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No.34254の一覧
[0] MuvLuv Alternative Possibility (TE&Alt) オリ主[Haswell](2013/03/11 22:45)
[1] プロローグ[Haswell](2013/08/23 18:40)
[2] 横浜基地にて[Haswell](2013/08/23 18:41)
[3] 想い[Haswell](2013/08/23 18:46)
[4] MANEUVERS[Haswell](2013/08/23 18:51)
[6] War game[Haswell](2013/08/23 19:00)
[8] Alternative[Haswell](2013/08/25 16:33)
[9] 番外編 試製99式電磁投射砲[Haswell](2012/10/29 02:35)
[10] Day of Days[Haswell](2012/10/27 22:34)
[11] Project  Diver[Haswell](2012/11/06 23:11)
[12] Dog Fight[Haswell](2012/12/03 20:55)
[13] Active Control Technology[Haswell](2013/03/12 21:28)
[14] Tier1[Haswell](2013/06/13 16:56)
[15] FRONTIER WORKS[Haswell](2013/08/23 01:10)
[16] ATM[Haswell](2014/01/02 03:12)
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[34254] Active Control Technology
Name: Haswell◆3614bbac ID:90207859 前を表示する / 次を表示する
Date: 2013/03/12 21:28
長らく投稿していなかったために、全く書けなくなっていました。
まだおかしい部分も、もしかすればちらほらあるかもしれません。

3/12 一部訂正


今回の話は、文才的な意味とは別に、非常に悩んだ回でした。

原作のオルタネイティブが作られていた時点ではモデルとなった
F-22 ラプターは世界最強と喧伝されていました。 
推力偏向ノズルの搭載により、例え接近されたとしても、
高いドッグファイト性能が約束されている。そういった文言でした。それをベースにカタログスペックが作られた戦術機
ラプターはすべてにおいて最強(近接戦の武御雷除く)といった感じの扱いでした。
しかしそれから時がたち現実的にはF-22の近接性能は
第三世代機を下回る事が露見していると思います。近接でT-38タロン
つい最近ではレッドフラッグにおいてEF-2000に敗北を喫しました。
それらを踏まえF-22を若干下方修正しました。


IRSTがステルス機を補足するという話ははじめロシアから上がりました。 現実問題としてレッドフラッグでEF-2000はIRST(レーダーほどの
遠距離は索敵できできない。)を用いてF-22を補足したようです。

また電子戦云々に関してですが、電子戦機のEA-18G グロウラー
が電子欺瞞を用いたかどうかは不明ですが、F-22をキルした話を参考にし
ています。


長文失礼しました。  皆さんのご意見も参考にしたいため長々と
書き連ねました。



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小ネタ
一般人の認識
F-4 ファントム   
世界初の戦術機。

F-15 イーグル
イーグル。 よく飛んでるやつ。

F-22 ラプター
灰色の気障なやつ

TSF-TYPE 00 武御雷
何それ?

EF-2000 ユーロファイター

ユーロファイタス社製、第三世代戦術機。
英国はECTSF計画の名称の元に欧州各国の技術を結集し、
パレオロゴス作戦でえられた戦訓を元に侵攻能力、機動性、運動性を
追求した第二世代戦術機の開発を画策する。
開発は難航し、奇しくも同時期に米国で開発が順調に進んでいた
F-15 イーグルに顧客を攫われ計画は破綻する。
1994年に英国は計画の一大転換を図り、ECTSFをより機動近接戦闘
向けに強化した第三世代戦術機としてESFPを試作。
その高い性能を欧州各国に見せつけ、F-15からカスタマーを
取り戻すことに成功する。以後計画は順調に進み、
EF-2000 ユーロファイターが誕生する。
全身にスーパーカーボン製ブレードが搭載され、それは空力的な補助
機体制御装置の働きもなす。
頭部モジュール前縁にはショック・ボウが取り付けられている。
西独軍仕様のG-36をイメージしてデザインされたGWS-9 突撃砲やハルバードタイプの長刀、英国軍仕様の両刃直刀型長刀など武装バリエーションは多岐にわたる。

伊軍仕様の近接装備はナイフとフォークとなっており、 
管制ユニット内でパスタがゆでられるようになっているという噂がある。


なお余談であるが私はEF-2000に特に思い入れはない。
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「中尉、少しいいでしょうか。」
閉じかけたエレベーターの扉に素早く体を滑り込ませ、乗り込んできた男が言った。
男の顔には覚えがある。香月 博士の研究に携わる一人で大規模集積回路関係の開発を担
当していたはずだ。大方、戦術機開発の話を博士から聞いてきたのだろう。今は人でも足
りない。多くの分野の専門家たちの手を借りたい所だ。

