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No.3960の一覧
[0] これはひどいオルタネイティヴ(ぶち壊し注意)[Shinji](2008/08/24 12:52)
[1] これはひどいオルタネイティヴ2[Shinji](2008/08/25 11:13)
[2] これはひどいオルタネイティヴ3[Shinji](2008/08/25 11:11)
[3] これはひどいオルタネイティヴ4[Shinji](2008/08/26 04:35)
[4] これはひどいオルタネイティヴ5[Shinji](2008/08/26 23:24)
[5] これはひどいオルタネイティヴ6[Shinji](2008/08/27 20:54)
[6] これはひどいオルタネイティヴ7[Shinji](2008/08/28 16:19)
[7] これはひどいオルタネイティヴ8[Shinji](2008/08/29 20:22)
[8] これはひどいオルタネイティヴ9[Shinji](2008/08/30 23:24)
[9] これはひどいオルタネイティヴ10[Shinji](2008/08/31 22:48)
[10] これはひどいオルタネイティヴ11[Shinji](2008/09/01 21:59)
[11] これはひどいオルタネイティヴ12[Shinji](2008/09/03 08:21)
[12] これはひどいオルタネイティヴ13[Shinji](2008/09/05 10:13)
[13] これはひどいオルタネイティヴ14(+用語ver1)[Shinji](2008/09/07 08:57)
[14] これはひどいオルタネイティヴ15(+伊隅戦乙女隊ver1)[Shinji](2008/09/09 12:53)
[15] これはひどいオルタネイティヴ16[Shinji](2008/09/11 14:52)
[16] これはひどいオルタネイティヴ17[Shinji](2008/09/13 17:38)
[17] これはひどいオルタネイティヴ18(+伊隅戦乙女隊ver2)[Shinji](2008/09/16 23:33)
[18] これはひどいオルタネイティヴ19[Shinji](2008/09/19 22:36)
[19] これはひどいオルタネイティヴ20[Shinji](2008/09/23 02:45)
[20] これはひどいオルタネイティヴ21(+用語ver2)[Shinji](2008/09/26 21:20)
[21] これはひどいオルタネイティヴ22(+第207衛士訓練部隊)[Shinji](2008/10/02 22:28)
[22] これはひどいオルタネイティヴ23[Shinji](2008/10/09 19:42)
[23] これはひどいオルタネイティヴ24[Shinji](2008/10/23 01:55)
[24] これはひどいオルタネイティヴ25[Shinji](2008/10/31 02:49)
[25] これはひどいオルタネイティヴ26[Shinji](2008/11/22 04:34)
[26] これはひどいオルタネイティヴ27[Shinji](2008/11/25 18:05)
[27] これはひどいオルタネイティヴ28[Shinji](2008/12/14 03:54)
[28] これはひどいオルタネイティヴ29[Shinji](2009/01/11 03:35)
[29] これはひどいオルタネイティヴ30(前編)[Shinji](2009/01/17 04:11)
[30] これはひどいオルタネイティヴ30(中編)[Shinji](2009/01/21 01:11)
[31] これはひどいオルタネイティヴ30(後編)[Shinji](2009/01/28 12:16)
[32] これはひどいオルタネイティヴ31 2009/02/08 00:31[Shinji](2009/05/17 17:57)
[33] これはひどいオルタネイティヴ32[Shinji](2009/02/19 03:33)
[34] これはひどいオルタネイティヴ33[Shinji](2009/04/10 04:03)
[35] これはひどいオルタネイティヴ34[Shinji](2009/03/26 08:07)
[36] これはひどいオルタネイティヴ35[Shinji](2009/03/30 03:38)
[37] これはひどいオルタネイティヴ36(前編)[Shinji](2009/04/08 22:44)
[38] これはひどいオルタネイティヴ36(後編) 2009/04/14 04:28[Shinji](2009/05/17 17:53)
[39] これはひどいオルタネイティヴ37 2009/04/24 06:26[Shinji](2009/05/25 00:10)
[40] これはひどいオルタネイティヴ38[Shinji](2009/05/10 00:10)
[41] これはひどいオルタネイティヴ39(前編)[Shinji](2009/05/12 20:01)
