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No.28072の一覧
[0] 光菱財閥奮闘記!! 【9月25日 本編更新】[カバディ](2012/09/25 15:32)
[16] 第Ⅰ章<始動編> 2話 契約 《7/6改訂更新》[カバディ](2012/07/06 18:32)
[17] 第Ⅰ章<始動編> 3話 目標 《7/6改訂更新》[カバディ](2012/07/06 18:33)
[18] 第Ⅰ章<始動編> 4話 会議 《7/6改訂更新》[カバディ](2012/07/06 18:35)
[19] 第Ⅰ章<始動編> 5話 瑞鶴 《7/6改訂更新分》[カバディ](2012/07/06 18:36)
[20] 第Ⅰ章<始動編> 6話 初鷹 《7/6改訂更新分》[カバディ](2012/07/06 18:36)
[21] <第Ⅰ章>設定 1980年編 [カバディ](2011/10/13 18:12)
[22] 第Ⅱ章<暗躍編> 1話 商売 《10/28改訂更新分》[カバディ](2012/01/04 16:09)
[23] 第Ⅱ章<暗躍編> 2話 政治 《10/30改訂更新分》[カバディ](2011/10/30 15:50)
[24] 第Ⅱ章<暗躍編> 3話 戦況 《11/4改訂更新分》[カバディ](2011/11/12 16:50)
[25] 第Ⅱ章<暗躍編> 4話 量産 《11/8日改訂更新分》[カバディ](2011/11/19 16:59)
[26] 外伝《東欧の地獄編‐Dracula lui mormnt‐》 第1話  集結 [カバディ](2012/01/04 16:10)
[27] 外伝《東欧の地獄編‐Dracula lui mormânt‐》 第2話  東欧 [カバディ](2012/01/04 16:11)
[28] 外伝《東欧の地獄編‐Dracula lui mormânt‐》 第3話  戦場 [カバディ](2012/01/04 16:13)
[29] 第Ⅱ章<暗躍編> 5話 愚策 《11/12改訂更新分》[カバディ](2011/11/19 16:57)
[30] 外伝《東欧の地獄編‐Dracula lui mormânt‐》 第4話  場景[カバディ](2012/01/06 19:10)
[31] 外伝《東欧の地獄編‐Dracula lui mormânt‐》 第?話  日常[カバディ](2011/09/12 23:32)
[32] 第Ⅱ章<暗躍編> 6話 冷戦 《11/21改訂更新分》[カバディ](2011/12/03 14:27)
[33] 第Ⅱ章<暗躍編> 7話 現実 《12/3改訂更新分》[カバディ](2011/12/03 14:18)
[34] 第Ⅱ章<暗躍編> 8話 権威 《12/21更新分》[カバディ](2011/12/21 20:06)
[35] 第Ⅱ章<暗躍編> 9話 理由 《12/21更新分》[カバディ](2011/12/21 20:09)
[36] 外伝《東欧の地獄編‐Dracula lui mormânt‐》 第5-1話 乱戦[カバディ](2012/07/07 20:08)
[37] 外伝《東欧の地獄編‐Dracula lui mormânt‐》 第5-2話 調整 [カバディ](2011/10/26 19:36)
[38] 外伝《東欧の地獄編‐Dracula lui mormânt‐》 第5-3話 対立[カバディ](2012/01/06 16:08)
[39] 外伝《東欧の地獄編‐Dracula lui mormânt‐》 第5-4話 結末[カバディ](2012/01/06 19:29)
[40] 第Ⅲ章<奮闘編> 1話 新造 《7/8新規更新》[カバディ](2012/09/25 14:27)
[54] 第Ⅲ章<奮闘編> 2話 増援 《9/25新規更新》[カバディ](2012/09/25 15:32)
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[28072] 第Ⅱ章<暗躍編> 8話 権威 《12/21更新分》
Name: カバディ◆19e19691 ID:f630435c 前を表示する / 次を表示する
Date: 2011/12/21 20:06
1985年 4月 18日


『天霊会議』

初回の顔合わせにて集められたこの国の中枢、その実力者たち。

その末席に連ねることだけでも現代の英雄として選ばれることを意味し、その風貌からにじみ出る才気と練気は只者であれば意気消沈してしまうほどのもの。

そうした面々の歴史、肩書き、背景には一切の共通点はなく。


ある者は江戸時代、古くは平安時代から続く、由緒正しい家の出。

ある者は日の本の再度の夜明けに立ちあがった維新志士、列強日本を形作った英雄の孫。

ある者は戦後日本、その国体を維持するために刀を捨て、行政に身をやつし、ある者は家と名を捨ててまで商売に没頭し、現代の下剋上を成した者など、その人生には驚くほど共通点が少ない。




