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No.34254の一覧
[0] MuvLuv Alternative Possibility (TE&Alt) オリ主[Haswell](2013/03/11 22:45)
[1] プロローグ[Haswell](2013/08/23 18:40)
[2] 横浜基地にて[Haswell](2013/08/23 18:41)
[3] 想い[Haswell](2013/08/23 18:46)
[4] MANEUVERS[Haswell](2013/08/23 18:51)
[6] War game[Haswell](2013/08/23 19:00)
[8] Alternative[Haswell](2013/08/25 16:33)
[9] 番外編 試製99式電磁投射砲[Haswell](2012/10/29 02:35)
[10] Day of Days[Haswell](2012/10/27 22:34)
[11] Project  Diver[Haswell](2012/11/06 23:11)
[12] Dog Fight[Haswell](2012/12/03 20:55)
[13] Active Control Technology[Haswell](2013/03/12 21:28)
[14] Tier1[Haswell](2013/06/13 16:56)
[15] FRONTIER WORKS[Haswell](2013/08/23 01:10)
[16] ATM[Haswell](2014/01/02 03:12)
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[34254] 想い
Name: Haswell◆3614bbac ID:6d928994 前を表示する / 次を表示する
Date: 2013/08/23 18:46
早く戦術機戦が書きたい今日この頃






ユサユサ、ユサユサ、 誰かが私の体を揺らしている。
私の意識が深層から徐々に浮き上がる。体の節々が痛みを訴えている。

目を開ければ蛍光灯の無機質な光を背景に人影が写った。
私はベッドではなくソファーに横たわっていた。
ああ、またやってしまった。

最近は私も疲れがたまっているのか研究途中にそのまま寝てしまうことが多い。
天才を自負するこの私でも、さすがに2日3日続けての徹夜はつらいものがある。
人間の限界を超えられれば、一向に進展しないこの研究もなんとかなるのだろうか。

「博士  朝です。」

 銀色の髪をツインテールにしバッフワイト素子で作られた髪留めで留めている、まだ年
端もいかない少女。

私がロシアから引き取った少女。今では私の右腕として働いている。
私の研究内容を私と同程度把握している。もはや歩く軍事機密だ。

名を 社 霞 という。

社は普段から私を起こしに来ているわけではない。
今日起こしてもらったのは、急遽外すことが出来ない案件が本日に滑り込んだため、絶対
に寝坊は許されないからだ。

昨日帝大よりこちらに越してきたばかりで資料の整理や、機器を設置しなけらばならず、
とても忙しいのだが、今日は件の衛士が来る。

1997年
私の直属部隊であるVFA-01が発足した。
非公式部隊であり国連はその存在の一切を認めていない。
VFA-01は連隊規模で発足したにも関わらず、任務のあまりの過酷さゆえ今や伊隅率いる第
9中隊を残すのみとなってしまった。
それも今年8月に行われた明星作戦で多くを失い。遂に衛士2名を残すばかりである。
2名では作戦行動を継続することは不可能で、今や部隊は休眠状態だ。
私は研究の為にも早めに部隊を立て直す必要性にかられた。
VFA-01は今まで全て同一の教官が訓練しており、訓練校からの気の置けない付き合いがあ
るからこそ結束力は堅い。その中へいきなり別の部隊から引き抜いてきたメンバーを入れ
ると連携がうまく取れるのか正直に言えば不安ではあった。しかし来年、練馬の訓練校か
らVFA-01に入隊する新兵は2人だけである。それにVFA-01たるものその程度で動揺し
ていては困るのだ。
不本意であるが外部から欠員の補充を行うことを決めた。それが8月10日の事だ。
最初は指揮官の伊隅と教官のまりもが帝国軍出身であることを考慮して、帝国軍より人員
を引き抜こうと思い、帝国側に打診した。しかしVFA-01を構成するために帝国軍より度々
人員を引き抜いていたことが裏目に出て今回は強い反発にあったためやむを得ず国連軍よ
り人員を引き抜くこととなった。VFA-01では生半可な練度ではやっていけない。どの部隊
から引き抜くのが良いのか悩みに悩んでいた時、答えは意外な人物から提示された。

