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No.33107の一覧
[0] 【チラ裏から】 優しい英雄[ナナシ](2013/10/12 01:03)
[1] 導入[ナナシ](2012/05/12 14:02)
[2] 一話[ナナシ](2012/05/13 12:00)
[3] 二話[ナナシ](2012/09/03 14:45)
[4] 三話[ナナシ](2012/09/03 14:49)
[5] 四話[ナナシ](2012/08/16 19:00)
[6] 五話[ナナシ](2012/06/23 15:14)
[7] 六話[ナナシ](2012/09/03 17:23)
[8] 七話[ナナシ](2012/09/28 19:31)
[9] 八話[ナナシ](2012/09/28 19:31)
[10] 実験的幕間劇 黒兎の眠れない夜[ナナシ](2012/11/07 02:45)
[11] 九話[ナナシ](2012/10/23 02:10)
[12] 十話[ナナシ](2012/11/07 02:48)
[13] 十一話[ナナシ](2012/12/30 19:08)
[14] 十二話[ナナシ](2013/02/22 17:30)
[15] 十三話[ナナシ](2013/04/05 02:10)
[16] 十四話[ナナシ](2013/06/06 01:43)
[17] 十五話[ナナシ](2013/06/06 01:41)
[18] 十六話[ナナシ](2013/10/17 18:12)
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[33107] 十四話
Name: ナナシ◆5731e3d3 ID:e64705e1 前を表示する / 次を表示する
Date: 2013/06/06 01:43
「俺を殺すつもりか? 月詠中尉」
「……」

月詠が銃口を白銀に合わせようとする前に、白銀は既に銃の狙いを彼女の額に定めていた。いくら予め抜いていたとしても不意を突いたはずなのに寸分の隙もなかった。撃つ前に殺す。男の眼がそう語っている。月詠はそれを悟り、白銀に返答もせずただ睨みつけた。
彼の後ろの鎧衣が肝を冷やしていることが彼女には察しられた。交渉が帝国にとって利益、不利益になるかどうかも分からない状態で相手に銃を向けるなど論外も良い所なのだろう。
だとしても月詠はどうしてもこの男にこれ以上話を続けさせたくはなかった。その思いは白銀とこうして対峙してさらに強まっている。

「白銀 武。お前を……いや貴殿を帝国に、冥夜様と殿下に関わらせてはおけない」

彼女は既に背景に控えているであろうここの女主人よりも、目の前に居るこの男自体に最大限の警戒と恐怖を感じていた。男の持つ権力や武力などではなくより根本的なもの、人間白銀 武にだ。何が怖いのかは分からない。論理的に説明できるものでは決してなかった。だがそれと同じものを過去彼女は味わっていた。
死線の中で生還も期待できなくなり、ただひたすらBETAを屠り続けて死んでいった衛士達。生きるのに必死なのではなく殺そうとする妄念に憑りつかれていた仲間達。同胞である月詠でさえ一歩退かせてしまったものを、白銀は持っていた。そして死ぬ前に死んでしまった者達とは一線を画いている。
彼らは手負いの狂った獣だ。その狂気で敵も味方も戦慄させ最後に己さえ殺すのが彼らだ。恐れたところですぐさま死んでいく獣達が人間に与える害など程度が知れている。けれどもこの男は違う。激情だけで動いては自分の望みは叶わないとしっかりと分かっている。そしてその身体にはとびっきりの牙と爪がついていた。第四計画と渡してきた資料というとびっきりの牙と爪だ。
この男は周りに最大限に災害を振りまいた後に望みを叶えて無惨に死んでいくことだろう。それに彼女の主君を巻き込ませることなど言語道断であった。
白銀は月詠の気迫に押されることなく言葉を吐く。

「月詠中尉。貴方に聞いておきたいことがある」
「何だ?」
「貴方の守りたいものは何だ」
「先程も言った。帝国と冥夜様、殿下の御両人だ」
「それでは帝国のためならば二人を切るか? 殿下の御身のためならば御剣も殺すか?」

