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No.28072の一覧
[0] 光菱財閥奮闘記!! 【9月25日 本編更新】[カバディ](2012/09/25 15:32)
[16] 第Ⅰ章<始動編> 2話 契約 《7/6改訂更新》[カバディ](2012/07/06 18:32)
[17] 第Ⅰ章<始動編> 3話 目標 《7/6改訂更新》[カバディ](2012/07/06 18:33)
[18] 第Ⅰ章<始動編> 4話 会議 《7/6改訂更新》[カバディ](2012/07/06 18:35)
[19] 第Ⅰ章<始動編> 5話 瑞鶴 《7/6改訂更新分》[カバディ](2012/07/06 18:36)
[20] 第Ⅰ章<始動編> 6話 初鷹 《7/6改訂更新分》[カバディ](2012/07/06 18:36)
[21] <第Ⅰ章>設定 1980年編 [カバディ](2011/10/13 18:12)
[22] 第Ⅱ章<暗躍編> 1話 商売 《10/28改訂更新分》[カバディ](2012/01/04 16:09)
[23] 第Ⅱ章<暗躍編> 2話 政治 《10/30改訂更新分》[カバディ](2011/10/30 15:50)
[24] 第Ⅱ章<暗躍編> 3話 戦況 《11/4改訂更新分》[カバディ](2011/11/12 16:50)
[25] 第Ⅱ章<暗躍編> 4話 量産 《11/8日改訂更新分》[カバディ](2011/11/19 16:59)
[26] 外伝《東欧の地獄編‐Dracula lui mormnt‐》 第1話  集結 [カバディ](2012/01/04 16:10)
[27] 外伝《東欧の地獄編‐Dracula lui mormânt‐》 第2話  東欧 [カバディ](2012/01/04 16:11)
[28] 外伝《東欧の地獄編‐Dracula lui mormânt‐》 第3話  戦場 [カバディ](2012/01/04 16:13)
[29] 第Ⅱ章<暗躍編> 5話 愚策 《11/12改訂更新分》[カバディ](2011/11/19 16:57)
[30] 外伝《東欧の地獄編‐Dracula lui mormânt‐》 第4話  場景[カバディ](2012/01/06 19:10)
[31] 外伝《東欧の地獄編‐Dracula lui mormânt‐》 第?話  日常[カバディ](2011/09/12 23:32)
[32] 第Ⅱ章<暗躍編> 6話 冷戦 《11/21改訂更新分》[カバディ](2011/12/03 14:27)
[33] 第Ⅱ章<暗躍編> 7話 現実 《12/3改訂更新分》[カバディ](2011/12/03 14:18)
[34] 第Ⅱ章<暗躍編> 8話 権威 《12/21更新分》[カバディ](2011/12/21 20:06)
[35] 第Ⅱ章<暗躍編> 9話 理由 《12/21更新分》[カバディ](2011/12/21 20:09)
[36] 外伝《東欧の地獄編‐Dracula lui mormânt‐》 第5-1話 乱戦[カバディ](2012/07/07 20:08)
[37] 外伝《東欧の地獄編‐Dracula lui mormânt‐》 第5-2話 調整 [カバディ](2011/10/26 19:36)
[38] 外伝《東欧の地獄編‐Dracula lui mormânt‐》 第5-3話 対立[カバディ](2012/01/06 16:08)
[39] 外伝《東欧の地獄編‐Dracula lui mormânt‐》 第5-4話 結末[カバディ](2012/01/06 19:29)
[40] 第Ⅲ章<奮闘編> 1話 新造 《7/8新規更新》[カバディ](2012/09/25 14:27)
[54] 第Ⅲ章<奮闘編> 2話 増援 《9/25新規更新》[カバディ](2012/09/25 15:32)
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[28072] 外伝《東欧の地獄編‐Dracula lui mormnt‐》 第1話  集結 
Name: カバディ◆19e19691 ID:f630435c 前を表示する / 次を表示する
Date: 2012/01/04 16:10
1984年 3月7日 ルーマニア社会主義共和国 ドナウ川防衛ライン 
コンスタンツァ

