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No.3960の一覧
[0] これはひどいオルタネイティヴ(ぶち壊し注意)[Shinji](2008/08/24 12:52)
[1] これはひどいオルタネイティヴ2[Shinji](2008/08/25 11:13)
[2] これはひどいオルタネイティヴ3[Shinji](2008/08/25 11:11)
[3] これはひどいオルタネイティヴ4[Shinji](2008/08/26 04:35)
[4] これはひどいオルタネイティヴ5[Shinji](2008/08/26 23:24)
[5] これはひどいオルタネイティヴ6[Shinji](2008/08/27 20:54)
[6] これはひどいオルタネイティヴ7[Shinji](2008/08/28 16:19)
[7] これはひどいオルタネイティヴ8[Shinji](2008/08/29 20:22)
[8] これはひどいオルタネイティヴ9[Shinji](2008/08/30 23:24)
[9] これはひどいオルタネイティヴ10[Shinji](2008/08/31 22:48)
[10] これはひどいオルタネイティヴ11[Shinji](2008/09/01 21:59)
[11] これはひどいオルタネイティヴ12[Shinji](2008/09/03 08:21)
[12] これはひどいオルタネイティヴ13[Shinji](2008/09/05 10:13)
[13] これはひどいオルタネイティヴ14(+用語ver1)[Shinji](2008/09/07 08:57)
[14] これはひどいオルタネイティヴ15(+伊隅戦乙女隊ver1)[Shinji](2022/04/20 02:22)
[15] これはひどいオルタネイティヴ16[Shinji](2008/09/11 14:52)
[16] これはひどいオルタネイティヴ17[Shinji](2008/09/13 17:38)
[17] これはひどいオルタネイティヴ18(+伊隅戦乙女隊ver2)[Shinji](2008/09/16 23:33)
[18] これはひどいオルタネイティヴ19[Shinji](2008/09/19 22:36)
[19] これはひどいオルタネイティヴ20[Shinji](2008/09/23 02:45)
[20] これはひどいオルタネイティヴ21(+用語ver2)[Shinji](2008/09/26 21:20)
[21] これはひどいオルタネイティヴ22(+第207衛士訓練部隊)[Shinji](2008/10/02 22:28)
[22] これはひどいオルタネイティヴ23[Shinji](2008/10/09 19:42)
[23] これはひどいオルタネイティヴ24[Shinji](2008/10/23 01:55)
[24] これはひどいオルタネイティヴ25[Shinji](2008/10/31 02:49)
[25] これはひどいオルタネイティヴ26[Shinji](2008/11/22 04:34)
[26] これはひどいオルタネイティヴ27[Shinji](2008/11/25 18:05)
[27] これはひどいオルタネイティヴ28[Shinji](2008/12/14 03:54)
[28] これはひどいオルタネイティヴ29[Shinji](2009/01/11 03:35)
[29] これはひどいオルタネイティヴ30(前編)[Shinji](2009/01/17 04:11)
[30] これはひどいオルタネイティヴ30(中編)[Shinji](2009/01/21 01:11)
[31] これはひどいオルタネイティヴ30(後編)[Shinji](2009/01/28 12:16)
[32] これはひどいオルタネイティヴ31 2009/02/08 00:31[Shinji](2009/05/17 17:57)
[33] これはひどいオルタネイティヴ32[Shinji](2009/02/19 03:33)
[34] これはひどいオルタネイティヴ33[Shinji](2009/04/10 04:03)
[35] これはひどいオルタネイティヴ34[Shinji](2009/03/26 08:07)
[36] これはひどいオルタネイティヴ35[Shinji](2009/03/30 03:38)
[37] これはひどいオルタネイティヴ36(前編)[Shinji](2009/04/08 22:44)
[38] これはひどいオルタネイティヴ36(後編) 2009/04/14 04:28[Shinji](2009/05/17 17:53)
[39] これはひどいオルタネイティヴ37 2009/04/24 06:26[Shinji](2009/05/25 00:10)
[40] これはひどいオルタネイティヴ38[Shinji](2009/05/10 00:10)
[41] これはひどいオルタネイティヴ39(前編)[Shinji](2009/05/12 20:01)
[42] これはひどいオルタネイティヴ39(中編)[Shinji](2009/05/14 23:55)
[43] これはひどいオルタネイティヴ39(後編)①[Shinji](2009/05/17 05:05)
[44] これはひどいオルタネイティヴ39(後編)②[Shinji](2009/05/25 02:35)
[45] これはひどいオルタネイティヴ40①[Shinji](2009/06/01 01:54)
[46] これはひどいオルタネイティヴ40②[Shinji](2009/06/05 02:47)
