拝啓天国のお父様、お母様、兄さん。私、もう死んじゃうかも知れません。「このクズ共がっ!愉快にケツ振りながら走るんじゃない!!」『『『Sir yes sir!!』』』イギリスでも未だに広大な自然を残すザ・ケアンゴームズにバーラット軍曹の声が響き渡る。その広大な敷地の一部に新設された国連軍ニュートンモア基地では新兵訓練が開始されてまだ一週間という期間しか経過していない。だが、その一週間で私たちは着実に追い込まれていった。先ず一つ、私たち第305訓練大隊の訓練兵を鍛え上げる任務を授けられたクラウス・バーラット教官。私達と出会った初日、その日はしっかりと“手加減”されていたのが今ならよく分かる。鉄拳制裁、言葉攻め、妥協や怠慢を許さず、そして少しでも私たちを追い込める要素があれば理不尽に思ってしまう程に罵倒する。教官としては最も適していて最高、訓練兵からすれば最も避けたい最悪なパターンの人間だ。「足を止めるなアレン・サーシェス!!パパとママの愛情が足りないのか!?ガッツを見せろ、ガッツをだ!」「さ、Sir yes sir!」「声が小さいぞ!どうした?その体に見合った声がそれかチビ助!!そうじゃないなら叫んでみろ!!」「Sir yes sir!!」「よし、返事だけは立派だ!GO!!」ペースがガクリと落ちたアレンにバーラット軍曹が呼び止めて額をぶつけて言い放つ。そして叫ぶように返事をして再度加速するアレン君を見送り、バーラット軍曹は今も走り続ける私たちに大声を張り上げた。「さぁさぁ走れ!!戦場では走れなくなった奴から死んでいく!走れないのは体力が無い、気力が無いからだ!気力と疲労は絶望的な状況で諦めを生み出す!分かったか!!」『『『Sir yes sir!』』』「声が小さいぞクソ野郎ども!!玉は着いてるだろうもっと声出せ!てめぇらイ○ポか!?そうじゃないなら喉切り裂いてそっから声張り出せ!!」『『『Sir yes sir!!!』』』「俺は差別なんてしない、全て平等に見てやる!テメェらが俺を睨もうが憎もうが殺してやろうと思おうがだ、そんなのは全てのBETAに劣るカスみてぇなモンだ!」『『『Sir yes sir!!!』』』「つまり、今の貴様らはBETA以下だ!家族に友人を無情にもぶっ殺して回ったBETA以下だ!!それが認められぇってんなら結果で見せろ!分かったか!?」『『『Sir yes sir!!!!』』』皆が皆、顔を歪めて声を張り上げる。中にはバーラット教官を睨みつける者もいるが、それも無駄だと分かったのか前を向いてまた走り出す。心身共に疲労はピークに達しつつある中、私は聞こえないように悪態を吐いていた。「私にゃタマは着いてませんっての…!」「お、女がそれを言うなこのバ…ゲホッ!ゲホゲッホ!!」荒い息の中で叫んだアレンが咳き込む。隣で走っている同じ班のチームメイトでもある彼は体力に不安があるらしい。それはバーラット軍曹も十分に見抜いており、今も集中して目を掛けているし班長でもある私にも注意を割く様にと言われた位だ。背中を叩き、何とかペースを落とさないようにと走り続けさせるしかないだろう。ただ、正直に言えば力の及ばない仲間をそんな風に気にかける余裕すら皆が失いつつある。走り始めたのは明け方、確か集合が5時くらいだった。そこから慣れない訓練で“壊れないように”固まった体を長々と準備運動を済ませ、そして朝食を抜いてのランニング「………よし、20分休憩だ!その後は座学とミーティングを行う、各班長は班員を纏めておけ」「きゅ、休憩?―――や、やっと休める……」遠くから国連軍の制服を着た少尉が来るのを見たバーラット軍曹は時計を覗き込み、暫く顎に手をやってからバーラット軍曹が休憩の合図を出す。ようやく休憩が許され、皆が用意されていたミネラルウォーターのボトルへと群がっていく。