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No.28072の一覧
[0] 光菱財閥奮闘記!! 【9月25日 本編更新】[カバディ](2012/09/25 15:32)
[16] 第Ⅰ章<始動編> 2話 契約 《7/6改訂更新》[カバディ](2012/07/06 18:32)
[17] 第Ⅰ章<始動編> 3話 目標 《7/6改訂更新》[カバディ](2012/07/06 18:33)
[18] 第Ⅰ章<始動編> 4話 会議 《7/6改訂更新》[カバディ](2012/07/06 18:35)
[19] 第Ⅰ章<始動編> 5話 瑞鶴 《7/6改訂更新分》[カバディ](2012/07/06 18:36)
[20] 第Ⅰ章<始動編> 6話 初鷹 《7/6改訂更新分》[カバディ](2012/07/06 18:36)
[21] <第Ⅰ章>設定 1980年編 [カバディ](2011/10/13 18:12)
[22] 第Ⅱ章<暗躍編> 1話 商売 《10/28改訂更新分》[カバディ](2012/01/04 16:09)
[23] 第Ⅱ章<暗躍編> 2話 政治 《10/30改訂更新分》[カバディ](2011/10/30 15:50)
[24] 第Ⅱ章<暗躍編> 3話 戦況 《11/4改訂更新分》[カバディ](2011/11/12 16:50)
[25] 第Ⅱ章<暗躍編> 4話 量産 《11/8日改訂更新分》[カバディ](2011/11/19 16:59)
[26] 外伝《東欧の地獄編‐Dracula lui mormnt‐》 第1話  集結 [カバディ](2012/01/04 16:10)
[27] 外伝《東欧の地獄編‐Dracula lui mormânt‐》 第2話  東欧 [カバディ](2012/01/04 16:11)
[28] 外伝《東欧の地獄編‐Dracula lui mormânt‐》 第3話  戦場 [カバディ](2012/01/04 16:13)
[29] 第Ⅱ章<暗躍編> 5話 愚策 《11/12改訂更新分》[カバディ](2011/11/19 16:57)
[30] 外伝《東欧の地獄編‐Dracula lui mormânt‐》 第4話  場景[カバディ](2012/01/06 19:10)
[31] 外伝《東欧の地獄編‐Dracula lui mormânt‐》 第?話  日常[カバディ](2011/09/12 23:32)
[32] 第Ⅱ章<暗躍編> 6話 冷戦 《11/21改訂更新分》[カバディ](2011/12/03 14:27)
[33] 第Ⅱ章<暗躍編> 7話 現実 《12/3改訂更新分》[カバディ](2011/12/03 14:18)
[34] 第Ⅱ章<暗躍編> 8話 権威 《12/21更新分》[カバディ](2011/12/21 20:06)
[35] 第Ⅱ章<暗躍編> 9話 理由 《12/21更新分》[カバディ](2011/12/21 20:09)
[36] 外伝《東欧の地獄編‐Dracula lui mormânt‐》 第5-1話 乱戦[カバディ](2012/07/07 20:08)
[37] 外伝《東欧の地獄編‐Dracula lui mormânt‐》 第5-2話 調整 [カバディ](2011/10/26 19:36)
[38] 外伝《東欧の地獄編‐Dracula lui mormânt‐》 第5-3話 対立[カバディ](2012/01/06 16:08)
[39] 外伝《東欧の地獄編‐Dracula lui mormânt‐》 第5-4話 結末[カバディ](2012/01/06 19:29)
[40] 第Ⅲ章<奮闘編> 1話 新造 《7/8新規更新》[カバディ](2012/09/25 14:27)
[54] 第Ⅲ章<奮闘編> 2話 増援 《9/25新規更新》[カバディ](2012/09/25 15:32)
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[28072] 外伝《東欧の地獄編‐Dracula lui mormânt‐》 第5-2話 調整 
Name: カバディ◆19e19691 ID:f630435c 前を表示する / 次を表示する
Date: 2011/10/26 19:36
1985年1月17日 1530 ルーマニア社会主義共和国 コンスタンツァ軍港付近 国連派遣軍増設基地群 G棟地下2階フロア 戦域情報管制室


一個軍団が燃えている。全てが、町が文明の象徴が光と赤蜘蛛どもに消されていく。

BETAが襲来してから人々を守るためにあるはずの軍が『戦線』とは呼べもしなくなった群れと成り果てたのは何日、いや何時間前からだったのか。

それすらもわからぬほど化け物から逃げ惑い、見るも無残な醜態をされしている人類の軍。

その姿を俯瞰して見るともはや人類の未来を表すがごとく、片方が圧倒的な個体差によってなぎ倒されていく。

その片方があの憎っくきBETAであればどれほど幸せか、そう思わずにいられないほどの凄惨さを眼前の戦場が示しており、思わず目をそらしそうになってしまう。

「この映像…見るのに精神に来るものがあるな…無人偵察機はあと何機ほど残っている?山田真耶中尉」

その画面には国連の管理下にある偵察無人機が撤退に乗り遅れた中隊が、今まさに襲われている場景を映し出している最中だった。

「た、大佐っ!?何時御戻りに?」

今目の前でうろたえている、どう見ても高校生ほどにしか見えない彼女。

だいたいの予測はつくが大方、高級士官となった俺がいきなり現れたことに驚いているのだろう。決してその映像に気落ちしていたわけではないはずだ。もはやこの3日で見慣れた光景なのだから。