[47] これはひどいオルタネイティヴ40③[Shinji](2009/06/11 02:49)
[48] これはひどいオルタネイティヴ40④[Shinji](2009/06/14 06:03)
[49] これはひどいオルタネイティヴ40⑤[Shinji](2009/07/02 03:10)
[50] これはひどいオルタネイティヴ41(前編)[Shinji](2009/07/13 01:30)
[51] これはひどいオルタネイティヴ41(中編)[Shinji](2009/07/28 19:03)
[52] これはひどいオルタネイティヴ41(後編)[Shinji](2009/08/16 04:00)
[53] これはひどいオルタネイティヴ42[Shinji](2009/08/27 00:58)
[54] これはひどいオルタネイティヴ43(前編)[Shinji](2009/09/10 23:51)
[55] これはひどいオルタネイティヴ43(中編)[Shinji](2009/09/20 09:43)
[56] これはひどいオルタネイティヴ43(後編)①[Shinji](2009/10/07 07:49)
[57] これはひどいオルタネイティヴ43(後編)②[Shinji](2009/10/10 22:26)
[58] これはひどいオルタネイティヴ44(前編)[Shinji](2009/11/11 20:38)
[59] これはひどいオルタネイティヴ44(後編)[Shinji](2009/11/17 03:24)
[60] これはひどいオルタネイティヴ45[Shinji](2009/12/04 11:35)
[61] これはひどいオルタネイティヴ46(前編)[Shinji](2009/12/07 06:52)
[62] これはひどいオルタネイティヴ46(後編)[Shinji](2009/12/20 00:54)
[63] これはひどいオルタネイティヴ47(前編)[Shinji](2010/01/26 07:13)
[64] これはひどいオルタネイティヴ47(後編)[Shinji](2010/01/29 14:19)
[65] これはひどいオルタネイティヴ48(前編) 2010/02/20 03:44[Shinji](2010/02/23 04:16)
[66] これはひどいオルタネイティヴ48(後編)[Shinji](2010/03/04 12:24)
[67] これはひどいオルタネイティヴ48.5[Shinji](2010/03/06 20:21)
[68] キャラクター注目度ランキング(~2010年03月09日)[Shinji](2010/03/09 18:23)
[69] これはひどいオルタネイティヴ49 2010/03/14 07:03[Shinji](2010/03/15 12:47)
[70] これはひどいオルタネイティヴ50 2010/04/08 07:58[Shinji](2010/04/10 03:15)
[71] これはひどいオルタネイティヴ51(前編)[Shinji](2010/04/18 14:51)
[72] これはひどいオルタネイティヴ51(中編)[Shinji](2010/05/25 05:31)
[73] これはひどいオルタネイティヴ51(後編)[Shinji](2010/06/26 00:51)
[74] これはひどいオルタネイティヴ52[Shinji](2010/07/27 04:27)
[75] これはひどいオルタネイティヴ53[Shinji](2010/10/06 05:34)
[76] これはひどいオルタネイティヴ54[Shinji](2011/03/29 08:19)
[77] これはひどいオルタネイティヴ55[Shinji](2011/04/02 07:48)
[78] これはひどいオルタネイティヴ56[Shinji](2011/05/16 11:26)
[79] これはひどいオルタネイティヴ57[Shinji](2012/08/02 01:56)
[80] これはひどいオルタネイティヴ58[Shinji](2012/09/01 14:35)
[81] これはひどいオルタネイティヴ59 2012/10/29 15:03[Shinji](2012/11/03 14:33)
[82] これはひどいオルタネイティヴ60 2012/11/02 17:30[Shinji](2012/11/03 14:34)
[83] これはひどいオルタネイティヴ61[Shinji](2012/11/07 21:35)
[84] これはひどいオルタネイティヴ62[Shinji](2013/02/17 10:44)
[85] これはひどいオルタネイティヴ番外編[Shinji](2009/04/14 02:45)
[86] これはひどいオルタネイティヴ番外編②[Shinji](2009/10/15 18:11)
[87] これはひどいオルタネイティヴ番外編③[Shinji](2010/11/04 17:45)
[88] これはひどいオルタネイティヴ(登場人物+用語)[Shinji](2010/10/10 03:07)
[89] これはひどいオルタネイティヴⅡ(原案)[Shinji](2022/03/24 21:32)
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[3960] これはひどいオルタネイティヴ40④
Name: Shinji◆9fccc648 ID:37b9b89a 前を表示する / 次を表示する
Date: 2009/06/14 06:03
これはひどいオルタネイティヴ40④