[42] これはひどいオルタネイティヴ39(中編)[Shinji](2009/05/14 23:55)
[43] これはひどいオルタネイティヴ39(後編)①[Shinji](2009/05/17 05:05)
[44] これはひどいオルタネイティヴ39(後編)②[Shinji](2009/05/25 02:35)
[45] これはひどいオルタネイティヴ40①[Shinji](2009/06/01 01:54)
[46] これはひどいオルタネイティヴ40②[Shinji](2009/06/05 02:47)
[47] これはひどいオルタネイティヴ40③[Shinji](2009/06/11 02:49)
[48] これはひどいオルタネイティヴ40④[Shinji](2009/06/14 06:03)
[49] これはひどいオルタネイティヴ40⑤[Shinji](2009/07/02 03:10)
[50] これはひどいオルタネイティヴ41(前編)[Shinji](2009/07/13 01:30)
[51] これはひどいオルタネイティヴ41(中編)[Shinji](2009/07/28 19:03)
[52] これはひどいオルタネイティヴ41(後編)[Shinji](2009/08/16 04:00)
[53] これはひどいオルタネイティヴ42[Shinji](2009/08/27 00:58)
[54] これはひどいオルタネイティヴ43(前編)[Shinji](2009/09/10 23:51)
[55] これはひどいオルタネイティヴ43(中編)[Shinji](2009/09/20 09:43)
[56] これはひどいオルタネイティヴ43(後編)①[Shinji](2009/10/07 07:49)
[57] これはひどいオルタネイティヴ43(後編)②[Shinji](2009/10/10 22:26)
[58] これはひどいオルタネイティヴ44(前編)[Shinji](2009/11/11 20:38)
[59] これはひどいオルタネイティヴ44(後編)[Shinji](2009/11/17 03:24)
[60] これはひどいオルタネイティヴ45[Shinji](2009/12/04 11:35)
[61] これはひどいオルタネイティヴ46(前編)[Shinji](2009/12/07 06:52)
[62] これはひどいオルタネイティヴ46(後編)[Shinji](2009/12/20 00:54)
[63] これはひどいオルタネイティヴ47(前編)[Shinji](2010/01/26 07:13)
[64] これはひどいオルタネイティヴ47(後編)[Shinji](2010/01/29 14:19)
[65] これはひどいオルタネイティヴ48(前編) 2010/02/20 03:44[Shinji](2010/02/23 04:16)
[66] これはひどいオルタネイティヴ48(後編)[Shinji](2010/03/04 12:24)
[67] これはひどいオルタネイティヴ48.5[Shinji](2010/03/06 20:21)
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[69] これはひどいオルタネイティヴ49 2010/03/14 07:03[Shinji](2010/03/15 12:47)
[70] これはひどいオルタネイティヴ50 2010/04/08 07:58[Shinji](2010/04/10 03:15)
[71] これはひどいオルタネイティヴ51(前編)[Shinji](2010/04/18 14:51)
[72] これはひどいオルタネイティヴ51(中編)[Shinji](2010/05/25 05:31)
[73] これはひどいオルタネイティヴ51(後編)[Shinji](2010/06/26 00:51)
[74] これはひどいオルタネイティヴ52[Shinji](2010/07/27 04:27)
[75] これはひどいオルタネイティヴ53[Shinji](2010/10/06 05:34)
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[86] これはひどいオルタネイティヴ番外編②[Shinji](2009/10/15 18:11)
[87] これはひどいオルタネイティヴ番外編③[Shinji](2010/11/04 17:45)
[88] これはひどいオルタネイティヴ(登場人物+用語)[Shinji](2010/10/10 03:07)
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[3960] これはひどいオルタネイティヴ33
Name: Shinji◆9fccc648 ID:37b9b89a 前を表示する / 次を表示する
Date: 2009/04/10 04:03
これはひどいオルタネイティヴ33