その中で一人、心の奥底から搾り出すように私は呟いた。「あー……死んじゃう…」水を飲むより呼吸を整えようと体を地面へと投げ出す。湿気を程よく含んだ冷たい雑草で覆われた地面は思いの外、自分の体を優しく包んでくれる。ああ、瞳を閉じればこのままゆっくりと眠りに着けそうな気がする。「エルトゥール訓練兵」「サーイエッサァー!?」軍曹の声に跳ね起き、敬礼をする。何かもう染み付いちゃってる気がしなくもない動きだが気のせいだろう、気のせいであってほしい。そんな私を呆れたような顔をして私を見るバーラット軍曹は腕を組んで口を開いた。「……元気だな、まだ走るか?」「いえいえいえいえいえ!?もう許して下さい!これ以上走っても悪化するだけで何の得もありません!?」「いやなに、俺だけは汗まみれで死にそうな顔をするお前を見てて楽しいだろう?」「―――――っ」煙草を美味そうに吸うバーラット軍曹の口から発せられた言葉で固まる。いや待ってほしい。今さっきまで走って、ようやく得た休憩なのだ。ようやく息を整え、肉体の疲労を少しでも取り除こうと思っていたのに「走れ」とは絶望以外の他でもない。いや、走れと本当に“命じられれば”走らなければいけないのだが。「さて、どれくらいが適切か………」走らせる距離をワザワザと聞こえるように呟きながら軍曹が頭を捻る。そして暫くの沈黙。その間の私の顔色の七変化が面白いのか、どう見ても顔が愉悦で染まっている。「は、ははははは……」バーラット軍曹が手紙を受け取りに少しだけ離れると空笑いが口から零れ出る。周囲の皆は何処か哀れんだ目で見ており、どう見ても『ご愁傷様でした!』な感じの空気を醸し出している。……いや待て、待ってほしい。私って変に返事をしたけれどそれが走る理由になるのだろうか?「……なるんだろうなー」そこまで言って、軍曹が小走りで此方へ来るのを見つつ半分くらい自棄になり呟く。多分だが、私の目はハイライトが消え、打ち揚げられた魚の目みたいに死んでいるだろう。本当に絶望してるんだから。だが、言い渡されるであろう『絶望のランニング10キロ』などは全く告げられず、目の前にはミネラルウォーターの入ったボトルが差し出されているだけだった。「……へ?」「へ?じゃない。水だ、水分補給をしっかりとしておけ……倒れられても困るんだ」そっぽを向き、私に水のボトルを押し付けるバーラット教官。何なのだろう、普段は鬼みたいに厳しいのにこの妙な優しさは。(あ、嵐の前の静けさじゃなければいいんですけど……)周りの皆もこの様変わり用に恐怖している。先ほど来訪した少尉から手紙を受け取っていたが、それがまず原因なんだろう。一転してご機嫌にさせるほどの手紙、その中身は一体なんだというのだろうか……?「ふふんふ~ん♪」(は、鼻歌まで歌ってる!?な、何?そんなに“楽しみ”な事を見つけたの!?)「あ、あの教官!何か良い事でもあったのでしょうか!!」妙にご機嫌なバーラット軍曹の様子に凍りつく空気。そんな空気の中で訓練兵(確かフランス出身のパトリシアちゃんだ)の少女が手を上げて問い掛ける。何処か小動物みたいな雰囲気を持つ彼女は訓練兵の中では気が小さいと言われてる。なのにどうして、こう無駄な時に勇気があるのだろうか?恐らくはそんな思いが全員に共通しているだろう。そして、その問いを掛けられた軍曹は小さく、何処か悪戯小僧を連想させる笑みを浮かべて答えてくれた。「今度、友人が結婚するんだ……いや、戦友と言った方が関係としては正しいか?」「そ、そうですか!おめでとう御座います!!」「おう、ちゃんと伝えておくさ………そうだ、良い事を思いついた」ニィっと口元を歪め、笑みの形を作るバーラット軍曹。なんか、「私に良い考えがある」とか言って皆を集めるように指示を下しているが何を思いついたのだろう。