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No.3960の一覧
[0] これはひどいオルタネイティヴ(ぶち壊し注意)[Shinji](2008/08/24 12:52)
[1] これはひどいオルタネイティヴ2[Shinji](2008/08/25 11:13)
[2] これはひどいオルタネイティヴ3[Shinji](2008/08/25 11:11)
[3] これはひどいオルタネイティヴ4[Shinji](2008/08/26 04:35)
[4] これはひどいオルタネイティヴ5[Shinji](2008/08/26 23:24)
[5] これはひどいオルタネイティヴ6[Shinji](2008/08/27 20:54)
[6] これはひどいオルタネイティヴ7[Shinji](2008/08/28 16:19)
[7] これはひどいオルタネイティヴ8[Shinji](2008/08/29 20:22)
[8] これはひどいオルタネイティヴ9[Shinji](2008/08/30 23:24)
[9] これはひどいオルタネイティヴ10[Shinji](2008/08/31 22:48)
[10] これはひどいオルタネイティヴ11[Shinji](2008/09/01 21:59)
[11] これはひどいオルタネイティヴ12[Shinji](2008/09/03 08:21)
[12] これはひどいオルタネイティヴ13[Shinji](2008/09/05 10:13)
[13] これはひどいオルタネイティヴ14(+用語ver1)[Shinji](2008/09/07 08:57)
[14] これはひどいオルタネイティヴ15(+伊隅戦乙女隊ver1)[Shinji](2008/09/09 12:53)
[15] これはひどいオルタネイティヴ16[Shinji](2008/09/11 14:52)
[16] これはひどいオルタネイティヴ17[Shinji](2008/09/13 17:38)
[17] これはひどいオルタネイティヴ18(+伊隅戦乙女隊ver2)[Shinji](2008/09/16 23:33)
[18] これはひどいオルタネイティヴ19[Shinji](2008/09/19 22:36)
[19] これはひどいオルタネイティヴ20[Shinji](2008/09/23 02:45)
[20] これはひどいオルタネイティヴ21(+用語ver2)[Shinji](2008/09/26 21:20)
[21] これはひどいオルタネイティヴ22(+第207衛士訓練部隊)[Shinji](2008/10/02 22:28)
[22] これはひどいオルタネイティヴ23[Shinji](2008/10/09 19:42)
[23] これはひどいオルタネイティヴ24[Shinji](2008/10/23 01:55)
[24] これはひどいオルタネイティヴ25[Shinji](2008/10/31 02:49)
[25] これはひどいオルタネイティヴ26[Shinji](2008/11/22 04:34)
[26] これはひどいオルタネイティヴ27[Shinji](2008/11/25 18:05)
[27] これはひどいオルタネイティヴ28[Shinji](2008/12/14 03:54)
[28] これはひどいオルタネイティヴ29[Shinji](2009/01/11 03:35)
[29] これはひどいオルタネイティヴ30(前編)[Shinji](2009/01/17 04:11)
[30] これはひどいオルタネイティヴ30(中編)[Shinji](2009/01/21 01:11)
[31] これはひどいオルタネイティヴ30(後編)[Shinji](2009/01/28 12:16)
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[33] これはひどいオルタネイティヴ32[Shinji](2009/02/19 03:33)
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[43] これはひどいオルタネイティヴ39(後編)①[Shinji](2009/05/17 05:05)
[44] これはひどいオルタネイティヴ39(後編)②[Shinji](2009/05/25 02:35)
[45] これはひどいオルタネイティヴ40①[Shinji](2009/06/01 01:54)
[46] これはひどいオルタネイティヴ40②[Shinji](2009/06/05 02:47)
[47] これはひどいオルタネイティヴ40③[Shinji](2009/06/11 02:49)
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[49] これはひどいオルタネイティヴ40⑤[Shinji](2009/07/02 03:10)
[50] これはひどいオルタネイティヴ41(前編)[Shinji](2009/07/13 01:30)
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[52] これはひどいオルタネイティヴ41(後編)[Shinji](2009/08/16 04:00)
[53] これはひどいオルタネイティヴ42[Shinji](2009/08/27 00:58)
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[58] これはひどいオルタネイティヴ44(前編)[Shinji](2009/11/11 20:38)
[59] これはひどいオルタネイティヴ44(後編)[Shinji](2009/11/17 03:24)
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[3960] これはひどいオルタネイティヴ6
Name: Shinji◆9fccc648 ID:37b9b89a 前を表示する / 次を表示する
Date: 2008/08/27 20:54
これはひどいオルタネイティヴ6




