<このWebサイトはアフィリエイト広告を使用しています。> SS投稿掲示板

Muv-LuvSS投稿掲示板


[広告]


No.3960の一覧
[0] これはひどいオルタネイティヴ(ぶち壊し注意)[Shinji](2008/08/24 12:52)
[1] これはひどいオルタネイティヴ2[Shinji](2008/08/25 11:13)
[2] これはひどいオルタネイティヴ3[Shinji](2008/08/25 11:11)
[3] これはひどいオルタネイティヴ4[Shinji](2008/08/26 04:35)
[4] これはひどいオルタネイティヴ5[Shinji](2008/08/26 23:24)
[5] これはひどいオルタネイティヴ6[Shinji](2008/08/27 20:54)
[6] これはひどいオルタネイティヴ7[Shinji](2008/08/28 16:19)
[7] これはひどいオルタネイティヴ8[Shinji](2008/08/29 20:22)
[8] これはひどいオルタネイティヴ9[Shinji](2008/08/30 23:24)
[9] これはひどいオルタネイティヴ10[Shinji](2008/08/31 22:48)
[10] これはひどいオルタネイティヴ11[Shinji](2008/09/01 21:59)
[11] これはひどいオルタネイティヴ12[Shinji](2008/09/03 08:21)
[12] これはひどいオルタネイティヴ13[Shinji](2008/09/05 10:13)
[13] これはひどいオルタネイティヴ14(+用語ver1)[Shinji](2008/09/07 08:57)
[14] これはひどいオルタネイティヴ15(+伊隅戦乙女隊ver1)[Shinji](2022/04/20 02:22)
[15] これはひどいオルタネイティヴ16[Shinji](2008/09/11 14:52)
[16] これはひどいオルタネイティヴ17[Shinji](2008/09/13 17:38)
[17] これはひどいオルタネイティヴ18(+伊隅戦乙女隊ver2)[Shinji](2008/09/16 23:33)
[18] これはひどいオルタネイティヴ19[Shinji](2008/09/19 22:36)
[19] これはひどいオルタネイティヴ20[Shinji](2008/09/23 02:45)
[20] これはひどいオルタネイティヴ21(+用語ver2)[Shinji](2008/09/26 21:20)
[21] これはひどいオルタネイティヴ22(+第207衛士訓練部隊)[Shinji](2008/10/02 22:28)
[22] これはひどいオルタネイティヴ23[Shinji](2008/10/09 19:42)
[23] これはひどいオルタネイティヴ24[Shinji](2008/10/23 01:55)
[24] これはひどいオルタネイティヴ25[Shinji](2008/10/31 02:49)
[25] これはひどいオルタネイティヴ26[Shinji](2008/11/22 04:34)
[26] これはひどいオルタネイティヴ27[Shinji](2008/11/25 18:05)
[27] これはひどいオルタネイティヴ28[Shinji](2008/12/14 03:54)
[28] これはひどいオルタネイティヴ29[Shinji](2009/01/11 03:35)
[29] これはひどいオルタネイティヴ30(前編)[Shinji](2009/01/17 04:11)
[30] これはひどいオルタネイティヴ30(中編)[Shinji](2009/01/21 01:11)
[31] これはひどいオルタネイティヴ30(後編)[Shinji](2009/01/28 12:16)
[32] これはひどいオルタネイティヴ31 2009/02/08 00:31[Shinji](2009/05/17 17:57)
[33] これはひどいオルタネイティヴ32[Shinji](2009/02/19 03:33)
[34] これはひどいオルタネイティヴ33[Shinji](2009/04/10 04:03)
[35] これはひどいオルタネイティヴ34[Shinji](2009/03/26 08:07)
[36] これはひどいオルタネイティヴ35[Shinji](2009/03/30 03:38)
[37] これはひどいオルタネイティヴ36(前編)[Shinji](2009/04/08 22:44)
[38] これはひどいオルタネイティヴ36(後編) 2009/04/14 04:28[Shinji](2009/05/17 17:53)
[39] これはひどいオルタネイティヴ37 2009/04/24 06:26[Shinji](2009/05/25 00:10)
[40] これはひどいオルタネイティヴ38[Shinji](2009/05/10 00:10)
[41] これはひどいオルタネイティヴ39(前編)[Shinji](2009/05/12 20:01)
[42] これはひどいオルタネイティヴ39(中編)[Shinji](2009/05/14 23:55)
[43] これはひどいオルタネイティヴ39(後編)①[Shinji](2009/05/17 05:05)
[44] これはひどいオルタネイティヴ39(後編)②[Shinji](2009/05/25 02:35)