帝国情報省外務二課長。 鎧衣 左近 だ。

シルクハットに草臥れたトレンチコートを着たいかにもサラリーマン風の男だ。私をイラ
イラさせることに関しては間違いなく天才だ。
あいつは神出鬼没で許可のないエリアにも無断で侵入する油断ならない男だが、有用な情
報を持ってくる為に生かしている。
あの日、私が部屋にいないことを良いことに人の部屋を物色していたあの男を見つけたと
きは遂にあいつをヤル時が来た!と歓喜していたのだが、あいつの次の一言に計画は先延ば
しとなった。 チッ 今でも腹立たしい。

「これはこれは、香月博士。ご機嫌麗しゅう。本日はおひがら「はやく要件を言わないと
撃ち殺すわよ!」おお怖い。」

「本日お伺いしたのは他でもないVFA-01の欠員補充の件でよい提案をお持ちしましてな。」

「へえ。くだらない事だったら貴方を物言わぬオブジェにしてあげるわ。」

「酷いですなあ博士。私がこんなにも尻尾を振っているというのに。」

そういいながらも奴の表情は変わらない。
「どうでもいいわ。で、どの部隊よ?」

「香月博士は軌道降下兵団の事をご存知ですかな?」

「知ってるけどダイバーズがどうしたのよ。 …まさかダイバーズから引き抜こうなんて
馬鹿なこと考えてるんじゃないでしょうねえ」

国連宇宙総軍軌道降下兵団
通称 オービットダイバーズ
文字通り大気圏外より再突入殻を用いて敵地(主にハイヴ)に突入する部隊だ。簡単に言えば
現代の空挺だ。
再突入殻とは表層は耐熱対弾装甲、その下は対レーザー弾と同様の効力を持った装甲板で、
製造されたダイバーズたちのいわばパラシュートだ。
再突入殻を用いての大気圏突入には危険が伴う。再突入殻はトータルの信頼性が91%しか
確保されていない。この数字は100人降下すれば9人は戦わずして死ぬことを意味してい
る。 再突入殻はその外見と低すぎる信頼性により空飛ぶ棺桶と揶揄されていたりする。
大気圏を突破できたダイバーたちは高度2000m付近でパージされ、再突入殻はパージ後、
先行して地面に直撃し後続の戦術機たちの盾になる。高高度から降下する戦術機たちは無
防備であり、光線属種のBETAの格好の的だ。そこを何とか切り抜けてハイヴの入り口付
近に降下する。
オービットダイバーズは損耗率が最も激しい部隊であり、他部隊でベテランと言われる者
でもこの部隊では通用しないのだ。一説には軌道降下兵の帰還率は2割といわれている。
彼らは誇りをもって職務に当たる。
戦術機を操縦する兵士の事を一般に衛士というが彼らは自らを軌道降下衛士と呼ぶことに
もその一端が伺える。

軌道降下兵団からの引き抜きなどもはや不可能に近い。今は何処も衛士が不足しているが、
軌道降下兵団ともなるとそれは顕著だ。隊の優秀な衛士を引き抜かれるのを快く思うはず
はないし、此方としても計画の今後を考えると今彼らと諍いを起こすのはあまり美味くな
い。