2001年11月29日 早朝


「朝です。 ……おはようございます」

「おはよ~、毎度毎度 有難な? ……って、昨日も同じ事 言ったっけ?」

「…………」

「んっ? どうかしたのか? 霞」

「……いえ」

「それなら良いんだけど」


今日も起床のラッパが鳴る30分前に霞が起こしに来てくれ、同じ様な挨拶を告げたんだけども。

俺をみつめてくる彼女のカオに若干 違和感が有ったので自然な流れで指摘してみる。

パッと見は相変わらずの無表情なんだけど、今の俺ならば僅かな違いが判るのであるッ。

だけど2文字で否定する霞。 妙に機嫌が悪い気がするけど、思い過ごしだと良いんだが……


「…………」

「そ、そう言えば今日は篁もイリーナ中尉も居ないけど……霞は何か知ってるか?」

「篁さんは居ませんでしたけど……ピアティフ中尉とは、お部屋の外で会いました」

「会ったって事は来てたのかッ? じゃあ外で待ってくれてたり?」

「……いえ、戻られました」

「なんで?」


≪以前 不意打ちを食らっちゃいましたからね、これは"お返し"ですよ≫

≪し、白銀少佐……≫

≪ついでに、2人っきりの時は別の呼び方でも良いですよ? それじゃ~また明日ッ!≫

≪……ッ……はい、また明日……しろがね、さん≫


「……っ……」

「か、霞?」

「ちっとも知りません」

「へぇあ」

「ばいばい」

「ちょっ!? 霞ッ」


≪――――バタンッ≫


よ、予感が的中してしまった! やっぱり霞は機嫌が悪かったらしい。

昨日の篁と言い今日のイリーナちゃんと言い、2人が何故 部屋に入って来なかったかは、
口頭では聞かなくてもリーディング能力を使えば簡単に分かると思うんだけど……

言ってくれないって事は、本来ならば霞がリーディングそのものを避けた可能性も考えれる。

だけど どちらにせよ、小走りでドアの方へとゆき"ばいばい"と言って退室した事から、
何処かで霞の事を傷つけてしまった事は明白……AAまで作ってくれたのに、何でだ~っ?

もっと遊んでやるべきだった? それとも、AAをもっと褒めまくるべきだったのか?

それとも沢山の"兵器開発の仕事"を押し付けてしまった事を怒ってたりするんでしょうか?

何にせよ、これから霞に関するイベントが多いってぇのに困った事になったな~。

だけど悔やんでも仕方ない。霞のフラグが折れようと、最低でも俺が生き残ればクリアなんだ。

……って霞が白銀と頑張ってくれないとオリジナルハイヴの攻略に支障が生じるんだったね。

こりゃ~どうにかして機嫌を良くして貰わないとな~。そう決意を新たにする俺だった。




……




…………




「(――――篁さんと言い)」


≪だから気負う必要なんて無い。 これからも、今の調子で頼むよ≫


「(――――ピアティフ中尉と言い)」


≪それと、2人っきりの時は別の呼び方でも良いですよ? それじゃ~また明日ッ!≫


「(白銀さんは、酷い人です。……でも)」


≪全く知りません≫

≪へぇあ≫


「(――――昨日と言い)」


≪ちっとも知りません≫

≪へぇあ≫


「(――――今日と言い、私はどうして"あんな事"を言ってしまったんでしょうか?)」


≪白銀さんは、酷い人です≫


「(あれ? それにしても……今どうして私は、白銀さんを"酷い人"と思ったんでしょう?)」




……




…………




2001年11月29日 午前


「……熱~っ……」


≪ズルズルズルズル~≫ ←蕎麦を食べる音


「あっ、白銀少佐よ! 珍しく一人だわ」

「ちょっと、茜ちゃん待って~ッ」

「今はマズいんじゃないの~?」

「ど、どうしてよ多恵・晴子? 御挨拶をする位なら……」

「ごめんね。何だか声を掛けて良い雰囲気じゃ無い様な気がしたんだよ~」

「それに ど~せ茜の事だから、朝食も同席しようかと思ったんでしょ?」

「は、晴子!?」

「ホント茜は白銀少佐の事がお気に入りだよね……」

「そうだね~遼子。そう言えば、速瀬中尉と涼宮中尉も そんなカンジらしいよ~?」

「!? み、水鳥! それって本当なのッ?」

「うん。噂で聞いたダケなんだけど、2人掛かりでアタックした事も有るみたい」

「そ、そんな……それで、どうなったの?」

「知らな~い」


≪――――ずるっ≫ ←コケた茜


「ところで白銀少佐~、何が有ったんだろうね~?」

「少なくとも、私達が測れる様な領域じゃないって事は確かだねェ」←そうでもない

「だ、大丈夫かしら……また倒られたりしなければ良いんだけど……」




……




…………




「……ッ……」


≪スタスタスタスタ……≫


朝食を摂った俺は、篁が居ないので一人で通路を歩きながら"これから"事を考えていた。

ちなみに飯も霞の事が有って負のオーラを振り撒いていたので、一人寂しく食ったのは御愛嬌。

さておき。 白銀の情報によると、次のアンリミでの大きなイベントは"天元山の噴火"らしい。

これと"HSST落下"の2つのイベントを未然に防いだ時……クーデターが起きる事になる。

天元山の件については御剣と急接近するイベントが有るから やってみるのも良いんだけど、
あくまで"この世界"はオルタだからなぁ……強制退去して貰う以外の選択肢は無さそうだね。