――――補給が開始された直後、俺は殿下を交えて篁と通信を行っていた。


「被撃墜比が00対36だとぉ~!?」

『は、はい』

「なんとまあ……」

「流石はA-01だな、1機も殺られてないなんて」

『これはXM3による技量は勿論の事……特に不知火S型の性能がモノを言っていた様です』

「ほ~っ」

『特に"サブ射撃"の効果は抜群で、2個中隊が殆ど何も出来ずに全滅したとか』

「まぁ、そうなるだろうな」


――――まりもちゃんが30秒、速瀬が15秒で殺られちまった位だしね。


『現在は……やはり此方側に後退していますね』

「帝国軍の動きは?」

『防衛戦を突破されはしたモノの、残存兵力で合流しつつクーデター軍を追撃しています』

「そうなると、巧くいきゃ~奴等を米軍と挟めるってワケか」

『はい。より逃走が安易となるでしょう』

「成る程ね」

『それでは私はウォーケン少佐との打ち合わせが有りますので』

「分かった、有難う」

『……(その御言葉ダケで十分です、白銀少佐)』


≪――――プツンッ≫


「……だそうですよ? 殿下」

「ふむ」

「殿下?」

「Aー01……鎧衣からは香月副司令の私兵と聞きます」

「御存知でしたか」

「はい。それにしても、この戦果……素晴らしい部隊の様ですね」

「はははっ、私を堕とす程の衛士も居ますからね」

「また そなた達と言い、もし皆が居なかったと思うと些(いささ)か無茶な脱出でした」

「まぁ~運も実力のウチって言いますからね、殿下の選択が最良の未来を導いたんです」

「そなたが"この強化装備"を用意していた事もですか?」

「も……勿論ですよ。正直に申しますと私は可能性が極力低いと思いながらも、
 御剣訓練兵の存在を考えて殿下の強化装備を用意させて頂いたのです」(大嘘)

「な、なんと」

「我々が塔ヶ島に配置された事から、香月副司令は"真相"を知っていたかもしれませんが、
 彼女は私 如きでは考えている事が解りかねる人なので、断定は出来ませんけどね……」

「ならば そなたは……」

「はい。どちらにしろ、それを知る権利は私には無かったでしょう」

「……ッ……」

「どうされました?」

「(この瞳……嘘を述べている様には思えません。ならばコレは確かに最良の未来と言う事に……)」


≪あっ……いや、殿下も想像してた方とは大分 違うなァ~と≫

≪それでは、お互い様のようですね≫


「殿下? 殿下ッ」

「……(つまり、そなたとの出会いは運命……そして冥夜との再開も……)」

「脈の頻度が!? ま、まさか御体が――――」

「!? いえ白銀、少し考え事をしていたダケです」

「そうでしたか」

「し、しかし……少し熱くなって来ましたね」

「確かに(俺の下半身は以前からバーニングしっぱなしなんですが?)」

「では……少し風に当たりましょう」


――――俺が その言葉にアッサリ頷き、ホイホイ付いて行ったのは言うまでもないんだ☆




……




…………




「うおっ? 少し風が強い様ですね」

「反面 雪は減りました」

「寒くないですか? 殿下」

「強化装備の恩恵でしょう、どうと言う事は有りません」

「でも顔は冷えますよね」

「そ、それは好都合です」

「????(……好都合?)」


……実際に伊豆スカイラインCCは存在していた様で、補給は駐車場 跡で行っている。

しかしBETAが通り過ぎた相応の被害が出ており、施設はもはや使い物にならなそうだ。

そんなCCの外れの丘に俺と殿下は来ていたが……彼女の為とは言え早く抜きたいんスけど?