[45] これはひどいオルタネイティヴ40①[Shinji](2009/06/01 01:54)
[46] これはひどいオルタネイティヴ40②[Shinji](2009/06/05 02:47)
[47] これはひどいオルタネイティヴ40③[Shinji](2009/06/11 02:49)
[48] これはひどいオルタネイティヴ40④[Shinji](2009/06/14 06:03)
[49] これはひどいオルタネイティヴ40⑤[Shinji](2009/07/02 03:10)
[50] これはひどいオルタネイティヴ41(前編)[Shinji](2009/07/13 01:30)
[51] これはひどいオルタネイティヴ41(中編)[Shinji](2009/07/28 19:03)
[52] これはひどいオルタネイティヴ41(後編)[Shinji](2009/08/16 04:00)
[53] これはひどいオルタネイティヴ42[Shinji](2009/08/27 00:58)
[54] これはひどいオルタネイティヴ43(前編)[Shinji](2009/09/10 23:51)
[55] これはひどいオルタネイティヴ43(中編)[Shinji](2009/09/20 09:43)
[56] これはひどいオルタネイティヴ43(後編)①[Shinji](2009/10/07 07:49)
[57] これはひどいオルタネイティヴ43(後編)②[Shinji](2009/10/10 22:26)
[58] これはひどいオルタネイティヴ44(前編)[Shinji](2009/11/11 20:38)
[59] これはひどいオルタネイティヴ44(後編)[Shinji](2009/11/17 03:24)
[60] これはひどいオルタネイティヴ45[Shinji](2009/12/04 11:35)
[61] これはひどいオルタネイティヴ46(前編)[Shinji](2009/12/07 06:52)
[62] これはひどいオルタネイティヴ46(後編)[Shinji](2009/12/20 00:54)
[63] これはひどいオルタネイティヴ47(前編)[Shinji](2010/01/26 07:13)
[64] これはひどいオルタネイティヴ47(後編)[Shinji](2010/01/29 14:19)
[65] これはひどいオルタネイティヴ48(前編) 2010/02/20 03:44[Shinji](2010/02/23 04:16)
[66] これはひどいオルタネイティヴ48(後編)[Shinji](2010/03/04 12:24)
[67] これはひどいオルタネイティヴ48.5[Shinji](2010/03/06 20:21)
[68] キャラクター注目度ランキング(~2010年03月09日)[Shinji](2010/03/09 18:23)
[69] これはひどいオルタネイティヴ49 2010/03/14 07:03[Shinji](2010/03/15 12:47)
[70] これはひどいオルタネイティヴ50 2010/04/08 07:58[Shinji](2010/04/10 03:15)
[71] これはひどいオルタネイティヴ51(前編)[Shinji](2010/04/18 14:51)
[72] これはひどいオルタネイティヴ51(中編)[Shinji](2010/05/25 05:31)
[73] これはひどいオルタネイティヴ51(後編)[Shinji](2010/06/26 00:51)
[74] これはひどいオルタネイティヴ52[Shinji](2010/07/27 04:27)
[75] これはひどいオルタネイティヴ53[Shinji](2010/10/06 05:34)
[76] これはひどいオルタネイティヴ54[Shinji](2011/03/29 08:19)
[77] これはひどいオルタネイティヴ55[Shinji](2011/04/02 07:48)
[78] これはひどいオルタネイティヴ56[Shinji](2011/05/16 11:26)
[79] これはひどいオルタネイティヴ57[Shinji](2012/08/02 01:56)
[80] これはひどいオルタネイティヴ58[Shinji](2012/09/01 14:35)
[81] これはひどいオルタネイティヴ59 2012/10/29 15:03[Shinji](2012/11/03 14:33)
[82] これはひどいオルタネイティヴ60 2012/11/02 17:30[Shinji](2012/11/03 14:34)
[83] これはひどいオルタネイティヴ61[Shinji](2012/11/07 21:35)
[84] これはひどいオルタネイティヴ62[Shinji](2013/02/17 10:44)
[85] これはひどいオルタネイティヴ番外編[Shinji](2009/04/14 02:45)
[86] これはひどいオルタネイティヴ番外編②[Shinji](2009/10/15 18:11)
[87] これはひどいオルタネイティヴ番外編③[Shinji](2010/11/04 17:45)
[88] これはひどいオルタネイティヴ(登場人物+用語)[Shinji](2010/10/10 03:07)
[89] これはひどいオルタネイティヴⅡ(原案)[Shinji](2022/03/24 21:32)
感想掲示板 全件表示 作者メニュー サイトTOP 掲示板TOP 捜索掲示板 メイン掲示板