…まあ貴重な天然コーヒーまでこぼしてくれるほど驚いてくれるとは思わなかったこともあるが、もう少し気を使うべきだったかなと思ってしまう。


「ああ、さきほどこちらについたんだ。派遣されてきた国連の将官と指揮系統から補給問題の整理をするのに手間取ってね。」

「そうなんですか…東西で兵器の規格とか違いもありますから、そこの調整を含めてですか。お疲れ様です」

本当にこちらを思いやる彼女だが、こうして見ると戦場を管制する派遣軍司令本部、生々しい戦況が伝えられる戦場の一部にふさわしい年齢に達しているとは思えない。

その山田中尉は実質日本を中心とした2年前から細々と続けられていた東欧国連派遣団に入ってから1年、情報士官(今はCP将校とも言うようだが)としてその類稀なる情報処理能力と戦域把握能力に磨きをかけ、今や俺が一目を置く情報士官として成長を遂げていた。

最初はその戦況を見て顔を青くする毎日で、声が震えて"練習では出来ることでさえもできない"と嘆いていたものだが、やはり女性は強いということなのだろう。今では的確な判断を下せる「立派な軍人」の面(つら)をしている。

…たしかここに来てから憧れの男性を見つけたことがその成長に影響を与えたと、女性士官あたりが言っていたのだが、その人物がこの悲惨な状況で生き抜いていてほしいものだと思う。


「君たちもお疲れさん。で無人機の件なんだけど、どうなっているかな?」

「も、申し訳ありません。現在まで撃墜されたUAVは国連軍669機、同盟軍は概算ですが400機を超えているようです。また3日前の国連からの補充を含み、こちらのUAVは残り327機、同盟は100を切っているとの報告が入っております。」

光線級の迎撃照射によって発生する、空気のプラズマ化によって発生する電波障害。

山田中尉の報告通り、羽虫の如く撃ち落とされている無人機だが部隊間データリンクにまで影響が出ている今の現状、その被害を込みにしても十分な成果を上げてくれる大きな味方だ。

それは空中からの偵察が難しくなった昨今、その重要性は上がっており、1年ほど前から配備された安価でコストパフォーマンスに優れる、日本製UAV《83式無人偵察機》の成果もあってか、この1年での戦果向上に繋がっている。


それは3日前に発生した地中侵攻も同じであり、広範囲に散っていたBETAを早期に発見することに成功し、最悪の予想よりかは遥かに低い被害に抑えられたのも、この無人機の働きのおかげであろう。

ここ東欧でもずいぶんと情報把握と指揮が楽になったものだ。

が、BETA数約20万、やっと3分の2程度まで減らしてはいるがその膨大な数の前では減る速度が早すぎて、最悪後7時間後には空中の偵察網に穴が開く。やはり数、光線級の脅威はまだ人類からぬぐえそうにない。


「未だに光線級の数が多いな…重光線級が少ないことは幸いだが、いつ出てくることかわからない以上油断はできそうにないな。…海上からの支援は?」

「国連軍指揮下に置かれる各国海軍から支援砲撃が2日前より開始されており、14時間前にアメリカの14任務艦隊が到着、13時間前の0230時に北アフリカ連合海軍の交代を完了、国連の元砲撃ローテーションに入りました。

また3時間後1830には南アフリカ海軍、13時間後0630にはブラジル・アルゼンチンの共同派遣艦隊が到着。同時に国連傘下に編入、支援砲撃のローテーションに入るとのことです。」

バンクーバー協定並びに京都協定によって発生する、各国の軍事支援の義務化。

3年以上前から始まる各国の義勇軍だがその損耗に嫌気がさした各国は、国連の提案として形作られるようになった《地域連合による連合艦隊》を編成。陸上に比べ損害が低い海上支援に乗り出す国が多くなっている。

これに同調するのはエジプト・リビアを中心とする北アフリカ連合。
メキシコ・コロンビア・ベネズエラ・キューバを中心とする中米諸国支援協定。

そして南アフリカによって地域統合が進みつつある南部アフリカ連合と中東の後陣地として近年発展を遂げているソマリア、エチオピア、スーダンなどによる東部アフリカ支援同盟であり、地域国家の繋がりが強くになり始めており、後方国家における連合国家化が現実味を帯び始めているのだ。

その結果なのか世界経済が最近になって好転している影響なのか、国連主導による海上支援もバカにならないものになっている。

「(今回の海軍側の総指揮をとっている国連地中海総軍…といってもそこまでの規模ではないけど、その指揮能力に不安がある以上、こちらの情報を的確に回さなければならない。
その支援要請の円滑化についてはここ2日で何とか形にはなっているが、問題はこれから激増する各国の海軍だ)」

だがその量と言うのも、上手く使いこなさなければただの混乱を招く要素にしかなりえない。

その対処のために国連は今回のような随時来る各国の艦隊を指揮下に入れ、管理しなければならない任務を求められることから、戦闘艦ではなく、純粋な戦域管制と指揮能力に絞った巡洋艦改造艦が用いている。


それは地中海に属する欧州各国からアフリカ諸国などの近くに地域に対して国連より出された緊急要請にこたえた各国と、

定期的にキプロス国連軍港などに派遣されている中南米や南アフリカ、オーストラリアや東南アジア諸国などの総数は世界第3位(…)の日本を超えているからで、

これらの艦艇はここ2年で対BETAとして"熱く"なっている地中海に常に張り付けられており、それらをある程度管理できる体制が構築できたからこそ今回のように早期に支援を行うことが出来たのである。