されど今は殿下の傍を離れるワケにはいかないので、結局は我慢するしかないかもしれない。

月詠さんあたりに今ダケ護衛を頼むのも良かったかも知れないけど、もう遅いんだZE……


「それより白銀」

「何でしょう?」

「冥夜の事なのですが……」

「……ッ……」

「何故 武御雷に乗ってくれていないのでしょう?」

「殿下は どう御考えです?」

「それは……あの者は今迄わたくしからの贈物を、快く受け取った事は一度も無かったので……」

「必然なモノだと?」

「はい」

「――――それは違いますよ」

「!?」

「何せ任官すらしていない訓練兵ですからね、使いこなす事さえ無理な話ですよ」

「ですが先程の操縦を見る限りでは……」

「ふ~む、恐らく殿下は"世間知らず"の様ですね」

「世間……知らず?」

「例え技量が有ったとしても、乗れるワケが無いでしょう? 常識的に考えて下さい。
 訓練兵と言う立場的に普通に無理。シミュレーター的にもデータが不足していて無理。
 そして維持費も嵩む上に国連軍の衛士ともなれば、どう考えても"乗れない"でしょう?」
 
「は、はあ」

「良いですか? 紫の武御雷と言えば将軍機です。そもそもソレを国連軍に届けるのが――――」

「……(考えてみれば……叱りを受けるのは何年振りでしょう?)」


此処で説教タイム開始。殿下 相手に何やってるんだ俺……でも彼女の考えはスルーできない。

冥夜にイキナリ武御雷(紫)を押し付けて、ソレに乗っていないのを不思議がるってどうよ?

日本の全てを担う"政威大将軍"としては有り得ない世間知らずっぷり。だから正直に言った。

……対して殿下は少し表情を強張らせてしまったけど、黙って俺の説教を聴いて下さっている。

んでもって武御雷(紫)を贈るのを許可した部下に"お前はアホか"と言ってやりたいが無理な話。


「――――と言う訳で、殿下の行いは逆に御剣を遠ざけてしまっていたんです」

「そ、そんな……なんとした事でしょう」

「しかし無礼な事ばかりを述べてしまって……申し訳有りません!!」

「よい。わたくしも愚かでした」

「……(フラグ折れてないよなァ?)」

「ところで"その時"の冥夜は何と申していたのです?」

「ハッキリと"乗る気は無い"と言っていました」


≪私め等にでは無く、白銀少佐の様な より優れた衛士に御与え下さい!!≫


――――こんな事も言ってたけど、殿下が本気でヘコみそうなので黙って置こう。


「そうですか……やはり、わたくしの事を快く思っていない様ですね」

「どうして、そう思われるんです?」

「白銀は冥夜から わたくし達の事を聞いていますか?」

「いえ」

「ならば……話して置きましょう」

「何故 私などに?」

「そ、そなたには聞いて貰いたいのです」

「…………」


確か冥夜は殿下の事を微塵にも嫌っていないと思うけど、意外とネガティブだな~彼女は。

だから違う事を分からせてあげたかったケド、どうやら冥夜との関係を話してくれる様子。

……でも何だか大便がしたくなったので断りたかったが、上目遣いの殿下に負けてしまった。

可愛い過ぎだろ常識的に考えて……だから、場所は違えど原作 通り耳を傾けるしかなかった。

まだ大丈夫だ、ケツを〆れば少しは我慢できる。股間も相変わらず熱を持っているけど、
腕を組んで俯きながら話を聞いていれば治まる方向に持って行けそうだ……密着してないしね。

そんな殿下の話の内容は……今北産業で説明してやろう。(正直あんまり聞く事に集中出来なかった)


