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No.25979の一覧
[0] 【完結】リリカル戦術機(現実→リリカルなのは→マヴラヴ)【3部作】[ミケ](2011/02/22 20:36)
[1] リリカル戦術機 1話[ミケ](2011/02/12 20:59)
[2] リリカル戦術機 2話[ミケ](2011/02/12 21:00)
[3] リリカル戦術機 3話[ミケ](2011/02/12 21:00)
[4] リリカル戦術機 4話[ミケ](2011/02/12 21:01)
[5] リリカル戦術機 5話[ミケ](2011/02/12 23:29)
[6] リリカル戦術機 6話[ミケ](2011/02/12 21:02)
[7] リリカル戦術機 最終話[ミケ](2011/02/12 21:04)
[8] リリカル戦術機 エピローグ[ミケ](2011/02/12 21:06)
[9] リリカル戦術機 裏 1話[ミケ](2011/02/12 23:25)
[10] リリカル戦術機 裏 2話[ミケ](2011/02/13 01:13)
[11] リリカル戦術機 裏 3話[ミケ](2011/02/13 01:27)
[12] リリカル戦術機 裏 4話[ミケ](2011/02/13 05:03)
[13] リリカル戦術機 裏 5話[ミケ](2011/02/13 08:25)
[14] リリカル戦術機 裏 6話[ミケ](2011/02/13 09:36)
[15] リリカル戦術機 裏 7話[ミケ](2011/02/14 20:46)
[16] リリカル戦術機 裏 最終話[ミケ](2011/02/14 22:49)
[17] リリカル戦術機 裏 エピローグ[ミケ](2011/02/17 21:08)
[18] 外伝 魔法将軍★マジ☆狩る悠陽[ミケ](2011/02/16 08:31)
[19] 外伝 魔法将軍★マジ☆狩る悠陽 2話[ミケ](2011/02/17 21:07)
[20] 外伝 魔法将軍★マジ☆狩る悠陽 3話[ミケ](2011/02/17 21:06)
[21] 外伝 魔法将軍★マジ☆狩る悠陽 4話[ミケ](2011/02/17 21:05)
[22] 外伝 魔法将軍★マジ☆狩る悠陽 5話[ミケ](2011/02/18 13:01)
[23] 外伝 魔法将軍★マジ☆狩る悠陽 6話[ミケ](2011/02/18 23:20)
[24] 外伝 魔法将軍★マジ☆狩る悠陽 7話[ミケ](2011/02/19 19:48)
[25] 外伝 魔法将軍★マジ☆狩る悠陽 8話[ミケ](2011/02/20 08:14)
[26] 外伝 魔法大統領★マジ☆狩るマイコ― 9話[ミケ](2011/02/21 20:54)
[27] 外伝 魔法将軍★マジ☆狩る悠陽 最終回[ミケ](2011/02/22 08:28)
[28] 外伝 魔法将軍★マジ☆狩る悠陽 エピローグ[ミケ](2011/02/22 20:32)
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[25979] 【完結】リリカル戦術機(現実→リリカルなのは→マヴラヴ)【3部作】
Name: ミケ◆8e2b4481 ID:9a8f54f5 次を表示する
Date: 2011/02/22 20:36
チラ裏からの多分続かない一話だけの短編集からの移動作品。
例によって例の如く、物凄く面白い小説(【ネタ】タケルちゃんが「魔砲」を手に入れました。(マブラヴオルタ+リリなの))を発見して羨ましくなって、気がつけば二話ほど一気に書きつづっていたので出してみます。

第一部 鬱話
第二部 第一部 九條視点
第三部 第一部その後。はっちゃけ注意。メタルウルフカオス、ドラクエ4とのクロスあり。













 ただ、一番になりたかった。中途半端に魔力の多いリンカ―コアがあったから、前世の知識があったおかげで、小さい頃から優秀な成績を残し、どこまでも伸びて行ったから、私の夢は周囲すら巻き込んで、どこまでも羽ばたいた。なんだって出来る気がした。
 けれど、私の成長は10歳で完全にストップした。
 なんて事は無い。何の取り柄も無い、かつて二十歳だった女が、5歳で10歳クラスの勉強を楽々クリア出来ても、博士がやるような問題は解けるようになるはずはない。ただそれだけ。
 もちろん、子供の内は吸収力があるし、努力すればその分成長もする。しかし、大人になれば誰でも出来る事と、頭のいい人間が努力してようやく届く場所にある物は、全く違う。私は、それがわからなかった。ただ、有頂天になって、褒められるのが嬉しくて、一番になれる甘みを十分に味わい、抜け出せなくなった時にその停滞は訪れた。
 後は、狂ったように勉強した。訓練した。
 それでも、どんどん追い抜かれて行く。周囲の失望。自身の焦り。
 追いつめられて、追いつめられて、私は狂い死んだ。

「……神様って、意地悪なのかしら。優しいのかしら」

次に目覚めた時、私はマヴラヴの世界に産まれていた。
佐々岡重工という、公式の年表にも残らない、弱小戦術機開発の会社の社長。それが私の親。
半端な魔力のリンカ―コアが与えられたのと同じように、半端な勉強の環境が整っていたわけだ。
私、佐々岡鈴は、それでも与えられた餌に齧り付いた。あの栄光が欲しいが為に、戦術機やOSについて勉強を始めた。
戦術機について学ぶのは初めてだけど、学問は三度目。
世界一の博士にだって、果てなき時間を生きれば、きっと届くはず。
 それに、原作知識でXM3という確実に役立つとわかっている概念だってある。
 あれは本来、香月博士の研究によるCPUがあってのものだが、そこは前世の技術も利用した。本当はデバイスが使えればいいのだが、あれはリンカ―コアの持ち主にしか扱えない。魔力を使った動力源も同様だ。デバイスだが、もちろん作った。設計作業用の補助デバイスを一つ、戦闘用デバイスを一つ。
 かくて私は、5歳で戦術機について勉強し始め、10歳で戦術機に乗り始め、15歳でOSを作り上げた。1995年の事である。
 父さんが頼みこんでようやく得た、力試しの機会。試験方法は、撃震との戦闘試験。
 戦うのは、私。
 私は強化装備を着こみ、緊張して父と私の合作、戦術機雛を見つめた。
 父は、後ろから私の肩を叩いて、微笑む。