だが、その心に宿る意志は同じく『この国を守ること』には変わりない。


その比重の違いとして、この国の民のためという純粋で尊ぶべきもの、己の家族のため、そうすることが名を後世に残す手段と位置付ける邪なものなど違いはあるが、その覚悟は堅く、己の体に誓約としての微小機械を入れることに迷いも無い者達だ。



まぁ、何が言いたいかというと、あったま かてぇーッ!!ってことだ。


会議の内容もクソめんどくさかったっと言う他ないほどで(これ以上言うと悪口になる)慣れ合いを起こさないための決まりを作るところで、1時間以上もかかる難事だった。


最終的には皇帝家からの手紙(御膳会議との区別化として皇帝家は手紙だけ、それを読むのが政威大将軍)と、一応は皇帝家から頼まれて現世したことになっているマリヱさんの一声でどうにかなったが…そのマリヱさん登場時にまた大騒ぎになったことは言うまでもないだろう。


そこで問題になったのが政威大将軍と俺の位置づけ。

現政威大将軍は九條家の当主が行っているわけだが、どちらが上かで揉めることを危惧したわけだ。

現時点での影響力を考えればぶっちぎりでこちらが上なわけだが、日本人と言うのは権威に弱い。

面と向かって「実権ないのに何言ってんの?」とは言えないもので、そこらへんから問題上ることは目に見えていた。

俺からすれば皇帝への尊敬や敬意などはある。元々日本人だからな。
だから国家の在り方として皇帝には権威を持ち続けることに、合理的にも心情的にも反対はしなかった。そう考えると日本の造りは良く出来ている。

しかし五摂家、テメェはダメだっ!!

ただでさえ複雑な政治体系を取っている日本、その中に幕藩体制の古い名残を戦後まで持っている必要はまったくと言ってない。

しかも権威を持つだけの存在は一人だけで十分なのに、五摂家?武家?何時の時代だ?

てか斯衛ってなんだ?宮内省のような存在だと思っていたから皇帝を守るためにいるんだなあ~と思っていたら戦術機持ってるし、「兵を指揮するため」とか言いながら前線に赴くってなにしてんの?大統領が前線出てきても困るだけだろっ!!

…まあ愚痴ですね…幕府体制側の人間が、こちらの史実よりも頭が良く、上手く自分を生き残らせるために取った方法として今の政治体系になったわけであり、それが史実より上手く行っていることから評価はするべきなんだろう。斯衛とかいらないけど(大事な(ry


その戦後も戦後でおかしい。
第二次世界大戦を戦い抜き、条件付き降伏にまでこぎ着けたのは、評価しよう。

しかし、天霊会派…つまりはオレの弥太郎ひいひいじいちゃん側の人間が戦争に反対していたのに、民衆の煽りと軍部の暴走を抑えられず、結局肯定しちゃった元枢府はなにやってんの?

皇帝に責任を持って行かせないために政威大将軍やら元枢府が存在しているのであって、WW2で負けた場合、責任は取るべきではなかったのか?戦後、連帯責任の形で皇帝の財産やら土地を減らしちゃってるし(皇帝家の土地が政府に移動)


今言ってもしょうがないのだが、今の政策に反対してきている武家を筆頭にする派閥が邪魔で邪魔で、「それを抑えるつけるための五摂家が働かなかったらダメだろっ!!」と言いたい。

しかも斯衛に戦術機を持たせるときには異常に政権などに働きかけてきた元枢府。おい、武家やら、元枢府…効率が悪くなるのは目に見えてるのになんで?そんなに働けるのならなんで武家派閥を統括出来ない?おもちゃが欲しい時だけ働くとか子供かよ…


そんな大っ嫌いな五摂家。もちろん表には出さないが邪魔である存在に謙る(へりくだる)ことはオレとしてはありえない。そんなことからこの問題、武家派閥と光宮派閥(現政権&経済界)とで主導権争いが大きな問題になることは目に見えていた…はずだった。


だが、実際には簡単に問題が片付いたのだ。

なぜかって?