それは今も続けられており、技術の進歩によって陸上兵器と海上兵器との火力の差が縮まったとはいえ、200mmを超える巨砲などによる支援砲撃は圧巻の一言。

東欧としても海上支援を織り込んだ体制に移行しており、自走砲などの支援砲撃部隊の大部分、3分の2を内陸側に移動させているが、それでも海上からの火力がある湾岸側の防衛の方が戦況を優位に進めているのだ。

「(確かにその海上支援はすごいものがある。だがその指揮する艦が軽巡洋艦クラス数隻でしかない以上、把握できる量は限られるだろう。海上の情報管制の一部をこちらにもいれるよう打診するか?それとも日米の艦に割り振るかだな)」

と思っていた矢先、目の前の画面に映る偵察無人機の映像に目が引かれた。

それはB-17地区との番号が割り振られた連隊陣地周辺の映像であり、BETAの攻勢によって孤立しかけている陸の孤島。

その映像には凄惨な状況の部隊が駐屯する基地―――基地と言って良いものなのか、というほどBETAの死体と壊された兵器の残骸、そして人であったものが散乱しており、その能力のほとんどが失われた陣地に、数千のBETAが今正に蹂躙しようと接近しているところのリアルタイム映像だった。

そこから見られるのはあきらめの境地。

今まで頑張った。あと少しで撤退が間に合う。その希望にしがみつき、逃げ遅れた仲間を集め、ここまで戦力を維持してきたその部隊。その数千人の集団の奮迅を踏みにじるかごとく、あらわれた異形の者達。

それによってあと数分でBETAになじられ、喰われるであろう部隊を映したそれは、残念なことにここ数日何度も繰り返された戦場の事象の一つでしかない。

それを知るこちらにしてもその戦力を足止めする陸上戦力がない以上、見捨てるしか他にない状況に追い込まれ、「またなのか、己の無能でまた仲間が死んでいくのか」と言った心境で見るしかない映像だったのだ。


―――そう、だったのだ。


それは轟音と共にやってきて一瞬の元、何もかもを引きちぎる。


先ほどまで敗色濃厚だった部隊の戦況まで吹き飛ばしたそれは、押し寄せようとしていた数千のBETAをも爆炎の連鎖に包み込み、破壊の限りを尽くし、蹂躙していった。


その破壊力たるは陸上戦力では到底ありえない代物であり、


―――この奥地にまでそこまでの制圧力を誇る艦はただ一つしかなく

―――この戦域でそれが出来る艦隊もただ一つであり

―――そしてこの地域にその艦隊を送った国もただ一つである


「日本帝國第2派遣艦隊 旗艦 信濃以下、同第3派遣艦隊と合流。現時点を持って支援砲撃を開始しました。」

それは日本が世界に誇る戦艦大和。

制圧力においてこれに打ち勝てる艦種は他になく、それを上回る戦艦を持つのは日本にしかいない。

その大和級 三番艦 『信濃』 46センチ砲三連装三基という化け物兵器を乗せた戦艦

それに率いられる第2派遣艦隊と、30.5センチ砲三連装三基を持つ、昔で言えば十分に戦艦の領域に届く大型巡洋艦最上。

その艦が旗艦となる第3艦隊の合同支援砲撃による結果であり、またたく間に3000近くのBETAが砕け散る様子だった。


「信濃を旗艦とする第2派と最上級大型巡洋艦を旗艦とする第3派が合同で支援砲撃とは…胸が熱くなるな…」

この言葉の通り、そのようなことが実現したことは過去に一度もない。海外に派遣されている4つの艦隊のうち、中東ペルシャ湾で活躍している第2が、ここ地中海で活動する第3と同じ海にいることなどありえなかったからだ。

そのはずだったのだが、東欧の危機に対し、国連の要請によって急遽援軍として到着することになった第2派は、3日かけてブルガリアのヴァルナ港にて補給後、第3と合流することになったのだ。


「大佐はそういえば軍艦好きだったんですよね。やはり嬉しいものですか?」

「うれしいさ!なにせ自分達がピンチになったところにあの戦艦大和が登場だよ?
日本男児ならだれしもが喜ぶんじゃないかな?ほら後ろをごらんよ!!」

その俺の言葉の通り、山田中尉が振り返ったところ情報指揮所に詰めていた情報士官、男子全員がその画面を見つめニヤけ、喜びをあらわにしていた。その表情は女性士官の「味方を助けることができた」という喜びのほかに、趣味の色、と言えば良いのか、男の子の顔が見え隠れしていたのだ。

さもあらん。

「大和が来るっ!!て言うのがね、もうね。やばいんだよ。本国の方に改大和級やそれより大きい紀伊級があるとしても、戦前活躍した大和級の活躍を間近で見れるとなると、やはりこう、グッとくるものがあるんだよ。漢にはさ!!」

それらの大和級を超す大型艦が、83年から開始された大規模改装で使えない今、今の日本、そして世界に置いてその破壊力を上回る戦艦はおらず、単一の兵器にしてみれば世界最強の艦なのだ。

戦前の失敗として「大和などの戦艦ばかり作るから」「大型にすれば良いって問題じゃない。補助艦をしっかり」といった声を良く聞くが、"これ"を見てそれと同じことを言えるだろうか。


相手が人間であればまた結果は違うが、今の相手はあのBETAなのだ。その活躍を見ればわかるが、心の底からスカッとする。感情が高ぶるのを抑えられそうにないっ!!

