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No.34254の一覧
[0] MuvLuv Alternative Possibility (TE&Alt) オリ主[Haswell](2013/03/11 22:45)
[1] プロローグ[Haswell](2013/08/23 18:40)
[2] 横浜基地にて[Haswell](2013/08/23 18:41)
[3] 想い[Haswell](2013/08/23 18:46)
[4] MANEUVERS[Haswell](2013/08/23 18:51)
[6] War game[Haswell](2013/08/23 19:00)
[8] Alternative[Haswell](2013/08/25 16:33)
[9] 番外編 試製99式電磁投射砲[Haswell](2012/10/29 02:35)
[10] Day of Days[Haswell](2012/10/27 22:34)
[11] Project  Diver[Haswell](2012/11/06 23:11)
[12] Dog Fight[Haswell](2012/12/03 20:55)
[13] Active Control Technology[Haswell](2013/03/12 21:28)
[14] Tier1[Haswell](2013/06/13 16:56)
[15] FRONTIER WORKS[Haswell](2013/08/23 01:10)
[16] ATM[Haswell](2014/01/02 03:12)
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[34254] 横浜基地にて
Name: Haswell◆3614bbac ID:6d928994 前を表示する / 次を表示する
Date: 2013/08/23 18:41
既に知っている人から見れば大変
うっとおしいものかもしれませんが
Muv-Luvをあまり知らない人でも読めるようできるだけ用語の説明も
交えていきたいと思います。







HSSTが規定高度に達し激しいGが体を襲う。大気圏突入によって窓の外は赤く染まり
今私たちが横浜へ一歩一歩近づいている事を教えてくれる。
私が横浜はまだか、まだかとうずうずしている事を敏感に察したエレン少尉などもはや呆
れ顔だ。
「私のせいで苦労を掛けてすまないな、少尉。」

エレン エイス少尉
今、私の右隣に座っている金髪碧眼の美しい白人女性。出身はカナダ。
降下作戦時に戦場で一人取り残された彼女を拾ってからこの方、私の部隊に配属されてい
る。
基本的に髪は短く切りそろえられ、前髪を髪留めで留めているが後頭部から一房の髪を腰
のあたりまで伸ばしている。
以前、後頭部より伸びる髪の毛の事を馬の尻尾みたいだとからかったら、半殺しの目に遭
った。二度とからかうまいと心に誓ったのは私だけの秘密だ。
そしておそらく私より年上だ。 実際何歳なのかは…怖くて聞けない。
 
起床と同時に私のところへ来たエレン少尉に事情を告げ、一路横浜に向かっている。

「いえ。あの時助けて頂かなければ私は今ここに存在していませんでした。こうしてここ
で溜息をついていられるのも中尉のお蔭ですので。私は中尉に一生ついていきます。」
そういってエレン エイスはいたずらっ子のような微笑みを浮かべた。

「そうか。私についてくるのなら出世街道からは永久にコースアウトだな。」
そういって少尉に笑い返したのだが、少尉は不思議そうな顔をして私に告げた。

「もう少しで滅亡を迎えそうな世界で出世して一体何になるので?」

「違いない」

私はそういって上辺では笑いながら、改めて突きつけられた現実に、内心驚きを禁じ得な
かった。

2000年を超える人類の歴史がたったの26年で滅亡の一歩手前まで追い込まれているのだ。

1958年
人類は初めて地球外に住む生命を火星で発見する。その報告は世界を飛び回り一大センセ
ーショナルを巻き起こした。 各国はきそって火星への探査計画を発表し、地球外生命体
とのファーストコンタクトという栄誉をどこが成し遂げるのか連日紙面はにぎわいを見せ
た。
1967年
今までの地球外生命体ブームに水を差す事件が発生する。
月面のサクロボスコクレーターを調査中の地質調査チームが火星の生命体と同種の生命体
と接触し通信を絶つ。
そして第一次月面戦争が勃発。
このとき火星で初めて発見された生命体はBeings of the Extra Terrestrial origin which is
Adversary of human race 人類に敵対的な地球外起源生命 通称“BETA”と命名された
のだった。
人類はBETAとの戦争で有効な戦略を見出すことができず6年後の1973年
ついにBETAは中国新疆ウイグル自治区喀什に着陸ユニットを展開し地球への侵略を開始
した。
そして1999年現在
ユーラシア大陸はほぼ陥落し、人類は有史以来最大の危機を迎えている。


人類はBETAに対し未だに有効な対策を講じることができていない。




赤く染まっていた空が徐々に青くなっていく。激しい揺れも収まり、大気圏の壁を突破し
て地球に戻ってきたのだと実感することができる。

「再突入殻での大気圏突入とは大違いですね。こんなに快適に空から降下できるなんて。」

「そうだな。それにこいつなら突然落ちることはない。」

そう言いながら私は、窓から外を見る。丁度その時、太平洋を太陽がゆっくり沈んでいく。

「綺麗」

少尉がつぶやいた。

「ああ、まったくだ。」




HSSTからラダーを使って滑走路に降り立つ。
私たちの機体はHSSTより降ろされて87式自走整備支援担架に積み替えられて何処かへ連
れ去られた。
横浜を見て私は言わずにはいられなかった。少尉も困惑気味だ。