それは俺の母親が九條家の出だからだ。


光宮 日名子。旧姓 九條 日名子と言い、現政威大将軍の 九條 道忠様の孫に当たり、自然、俺はその人のひ孫。

つまりは俺のひいおじいちゃんは、政威大将軍をやっている。

もう一度言う。

お れ の ひ い じ い ち ゃ ん は 今 政 威 大 将 軍 を や っ て い る


なんてご都合主義っ!!と思うかもしれないが、事実だからしょうがない。

現に光菱はその流れを使って瑞鶴問題を納めたわけで、五摂家に光菱が強いのも肯けてしまう。

実情としては、象徴的存在に押し込められた九條家としては現段階で力を再度付け始めた光菱に目を付けたらしく、離婚したばかりの親父はそれを了承したというわけだ。(将来ひ孫が殺されることがほぼ決定していたのに良くやるもんだ。)

しかも両者一目惚れだから恐れ入る。

親の恋愛ほど聞きたくないものはないが、あの毎日のデレデッレっぷりを見てしまうと妙に納得してしまう自分がいた。てか納得するから子供の前で15禁行為をするのはやめてっ!!

…でも今考えると生粋の日本人である九條家から、あのグラマーな体付きになるとは思えないのだが、そこはマブラヴだからということにしておこう。原作でもロケットおっぱいがそこらじゅうにあったわけだし。

自分のことも考えてみると「あれっ?俺ってすっごい勝ち組なんじゃね?誘所正しい血とか妄想の中だけかと思ってたけど、俺の血がそれでした。」って感じだ。

やべえよ、俺漫画とかの主人公絶対行けるぜっ!!そんでハレーム築いちまうんだっ!!幼馴染とかがツンデレとかで朝起しに来てくれてさっ!!来てって…あれっ?

幼馴染ってどんなのだっけ?…確か小さいころから近所に住んでて、朝起しに来てくれて、それで一緒に登下校…

あれっ?俺の周りにいなくね?

…そもそも学校に行かないことが確定申告されてるじゃん俺…

そんな俺に青春なんて…ない…だとっ…?


うわああああああああああああああ!!!
ああああああぁぁ…鬱だ…死のう…


マリヱ「(何やらまた身もだえ始めたぞ…また頭の中で黒歴史作って遊んでいるのだろうな…こういう時は放っておくに限る)」

※しばらくお待ちください※



…まぁ、そんなこともあって俺はひ孫としての立場として政威大将軍を立てる形になったわけで、九條家の立場は他の将家と比べ、盤石と言うほかない。

…問題としては現当主の年齢が80代に差し迫ったと言うことで、老い先短いというところか。


そうした人の格付けが済んでからはこの日本の方向性を話し合いが済んで帰ってきたわけだ。


中身はって?

今までの再確認ってところかな。政府の方針として打ち出しているものをいまさら変えようとするバカもおらず、

1、前線国家への支援の継続

2、国内整備の充実

3、国連への働きかけ

4、安全地域国家への企業進出の促進と法整備。

5、国民負担を考えた上での軍備増強


などが再確認された。

だったらなんでこんな仰々しい組織体系を作ったのか。
以前までと同じであれば前のままのほうが指揮権的もこちらに有利ではないのか?と思うかもしれない。


というのもこの会議を作ったのは短期的なものを見据えたものではなく、むしろ長期的、この日本という組織が高効率で運用されつつ、即断で判断が下せる国家を目指したためだ。


そうなったのも将家や官僚、財閥から始まり野党と与党など、この国の内部闘争は多い。

それは国家であれば生じてしまう問題でもあるのだが、悪い意味で古い考えを持ち凝り固まる性質と、出る杭は打つという島国体質が合わさった『日本の良くある組織の悪癖』が組織を運営する上で悪影響を及ぼしてしまうことを、ここに集まる者たちは危惧していたというわけだ。

結局はその問題をこじらせ組織、政治までもが次善手も打てず、止まってしまうことが通例と成り始めた日本。


それに加えて組織の運営法自体にも問題がある。

組織というのは盤石な態勢ほど内部が腐りやすく、今現在の民主主義や王制にしたって永久に続く完璧な組織運営法というものなど無いせいだ。


今現在の民主主義による国の運営法にしたって内部が腐るのを防ぐには、

正当な評価を下せる国民の目を育てること。
長期的な国策に必要な、上に立つ者の質と忍耐力。

が必要であり、それを民主主義に求めることは夢物語でしかない。

なにせ人は完璧ではない。

なった当初は有能であっても、自身が気付かない間に無能に陥ることなどざらであり、努力と結果の対価が欲しくなるのが人と言うものだ。

心のどこかにその組織にとって自身が必要ではないことを知りつつも、欲によってそれは曇り堕落する。

そして安全になった直後から始まる欲の暴走は、いくつもの国家を崩壊させてきたことは歴史が証明しており、人の器が人の評価につながるまで、それは続いていく。

ましてや未来を見通すことが出来なけらば、正当な評価など下せるものではなく、人権によって守られて作られた戦後教育システムによる、日本の教育の崩壊はそれを物語っている。