「は、はあ…そうなんですか」

山田中尉はこのロマンというものをわかってくれないようだ。やはり女性と男性の感性の違いなのだろうか。かわいそうに。



戦後から「日本の守りにして日本経済の重り」とまで揶揄されてきた彼女達戦艦。

維持費がかかる非常にわがままな彼女達だがそれを強いたのは彼女本人ではなくアメリカであり、肩身の狭い思いをしたのはなによりも彼女達4姉妹なのだ。

そのうっ憤を晴らすようにここ数年縦横無尽の活躍で戦場の女神達の歴史を見てくれば、この活躍に胸が張り裂けそうになるもんなんだが…わからないかなあ…

「現在の艦隊数から見ても、湾岸部の防衛はこちらの優位に進めそうですね。」

あら、凄く冷静だ。この子。まあ戦艦の話はここまでにしてだ。現時点での被害を把握しておかなければコンゴが立ち行かなくなる。仕事仕事。

「…このままなら湾岸部の防衛に関しては順調に行きそうだね。あとは国連の補給態勢がどこまで続くかだけど。なにか海上支援での問題は表面化しているかな?」

緊急でしかも国連の元の各国ごちゃまぜ艦隊。それがローテーションを組んで支援しているとはいえ、問題がないはずがなかった。


「補給問題に関しては順番の不備があったとしても艦隊の総数が多いためか、支援に対し十分な火力を継続出ているのですが…問題は損害のほうです。

光線級の数は激減してはいるのですが、それに応じて軽巡洋艦以下小型艦艇に多少の被害が出ております。」

やはり射程距離と黒海という海の特性からか、小型艦艇から光線級にやられているか…

元々地中海から中東国家に関して小型艦艇輸出していた日本企業。

最近はその攻勢を強めており、経済規模からして大型艦を購入できない国家に対し、周辺諸国との共同大規模購入を推し進めている。これはそれによってそのコストを下げ、周辺諸国からの海上支援を任せようとしているのだ。

「やはり練度も関係しているだろうけど、即応した指揮能力を発揮する艦が必要になるだろうな。…米軍も小型艦が?」


「米軍に関しては安全圏内からの一方的なミサイル攻撃ということと、ダメージコントロールが優れておりますので被害は軽微で済んでいるようです。

もちろん他国も同じではあるのですがその経験の差、ミサイルを多量に使用できる下地がありますので、不用意に近かづかずに一方的な支援攻撃に終始しております。」

「まあ光線級の照射範囲外からの長射程のミサイルをバカスカ使えるのはアメリカくらいだからね。ミサイル関係は日本も遅れていることは否めない。日本の第3に関してはどうかな?」

「損害は今日までの補給4回を含む支援砲撃任務において、駆逐艦中破2小破2軽巡中破1です。

日本の艦艇に関しては全ての艦砲の射程距離が長いため、アウトレンジ攻撃にこちらも徹底しており、その方向性は日米とも違いますが、見せている結果は同じようです。」


戦後、経済の重荷になるようにアメリカから戦艦など、艦砲を用いる艦を多く持たされることを強要されてきた日本帝国海軍。

それによって確かに経済は鈍調になったし、アメリカが恐れていた近代型空母機動艦隊の配備は遅れただろう。

なにせ金食い虫の戦艦が大和級が4、改大和級が2、排水量11万トン(アメリカ最大の原子力空母であるニミッツ級ジョージワシントンを超えており、軍艦では世界最大)を超える紀伊級が2と空母以上に金がかかる戦艦を8隻も維持しなければならず、毎年兆単位の維持費がかかるのだ。

そのため日本帝国がもつ空母は、1975年より製造されている三浦級中型空母戦術機空母。軽空母よりは大きいが通常型空母には今一歩及ばない中途半端な空母が数隻のみであり、空母機動艦隊など夢のまた夢だ。


だがそれだけお金がかかる戦艦という艦艇。日本帝国が戦争に負け、戦後の経済界からの圧力を受けてそのままにするだろうか。得る物はなかったのだろうか。

アメリカのように世界全ての海で活動する原子力空母ならいざ知らず、対ソ連にしてみれば過剰な戦力である日本の八隻の戦艦。

予備役に編入したり、モスボール処理をされながら活動している戦艦の数を少なくしつつ、どうにかしてその維持費、コストパフォーマンスを向上させようと、涙ぐましい努力を30年以上続けてきた日本帝國海軍の技術士達。

その長年の努力は実を結び、その長射程と命中精度など艦砲に限っての技術で言えば日本は世界一の技術を持っており、現にオーストラリアや世界の海軍に昔から、艦載速射砲などを輸出している。

それは昨今のBETAの影響でむしろその輝きを増しており、

長年の技術の進歩により、戦艦の艦砲射撃は対BETAで見ればミサイルよりもコストパフォーマンスが勝っているほどだ。


「(一番長い任務時間でその損害、さすが帝國海軍…と言いたいけどやはり艦載砲を交換したからかな。)」


その結果の頂点が、1984年より日本帝国の既存艦艇(軽巡以下)に積まれることになった艦載砲であり

素材成形技術や新素材による底上げと、それまでの技術とはその技術体系から異なった技術を用いて射程を延ばしながら破砕力を落とさないことに成功した。

また光線級による迎撃を考えれば、長射程でありながら尚且つ、一発のコストが高くないそのバランスを254mm、10インチ砲を選定。

高瀬級軽巡洋艦の主砲となる254mm単装速射砲として大量に製造されて、日本帝国軽巡の標準砲となっており、その長射程、速射能力は光線級がいるときにこそ発揮される対光線級砲艦であり、今回でも如何なく発揮されている。