「おい、これは基地と言っていいのか」

「わっ私には判断しかねます。」

滑走路から見えるすべての構造物の外壁に足場と防音シートが組みついている。
ものすごく灰色である。
日が暮れた今でも工事は継続しているのか、ここかしこで溶接の火花が散り、騒々しい音
がする。
滑走路から見える構造物も、管制塔、警備関連施設、そしてあれは…ハンガーだろうか
とにかく必要最低限度のものが申し訳なく佇んでいる。 そういった状況だ。
呆然と立ち尽くしている我ら二人の元に一人の女性が近づいてくる。
あたりが暗くて良く見えないが、時折溶接の為に飛び散った火花に照らされて、彼女が黒
のスーツに灰色のブレザーで構成される国連軍C型軍装を身にまとった女性であることが
分かった。
彼女との距離が縮まり、ようやくはっきりとした姿を捉えることができた。
溶接の光に照らされて輝く金色のショートヘア、耳には赤いイヤリングをしたなんとも仕
事のできる秘書?のような女性である。軍装につけられた階級章は中尉のものだ。
互いに敬礼し、彼女が切り出した。

「蘇芳中尉とエレン少尉ですね。私は香月博士の秘書をしているイリーナ ピアティフ中尉
です。博士から二人をお連れするようにと言われています。ついてきてください。」

彼女が秘書ではないかと当たりを付けていた私は内心ガッツポーズなわけだが、そんなこ
とよりも今は彼女に伝えなければならないことがある。
「イリーナ中尉。実は我々は今到着したばかりでラダビノット司令に着任の挨拶がまだ済
んでいません。まずはラダビノット司令のところへ行かなければ。」
そういうと彼女は少し驚いた表情をしていたが、やがて何かに納得するととんでもないこ
とを言い放った。

「ラダビノット司令への挨拶は香月博士への挨拶が終わってからでかまいませんよ。
それより急いでください。博士の予定はかなりタイトですので。」

そういって基地の入り口に向かって歩いていく。
あまりに想定外の一言に我々は立ち尽くすほかなかった。
この基地で階級が最も高いのは当然基地司令のパウルラダビノッドその人である。
そして横浜基地への転属が決まった時には香月博士の名前は書類に一切記載されていない。
基地司令への挨拶より優先されるという謎の博士との面談。
未だ完成とは程遠い状態であるにも関わらず稼働するという前代未聞の状況に只々圧倒さ
れるばかりであった。

「急いでください。」

入り口まで歩みを進めたピアティフ中尉は私たちがついてきていないことに気づいて、手
招きする。
ここで立ち止まっていても何も始まらない。
怒られてしまった私と少尉は顔を見合わせ駆け足で彼女の後を追うのだった。





基地の内部に入った私たちはまたここでも驚かされることになる。
外面が全くと言っていいほど完成していないにもかかわらず、基地の内部は基地の体裁を
成していたのである。エレベーターなどは仮設で内部でも溶接光をここかしこで散見する
が外の状況と比べれば遥かにましだ。
工事に従事する者たちが忙しなく動いている中をすり抜ける。
やがてピアティフ中尉は一台のエレベーターの前で立ち止まった。
今まで見てきたエレベーターすべてが仮設のものであったのに対しこの一台だけはなぜか
正式なものが設置されていた。みるからに怪しい。
ピアティフ中尉はセキュリティーキーを取り出すとエレベーターのコンソールにかざす。
赤く光っていたエレベーターのランプが緑色に変わり、扉が開いた。
エレベーターは地下に向かう。


エレベーターから降りた私たちは、香月博士のいるエリアに向かって廊下を歩いている。
元ハイヴを利用した基地構造だからなのか妙な既視感を感じてしまう。
これなら新しい基地で迷子になる可能性は低くなるなと内心喜びつつも、すっかりハイヴ
オタクとなってしまった自分にショックを感じた。

横浜基地は、H22横浜ハイヴ
日本帝国軍呼称 甲22号目標の跡地に建設されている。
ハイヴとはBETAの前線基地の事だ。
モニュメントと呼ばれる上部構造物とスタブと呼ばれる地下茎そして反応炉により構成さ
れている。反応炉はスタブの最深部にある大広間に存在しておりハイヴに住むBETAにエ
ネルギーを供給している。その詳細は謎に包まれた存在である。
ハイヴ内にBETAが存在する間、ハイヴは絶えず拡張工事が続けられ、巨大化、多機能化
していく。
ハイヴは大きさによっていくつかのフェーズに分けられる。
地球に存在するハイヴはフェーズ1から6までである。
そしてここ、横浜ハイヴはフェーズ2に属するハイヴであった。
フェーズ2ハイヴは上部構造物が50m以上、地下茎の最大深度は350m地下構造物の水平
到達距離は2Kmとされている。
そんなものの跡地を利用するのだから当然基地は巨大なものとなるだろう。


やがて開けた場所に出た。その中心に特徴的な後姿の人物を発見した。
紫色の肩までかかるミディアムヘア。C型軍装の上に白衣をまとい周囲に指示を飛ばしてい
る。

ピアティフ中尉が彼女の元へまっすぐ向かっていく。


ピアティフ中尉のヒールが床に刻む足音に、彼女は気づいたようだ。
彼女がこちらを振り返る。
やや吊り上り気味の赤みがかった瞳がこちらを射抜いた。


一見して気の強い人物であることがうかがえた。




ああ、間違いない。
















「博士、例の二人をお連れしました。」







この人が香月博士その人なのだ。


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