ひょっとして救助活動をしても"HSSTの件"ダケでクーデターは起きるかもしれないが、
その流れを作ってしまえば"アンリミでもオルタでもない世界"に変わってしまうかもしれない。

開き直った感は否めないけど兵器開発やら模擬戦を勝手にやるならともかく、
流石にオルタ一つ目の重大イベント(クーデター)に繋がる指示を"行わない"のは大きな賭けになる。

だから心の中で天元山の御婆さんに謝りながら、俺は擦れ違う人に敬礼しつつ歩き続ける。


「……?」


しかし、今日は何か忘れている気がする……正史のイベント的な意味で。

思えば昨日のタマパパ関連のイベントや兵器開発に意識を傾け過ぎてたからな~。

ぶっちゃけオルタをプレイしたのは2年くらい前だし、細かい流れは分からないんだよね。

即ちアンリミの流れは白銀の記憶で覚えてるけど、オルタの未来は"俺"しか知らない。

よって"俺"の曖昧な記憶を頼りに進めてゆくしか無く、ソレが不安を募らせてしまう。

まぁ……この時期のイベントと言ったら ゆーこさん関連なのかな? 多分そうだろうな~。

そうなると……都合良く篁も居ないし、また執務室に顔を出そう。"何か"が起こるハズだ。


「そうだ、京都へ行こう」


――――そんなJRのCM的なノリで、俺は地下へと続くエレベータを目指すのでした。




……




…………



「ウィーッス……って、ありゃ?」


≪し~~ん……≫


地下では人目は殆ど無いので、ポケットに両手を突っ込んでスタスタと歩く。

だけど執務室が近くなってくると口ではダラしないが、背筋は伸ばして入り口を開いてみると。

部屋の灯りは消えており、真っ暗。 ど~やら、ゆーこさんは不在のようだった。

こりゃ~予想外だったな。 彼女が此処を留守にしてるなんて考えても無かったZE。

だけど ゆーこさんも人間、そりゃ不在な時くらいは有るってね。そう考えながら入室する。


「――――あっ」

『……ッ……』


その直後っ! 俺は自分の記憶の中から、今が"どんな状況"かを探り当てた。

詳しくは分からないけど、確か"鎧衣課長"が気配を消して潜んでいるのは間違いない。

全く気配を感じないのは流石と言ったところだけど、オルタを知る俺を欺くのは不可能。

よって彼が俺の背後に回ろうとする前に、入り口の方へと後退して振り返り一言かます。




――――ファック・ユー♂(TDN調)




……って、違う違うッ! イキナリ喧嘩 売ってどうすんだよ!?

彼もオルタをクリアする為には必要不可欠な存在なんだし、自重しなきゃイカん。

ヘタすりゃ射殺されてしまうッ! それならまだ掘られた方がマシってもんだ。(何処を?)

だけど自重のリミッターは解除したままで、俺は右手で"鉄砲"を作るとソレで顔を隠し、
"くるり"と左から振り返ると、左手の人差し指を突き出して見えぬ相手に向かって言った。