(※今までの戦艦は射程距離がネックとなっており、光線級の射程限界である有視界範囲、つまり地球が丸い影響で相手が地平線に隠れてしまうまでの範囲が戦艦の上部構造により約30~80キロ(この誤差は相手の場所の高さで推移・山ならもっと広い)までが被害圏内に入ってしまう。

対してこちらは大和でも有効射程範囲が54キロと短かったため、BETAからの被害の可能性があった。)


「わかった、山田中尉ありがとう。では次に東欧の各陣地様子について、ここ数時間は変わりあるか、報告してもらえるかな?」

さきほどの連合海軍が支援できる範囲は、最大で陸地に60キロほどであり結局のところ一部の範囲で優位に立つことしかできない。

それによって内地への部隊の比重を寄せることになり、助かる部分は確かにあるが、海軍戦力の増加=陸軍戦力へと同程度の増加とは成りえない。


「国連より付与された無人偵察機と偵察使用の戦術機小隊によって、BETAおよび各陣地の様子をとらえていますが、主要陣地に籠る各部隊大小合わせて24か所、総勢12個師団ほどは戦力を維持。

周辺BETAは第1防衛ラインを抜けようとする個体と各施設の破壊に努めており、想定以上の規模で攻勢をしかけるまでにはいたっておりません。」

「(結局海軍が頑張ってくれても我慢比べであることには変わりない、か。いや、本来ならここから悪化していた方が可能性としては高かったことを考えると戦力を維持できたことを喜ぶべきか。)

戦術機甲、及び機甲部隊の状況報告はどうなっているかな?確か、東欧の第2軍集団が山脈の方に戦力を取られていたね?」

「はい。30分前から変わらず東欧の戦術機甲に関しては、カルパティア山脈と第1次防衛ラインの後方、急増している第2次防衛ライン前に主力を展開しており、その他は主要陣地に回されております。

ドナウデルタ及び海岸側に関しては海軍の支援に頼る形になり、各軍団より戦術機を抽出中とのことです」

そうなると、立て篭もる部隊への戦術機の部品が底をつきそうだな…確か東欧は未だMIG21が7割を超えていたから、どこからまわすべきか。

「被害の状況は?」


「はい。今作戦における戦術機投入数は東欧約3200。82時間後の現時点では中破機、国連からの供給分を含め約2800機にまで減じております。

一方国連は2時間前の支援部隊を含め現時点で約800機にまで拡大。

東欧に対しての緊急支援物資の中に教練用F-4が100機ほど納入されており、14時間後に再編成中の部隊によって6個中隊分が再戦力化可能とのこと。両軍合わせて完全な大破機は約600を超えております。」

教練用F-4は国際戦術機規格・衛士基本使用のことであり、もっとも基本とされる仕様の教科書というべき戦術機のことである。

新しい規約として全衛士がこの使用の機体に慣れておかなければならない…とされている基準機体であり、教育課程でこれに絶対に乗る国連の衛士と国連から援助されて出来た戦術機甲部隊の4割程度が扱えるポピュラーな基本仕様機だ。

「ということは、まだ十分に活動が可能だな。…国連の増加速度が速すぎてここでも吸収できそうにないから、そこをどうするべきか、か。」

現時点において、サルチオラ国連共同基地とここ、コンスタンツァ軍港を中心とする国連派遣軍は、旅団の7個戦術機甲大隊に国連の4個戦術機甲連隊=12個戦術機甲大隊。
アメリカの2個即応戦闘団(旅団相当)などが主軸となっている。

他にも戦術機甲整備大隊から、工兵、強装兵などがこのコンスタンツァ軍港に乗りこんでおり、総勢で一個軍団ほどの戦力が東欧に乗りこんでいるのだ。

ふと考えてみればここでおかしいことに気づくだろう。いかに戦術機甲など兵員数を抑えられる編成でここに乗り込んだとしてもいきなり一個軍団、最低でも四〇〇〇〇人を超える人員を乗り込ませることができるのかと。

だが実際にそれを完遂させている。ギリギリだが。

そこまで急激に部隊が増やせたのは卯ノ花さんの努力…だけではなく、

元々ここコンスタンツァ港が東欧最大の港であったことに加え、ここ数年、国連からの膨大な支援物資の荷運びの主要場として拡大に告ぐ拡大を重ねており、施設だけはしっかりと増設されていたためだ。

これは東欧と国連、そしてその支援主要国である日本との協力して対処する今の体制の元作りだされたとも言って良く、第1防衛ラインからの撤退作業の一環として海上輸送路を使っての撤退路を作りたかったのだろう。

だからこそ、ここに撤退してきた多くの東欧将兵が支援物資の代わりに送り出されており、防衛部隊以外では機甲科や戦術機甲以外の兵種が順次撤退していっているのだ。

まあその量が問題であり、管理するのに手間取っているということは言うまでもないが、作戦行動に支障が出るほどまでには至っていない。



「あと山田中尉、三交代制で出撃準備にかかっている第5大隊に少し待ってもらえるよう、大隊長と副隊長宛に第1級電文を送っておいてほしい。補給物資から予備の戦術機を今、回しているから…確かあそこは衛士があまっていたよね?」