①殿下と冥夜は双子。うち冥夜は忌児(笑)とされ御剣家に養子に出された為 話した事すらない。

②冥夜は幼い頃から殿下の影武者みたいな存在として教育され、政治の道具としても扱われた。

③今 冥夜が国連軍・横浜基地に居るのは、日本が人質として献上した為であるとも言えるらしい。


――――大体こんなトコロかな? この辺は全然 覚えていなかったので、勉強したZE。


「……と言う事なのです」

「成る程~」

「故に冥夜は わたくしに失望しているダケでなく……恨みすら感じているかもしれません」

「へっ?」

「ですから姉としての資格すら、今のわたくしには無いのです」

「いえいえ、それは無いですよ」

「えっ?」

「そう言えば、普段の彼女の様子を話していませんでしたね」

「は、はい」

「けれども、まだ出合って2ヶ月にも満たないので些細な内容ですが――――」

「……ッ……」

「真面目で努力家な上に冷静沈着。戦術機の操縦も長刀に関しては天性の実力を持っています」

「まあ」

「そして世界の平和を真剣に願っています。反面……色々と経験が薄い為に甘さが否めず、
 上官に食って掛かった結果 殴り飛ばされ、枕を涙で濡らした事もありましたが――――」

「!?」

「殿下の事を大切に思って居る事は確かだと思います」

「そ、そうなのでしょうか?」

「はい。出会った時から……いえ、彼女は今でも誇りを持って生きていますからね。
 つまり自分の人生に一切 不満を持っていない。よって殿下を恨んでいるハズが有りません」

「…………」

「だから元気を出してください。私はこう見えても"仲間"を見る目は有ると思いますから」

「仲間……ですか」

「部下と言う名の仲間ですかねェ」

「ならば、冥夜が少し羨ましいですね」

「!?」

「白銀」←上目遣い

「な、何でしょう?」

「つまらぬ話を聞いてくれた そなたに、心より感謝します」

「れ……礼なんて要りませんよ」

「されど何と言うか……喉に詰まっていたモノが取れた様な気がしてなりません」

「ホントですか? なら柄にも無い事を言った甲斐が有りましたよ~」←本音

「ふふふっ、そなたは本当に面白い人ですね」

「有難う御座います」


≪ビュウウウウゥゥゥゥ~~ーーッ≫


「きゃっ」

「風が強くなってきましたねェ」

「その様です」

「……っ!?」←大便フラグ☆

「どうしました? 白銀」

「申し訳有りません殿下、少し席を外します」

「そうですか……」

「直ぐに戻りますので、戦術機の中で御待ち下さい!!」

「わ、分かりました」

「それではッ!」


≪――――ダダダダダダッ!!!!≫


殿下に姉妹 云々の話を聞いてる中で思い出したが、俺は"ある物"を託して貰わねばならない。

ソレはヘンテコな人形だった気がする。会話をせずとも一緒に過ごした証ってヤツだったかな?

今は強化装備 姿なので持っていない様だけど、普段は肌身離さず所持している線が強い。

……何せ会う可能性が無い筈だった冥夜に"託したいモノ"を、イキナリ出したんだからねェ。

だから"後で渡したい物が有ります"と言って貰えればOKだったんだけど、悲劇が俺を襲う。

突然の風によって、我慢していた便意が急激に膨れ上がったのだ! ……これは洒落にならんッ。

よって天秤をトイレにカツンと傾けてしまうと、俺は全速力で その場を走り去るしかなかった。


「(突然 何かを思い出した様な……きっと"仲間"達の様子を見に行くのでしょう)」

「殿下」

「!? そ、そなたは月詠?」

「はっ、真那で御座います」←跪きながら

「……聞いていたのですか?」

「いえ……たった今 伺った所ですが、白銀少佐に勘付かれてしまった様です」←不正解

「成る程。やはり流石と言った所ですね(……わたくしは気付きませんでしたし……)」

「しかし軽率でした。御話の妨げとなってしまい、誠に申し訳有りません」

「よい。白銀は わたくしばかりに構っている身分では無いでしょう」

「し、しかし」

「では こう考えなさい。白銀は そなたにわたくしの護衛を任せてくれたと」

「!? ……そう言う事ならば」

「ならば月詠、戦術機に戻るので共に」

「御意(……何時の間にか其処まで殿下に買われるとは……それに、私への配慮も……)」


≪いくら必要だったからって俺が今迄 裏で動いていたのは確かですから、
 疑うのも仕方無いですよ。 全ては御剣の事を想っての事なんスよね?≫(20話 参照)