ここは海に面しているからか、空気が塩辛い。

その空気に慣れたのはいつからか、そのような感慨にふけっていた時、その感慨から呼び覚ますように突然俺のノートパソコンが鳴り出した。

まさに幸せな夢から覚まさせるラブコール

ディスプレイに写っているその相手の名前は「光宮 吉弘」
俺の直属の上司の名だ。

ちっ、と舌打ちをしながら解りきっている相手とのテレビ電話を繋ぐ。

「buna dimineata。 で、良い時間ですよね。」

相手からあいさつが飛び込んできた。こちらを信頼しているとは思えない、なにも感情のない目で笑顔を作る上司。

「…そうですね。合っていますよ。そちらの時間は “こんにちは”でよろしかったですよね。」

こんな欧州の最前線、これから消えようとしている国の言葉を知っていることにも驚きつつ、「この天才ならば雑作もないのだろうな」と思いながら返事をしてみる俺。


相手は今、俺の恋しくなってきた母国、日本で飛ぶ鳥を落とす勢いで成長を続けている大財閥、その若頭だ。


「時差があるというのは、しょうがないにしても面倒なことだよね。

そうは思わないかい?黒野くん、ーーーーいや国連派遣軍所属 黒野 義古 大佐殿 のほうが良かったかな。」

良く覚えているもんだ。俺の下の名まで覚えているとは思っていなかったこともあるし、おれが昇進したことも頭に入れているとは思っていなかった。


俺の名は 黒野 義古 (よしふる)。今年で38歳になる光菱財閥の犬だ。

4年前になる光菱の光霊祭、その疑わしい祭りについて、友人と冗談を言い合っていたらいつの間にか軍に復帰し、そのまま国連軍に出向くことになった不運な中年男性だ。

その時、嘆いたのは言うもでもないだろう。

最近きな臭くなってきた日本の国内事情から、先に出て行ったほうが良いのかな、として大企業光菱に引き抜かれて数年。今度は戦場にまで出ていくことになった。

もちろん38歳にして大佐まで進めていることには感謝している。
給料が上がったからな。だが光菱に忠誠を誓う形で取って付けられたような国連軍の大佐階級に、命の危険性が付随してきたら誰だって嫌がるものだろう。

「良く覚えてくださいましたね、吉弘部長。」

そんな計らいをしてくれた人が目の前にいる。彼が言うには「君は優秀だからこそ選ばれたんだ。それは君の給料にもある通りだろう?」などと言っていた。

確かにありがたかったものだ。給料が高いこともそうだが、俺の妻は日本にいる数少ない移民者、ポーランド人だったからだ。

結婚したときには周りからいろいろ言われたものだし、軍でも省き者にされて、少佐に上がってからも窓際配置なんていつものことだった。




だからと言って、前線配置はないだろう…


「まぁ、あいさつはこのくらいにして、君の部隊は今どんな感じですか?報告書を見てはいますけど、君の口からその雰囲気を聞きたくて。

―――何か補助が必要じゃないかと思ったのもありますが。」

やっぱりそう来たか。最後の言葉が本心なのは言うまでもないだろう。
毎週の報告は欠かしていない。電話で決まる援軍などない。

ということは、つまりはなにかが来ることは決定事項。この電話が鳴った時から解っていたことだ。



―――それが命令か、物か、者かわからないが。

「そうですね。東欧諸国軍との関係は良好ですし、最近の攻勢に対しても うちの連隊は被害はないと言っても良いと思いますから、他の部隊に回して良いと思いますよ、援軍。」

もはや決定事項であろうことは予想がついている。だが抵抗ぐらいはして良いだろう。それぐらいしかできないのだから。

そもそも俺がいるのはここ、コンスタンツァ軍港という場所からして日本人がいて良い所ではない。

日本に閉じこもりがちなことからすれば、驚くべき方向転換であり、妻も「極東のニホンと聞いたらサムライがいてカタナを振り回していると思っていた」と言っているほど欧州の田舎であれば名前ぐらいしか知らない国、日本。

妻が言っていることも間違ってはいないのだが、それは今や戦術機が行っていることでサムライは操縦しているだけだ。こう考えるとなんかおかしい気がするが…今はいい。

そんな日本が海外に乗りだすことに方針を大転換して2年近く、それは対BETA前線において日本人が見られることからもうかがえる。


その一つが黒海に面している欧州東部戦線、その重要な役割をこなすコンスタンツァ軍港だ。

そこは東側陣営が集う場所、10年以上前はソ連を筆頭にあのアメリカと対立し、世界に新しい主義を広げようとした陣営の巣窟。

それらが戦う東欧戦線において、後方の重要な働きをしている基地がここ、コンスタンツァ軍港であることからも、普通に考えれば資本主義である光菱がいて良い所では決してなく、ここにいる人間は書類上はここに存在しないことになっている。


「う~ん、そうですか、いらないですか。援軍。すっごい強力なんだですけどねぇ~」

ジト目でこっちを見てくる上司。勘弁してほしい。

まぁ…本当のところをいうと、援軍はほしいというのが本心だ。

日々激化する防衛線。モルドバ、ウクライナから撤退して2年、最前線の基地を除いてほとんどの軍機能をルーマニア内に移した東欧はルーマニアに流れるバルト川、それを活かした防衛を毎日のように繰り広げている。

近隣諸国の軍は常に物資不足に人材不足。あるとしたら死骸だけ、といったもんだ。

そんなところに光菱に関係する部隊が派遣されて1年。最初に使っていた輸出用F-4の半分はすでになく、一度だけだがMiG21バラライカを使っての実戦まで経験しているほど、混迷とした場所である、ここ欧州東部戦線。