[3960] これはひどいオルタネイティヴ29
Name: Shinji◆9fccc648 ID:37b9b89a 前を表示する / 次を表示する
Date: 2009/01/11 03:35
これはひどいオルタネイティヴ29



2001年11月25日 正午


「(う~む……)」


模擬戦に勝てて一難 去ったワケなのに、再び俺はピンチに陥っていた。

お解かりだろうけど、伊隅・速瀬・宗像・涼宮(姉)に対しての"命令"が未だに思い付かないからだ。

勿論エロいのは真っ先にダメ。 つまり"少佐っぽい"命令をする必要が有るんだけど……

今回 真っ先に撃墜されたのが俺なので、更に"命令"のボキャブラリーが減ってしまった気がする。

だけど良い事を言えば彼女達とのフラグに繋がりそうなので、必要以上に悩んでいる俺。

しかしながら、もう時間が少ない……今となっては ゆーこさんの尻を眺めさえもせず考えている。

この歩行ペースだと目的地まで早くても5分は掛かるし、ソレまでに決めようと思っていると……


「……(黙って歩くダケって言うのも、退屈ね)」

「…………」

「白銀」

「はい?」


――――折角 本格的に考え様と思ってたのに、話しかけられちゃったよ!?


「もう模擬戦のデータは見たわよ?」

「えっ、そうなんスか?」

「なんかピアティフが真っ先に届けてくれてね~」

「!?」

「十中八九、アンタの影響だと思うけど」

「じゃあ……そ、そうなると……」


≪……イリーナ中尉! このデータを、副司令に届けてくれよっ?≫


「何よ?」

「聞いたんですね、俺の台詞……」


≪これは……"いいもの"だァーーっ!!≫


「そんなの、リプレイを見たら嫌でも聴こえるわよ。 それに何か問題でも有るの?」

「別に無いですけど……」

「それよりもピアティフったら、いきなり連絡を寄越して来たから何事かと思ったわ」

「仕事熱心なんですね~」

「アンタが名指し したからじゃない」

「いや、別にそういう意味で言ったワケじゃ無いんスけど」


……あの台詞はパイロットを肖っていたダケで、深い意味は全く無かったりする。

けどイリーナちゃんは引くどころか、俺が言った通りデータを既に届けてくれてたのね。

これは墓穴だ~ッ、ゆーこさんがデータを受け取って無けりゃ話し掛けても来なかったろうに!


「だったら どう意味よ?」

「えっと、無意識のうちに……かな?」

「ふ~ん……成る程ね」

「……("成る程"となッ?)」

「でも、それじゃピアティフも報われないわね~」

「????」


俺の適当な誤魔化しに対し、それっきり口を開かず歩みだけを進めるダケになった ゆーこさん。

あれっ、もしかして納得してくれたのか? ……いやいや、流石に有り得んだろ それはッ。

きっと"成る程"ってのは皮肉だ。 只単に、俺との会話が時間の無駄と判断したんだろうね~。

悔しいが仕方ない。 命令の事に頭が一杯で、彼女の対応にまで頭が回っていなかった俺のミスだろう。


「(白銀は模擬戦に乗り気じゃ無かったみたいだけど、殺られ際のあの言葉……
 "無意識のうち"に出たって事は、BETAに少しでも抗おうって決意が体に染み付いてるって事ね)」


――――そんな事を考えて ゆーこさんの尻を見てるウチに、ブリーフィング・ルームに着いちゃったんだ☆


「(自分じゃ判って無いみたいだけど、白銀 以上に後先 考えてる衛士なんて居んのかしら?)」


――――結局"命令"は決まらなかった。 "あの台詞"を肖った事がこうも響くとは計算外だったYO!!