「……(白銀少佐……)」


≪信じないから疑い、疑うから他人を悪いと思い始めた。 人間を間違わせていたんですよ≫(23話 参照)


「……(冥夜様が惹かれる者)」


≪むしろ頑張って貰える方が、国連軍である横浜基地の衛士達には刺激になります≫

≪それでは少佐の立場が……≫

≪そう思う連中には言わせて置きゃ良いんです、むしろ俺が黙らせてやりますよ≫(26話 参照)


「……(クッ、何故こんな事ばかり? 今日の私は どうかしているッ)」

「月詠。行き先が逆ですよ?」

「えっ!? こ、これは失礼を――――」

「(ふむ……冥夜と月詠は、どうやら彼を慕っている様ですね)」




……




…………




「う~……トイレトイレ~ッ」


今トイレを目指して全力疾走している僕は、ごく一般的な国連軍衛士。……ってこのネタ久しぶりだな。

されど余裕が無いので割合するのはさて置き。途中で見覚えのあるキャラと出くわしてしまった。

……ウホッ! 良いオッパイ……彼女はクーデター関連のイベントで最も空気の読めないキャラ。

確かイルマ・テスレフ少尉だったかな? 都合が悪く正面から歩いて来たので、足を止めざるを得ない。


「あら? 貴方は……」

「見覚えないですかね~?」

「……あぁ! 突撃機動部隊の指揮官だったかしら?」

「建前はそうなりますね。白銀 武 少佐です、どうぞ宜しく~」

「えぇ、こっちこそ宜しく~……じゃなかった、此方こそ宜しく御願いしますッ!
 ……でも、何時もそんな口調なんですか? 少佐。……私の階級は少尉ですよ?」

「はははっ、生憎コレは性分なんですよイルマ少尉――――ッ」

「!?」

「じゃなかった、ハンター2でしたっけ?」

「……ッ……そ、そうです……名前はイルマ。イルマ・テスレフ……」

「重要な名前なので、2回言いました」

「????」

「……(しまった、先に言っちゃったZE☆)」

「……(ど、どう言う事? 初対面なのに……)」


折角のエンカウントなのに、俺は便意を我慢していた所為でイキナリ墓穴を掘ってしまった。

対してイルマ少尉は驚いた様子。無理もないよな……初めて見る相手が自分の名を知っていたんだから。

そうなると、直ぐ様"偶然 知っていた"と言い訳したいトコロだが、彼女は見るからに警戒していた。

何だか誤魔化せそうな雰囲気じゃない。俺がウォーケン少佐の名を知っていたのならともかく、
彼女は恐らく米国の工作員だ……唐突に名を当てられて不審に思わない筈が無いんだ。

だとすれば"流す"しかないよね~? コレで横槍を諦めてくれりゃあ、儲けモノだと思うしな。

でも考えてみれば無事 逃げ切れば説得イベントすら無いし、此処は やはりポジティブにいくか!


「ところでイルマ少尉」

「は、はい?」

「トイレは何処ですか?」←実は適当に走ってた

「えっと……あちらに有る大型トレーラーの中に……」

「そうか、有難う」

「いえ(……まさか、偶然よねッ? それよりも厄介だわ、こうも優れた部隊だとは思わなかった)」

「じゃあ今回の任務、必ず成功させましょう」

「はっ! 勿論です」

「では失礼~っ」

「……(それに白銀少佐か……所詮は噂だと思ったけど、有能なのは間違いないみたいね)」


――――ちなみに先程のミスのより便意が和らいだので、無事トイレには間に合いました。




……




…………




……補給終了から十数分後。俺達は順調に逃げ続けており……次のICを通過したところだった。

戦況も優勢で米軍は決起軍に対し被撃墜比1:8を維持している。確か原作は1:7だった筈だ
俺たちの進行の速さも有って相手は焦っているらしく、米軍の力を存分に発揮する事が出来ている様子。