本来であればそんな国、滅びれば良い。

国が無くなってもそこで暮らしていた民は無くならないものであり、その原因を作った国民達が悲劇を受けて再度立ち上がれば良い。


だが、国家の"死"という安楽を、今現在の状況が許していないのだ。

まずはBETAという大きな問題が立ちはだかる。これは短期的でもっとも大きな問題だが、国家が無くなればどう考えても国民のほとんどは喰われて死ぬ。国土もろともにだ。


次に日本人の資質。

日本人は個人ではひどく弱い。これは集団になると強い素質を持つ裏付けであり、個人の"質"を重視する資本主義と日本が合わないと言われる最たる理由にもなっている。

ではその日本が無くなればどうなるか?

そもそも日本人は国家が滅亡した経験がない。

語弊がありそうな言い方だが、文明という文化ができた時代から日本人にとって国とは作るべき人工のものではなく、元々在った物という無意識下の印象がひどく強い。

これに島国ということで外部からの移民が極端に少なく、時代を経て混ざった「日本人」の血というのは単民族国家に限りなく近いことが大きな原因と言えるだろう。

だからこそ『島』という国土から『国』とは元々在り、それが続いて来たものであって作るものではなく在り続けるものとして団結力(災害が多いことも加えて)が生まれたのだろう。


その結果が戦前の日本のような行き過ぎた過剰反応になってしまうわけだが、戦後にはアメリカの適策によって「なんだ、大丈夫じゃん」といって無褒美にお腹をさらけ出している。とても恥ずかしい行為と気付かずに。


となりの中国や欧州からしたら『国』と言うのは作るべきもので、いらなくなれば再興できるものだが、日本からしたらそのアイデンティティ自体が無くなって、それ以前よりも良い『新しい国としての再スタート』などできるわけがない。

だからこそ、「国」を形作る政治に国民が興味を持たず、地道に周りと協力していけばそれが御上への強力となると信じて政治を知ろうとしない。


もし『新しい国』が出来たとして他国との合併か表向きだけの独立国でしかないと断言できる。


そもそも日本人=日本に住んでいるという認識の国民が、他国の影響の元で活躍できるわけがない。

だいたいの国民は下部構造に呑みこまれて『あの頃は良かった』と思って死んでいくか『生きていればそれで良い』と自己暗示をかけて死んでいくかのどちらかしかないわけだ。あ…愚痴になっているな。




そして第3に現代社会の作り、だ。


経済的に大国となった日本に国家の崩壊などしてもらっては、世界経済の終焉に繋がり、列強時代の逆戻りでしかない。

などといった表向きの理由もあるが、実際には落ち目に瀕した国(経済ではなく組織力として)と言うのは法律と人権の名に守られて他国、いやどこかしろに住む権力者集団の植民地となり、活かされ続けるしかない。


最初は「みんなやっているから」「法律に反してはいない」「俺が死ぬときまで国が崩壊しなけらば良い」「そもそもそこまで国が弱くないから大丈夫」「それだけのことを俺はやったから対価を求めているだけ」

など、国民一人一人の勝手が蓄積して国家の組織力の崩壊を起きるものであり、

現代の崩壊しづらい社会と言うものは、その崩壊してしまった国家に対し、「知る権利」「人権」「プライバシー」といった使い方によっては強力な兵器を駆使されれば、政府が知らずに海外からの合法的な情報侵略を認可してしまう。

そうして、まずマスコミ社会、そして政界を牛耳られ、国家の指針とそれを形づける上で重要な情報がまず握られ、利権が海外に流れていく構造になっていく。

そのように死ぬことも許されず、『戦争』などといった決闘をしなくとも利益だけ吸う方法が確立されたのが現代なのだ。


これまで他国からすれば異常なほどの『集団行動(マンパワー)』の力だけで勝ってきた日本。

これからの現代は、上が「権利を持った国民」を上手く誘導する新しい方法を必要になる。



だったらどうするか。


国粋主義掲げて、海外の戦力と対立して孤立する?ありえないし、贅沢を知った国民が許さない。



だったら、権威に頼るしかないだろう。


皇帝とマリヱによる権威政治の確立。

人を超えた力と知識、日本人の弱い権威の両方という実力と有無を言わせない『格』

これの前では日本人はたいていの言うことは聞き、『出る杭は打つ』という悪癖は表に出てこない。


だからこそ、政威大将軍と元枢府による、大まかな国家方針を事前に最善なもので固めて打ち出し、権威によって守られながら推し進め、それの方針に沿った法案を政治家と官僚を使って導き出す。