≪┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨……≫


「鎧衣、貴様ッ! 見ているな!?」

『――――ッ!?』


≪ひゅううぅぅぅぅ~~……≫


「…………」

『…………』


カリスマ吸血鬼を肖って、つい言っちゃったんだ☆ 直後に十数秒の沈黙が続く。

……ありゃ、ひょっとして俺の勘違いだったか? 鎧衣課長の登場は今日じゃ無かったのかな。

何時までもポーズを維持するのは疲れるんですけど。 そう思ってJOJO立ちしていると……


「……ッ……」

「成る程……噂と言うのも案外、捨てたモノでもないな」

「おっ? やっぱり居たんですね」

「そもそも私の様な人間になると、噂などで物事を解釈する訳にはいかなくてね」

「噂って、どう言う事ッスか?」

「気配は完璧に消したつもりだったんだが、まさか察せられるとは思わなかったよ」

「は、はあ」

「それにしても"君という人間"が本当に存在するとはなあ。その顔は作り物じゃないのかね?」


いやいや、聞いてくださいよ人の話……流石は鎧衣の親父さんって感じだな~。

それはそうと。闇から姿を現したのは、予想通りサブキャラの"鎧衣 左近"だった。

ゲームと同様にナイスミドルなオジサン。俺も将来はこんな様にシブくなりたいモンだね。

そう思いながら左近さんを眺めていると、何となく彼が俺に歩み寄ろうとしている気がした。

……確か、死んでいるハズの俺が居る事を妙に思ってるんだっけ? なら先手を打たないとッ。


「御生憎ですけど、作り物なんかじゃ無いですよ」

「確かなのかい?」

「そうですって、ホラホラ」←自分で両頬を引っ張る

「ふ~む、作り物にしては良く出来ている様だな」

「だから違いますってッ、ちゃんと見て下さいよ!」←更に引っ張る

「はははは、冗談だよ"シロガネ タケル"君」

「へぇあ」

「噂では完全無欠の天才衛士と言われていたが、思ったよりも面白いな君は」

「そ、そりゃどうも」

「ところで、何故 私の名を知っていたのかね?」

「そりゃ~俺は、ずっと水面下で動いてましたからね。鎧衣訓練兵の父でもある、
 鎧衣課長……"鎧衣 左近"の名前くらいは知ってて当たり前ですって」

「成る程、それは1本取られたな。では……何故 君は生き残れた?」

「!? そ、それは……」

「喋り過ぎよ、白銀」


≪――――ぱっ≫ ←照明が点いた音


さ、流石は"切れ者"と呼ばれる左近さんだ。何時の間にか彼のペースに引き込まれてしまった。

ぶっちゃけ"俺が何で生き残れたか"について、詳しい言い訳は全く考えて無かったしな~。

生憎チートで復活している事がバレるところだった。ゆーこさんの御陰で助かったZE。

何時の間にか執務室に戻って来た彼女が、背後から灯りを点ける事で話を打ち切ってくれたのだ。


「……ゆーこさん」

「これはこれは香月博士」

「相変わらず礼儀 知らずね、帝国情報省は。貴方が来るなんて話は微塵にも聞いて無いわよ」

「いやあ申し訳ない。噂の"彼"との出会いを心待ちにしていたのでね」

「俺と?」

「それとこれとは話が別よッ」

「おっと、話が反れてしまったな。シロガネ タケルくん、何故 君は今こうして――――」

「止めなさい!」

「うわっ、びっくりした」

「ふ~む、何か隠す理由でも有るのですか? 香月博士」

「……違うわよ。噂じゃコイツは天才衛士なんて言われてるのかもしれないけどね。
 まだまだ青臭い"ガキ"なのよ? たかが興味本位で過去のトラウマを聞いてくる奴を相手に、
 わざわざ思い出して応える義理も理由も無いのよ。 ソレが初対面の怪しい奴なら尚更ね」

「おやおや、それは手痛いですな」

「そうよね? 白銀」

「……ッ……はい、そうなんです。ともかく色々有って生き残れたんですよ。
 んで今は衛士になって頑張ってBETAと戦ってます。この辺で勘弁してください」

「何だか腑に落ちないが、今はそれで良しとしようか」


何時の間にか天才衛士とか過大評価されてたんだな俺って……いや、9割は白銀の御陰だけどね。

それなのに ゆーこさんは酷い誤魔化し方をしてるけど、このフォローは正直 助かったわ。

なんだか白銀は可哀相だけど、俺は痛くも痒くも無い。 そもそも志しが子供以下だしな~。

……さておき。無理矢理に俺の生死を誤魔化すと、ゆーこさんと左近さんで何やら会話を始める。

だけど最初は左近さんに掴み所の無い話ばかりをされ、彼女のイライラが次第に募ってゆく。

結果 超怖い目付きで彼女に"御託は要らないわよ"と言われると、全く動じずに左近さんは答える。


「――――XG-70の件ですよ」


!? あぁ~、確か"スサノオ"とか言う巨大メカになるヤツだっけ?