ちなみにA-01は何と00:48と言う戦果なんだが、消耗が激しいので既に南に引きつつある。

それは米軍も同じであり、俺たちの進行に合わせて徐々に後退している。何せ決起軍の物量は圧倒的だ。

誰がリークしたのか知らんが、他の陽動を無視して殆どの敵 戦術機が伊豆に集結してるらしい。

だから今は撃墜比で圧倒的に上回っていようと、モタモタしていると物量に飲み込まれてしまう。

反面 決起軍も味方部隊に挟まれたら終了なんだが、若干 展開が遅い為その僅かな時間が重く圧し掛かる。

さて置き俺もトイレの"ついで"に抜けたので、本調子に戻っている。……オカズは当然 殿下の尻さ☆


『冷川ICを追加。これで安心と言ったところか』

「そうですね~、ウォーケン少佐」

『しかし……妙ではないですか?』

「何故です? 軍曹」

『あまりにも決起軍の動きが良かった気がします。まるで此方側の動きが分かっていた様な……』

『そ、それでは我々の中に"裏切り者"が居ると?』

『何を言い出す? 軽率な言葉は慎めアルカディア02ッ』

『す……すみません』


――――余談だが護衛の戦術機はウォーケン少佐を含めて12機の中隊。全てラプターなので心強い。


『しかし……今となっては関係無い事だがな』

「関係無い?」

『情報によれば……奴等は殿下が脱出された事は知っていたが、逃れた場所までは分かっていなかった。
 しかし、殿下が此処に居(お)られ……白銀少佐の戦術機に同乗されている事を特定しているかの様に、
 決起軍の増援は伊豆半島に集まり、素早く部隊を展開させた。だが……既に我々には結果が有るのだ』

「結果……とは?」

『幾ら情報を得ようと目的を達成させねば意味が有りません。成功と言う"結果"が全てなのです。
 富士教導隊の増援は厄介でしたが、我々は冷川ICを抜けました。任務は成功と言って良いでしょう』

「成る程」

「(殿下が相手なら極端に口調 変えるんだよな~、この人)」

『白銀少佐、殿下の様態はどうだ?』

「若干"心拍数"が上がっていますが、問題無い……ですよね?」

「!? は、はい。気にせずとも良いです」(どきどき)

『ハンター01了解。だが各機 若干速度を落とせ、速度はアルカディア02にリンクする』

『了解!!』×23

『……(お、叔父様……私は何時の間にか大役を……)』


――――そんな篁の脳裏に"頑張れ!"と微笑む巌谷さんの笑顔が過(よ)ぎったとか過ぎらなかったとか。


「白銀、感謝します。これで無事に済みそうですね」

「…………」

「わたくしが逃れれば決起軍も降伏し、無益な戦いも治まりましょう」

「…………」

「ですが其の前に、そなたには頼みが……ッ……白銀?」

「……来ます」

「えっ?」

『!? アルカディア02より各機へッ! 北方より帝国軍・671航空輸送隊の接近を確認!!』

『671……!?』

「知ってるのか雷電ッ……じゃなかった。軍曹?」

『は、はい。恐らく厚木基地の――――』

『まさか……空挺作戦か? 馬鹿なッ、有り得んぞ!?』

『国連軍・及び米軍の指揮官に告ぐ。我に攻撃の意図非ず……繰り返す、我に攻撃の意図非ず。
 直ちに停止されたし……貴官らの行為は、我が日本国主権の重大なる侵害である。繰り返す――――』

