これはひどいオルタネイティヴ40②2001年12月06日 深夜『ヴァルキリー・マムよりヴァルキリーズへ。現在 帝都を離れた決起部隊が此方に進行中』「ふむ……殿下が脱出したという話は間違いない様だな」『え~っと、戦術機の数は10・20・30……って、この範囲で40以上ォ!?』『いささか多い気がするのですが?』「速瀬・宗像、何を弱気になっているッ」『まぁ 全部を相手にするワケじゃないだろうし、そう言う意味じゃ~無いんですけどねェ』『むしろ速瀬中尉なら、望むトコロなんじゃないんですかァ?』『そ~言う事よ葛城。むしろ暇で暇で仕方なかったわよ』『されどクーデター軍の動きが早すぎますし、不自然かと思いましてね』『どうやら何者かによって情報がリークされた為の様ですが……?』『そうです風間少尉。しかし意図的なモノでしょう』「……と言う事は涼宮。殿下 自ら囮役を買って出たと言う事か?」『可能性は高いでしょうね』「ならば、奴等の足止めをするのが我々の目的と言うワケだな」『その通りです。……ッ……間も無く2個中隊と接触します、距離は約5000。匍匐飛行にて接近中』『――――っ』×5「どうした、緊張するのか? 涼宮達は」『!? は、はい……今回の相手は人間ですから……』『あははは、いくら実戦を経験した身と言えど流石に』『だ、だだだだけど手加減なんかしとったら、こっちが殺られちゃうかもしれんし……』「心配するな、私達とて人間と戦うのは初めてだ」『!?』×5「あの白銀少佐も初めてだと言われていた。だから条件は同じだと言う事を忘れるなッ!」『り、了解』「良し、それでは何時もの"アレ"といくか」『おっ? 良いですねェ~。遙も続きなさいよ?』『う、うん』「では……死力を尽くして任務にあたれ!!」『死力を尽くして任務にあたれ!!』×12「生ある限り最善を尽くせ!!」『生ある限り最善を尽くせ!!』×12「決して"戦死"するな!!」『決して"戦死"するな!!』×2≪――――イイイイィィィィン≫『!? 来ましたッ、距離約1000!! かなりの速さですっ!』「戦術機の数は?」『やはり2個中隊です!! うち不知火6機・撃震が18機ッ!』「そうか……全員 聞いたなッ? 我々が守っているんだ、1機たりとも通すなよ!?」『了解!!』×11「では兵器使用自由、ヴァルキリーズ……散開ッ!」≪勝利の栄光を……君に!!≫『(きっと今頃……少佐も頑張ってるんですよねッ? 私達も頑張りますから!)』『(考えてみれば何で遙にダケ言ってたんだろ? 今はソレどころじゃないかァ)』………………――――同時刻。「それでは殿下」「はい?」「早速で申し訳 有りませんが、コレに着替えて頂けますか?」「それは強化装備?」「えぇ、女性用なので"そのまま"の姿よりは断然 楽になると思います」「それは最もでしょうが……」「殿下?」「何故 女性用の強化装備を そなたが?」「う"ッ」「……されど、今は その様な事を気にしている場合では有りませんね」「そ、そう言う事です」「では」殿下と戦術機に乗り込む事となった俺は、篁にブリーフィングの司会を丸投げし護衛に集中している。一方 篁は良い顔をしていなかったけど……流石に両立するのは難しいので納得して貰うしか無かった。よって早速 取って置きの強化装備を殿下に手渡すと、彼女は予想通り妙に思った様で首を傾げた。確かに俺が女性用の強化装備を用意してるのは変ですよね~、未来を予測してないと不可能だしさ。しかし そんな事を言えるハズもなく俺は返答に詰まるが、殿下は簡単にスルーすると後ろを向いた。「!?」≪――――くるっ≫その直後 俺も後ろを向いて立っていると、5秒ほど間を置いてDA☆TU☆Iを始める音がした。こ……これって脱いでるんですか!? 本当は立ち去ろうと思ったのに、肝が据わってらっしゃるッ!流石は殿下ですな。"悠陽(AF)"の時では白銀を人質にされた時、躊躇いも無く脱いでたしね~。だけど、既に着替え始めてたって事は俺は此処に居ていても良いのかな? だったら、このまま待つか。「んしょ……」「……ッ……」≪ごそ、ごそごそっ≫正直に言います。凄く……振り向きたいです……だって背後には日本一 美しい裸体が有るんですよ?