これはひどいオルタネイティヴ39(前編)2001年12月05日 早朝「白銀さん、白銀さん」「う~ん」「あの……起きてください」「……ッ……霞~、もうそんな時間かァ? ……ってイリーナ中尉!?」「す、すみません。御休みの所を」「いやいや、それは良いんスけど……まだラッパの時間には早くないですか?」「そうなのですが、香月博士に起こす様に言われまして」「ゆーこさんに?」「はい。それに少佐ダケでなく、全戦闘員に即応体制で自室待機と言う指示が出ている所です。 間も無く警報が有ると思いますが、既に伊隅大尉や神宮司軍曹は部隊の者を起こしているでしょう」「……って事は……(クーデターか)……思ったよりも早かったんだなァ」「えっ?」「あっ、いや……こっちの話です。ともかく、面倒な事になりそうですねェ」「そ、そうですね(……気付かれていたのね、私は ついさっき知ったのに……)」「お~い霞ィ、起きろ起きろ~」「んっ……?」遂に迎えた運命の日なんだが、意外にも滅茶早い時間にイリーナちゃんに起こされて始まった。彼女に起こされた時点で既に原作から外れているのはさておき、こんな時間から起こるのかよ……こんなアテが外れるならもう一度原作をプレイしてりゃ~良かったぜ。今更言っても無駄だけどね。まぁ、発生しちまったからには消化させないとダメなので、俺は横で眠る霞を何時もの様に起こした。これも原作とは違う筈……そのうち霞は俺が起きている時に部屋に来たりしないだろうな~ッ?そうなると自慰れなくなってしまうじゃないかっ! そんな邪な心配をしつつ俺の一日がスタートする。「霞。今日は日本のピンチだぞ? 起きて顔を洗ったら、歯を磨いて着替えるんだ」「……はい」(ふらふら)「こっちこっち。あんよがじょ~ず、あんよがじょ~ず」「…………」←実は朝に弱い霞≪ジャアアァァ~~ッ……≫――――少女洗顔中。「これタオルね? んでヌリヌリ……っと。ほれ歯ブラシ」「……ありがとうございます」「……ッ……」←言葉が出ないピアティフ中尉――――少女歯磨中。「ガラガラガラガラ……ペッ。そんじゃ~……自分で着替えるんだな?」「……はい」「…………」「イリーナ中尉、一旦 出て貰って良いですか?」「えっ? り、了解しましたッ」≪――――バタンッ≫……AFをやっていれば知っていると思うが、実は霞は朝に弱いのである。決まった時間に起きるのであれば問題ないんだけど、今みたいに早く起こされると覚醒が遅い。だから今みたいに手伝ってやってるんだけど、何故俺がこんな事をしなきゃらんのだ……いや、彼女が警戒を解いてくれている証拠だと考えれば問題無い。本当の妹みたいで可愛いモンだ。既に自分用のマグカップや歯ブラシを持って来ている時点で確信犯だと思う気もするけどね。さて置き。まだネボけているのか既に霞が着替え初めているけど、俺も直ぐ着替えるとするか。此処でイリーナちゃんダケを退室させたのは、考えてみれば霞は"着替える"と言っても、俺とは違って衣服を着るダケなので露出度のアップが無いからだ。俺は背を向ければ問題無いしね~。ともかく……今回が初めての介助だったとは言え、上手い具合で手伝えれて良かったZE。「(あ、あの娘……あんなに自然に白銀さんと……なんて羨ましい……)」≪――――がちゃっ≫「お待たせしました~」「い、いえ」「ところで、ゆーこさんは今 何処に?」「地下の作戦司令室かと思われます」「成る程(……じゃあ、先ずは其処に行けば良いのかな? 流れが分からないなァ)」「……(納得されている? ……と言う事は、やっぱり状況を理解しているのかしら?)」「イリーナ中尉は何が起こってるのか知ってます?」「はい……存じておりますが……」「大方 帝都守備隊が中心になって、クーデターでも起こしたんスよね?」