しかし、回される援軍というのが一癖も二癖もある点が頂けない。

なんせ、日本帝国軍の派遣部隊において各戦線に回される正規部隊の量は最初から限られ、それ以上にここに日本人はいてはいけないことになっている。
 
そんなことからも、この援軍、純粋な軍であるはずがないからだ。



「欧州西部方面派遣部隊のほうも、中東方面派遣部隊、インド方面派遣部隊のほうも援軍は派遣しているんだけど、本当のことを言うとアメリカの目があるので、上手く実験できてないんだよね~。

だから君のところぐらいしか派遣できるところないんで、もう増援は決定事項。OK?」

もはや、相手側からぶっちゃけた。

光菱が企業である点からも利益を追求することはしょうがないだろう。だがしかし、前線で踏ん張っている者が聞いたらどう思うだろうか…

―――それを嫌味を覆すほどの兵器がここに運び込まれていることを除いてもだ。


「…わかりました。その増援…なんですが、いつほどの到着になるのでしょうか? というよりその"モノ"とやらは?」

聞きたくない、聞きたくないが、聞かなければなるまい。どうせろくでもないものでもだ。


「そうですね。コンゴ民主共和国を経由した国際義勇軍…とした日本の移民兵集団と物資、それに隠れての試験部隊です。

移民兵集団は今はコンゴ国籍ですけど、あと何年かしたら部隊のほとんどと家族が日本国籍を取得する、不思議な部隊です。今のあなたが指揮する部隊と同じくね。」

そんな軽く言ってくれているが、部隊全体を運用する側になってほしい。

資源を持ちながら内乱が絶えないことで最貧国の一つにまで数えられる、コンゴ民主共和国。

近年になってモブツ大統領が暗殺され、モブツ政権をひっくり返して独裁反共国家ザイール共和国から国名を変更した新興国家だ。

反共であったことから、CIAとの関係が強かったモブツ、そのモブツ大統領が暗殺されてからアメリカからの圧力が強くになり、未だに最貧国からの脱出が叶わないそんな国であり、ルーマニアとの国交と資源があるから光菱が働きかけることにした、そんな国だ。

そんな国に移民しなければならない者達としたらそれは、勝ち組の属するものではないだろう。

そんなところから、日本への再移民とコンゴ自体への関与、どれだけ光菱の社員が働いたかはわからない。


しかし、今でさえ国連軍としているこの部隊と、別々に行動しているはずの友好国軍、ばらばらの外国人国連軍として将来日本人となる部隊、それらを隠れながら一個の連合軍として運用する、その辛さを知らないのだろうか?


今いる俺達日本人のほとんどは、日本にいることになっているのにだ。

国連軍として偽造された隊証、中国人、朝鮮人から華人にまで存在自体が偽装された者たち。

それは日本帝国軍の中で光菱をはじめとする企業に引き抜かれ、国連軍としては元より、南米や地方に長期出張していることになっており、日本帝国軍の者でもどこにいるかが特定できないように偽装されている。

そんな存在しない部隊《Nameless Army》



それを形作るのに国の諜報組織が関与していることは言うまでもないが、現場でさえ偽造する辛さがあるのだ。




それに加えてまた派兵?勘弁してほしい。

「大丈夫ですよ。ルーマニアのセクリタテアのほうには協力してくれるよう内諾は頂いていますので、東欧の前線にアメリカ人がいるはずありません。」

それ自体はわかる。この東欧戦線では東側陣営に味方する国家の人間しかおらず、ここに日本がいることはずいぶん前から外交段階から計画されなければ俺達がここにいるはずもない。

アメリカと対等な関係を作るためのものらしいが、そこまですることが必要なのかと正直思うところだが、なにかあるのかもしれない。

それにココが崩れた時、欧州全域が瓦解することは西側先進国陣営も含め、世界が解っている。だからこそここに国連軍やアフリカ連合も支援している。

だが、なぜか西側諸国は政治的、戦力的な問題から戦力の提供を拒否している。

東欧側から打診していないこともあるが、どちらかが歩み寄りを見せなけらばならないのに、のんきなことだ。

そんなことだから日本の非正規部隊が重要な戦力になっているのだが。



なにせ、西の東西ドイツ国境線上にある西欧戦線がアメリカ、日本の正規部隊が活躍する西側陣営の協力の証とするならば、

ここ東欧戦線はソ連に見捨てられた東欧諸国と、京都協定がなければアメリカにすり潰されていた世界の少数側の陣営が集う、国の命運をかける死に物狂いの戦線だからだ。

それがここ、ルーマニア、バルト川防衛ラインの内情であり、その内情を悟られないよう、ルーマニアの孤児院出身で固められた凶団・秘密警察セクリタリアが日々監視してくれているありがたい土地柄となっている。