「は、はい。旅団は救援任務から遊撃任務及び偵察任務に変更されておりますから、人員が余っていますが、グリフォンの補給が可能なのですか?」

「本国からの特急便、というわけではないんだけどリビアの国連直轄地の基地へ輸送するはずだった戦術機を拝借してもらったらしいよ」

「犯罪じゃないですかっ!!」

「その遅延に関しては、色をつけて日本本国からの増産分が2週間で回されるからそこまでおおごとにはならなそうだよ。同じ国連軍だしね。」

「横暴ですよ、大佐~」

「あ、あと申し訳ないとは思うけど基地司令代理とか…まあ大佐よりか地位で読んでもらえるかな?

もうそろそろ国連から派遣されたお偉方とかがここに来たりするから、そこらへんをね。
それ相応に振る舞わないと、両者間内で折り合いがつかないんだとさ。困ったことにね」

「は、はい!!基地司令代理!!」

今の俺の地位は国連サルチオラ基地司令代理兼、国連東欧緊急対策室室長代理兼、マリツィア(総撤退)作戦会議議長補佐兼、国連派遣団・作戦参謀本部長代理など、いろいろな戦時役職を賜っている。

…名前がやや肥しくて覚えられないと思うので、一番重要なのはここを経由して回される物資・武器弾薬を管理、認可する兵站管理全権を任されているということだけを分かってもらえれば良い。


そのためにこれまでお偉方とのテレビ中継に講じて、各国からの支援や同盟との関係調整。

兵站の問題からどこにどの部隊を廻すか、こちらの部隊が合流すれば、東欧としては何処の部隊を抽出、厳しい戦況の場所に兵力を回せるかなど、東欧と国連の情報を多く知る俺が、パイプ役を務めていたわけでだ。(バイリンガルだったこともその理由の一つではあるし、もちろん俺の指令ではなくその判断の補助だ。実質は違うが)

だからこそ戦場の詳しい状況を把握していなかったわけで、決してさぼっていたわけではない。


役職のほうも重なっててまどろっこしいことこの上ないのだが…それに伴い戦時期間限定の地位昇級が発生し、3階級上の中将と同等の権限を委譲(代理なので)されているから驚きだ。

40ちょうどの将官とか漫画の中だけと思っていたのだが…なってしまったのだから笑えない。

そうなった理由と言うのが、政治的空白地帯と化していた東欧において、人脈とその地理を把握している西側の他国人が圧倒的に少なく、その中で最高官だったのが大佐……まあ俺であった、とそう言うわけだ。

…それ以外にも東欧ともっとも密接に繋がっていた組織というのが光菱以下日本企業であったことも今の現状を作る要因なのだろうけど。

そうして選ばれた俺は派遣され、援助する側を統合する国連と助けられる側の東欧とを繋ぐ、パイプ役として振る舞うことを上に求められることになる。

しかも今回与えられた地位も結局は両者のメンツを立てるだけの地位であり、表の役職のじいさん連中が名前だけを貸し、実際の仕事をこなすのは代理のこのオレであり…名を貸しているじいさん連中はおいしいところを取っていく手はずになっているのだ。

別にこれ以上金と地位はいらんし、上手く協力できるのならばそれでいいのだが…なぜかムカツクッ!!

「(ごめんね、真耶ちゃん)ではこれからはそれで頼むよ。他の者にも徹底させてくれるかな?」

「は、はい」

まさにグダグダな状態。

隊の俺に対しての態度はこれまで徹底させなかったせいでもあるが、
その元となっている部分に関しては、今目の前にいる山田中尉でさえ、
「なんでこんなぐちゃぐちゃな状態?」と思いそうなものだ。

そんな俺に実質的指揮権が預けられている状態に関しては複雑でいい加減な理由がある。

それは国連軍と東欧との関係が非常に微妙であることが原因だ。

もともと国連は西側諸国が主導して作った物であり、随分前からはアメリカの犬のようにしか見られてこなかった。それは派遣される部隊のほとんどがアメリカ将兵や親米派の国だったから来る色メガメによるものだが、その思い込みというのはそう簡単に薄れるものではない。

それはここ東欧も同じであり、日本も最初はいやな目線を向けられたものだ。

そんなこんなでサルチオラからここコンスタンツァに陣取る国連派遣部隊の本部連中と、共同で基地を使っている東欧同盟の議会傘下の参謀本部との協力関係を保つために、東欧陣営から
「信頼できる将兵に計画を主導してほしい」と暗にお願いされたことによりやり玉に上げられた俺(親光菱派などの国際派陣営)が挟まるはめになり、

なら「両者のメンツを立てるためにも地位が必要じゃね?」

ってことになったのだ。

まあ代官を立てたことに関して言えば、俺が若いから来る不安も分かるし両者との仲介、折衝案を結果的に出す者がたかが佐官では部下への示しがつかないなど、軋轢を生じかねないということなのだが、だったら最初からやり手の古参将官もってこいっ!!