……




…………




……15分後。


「皆、揃ったわね」

『はっ!』


ヒラヒラと手を振る ゆーこさんを前に、以前の7名が彼女に対して敬礼する。

そんな篁・月詠さん・イリーナちゃん・伊隅・速瀬・涼宮(姉)・宗像の動作を軽く流しながら、
ゆーこさんは大まかな結果を述べ始める。 皆が知っている事だけど、物事には順序ってのが有るしね。

……一方、俺は ゆーこさん左斜め後ろに控えていて、未だに最期の抵抗として案を考え中だ。


「結果は知っての通り白銀達の勝ち。 内容については皆 知ってるだろうし省くわ。
 でもXM3を完成させるに当たっての資料としては、十分な内容だったとは言っておこうかしら」

『…………』


――――って省くのかよ!? 相変わらず非常識な人だな……少しは考える時間をくださいッ。

ちなみに、この部屋に入った時は涼宮(姉)とイリーナちゃんしか居なくて、何故か涼宮(姉)は顔が赤かった。

大方 俺の"命令"を恐れているのか、或いは以前"もふもふ"したのがトラウマになっているのか……

そんな"もぢもぢ"する涼宮(姉)を見て、俺は更に葛藤する羽目になってしまう。 反則だ、普通にエロいぞ。

しかもイリーナちゃんは ゆーこさんと今回のデータ云々の難しい話を始めてしまった事から、
寂しく棒立ちしてたんだけど、涼宮(姉)の視線が気になって考えるドコロでは無く、
邪な気持ちは無いとアピールせんが如くチラ見してくる彼女の視線を、流す術しかなく今に至る。


「それじゃ、白銀」

「はい」

「言った通りアンタに"御褒美"よ。 伊隅達4人に好きな事を"命令"しなさい」

「はぁ」

「……ッ……」×4


顔だけ此方に向けて言う ゆーこさんに促されて一歩前に出ると、伊隅達が明らかに動揺した。

同時に篁達の顔も強張り、俺も仏頂面だった。 ……だってまだ、決まってないんだもん☆

だったら もう優柔不断でも何でも良いや、フラグ成立の可能性が消えるのは残念だけど、
ヘタな命令をしたら折れる可能性のほうが高そうだし、決めれなかったって事で無しにしようっと。


「大抵の事は大丈夫よ? 白銀」

「……いえ、やっぱ止めときます」

「!?」×7

「何ですって?」

「だってホラ、 俺の戦果は大した事 無かったですし真っ先に撃墜されたのって自分じゃないですか。
 一応 決めはしましたけど(嘘)、やっぱ無理に"言う事を聞かせる"のは――――」

「ま、待ちなさいよッ!」

「ままま待って下さい!」

「速瀬!?」←伊隅

「涼宮中尉ッ」←宗像

「な、なんぞ?」


――――なんだか知らんけど、突然 聞いた通りの2人が凄い剣幕で迫って来た。


「"何も命令しない"なんて、それで済ませるつもりなの!?」

「ダメですッ。 戦果はどう有れ白銀少佐は勝ったんですから、遠慮なく言ってください!!」

「えぇっ? だけど何も言わない方が、そっちにも都合が良いんじゃ……」

「それじゃダメなの!!」

「駄目なんですっ!」

「そ、そうなんですか……(びくびく)」

「(全く……それじゃ白銀少佐に"無理な命令をされたい"って言ってる様ものじゃない……)」

「(もはや2人が少佐に惹かれているのは決定的だな、私も御咎め無しと言うのは若干 癪だが)」


これは予想外。 どうやら、速瀬と涼宮(姉)はちゃんと罰ゲームを受けたいらしい。

顔は可愛いけど流石は軍人だな……負けは負けだって事から、命令されないと気が済まないのね。

そう考えて伊隅と宗像の方を見ると同じ考えみたいだし、参ったな……続いて ゆーこさんに視線を移す。


「白銀。 あたしもそんな つまんない事で済まさせないわよ? さっさと言いなさい」

「は、はあ……」

「……ッ……」×7


だけど微塵にも助けにはならず、ゆーこさん+7名の視線が俺に集まって来てしまった。

ど~する、ど~するよ? ど~すんの俺!? こんな事なら、ラ●フカードを用意しておけば良かったぜ。

あああぁぁ……だったら仕方ない。 後方には最後まで有ったけど、結局はボツにした案でゆこう。

俺は覚悟を決めると、キリッと真面目な表情(心は"やる男"調)を必死で装いながら口を開く。


「伊隅・速瀬・宗像・涼宮」

『――――ッ』

「だったら命令させて貰うよ。 ……だけど、結構無茶な事になると思う」

「!?」×4

「(む、無茶な事……一体 何を言われるのかしら?)」←唯依

「(雰囲気が変わった? だとすると過酷な……最初 少佐は指示するつもりは無かった様であったし、
 ひょっとすると速瀬中尉と涼宮中尉の行動は浅はか だったのかもしれんな)」