これは一番上が無能であれば大問題である王制に近いものではあるが、人を超え、あと100年は軽く現役である俺(マリヱによる老化防止)がいる限り問題は無く、


日本のアイデンティティであり権威を持つ皇帝に被害が及ばないよう隔離しつつ、その全権をゆだねられた政威大将軍による人の意志と、神とも化け物とも言うべき実力によって、この国を操作する形が最善とされたのだ。


だからこそここ数年、高圧的な方法で日本を牛耳ってきた俺たちの派閥が譲歩することでこの会議を作り、この会議への反論を許さない形に持って行きたかったわけだ。

そうして正当な評価を行えるマリヱを筆頭にした、この会議の参加者によって、決定された重要な各種国家方針と、

マリヱ(本当は俺)によって評価された官僚や政治家を選抜、その参謀たちによって推し進める短期的な各国策などを評価する形を作りたかったのだ。

もちろんマスコミなどを使って正当に評価され推し進めることが決まっており、出来る限り国益に則しているのであれば、誰であれ評価されるシステム作りに心血を注いでいる。…完全とはもちろん言えない代物だが…


またこの会議自体、参加者体内にある微小金属を使ってその動きが監視されており、皇帝家に頼まれたマリヱ(本当は俺)が管理していることになっている。


この形になったことで表向き俺の権限が薄れ、武家派閥など各派閥のパワーバランス通りに権力と権益が行き渡った形になっており自派閥から心配の声が上がっているがその心配はない。

この会議に置いての人事権、裁判権をマリヱを基準としていることに加え、この会議、日本全体の情報、知識は、そのチートなマリヱさんを一度通す形になったため、俺の権力と情報網はむしろ拡大していることになる。

そうして情報戦に置いてこちらに勝てる者もいない状態であることに加え、その諜報組織の長がこちらの配下であることからも、この会議の方向性を操作しているのは俺であり、自派閥に対してもマリヱに大弁してもらう形で平等に粛清が可能となったのだ。


正に裏ボス、いや神を語るペテン師に名にふさわしい。そうして俺の知識をこの国家のあらゆる組織に活かすことが可能となったおかげで、これまでのチートがフリ―ザ第1形態に見えるほど強化が可能になったのは大きいだろう。



「は・な・し・が長いわッッ!!!!」

聞いて…いただとっ…?

「…えっ?なんで、えっうそ、聞いてたの?」

「ぶつぶつと何か言っていることに気づき、報告書の提出とわかった時点で黙って聞いていたのだが、話が長いっ!!!

それに飽きる上に、自分の正当性を上げ連ねすぎて気持ち悪いわっ!!

単に煌武院 悠陽などとフラグ建てたかっただけではないかっ!!」


……いやいやそんな国家権力を使った横暴なんて…ねぇ?

「そんなわけな…いやすいませんっ!!その通りです!!

だってさだってさ!!もう11才だぜ!?知り合いが大人だけって時点で泣きそうな事実じゃんっ!!

若い連中で知り合いになるとしたらお偉い方くらいだし、あとはユウコ先生?あれどう見てもこっちを利用しようとしか考えないでしょっ!!
10歳の時点で陰湿ないじめをかましてきたガキ集団を、リアル奥歯ガタガタ言わせるほどのトラウマ植え付ける時点で将来ドS女で決定だよっ!!!」