…と思うのだが一応は国連部隊であることから、仲介者は表向きだけでも日本人やその陣営のものではなく、関係のない南アフリカや南米の将官の名前を張り付けざるえなかった…らしいのだ。

確かに急であったことから根回しが必要な部分も完全には出来なかったのだ。

昨今の急激な国連軍の組織改変と増強、前線国家への基地の建造激化が原因と成って数だけ満たすためにやっきとなる国連軍。

実戦能力を持たない後方国家出の将官(いわゆる左遷、派閥争いの負け組)が運用や実戦の危機に対し、その能力の不安から佐官を代理に立てることが多くなっていたのは事実だ。

平時の権力だけに固執し、実際になにかを起きた時には責任から逃げる…典型的なクソ幹部や、左遷された腹いせに実権を振り回す、大隊と同じように軍を扱うバカ将軍が回されるよりかは困ったことにならないし、

その分挿げ替えが楽な…甘い言葉、例えば「座っているだけで良いんです。実際にはどこかでバカンスなど、美女の副官と一緒にいかがかでしょうか。将軍」と言って、責任を取らせるだけの残弾、変わり身となった将軍のほうが幾分かマシであり、そこらへんの人使いの荒さに光菱は定評がある。

そのおかげもあって実質的な権限の兵站と作戦トップは一応というか俺となっており、押しつけられるだけの権限をオレに預けてとんずらこいてる人達は今どこにいるのかわからない…

それを各組織にかけ合い、数十時間で形作ったのを主導したのはやはりというか、

光菱の若頭様の力が働いたらしいのだが…

「実際の指揮権の一部(実際には両軍への要請と兵站管理)を分捕れたことに満足しとけよ?」とドヤ顔で若頭に言われては「あ、はい」としか返せるものではない。本当にやるとは思っていなかったからだ。

こちらからしてみれば厄介事の責任を取らされたわけで文句の一つも言いたいところだが、けっこう偉い人などに会うようになってきた今でも、あの人だけ恐ろしくて何も言い返せないのが実のところである…

まあその若頭の関しては、実際にこちらが頑張れば、この現状を覆せる環境を作っていただけることからも、不満は心の中の愚痴ぐらいで取っておけるくらいなのだが、問題は東欧の連中と国連の奴らだ。

あいつら両者ともに補給品の規格が違うのは説明せずとも分かりきっているはずなのに…平然と

「この分では十分な活動ができない」と言ってくる。

「もっとよこせっ!!ハリーハリーッツ!!」と言われても国連規格品が少ないんだからしゃあないし、なによりここの地理や要塞の利点も知らずに、前線に行こうとするなっ!!

準警戒区域(レベルイエロー)に属するボスポラス海峡を通ってまでここに来てくれる船団の供給分は、両者を最大効率で運用できるように廻してはいる。が、やはりと言うかそれでも理解してくれない者は多い。

結局のところ、両者ともに上の連中とは光菱関係から来る利権を餌に、俺と協力することには納得しているわけだし、東欧の方へは今までの関係から、国連へは上からの言い渡しで両者が協力することには賛成しているし、全体の作戦に支障が出るほどではない。

だが俺ら(旅団を含む国際派閥)抜きで未だ協力関係を構築する暇と気持ちがないことはわかりつつも、
そのストレスや批難の的に"わざと成らされた"俺にストレスや嫌みを言うことを厭わないバカ…訂正…正直な方が多くいるのも事実だ。


例えば今画面の前に出てきたヤツとかね…

「…ふう、やっと通じたか。こちらは国連統合軍第37師団師団長レイヤ―・ムティグーチ少将である。

黒野大佐、先ほどから何度も要請したとおり、我が第37師団への補給物資が滞り始めている件と例の追加部隊の話だが…どうにか融通がききそうにないですかな?」

その名はレイヤ―・ムティグーチ少将。国連内でのアメリカ派閥に属する将兵であり、親米派諸国軍内におけるエース的存在。

そして今現在、ここ東欧に置いての国連の活動方針に真っ向から対立する男の名だ。


続く~

*****************:
次元管理電脳より追加報告です。

※欧州全軍についての追加情報です。NEW!!

・《東欧社会主義同盟軍》総勢580万

戦術機数約5000機約7割強がMIG21
※編成
一個軍集団=三個軍
一個軍=三個軍団
一個軍団=三個師団
一個師団=約2万

ドナウ川防衛線=三個軍集団約140万。15個戦術機甲連隊

カルパティア山脈要塞線=三個軍集団約170万。18個戦術機甲連隊

=東欧戦線合計310万

※東社同盟においての戦術機甲部隊の戦略基本単位は連隊であり、戦術基本単位は中隊。東欧全ての戦術機数に比べ各戦線にある戦術機甲部隊が多く見えるのは、部隊定数に届かない部隊が多いため。後方や派遣先に1200機ほどある。

後方予備等200万、海軍約40万、派遣軍他 


・《中部欧州総軍》約220万

オーストリア、チェコスロバキア、ハンガリー、東欧派遣軍、EU派遣軍


・《南欧海峡絶対防衛軍》約190万

ギリシャ、トルコ、東欧派遣軍、北アフリカ派遣軍、EU派遣軍、国連軍が多く占める



・《西部欧州総軍》420万(西ドイツ国境要塞線280万、デンマーク縦深要塞60万他)

・《北欧王国連合軍》約130万

国連軍が多く、寒冷装備を持つ国が少ないことから日本とアメリカ、カナダなど限られた国しかいないため、国連軍ではなく日米同盟軍とも揶揄されている。

『海軍』

欧州の海軍はバルト海、北海側と地中海、黒海側の二つに大きく分けられている

・《バルト海・北海側》

世界第2位の規模を誇る英国海軍が基軸であり、フランス海軍、西ドイツ海軍、北欧連合海軍と規模は続く。こちらにも国連海軍は多いが実質、日米海軍である。


・《黒海。地中海側》

東欧海軍お寒い限りであり、東欧に面する黒海に常駐する艦隊は少なく、黒海に関しては東側陣営からの国連派遣の艦隊が多い。

南欧に関しては国連軍が多く、イタリア海軍、フランス・スペイン地中海艦隊、国連地中海軍、北アフリカ連合艦隊、南米派遣艦隊、トルコ海軍と規模が続く。






新しい兵器が登場しましたNEW!!