2001年10月25日 午前


起床の放送に起こされる前、予想通り 社が俺を起こしに来てくれた。

これも判っていたから普通に対応できたけど、
知らなかったらネボけてたのも有って襲い掛かっていたかもしれない。

息子の処理も昨夜のうちにしておいて良かった、白銀の体でも敏感なところは俺と一緒だ。

勿論……エロゲーでしかない展開に、抱きついてキスしたくなったが抑えた。

ゆーこさんに やっちゃった☆アレもヤバいが、そんな事したら社ならトラウマになるだろう。

何事にも自重。 社の信頼なしでも桜花作戦は語れないんだ。

……え、むしろもっとやれって? 無理。 だって死にたくないんだもん!


「ばいばい。」


さておき、社のその行動は俺に対する好意では無い。

起こすのが済むと、静かにそう嘆いて右手を小刻みに振るとさっさと部屋を出て行った。

彼女は鑑をリーディングし、白銀を起こすイメージを発見し、同じ事をしているんだからな。

まぁ、社が白銀を好きな事に気付くのはオルタから居なくなる時っぽいし、
鑑から読めたと言う理由で飯を食わそうとするあたり、"愛"と言う概念すら今は無いんだろう。


「はぁ……」


俺は何時もの軍服に着替えると、PXを目指して通路を歩く。

この姿も"こっちの世界"じゃリーマンの代名詞である背広みたいなモンだと思えば気が楽だ。

まぁ……言うまでも無し、流石に紳士服店で売ってたりはしないんだろうけどね。


「お早う御座います、少佐。」

「おはようッス、軍曹。」


ネボけてはいないが、"ある理由"で憂鬱な気分な俺。

んでもって……昨日の朝と同じように まりもちゃんと遭遇。

今日もラッキーだなぁ~と思いつつ、二人で並んでPXを目指した。


「……ふぅ。」

「少佐、どこか体調でも?」

「えっ? いや、何とも無いですよ。」

「なら、良いんですが……」


昨日と同様 早く着いた為か、やっぱり人は少ない。

直ぐに注文が可能であり、俺はきつねうどん をオバハンに頼んだ。

すると――――何故か、まりもちゃんも うどんを頼んでいた。

もしかして好みが会うのかな? 美味しいもんね、うどん も蕎麦も。

うへへへ……次も同じだったら、更にお近づきのネタができるぞ~。


「ごちそ~さま。 それじゃあ、俺は行きます。」

「では私も。」


……けど、まりもちゃんとの会話は今回は殆ど無かった。

元からベラベラと話す時間が無いのもあるが、前途のように憂鬱な気分だったからだ。

その為 溜息も出ており、何時の間にか うどんを食い終えた俺は席を立った。

続いてまりもちゃんも付いて来たので、心配してくれた感謝も込めて歩きながら言う。


「シミュレータ、もうちょい待ってくれれば付き合えると思います。」

「そ、そうですか? わざわざ時間を作って頂いてるみたいで……」

「いやいや、そりゃ~とんでもないッスよ。」

「今日もシミュレーターですか?」

「あれ、言ってましたっけ?」

「小耳に挟んだもので。」

「成る程~。 まぁ、そうです。 今日もガンガンやるつもりですよ。」

「御熱心ですね。」

「当然ですよッ、それじゃ!」

「あっ……」


御熱心と申したか? そりゃ~熱心になりますともっ!

俺が生き残る為にでもあるけど、男と女で一緒にシミュレーターやるなんて、
こっちの世界にとっては まりもちゃんとデートするようなモンですから!