「それを従わせるのがロマン、などと言っておったではないか。」

「現実を知ったのさ…今はツンデレより年下お姉キャラだ。」キリッ

「(何がキリッじゃバカ者めっ!!)…言うておくが、格から言って煌武院家(五摂家序列1位)の娘が次期政威大将軍になることは生まれた瞬間から決まっておる。

となると現実的に考えて結婚できるのはある程度格下の家の者、その婿養子だけととなるのだ。

つまりお主との結婚は無理であるのは分かりきったこと。なにせ光菱財閥次期当主であり序列第2位の九條家の血を轡いておるのだからの。」

「うわぁあああああああああああああ!!!聞きたくない聞きたくない聞きたくない聞きたくない!!!!!」

「(またバグったか…ストレスの貯めすぎで最近は妄想が先に立つようになってきておる。どうするべきか…)」

「ねえなんで?なんでなの?俺ハーレム願望もやめるから美少女の一人ぐらい結婚させてくれない?」

「…お主の格が高くなりすぎたのだろうな。光宮家長男にして、現政威大将軍九條家の血を受け継ぎ、我と契約しておる。どう考えても釣りあう人間など一握りしかおるまい。

…そうだな、九條家以外でお主と釣り合いのとれた者は五摂家と言ったところであろう。

三大財閥の者が繋がることは財界や政界が許さんだろうし、それ以下では元枢府内でのいらぬ折衝を招きかねない。

そしてお主も知っておろうが、武家は光菱派閥を嫌っておる。五摂家でも九條、煌武院以外の三摂家は光宮に否定的なのだからお主は…」

「もう良いっ言わないでっ! 
なんで?良いじゃんっ!!よっしゃああああ!玉の輿ィィィイイイイ!!!みたいな感じでよって来てさっ!!」

「(発想が下種になってきておるな…)
…結婚相手もそうだが将来我との契約を受け継がせようとお主の父君は考えておるのは知っていよう?」

「まあねっ!!」

「そうであれば血というものに過敏になるのは不思議ではあるまい。もし妾…いや愛人か?その者が子を産み、我と契約を成して見よ、正妻のほうの家はお主、光宮に反感をもつだろう。そして当事者が巨大な者達である以上、その問題は国内での大きな問題となる。

つまりは格のある家の者がお主に嫁ぐことは決定事項だが、自分はだれもやりたくないのだよ、誰もかれもがだ。嫌われておるのうwwww」

「結婚もお付き合いも出来ない…だとっ?この世界は血縁関係や家の繋がりが強い世界であることは知っていたけど…ここまでとは…」

「なにを言っておる。お主が特別なのだ。他国のスパイにでもお主の遺伝子が盗まれれば事だからの」

「はあ~自由恋愛は何処行った…中東なら一夫多妻制を実現できるくらい、この国に役に立ってない俺?」

「結果だけ見れば役に立っておるのだろうな。それだけの責任も降りかかっておるが。

もし欧州の戦線が瓦解してみろ。日本が投資…光菱が主導した前線国家への投資は崩れ去る。何兆という単位の金がパーになるのだ。
その時の責任を取るのはお主になるのだぞ?
つまりはハイリスクハイリターン、そんなところに高位の家が娘を嫁がせようとするか」


「クソォォォオオオオオオ!!!なんだこの苛立ちはっ!!!
こうなったら最近部下の一人が欧州で異常にモテてるらしいから八つ当たりしてやるっ!!!

そうだ!!今度ソイツに最前線で翔鷹の最高到達高度がどこまでか上昇実験を強行させてやるっ!!もう決めたもんねっ!!」


「(その部下が不憫でならない…がまあどうせやりもしないのだ。放っておくか)

まあ…その話は置いておくとしてだ…
今回の光霊会議だったか?実際に役に立つのか?」


「んっ?もう真面目な話?う~ん、役には立つんじゃない?最近の独裁体制に怒り心頭の連中も多かったし、今回ので多少妥協するでしょ。」

「そんなものなのか?」

「この会議の根回し自体、親父が計画したものだし、政府に働きか掛けることで帝国情報総監なんて役職が生まれたわけなんだからさ。」

「その分こちらの情報も世界に漏れることになる。
財閥が始動して3年だ。いくらかの情報から"日本がおかしい"ことに感づかれていることに気づかないお主ではないだろう?その危険性をさらに侵してやる理由がわからんのだが」


「確かに権威政治移行の影響は小さいし、政威大将軍なんか所詮スケープゴートに近いよ?

でもね、俺の持つ情報と力を、この国全体に使える体制というのが重要なんだ。

そしてその国力増強がまた俺の情報解析に役立てる。その形にしたかったからなんだよね。」

光菱財閥だけが持つ、未来知識。俺のとんでもない演算機能とそれを補助する最先端電子機器による情報収集システム、それはこ俺が元いた情報社会になりつつあるこの世界ではとんでもない戦略兵器である。

それを一財閥につぎ込んで使えば、世界で一人勝ちになってしまう。―――1財閥がだ。

それはあの、公表金持ちランキングの中でダントツ一番を記録すること等しく、世界の目を一つに集め過ぎてしまう。

そのような愚を犯さないためにも、裏の公的な情報交換会を作りあげたわけだ。

これによって、日本は政、官共に世界でも屈指の情報収集能力と防諜能力を持つことでき、トップダウン式の指揮系統で即座に有事にも対応が可能となったことで日本全体で躍進し続けることになる。


そしてその会議でもぶっちぎりの情報収集力を持つ、光菱財閥こそが、その帝国情報総監を政威大将軍に推薦し、真の指揮権を持つわけだ。



…あれ?完全に悪の組織じゃね?