「…それは財閥にとっては、ありがたいことですね。こちらとしては最近の監視がゆるくなってきたことからも予想は出来ていましたが。

やっと、東欧州社会主義同盟、結成の助けが生きてきたのでしょうか。」

《東欧州社会主義同盟》

今や東ドイツのほとんどが無くなり、後方のユーゴスラビアに軍機能を、政府機能を海外に移住し始めている東欧諸国。それを盟主がいない状態で束ねようとしていた悲しい国家群のことだ。

今や、盟主たるソ連はウラル山脈の奥の奥に追いやられ、ここ欧州のプレゼンス能力は地に落ちた。そんな中で引っ張る国として名が上がる東ドイツ、ルーマニア、ポーランドは国土を蹂躙され、次のユーゴスラビアは自身が多民族国家と言うことで国内でも不和が目立つ。

そこで、光菱は裏で手をまわし同盟を形成させ、名実ともに《東欧州社会主義同盟》となって協力することが現実化したのが1982年の終わりごろ。

それ以前から欧州東側各国が真の意味で協力できるよう、東ドイツの精鋭部隊少数による東側諸国に対する教導を、未だに後方に属するユーゴスラビアで行われるよう働きかけ、そこにソ連の字は無くなるように指示してきた。

実体はそれに隠れて、使い物にならないほど部隊を減じた前線国家部隊を再編させるためのものであり、後方で使える部隊を続々と製造して前線に送りだしているだけではあるが、国家連合と言う意識が根付いたことは後に非常に大きな結果を残している。

まぁ、後方での訓練が可能になったことは大きいことだが、良くも日本が東側陣営に協力しようと考えたものだ。ばれたらどうなるか考えなかったのだろうか。

「そうなりますね。ここらへんの資源はもちろん、文化資産も価値が高い。いろいろと使い道があるということで自主的に協力してもらったわけですよ。」

良く言う。最近、東同盟軍が使っている機体、外見だけ変えたMIG21が多いと思ったんだ。どう見たってあれ、形式番号変えただけのほとんど日本で製造したF-4だろ。搭載しているOSだって東欧製にしては性能が良すぎるし。

ましてや最近になって続々と配備されるようになった国際計画の…え~とGG21。正式にはグリフォン計画によって改修されたG-MIG21にしたってそんな早く配備されるなど、国力を減じている東欧が出来るわけがない。


輸送面にしたってトルコがボスポラス海峡をはさんでいる状況に陥って、早1か月。

黒海に面しているここ、コンスタンツァへの海上輸送路でそんな危険な海上輸送を行える国は少ないはずだ。どこからその船が来た事やら。それが東欧戦線、バルト川防衛ラインを支える物資としたら尚更おかしい。


いつからここまでの闇販路を拓けたんだ?あの財閥おかしすぎるだろ?やっぱり孝明様は神様になったって話、本当なのか?


ーーーいやいや、ないない。神(笑)なんているはずがない。光菱内では完全な独裁体制、国内でもそのシンパが多い光菱には疑問を持つが、神など非科学的、どうせ政治的なパフォーマンスの一つだろう。


「それはとてもありがたいことですね。で、こちらに回されるモノとは、どのようなもので?

できれば、それより先に今後の東欧との繋がりも考えて、武器弾薬を多めに消費したいのですが。」

つまりは『上公認の横流し』

それの許可が欲しいわけだ。

それがここの役割であり、そのための俺である。


「……まぁ良いでしょう。欧州全体を待たせることを考えての東欧への日本進出、日々弱体化する東欧を救うための進出ですからね。せいぜい計画的にばら撒いてください。」


日本が派遣している各戦線にはそれぞれに役割がある。

西欧戦線では日本帝国正規部隊が派遣され、それらに現実を教えるための教練場兼日本の新しい国家の在り方を見せつける、1番の表舞台としての役割。


北欧戦線ではスカンディナビア諸国で、将来発生するであろう極東アジア、極寒の大地での戦訓を得るための実戦経験、裏では優秀な人員を移民させるための戦場。

中東・インド戦線では、石油は元より民間戦闘車等安い兵器を売り込むための戦場。


そして今回俺が派遣されている東欧戦線は、表ではできないことをするための最も暗い戦場であり、アメリカの目がない状況を作りだし、日本の兵器を世界に売り出すための実験場兼見本市だ。

上記3か所の戦場には、日本帝国の正規部隊が地獄の中で前線国家によって甘やかされながら鍛えられている。

1番の目的は日本が戦争のできる国家になるためらしい。70年代後期からBETAに対する危機感によって増加した下士官、尉官を前線で戦場を経験してもらっているという。

何よりも軍隊を強化するにあたって必要になる経験、それを前線国家にお客さんとされながら、または国連軍の下で将来エリート街道に行く者を含めて鍛えている。

その数は約8万。海軍も陸軍も合わせてのこの人数は数字だけ見ればとんでもない数ではある。

だが配置されている場所から見ても、国内の部隊を短い期間で廻しながら運用されていることからして死傷者の数は異常に少ない。

なにせ前線国家からすれば戦場での平和ボケした味方より、甘やかせつつ、後方からの支援を多くもらったほうが助かるからだ。

そんなことからして実際に「増援」となっているのは国連軍、その中にいる将来日本に移民する者たちだ。

家族の安全と一般的な水準の生活を約束し、前線国家の水準以上の装備を持ち、前線国家よりかは安全な戦場。しかし後方の日本正規軍よりかは厳しい戦場を与えられ死んでいく者が多い部隊。それが前線のほしい戦士達だ。