……少佐……御教授 頂け有難う御座いました……(無理が有る女声)

……軍曹……君になら、俺の背中を預けられる……(意識し過ぎて逆にウザい男声)

いいね いいね。 でも なんか恥かしくなって、食器を返却すると走り出してしまう俺。


「軍曹も頑張ってくださ~いっ!」

「…………」


≪だだだだだだだだっ≫


「(やっぱり昨日PXで、少佐が癇癪 起こしてたって噂は本当だったのかしら……?)」


――――えっ、ノロケ話は良いから憂鬱だった理由は何だって?

言うまでも無い、昨夜のナニで痛感したんだけど、
臨戦態勢に入った白銀の息子が"俺の"よりも断然デカかった からだよッ!

俺の体でもあるので嬉しい事は嬉しいが、同じ日本人なのに……エロゲーの主人公、恐るべし!!




……




…………




≪――――どっ≫


「うぉ?」

「あっ!」


シミュレータールームを目指して歩いていると、偶然 ピアティフちゃんと鉢合わせした。

もし曲がり角で接触していなければ すれ違いに敬礼して終わりなんだろうけど、
運が良いのか悪いのかブツかってしまった事から、彼女は俺の胸板に弾かれてしまう!

互いに歩いていたダケなんだけど、白銀のガタイが良すぎなんだよな~。

……って、それどころじゃねぇ! 俺は反射的にピアティフちゃんの右腕を左手で掴んでいた。


≪――――ぐぃっ!≫


「よっ!」

「……ッ!?」


直後 右腕を引っ張り、社交ダンスみたいな反動で彼女は俺の胸におさまる。

別にこんな勢いをつけなくても救出できたんだろうが、俺は力の制御ができていなかった。

体はムキムキでも認識は会社員(28)のままだからな……力のセーブもこれからの課題だ。

……そんな事を考えて黙っていると、何やらピアティフちゃんが小刻みに震えていた。


「大丈夫っすか?」

「は、はい……平気ですから、放してくださいっ。」

「!? す、すんません。」

「……っ……」


な、なんて迂闊な俺。 無意識のうちに、右手で彼女の尻を触ってしまっていたのだ!

や……や、やっちまったぜ☆ いや、ムニッとしなかったダケでも自重したんですよ?

ともかく、これは誤魔化すしかない! 俺は慌てて距離を取った彼女に話し掛ける。

勿論、尻? なにそれ美味しいの。 ……と言う真面目な表情でピアティフちゃんを宥める為だ。


「中尉?」

「あっ!し、少佐。 こちらこそ申し訳ありません、私の不注意でした。」

「いやいや、なんの。 それより拾いましょう。」

「は、はい。」


……おっ? 案外 普通に誤魔化せた。 俺が少佐だし、目を瞑ってくれたのか?

会社じゃ~セクハラなんて、いかに上司がペェペェにしようが訴えられたら終了だ。

でも"こっちの世界"じゃ~多少は許されるのかッ? いやいや、俺は不可抗力以外はやりませんよ?

そんなバカな事を考えながら、ピアティフちゃんがブチ撒けた書類を拾っているんだけれども。


――――ちょっ、見えた!?


「これで全部ですかね。」←心臓バクバク

「……はい、何から何まで有難う御座いました。」


ついさっきまで、尻を触る位なら救出を諦めてパンチラ見とけば良かったなと思ってた矢先。

偶然 拝める事ができ、そのまま時間が停止すれば良いのにな~……と思った。

しかし現実は残酷である。 30秒程度で書類は拾い終わり、彼女は頭を下げてくださる。

上官だから空気を読んでるけど頭下げたいのは俺だぜ……幸せな一時を有難うッ。

……だが、そろそろ少佐の俺を維持できるかが際どいところだ。

ここは名残惜しいが、ボロが出ちまう前に立ち去るとするか~。


「それじゃ~、俺はコレで。」

「――――あのっ。」

「はい?」

「こ、これから少佐は……どちらに?」

「シミュレータールームで訓練でもしようかと思ってます。」

「昨日もされていたと聞きましたが?」

「あれ、何故 中尉までも?」

「……噂で耳にしました。 話によると、全て御一人で行われていたとか……」

「その通りです。」


……おや? なんで引き止められたんだろう。

貴女のような可愛い娘ちゃんに、真面目な少佐様を演じているのは、
かなり辛いんですけど。 全然 上官っぽい口調じゃない? 慣れて無いから表情だけで勘弁して。

さておき、今の時点で大丈夫そうなのは ゆーこさんと まりもちゃん位だしなぁ……

此処の人 良い女 多過ぎなんですよ。 横浜基地の女衛士とか、何処のファッションショーですか?


