注意事項!作者が何故か書いてたネタです、他の世界でクラウスさん大暴走です。AF編と本編につまった際に書いてたネタなので結構時間が空いてます。【ストライクウィッチーズ2】高度3万に位置するネウロイコア破壊。その任務を終えたサーニャとエイラは地上で待つ皆の下へと戻ろうとした時の事だった。「エイラ、あれ」「あれ?………なんだありゃ」隕石では無い、明らかに加工を行ったであろう20mを超える長方形の箱が自分たちを抜き去って地上へと突っ込んでいっている。サーニャの手が届きそうに思えたほど近く感じた故郷を見ていたので気付かなかったのか、音も聞こえない世界だったので完全に見落としていた。「エイラ、追うよッ!」「ああ!」追跡、どんな存在かすらも不明なソレを見逃す訳にはいかない。魔法力も余裕が無いが、追従するだけなら出来る。「………見て、箱が開く!」「速い……ッ!」暫らくすると箱が四散し、下の海へと向かって落ちていく。だが、加速して落下していく箱の破片の中に大きく減速をした物が目に入った。「あれは……ウォーロック?それにしてはデザインが人っぽいな」「でもエイラ、凄く大きいよ?」ウォーロック……ブリタニア軍空軍大将のマロニーが捕獲したネウロイのコアを使い、軍上層部にも秘密裏に製造した男魔女の名を冠する無人人型航空兵器。以前に大苦戦したあの兵器より人型に近い青空色のモノがその姿を現していた。「えっと……どうする?」「ネウロイ……かな?」「いや、ネウロイにしては変というか……」武装が無いこの状況、攻撃を浴びれば一溜まりも無いのが分かっているがどうしようも無いのが本音。それ故に困っていたのだが……固まった様に浮遊していたソレがこっちを見た。「こっち見たぞ」「待ってエイラ、少しだけ様子が可笑しいよ?」再度固まっているソレに近づき、顔みたいな部分にあった目(?)に手を振る。すると、急に声が響いた。『………マジで?』「「マジ?」」 ◇「目標到達まであと5分!」私、坂本美緒が魔眼で捉えた先にある人型の兵器らしきモノ、その傍にエイラとサーニャが居て、今は互いに固まっている。サーニャの口が動いているところからしてコミュニケーションを取っているのは間違いない筈だ。……だが、武装の無いあの二人はアレの追跡をした結果、魔力も限界に近い筈。それ故に私を中心としたウィッチの半数が戦闘態勢を整えて現場へ急行していた。「シャーリー、先行しろ!ルッキーニはシャーリーのバックアップだ!」「アイアイサー♪」「りょーかいっ!」グンッと加速して二人が駆け抜ける。相変わらず速い、それがこういう場合ではありがたい。それに、今は雲で隠れて視認できないが戦闘の音も聞こえない。そしてあの二人だ、何があっても数分の時間を稼ぐ程度は楽勝な筈だ。「楽観視は良く無いな……む?」交戦区域に到達、そして目標を再度視認する。見れば見るほどデカイ……成人男性の十倍以上はあるであろう大きさだ。背中には二振りの巨大な剣を背負っており、近接戦も考慮しているモノだろう。そして刺々しいほどに鋭角が多いソレに纏わり付いて何かの話をしているシャーリー達が眼に入った。「シャーリーさーん!大丈夫ですかぁ!?」「おー宮藤!すっげぇぞコレ!コイツが飛んでる推力装置はジェットだぜ!?」『まぁ、速度は燃費と機体寿命を考えなければ1100km/hは出るからな』「へっ!?喋った!?」「ヨシカ!スピーカーがここに付いてるよ!」キャイキャイと騒ぐ二人に溜め息一つ、そしてコレの手の平に乗っていたサーニャとエイラに近づく。敵対意思は無い……みたいだがどうにも事情が掴めなかった。「二人とも、怪我は無いか?」「はい、大丈夫です。この人?は魔法力が危なかったのでどうしようかと思ったら手に乗せてくれて……」「ま、座り心地は良く無いけどなー」『無茶言わんでくれ、なにしろ戦争するモンだから快適さなんて考慮してないぞ』やれやれ、とでも言いたげに肩を竦める様なポーズを取った衝撃でルッキーニが「にゃー!?」とか言って落ちていくが直ぐにリカバーし戻ってくる。怒ったのか、思いっきり殴ったら今度は手を押さえて悶えているがまぁ良い。とりあえず、中に人が乗っているらしきコレには基地付近まで来て貰わなければならない。