まぁいいや、人から見たら悪でも、俺からみれば正義だ。

「それが悪役の思考なのだぞ…」

また勝手に俺の思考読みやがった!!プロテクト変えたのに!



「まあ、そんなこんなで3年たってやっと日本の政治系統が一元化されたわけだけど、どう?マリヱさん」

「順調…なのだろうな。
ただ概要だけ見れば、時期的にも前線に干渉するのは遅すぎているとは思う。そのために計画が急造でしかなく、いろいろ歪になっているのも事実。

しかし我とお主が世界に干渉でき始めたとは3年前と考えると…仕方ないのだろうな。欧州が持たんのだから。」

確かにマリヱが言うことは正しい。

未来から来たとは言ってもこの俺自身大学生でしかなく、人の上に立った経験がないのに加えて高々3年で世界に打って出るなど本来ならば自殺行為だ。

「そう評価してくれると助かるよ。自分としても急すぎたし、無知な部分も多かった。何度親父と優秀な社員に救われたことか。」

そこを救ってくれたのは優秀な経営者でありカリスマ性を誇る俺の親父と、その親父が育てた光菱の社員達だ。

団結の光菱とは良く言った物で、全てに対し全力で行ってくれるバックを持つのはとても心強い。

そして

「確かにな。お主が焦っていた部分は日本の技術者などが努力して埋めてくれた。

それを実現させた日本と光菱の社員の努力のは誠に感服するものだ。」


マリヱの言うとおり日本の大人たちは半端じゃなかった。
日本の黄金期を知り、そして70年代後半から始まるBETAへの恐怖感が上手く作用したのか、あのバブルのような浮かれた雰囲気など一切ない。

その窮屈さが日本をまた孤独の90年代に叩き込むわけだが、こちらが上手く導けばその心配もないだろう。…たぶん


「確かにね、最近は俺にばっか感謝を述べてくる人が増えたけど、みんなの力なんだ。自分で誇れば良いのに。」

「…お主がそんなことを言うと不気味だな」

ひどいよ、マリヱ氏…俺も心の底から人を褒めたりする時ぐらいあるさ。時々だけど。


「まあ正直、日本の社員には驚かされたのは事実だよ。

上がしっかりしていれば後はこちらの予想以上のことをやってくれているからね。上も楽観視したり根性論に走りたくなるのはわかる気がする。」


本当に優秀なのだ。もっとも優れた政治状態は人気を持つ賢帝の独裁とは良く言ったもので、最初の出だしでチートを使った実績を上げれば盲心的についてくる。

どこかの学者が日本人は奴隷体質と言っていたがそれに当てはまるのかもしれない。それほどだ。

それに加えてネットと、行政改革などの効率化の促進を外科的に行ったことで、仕事の効率化が進んでいる。


「翔鷹のこともそれに当てはまるな。3年で実戦配備とは大法螺吹きも良いところと思っていたものだが、実現してしまったのだから。」


「確かにね。自分自身、こんなに早く開発が進みとは思わなかったよ。どんだけ国産にこだわっていたかが分かる。」

日本の悲願であった国産戦術機。

アメリカの下ではなく、対等な同盟を演出するためにも必要だった国産戦術機。

それへの日本人の執着は異常とも言えた。

過去、アメリカにF-4の供給順番を下げられたトラウマと、カナダへの仕打ち。(※カナダ落着のオリジナルハイヴへのアメリカの核集中投与、それによりカナダ国土の半分が人の住めない土地に…それがアメリカ政府の強硬な態度であったこともあり、後にカナダとのしこりを残す)
80年代「強いアメリカ」政策による諸外国への高圧的態度。


これを考えた時、日本は見捨てられた場合を独自で模索していく方針に換わっていた。

これ以外にも国産への盲心もあったが、結局その方向性に変わったのは上記によるところが大きい。


その思いによって実現したのが翔鷹、日の本の未来を背負って飛ぶ鷹なのである。




「これで最初のフェーズと言うか、既存技術に手を施す段階はこれで終了かな。

翔鷹も今年の2月までに正式配備できる見込みだし、他の兵器についても順次量産に入れそうだし。」


「やっとではあるがな…」

「確かにね。」

そう、やっと第1段階が終わったのだ。あらゆる分野に手を伸ばした光菱。

それは必要であるものに手を伸ばしたせいでもあるのだが人類の苦境をひっくり返すにはとても少ない投資金であり、時間も無かった。

だからこそ3年の月日を既存技術の改良に割いたとして、これだけしか…そう良い切って良いものなのかわからないが結果を残せていない。

それを徐々にひっくり返していくためにも俺達は頑張っていくのだろう。


~後半へ続く~

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次元管理電脳より追加報告です。

『光菱財閥』についての追加報告をお伝えします。NEW!!