「香月博士から戦術機開発プロジェクトの件を伺ったのですが、我々もプロジェクトの一
員として参加させていただきたいのです。」

「ええ、喜んで。あなた方の参加を歓迎します。」

Part nine Active Control Technology

蘇芳 中尉が激闘繰り広げている陰でもう一つの戦いの火ぶたが幕を切って落とされた。

PM20:00 January 6 2000
横浜基地 地下

横浜基地地下会議室 つい最近ある目的のためだけに集められたメンバーの姿がそこには
あった。最初の顔合わせの頃と変わりない顔ぶれが集まる。あれだけの無茶な要求に対し
て誰一人かけることなく、2度目の会議が行われているところを見ると、ここに集まる皆が
BETAに蹂躙されている世界の現状を憂いているのだと輪島に感じさせた。 あれからそ
れぞれの部門ごとに分かれて作業部会が開かれた。今日はその結果を持ち寄り、具体的な
機体の方向性を決める重大な会議だ。皆緊張した面持ちで席に座っている

「それではこれから会議を始める。」

輪島の一声でA-01仕様の戦術機開発に携わる関係者の会議が始まった。
皆が真剣なまなざしで会議資料に目を通し、自らの担当セクションでは前に立ち概要を説
明する。質問し、メモを書き加えては隣の者と意見を交わし合う。 輪島はその光景を眺
めながら、一人悩んでいた。一昨日蘇芳と具体的な仕様についての意見を交わしたとき、
蘇芳の口から漏れた一言が輪島を悩ませていた。

「米軍が使用するラプターとの交戦の可能性について排除はできない。」

それはつまり、現在構想中の戦術機が対戦術機戦において、現行最強と言われるステルス
戦術機との戦闘をこなさなければならないということを意味する。4ローブ方式を採用する
F-22ラプターのRCSはA4紙一枚分とも言われている。ラプターをレーダーで捕捉するた
めにはいったいどうすればいいのか、その解決策を未だに思い描けていなかった。

「対戦術機戦において、ラプターと同等の戦闘能力を獲得するためには新型機にもステル
ス能力を付与する方向で調整するほかありません。」


やがて一人の技術者の発した一言に皆が頷き、ステルス性を付与するという方向性で話が
まとまりかけたとき、限りなく銀に近い金髪の女クリス・ヴァレンティンのつぶやいた一
言で再び場は静まりかえった。

「それは複雑な構造を持つハイブ地下茎での柔軟な機動性を捨て去る事になる。」

今まで黙って事の成り行きを見守っていたグレアムが不意に口を開く。

「ステルス機を捉える為にIRSTを使う。そういった手段もある。ステルス機であっても摩
擦熱からは逃れられない、。」

「IRST?」

「赤外線目標探知装置。文字通り赤外線を利用した探知装置だ。レーダーを反射させるス
テルス機も動いている以上、赤外線は放射している。日本のメーカーでも研究は進んでい
るはずだ。ステルスこそ最強の答えだと過信しているアメリカではあまり研究は進んでい
ない。」

「なるほど、レーダー波ではない以上ジャミングは効かない訳だな。」

輪島の感心したようなつぶやきにグレアムは一言注意を付け加えた。

「しかし、天候に左右される上、具体的な距離はそれ単体でははかることができない。そ
ういった問題点がある。高度な電子戦能力と併せて運用する必要があるだろう。」

開発チームに希望の光が見えてきた。誰もが一様に安堵のため息をつき、これで一件落着
といった雰囲気の所に若手のある男が水を差した。

「ラプターにも高度な統合電子戦システムが備え付けられているとか、化かし合いになれ
ば、電子戦能力は無力化する可能性があると思います。」


余計な一言を


内心誰もが思ったことだが、これから衛士が命を預ける機体だ。おざなりにはできない。
事態が閉塞し、みながこれ以上の対策を思いつかなくなった。
輪島がふと眼前に目をやれば、ついこの間蘇芳 中尉が連れてきた一人の男が視界に入っ
た。石間 弘樹。会議が始まってから一言たりとも発言せず視線は資料に落としたままだ。
輪島は腹に一物ありそうな雰囲気の男に、ダメ元で問いかけた。

「ステルスを優先した機体設計の都合上、味方を電子の傘で守るような積極的な電子妨害
をかける能力が付与されるとは考えにくいでしょう。ステルス機の最大の利点は”レーダー”
に映らない事ですから。レーダー上で目立つような自己主張はしないと思います。我々は
逆により積極的な電子戦を行う機体を開発すれば良いのではないかと。高度な電子戦を行
うには複座型にし、電子妨害士官を搭乗させるのが普通ですが、自動化によってこれを省
き、単座でも扱えるよう設計します。」