戯言を。月詠はそう切り捨てようとするが白銀の表情がそれを止めさせる。下らない例え話ではない。真剣に彼は月詠に問いかけていた。

「彼女達のためならば自分の誇りは捨てるか? 彼女達の誇りのためならば彼女達自身の命は失われても良いか? そしてその逆の場合は?」

ここでふと月詠は合点がいった。白銀はしっかりと知性を持った獣だ。事実彼の周りの者達が彼女が持つような警戒心を抱いてはいなかった。それでは月詠は何故この夜にそれに気付けたのだろうか? 簡単だ。白銀がわざと月詠に自身の姿をさらけ出したのだ。そしてそれはこの問いをするためだということだ。
だがなぜ月詠にこのような問いを投げかけているのか。いや彼女の薄々なれども白銀の考えを把握はしていた。彼の執着するもの、望みこそが原因だ。そしてそれは

「貴殿は……どうなのだ。貴殿が守りたいものはなんだ」
「御剣訓練兵の生命の保障だ。それだけではない。俺が望む人達全員の生命だ。そしてなにがあろうと諦めたりするつもりはない。どうあっても、必ず守ってみせる」

それは月詠が守りたいものと同じ。白銀から受ける恐怖が一層増す。純粋な感情の吐露。だがそれは純粋すぎるゆえ得体のしれぬ未知への恐れを抱かせてしまう。
白銀は彼女に牙を見せている。お前は自分の味方に成りえるのかと聞いてきている。しかしもし違うのならば容赦はしない。最早それは宣戦布告に近い。白銀は御剣に対して敵意を抱いてはいない。そう告げられても月詠は安堵することなどできなかった。
何度も言うがこの男が正気ではない。なるほど御剣には害をおよばさないかもしれない。だが彼の目的のため、白銀が執着する人物以外にはどんなことをするかは分からない。必要ならば帝国さえ焼くかもしれない。

「答えてくれ。中尉はどうする? 御剣の誇りの為ならば彼女の生命が失われるのも止むなしとするか? 殿下と帝国の為ならば彼女を死地へ送れるのか? 仮定ではない。断言するぞ。何もしなければこの先必ず御剣は死ぬ。絶対だ」

月詠は主君を守護する武家だ。奉仕するべきは主君。公式には一人、心には二人。生命や誇りさえ投げ捨て尽くすことこそが武家の誉だ。けれども彼女は人間でもあるのだ。主君の為ならば民一人の命でも捧げても良い。咎ならば己で背負ってみせよう。だが千や万ならばどうするか。彼女等のためならば国でさえ崩すか。
無理だろう。そうなれば主君を裏切ってでも帝国を守るのだろう。月詠は人間だ。仰ぐべき方だろうが天秤の反対に乗せられた重みに怖気づくはずだ。それが普通の人間であろう。どこかで折り合いをつけなければならない。だが白銀は容赦なく御剣と他の者の生命をとるはずだ。

「私は……」

彼女は何と答えればよいかしばし迷う。彼は必ず御剣がこのままでは死ぬと確信している。しかもそれは通常では避けがたい事態だと少なくともこの男は思っているのだろう。だが証拠は無い。正気を失ったことからくる狂言とすることが妥当である。
しかし御剣がいかに危うい立場に立たされているかは月詠は嫌でも理解していた。明るい未来が望めぬ程彼女のもう一人の主君の行先は暗い。そして月詠が御剣にしてやれることなど無いにも等しいに近かった。
月詠は白銀に対して僅かばかりの嫉妬を覚えてしまう。何が白銀を突き動かしているかは知らない。どうして白銀が御剣にそのような思いを抱いているのかも分からない。だが彼が思うその感情は本物であり、それを遂行することに躊躇がすることはない。
彼の行動は危険だろう。道理に反する事さえ軽々と行ってしまうはずだ。それを真似して良いはずがない。それでも御剣に対し彼女は何もしてやれず、白銀がそれをできるのは事実だ。倫理さえ超越し助けられることに一瞬の全貌を抱いてしまう。
だが、それでも月詠は人間だ。