「そこでなのですが……宜しければ、戦域管制の御手伝いを させて頂けないでしょうか?」

「なんと。」

「お、御一人では何かと不便だと思いますので……」

「……っ……」


こ、これはッ! ピアティフちゃんからのデートのお誘い!?(違うって)

正直 願っても無い事ですよッ? 彼女は良い女の中では一番"まとも"だからなぁ~。

ゆーこさんや まりもちゃん みたいに胸がデカいワケじゃないけど、
それが逆にムダに意識しなくて良いって事で、何だか親しみ易い感じがするんだよね。

原作でも甲21号作戦とかでキビキビ働いてたし、是非頼みたいところなんだが――――


「少佐?」

「……すまない。」

「えっ?」

「気持ちは有り難いのだが、機密なので俺は一人で訓練を行わなくてはならないんだ。」

「!?」

「機会があれば、俺から頼む事にするから宜しく頼むッ。」


≪――――だっ!!≫


無理なんだよ……まだまだ白銀大佐に御教授 願いたい俺は、誰にも管制を任せられない。

……くそっ。 自分から可愛い娘の誘いを断るなんて、ハタチ越えてから初めてかもしれないな。

その為か、つい言葉遣いまで硬くなってしまったでは ありませんか。

んでもって中学生の時 気になる娘を家に誘える雰囲気だったのに、
言い出してから塾だった事を思い出して断り、嫌われてしまった事を思い出してしまった!

そんな俺の目尻には涙が浮かび始め、俺は告白してフラれた熱血漢のように走り去るしかなかった。

……何よっ! 白銀のバカ! 青い空なんてだいっ嫌い! ……いや、白銀は関係なくね?