「そのまさかと言ったらどうします。 先日 とある筋よりとても良いピーナッツを入手
しましてなあ。
それはそれはとても黒くて、そういえば…」

このまま黙って聞いていれば嬉々としてピーナッツの植生について延々と講釈が続きそう
だったので容赦なく話の腰を折ることにした。

「強請ね。何人くらい確保できるの。」

「相変わらず博士は連れないですな。今のところはわかりませんが、麗しの博士の為なら
ばなるべく多く確保しましょう。」

「そう、私を失望させないでちょうだい。 用が終わりなら早く出て行って、私は忙しい
のよ。」

「相変わらずお厳しい。」
そういうと鎧衣は音を立てずに去って行った。鎧衣が先ほどまで立っていた場所には謎の
土偶が残されていた。


そんなことがあってからかれこれ4か月経つわけだが、一昨日 宇宙総軍から連絡が入り
此方に2名の軌道降下衛士をまわすということだった。ああ見えて優秀な鎧衣をもってし
て4か月かかったのだから裏で壮絶な駆け引きが繰り広げられていたことは想像に難くな
い。
急な転属で軍歴などのプロファイルを用意するのに時間がかかるとかのたまったのでピア
ティフを使って調べさせることにした。今日その結果が私の耳に入る筈だ。

何はともあれ

「霞 PXに朝食を食べに行くわよ。」

「はい」

まずは腹ごしらえよ。



横浜基地を稼働する際、最初に完成したのは研究施設でもましてやハンガーでもない。
PXである。人間は食べ物がなければ始まらない。 胃袋をつかめという言葉があるがまさ
にそのとおりである。ここの食堂は現在、工事関係者、警備兵、研究員などの食事を一手
に担っている。朝、昼、晩は人がごった返し最前線ばりの忙しさだ。
そんな過酷な戦場を切り盛りするのは京塚志津江曹長 その人である。
優しげな瞳と恰幅の良い体型は日本の肝っ玉母さんのイメージそのものだ。
京塚曹長は戦時特例法により民間人でありながら階級が与えられている。
BETA侵略以前はここ柊町で京塚食堂を経営していた。
PXは彼女のシマでありいかなる階級の兵士であってもPX内においては彼女に逆らうこと
はできない。


横浜のPXにお世話になるのは今日が初めてだ。日本をはじめとしてBETAに侵略された
国々では、耕地面積の関係上天然の食糧が極めて希少である。国民全員の食糧を天然物で
賄えないため、合成食料が開発されたのだが、これがまずい。
パサパサした食感と、極めて残念な味付け、安っぽい見た目の三拍子そろっていて兵士の
間では不評だ。 

食堂のカウンターに並ぶなんて久しぶりだ。 

「はいよ、次。 おや、あんた新入りかい?」
曹長の階級章を付けたここの責任者と思しき人物のあまりのなれなれしさに顔をしかめる。

「ええ昨日着いたばかりよ。」

「そうかい。そうかい。私はここの責任者の京塚志津江だよ。食事の事でなんかあったら
私のところに来な。」

そういって朗らかに笑う京塚志津江。
こんな態度をとられると普段なら腹が立ってどうしようもないのだが、この人物だけはど
うしても憎めなかった。なんというか古き良き日本の母という感じだ。

続いて京塚志津江は視線を横にずらして私の横にいる霞を見やる。

「おやまあ。こんなに小さい子が働いているなんて!怪我したりしてないかい?辛くない
かい?」 
京塚志津江は完全に娘を心配する母となっている。

「大丈夫…です。」

人見知りしやすい社が初対面の人物にしっかりと返答したことに内心驚いた。
「まあまあいい子だねえ。まだ育ちざかりなんだからたんと食べて良く寝るんだよ。」
そういって社の頭をなでて朝食セットをよそったのだが 明らかに量がおかしい。
私や他の連中のものより量が多い。しかし満面の笑みでこちらを見ている京塚志津江の好
意を無駄にすることが出来ないのだろう。社はしばらく葛藤したのち、おとなしくそれを
受け取ったのだった。

席について一口食べて分かったことがある。
横浜のPXで提供される合成食料は他のところのそれより格段に味がいい。

「おいしい…です。」

私の対面に座る社も同じ感想のようだ。
そうやって朝食を味わって食べているところにピアティフがファイルを小脇に抱えて現れ
た。
あの書類はおそらく本日着任してくる件の衛士2名のものだろう。
私が食事中であることを見て取ったピアティフは遠慮していた。私がかまわないからこち
らに書類を渡すよう合図する。