「此方も聞きたい事があるので基地までご同行を願いたい」『―――了解、先導を頼む……あと、背後へ身体を晒すとジェット気流の衝撃で下手すると死ぬぞ』「了解した。全員、聞いていたな!これより基地に帰還する!」「「「了解!」」」号令と共に先導、時速で言えば700km/h近く飛ばしているシャーリーとソレは同速度で飛んでいるがそれが巡航速度と同じくらいらしい。魔導エンジンという訳でも無く、レシプロ機とも違う未知の技術を用いた巨大な兵器。エイラ達が言うには宇宙から降りてきたとの事だからもしかすると、ネウロイとは別の惑星外の物じゃないか……と思った。明らかに技術のレベルに差がありすぎている存在だ、それが納得の行く理由だろう……SF小説だな。「皆さんお帰りなさい……それと初めまして、連合軍第501統合戦闘航空団『STRIKE WITCHES』隊長のミーナ・ディートリンデ・ヴィルケ中佐です」『これはご丁寧に、自分は……あれですね、地上で降りてからにしましょう』そうこうしていると何時の間にか基地上空、そこで待っていたのかストライカーユニットを着けて待機していたミーナが挨拶をし、地上へ降りる。ストライカー滑走路にゆっくりと降り立ったソレは片膝を地面に着け、そのまま何かをロックしたかの様な音を響かせた。そしてエイラとサーニャを乗せていた腕を地面へ近づけ、二人を降ろす。二人を祝いたいのもあるが、それは少しだけ後だ。『姿勢維持の為に関節部の固定をしてますので少し待って頂きたい』「でっかいなぁ」「ハルトマン、不用意に近づくな!」「でもさ、あの銃っておっきぃね」『36㎜と120㎜の徹甲弾だ……よし』「何時ぞやのジェットストライカーの装備より凄いねー……ん?」エーリカ・ハルトマンがそう呟き、胸部がスライドし始めた音で全員が視線を向ける。そして、タラップから一人の男性が降りてきた。「国連軍・第三軌道降下兵団(オービット・ダイバーズ)所属のクラウス・バーラット少佐だ……本来は海軍だがな」「改めて、ミーナ・ディートリンデ・ヴィルケ中佐です……オービット・ダイバーズ?」顔を大きく横切る古傷の痕に鋭い眼差し、齢は40代か30代後半だろうか?叩き上げ、という言葉が最も正しい姿をした男がそこに居た。宮藤やリーネも今までに見ないタイプだったのか少々驚いているが別に珍しくもない物だ。そう思いつつも男、バーラット少佐の言葉に違和感を覚えていた。連合軍では無く国連軍、そしてあの兵器に聞き覚えの無い所属……そして、宇宙空間からの登場。ここまで来ると驚くより溜め息が出る。「まぁ、察しの良さそうな中佐殿ならば理解できていると思いますが……これ、明らかに変だと思いません?」親指で乗っていた兵器を指差す。興味深そうに見ていた各々も気になったのか、耳を傾けていた。「……現状の技術力では、再現すら不可能と思ってます」「でしょうね、なんせ50年は未来の兵器ですし」「……自分は未来人、とでも言い張るつもりで?」「正確には………異世界人だな」………本当にSFだな。 ◇「はいはい、お前ら元気だねっと!」俺は今朝搾った新鮮なミルクをトラックの荷台へと積み、ついでに卵を100個ほどケースに入れて車を出す。行き先は決まって第501統合戦闘航空団、あの元気な嬢ちゃん達が元気に戦争している家へと向かっていた。「お早う、ございます……」「はいお早う……乗るか?」「はい……」頭上から聞こえるプロペラ音と彼女、サーニャの眠た気げな声。夜間哨戒を終えた彼女は俺が配達をする時間に良く重なって基地へと帰還している。既に荷台に用意しておいた布団と彼女の武装であるフリーガーハマーの保管箱を専用化しているのもご愛嬌だ。「………俺、何で呑気に畜農家してんだろ?」この世界に来てから一ヶ月、第501統合戦闘航空団へと卵と牛乳(パイロットというかウィッチには一日500mlの支給があるらしい)を届けていた農家のじいさんがポックリとなって俺は生活の基盤として後釜を任された。そこまで大きくもない農場だが卸し先は彼女たちだけだ、それ以外は気にしなくていいのは助かる。戦術機の方も明らかに世界のバランスを崩しかねない代物として厳重に封印されてる。戦場の花形である衛士が今じゃ鶏を追いかける農夫って訳だが……「―――ま、悪くないよなぁ」もう42歳にもなる俺だ、14歳の子供も居るし妻も居る。