会話を覗くイベントは経験 出来なかったけど彼女が死なないダケ良いか?


『――――ではHQより米軍 全機へ告ぐ』

「始まるみたいですねェ」

「はい」

『護衛対象である"煌武院 悠陽"殿下の離脱を確認。全機 戦闘を中止し直ちに離脱せよ。
 "煌武院 悠陽"殿下の離脱を確認。全機 戦闘を中止し直ちに離脱せよ。繰り返す……』
 
「これから、どうなるのでしょうか? 白銀」

「分かりません。とにかく様子を見ましょう」

「……それしか無い様ですね」

「あっ、迎えが来たみたいですよ?」

「……(そう言えば道中では"アレ"を渡し損ねてしまいました……)」




……




…………




――――同時刻。


『オイオイ、凄いな~あの中隊……何なんだッ?』

『国連軍よねェ? 一体 何処の部隊なのかしら?』


≪ドオオオオォォォォンッ!!!!≫


『ぐわああぁぁっ!!!!』

『くッ……つ、強い……』


≪――――ズシンッ≫


「ふん、出直して来なさい!」

『ふむ……一時は どうなる事かと思ったが』

「米軍の御陰で良い感じで時間稼ぎが出来る様になりましたね~」

『けど無理はしないで下さいねェ? 速瀬中尉。皆 弾倉が殆ど残って無いんですから』

「分かってるわよ~葛城」

『されど我々も踏み止まる事で、米軍の被害が減るのも事実です』

『そうですね美冴さん。そろそろ殿下も逃れられるでしょうし……』

『もうひと辛抱と言う事だ。各機 引き続き無理のない範囲で米軍の援護を――――』

『!? ヴァルキリー・マムよりヴァルキリーズヘ! どうやら殿下が無事 下田へと辿り着いた様です!』

『えぇっ!?』←茜

「嘘ォ~っ? 随分と早いじゃない!」

『直接 護衛に当たったのは横浜基地・突撃機動部隊……そ、それに第207衛士訓練部隊との事……』

『成る程、白銀少佐達が随伴していたのか。それならば納得できるな』

「白銀少佐が? う~ん、何だか複雑ねェ」

『で、でもでもッ! これでもう、人間と戦わなくて済むんだよねッ?』

『そうだね~多恵、実際BETAより戦術機の方が よっぽど神経使ったしさァ』

「まぁ良いか。面倒な戦いも終わったし、さっさと戻って――――」

『そんなっ!? ヴァルキリー・マムより各機へ!! 米軍機が次々と離脱して行っていますッ!』

『何だと!?』

「ちょっと、一体どう言う事なのよ!?」


≪――――ヴンッ≫


『……悪いが我々の任務は殿下が脱出するまでの時間稼ぎをする事なんだ』

『殿下が無事 逃れた今、これ以上 戦闘をする理由は無いのよ』

「だ、だからって……目の前の敵が諦めなかったら どうするつもりなの!?」

『コレは司令部が下した命令なのさ。アンタ達も軍人なら……分かるだろ?』

『ごめんなさい!』


≪――――プツンッ≫


「あっ!? ちょっとッ」

『これは……拙い事になったな』

『撤収と言っても、遣り方が有ると思うのですが?』

『(オルタネイティヴ5推進派の差し金か……)状況はどうなっている? 涼宮』