少なくとも、その“良い考え”の対象は悲惨な目に会うのは確定的に明らかだと思う。そんな私の心配を他所に、面白い事を思いついたような顔でバーラット軍曹は集合した私達に向かって口を開いた。「この中でA-01隊員のサインが欲しい奴はいるか?」因みに、近い未来に必死かつ丁寧に何十枚ものサインを書く某新郎。そしてそれを見て苦笑しながら何枚かのサインを書くA-01隊員の姿が教会の礼拝堂に居たとか居ないとか。 ◇バーラット軍曹が日本へ結婚式の参加をし、大量のサイン色紙と共に帰ってきて1ヶ月過ぎた6月初頭。つまりは訓練開始から約2ヶ月が経過したある日の事だ。流石に私たちも成長しているらしく、訓練にはそれなりに体が慣れ、成熟を促すように飛ばされていた罵倒も少なくなって来ていた。最近ではマーシャルアーツ(軍隊格闘)から銃器の取り扱いも始まり、『兵士の育成』といった風な訓練が多い。バーラット軍曹自体は体に障害が残されいるので肉体での格闘訓練は見ていないがその手に持たれたクリップボードには何かを常に書き込んでいる。一度だけ報告書の提出に教官の部屋へ出頭した際に傍目で見たが、既に訓練兵全員の戦術機のポジションの適正を出しつつあった。例えば、私は射撃の成績が訓練兵でも高い方だが身のこなしが軽い程度で格闘自体はまぁ普通だ。これだけなら『強襲掃討』のポジションが向いていそうだがそこにプラスして『視野が非常に広い、全体を見回せる冷静さ、小隊長向き』などが補足されている。それらを踏まえてなのか、『迎撃後衛』のポジションに赤色で二重丸が書かれてあった。個人的に現状の情報だけで既にポジションを決定しているのは性急すぎると思う。『演習』だってまだのひよっこが私たちだ、戦術機に乗れるかも不明なのだ。それに、考えたくもない可能性なのだが今後は“欠員”が出る可能性だってある。(でも、軍曹はそこまで考えていないだろうなぁ……)そう考えると、性急なのか…それとも私たちが全員が戦術機課程に到ると核心しているのかのどっちかだろう。ちょっと褒められているというか、期待されているようで恥ずかしい気もする。そんな風に、まだ薄暗い空を見上げながら遠くから此方へ向かって歩いてくるバーラット軍曹を見ながら考える。梅雨始まり特有の湿った空気が最大限に発揮される森林の中。私たちは全員が揃って整列していた。「さて諸君、お早う!!」ブーニーハットに森林迷彩という格好のバーラット軍曹が未だ朝を迎えず静かな森林の入り口で声を張り上げる。その声に鳥が何羽か驚き、空へ飛び立つ。そして、未だに眠っている寝ぼすけな鳥達を叩き起こすように全員が息を一吸い、揃えて声を張り上げた。『『『お早う御座います!!』』』「はいお早う。さて、先日に連絡した通りだが今回は貴様らには楽しい楽しいハイキングをして貰おうと思っている」突如として起こされ、パニックとかした名も知らぬ鳥が出すパニックの声をBGMに、本当に楽しそうに“ハイキング”を強調して盛大に言っているバーラット軍曹。ただ、その軽い口調に反して私達の格好はどう見てもアホみたいに重い行軍装備のそれである。つまり「森林という足場の悪い地形を踏破しろ」という意味だ。正直に言えば楽しくも何とも無いのが本音である。まぁ延々とグラウンドを走らされるよりは何倍もマシなのだが。「この森は半径30k㎡、今の地点から20キロ先にある直径4キロほどの湖が貴様らのゴールとなる」各自一枚ずつ持たされた地図と同じものを開いてバーラット軍曹が細かな確認。それを全員が聞き漏らさないように脳へと刻んでいく。細かな説明の中にはこの森に生息する危険な生物と対処法や緊急時に生存するための方法も存在している。これらが意味するのは“死者が出る可能性がある”ということ。