帰還する手段が不明な俺だがその内に帰ってくると思っているだろうし、帰るつもりだ。休暇のつもりでのんびりとさせて貰おう。「はーい、バーラット乳業ですよー」押し車に牛乳を積み、卵を積み、ついでにフリーガーハマー(すっげぇ重い)とサーニャを乗せて基地内にある食堂へと運搬していく。丁度、宮藤とリーネが朝食を作っている最中だった。「クラウスさん!何時もありがとうございまーす!」「あ、お早う御座います」「元気だねー、おじさんにはマブし過ぎるよ」年ってのは怖いからね、あの純真無垢だった霞が横浜の第二の魔女とまで呼ばれる事になってるし。自称父としては非常に困ったモンだネ。………ウィッチスタイルの霞……ゴクリ。「……じゃあ、俺は旦那さんに嫁さんを届けてくるよ」「はい、お願いしまーす!」雑念を振り払い、ゴロゴロと台車を押して目的の部屋の前へと立つ。ノックを三回するとエイラが出てきた。「へい、べっぴんさんを連れて来やしたぜ大将」「ン、苦しゅうないぞ」相変わらずの棒読みでサーニャを回収、中へと引き込んで扉を閉じるエイラさん。「サーニャにヘンなことしてないよな!?」と聞いてきた時期が懐かしい……「変な事ってなぁに?」と聞いたら赤くなって停止したが。「次は格納庫……」ストライカーユニットとフリーガーハマーの返却もとい格納完了。整備員達に差し入れ(主に酒と甘い物)を渡して次の場所へ移動。エーリカにロマーニャで買い物を頼まれた菓子を届けなきゃならんしペリーヌにも花壇の肥料も届けないといけない、それに中佐と定期の顔合わせもある。―――――こんな日々が、暫らく続く毎日だったとさ。後書きこのクラウス(42歳)は本編のIF未来ですので気にしたら負け。【学園黙示録】この日々は人生で一番最悪の出来事になると僕は思った。いや。もしかすると世界的に“奴ら”が現れた事は人類にとっての最悪かも知れない。僕達の目の前には本来は映画やゲームの中だけの存在だった“奴ら”が居て、それがもう何人もの学校の生徒を……僕の親友をも食い殺していった。そして今も、命の危機には変わらない。「鞠川先生!!」「行きます!!」転がり込むように僕たちが学園から脱出する為に確保したバスへと3年A組の紫藤先生が乗り込み、ドアを閉めて運転席の鞠川先生へと叫ぶように声を上げる。踏まれるアクセル…それは本来ならば後方から追いかけてくるゾンビ達を引き離し、前方から迫るゾンビ共を吹き飛ばしてこのまま逃げれただろう。だが、アクセルが踏まれた瞬間にボッ…なんて嫌な音と共にエンジンの振動が停止する。その瞬間、全員の顔色が真っ青に染まり上がった。「い、いやぁぁぁぁぁ!?」「ま、鞠川先生!早くエンジンを!!」「や、やってます!でも、ウンともスンとも…!」「小室!も、もうマガジンが無い!」女生徒の叫び声が車内へ響き、先程から撃ち易い様に改良した釘打ち銃で奴らを撃っていたコータが悲痛な声で僕に言う。車内には毒島先輩以外、混乱の極みを表しており、中には外へ逃げようとした奴も居たが他の奴に押さえられている。「……先輩」「ああ」僕はバットを握り締め、木刀を既に抜いていた先輩に声を掛ける。最悪、完全に包囲される前に突破口を開くつもりだった……だったのだが、≪……ィィィィーン≫と響いてきたジェットエンジンのような音に窓から空を見上げる。その音が段々と近づいてくるのもあってか、混乱していた生徒も外を覗き込む。だが、太陽で逆光になっている所為か何が来るのかまったくと言って分からない現状だ。「この音……なんだ?初めて聞く音だ…!」所謂、ミリオタである平野コータが少し大きめの声で呟くが僕たちにとっては気にもならない。願うのは、その音を出している存在が僕達の助けになれば……そんな小さな可能性に皆が祈っていた。その思いは……『そこのバスの中に居る奴!耳が音がある世界からおさらばしたくなかったら耳を塞ぎ、口を開いて床に伏せろ!!』―――――通じた!「み、皆!早く!」平野が慌てたように叫び、自らが実践して床に蹲る。それを見た全員がそれに倣い、伏せた瞬間にバスが跳ね上がるような振動と轟音が響く。まるで直下型地震の真上に居たような衝撃が車内へと通り、その衝撃の所為か窓が割れたりヒビが入ったりしているがその事に驚く前に更に轟音が響いた。