「やっぱり私じゃ……力には なれないのかしら……」




……




…………




2001年10月25日 午後


≪ばこーーーーんっ!!!!≫


「うわっ!? や、やられた……!!」


哀しみの後、俺はそれを振り払うようにバリバリとシミュレーターを勤しんだ。

傍から見ると危ないヤツだっただろう。 だが、そうでもしないと俺の気持ちは癒えないんだ。

けど相変わらず例の台詞は止めず、今回もエリート兵を肖って6時間程 訓練を続けた。

殺られ台詞を悠長に言ってる暇があったら脱出した方が良いんじゃね……と無駄な事を考えながら。

そんで筐体を出てくると やはりヒソヒソと噂されていたが、昨日と同じく俺は逃げ出した。


「――――良し。」


遅れた昼食後、ちょっと疲れたので自室で休んだ後、俺はPXに向かった。

そしてラーメン(大盛り)を受け取り、向かうのは207B分隊の集まる席。

よく見れば別の場所にA分隊の姿も確認できるが、"そっち"の予定はまだ考えて無い。

反面、B分隊と話す覚悟は先程の休憩で できたので、気合を入れると彼女達に近付く。


「ごめん。 邪魔して良いかい?」

「貴方は、白銀少佐……!」

「け――――敬礼!!」


≪――――ガタンッ≫


御剣と榊の視界から接触すると、御剣が瞳を見開き榊が慌てて起立し、
背を向けて座っていた彩峰と珠瀬も立ち上がり、此方を向いて敬礼してくださる。

予想はしており まりもちゃんで慣れていたとは言え、4人でされると迫力があるな~。

けど此処でも上着を着ていてくれて助かる……俺は苦笑をしながら、お盆を片手に何とか敬礼した。

すると榊が右にズれ、隣の御剣も流れを読んだので、俺は榊の左に座らせて貰う事にした。

くぅ~っ。 若い娘4人と会話するなんて、何年ぶりだこりゃ……有る意味 感動的だ。


「食事を一緒にするのは初めてになるね。」

「は、はい……ですが宜しいのですか? 我々 訓練兵などと……」

「構やしないよ。」

「ですが、周囲の者が何と言うか――――」

「おかたい。」

「!? 彩峰ッ!」

「ははは。 まぁ、俺が勝手に来てるんだから君等は何も気にする事は無いって。」

「そう言う事?」

「だから、なんで貴女が言うのよ!?」

「ぷっ……!」

「し、少佐!?」

「あぁ、ごめん。 こうも言われた(ゲーム)通りだと思うと、笑っちゃってね。」

「……っ!?」


思った通り良いキャラしてるよな~彩峰は。

こう言うボケは いくらでも大歓迎だ、俺の世界を思い出す。

でも榊は恥かしくなったのか、俺の隣で赤くなっているぞ。


「ふっ……それより榊、白銀少佐には感謝せねばなるまい?」

「感謝? なんだねそれは。」

「白銀少佐は我々の弱点を見抜き、神宮寺軍曹に助言を与えて頂いたと聞きます。」

「あ~……って事は、モメたの?」

「はっ。 今朝の訓練にて些細な事ではありましたが、
 以前の演習ではそれが大きな失敗にへと繋がり、不合格となりました。
 榊と彩峰はそれが誰の所為だと今朝でも揉めておりましたが、
 初めて神宮寺軍曹にそれについて檄を飛ばされ、目が覚めた次第です。」

「ほ~。そうなのか? 榊。」

「は、はい。 軍曹が言うには、少佐は超一流の衛士と聞きます。
 つまり……BETAに対する実戦での心得を全て知っておられる。
 そんな方に指摘された事と有れば、目が覚めない訳にはゆきませんから。」

「成る程ね、ゴホンッ。 まぁ……非常に簡単な事だ。 演習だったから良かったけど、
 実戦だったら御剣も珠瀬も鎧衣も巻き込んで戦死。 整備班が徹夜で組んだ戦術機も大破。
 汗水垂らして働いた皆の結晶の予算の無駄。 その原因が"喧嘩でした"と言われたら馬鹿みたいだろ?
 データだと"お前達"の能力はAクラスなのに、戦場でモメて死ぬなら便所掃除でもしてた方が良い。」

「うっ。」

「彩峰も考えてみろ、例えば相手はBETAじゃないが2対2で戦術機同士が戦っているとする。
 榊の機体が敵機の長刀の餌食になりそうになる。 即 射撃でカットが必要。 当たれば落とせる。
 それなのに、お前は榊が気に入らない。 撃たない、若しくは判断が遅れる。 榊が死ぬ。
 彩峰も死ぬ。 違う場所で同じように2対2で戦い、相手を押していた御剣と珠瀬が居る。
 お前等2人を撃墜した2機の奇襲で死ぬ。 全滅。 嫌だろ? 死んでも死に切れないだろ?」

「……うん。」


彩峰に言った事は俺が好きなゲームでも同じだ。 15分で500円も掛かる高給取り。

それなのに、腕の問題じゃない。 気に入らないからカットしない。 それで負ける。

訓練兵で例える下仕官ならともかく、実戦に例える将官でもそれだったらどうする? マジで無い。

正直、命を掛ける"この世界"では更に無い。 そんな榊と彩峰には絶対 背中を預けられない。

こんな事がアンリミだと、白銀と3人で同棲する迄しないと直らないなんて本当にバカげてる。


「BETAは、とにかく物量が多い。 だから連携は非常に重要になる。
 だから戦場に立っても あえて向かってくるBETAを放置して、味方に任せる時が有る。
 その時 やるべき事をしなかったらどうなるのかを、肝に銘じておいてくれ。」