「(全く予想できないわね……やっぱり私は、ちっとも白銀少佐の事を理解できていないんだわ)」

「4人とも、良いか?」

『……ッ……』


俺の言葉にカラダを強張らせる伊隅ら4人、篁ら3人も神妙な面持ちをする中 ぶっちゃける。


「絶対に――――死なないで欲しい」

「!?」×8

「俺の命令は、それダケさ」

「白銀……死なないでって……それだけ?」

「はい、それダケです」


い、言っちゃったよ。 真面目な顔して"死なないで欲しい"……だってお(笑)

でもオルタの世界だとBETAと戦い続けて"絶対に死なない"なんて滅茶苦茶難しい事なんじゃなかろうか?

それはそうと、自分で言ってて何て"甘い"発言かと思う。 "現実は甘くね~んだよっ!"

……と一蹴されても文句は言えないだろう。 けど勘弁してくれッ、それ以外 思いつかなかったんだよぅ!

期待させておいてごめんね!! そう心の中で速瀬と涼宮(姉)に詫びる事にした俺サマ。


「(私たち斯衛……いえ衛士は少しでも多くのBETAを倒し、いずれ戦場で果てる存在なのに……)」

「(よもや"死ぬな"とは……無茶な命令だとは思うが、白銀少佐が言われると……)」

「(きっと彼は……これ以上、自分の"仲間"を失いたくはないのね。
 そう考えると今回で、伊隅大尉達を認めてあげたと言う事なのかしら?)」

「ふ~ん……死ぬな、ねぇ。 厄介な事を守らなくちゃならなくなったわねぇ、アンタ達」

「……ッ……」×4

「ちょっと、伊隅まで どうしたの?」

「はっ!? い、いえ……何でも有りません」

「俺が言うのもなんだけど、無理そうなら別に断ってくれても良いよ?」

「!? 何 言ってんのよッ、それが命令なんでしょ? だったら何が何でも生き残ってやろうじゃない!」

「そうだね。 私も頑張って死んじゃわないようにしますっ!」

「涼宮~、アンタは速瀬と比べると100倍は死に難いんだから意気込むなら別の所にしなさい」

「むしろ涼宮中尉はCPにおける采配で我々を死なせないようにするべきでは?」

「あうッ」

「それじゃ~伊隅、白銀の条件を飲むってワケね?」

「元より選択権など無いでしょう?」

「それもそうね」

「んじゃ~俺はこれで。 疲れたんで休ませて貰いま~す!」

「あっ……白銀少佐……」


なんと意外にも反論が無かったので、今がチャンスッ! 俺はさっさと逃げ出す事にした。

途中で篁が俺の名前を呼んだけどスルー。 うぅ……こりゃフラグ成立には結び付きそうも無いな~。

でも今の命令でA-01が色々と自重してくれれば、戦死は避けられる筈だとポジティブに考えよう。


≪……バタンッ≫


「あ~あ、つまんない。 少しは女ったらしい命令を期待してたのに」

「副司令」

「どうしたのピアティフ、何か思うところでも有った?」

「は、はい。 白銀少佐は以前――――」




……




…………




「まりもがシミュレーター訓練中に自爆した時、白銀が錯乱した事が有った~っ?」

「御本人からは"忘れて欲しい"と言われたのですが……」(13話参照)

「それって何時の事?」

「2週間程 前だったかと思われます」

「……(し、少佐にそんな事が……)」

「……(だからこその、彼女等4人への"命令"だったと言うのだろうか?)」

「ですが少佐は錯乱されながらも、BETAを蹂躙しつつ反応炉 迄 到達されていました」

「その辺は、流石は白銀ってトコねぇ」


≪命令だ、復唱してくれッ! 御願いしますから!!≫


「(成る程……"あの時"の白銀少佐は、BETAを全滅させるダケでなく私達全員を守る事も考えていたのね)」


≪良いから命令だ!! お前を死なせたくないんだ、頼むから下がってくださいッ!≫


「(必死に何 言ってんだって思ったけど……ひょっとしてアイツは"仲間"を自分の命よりも大切に……)」


≪もし涼宮中尉にも必要な状況だったら、当然 俺は同じ事をしたよ≫(17話参照)


「(戦いダケじゃなくって少佐は水月に対してみたいに、仲間を"死なせない"為なら手段は選ばないのね。
 女性として複雑だけど、私はソレでも構わ……って、どうして そんな事ばっかり思っちゃうんだろ~?)」