『……ッ……米軍の唐突の撤収に状況は理解 出来ている筈ですが、決起軍の追撃は止まっていません』

『そうか』

『特に米軍と共闘していた帝国軍 部隊が危険です。当然 私達も……』

「!? 言ってる傍から来るわよっ!?」


≪――――ゴオオオオォォォォッ!!!!≫


『クソッ、糞おおぉぉっ!! 米軍めぇぇ!!!!』

『殺してやる!! 其処を退けええぇぇっ!!!!』

『いや……奴等は"例の中隊"だッ! 同士の敵を討たせて貰う!!』

『ははははっ、殿下が無事 逃れたなどデマに決まっている!!』

『そうよ!! 米軍は恐れをなして、尻尾を巻いて逃げたダケなのよッ!』

『何が国連軍だ……米軍の犬どもめッ、皆殺しにしてやる!!』


≪――――ズシンッ!! ズシンッ、ズシンッ!!≫


「ちょっ……流石に多すぎない? 宗像」

『確かに洒落になりませんね』

『一部 正気でない人間も居る様な気がするのですが……』←祷子

『あわわわわわっ、レーダーが真っ赤だよ~っ!』

『くっ……涼宮、全速で指揮車を後退させろ!!』

『で、ですがッ』

『中には理性を失っている奴も居るっ! 例え非戦闘員でも見つかれば殺されるぞ!?』

『しかし指揮者の速度では逃げ切れるかどうか――――』

『つべこべ言わずに さっさと後退しろ!!』

『!? り、了解ッ!』

『ヴァルキリー01よりヴァルキリーズ各機、左右 広範囲に散開しCPを守りつつ後退しろッ!
 これは一機一機が多くの戦術機を釣らなければ犠牲者を出さずに逃れる事は不可能だ!!』

『了解!』×11

『た、大尉っ! 私達の事は良いですから……!!』

『馬鹿者!! 白銀少佐から受けた"命令"を忘れたのか!?』

『……ッ!?』


≪絶対に――――死なないで欲しい≫


「生憎だけど、私達は全員 生きて戻んなきゃダメなのよッ!」

『涼宮!! 分かったのなら復唱しろっ!』

『お姉ちゃんッ』

『わ……分かりました。全速で後退します!! ヴァルキリー各機は陽動を御願いしますッ!』

『了解!』×12

『(そうだよ……し、白銀少佐に本当に抱いて貰える迄は絶対に生きなくちゃ!)』

「(アイツの事だから、引き返して来るのかな~? でも今回は頼らないわよッ!)」




……




…………




……数分後、米軍・艦内。


「……ッ……」

「あちゃァ~」


あの後 米軍の戦術機 小隊が俺達12機を迎えに来て、艦内に案内してくれると言うので後を追う。

そして導かれるままに1番艦 内部に愛機を納めると、俺は殿下と決起軍の反応を調べる事にした。

方法は簡単。1番艦の内部に存在するHQのデータにリンクさせて貰って、伊豆の地図を見るダケだ。

そんなマップによる状況は、やはり芳しくなく……殿下 脱出の事実あれど、追撃が止んでいない。

決起軍に対し殿下の離脱は帝国軍の口から告げられたが、米軍が さっさと撤収したと言う、
あまりの"ナメられっぷり"に多くのクーデター軍の衛士が逆上してしまい、攻撃を止めない模様。