「な、なんなんだよチクショウ!!?」「わ、私に言われたって分からないわよ!!」不良風の外見の生徒が叫び、高城が叫び返す。時間にして約5秒、音が止み、辺りが静寂に満ちる。奴らのうめき声はもう聞こえず、まるで休校日の日の学校の静けさだ。『――――よし、全目標排除完了。もう大丈夫だぞ』「は、排除!?そんな、どうや‥って…?」「ひ、平野?どうして黙……って?」「嘘、有得ない、有得ないわ…今の技術でも、未来でもナンセンスよ……」バスの左右に一本ずつ見える空色の柱。それを辿るように窓を開けて見上げると人型のシルエットを作り出す。まさか、そんな、んなアホな……誰もがそんな意見を持っているだろうし、僕もその一人だからだ。『『『ロ、ロボットぉぉぉぉぉ!?』』』バスに乗る全員の叫びが響き渡り、慌てて全員が口を閉じる。奴らは音に反応するのだ。……なのだが、前後より殺到していた大群は跡形も残っておらず、地面には巨大なクレーターが無数に空いているだけだった。「……周囲には奴らは居ない、出てみよう」「え、ちょ先輩!?」何時の間にか開けられたドアからバス外に出る毒島先輩に僕が続き、続いて全員が降りてくる。そして、バス内から見るには辛かったロボの全体がようやく見えた。非現実的だが、どう見てもアニメやゲームに出てくるようなロボットだ。「さ、さっきの轟音はあの手の銃かな……それに肩にはUNマークだから国連軍所属だ!」平野が興奮したように声を上げる。バスを跨ぐような状態で両手に持った銃を左右に構える巨大なロボット、奴らと同じく非現実的だ。でも、これが現実として僕の目の前に存在する。さっき頬を抓って確認したから確実だ。「……!見て、胸の部分が前にスライドしてる!」麗がスライドして開く胸部を指差し、モップを構える。確かに助けて貰ったがこんな状況だ、警戒していても可笑しくは無い。そう思っていると収納式なのか簡素なタラップが降りてきて、一人の男が地面に降り立った。しかし……何と言ったら良いのか分からない格好だ。全身ピチピチのダイバースーツに変な金具を付けたような見た目。四角い銃(平野が言うにはP90という銃らしい)をその手に携えた外国人が周囲を警戒するように見渡し、そして銃を下ろしてコッチへ近づいて来る。「無事か?負傷者が居たら教えて欲しいんだが……」「……え、ええ!無事ですとも!お助け頂いてありがとう御座います」「貴方は…教師の方ですか?このグループの代表者でしょうか?」「はい!紫藤と申します……失礼ですが、貴方は?」「申し遅れました。機密事項を多数有する部隊の為、部隊名は申し上げれませんが私の事はクラウスと呼んで戴ければ結構です」代表者、の辺りで麗とクラウスさんが苦虫を潰したような表情を取ったが納得したのか頷く。「とりあえずバス内で話そう」という言葉に従い、全員が移動を開始するが……毒島先輩や高原は胡散臭そうな物を見る目が気になった。「ああ、そこの眼鏡君!機体を見るのは良いが、核に巻き込まれた可能性もあるから放射能に気をつけろよ!!」「か、核!?なんで!?」「そう驚くな!冗談だ………多分ナ」「目が笑ってない!笑ってないよ!!」平野をからかって笑うこの人………意外と大物かも知れない。………そして、その後の話をしよう。クラウスさんは篭城場所をあの戦術機ってロボを使用して確保、そして地図に記された皆の家族を捜索にいってくれた。何人かは家族と合流できて、また何人かは完全に行方が知れなかったけど、皆はそれ以上の無茶を言う気は無かったようだ。そして再度、何処かへ向かったクラウスさんが1機の巨大なヘリ…自衛隊所属のCH-47を率いて帰ってきた際は全員が驚いた。どうやら、何らかの交渉をして救援を呼んでくれたらしく、俺達が空港へと到着した際には何台もの戦車や戦闘機、戦闘ヘリがクラウスさんの乗る戦術機を包囲していた。ただ、その瞬間に空が光り…周囲を飛んでいたヘリがいきなり墜落した時……クラウスさんの機体は影すら残っていなかった。へリが落ちたのはEMPという物が原因で、それは核爆弾の爆発によって発生したらしい。平野が洋上の避難船へ向かう途中に説明してくれた。……そう言えば、クラウスさんも核爆発に巻き込まれたとか言ってたような………気のせいか?