≪……いや、断る理由は無いよ。 参加させてくれないか?≫(16話参照)


「("あの時"は案外 釣れる方だと思ったが、私と祷子に対して何かを感じた訳では無く、
 A-01全ての"今後"を案じて祝勝会に参じたダケに過ぎなかったと言う事か……恐れ入る)」

「まぁ~、白銀の事はそれぐらいにして……とにかく解散にしようかしら。
 伊隅。 午後は此処で"打ち上げ"が有るから全員に来るように言っておきなさい」

「了解」

「月詠中尉、あの3人の娘達も連れて来るのよ? 今回の主役みたいだし」

「畏まりました」

「あの」

「ピアティフ、まだ何か有るの?」

「白銀少佐の事はどうしましょう?」

「う~ん……放って置きなさい、"疲れた"とか言ってたし」

「!? ど、どうしてですかッ? それなら、私が御声掛けに――――」

「篁」

「は、はい?」

「貴女……知ってる? 白銀が先月の22日に此処(横浜基地)に配属されてから、
 合計"何百時間"戦術機での訓練や戦闘を繰り返してるのか」

「……ッ……」

「涼宮」

「はい。 あの、白銀少佐は一週間前……過労で倒れた事が有るんです」

「えぇっ!?」

「ですから、無理には」

「そ~言う事。 判った?」

「わ、分かりました(……くっ、なんて愚かな発言をしてしまったのかしら)」


――――この瞬間から、ヴァルキリーズの隊規の一つが無謀にも"決して戦死するな"に変わったらしい。




……




…………




2001年11月25日 午後


今日は色々と墓穴を掘ってしまったので、俺は昼を抜いて暫くの間 自室で寝た。

そして適当な時間に目を覚ますと、PXにへとやって来たんだけど……篁達やA-01の姿は一切無い。

まぁ、それも良いか……今は顔を合わせ辛いしね。 時間そのものが若干遅いっても有るけど。


「あれっ?」

「…………」


≪どよ~ん≫


食事を受け取って席の方へと歩いてゆくと、一人でポツンと蕎麦を食っている女性の姿が!

……地味に久しい まりもちゃんだ。 篁を紹介して以来になっちまうかな~?

それはさておき、何故か暗そうにしている。 目の錯覚だろうけど、肩にキノコが生えてる様に見える程。

きっと模擬戦の事は知ってたけど参加させて貰えず、自分のS型だけ ゆーこさんに持ち出された事から、
仲間外れにされたと思ってヘコんでいるのかもしれない。 ……此処は声を掛けるしかね~な。