されどラプターを主軸とする米軍に追いつけるハズも無い結果、矛先が帝国軍に向いたと言う感じだ。

この半数を占める決起軍の怒りの追撃に対し、沙霧 大尉の対応は今現在では確認が取れて無いとの事。

流石に彼が逆上して追撃を続けたりはしないと思うけど、ソレが正解なら不憫でならないねマジで。


「わたくしが逃れたと言うのに……未だに争いが絶えぬとは……」

「むしろ悪化してますねコレ」

「このままでは、多くの帝国軍 衛士の命が……」

「少なくとも手前で決起軍を抑えている部隊は放って置くと根こそぎ全滅しそうですね……」


殿下が逃れた事実により、クーデター軍は もはや後が無い。全滅or投降するのも時間の問題だろう。

されど各所で米軍と共闘していた帝国軍 部隊には唐突の仲間の撤収により決起軍の矛先が向いている。

つまり北より決起軍を挟むべく追撃している援軍との合流を待たずに全滅してしまう可能性が極めて高い。

ソレはA-01も同様であり、彼女達は途轍もない戦果により最も危険に晒されていると言って良い。

ちなみに、どれ位 危険かと言うとマップを見る限りでも他の危険な帝国軍部隊の2倍近い戦力……

数で言えば50以上の敵に追われていた。出撃 直後ならともかく、消耗している今じゃヤバそうだな。

とにかく状況は把握したぜッ! ……って考えているウチに、未だ膝の上に居る殿下が俺に顔を向ける。

別にもう退いても良いと思うんだけど、この感触も間も無く終了なので、俺は黙って彼女の言葉を待つ。


「……どうする事も出来ぬのですか? 白銀ッ」

「…………」

「これが わたくしの導いた"最良の未来"と言う事なのですか!?」

「大丈夫ですよ」

「えっ?」

「このままで"最良の未来"に成らないので有れば、我々が 未来を変えれば良いんですよ」

「そ、そなた達が……?」

「はい。とにかくボヤボヤしてる訳には いきません、皆を集合させましょう」

「一体……何を考えて居るのです?」

「あはははっ、直ぐに分かりますって」

「……(生憎 想像がつきません……そなたは、その笑顔の裏に どれ程の……)」

「アルカディア01より各機へ。直ちに戦術機から出て集まってくれ、場所は――――」




……




…………




……1分後。


「みんな集まったね?」

『――――はっ!』×11


身近な詰め所に篁たちを集めた俺は、エロスーツ姿の殿下を横に彼女たちと向かい合っている。

……実を言うと、ウォーケン少佐から撤収の話を聞かされた直後から、俺はずっと考えていた。

ソレは決起軍が逆上し味方が危険に晒されたら"俺"は どう動くべきか? ……と言う事をである。

結果 首尾 良く考えを纏める事が出来た事から、今まさに"作戦の内容"を彼女達に話そうとしてるのさ。


「其の前に……殿下の護衛任務ご苦労様。御陰で――――」

「白銀少佐ッ」

「悪い悪い。なら早速 本題に入るが……」

『……ッ……』×12


作戦を告げる前に労いの言葉を掛けようとすると、篁に制されたので止めるしかなかった。

そんな彼女の表情は"不機嫌"を現しており、他の面子も米軍の行動への怒りは勿論の事……

帝国軍 衛士達の事も心配そうであり、特に冥夜は勝手に出撃してしまいそうな程 表情が険しい。

鎧衣でさえソワソワとしてるみたいだし、こりゃ~拙いな。一秒でも早く話を進めなければッ。

故に俺は原作を肖った作戦を伝えるべく口を開く。正直 オルタやってなかったら考えもしなかった筈。


「これより手短に最寄で危機に陥っている国連軍 中隊の救出……及び決起軍 説得の作戦を告げる!」

『――――ッ!?』×12




……




…………




……切羽詰って居るので雑談(フラグ立て)が全く出来ないまま、更に5分が過ぎた。


「準備 出来たか? 冥夜」

「は、はいッ」

「お~っ? なかなか似合ってるじゃないか」

「!? こ、この様な時に そんな事を仰らないで下さいっ!」

「悪い。冗談だよ」

「……じ……冗談……でしたか……」


――――其処で何故ガッカリした表情をするんですか? 御剣 冥夜さん。


「ともかく今回は大役だぞ? やれるよな?(原作じゃ出来たし問題無いと思うけど)」

「や、やってみましょう。それで多くの命を救えると有らば……」

「それにしても皆 理解の早い娘達で助かったよ」

「それは白銀少佐の作戦が素晴らしいからだと思いますッ」

「おいおい……世辞にも程が無いかい?」

「その様な事は有りませぬ! 殿下に似る私を恐れながらも身代わりとする等、
 初めは驚愕こそ致しましたが……"この方法"以外で争いを治める事 等できませぬ」

「そうかな~?」

「無論ですッ。殿下の御言葉を受ければ、幾ら今の決起軍とは言え目が覚めるでしょう!!」

「まぁ、皆が協力してくれるからには試して見るしか無いね」

「はい!」


艦内のハンガーにてスタンバイしているSⅡ型のコックピットの前で、俺は冥夜を待っていた。

そんな直ぐに やって来た待ち人は殿下が着ていた私服を着込んでおり、彼女とは別な色気が有るな~。

さて置き……作戦の内容とは先ずはA-01の救出。勿論 帝国軍 衛士たちの命も大事だけど、
彼女達を一人でも死なせる訳にはいかない。よって"説得"の前に最優先で救出して離脱して貰う事にする。

それを成功させた後は何処かに居る沙霧を発見して、殿下に変装した冥夜によって説得させるのだ。

今はウォーケン少佐どころかイルマ少尉も居ないから、横槍も無いだろうし安心して接触できる筈。

彼が米軍の撤退で逆上する人間ならソレ迄だけど、やってみる価値は有るよな? きっとだけどね……

そんな気持ちで軽~く冥夜に声を掛け彼女が頷くと……未だに強化装備姿の殿下が姿を現した!!