「お食事中失礼します。件の衛士のプロファイルをお持ちしました。」

「ありがとう。」

私はファイルを受け取る。

「彼らは今日横浜に到着するそうよ。着いたら出迎えてまっすぐ私のところへ連れてきて
頂戴。」

「わかりました。失礼します。」

「そういえば。」

去っていくピアティフの後姿に声をかけた。

「ざっと見てこの二人の経歴に何か問題はあった?」

私が尋ねるとピアティフは少し難しい顔をした。
「片方の衛士は正直なところ良くわかりません。彼の経歴は…」

「ありがとう。続きはこれを見るわ。引き留めて悪かったわね。」

「失礼します。」

今度こそピアティフはPXより去って行った。



手渡されたファイルにはピアティフが言いよどむ程の何かが書かれているらしい。
気になった私は手早く食事を済ますと霞を連れてPXを後にした。







なるほど、確かにこれは。
ファイルを見てピアティフが言いよどんだ理由を理解した。
二人いる衛士のうち片方 エレン エイス少尉に関して言えば何の問題もなかった。
しかしもう片方 蘇芳 林太郎中尉のプロファイルに関して言えば何とも言えないのであ
る。反逆罪だとか普段の素行が悪いとかそういう類の事は一つも書かれていない。
では何が問題なのか。 それは彼の経歴の1997年以前のデータが存在しないことだ。
彼の入隊は1997年9月となっている。つまり軍に仕官する以前のデータが存在しない。
何よりまだ16歳だ。
BETAの進軍速度が速く避難が間に合わないために大陸にいた日本人の戸籍データが消え
てしまうなんて話は良く聞く話だ。彼もその口だろうと予想はつくが、重要な計画を預か
っている身としては推測の域を出ない話で彼を懐に引き込むわけにはいかない。私の周囲
を絶えず間者が嗅ぎまわっているのだが、彼がその手の人間ではないという確証はない。
しかし、これを逃せば次の補充はいつになるやら。
衛士としての経歴がどれほどの物なのか私には詳しいことがわからない。
予想外の事態に苦しむことになった私は彼の軍歴だけを抜き出し改めてプロファイルを作
成し、気心の知れた友人である、神宮寺まりもに助言を求めることにした。
神宮司まりも
現在、練馬駐屯地に間借りしている横浜衛士訓練学校の教官を務めている人物で香月夕呼
とは帝国軍白稜基地時代からの付き合い。若干19歳で帝国軍最精鋭部隊である富士教導隊
に在籍するなど輝かしい経歴を持つ。帝国軍での最終階級は大尉だが、香月夕呼に招聘さ
れて国連軍の教官職に就く際に便宜上軍曹に降格となった。
香月夕呼がもっとも信頼する部下であり、親友だ。