米軍が開発したけど00ユニットの鑑じゃないと扱えない、現時点ではポンコツ兵器。

だけど俺が知ってるのは左近さんにとって不自然だろうから……今は空気を読んで黙っていよう。

一方、唐突に鳥の生態やら無意味な話題を語ろうとして、ゆーこさんに却下される左近さん。

う~む……この人の言動は天然なのか、或いはフザけてるのか全く分からんね。

ドラマで有名な"杉下 右●"さんと話術の対決をしたら、どうなるのか見てみたい気がする。


「実は最近、帝国軍の一部に不穏な動きがあるようでしてね」

「ふ~ん」

「唐突に"戦略研究会"なる勉強会が結成されたんですよ」

「あっそ」


ちょ……ゆ~こさんヒドス。貴重な情報だと思うけど、案外 彼女は勘付いてるのかもね。

当然 俺も何となくは知っているので相変わらず黙っていると、左近さんは話を続ける。

簡単に述べれば、オルタネイティヴ4の成功を邪魔しようとする連中が、
ゴキブリの如く裏で這い回り、これから起こり得るクーデターすら画策して、
BETAに対する最初で最後の勝つる手段を、愚かにも潰しに掛かろうとしてるって事だ。

全くッ。クーデター軍も、反オルタ勢力も、国連内部の別勢力も皆 纏めて死ねば良いのに。

だけど叶わぬ事。 奴等を殴り倒せないのは残念だけど、サクっとクーデターを鎮圧して、
反オルタネイティヴの連中には少なくとも桜花作戦が終わるまでは大人しくして貰うに限る。

彼らは保身に必死だとは言え……何もスキ好んで宇宙に行きたいワケじゃないんだ。

万が一にも落ちないと思ってるオリジナルハイヴを潰しさせすりゃ喜んで俺達を称えてくれる筈。

しかしながら。例えオルタネイティヴ4を成功させようとも期待していないらしく、
XG-70を開発した米国はソレを出し渋っている。……国連加盟国で有るにも関わらずだ。

まぁ……確かに今の状況は酷いけどね。人類が一つしか奪還していない幾つもの"ハイヴ"に囲まれ、
数百万のBETAが犇(ひしめ)いているとされるオリジナルハイヴを落とす事なんぞ、
現実的に考えれば不可能だし、落とせるんだ! ……と豪語すりゃ~御目出度い奴だったり、
幸せな奴だったり・イカれてる奴だったりと捉えられちまっても仕方ない気はする。


「……で、それだけ? そんな事を言いにワザワザ足を運んで来た訳じゃないんでしょ?」

「はっはっはっ、お見通しでしたか。それでは本題に入りましょう」


ところで話は変わるけど、ゆーこさんと"オルタネイティヴ5推進派"の戦いは、
アンリミでは白銀の知識不足で頻差で"後者"の勝利で"世界"が終わってしまった。

……理由は簡単。 ゆーこさんの00ユニットの開発が間に合わなかったからだ。

オルタネイティヴ5推進派としては横浜基地にHSSTをブチ落としてブッ壊し、
例え完成しても勝てる望みの薄い、オルタネイティヴ4の存在そのものを消そうとした。

んで"掃除"が済んだら適当に誤魔化して宇宙にオサラバするつもりだったんだろうけど、
予想外にも珠瀬がHSSTを堕としたので、彼らは内心ハラハラしてたんじゃなかろうか?

とは言え実際には"頻差"じゃなく、ゆーこさんが00ユニットを完成させる為の理論は、
"こちら"の価値観では根本的に見出す事はできず、手の届かない距離にゴールは有った。

だけどオルタネイティヴ5推進派はンな事は知らないので、HSSTを落とす無茶をやったと。


「実は2度ほど"奇妙な命令"が発令された様でしてね」

「……ッ……」

「ひとつは帝国軍、もうひとつは国連軍 宛です。御存知 有りませんか?」

「何が言いたいの?」


しかし"今回"はアンリミでは無くオルタの世界。オルタネイティヴ5推進派にとっては、
珠瀬がHSSTを撃ち落してしまう事 以上の予想外な展開に直面する。

ループした"白銀"の介入により、HSSTが不穏な動きをした直後に撃墜されてしまったのだ。

それは御空の旅行に行きたい連中をピリピリさせると言う結果に繋がったらしい。

……だけど、左近さんにとっては重要な方は寧ろ"帝国軍への命令"の方だと言う事。

アンリミでも今回でも気付けなかったけど、HSSTの落下については、
"何らかの理由"で彼女が勘付く可能性も、ほんの僅かとは言え有るのだから。

一方BETAはどうだ? 奴等の行動を読める人間なんぞ存在するワケが無いんだ。


「前者の件は最初は"社 霞"が察したかと疑ったが、死んだ筈の彼が此処に居る……」

「お、俺?」

「(不味いわ……やっぱり白銀に疑いを掛けてきたわね)」


……よって勘の鋭い左近さんは予想通り疑いの矛先を俺に移し、鋭い視線を向けてくる。

う~む、やっぱ俺がBETAから逃げ延びた事は信用してくれてなかったのかもね。

白銀が怪しいって? すごく……正解です……されど認めるワケにもゆかず、どう答えようか迷う俺。

確か白銀はアンリミだと"スーパー・エリート・ソルジャー"だとか言って誤魔化してたんだっけ?