先ほどから、歓喜と落胆のジェットコースターを行ったり来たりしている男たちにとって
この程度では喜べない。あと一押しがほしいところであった。

「ハイヴ内での柔軟な機動に関してはCCVの導入で6自由度の運動能力を獲得させて、飛
躍的な運動性能の向上で対応しましょう。ラプターにおいて、CCV機能の付与はステルス
性の追求によって失われた機動性能の補填に使われています。ラプターと近接戦闘になっ
た際に、CCVを念頭に置いて空力優先で設計した機体はラプターより自由な機動をとるこ
とができる。」

男の口から矢継ぎ早に飛び出した提案に皆、頭がオーバーヒートした。熱心にメモをとっ
ていたものなどは途中で手が完全に止まっていた。しばらくメモを整理していたエンジニ
アが石間の発言を整理し本人に確認をとる。

「つまりそれは、電子戦機と同じ電子戦能力を戦術機に持たせ、それによって敵のレーダ
ーをかいくぐり、IRSTによって敵機を捕捉する。よってRCSを気にせず空力性能の強化
に焦点を当てた機体形状にする。 そういうことでよろしいか。」


石間は首肯して見せた。




「それは可能なのか。味方を電子の傘で防御し、電子妨害士官もいらないほど自動化され
たシステムと高度な機体制御をこなすコンピュータ。現在計画中のF15ACTVは機動制御
の複雑な演算をこなすために、メインのシステムの他に、2台のコンピュータが追加されて
いると聞く。」

会議に出席する技術士官の口から放たれた疑問に、石間は涼しげな顔で答える。
「香月博士の下で我々が行っている研究が役に立つかと。詳細は明かせませんが香月博士
の高い要求に応えるためには、市場に出るプロセッサより遙かに高いパフォーマンスが必
要とされていました。我々はそれに答えるため日夜研究に励んでいます。その成果を流用
できるかと考えています。」


最も肝心の香月博士の研究には何ら貢献できていませんがね。

石間は喉から出かかった言葉を飲み込んだ。香月博士の下についてからというもの、自ら
の無力感にさいなまれ続けてきた。ここでやっと我々のいる意味を、存在価値を示すこと
ができるのだ。

研究畑一筋のようでいてなかなかどうして
輪島は石間の博識さに驚かされた。戦術機開発は彼にとっては専門でないのは明らかであ
る。研究員は往々にしてエンジニアやその仕事を馬鹿にしたところがある。自分たちはよ
り高度なことをやっているのだといった意識が態度の端端に現れ、こちらのやっているこ
とやその技術は意にも介さない。
石間 弘樹は研究者にしては異質な男である。それが輪島の抱いた感想であった。
思えば香月博士も近しいものからは風変わりなところがあることで有名のようだし、横浜
基地は変人の巣窟なのかもしれない。かつて自分が変り者であると言われていたことをす
っかり棚に上げて、輪島は一人で納得するのであった。

と同時に輪島は疑問を感じざるをえない。

この案件に関わって初めて知ったことであるのだが、
横浜基地は香月博士を中心としたとある目的のために建てられた基地である。
その目的のために国連は自らが持ちうる予算の多くを横浜に投下していた。
石間は横浜基地が隠している秘密の根幹部分に関わる人間だ。その技術も当然秘匿される
べきものだろう。それを本計画に使用しても大丈夫なのか否か、そういった考えが胸中を
よぎるも、そんなことは自分のわかることではない。余計な考えを頭から追い出し、輪島
はかねてから暖めていたあるプランについて話した。




皆の同意を得られると輪島は満足そうにうなずく。
極東の片隅で作られる戦術機が世界に羽ばたくと信じて、会議の締めに
入った。


「初期作戦能力獲得までどれほどかかる。」








長らく閉じられていた会議室の扉が開かれた。そこで固唾をのんで見守る男がいた。石間
が扉から出てくるのを見ると、慌てて駆け寄った。

「我々でもできることがあった。これから忙しくなる。至急第三研究室に全員を集めろ。」

石間の一言に部下は安堵の表情を浮かべた。石間は両肩に重くのしかかるプレッシャーか
ら解放されたような、晴れやかな気分であった。困難な要求に不満一つ漏らさずに、不眠
不休の努力を続ける部下たちに報いるためにもなんとしても成果を上げねばならなかった。
この機を逃せば電算機システム開発団は金食い虫との汚名を返上することはできないだろ
う。