「!? お、御流石です(……まさか既にピンポイントで知っていたなんて……)」「まぁ、ちゃっちゃと鎮圧するに限りま……」≪――――ッ!!!!≫「……っ……来た様ですね」「防衛基準体制2か……」「はい」「……ったく空気読めよッ」←直前の台詞を遮られた的な意味で「!?(こ、この気迫……そうよね、味方同士で戦う羽目になるだなんて、彼みたいな人だったら……)」「あの……白銀さん」「終わったか? 霞」「は、はい……すみませんでした」「良いって良いって。それよりも……何が起こったか分かるよな?」「…………」←黙って頷く霞「しっかし どうしたんだ? 何だか顔が真っ赤だぞ」「!? な、何でも無いですっ」「お、おい」「(不覚です……幾らなんでも、アソコまで手伝って貰ってしまうだなんて……)」≪すたたたたたたた……≫「何故に」「……(恥ずかしかったのね。余りにも自然に見えたから勘違いするところだったわ)」「まぁいいか、それじゃ~地下に降りましょうか?」「あっ……はい。私も其方に用が有ります」んでイリーナちゃんとダベっているウチに警報が鳴り響き、今から横浜基地が無駄に忙しくなる。これから何百人の血が流れ、何百機の戦術機が失われるんだろう? 無駄金ってレベルじゃね~ぞ。ソレを考えるとクーデターの連中はマジ死ねと思うが、殿下と出会えるだけマシを考える事にしよう。ともかく ゆーこさんに会いに行くか。走り去る霞の行動が謎だったが、きっと遣る事が有るんだろう。………………2001年12月05日 午前……面倒臭い話だと思うけど、中央作戦司令室で起こった事を簡単に説明しておこう。到着直後の現場にはラダビノッド司令・ゆーこさん・タマパパ・巌谷さんの姿が有った。彼らは何やら言い合っており、そのうち巌谷さんは傍観を決め込んでいたのはさて置き。内容としては珠瀬事務次官が国連と米軍をさっさと投入させてクーデターを鎮圧しようと言う反面、司令とゆーこさんが"介入するなら段取りを踏んでくれ"と反論していと言ったカンジだった。此処で特に ゆーこさんは色々と思うトコロが有ると思うんだけど……俺が考えるには、米軍は受け入れたくないけど、そうも言っていられない。けどソレには最低限の準備をしたいから、国連安全保障理事会の正式な手続きを行ってからにして……と時間稼ぎの意味で反論してたんだろう。まぁ、この辺りの意図は原作者 然り本人しか分からいと思うので信憑性は全く無いけどね。「ところで、巌谷中佐が何で此処に居るんスか?」「ははは。少々クーデター軍の連中に目を付けられてしまってな、此処で厄介になっている」「……って事は……」「俺なりに、やれるだけの事はやってみたよ。旨くいったかどうかは知らんがな」「わざわざ目を付けられた位ですし、大丈夫ですよきっと」「そうだと良いんだが……未然に防げる事も出来ただろうに歯痒い限りだよ」話を進める ゆーこさん達を眺めながら、巌谷さんと そんな話をしていたのは余談として。タマパパとワカモト……(おいやめろ馬鹿)……いや、司令が去ると次に現れたのは左近さん。彼は少しダケゆーこさんと前みたいな意味の無い会話を交わした後、此方に情報を提供してくれた。流石に名前は出なかったけど、沙霧達は首相官邸を初め多くの主要機関を制圧したのは勿論、今で言うテレビ・マスコミ関係や資源の有る施設も殆ど占領し、帝都をほぼ掌握してしまったとの事。当然 殿下の居る城は斯衛軍が守っている様だけど……流石に戦闘は開始されていない。だけどクーデター軍に紛れ込んだアホの意図的な誤射で近いうちに戦闘開始となるだろう。マジでエラい事だわこりゃ。そんなクーデター(笑)の裏には米軍と国連が絡んでいるのは間違い無く、大方 互いのオルタネイティヴ5推進派が手を組んで帝国軍の連中を操ったのは間違い無いらしい。まぁ、簡単に言えば自分で帝国軍にクーデターを起こさせた米軍が、自分の軍でソレを鎮圧して、アジアの発言権を奪い取って、オルタネイティヴ5(笑)を実現させようとしてるってワケだ。