だったら俺も同じ手を……いや、此処は"俺だけ"の特権を活用させて貰うとしよう。


「改めて説明して欲しいものだね、シロガネ タケルくん」

「ふっ……バレちゃあ仕方無いですね」

「白銀!?」

「実は俺って"この世界"の人間じゃ無いんです」

「ほほぅ、自ら認めるというのかね?」

「はい。実を言うと、"この世界"は人間が作り出した壮大な"ゲーム"なんですよ」

「は、はぁ~?」←副司令

「ゲーム?」

「……そう、ゲームです。俺は"元々居た世界"に数多く有るゲームの中で、
 "この世界"を舞台としたゲームをプレイした多くのユーザーの1人に過ぎないんです」

「…………」×2

「だから"この世界"の展開も知っている。当然BETAが何時 攻めて来るかも……ね」

「…………」×2

「つまり! 俺は"この世界"を救う為に白銀に憑依した、正義のヒーローだったんですよ!!」


≪バアアアアァァァァーーーーンッ!!!!≫


「…………」×2

「あれっ? どうしたんですか? 御二人とも」

「……さて、私は次の職務に移るとするか」

「ふ~ん。思ったよりも、おはやい御帰りなのね」

「はははは……美女に引き止められるのは悪い気はしませんな。
 ですが、これ以上の追及は無意味でしょう。この辺りで失礼させて頂きますよ」

「はいはい、ご苦労様」

「娘サンに会ってやるのを忘れないで下さいよ~? 鎧衣さん」

「……ふむ……君には1本取られてばかりだな、シロガネ タケルくん。では……またの機会に」

「だから返答を下さいってば~ッ!」

「答えは、YESだよ」


わはははは、やっちゃったぜ☆ ゆーこさんと左近さんに自分の正体をバラしても~た。

でも計画通りだ……全く信用されてない。そもそもTVゲームすら無いんだし、
まだ白銀の"スーパーエリートソルジャー計画"の方が現実味が有るってモンだZE。

よって"誤魔化し"としての効果はX-GUNだった様で、場が一気にシラけた様子だ。

結果 左近さんは帽子を整えると退室し、ゆ~こさんが呆れた表情で俺を見つめて言う。


「全くアンタって……良くあんな"誤魔化し"が出せたもんね」

「ちょっと信憑性が無さ過ぎましたかね?」

「呆れる程にね」

「そりゃどうも」

「褒めて無いわよ」

「さいですか」


≪――――ボフッ≫


自重せずマイペースな俺の横を素通りすると、ソファーに身を投げる ゆーこさん。

予想以上にシラけさせた度合いは大きかったらしい。 あぁん? 最近ダラしねぇな。

けど"俺"の記憶では、イベントはコレで終わらない。 左近さんとの遣り取りで思い出した。

非常に重要な事を言うタイミングが"今"な為、床に落ちている紙を無造作に拾うと彼女に近寄る。


「あ~あ、なんか白銀の所為で今日はヤる気が無くなっちゃったわよ」

「……そうも言ってられないかもしれませんよ?」

「えっ?」

「また"思い出した"んですけどね、これの図面に見覚えが有って――――」




……




…………




2001年11月29日 午後


あれから俺は、ゆーこさんに"白銀の元の世界"の彼女が"理論"を完成させている事を言った。

するとシラけてた彼女は一変し、もっと"詳しく話せ"と再び乳をギュウギュウ押し付けてくる。

そんな中 何とか情報を伝え終えると、明後日には俺を"あっち"に飛ばす装置を準備するとの事。


「……マズったな……」


まぁ、コレはオルタで覚悟していたイベントなので、無難に消化するつもりだ。

だから置いておく事にしておき、現時点での俺は通路を歩きながら"別の件"を思い直していた。

……それはHSSTを撃墜して貰った事。原作……オルタでも堕としてたんだっけ?


≪でも今回は必要無いですから、事前にサッサとブッ壊しちゃってください≫(29話参照)


考えてみれば監視してプレッシャーを掛ければ不穏な動きそのものを回避できたんじゃ?