それを肯定するようにSOSと同時にリタイアを告げる赤色の発炎筒と連絡用の無線が配られているのだ。「エルトゥール、受け取れ」「はい!」「サーシェス……じゃなくて豆も受け取れ」「豆!?じゃなくてはいっ!!」教官が予備も含めた2本の発炎筒と携帯無線機を差し出すのを受け取る。隣で豆呼ばわりされたアレンが不機嫌そうに通信機を弄ってるけど……まぁいつもの事だろう。とりあえず、頭を撫でるが跳ね除けられたので手持ち無沙汰気味にプラプラと手を振っていると荷物のチェックが終わったのか教官達が言葉を交わすのが見えた。この森林突破は各自が自由にしていいと言われている。つまりは単独でサッサと行ってもいいし、バディやチームを組んで行ってもいい。『身体能力に自信がある者は単独、助け合いが必要な者はチームで』なのだが、軍曹曰く“ハイキング”はそこまで情報が明かされていない。ただゴールタイムを計るのか、それともこの森に隠された“何か”に対して行動するのか。そんな風な“目的”が見えない以上は『注意しつつ迅速に』が最適なんだろう。そう行動指標を脳内で立てていると、荷物を背負うように命令される。そして、荷物を背負い立った私達に対して軍曹は意味あり気っぽい顔をしながら……ゆっくりと口を開いた。「……さて、これから出発となるが……この森には“妖精”が出るとされているのは知っているか?」『妖精』……古くからイギリスにはそういった『オカルト』と言われる類の話は山ほど存在している。その中には“妖精”だって勿論だが存在している。だが、この訓練開始の直前にそう言われてもピンとは来ない。そして、皆も“妖精”という単語に首を傾げたり顔を見合わせたりし、「分からない」と言いたげに皆が軍曹へ顔を向けていた。「いや、昔から噂になっているんだがこういう森には居るそうだぞ?過去には迷子になった訓練兵が救助されたとかって話もある」苦笑しつつ答える軍曹は茶目っ気を出すように小さくウィンク。そして、時計を覗き込み……号令をかけた。「全員出発!後で会おう!!」その言葉を掛け、リトルバードと呼ばれる小型のヘリに乗り込んで去っていくバーラット軍曹。それを見送った訓練兵はそれぞれが動き出す。私も、私がまとめ役をする小隊メンバーと一緒に出発する。それから2時間が経過、その間は皆が思い思いに話しつつの進軍だ。付近に注意しつつも、確かにハイキングっぽい感じはしていた。だが、それは突如として終わりを告げた――――森に響く悲鳴と、無線から入り込む声に。『あー、あー、テステス―――クラウス・バーラットだ。たった今、A中隊のラスティがリタイアした』「「「「ッ!?」」」」突然のリタイア宣告とリタイアした訓練兵の名前、その両方に私を含めた小隊の全員が驚きを露にする。ラスティは身体能力だけで言えば訓練兵の中でトップ、特にナイフを使用する訓練じゃ専門の教官すら圧倒した腕の持ち主だ。格闘のセンスはバーラット軍曹だって認めているのは周知だろう。そのラスティがリタイアだ。『何があった』、ではなく『何が発生したか』……それが問題になる。さっきの悲鳴だって、冷静になって思えばラスティの声だったような気がする。『まぁ、ラスティはこっちで保護しているから問題ないぞー。安心して続行しろ……ああ、最後に一つだけ』ゆっくりと、ハンドサインで身を低くするように指示を出す。私が脳内に浮かべた最悪の予想、その予想が当たっていれば……これは“訓練”ではなく、実戦のつもりで掛かる必要性が出る。そして、予想を肯定するかのように最後の言葉を残し、通信が切れた。『――――ま、妖精さんのお世話にならないようになー…以上、通信終了』「……あの、最悪の予想が当たってそうなのですが言ってもいいでしょーか?」無言の皆が小さく頷く。分かっているけど、口に出したくない……そんな感じなのだろう。