『――――はいっ!』


この時の俺の表情と気持ちはかなりガチだった。 だが直後に肩の力を抜く。


「けど……それさえ克服したのなら、"君達"は最高の衛士になると思う。
 期待しているから頑張ってくれ。 総戦技評価演習も近いしね。」

「わ、わかりました!」


はぁ……自分でも どの口で言ってるのかって思う。 覚悟なんて相変わらず胎児以下なのに。

けど彼女達は桜花作戦には絶対に必要不可欠な存在だ。 仲間割れとかマジ洒落になってねぇ。

だから俺は少佐を気取って助言っぽい事を言うと、榊が何かヤケに興奮している。

確かに少佐様が直々に"期待している"とか言ってくれたら俺でもテンパると思うけどね。

真面目な榊なら尚更で、こんな精神 会社員の戯言を真に受けてくれるのなら嬉しい限りだ。


「……神宮寺軍曹も感謝されたようです、自分の目も覚まさせてくれたと言われていました。」

「へぇあ、なんで?」

「(へぇあ?)……は。 暫し実戦から離れていたらしく、
 我々に一番 足りないものが、仲間を想う気持ちと言う事を見落としていた……と。」

「ほほ~。」


確かにアンリミの仲間割れ云々も、まりもちゃんが もうちょい頑張れば多少は違ってたような……


「……珠瀬も変わった。」

「にゃっ!?」

「珠瀬も? 何が?」

「――――は。 白銀少佐に初対面で欠点を見抜かれ、それを痛感したようです。
 今まで以上に精進し、軍曹も珠瀬を評価しておりました。」

「へぇ……(見抜いた覚えなんかないんだけどな……)」

「あう、はうあうぁぅ~~……」


珠瀬に顔を向けると、顔を真っ赤にして両手で顔を隠している。

そういや何も喋ってないから妙だったんだけど、ずっと挙動不審だった気が。

にしても、欠点ってなんじゃらホイ。 ……あぁ、ランニングが苦手って設定が隠れてたのかな?


「とにかく、皆のプラスになってたんなら良かった。
 多分 当日は俺も立ち会うことになると思う。 宜しく頼むよ。」

「し、少佐もですか!?」

「え……何か問題でも有んの?」

「榊、緊張する?」

「あッ、彩峰ぇ!」

「惚れた?」

「なっ!? いい加減にしなさいッ、失礼な事 言うんじゃ無いわよ!!」

「惚れたね。」

「うるさいっ!!」

「…………」

「いい加減にせぬか、二人とも。 少佐が呆れておられる。」

「はぅ~。 榊さん、落ち着いてくださ~い。」

「はっ!? も、申し訳ありません白銀少佐っ!!」

「HAHAHA、お馬さん。 良い子だ良い子だ。」

「……乗せない方が好み?」


いや、気持ち良ければ何でも良いですよ?


「ぐッ、ぎ、ぐっ……!」

「彩峰くん、そろそろ自重だ。 榊にテーブルを引っくり返されてしまう。」

「ごめん。」

「結構。 ……だが彩峰、今の場合は"サーセン"だ。 はい、榊にも言ってみ?」

「サーセン。」

「(な、なんか余計に腹立つ気が……)」

「よろしい。」

「……いいね、これ。」

「だろ? 特別に君にやろう。」


ふむ……良いぞ、これこそが俺の求める空気だ!

この面子の中では彩峰と一番結婚したい。 巨乳 云々とかを除いて。

さておき、これが207B分隊との初めての接触となったワケだが、
説教以外は彩峰の存在で気難しい空気にならず、それからも色々と話し込むと先に席を立った。

彼女達の件で最も不安だったのはチームワークだったが、まりもちゃん ナイスです。

介入が少し遅れた気がしたけど、問題ないっぽいな。 後は会って無い鎧衣くらいか。


「――――敬礼ッ!!」


……勿論、最後は敬礼で閉められた。 皆が振り返ってるから程々にしてくんろ。


「白銀少佐……か。」

「良い人でしたね~。」

「珠瀬、惚れた?」

「えっ!? そ、そそそそんな事は――――」

「随分と砕けた感じが有るけど、私も良い人だと思うわ。」

「うむ。 だが、あの階級にしては随分と若そうな気がしたが……」

「そだね。」

「……とにかく、期待して頂いているからには、次は必ず合格するわよ?」

「当然だ。 しかしだな、やはり若い気がするのだが――――」

「御剣までもが惚れた?」

「!? な、何を馬鹿なッ!」

「サーセン。」


――――夜のオカズは、彩峰でつい犯っちゃったんだ☆ (ヒャハハハハハ)




●戯言●
今回笑いどころは殆ど無かったと思います。これはひどく……ない?
半年前から溜めていた下書きを大幅修正して投稿させて頂いています。
そろそろネタが切れそうですが、テスト板では皆様有難う御座います。


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