俺も一人での夕食は寂しいし、周囲に人も居ないしで"例の名前"で話し掛ける事に決めた。


「まりもちゃん」

「えっ……あっ、白銀少佐!?」

「コンバンワ、隣 座りますよ~?」

「ははははいッ。 どうぞ」


――――すると どうでしょう、まりもちゃんのテンションが見違えたので、調子に乗った俺は。


「それじゃ~明日はB分隊の指導に付き合いますよ」

「は、本当ですか? 是非 御願いします」

「了解~」

「(きっと篁中尉も来るでしょうけど、彼が来てくれるダケで私は……)」


――――つい安請け合いしちゃったんだ☆ まぁ、最近 放置しちゃってたし丁度 良い機会かもね~。


「イキナリだし、榊達 驚きそうですね」

「ふふふっ、そうですね。 呆気に取られる様子が目に浮かびます」


――――余談だけど後日、今日の"打ち上げ"が有った事を篁の口から聞いた俺は、地味に凹んだ。




……




…………




2001年11月26日 早朝


「今回は早かったわね」

「どもッス」


今朝も霞と篁に起こされると、霞の口から ゆーこさんが俺を呼んでいると言う話を聞いた。

その理由は想像できるので、篁に先にPXで待つように指示すると、
執務室に向かう途中で未だにAAを作っているらしい霞と別れ、今は ゆーこさんと対面している。

ちなみに今 結構眠い。 昨日まりもちゃんと長い事 話してた上に、日課の対象を神代達にしちまったからだ。


「……で、昨日の件は"刺激"になった?」

「えぇ。 なりましたよ、御陰で ひとつ思い出しました」


――――別に刺激にはなってないし、思い出す以前に知ってたんだけど、俺は空気を読む。


「本当? だったら教えなさいッ」

「えっと……期待には副(そ)えないんで申し訳ないんスけど」

「あら」

「11月28日。 珠瀬事務次官が来訪して来る日に、HSSTが横浜基地に落ちて来ます」

「……っ!?」

「えっと、どれだっけ……エドワーズから那覇基地に向かっている、再突入型駆逐艦……かな」

「……ッ……」

「同時に遠隔操作による突入角の変更を試みるも駄目。
 自爆コードも受け付けず、ハッキングも重ねて無理って寸法です」

「ホントなの?」

「勿論です」

「全く、とんでもない事を"思い出した"モンねぇ」

「思い出してなかったらゾっとしますよ」

「折角00ユニット完成が見えたと思ったのに」

「はははっ、横浜基地が消えちゃえばソレどころじゃ無いッスよ」

「まぁ……"この辺"は無事でしょうけどね」

「でも死にますよ? 一万人くらい」

「でしょうね」

「狙いは珠瀬事務次官だと思います、オルタネイティヴ5の発動を望む連中の差し金でしょ」

「彼が易々と避難するような人間じゃないって事を判ってる分、タチが悪いわね」

「全くッスよ」


俺って頭良い~ッ! A-01との模擬戦って言う新しいイベントを経験した結果、
何かを"思い出さないと"いけなくなったけど、28日の件を都合よく思い出す事にしたのだ。

細かい内容は知らないから"白銀"の記憶を頼って情報を淡々と伝えたんだけど……

正直、新潟の件よりも唐突過ぎるよな……でも、思ったより ゆーこさんは疑っていないみたいだね。

これも"信用された"って現われなのかな? ともかく今は話を続けるとするか~。


「"前の時"は、どう対応したの?」

「それは……確か1200ミリOTHキャノンって有りますよね?」

「そんなのも有ったわね」

「確か……HSST打ち上げ用のリニアカタパルトの先端に、整備リフトを固定。
 其処にアイツだったら……吹雪かな? 吹雪とOTHキャノンを配備。
 んで衛星データリンク・間接標準による"極長距離狙撃"を行うって寸法です」

「無茶苦茶ね……」

「考えたのは ゆーこさんですけどね」

「じゃあ"アイツ"って誰?」

「珠瀬です」

「成る程ね」

「でも今回は必要無いですから、事前にサッサとブッ壊しちゃってください」

「何で?」

「多分 無理っぽいからですよ。 珠瀬は最初 超ビビってましたけど、
 訓練兵として一緒だった"頼り無かった俺"に励まされて、何とか成功させたってトコでしたし」

「ふぅん」

「高度60キロ、距離500キロ。 何度も成功するモンじゃ有りませんって」


まぁ、今の俺が必死に説得しても良いんだけど……良い意味での"熱い展開"にはできっこない。

アニメやゲームだと効果音や音楽までもが空気を読んでるから、雰囲気が出るに過ぎない。

なのに俺なんかが珠瀬をヤケになって励ましてみろ? きっと"こんな風"になっちまう。




……




…………




「何 言ってんだ珠瀬、諦めんなッ!」

「そ、そんな事 言ったって……無理なモノは無理なんですっ!」

「頑張れ頑張れ出来る出来る、絶対出来る!! 頑張れ、もっとやれるってッ!」

「……ッ……」←ドン引き




……




…………




……そう、大方 松岡 ●造みたいなノリの励まし方しかできないだろう。

このゲームの名前がマブラヴ・ヒートネイティヴとかなら別だろうケド、やっぱ正史通り壊して貰おう。

アンリミなら大変なイベントなんだけど、オルタじゃ予知さえ出来れば何の問題も無いしね。


「じゃあ先手を打って置くしか無いって事ね」

「はい、御願いします」

「全くもう……また仕事が増えたじゃない」

「思い出して無かった時に起こる事態よりはマシですって」

「そうなんだけど癪ね」

「まぁ、そう言わないで下さいよ。 ゆーこさんが模擬戦を組んでくれた御陰でも有るんですから」

「ありがと」

「じゃあ話は変わりますけど、XM3については どうなってます?」

「HSSTの件を優先させるから後回しになるけど、昨日のデータを元に最終調整をするつもりよ」

「そうですか」

「アンタから思う所は有る? 参考にしてあげても良いわよ」

「う~ん……何点か有るんスけど、明日に回しても良いですかね?」

「どうして?」

「今日 一日、B分隊の訓練を見るんですよ。 その時、まりもちゃんや榊達の意見も取り入れようと思って」

「へぇ……(やっぱ考えてんのね、こいつ)」

「だから明日って事で」

「分かったわ、なら午後の適当な時間に来て」

「了解~」

「HSSTに関しては任せときなさい」

「有難う御座います。 でも、睡眠はしっかり取ってくださいね~?」

「アンタから言えた口なの?」

「言えた口ですよ」


――――ゆーこさんの"睡眠時間"が俺よりも短いのは間違い無いだろうしね。


「あたしはアンタこそ もっと休めって言いたいんだけど」

「何 言ってんですか~、俺はちゃんと休んでますって」

「休んでる人間が突然 倒れたりはしないものよ?」(21話参照)