そしてその戦士達を率いていくのは俺を含んだ日本軍の中脛に傷を持つ者達で、外国での傭兵部隊に属していた者もいる。それら死んでも良い者がもっとも多く集うのがここ、東欧戦線というわけだ。はぁ…



そんな役割からも、ここにいる部隊全てが秘密警察の庇護の元、隠れて試験、いや戦争をしているのである。

光菱の試験部隊は元より、東側に協力的な国家から西側陣営でもあるアフリカ、東南アジア、南米の軍産官複合体からの出向組が偶然と改ざんされて集い、それらの試験が兵器の見本市のように日々使用されているのが、ここルーマニアの状況だ。

バルト川とカルパティア山脈によって戦力を有効に使うことが出来ている東欧戦線。

それでも東欧諸国が形作る最前線は、悲劇的な状況の中にある。

それを持たせるために、妻を差し出す借金まみれの夫、それのように安全な実戦を提供する東欧国家には頭が下がる思いではある。

だが、こちらはこの実戦によって日本製の兵器の良さを『宣伝』するチャンスなのだ。

確かにこの日本派遣部隊がここを持たせるために派遣されたことは嘘ではない。

しかし本質はここで各国との横の繋がりを形作り、依然日本の兵器輸出が好調とは言えない状態を改善させるためのものであり、そのために湯水のように武器弾薬を消費してもらう、それがここであるわけだ。



「しかし、こちらから要求しておきながらなんですが、ここまでの物資、光菱は赤字にはならないのでしょうか?」

それは、ここに派遣されてから日に日に大きくなってきた疑問だ。


これだけの物資の横流し、どれだけの儲けがあれば出来るのだろうか。そんな疑問が浮かぶほどの物が運ばれてくる。

光菱が大企業であるのは違いない。日本が経済大国であることは変わりない。

だが各戦線に帝国軍として旅団以上、西欧など増強師団ほどの規模になる戦力。それに加えて試験部隊が各地で活躍し、それ以上の物資が生産され、今なお使用されている。

それに加えて、ここに来ている者は日本帝国所属ではなく、いろいろと改ざんされて派遣されている東欧戦線。

そこに日本帝国の指揮権は存在せず、光菱財閥と繋がるものはないはずなのだが実際は、西欧の正規部隊と同規模の物資が消費されていることを俺は知っている。



その純粋な支援物資を買えるほどの資産が、各前線国家にあるとは到底思えない。

ということは、どこかが赤字を被っていることになり、それの想像はつく。


「まぁ、赤字であることは変わりないですよ。光菱重工の赤字もこれを含んでいることもですし

ですが、財閥全体では黒字を維持しているんですよ?

―――クックックッ…疑問符が顔に浮かんでいますね。まぁ正直に言いましょう。

言ってしまえば販路、その構築による資金とその販路自体を使っているわけです。」



それが『販路』だ。

欧州西側諸国の企業が製造した兵器や贅沢品、中国ソ連が製造する安価な重兵器を、後方支援国家へ売り出す販路を作り出し、その代わりとして、前線国家同士の貿易、後方支援国家からの物資と退避地等がを割り当てられている現代。

この取引の形をスムーズに作るのには普通にすればどれだけの金と血が流れるのだろうか。

普通に考えればアメリカが許すはずもなく、国際常識から外れた貿易網からして、許されてないはずの裏の貿易網。

それを構築出来ることは、以前までの日本の外交力、進出する意志からして夢物語のようなものである。

それに加えて欧州は依然、最前線であり日本やアメリカの支援があったとして、貸し出されているだけの物資の数には限度と制限が付きまとう。

ならばそれでは足らない物資を買えるだけの輸出を生み出さなければならず、それは"汚いもの"が含まれ、アメリカが監視できる依然のものでは行えない。

それができるとしたら一つしかないだろう。




「まさかネット、なんですか?」


「そのとおり。」

その販路の中心となっているのが『ネット』

その事実を一言で肯定されてしまったが、それが真実であるととんでもないことである。



※これより先の情報は後催眠プログラムを受けたものにしか知らされず、自動的にかかってしまう情報だから注意してほしい。※


国連と光菱が生み出したネット販路。それは日々世界に広まっていることは御存じだろう。

世界をネットによってダイレクトに繋げることで、制限が成されながらも前線国家の苦しさを知った幸せな国は支援に動き、

世界の貿易量を格段に増加、地球全体の経済活動を促進され、

通信網が構築できたところならば、世界のどこかれでも欲しいところに繋げ、欲しいものを輸入することが出来るネット。

それは、上司からすればまだ幼稚なものに写るらしいのだが、国連を通じて国際化されたネット網は、国籍問わず使うことが可能な新たな世界だ。

始めて使った時の便利さ、有料だが閲覧できるテレビや小説の面白さ、それのおどろきは今でも覚えている。それが海外で広がっている事実も日本の躍進の手助けになっていることも知っている。