「私は日本帝国の衛士、月詠 真那だ」

答えは拒絶だ。

「そうか」

大した感慨も見せずに白銀は頷く。

「で、もう一度聞くが俺を殺す気か? 月詠中尉」
「殺されてくれるのか?」
「無理だな」

白銀は危険な男だ。月詠は言葉を交わした後でもそう判断する。一刻も早く殺すべきだとすら考えている。だが今拳銃のトリガーを引こうとするのならば、その前に月詠の脳漿は弾けることだろう。そして彼女はただの衛士にすぎない。謀殺や暗殺はできないし、男がさせないはずだ。
彼女は今できることは何もない。極めつけに白銀の目的は彼女の主君と帝国に敵対したり危害を加えることではないのだ。もし今可能性も無いのに排斥に動けば、少なくとも帝国はこの男と事を構えることになるだろう。忌々しい。忌々しいが退くべきであると状況が示している。
だから月詠は向けた銃口を下に向ける。
できるだけこれからも月詠は白銀を監視していかなくてはならないだろう。帝国と自らの主君の幸運を月詠は祈る。そして心の中で、ほんの少し、彼女自身が意識できぬ程僅かながら、彼女が助けることができない主君に執着する哀れな獣に幸あらんと願う。





鎧衣は白銀が晒した人間性に驚嘆しつつもそれ以上に渡されたものに驚き、恐怖心と混乱で一杯であった。
手元にある資料を食い入るように見る。そこには信じられない文字が羅列している。情報はおそらく添えられていた記憶媒体に保存されているのだろう。よって今手元にある資料は収められているものの表紙となるもの。それには何ら情報は記されていない。

『ML型抗重力機関搭載型第五世代型戦術機:桜花』、『第四世代型戦術機:梅花』、『12・5クーデター事件』、『2001、2002年BETAの動向』

その内容は鎧衣は何かの冗談だと笑いたくなる。荒唐無稽、笑止千万。実在しない戦術機にキナ臭い事件名。挙句にはBETAの未来行動さえ記されるその言葉は信じるに値しない。本来ならばだ。
恐るべきことに全てが帝国の公式資料なのだ。紙面にはでかでかと帝国印が押されている。しかも戦術機の資料に至っては何と米国と思われるものさえ添えられてあり、それには米国国防省を記す印があった。額面通りに受け取るのならば書かれている内容は全て真実ということになる。
鎧衣は微かに震える手で月光に紙を透かす。手元の暗がりでは分からなかった微細な『空かし』の紋様が浮かび上がり、より見やすくなった帝国印は寸分の狂いも無かった。少なくとも彼にはこれが本物であると感じられた。
そしてこの公文書はそこらの省庁が扱うものとは次元が違う。帝国政府が一括管理し門外不出と定めているものだ。空かしからも分かる通り紙面それ自体が偽造防止として役立ち、内容が書かれておらずとも紙自身が機密だ。これらの偽造は不可能とは言わないが時間も金も膨大にかかるだろう。だからこそ今まで鎧衣はその公文書が示された場合、偽物かどうかなど考えたこともなかった。それでは手に持つこんな非現実的なものがこれは全て真実なのか。
ふと見れば月詠は既に銃口を下していた。ここにきて初めて鎧衣は紙片に没入していたことを恥じた。状況を少しとはいえ把握できなくなるとは諜報員の面目が丸つぶれだ。だがそんなことよりもまず鎧衣は白銀に問いたださなくてはいけなかった。