俺が"壊す"って事を強調しなければ……何も知らない乗員を死なせる事は無かったかもしれない。

くそっ……そう考えると、もっと ちゃんと考えてから"思い出した事"にしとくべきだったな~。

それに俺は榊のオヤジさんも見殺しにするだろう。正史を重視する無能な俺に罪悪感が募る。

オカしいな、涙が流れない……ひとつも嬉しくは無いのに。これも白銀大佐の御陰ってヤツかよ。


「……(部屋には居なかったし、少佐は何処に……あっ)」

「俺が……殺したのか……」

「!? し、白銀少佐ッ?」

「うわっ、びっくりした。 ……って、篁か」

「は……はいっ! 白銀少佐、昨日と言い今朝と言い……顔を出さず申し訳有りませんでしたッ」

「はははっ、そんなの構わないって。……で、連絡の方はどうなったんだい?」

「滞りなく済んでおります。よって近いうちに兵器の試作品の作成に移るそうです」

「有難う。"不知火 弐型"についての話は何か有った?」

「現在S型仕様を組み始めている最中との事です。一週間以内には一機 完成すると」

「その一機って、やっぱり……」

「はい。巌谷中佐は是非とも白銀少佐に搭乗して頂きたいと仰っていました」

「ホントかい? 嬉しいね。だったら、俺のS型は篁にプレゼントしちゃおうかな~」

「!? あ、あぁぁあ有難う御座います……」

「……ってワケで、明日からは また手が空くって事で良いのかな?」

「そ、そうです。故にまた、御一緒させて頂きますッ」

「まだ"仕事"が終わってなければ、そっちを優先させて良いからね」

「問題ありません。……そ、そもそも……私が伺えなかったのは……少佐の所為なんですから……」

「――――えっ?」

「な、何でも有りませんっ」


ラストは後者が小声だったので聞き取れなかったけど、篁は自分の役割を果たしてくれた様子。

しっかりと兵器開発を委託してくれ……不知火・弐型の作成状況も教えてくれた。

こちらの要求は弐型を"何機"か回せって事だったけど、色々とオトナの事情が有るんだろうね。

でも地味にF型じゃなくS型で作ってくれてる様だし無問題。俺はS型の弐型に乗りたかったしな。

それはそうと……何か上目遣いで俺を見上げる篁が超可愛いんですけど。何が有ったんですか?


「そうか。なら良いんだけど……」

「…………」

「篁は頑張ってくれたみたいだならな~、今回は特別にナデナデしてやろう」

「あっ……」


――――だから白銀は我慢できなくなって、つい髪を撫でちゃったんだ☆


「HAHAHA。それじゃ~篁、明日からも また頼むよ?」

「…………」


篁の頭を十数秒 撫でた俺は、ウザそうなスマイルを最後に彼女の元を立ち去った。

俺の行動に呆れているのか彼女は その場から動いて無かったけど、許しておくれやす。

ともかく。前途の件の為、少しブルーな気分だったけど篁と会えて元気が出たぜ……感謝感謝。


「……ハッ!?(わ、私は……敬礼もせずに何て失礼な事を……それに……)」


≪俺が……殺したのか……≫


「(あの言葉……彼は本当に……"多くの事"を背負っているのね)」


≪篁は頑張ってくれたみたいだならな~、今回は特別にナデナデしてやろう≫


「(なのに私の方が励まされてばかりで……全く、自分が情けないわ……)」




……




…………




……そんなワケで、篁と会わなければ自重して今夜は普通に寝てたんだろうけど。


≪篁、お前は今夜は俺のペット……即ち犬だ。良いなッ?≫

≪は……はい≫

≪こらッ、今言った事が理解できなかったのか!? 返事はッ?≫

≪わ、わんわん≫


「レミリ、アッーーーー!!!!」


――――篁の上目遣いが可愛過ぎて、つい抜いちゃったんだ☆(ヒャハハハハハ)




●戯言●
左近さん登場、そして白銀が自分の正体をバラすと言う波乱(?)の展開となりましたが案の定。
さておき。そ、そろそろ70万PVと感想数1000が近付いている……だと?
マジで最初(書き溜めてた頃)は12話の所で終わらせる気マンマンだったのですが、
此処まで書き続けられているのは皆様の御陰です。今後も改めて宜しく御願い致します。


●追記●
歌詞引用の指摘を受けまして、間違いないので該当部分を削除しました。
本家で指摘して頂いた方、本当に有難う御座います。御陰で直ぐ気付けました。
管理人氏や読者様にはご迷惑をお掛けしました。本当に申し訳有りません。


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