しかし、国家用に改ざんされた販路が存在する。そう噂が光菱の中でささやかれていることを知ったのはいつだっただろうか。

それが 『実在する』


上司の言うことをそのまま説明するならば、日本は元より、あらゆる国家、企業の名を借り、あらゆる物の名に被せられた"それ"は、今の戦況を形作る重要な源泉となっているらしい。

公然とされる密貿易、それの利用はアメリカの派閥も入っているらしく、各国間の貿易量は以前より格段に上がっているのはそれも入るから、ということだ。

各国が決められた物を大量製造、産出し、量産効果を最大にすることで低価で物を生み出せる今。

それをネットを使って色々な販路で、色々なレッテルを張られて流されている現状を利用することで、それらが公然と行き先を変更され両者の合意で別の所に運ばれている、と言っているのだ。

つまりは各国がネットを使って日々繰り広げている貿易、その一部に対し、

普通であれば関税として金が加増されるところなのだが、その分を物を増やさせることで、増加分を前線諸国への無償支援品として進呈させ。

それ以外にも全世界から日々前線諸国へと送られる支援物資を、国連が管理し平等に回すところを、国連内のシンパを使って光菱一財閥が操作しているということを意味する。



世界から集められる膨大な支援物資と関税物資。その量は中堅国の年間総生産量を上回り、それを財閥はネット環境を作るだけで『操作する権利』を得たということだ。

光菱がどれだけ世界のために動き無私の精神で操作しているとしても、おの手綱を握るだけで莫大な力を持つと言うことになる。

もちろん我がままに動かすことなどできはしないだろうが、その比率を数%変化させていくことなど雑作もないことであり、

それに日本と言う大国、その中で最大組織である光菱と、協力企業が形成するグループによる膨大な支援が組み合わせることで、前線諸国は光菱が強引に推し進めている各種計画に乗っていかなければならざるおえない。

もちろん相手にも好影響を与えるための計画であることは計画の内部を見ればわかるが、誰にしたって自分のためになるとしてもいきなり現れた他人からの助言を聞けるほど“良い人”ではない。

それを“良い人”にさせる力を持つというこのネット。他にも隠された何かに使われているのだろうが、どれだけ凄まじいことなのかお分かり頂けただろうか。


「密貿易の利益もあるますけど、これに《国連のネット使用料》、《京都協定に織り込まれた国連税》、《ネット販売での広告量》、 あらゆるネット販売を効率化することで輸送料金を表の値札より下げられたこと等、 ネットを使った商売には国連を通じて全て関わっていますからね。いろいろ使ってお金を稼いだり、影響を及ぼすことも可能です。」


ネット販売が日々増加しているとはいえ、まだ3年、未だ世界の販路の一部である。

そう見られていたが、国家間の政府公認の密貿易、国連を仲介する支援物資のほとんどがネットを使っていることを含めればそれは膨大な量となるだろう。

それに加えて、国連の収益が年々増加し、以前までの販路と比べてコストが安くなる分に上乗せされた国連税は、《各国前線への支援物資》、今も日々建造されている《国連軍基地の費用》に回されていることを合わせれば、国連はアメリカからの分担金量を遥かに凌ぐ資金を自分で稼ぎだしていることになる。

それらの一部が、光菱の思い通り?どこの悪の組織だ、それは?


「詐欺みたいなものですね。ここまで光菱が儲けてしまって良いのでしょうか?」

それが心配になってくる。なにせ俺の家族を守る一企業だ。そう、一企業でこれはあきらかにオカシイ。


「もちろん、世界の皆さまが買っていただいたお金を使って、国連を通じて貿易をしていますから、純粋な利益にはなっていません。

現に、光菱単体にお金が入っているわけではなく、国連からの依頼で作る無償支援しているだけで、その発注先が光菱を始め、各国に平等に割り振られています。

まぁ、表に出ない領収書がでてくるかも知れませんし、その販路が誤って光菱が活躍する戦場で使われていたりしますが、国連の判子が押されてますし、犯罪は犯していませんよ。」

後半がブラックすぎる。

これを聞いてもあの総裁が初めにネットを広げた理由が分かる。

そのインフラを形作るための費用と合わせて、薄い利益率にしているとしても、日々技術革新していること、その薄い網を広げていることも合わせて光菱に入ってくる利益は膨大なものとなっている。