「シロガネ タケル。これはどういうこと――いや、これは何だ。どこから手に入れた」
「先程も言っただろう。それは我々の成果であり、全て本物だ」

銃口を向けられていたというのに一切気負うことなく白銀は答える。それが鎧衣にはうすら寒く感じた。どのような時でさえ絶やすことのなかった微笑が既に消えかけていた。しかも彼の領域である交渉時においてだ。

「答えになっていない」
「帝国側のあんたに話す必要があるか?」

白銀という男の存在と意図を彼は全く理解できていなかった。素性も分からない。白銀の立ち位置も分からない。渡されたものの出所も分からず、何を考えて出され彼に何を期待しているかも分からなかった。けれども薄々と一つのことについては鎧衣は感じ取っていた。
彼は対面する男をまじまじと見やる。眼が顔つきが佇まいが、打算も利益も自己保身も無く、ある一つのものだけを追い続けている。それは先程白銀が言った様に彼が気に掛ける人物の安否。それ以外は眼中にも無いのだろう。だからこそこの男には命が危うくなろうが、他人の理解が得ることもできなかろうが些事なことなのだ。
厄介だ。この上なくやりにくい。そして薄気味悪かった。冷静に狂っていると形容すればよいのか。ここの副司令もそうした気があるが、そこいらの若者が醸し出すとそのちぐはぐさで一層増すものがある。


「それではこちら側を動かすことができる程のものなのだろうな?」

こういった男が目的遂行のための努力までも惜しむはずがない。説明さえ無いということは、つまりはこの資料はそんな手間さえも必要としない程の劇薬なのだ。

「文字通り、額面上そのままの内容だ。何に役立つかはそれが本物ならば答えるまでもないだろう? そしてそんなありえないものを持っていることも無視できないはずだ」

未来の情報。そんなものがあるか、鎧衣は出かかった言葉を飲み込む。第四計画、微かなれども可能性があることがすぐさまの否定を止めさせる。そしてだからこそ白銀が強硬に出てこれるとも取れた。もし本当ならば確かにこちらに交渉の利を説くまでもなく要求できるだろう。
ここにきて鎧衣は考えを止める。真偽が分からず白銀の重要度が理解できない今は要求を呑むことはできない。だが逆に突っぱねることもできないのだ。上客のように接し、今日のところは早く退散するべきであると思いつく。どちらにしろ鎧衣は伝令役であり、よくて折衝することしかできない。
気が動転してしまい相手に主導権を握られていることもあり、鎧衣は簡潔に会話をたたもうとする。

「そちらの要求は?」

ちらりと白銀が月詠に視線を移す。何故か鎧衣は嫌な予感に捉われる。要求は要求に過ぎないのだから何を言おうが余程のことが無い限り問題ない。笑って皮肉の一つでも言いながら拒否すれば良いのだ。
だが鎧衣には白銀に出会ってしまった時点で、否白銀がこの帝国内部にいる時点で既に手遅れであると感じてしまっていた。

「殿下に拝謁したい」









香月 夕呼の顔には常に身に纏っていた覇気というものが全くもって消え失せていた。執務室で机に向かいながら、一切手を止めることなどなく仕事を続けながらもどこか眼の焦点が合わない。
疲れからくるものではない。事実彼女の仕事環境は依然とは比べ物にならない程改善していた。理論が完成し、行動方針を白銀が決定する様になってからは、副司令の雑務以外は白銀の補佐しかない。周りの横槍も今は全て気にする必要が無い。
ポーカーで例えればこちらは全ての手をロイヤルストレートフラッシュで決められるのだ。戦略を練るのでさえ不要だ。ひたすら限界値でベットしていれば良いのだ。
現在彼女は持ち込まれたXM3のシステムの最終確認を行っていた。完成されているとはいえ確認もせずそのままロールアウトはできない。しばらく画面をスクロールさせていき、そして画面から目をそらし背もたれに身を預ける。柔らかく沈み込む感覚が気持ちよかった。