日本帝国海軍

【高瀬級軽巡洋艦】

同型24隻
排水量1万5000トン

主砲254mm単装速射砲5門

最近の情勢によって、後方諸国は前線諸国への義務としての派遣軍を、陸軍ではなくリスクの少ない海軍による海上支援を重点を置くようになってきた。

この流れを上手く活かそうと考えた日本は1984年よりその施行が成された高瀬級の大量製造を開始。

その光菱の総力を結集したことでその口径から考えれば脅威の長射程―――最大射程距離56キロ・有功射程距離48キロ―――を実現したこの主砲は光線級の射程外から一方的な射撃を可能とした。


また、同じ射程距離を持つ戦艦(356mm)と比較しても、光線級の超出力の前では、砲弾の即時融解。

連装砲として同時に着弾するかずだった同砲弾も、空気と共に砲弾がプラズマ化する影響で、良くて見当違いの場所に外れるか、悪くて誘爆する可能性が高いため砲弾の大きさに関係せず迎撃されることを前提に置くと

結果的に光線級よりもインターバルが短い254mmに分があることになる。(単装砲だが速射が上がっている影響で光線級のインターバル12秒を凌ぐ約8秒の継続射撃が可能)


さらに口径が小さいことから来るコスト差を考えればさらに結果に差が開くため、対光線級艦艇として世界で注目されており注文が相次いでいる。

(※その分、一度の破壊力が少ないため、光線級がいなければ戦艦よりか戦果は低くなるし、光線級が一艦の保有砲数以上ならば迎撃されてしまう)



【最上級大型巡洋艦】 NEW!!

原作にも出てきた戦艦と同程度の指揮能力を持つ大型巡洋艦。

1976年より施行したこの最上級各艦だが、搭載砲を先ほどの254mm
単装速射砲を14基搭載しており、戦艦の露払いとしての能力を持たされている。



・『83式無人偵察機』 NEW!!

光菱の技術者は前線に置いてまずBETAを見つけることの大切さに目がいった。それは航空機にもとめられた最初の任務、上空からの戦場の把握、偵察である。

しかし光線級による百発百中の迎撃能力では、航空機の飛ぶ空は地獄であり、何より求められるのは撃墜されても損害にはならないことであるとして、今回の無人偵察機の開発に乗り出したのだ。

求められる物として

コストパフォーマンスに優れる設計と生存性であり、

軍用機としては禁忌に属する『民生品との互換性』をもとめつつ、光菱総研から来る新技術によって小型化・低コスト化に成功した。

これはこの時代、自動化技術の進歩と最近になって大型ラジコンが流行していることに目をつけたもので、おもちゃ会社と提携。

機体本体と電子装備ブロックと分けることで、撃墜時に地面に落ちても回収可能な仕様にしたことで生存性の向上に成功。

互換性を持つ民生品と、海軍が欲しがっていた海上無人偵察機とで共同に計画を進捗させた結果でもあり、そのコストは国連直轄地で製造することを国が許可したことでさらに下げられ、(※国連直轄地での製造工場は許可性。国内からの技術流出を防ぎ、空洞化を防ぐため)空前絶後の低コスト無人機が誕生した。

これに対し、国連はその有用性から『国連選定無人偵察機』として日本と共同で補助金を与え、前線国家に対しさらなる低価での提供を行っている。


また、無人偵察機にも編隊行動が有用だと判断されたため、4機のダイヤモンド陣形を基本に右左前後の機体に役割を持たせ、

後ろを基点機として、他の左右前の3機が高度を後の機体よりも100mほど上げることで、無人機隊としての生存性を上げることに成功した。


以上、次元管理電脳からの追加報告を終了します。

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筆者の戯言

この作品は本編において経済、軍事を含めた政略編を主としております。
その分、本編で足りない戦闘描写の補てんするための外伝です。
そのためどうしても外伝のほうが書くことが多くなってしまっています。

だって政略だと戦いが無くてつまらないし、盛り上がらないし…

という理由ですが、さっさと本編の改訂を進めて話を繋げて行こうと思います。


さて外伝本編のお話ですがどれだけ主人公が光線級を脅威に思っているか、今回の話でお分かりになったと思います。

人事に関して言えば、緊急事態だったこと・新設・改設されたばかりの国連統合軍という組織の未熟性・そして運とご都合主義が絡まって実現しました。その分量の割合は読者様の気持ちしだいということでお願いします。

そして最後に登場した少将…どこかで聞いたことのある名前ですがその人との関係は一切ありませんのでご注意を。

次の更新はまた外伝、そして2週間ほどかかりそうです…


では次回にて



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