それに加えて、貿易網と情報網としての役割が生み出されてきた『ネット』の強力な力に対して 

それを国連と合わせているとしても光菱という一企業が握っていることは、アメリカも危惧し始めるほどの自体にまでなっている。

しかし今、現在は国連組織によって正常に運営されており、公平に公正に行われていることはアメリカの調査報告書からもわかっているらしい。

しかし、その正しいとされた何百分の1を切るわずかな情報が変えられていることを世界は知らない。

―――なぜ、アメリカの調査報告書の中身を知っているかがそれを
物語っている。

つまりはそういうことだ。作ったものがルールを作る。


頂上的な技術によって形作られたその網は、既存技術にまぎれることで世界に広がり真の意味で使用できるのは創設者だけだ。


そう目の前の人物が言っていたことを俺は忘れないだろう。人にしゃべることもできないが。


「またまた、話が変な方向にいってしまいましたね。そうそう、増援の中見でしったけ。」

そうそう、その話だ。そのまま話が終わればよかったんだが、今考えると秘密を共有させたかったのかもしれない。やばい、泥沼だ。

「そうですね…今度は前回と同じ戦術機の新兵器実験とかですか、やっぱり。」

ここは以前も言ったように各国が集う実験場だ。ここで試験された兵器は2年間でとんでもない量になっており、近々配備される戦術機がここに運び込まれるという噂もある。

「う~ん、そうですね、―――どうやら到着したようですよ。」


「へっ?」

そう言いながら、振り返ってみるのとドアが開くのが同時だった。

どうやら、部下が勝手に通したらしい。あとでゲンコツだなこりゃ。

「失礼します。京楽 春水 国連軍少佐 本日付をもって国連東欧派遣軍 コンスタンツァ義勇軍統合基地に赴任致しました。」

そこにはこじゃれた雰囲気の中年男性がいた。

ただ見ただけからするとエリートとは感じられず、軽すぎる雰囲気からして本土ではさぼり癖でもついた本道を外れた人間の空気を感じる。

しかし、ここに派遣される日本人がただの人間であるはずない。いろいろと問題を抱えていようが国によって使える人間でなければここにはいない。

「赴任ごくろう。ここの指令業務を兼務している黒野 義古 大佐だ。堅苦しいのは本土だけで十分だ。楽にしてもらってかまわない。

―――そちらのほうが貴君にあっているだろう?」

「やっぱ、わかっちゃいます?いや~久しぶりに敬礼したんで、まちがってないか緊張しちゃって、しちゃって。


―――おや~?吉弘さんじゃないですか。今説明中で?」

と、パソコンに写されていた俺の上司と、目の前のこじゃれた雰囲気の中年男性が話し始める。なんか軽い雰囲気を感じるな。おれもそっちのほうが楽で良いけど。


「ちょうど良かったです、京楽さん。今この黒野さんに増援部隊をご説明しようと思っていたところなんで、君の口から教えてあげてくれませんか?

君の率いる『試験戦術機甲大隊』についてね。」

いくら少佐と言えど、勝手に上官の部屋に入ることは許されない。
ということは確実に目の前の上司が仕組んだことに違いない。

ホント、意味のないいたずらが好きな人だな。

つうか、試験で戦術機甲で大隊?こっちは一応連隊だぞ?また部隊が増えるのか?

しかもなんだ、移民兵もつくからこれ以上になるのか?


「いやいや、正式には《第114独立偵察戦術機甲増強中隊》ですって。もちろん偽造なんですけどね。移民兵は国際義勇軍として登録されてますし。


って大佐はどこまで知っているんですかね?」


「そうですね。まぁ私が説明したほうが速そうなので、概要だけ私が話しちゃいましょう。

黒野大佐、急で申し訳ないのですが指揮下の実験部隊である第2・第3中隊を本土に返す手はずになっています。

その代わりに京楽少佐たちの大隊と後から来る部隊も合わせて、実際は6個戦術機甲中隊、2個大隊規模が増援として到着する予定になっています。


これを加えることで、これから本格的に動いてもらいます。」

見せかけの部隊として中隊規模を派遣し、それに付随して技術士官やさまざまな理由をつけて人を運び、それが指揮下の兵員に組み込まれ、実際の戦闘では中隊が大隊、大隊が連隊規模になっていることはここでは不思議ではない。


現に、本来はどこの戦場でもいる東アジア国籍の国連軍、5個中隊が東欧各国の別々の場所にいることになっているが、今ここにいるのは"そう登録された"部隊がいつの間にか"増えて"集結している。

そんなことからも各国の国籍に偽装された外人部隊も配下に加えることで、以前まで過小だが"連隊"と呼ばれていたのだ。

その"連隊"だった部隊だが、今では戦術機甲、機甲、砲兵、機械化歩兵、後方支援部隊を配下に加えた、所謂、《諸兵科混成部隊》にまで"完成"しており、目の前の京楽少佐達も加えると純粋な師団、最小だが戦略単位の戦力にまでなっている。