「情けないわね」

第四計画が成就されることが確定した以上、香月の使命は別次元ともいうべき自分が送り出した白銀の行く末を見守ることだ。それに最大限協力することこそが彼女が進むべき道なのだ。だが彼女の『娘』だった者との会合から十数日が過ぎ、彼女の頑強な精神にも少しの綻びができていた。
今朝の娘の来襲が原因だ。あの会合から全く会っていなかった少女に会った時、香月の心に一瞬消えてしまった娘、社 霞のことが浮かんでしまったのだ。何かを怖がり年相応に表面に出た幼さ。限りなく似ているが決して同じものではない。しかしそれが彼女の心を強く打った。
何故自分はこうして娘を殺した者達積極的に協力しているのだ? 最低限手助けすればあの男は成功するだろう。もしかすれば失敗して人類が滅びるかもしれないが、その時は男の絶望の顔が見れるではないか。
普段ならば絶対に考えないであろう感情論が彼女の心の一部を占めていた。理性では非道をつくしてきた己が言えたことではないし、文字通りの自業自得、そして失敗は万が一許されない以上協力すべきだということは分かっていた。だが、それを実行しないことと考えないこととは別物だ。
普段通りの香月 夕呼ならば仕事に忙殺されることで日々を過ごし、心の整理を済ませるだろう。しかし皮肉にも改善された仕事環境が彼女を無駄な思考に陥れていた。無論香月 夕呼は強い人間だ。一週間もしないうちにとっとと自己完結するだろう。だが今少しはできない。
彼女以外がいない部屋の中、時計の秒針の音だけが響いていく。秒針が二回りしたころだろうか、彼女は身を起こし作業に戻る。とにかく仕事に溺れるしか今は手がないだろう。

(ん?)

それから数十分が過ぎ、香月は画面に表示されるプログラムの中に不思議なものを見つけ出す。幾度も確認した中で記憶にもないファイルが紛れている。それはどこのシステムからも独立しており、まるで突如発生したようであった。いや、いくら気の抜けた彼女であろうとも仕事が疎かにはならない。
文字通りこれは降ってわいたものなのだろう。なんだろうか。疑問と共に彼女はそのファイルを吟味する。容量は見る限り非常に少ない。それこそ文章に直せば1文か2文にしかならない。プロテクトが掛かっているらしく普通に精査するだけでは開けなかった。
渡されていたXM3自体にはなんらそうした措置が無いにも関わらず、こんな極小のファイルにプロテクトが掛かっていることは不審でならなかった。だがさらに調べていく内にあることに気付く。それは香月自身がいつもファイルにかけるものと全く同じものであったのだ。
香月の胸は高鳴った。子供が何か宝物を発見したような、説明もできない高揚感だ。彼女はいつもの手法でプロテクトをはずす。そして中身を見る。それはどこにでもあるテキストファイル。だが

「!」

それは香月を奮い立たせた。先程までの失意がどこにいったのか、そこにいたのは極東の雌狐と呼ばれる一人の女傑だ。

「…………えげつないわね。やる意味なんてないでしょうに。いやでもこんなことで挫折するならば私じゃないって言いたいのかしらね」

傲岸不遜。凡百を歯牙にかけない不敵な笑みを浮かべた彼女は、誰とも分からぬ人物に毒を吐く。今の彼女ならば米国の大統領でさえも叩き潰す気概に溢れていた。

「私が柄にもなく落ち込む時期に巧妙に時限式のプログラムを入れるなんて何とも最低ね『私』。でもこれが作動したということは……」

その時彼女の目の前の自動扉が開く。入ってきた人物を目に入れ、にんまりと、いつもの彼女が浮かべる嫌な笑みが顔にでる。

「いいわ。白銀。全身全霊で手伝ってやろうじゃない。でも私のやり方でね」

その夜。この世界の香月 夕呼の戦いが本当に始まった。


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