「あ、あれはタマタマですよ、たまたま」


――――疲れてたんじゃ無くて、築地達の おっぱいに興奮して倒れたダケだし。


「"たまたま"そうならないように休めって言ってるんだけど? 生憎 私は倒れた事は無いわよ」

「それについては言い訳しませんけど、もう大丈夫ですって」

「根拠は?」

「有りませんけど、年末年始が過ぎる迄は大丈夫だと思います」

「人事みたいに言われても、納得できないんだけど?」

「……ッ……」

「白銀?」


う~ん、なんだか随分と食いついてくるなあ。 無駄に心配する俺が鬱陶しかったんだろうか?

でも彼女に休んで欲しいのはマジ。対して俺は疲労で倒れたワケじゃないから、つい言い返してしまう。

そんな中で ゆーこさんの口から出た"ひとごと"と言う単語を聞いて、俺は遂に自重できなくなってしまった!


「……人事の様にと言ってますけどね、俺は自分自身を"客観的"に見る事が出来るんです」

「えっ?」

「貴女とは違うんですッ」

「!?」


――――アタックチャンスッ!! 後者の台詞は そんなノリで発音するのがコツなんだ☆

当然 言いたくなったダケなので深い意味は全く無い。 しかも喧嘩腰な台詞なので、言ってから後悔。

それはそうと、コレって"あの年"の流行語大賞でも良かったんじゃないかって思うんですけど。


「だ、だから心配しないで下さいよ。 それじゃ~失礼します!」

「…………」


≪ガシューーーーッ≫


昨日 自重しようって決めたのに、相変わらずだな俺って……もう死のうかな。

何だか最初は呆気に取られてた ゆーこさんの顔が即 怖くなったし、此処は離脱するに限るッ。

よって俺は執務室を出ると、全力で駆け出した。 ちゃんと結果は出すから許していってね!!


≪俺は自分自身を"客観的"に見る事が出来るんです≫


「アイツ……自分が倒れる事までも計算に入れて、無理に体を動かしてるとでも言いたかったの?」


≪――――貴女とは違うんですッ≫


「でも、あたしには"それ"が出来てないから余計な気遣いをして来た……何だか敵わないわね」




……




…………




……1時間後。


「本日 御指導して下さる、白銀少佐に敬礼ッ!」

『――――っ』

「突然だけど、今日は俺がガンダ……教官だ。 宜しく頼むよ」

『はいっ!!』

「(白銀少佐……一体どんな指導をされるのかしら? それにしても突然の話だったわね)」


PXで篁と合流した俺は強化装備に着替えると、予定通りシミュレータールームに赴いた。

そして軍服姿の篁&まりもちゃんを左右に、凛々しく敬礼しているB分隊5名と向かい合っている。

予定は主に じっくりと個人指導……そう安請け合いしたワケなんだけど、俺は再び葛藤していた。


「(いきなりで焦ったけど、遂に この時が来たのね……頑張らないとッ)」

「(厳しい表情をなされている。 も、もはや異性として意識している場合では無いな)」

「(少佐……待ってた)」

「(あわっ、あわわわわっ……どどどどうしよう~っ)」

「(やけに軍曹の機嫌が良い気がするけど、どうしたのかな~?)」


――――だって、榊達がスケスケ・エロスーツ姿なのを忘れてたんだもおおぉぉんっ!!!!




●戯言●
A-01に対しても命令は勘違いフラグのみ利用しました。期待させてごめんね!!!
今回は修●と元総理の台詞云々のネタがやりたかったダケなんだ☆ だから20KBと短いです。
次回、ようやくB分隊のターンです。相変わらず大したフラグは立たないと思いますけど。


前を表示する / 次を表示する
感想掲示板 全件表示 作者メニュー サイトTOP 掲示板TOP 捜索掲示板 メイン掲示板

SS-BBS SCRIPT for CONTRIBUTION --- Scratched by MAI
0.031790971755981