まさに漁夫の利だね。……汚い、流石米軍 汚い。日本に原爆ってレベルじゃね~ぞ?でも、ぶっちゃけオルタネイティヴ5推進派の連中はさっさと宇宙に消えろと思うんですけど。その方が余程 地球に優しいだろう。でも予算も膨大だろうし、同時進行は無理なんでしょうね。ともかく。今回は米軍の野望を潰しつつ、クーデターを画策した日本のアホどもを潰すのが目標だ。『あはははッ、これで日本のダニが沢山減ったわね。さ~て、帰って寝なおそうかしら?』……つまり、この様に ゆーこさんに何処ぞの皇帝みたいな台詞を言わせればオッケーなのです。彼女なら本当に言いそうなのは さて置き、左近さんは何時の間にか険しい顔をしていた。あぁ……俺が"今現在のイベント"で唯一 記憶に有る事 関連の台詞ですね? 分かりますとも。「君はこれだけの豪華メンバーが、偶然 此処に集まったとでも思っているのかね?」「……(シラネ)」←AA略「ふむ(……成る程、その表情……彼女達を利用した結果、犠牲にするなら容赦しないと言う事か」「し、白銀少佐……」←空気だったピアティフ中尉「……(つまり、アンタは行動次第じゃ あたしにも牙を剥く可能性が有るってワケね?)」「さて、お喋りが過ぎたな。では白銀武、これを……」EXで最初から居る5人のB分隊のメンバー。これがマブラヴの顔……メインキャラと言う認識だ。だから当然の様にアンリミに居てオルタにも最初からってカンジだから、偶然と言うか必然だろう。ンな訳で取って付けた様に親とか血縁とか意味深げに言われても実感が湧きません、マジなハナシ。そんな事を考えながら左近さんを眺めていると、彼は懐に手を入れて……これは間違いないッ!!「――――鎧衣課長」「むっ……何だね?」「これをあげますよ」「!? これは……君なのか?」「いえ"ゆっくりたける"です」(紙粘土製)「ゆっくり?」「夜なべして作りました。貰って下さい」――――見ろ、見事なカウンターで返した。土産を渡そうとするから、こうやって痛い目に遭う。「そ、そうか。では……さらばだ」「ちなみに捨てると呪われますよ?」「!?(なんと……私が言いたかった事も御見通しと言う訳か、恐れ入ったな)」「…………」←夕呼……実を言うと、このカウンターの為ダケに"ゆっくりたける"を作った俺だった。ちなみに渡したのは腋巫女バージョンで、魔法使いの方みたいにウザそうな顔はしていない。ソレの効果が有ったかどうかは全くの謎だけど、左近さんはズれた帽子を正すと去って行った。うむッ。それなりに手間は掛かったけど、少しダケ驚く顔をさせたので勝った気分だッ。よって意味も無く達成感を覚えて汗を拭っていると、ゆーこさんが黙って俺を見ている。「ゆーこさん」「何?」「ゆっくりたけるキーホルダー……要ります?」「頂戴」「あっ……わ、私もできれば……」「はいはい、どうぞ中尉」――――実は何個か作っていた。訓練も夕食を終えた20時以降、暇な時が結構有ったのだ。「ちょっと、コレ何でムカつく顔してるの?」「それは別(魔法使い)バージョンなんですよ。でも慣れれば可愛く見えますよ?」「……ッ……そうかもね、言われてみれば……なかなか……」「こ……こちらは可愛いですね」「ソレは鎧衣課長に渡したのと同じなんですよ」「白銀少佐、俺にはくれないのか?」「すんません。3個しか作ってないんです」「むっ、それは残念だ」「……って そんな事よりピアティフ、皆は集めてあるの?」「はい」←空気中に召集済み「なら善は急げよ」「ではブリーフィングルームに」「うィ~っす」「本当に残念だ」「…………(汗)」←武――――こうして4人で司令室を出て行く際、大事なことらしく2回言われました。なんでやねん!!●戯言●何方か描いて下さい(誰得)そして当たり前の様に居る巌谷中佐。