部屋に入って早々に私に対して敬礼しようとするまりも。

「私がそれ嫌いだって知ってるでしょ。」

「しかし周りに示しがつきません。」

「この部屋には私とあなたしかいないわ。」

「はあ、わかったわよ。」
まりもは溜息をつくと昔のような口調に戻した。
それを見計らって私は話を切り出した。

「今年の訓練生はどう?いけそうかしら。」

「ええ、順調に仕上がってきているわ。」

「すでに伝えてあると思うけど1月には練馬を引き払ってここに訓練校を移すつもりよ。」

「ええ分かってるわ。 夕呼、そんな話をするために私を呼び出したわけじゃないでしょ。」

まりもは首をかしげた。

「そう、お見通しね。まずはこのプロファイルを読んでほしいの。」

そういって件の衛士のプロファイルをまりもに渡す。
彼女はそれを受け取ると中身に目を通した。
ころあいを見計らってまりもに率直な感想を求める。

「そうね。軍に入る前の経歴がわからないというのは気になるわね。」

「それ以外は。 特に軍歴のほうについて何かあるかしら。私はこういうのあまり詳しく
ないから。」

「軍歴はかなりのものよ。軌道降下兵団は国連軍きっての精鋭部隊。彼らは降下した回数
でベテランか否かを決めるって聞いたことがあるわ。うそ…彼3回降下してるわ。」

まりもの声に驚愕の色が混じる。

「3回降下するとなにかあるわけ?」

私がそう聞くと彼女は鼻息も荒く詰め寄ってくる。

「良い、新米ダイバーを100人集めて1回降下させれば20人に減り、もう一回降下させれ
ば4人になる。3回目の降下をすれば生き残りは0ね。」

「つまり彼は中々の“強運”の持ち主って事ね。」

「強運も強運ね。さらに言えば戦術機の操縦技量も相当なものなはずよ。ところで夕呼、
これはVFA-01のプロファイルじゃないわよ。なんでこんなもの持ってるのよ。」

「なんでって、今日ここに来るからよ。」

資料を握りしめて興奮気味のまりもに対して私は少し引きながらその質問に答えた。

「まりも。落ち着いて聞いてちょうだい。VFA-01は現状では部隊として活動できる状態で
はないわ。あなたが鍛えた新人も来年2名が入隊してくるのみ。私は早く元通りにしたい
のだけれど、新人を待っていては何時までたってももとには戻らないわ。だから伝手を使
って練度の高い衛士を余所から引き抜いたわけ。」

VFA-01の現状のくだりで少し、そうほんの少しではあるがまりもの目に悲しみの色が浮か
んだ。今までVFA-01に在籍していた衛士は全て彼女が鍛え上げた。自分より先に逝ってし
まう教え子たちにかなり堪えるものはあるのだろう。

「まりも。私の前で無理はしなくていいの。私は准将で、あなたは軍曹なんだから。」

「ありがとう。でも大丈夫よ。それより今を何とかしなくちゃ。 私の意見では彼を迎え
入れるべきだと思う。衛士としての腕は恐らくこの基地随一かもしれない。」

まりもは私をまっすぐ見つめて正直な意見を述べた。

私は彼女の言うことに驚いた。
なぜなら
「この基地にはあなたが鍛えた伊隅や速瀬もいるのよ。」

「ええ、そうね。でもね、なんとなくわかるの。それは3回降下したとか、若干16歳のダ
イバーとかそういうことじゃない。」

これは当てずっぽうじゃない。彼女に確信させる何かがあるのだ。
私にはそれがわからない。

「じゃあなぜ。」

「目よ。多くの教え子を持ったわ。だからわかってしまうの。この目は多くの出会いと別
れを見届けてきたんだなって。」


そういう彼女はどこか遠くを見ているようで私だけ一人取り残された。そんな気持ちにさ
せられた。私は内心の思いを払しょくしてこれから先の予定を組み立てる。

「そうあなたがそこまで言うのならばきっと確かなことなのね。明日、伊隅たちとぶつけ
て実力を見るわ。」

まりもは暫し思案していたが唐突に私に告げる。

「夕呼。 一つだけお願いがあるの。この子と話をさせてもらえないかしら。それに教え
子の活躍も見たいわ。」

まりもが彼に何を重ねているのかわからないが、きっと先達として何か伝えたいことがあ
るのだろう。彼女の提案自体はあらかじめ予想されたものだったので、許可をだして話し
合いはこれにて終幕となった。

「ええ分かったわ。なら明日彼を迎えに来て頂戴。 話はこれで終わりよ。」


横浜基地は夜も騒がしい。 眠らない基地横浜として、近隣にも轟くほどの音を立てて工
事をしているが、近隣はBETAの侵略時に廃墟と化しているので苦情を言うものはいない。

かくいう私も基地の地下で資料の運び込みと、研究機材の配置について指示出しをしてい
た。


そこへ壁に反響するヒールの音を捉える。この音はピアティフのものだ。
私は後ろを振り向いた。



ピアティフの後ろにウイングマークをつけた軍人が二人。





待っていたわ。 蘇芳 林太郎。


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