ということはだ。

「そういうことですので、今回追加した戦力と友好国の義勇軍などと共同しますと軍団規模の増援で動くことになります。

とても素晴らしいことですね。人類の共存を形為しているようで、この形がやがて人類に広がればと思いますが…

まぁ、実際のところ、共同に関しては後日調整していただきますので後で説明させてもらいますが、その準備が整うまで…各地に割り振られると思いますので御覚悟しておいてくださいね。」

実際にこんな非正規部隊の寄せ集め集団が世界各地に広がったら怖すぎるだろうと思うのは気のせいではないはずだが…

しっかし上司は嫌な笑顔をするものだ。今回の話とその笑顔から推測するとだ。

《もはやここは実験場ではなく、俺らにとっての戦場になる》ということを意味しているのを想像するのは指して難しいことではなくそれから避けられないということもそれ以上に想像できる。

はぁ~ さよなら休日、ようこそ地獄。ということだ。


「今までの試験、実験を前提としたものから、これから純粋な戦力として東欧で暴れまわってもらいます。良かったですね。

―――これで嫌な目で見られることも無くなりますよ?」

嫌だ、嫌だ、嫌だ。さらに追加でなにがある?なにがくる?それはもはやあれしかないだろう。


「いや~ってことはそろそろBETAの攻勢が始まるわけですか。

僕知らなかったな~中東にいた時より辛い状況になりそうだ。

さあ、頑張っていきましょうかね。黒野大佐。」

俺がわかりたくなかった事実を軽く言ってくれる横の少佐。

コイツのことマジできらいになりそうだ。だって今、目が笑っていなかったし。

以前からここに派遣されている戦力が実験部隊としても、戦力が過剰になっていることは指摘されていたことだが…俺が部隊長の時にそのベールが脱ぐことはないだろう…俺の「見たくないよ」と言う声は聞き届けられなかったのだろうか?

「具体的な話をさせてもらいますと、今日まで膠着状態となっていたここ東欧戦線ですが、変化する兆しが見られています。

情報源は3日前の国連統括偵察衛星群。ソ連に向かっていたBETAの個体群の何割かがウラル山脈を越える動きを見せており、ここ欧州に向かって来る見込みと判断されました。

今でさえバルト川陣地の防衛戦力が当初より20%近く低下していますから、BETAの攻勢がこちらより速く強大だった場合、高い確率で戦線が崩壊するでしょう。

ですが、それをどうにかするのがあなた達の役目です。

他にも各国への支援など国連と協力して光菱が行っておりますし、ルーマニアの資源回収やいろいろとやる時間が必要なことはあるのは真実ですが、実際の戦力となるのはあなた達です。


両者とも以前にも言いましたが、光菱はここが今後の分かれ目の地となると予想しており、ここがこちらの予想を超えた場合、『欧州は落ちることになる』
そうならないためにもこれから両者ともこれまで以上に働いてもらうことになります。


そのことからも、これから辛い選択や凄惨な戦場にたってもらいますが、これまで以上に支援はさせてもらいます。 両者ともよろしいですか?」

「「了解しました!!」」

それしか言うことはできないだろうに。というツッコミは置いといてだ。

なんだかんだ言って、ここで部下を見殺しにする理由は光菱にはないはずだ。

戦場の空気を感じさせたいことがこの遠征の本質である以上、俺が死ぬ事態にまではならないだろう…という予想はある…と信じたい。

はぁ、本土に帰れるのは何時になることか。


「よろしい。ではこれから動いてもらいますが、最初は部隊の編成をしっかりとやってもらいますので、そちらにお任せします。

後から指示が出しますが、まずはそこからですね。仲良くやって下さいよ。」

「うなだれていてもしかたないなぁ。まあ~為るように為るってね。
じゃ、よろしくこれからお願いしますよ、大佐殿。」

と言いながら握手を申し出る、少佐。

仲良くか…悪い人間ではなさそうだし、前線の指揮が任してもよさそうな実力を持っていることはうかがえる。

そんでもって一度諦めてしまえば、逃げられない戦場がまってることからしても俺の部下として戦友になることは避けれそうにない。のは今の現状が告げている。


ならば、今聞いた「地獄からの手紙」と向き合うためにしなければならない儀式"あいさつ"があるだろう。










「ようこそ、少佐。我が国連東欧派遣隊 幻影旅団《‐Ghost brigade‐》へ」

"地獄"へ引きずる魔の手と共に。













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筆者です。急遽、外伝を書くことを決意しました。本編のほうではずいぶん先まで戦場が出てこないので、その分の戦場状況、兵士の光菱への感情が伝えるためのものですね。未だに戦闘シーンがないですが…

キャラクターは新しく覚えて戴くのも面倒だろうと思いますので、ハンターハンターの幻影旅団、ブリーチの護廷13隊のキャラを出していこうと思います。
もちろん違う世界の同じ存在ということで、召喚したわけでもなく、特殊能力は一切ありませんwww

では次回にて。

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