けどバレてしまえば信頼をゴッソリ失う。それダケは避けなければならないので自重するしか……だったら立ち去るのが一番なんだろうケド、不思議と僕の足はそのまま動かないんだお(^ω^;)「(今迄の者であれば、本来 直ぐに立ち去る筈ですのに……)」「(見たいお、殿下の裸体を この目で見たいんだお……)」「(何故 白銀は"その場"に? それだけ わたくしの護衛に努めていると言う事なのですか?)」「(だけど"肝心な所"が見えた時点で、殿下に気付かれるのも必至なんだお……)」「(それ以前に そなたにとって其処に居るのが"普通"だとすれば、わたくしは異性として……)」「(だから、心の中で裸を想像するんだおッ!)」「(いえ。そんな事を考える事態 筋違いの上に わたくしらしく有りませんでしたね)」「……ッ……」「(鎧衣の話では非常に頼りになる人間との事。やはり任務に忠実なダケだと考えて良いでしょう)」「(ゆ……悠陽タンの裸体……ハァハァ……)」――――そんなワケで、僅かな効果音を頼りに殿下のお着替えシーンを妄想しちゃったんだ☆「白銀」「!? はいッ?」「待たせました」「お……思ったよりも早かったですね」(妄想の時間的な意味で)「これでも96時間ながら、実機の搭乗経験は有りますから」「納得です。それでは、其方を向いても結構ですか?」「どうぞ」「有難う御座います」≪――――くるっ≫「……ッ……」←ちょっと恥ずかしそう「おぉ」「な、何でしょうか?」「ピッタリみたいで良かったです」「えぇ。僅かに上が緩くて下がキツくは有りますが、此処まで合っているとは驚きです」「ふ~む(メモメモ)」←脳内で――――殿下は冥夜より若干ヒップが有るのね。ウェストは同じらしく、流石は双子と言ったところ。「しかし本当に何故? 偶然にしては出来過ぎていませんか?」「そ、それは……」「…………」≪じ~~っ……≫「……殿下と似たような"体格"の女性が(一応)私の部下に居るからですよ」「!?」「"彼女"が誰かと言うのは、直ぐに分かると思います」「…………」「殿下?」「……そう言えば、そなたの部隊に……赤い武御雷が含まれていましたが……」「はい」「"そう言う事"……なのですね?」「なのDeath」「ふむ。それでは何故 紫の――――」『白銀少佐ッ』「あっ」「どうした? 篁」『殿下の御様子は如何でしょうか?』「丁度 良かった、今 着替え終えたトコロだよ」『そうですか。……では1分後にブリーフィングを開始します』「分かった」『では』≪――――プツンッ≫「……殿下、聞こえてましたか?」「はい」「ですから……あのですね、武御雷の事は」「心得ています、今は時間が無いのでしょう?」「すみません」「よい。わたくしこそ、話を逸らし過ぎました」「それでは殿下、私のHI☆ZAに御乗り下さい」(キリッ)「……ッ……」「ど、どうしました?」「いえ……失礼します」≪――――どんっ≫「ぐっ……」「し、白銀?」考えてみれば彼女の強化装備 姿なんて始めて見たな……冥夜と似たスタイルであれ魅力的だZE。勿論 胸のラインは特にクッキリ見えるので、色さえ抜ければ全裸同様なのはエロスーツの仕様だ。よってか、つい さっき妄想してしまった事による股間の熱が未だに冷めない。自重するべきだったよ。それに殿下の多少 恥ずかしそうな表情が俺の興奮を加速させる。……が、相変わらず顔には出さない。そんな中 勘の良い殿下は……自分のサイズに合うエロスーツから、冥夜の存在まで察してしまった。こりゃ~問い質されちまうかな? そう思っていると篁から良い意味で空気の読まない通信が入った。まぁ、正直なところ……殿下には悪いが今はソレどころじゃないし、彼女もソレを判っている様子。だから武御雷(紫)の件は後回しにする事にして、エロスーツ姿の殿下を自分の膝に乗せるんだが……ムスコの熱が依然として残っていたので、少しダケ呻き声をあげちゃったんだ☆ 無意識のウチに。「いえ、なんでも有りません」「……そうですか」「殿下、ブリーフィング前に この錠剤を」「感謝します(……やはり、疲労しているのですね……それなのに、任務の為に わたくしを……)」「さて、そろそろですかね~?」