「な、なんと……」

「光線級の脅威すら無視して来ましたか。相当 切羽詰ってたみたいですね」


しかしながら、そう簡単には逃がしてくれない。地上で逃れ様と空からの増援が迫って来ていた。

それも戦術機が2機搭載できる輸送機が20以上……恐らくアレらに沙霧も乗っているんだろう。

……ってか、今のって沙霧の声だよな~。お前らは"親愛なる国民の皆様"の家族を何人殺したんだよ。

この作戦と言い今回のイベントは突っ込み所が多すぎて困る。それよりも、この状況を待っていたッ。

篁達が慌てながら俺に頼り気な視線を向けて来るし、此処は上官として期待に応えてやるとしよう。


『し、白銀少佐~ッ!』←唯依

『クッ……不味いぞ? このまま南下しても挟まれる。むしろ友軍との合流さえ難しくなるな』

「……ッ……」

「白銀……」

『だが此方は2個中隊。無理にでも突破するしか――――』

「アルカディア01より各機へッ!」

『!?』×23

「全機・最大戦速!! 速度はハンター01に同調だッ!」

『やはり突破すると言うのか? 白銀少佐』

「其の通り。少し方法は違いますけどね!」

『……どう言う事だ?』

「俺がこの"支援狙撃砲"で後退しつつ輸送機を堕とします」

『な、なんだとッ!?』

『そんな事が出来るんですか?』←イルマ

『けど"支援狙撃砲"……その射程ならば近付かれる前に……』

『撃墜が可能と言うワケですか? 篁中尉』←月詠

『は、はい……きっと白銀少佐の腕を持ってすれば……』

『良いのか白銀少佐? 殿下の様態に危険が生じる可能性が有るぞ』

「信用なりませんかね?」

『いや、貴官の噂は先程 部下達から聞いている。しかしだな……』

「よい。わたくしは白銀を信用しましょう」

『殿下ッ!?』


――――ぶっちゃけ反対されても無理矢理しようと思ったけど、殿下が賛成してくれて驚いたZE。


『わ、私も白銀少佐であれば何とかしてくれると思います!』

『私もです、ウォーケン少佐ッ』

『……私も賛成』

『そ、そうです~っ! 白銀少佐の狙撃は"世界一"ですから!!』

『ボクもライフルを持ってたなら、降下前に堕とす方が良いと思いますよ~?』

『お、お前達……発言は控えろとアレ程だな……』

「(まりもちゃんも苦労してるね~)」

『ふむ……(それ程 彼は信用されていると言う事か)』

『どうします? 少佐』

『……先ずは南への突破を最優先事項とする。ハンター01を中心に各機左右に展開しろ』

『了解!!』×11

『その一環として白銀少佐のプランを採用する。出来る限りのAN-225(輸送機)を堕とすんだ』

「アルカディア01了解。では後ろ向きで前進しつつ輸送機を狙うッ!」

『う、後ろ向き……』←唖然とするイルマ

『白銀少佐』

「何ですか? 月詠中尉」

『狙撃時も変わらず我々4機を随伴させて下さい』

「勿論そのつもりさ。インペリアル・クロスで殿下を支えてくれ」

『はっ!』×4

「篁と軍曹は榊達を頼む」

『はい!』×2

『それでは作戦開始!! 正念場だ、切り抜けるぞッ!』

『――――了解!!』×23


≪ズゴオオオオォォォォーーーーッ!!!!≫


先頭のウォーケン少佐の合図により、24機の戦術機が唐突にスピードを上げて前進した。

その一番 後方には、後ろ向きでライフルを構える俺のSⅡ型を中心に4機の武御雷が周囲を囲んでいる。

勿論 俺のSⅡ型は後ろ向きながらもしっかりと間隔と速度を合わせており、銃口を輸送機に向けている。

こんな操縦は米軍の衛士からすればアホみたいだろうが、ハイヴの攻略をするに当たっては基本操作だ。

そんな事を考えているうウチに輸送機がどんどん近付いてくる。そろそろ射程内だが降下はしていない。

しっかしデカい的だよなコレ。珠瀬が"世界一"とか言ってくれてたけど……大した技量は要らなそうだ。


「間も無く敵 輸送機を捕らえる。次の跳躍噴射から狙撃を開始」

『ハンター01了解』

「……白銀」

「はい?」

「あれを"堕とす"と言う事は、やはり……」

「……ッ……」

「いえ、失言でした。"こんな時"に述べる事では無かったですね」

「大丈夫ですよ、殿下」

「えっ?」

「俺は人は殺さないッ! その怨念を殺す!!」

『!?』×23


――――でも一応 何かに肖りたかったので、つい聖戦士に成り切っちゃったんだ☆


「(白銀……やはり そなたは、わたくしには輝いて見えます)」

『(もっとキミみたいな衛士に早く会えてれば、私は故郷を違う形で……)』




●戯言●
次回"性戦士タケバイン"に御期待下さい。その40は次回で終わりですがクーデターは折り返し予定。
まだ全然フラグがたってませんから。それにしてもウォーケン少佐が輝いているなあ……良キャラだ。
ちなみに今の殿下のポジション:妖精。普通に再動とか復活とかの精神コマンドを使えそうな感じが。


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