「大丈夫だ。俺達は、これに全てを掛けて来たんだ」

「うん、父さん。でも私、一番じゃないと駄目なの。絶対に一番じゃないと駄目なの。私、それができないなら、生きている意味なんて……」

 カリカリと神経質に爪を噛む私。父さんは私の肩を抱き、安心させるように囁く。

「誰が何と言おうと、お前はお父さんの一番だ。さ、悔いのないよう行って来い」

「圧勝でなければ、全て同じよ……」

 私は雛に乗りこむ。真正面から激震を睨む。
 雛は小さめで力も無いけど、素早い機動と切れ味のいい短めの刀が売りだ。
 前世の知識を最大限思いだし、それとこの世界の科学を融合させた会心の作。
 機動性はXM3の効果や大幅に変えた操縦方法により、非常に制御しやすくなっている。
 ただし、初見殺しではあるが。
 
『帝国陸軍少尉、九條透。参る』

 対するは、少年兵。少尉は確か戦術機に乗る最小の位。舐められたものだ。
 まさか、15歳の私よりさらに若い少年と対戦させられるなんて。

『佐々岡重工、佐々岡鈴。一番以外はいらない。行くわ』

 私は刀を持って走る。対する山梨少尉は長刀で真っ向から向かってきた。
 剣術の腕前は向こうが上だろう。棒術は前世で習ったけど、剣術は今世が初。才能と訓練の度合いは恐らく向こうが上。問題は、切り合いに持っていけるかどうか。
 キャンセルのきくこの体なら、何合か切り合ってしまえばそこから活路を見いだせるはず。ただし、初撃で撃沈されればそれまでだ。
 刀を振り下ろされ、私は横に飛んだ。刀を振る。防がれる。
 忘れるな、トリッキーな動き、相手が一旦自動制御に移った時が私の勝機。
 もっと早く。もっとトリッキーに。
 小さい雛が以外に素早く進むように、予測不可能な動きで遊び回るかのように、山梨少尉を撹乱する。
 まともに切りあったらまず力負けする。でも大丈夫。攻撃にタイミングを合わせて飛べばいい。重要なのは隙を見せない事。
 ややあって、勝ったのは私だった。
 激震は体にいくつものペイント弾をつけて沈黙した。

「鈴、よくやった!」

 父さんは私を抱きしめてくれる。心地よい勝利の瞬間。褒められる時、空虚は埋まり私は満たされる。

「勝利したのは雛だったが、子犬が成犬にじゃれついているかのようだったな」

 試験管の少佐が、難しい顔で雛を見つめた。

「しかし、駆動性はかなり良かったですよ。大きな欠点を、それ以上の長所で埋めた形ですね」

「しかし、力がないのがな……。致命的なのは、操作方法の違いだな」

 私の顔が強張るのがわかる。私は一番でなくてはいけない。勝ったのは私のはず。
 爪を噛んでいると、九條少尉が歩み寄って来た。

「指から血が出ている。技術者にとって指は命だろう。先ほどの勝負は素晴らしいものだった。勝利、おめでとう」

「その通り。私は勝った。私の雛のどこが駄目なの」

 九條少尉は困ったように微笑んだ。

「私見だが。操作方法が違うと言うのがやはり大きいね。それに、これは第一世代を土台に作った物だ。第三世代と比べると、どうしても見劣りしてしまう所もある」

 ガリ、と爪を噛む。言われている事はわかる。
 けれど。だから負けていいって事は無い。
 九條少尉が私の手を取る。

「やめよ。救護室に向かうぞ」

「しかし、娘の作ったOSの即応性は他に類を見ない物です。他にも、操作方法は確かに変わっていますが、非常にシンプルになっており……」

 そう父が売りこむのを背後に聞きながら、私は救護室に連れていかれた。
 
「君の噂は聞いていた。学校にも行かず、引籠って5歳の時から研究をしていたそうだな。口癖は、一番にならないとだとか」

「それが何」

「私と同じだな。そう思って、今日の試験に志願した」

 にやりとして九條少尉が言う。
 私は思わず九條少尉の顔を見た。

「ようやく、私の顔を見たな」

 しばしの思考。

「問題ない。私が目指すのは一番の衛士ではない。OS作成で一番になれればいい」

 衛士への高い適性が私にあるとは思わなかった。私にあったのは環境だけだ。リンカ―コアだけが目に見える私の才能。

「ならば、私達は手を組める。そうだろう?」

 九條少尉が伸ばした手を、私は無意識に取っていた。

「九條様。娘は世間知らずなので、そこら辺にして頂けますか」

「これは失礼した。佐々岡社長、話は終わったのか」

「考えて頂ける事になりました。雛はとりあえず置いていきます。行くぞ、鈴」

 私は頷いて父さんに駆け寄った。
 結局、雛は正式採用されず、代わりに富嶽重工と協力して第四世代の戦術機を作る事となった。
 その後、私は絶望を知る事になる。


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