私だって考えたくもないけどほぼ確実だろう。だから、ハッキリと言ってやった。「――――この森の中には“狩人”がいます。多分、ギリースーツを着て森に同化したのが何人も……」そこから先は、思い出したくもない出来事が連発しました。―――犬が盛大に吠えながら追っかけて来たり(アレンのズボンが奪われました、取り返しましたが)―――何か踏んだと思ったらいきなり足首を捕まれたり(思わず側頭部に蹴りを入れちゃいました、「ふ、不幸だ…」とか言って気絶しちゃったので発光信号で救助を呼んでおく)―――「よう、大将」とか聞こえたらアレンが消えてたり(その2分後、アレンのリタイア通知が来たので猛ダッシュで逃走)……とまぁ、本当に色々とあった訳で……走り続けているといつの間にか集合地点へと到達していた。正直、時間の経過すら気付かないくらいだったからどれだけの時間を走ってたかは不明。ただ、一言だけ言わせて貰うのなら、だ。地形最悪の森林走破20キロとか普通じゃ無理な訳で、文字通り『火事場の馬鹿力』を出し切った私や同じく逃げてきたであろう皆の顔は気力すら感じられない。……つまりは死んだ魚みたいな顔をしていた。(私も、少し休みたい……)とりあえず、報告だけはしないといけない。一応は小隊で行動してた際でも小隊長だしリタイアしたアレンの行方だって気になる。だから、その全てを知るであろうバーラット軍曹を探しつつ周辺を散策する。目に見える限りでは野戦用テントが立ち並んでいるが人は少ない。唯一、ヘリの傍でパイロットが計器をチェックしているのが目に見える程度だった。「あの、中尉殿。バーラット軍曹を探しているのですが…何処に居られるかご存知でありましょうか?」「軍曹か?軍曹は湖の傍にあるキッチンに居る」「ありがとうございます!(キッチン?)」パイロットの中尉から教えて貰った通りに湖へと足を運び、そしてキッチンへ。何故かキッチンの方向から罵声と叫び声、悲鳴が聞こえるのは気のせいと信じながらも足は進めるとようやくキッチンとなっているであろうテントを見つけた。……ただ、そこに広がる光景にはちょっとした眩暈を覚えそうだ。「あの、バーラット軍曹……?」「そう、そうだ!タマネギを切り続けろ、交代しつつな……ん?エルトゥールもゴールしたのか?おめでとう」「あ、ありがとうございます……何してるのですか?」見覚えのある顔達が……正確に言えば、リタイア通知を受けていた訓練兵達が涙を流しながらタマネギやら人参やらを刻んでいる。そんな彼らを指揮するバーラット軍曹の“格好”に呆然としつつ、何故か力なく私は聞く。国連軍の野戦BDUは良いだろう、私達も同じものを着ているしこの場に相応しい格好だ。ただ、その上に更に来ている『ひよこマークの入ったエプロン』は何なのだろうか?少なくとも、この“ひよこエプロン”を選んでいる軍曹の姿は悪いが想像できない。あと、さっきから軍曹がかき混ぜている鍋からするスパイシーな香りの茶色いシチュー(?)も妙な家庭っぽさを感じさせた。「何って、昼飯の準備だぞ?ユーコン経由で天然モンが結構楽に手に入ったから期待しておけよ?」「はぁ、そうですか…」……うん、ハッキリと言おう。私にはこの人が色々な意味で理解できない。あと、理解したら負けなんだというのも分かった気がする。この人は本当に…ほんとーに何を考えて生きているのだろうか?全ての行動が唐突すぎて展開が読めないというか、むしろそれが持ち味とでも言うのか…。とりあえず、「この人の部下になったら大変だろうなー」と現在進行形で部下…というか訓練兵な私は再度実感する。―――――本当に、常識が通じない人だ……ってね。PSあの茶色いシチュー、カルェーラァァィイスッ(こんな発音でした)は非常に美味しく頂きました。料理も出来るんですね、軍曹。