初めは冥夜に変装させると言っても自分が説得すると反論してた彼女だったけど、
諦めてくれたと思ったんだけどな……エロスーツのままって事は多少は未練が有るのかもしれない。


「!?(あ、姉上……)」

「冥夜、先にコックピットの中に」

「か……畏まりました」


≪――――たたたたっ≫


「気を遣わせてしまった様ですね」

「大丈夫ですよ。……それで、何の御用ですか?」

「そなたに頼みたい事が有るのです」

「頼みたい事……?」

「これを冥夜に渡して下さい」

「"人形"……ですか」


――――御存知の通り例のヘンテコな人形だ。正直 忘れてたけど彼女は どうしても渡したかった様子。


「これは あの者とわたくしが共に過ごした証なのです」

「身の回りの品で持ち出せた唯一のモノ……って訳ですね?」

「その通りです。そなたは本当に鋭いですね」

「偶然っスよ(……と言うか原作知ってるし)」

「本来ならば たった今 わたくしから渡すべきだったですが……」

「誰が見てるか分かりませんからね。直接 渡す事は難しいですし気にする事 無いですよ」

「……ッ……そなたに感謝を」

「私こそ感謝を」

「白銀?」

「すみません、言ってみたダケです」

「まあ……ふふふっ」

「あははははは……」


――――そんなこんなで受け取った人形を右手に、左手で頭を掻きながら笑い合っているんだけれども。


「……ッ……」

「!?」


≪――――どっ≫


「……(暖かい)」

「で、殿下っ!?」


突然 殿下に正面から抱き付かれたんですけど、一体 全体どう言う事なんですか奥さんッ!?

これって彼女が此処で人形を冥夜に渡すよりヤバい図だと思うんですけど……誰も見てないよな?

篁たちは皆 既に戦術機の中だから良いけど、米軍の誰かに見られたらスキャンダルになってしまう。

よって周囲を全力で見回したくなった俺だったが、空気を読んで殿下を抱き締め返すしかなかった。

お、おっぱいが とっても柔らかいお……折角 完全に治まったのに、またおっきしちゃったお(^ω^ )


「…………」

「…………」

「……白銀」

「はいィ?」


――――暫しの抱擁の後、殿下は俺の胸から顔を放すと此方を上目遣いで見上げながら嘆いた。


「死んではなりませんよ?」

「勿論さあ☆」←ウザスマイル

「!? で、では……わたくしはコレでっ」

「御気をつけて~」


どうやら殿下は俺の事を心配してくれていた様だ。往来じゃ無茶な作戦だし、それも仕方ないかもね。

しかし抱擁までしてくれるのは予想外だったな……しかも周囲に見られるリスクを躊躇わずにとはッ。

きっとソレが"殿下"なんだろうね。リスクを気にせず思い切った激励を行う彼女には脱帽であります。

それなのに俺はボッキしちゃったりスマイルしたり、挙句の果てには押し倒そうと思ったりと最低だZE。

ならば殿下の期待に応える為にも、最低限の犠牲でクーデターを終息させるしか無いってワケだ。

よって俺は殿下が走り去ったのを確認すると、消えゆくオッパイの感触を名残惜しみながら、
冥夜の待っているSⅡ型のコックピットに入り、俺を見た直後に頭を下げてくださる彼女に対し……


「冥夜、ただいまっていう」

「お帰りなさいま……えっ?」

「コレ、殿下からの御守りっていう」

「!?!?」


――――アッサリと人形を冥夜に渡す事で彼女の仰天した様子を楽しみ、緊張感を拭い去ったっていう☆




●戯言●
次回は色々とネタ満載で行く予定です。沙霧とイルマ?勿論ちゃんと……だがでっていう!!


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