このとき石間の中でかつてないほどの情熱の炎が燃え上がっていた。




















1978年のパレオロゴス作戦以降、欧州方面での人類の戦いは全く芳しいものではなかった。
カシュガルからひたすら西進を続けるBETA群に対して、人類は後退に次ぐ後退を繰り返
していた。83年、ライン川での遅滞防衛作戦の成果むなしくドイツを失う。85年欧州連合
軍はダンケルクを撤退、BETAは欧州最後の砦であるイギリスに上陸を開始する。一時は
ロンドン南部までの侵攻を許すも、半年間の激闘の末、BETAをドーバー海峡以南に追い
出した。現在欧州はイギリスを除き完全にBETAの支配下にあった。

January 21  2000
ラムズゲート 欧州国連軍統合教育センター

BETA侵攻により欧州のほぼすべてを失った欧州各国は欧州連合を設立し、各国軍隊は国
連軍の元に統合された。欧州各国の新兵は正式配属前に、国連軍の教育機関での研修が義
務づけられている。それは将来における欧州一大反攻作戦時において民族、宗教などの対
立を緩和させる狙いがあった。そのため教育センターに所属する新兵は皆、国連軍C型軍
装の着用が義務化されている。
元々は人口4万人、観光と漁業を主だった産業としていた小さな田舎町であった。しかし
今、欧州国連軍に勤務する者や、その関連企業の社員たちによって人口は何倍にもふくれ
あがった。町が活気づいたとはいえ、それはBETAが未だ欧州で猛威を振るっていること
証左であると考えれば、市民たちの胸中は複雑なものであった。

そんなご時世である。砂浜に立ち、遠く欧州の地を見つめる3人の少女達の間に漂う雰囲
気は欠片も艶のあるものではなかった。しかしその瞳は新人特有の未来への希望と情熱に
燃えていた。この時期になれば毎年見ることができる微笑ましい光景に市民達は心が和ん
だ。

「遂にあと少しでBETAを倒し、我がフォイルナー家の名を世に知らしめることができ
る!」

「そういったことは、まず死の8分を乗り切ってから言うものだろう。それにまだ任官ま
で2ヶ月もあるぞ。」


拳を握り、夢を語ってみせる少女にヘルガローゼは眉間を指で押さえため息をついた。
先ほどの少女、イルフリーデは友人の態度には頬を膨らませる。
その様子を見て、ルナテレジアはクスリとほほえんだ。直情的な性格であるイルフリーデ
と、冷静沈着で合理的な思考を持つヘルガローゼは互いに反駁し合い、口げんかも絶えな
い。 そんな2人が訓練校でうまくやってこられたのは偏に、ルナテレジアが2人の間を
取り持っていたからに他ならない。3人は西ドイツ陸軍に所属する衛士の卵であると同時に、
プロイセン地方貴族の令嬢であった。
洋上から現在試験最終段階を迎えた欧州制戦術機、EF-2000タイフーンが3人の頭上高く
を通過した。



「あれはタイフーンっ!」

イルフリーデはその姿を掴もうと飛び上がる。
軍人であっても、そうお目にかかることはない新型戦術機の姿にはしゃいでいる友人に、
いつもなら一言二言お小言を漏らすヘルガローゼも、今回はタイフーンの姿をその目に焼
き付けるのみであった。

「やはり、トーネードとは違うか。」



ヘルガローゼの風に紛れそうなつぶやきを、ルナテレジアは聞き漏らさなかった。
そのことにヘルガローゼが気づいたときにはすでに手遅れだった。
黄緑の髪色に違わぬ穏やかな性格の姫君、ルナテレジア・ヴィッツレーベンだが、こと戦
術機の話になると豹変する。訓練学校で初めてそれを目の当たりにしたときには皆、その
あまりの変わりように、1週間近く彼女とどう接すれば良いのか戸惑ったものである。以来、
周りはそれを彼女の“聖域”と呼び、決して触れないよう細心の注意を払ってきた。しか
しヘルガローゼも新型機を間近で見られた興奮から、つい気が緩んでしまったのである。

「第三世代戦術機たるEF-2000 ユーロファイターと第一世代戦術機であるF-5フリーダ
ムファイターは比べるまでもありませんわ!確かにフリーダムファイターは鈍重なF-4フ
ァントムに比べて軽快な運動性高い整備性経済性を兼ね備えたすばらしい機体ではありま
すが…」

恍惚とした表情で語られる3度目となる戦術機講義に、イルフリーデとヘルガローゼは互いに顔を見合わせて肩をすくめた。
2人の心中は珍しく一致したのだった。



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