経営に関して※財閥という組織は列記とした一つの組織ですが、やりようによっては分社配置することができ、世界企業規模ランキングにおいて「光菱財閥」として名を連ねていません。

実際には

『光菱フィナンシャル・グループ』
『光菱商事』
『光菱電機』
『光菱ケミカルホールディングス』
『光菱マテリアル』
『光菱重工業』
『日本運送』
『光菱建設』

として名を連ねているようです。

そのため、同じような方式を取るアメリカの巨大財閥なども表に置いてはランキングには出てきておりませんので、実際の組織として比べた場合、その実際の規模に差が生じております。


財閥内社名が追加されました。NEW!
※『』下はその企業の子会社です。

『光菱ケミカルホールディングス』
日本最大の総合化学企業であり世界第6位の化学メーカーです。主人公による新技術により国際特許取得数、財閥内1位。
 
 光菱化学
 光菱レイヨン
 光菱樹脂
 光菱ガス化学
 光菱製紙
 光旭硝子
 光菱製薬 
 光菱塗料
 光菱化成

『光菱マテリアル』
非金属メーカー国内 第2位。炭素繊維技術向上と水素電池技術の向上が目覚ましいようです。

 光菱電線工業
 光菱鉱石輸送
 光菱原子燃料
 光菱アルミニウム 
 光菱シリコン

『光菱重工業』
国内軍需・重工業生産(造船・軍需含む) 第1位。1983年時には第1位の冨獄重工を抜きさる。だが純利益で2年連続で大幅な赤字を記録し、財閥内での立場は、それまでの日本の軍需路線に一番の利益を上げると見込まれていたこともあり、日に日に弱くなっている。

 光菱自動車
 光菱冷蔵
 光菱化工機
 光菱製鋼
 光菱事務機械
 光菱レンタカー
 光菱光学工業
 光菱建設機械
 日達工機 1982年 株式公開買い付けにより子会社化 


『光菱電機』
※1983年 松本電子工業を買収。日本総合電機メーカー第2位。パソコンハード製造などで大きくシェアを伸ばしているようです。

第1位は日産製作所。第3位は豊芝

 光菱スペース・ソフトウエア
 光菱プレシジョン
光菱国際電信
 光菱電子

『光菱商事』
日本最大の総合商社。光菱と国連が結託したネット、その通販業が多大な利益を出し、されに規模を拡大しているようです。他には合成食品大手の光菱食品が過去最高売上・純利益を2年連続で大幅更新。

満井物産が第2位。
 
 光菱通販
 光菱液化ガス
 光菱食品
 光菱麦酒
 光菱石油
 コンビニ ロウスン 


『光菱フィナンシャル・グループ』
1982年に光菱内の金融企業を統合して生まれた総合金融グループ。

主人公が来てから皇家、将家の膨大な資産を預かり、短期間の内に資産を倍以上に膨れ上がらせ、一躍財閥内でもっとも大きな企業となった。
世界金融保険会社 第19位
※運用利益のほとんどが公表されておらず、財閥内の赤字帳消しや、国外投資に消えており、運用されている資金には国からの資金流用があるため、公表することができないのが実情。※
 
 光菱ニコス
 光菱リース
 光菱銀行※光菱のメインバンク
 光菱UFJ信託銀行
 光菱証券ホールディングス
 光菱東京火災保険
 明治生命保険

他に財閥内の大きな企業として

・日本運送
旧 日本郵船であり海運企業の「合併合戦」の時において陸運、空運にも事業を広げており、世界第1位の海運企業。


・光菱建設
日本のスーパーゼネコンの一つ。光菱の躍進により事業を拡大。業績を悪化させていた、準大手ゼネコン2社を買収して一躍スーパーゼネコンの仲間入り。元光菱マテリアル傘下の子会社だったが企業規模により独立。 現在国内第6位。

光菱総研
光菱財閥関連企業全ての最新技術習得のための研究機関。主人公はほとんどここで働き詰め。

が上げられ、これ以外の子会社、孫会社などを含めると優に百を越える企業が財閥傘下となっている。




以上、次元管理電脳からの追加報告を終了します。


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筆者です。またもや長くなりすぎて前半と後半に分けることに…申し訳ありません。

内容に関しては天霊会議について、概要だけにしました。実際話が進まなそうですしww

後半では今回主人公からアンチ的発言をされた将家の擁護、衛士特性や翔鷹の販売について掘り下げようと思います。

では次回にて。コメントお待ちしております。




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