「(聞いた話では新OS・戦術機のテストを行ったダケでなく、BETAの侵攻に2度とも出撃。 その上 部下達の訓練に付き合う等、この上 無く人類の為に貢献しているとか……)」『アルカディア02より各機へ。それでは、ブリーフィングを開始します』←武が居るので敬語「あぁ、その前に篁」『はい?』「(しかも、その若さで……勝手ながら親近感が湧いてしまいます……しかし……)」「ソレに殿下も参加する事になったから宜しく」『えぇっ!?』「何か問題でも有るのか?」『い、いえッ……了解しました』「(わたくしは政威大将軍の身。邪な気持ちは これ切りにしませんと……)」「殿下……殿下ッ?」「!? ど、どうしたのです? 白銀」「間も無くブリーフィングが始まりますよ?」「そうでしたね……参加させて頂きましょう」≪――――ヴンッ≫『……ッ!?』×11『(姉上……)』「(冥夜……)」「篁、宜しく」『は、はいッ』――――こうしてブリーフィングが開始されたワケだけど、皆 緊張していた。当たり前だけどね。……………………数分後。「ではアルカディア03から06は、俺のSⅡ型を中心にインペリアル・クロスを組む」『了解』×4『(ま、まさか"この陣形"で殿下を御守り出来るなんて……)』『(し……信じられない……)』『(何だが夢の様ですわ~)』「背後はアルカディア03……月詠中尉に任せますよ?」『はッ。この命に代えても』「俺達"5機"の前方は207B分隊が、榊を中心にV字型に展開してくれ」『了解』×5「更に その正面をアルカディア02(唯依)と、20700(まりも)が先行する。 各機の進行は2人に合わせる様にしてくれ。速度は殿下の状況を見て俺が指示を出す」『了解』×2俺達はブリーフィングを終え、間も無く塔ヶ島を出発しようとしているトコロだった。目指すは伊豆半島の南。流石に被害ナシで横浜基地を目指すのはキツいので、海路から逃れるのだ。もしA-01も同行してくれてたら、決起部隊をフルボッコにしつつ帰還できたかもしれないけどね。……でも万が一と言う事も有るのでスタコラサッサに限る。敵の戦術機を壊す事さえ勿体無いのだ。今から どうなるかは予想 出来ないけど……まぁ、トラブルが起きたら その時に考えれば良いだろう。「白銀」「何ですか? 殿下」「面倒を掛けますね……本当に……」「えっ?」「特に そなたの様な衛士にとっては……無駄な戦い以外 何物でも無いでしょう」「いやいや、そんな事 有りませんって。少なくとも俺は光栄に思ってますよ? 勿論 皆も」「しかし……」「それ以前に"今回の件"が無かったら私達と殿下は出会えなかったんですよ?」「!?」「はははっ、ちょっと不謹慎ですけどね☆」≪――――ニコッ≫ ←白銀スマイル「(やはり、何と眩しい……つまり、既に"起こった事"を需要しているのですか?)」「殿下?」「(故に このような状況でも他人を励ませる。自分の事を顧みず わたくしの心配を……)」「どうしました?」「!? い、いえ……何でも」「なら出発しますけど、殿下は深い事は気にせず大船に乗った気で居てくださいね?」「……ッ……ふふふっ、分かりました。そなたの言う通りにしましょう」「その意気です! ……じゃあ、神宮司軍曹。そっちの大体の指揮は任せますよ?」『はいッ』「では横浜基地・突撃機動部隊……発進する!!」『了解ッ!』×5『第207衛士訓練部隊、我々も行くぞ!!』『了解!!』×5≪――――ゴオオォォッ!!!!≫「全速前進DA!!」『はっ!!』×11――――んなワケで とうとう移動開始なんだけど、今度は"成り切った気持ち"で言っちゃったんだ☆「殿下、大丈夫ですか!?」「……ッ……意外と負担は少ない様ですね」「それなら良かったッ!」≪それでは殿下、私のHI☆ZAに御乗り下さい≫≪……ッ……≫≪ど、どうしました?≫≪いえ……失礼します≫「(それにしても……"あの時"僅かに感じた感情は何だったのでしょうか?)」●戯言●課長に白銀のチート的な噂を聞いていた殿下は彼に興味津々。その為無駄に勘繰ってしまうのであった。しかし殿下との台詞回しは鬼門ですね、かなり悩みました。その為、短い内容です……すみませぬorz