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No.16089の一覧
[0] Muv-Luv Alternative モテない男の声を聞け!!【オリ主・現実憑依】[黒豆おこわ](2010/08/21 00:36)
[1] 第1話 Muv-Luv Alternative モテない男の愚痴を聞け!![黒豆おこわ](2010/02/02 21:46)
[2] 第2話 Muv-Luv Alternative モテない男の嘆きを聞け!![黒豆おこわ](2010/10/20 23:40)
[3] 第3話 Muv-Luv Alternative モテない男の嗚咽を聞け!![黒豆おこわ](2010/02/02 22:17)
[4] 最終話 Muv-Luv Alternative モテない男の最後の声を聞け!![黒豆おこわ](2010/02/03 23:43)
[5] エピローグ Muv-Luv Alternative モテない男の……プロローグ?[黒豆おこわ](2010/02/10 01:02)
[6] 新章1話 モテない男の1日目[黒豆おこわ](2010/12/25 17:31)
[7] 新章2話 モテない男に出番なし![黒豆おこわ](2010/07/30 20:20)
[8] 新章3話 モテない男の対面[黒豆おこわ](2010/08/21 01:17)
[9] 新章4話 モテない男が訪れた世界[黒豆おこわ](2010/10/20 23:47)
[10] 新章5話 モテない男の影響[黒豆おこわ](2010/12/28 00:55)
[11] 新章6話 モテない男とモテる男の再会 【修正】[黒豆おこわ](2011/04/23 03:50)
[12] 新章7話 モテない男の役割とポジション[黒豆おこわ](2011/04/23 09:35)
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[16089] 第3話 Muv-Luv Alternative モテない男の嗚咽を聞け!!
Name: 黒豆おこわ◆3ce19c5b ID:22dccbf7 前を表示する / 次を表示する
Date: 2010/02/02 22:17
第3話 Muv-Luv Alternative モテない男の嗚咽を聞け!!





 ……あぁ……ちくしょう。

 結論から言います。負けました。

 イケメン強いです。いや決して強くはないですが倒せませんでした。

 あっはっはっはっはっ!!

 負けだ負けッ! 完敗だちくしょう!!

 一応言っておくとBETAの第1目標は人類を殲滅する事じゃない。

 あくまで資源の発掘が1番の目標だ。

 だからBETAの方から人類を殺す事を目標に進軍するという事はない。

 資源を発掘する計画のために移動して、その過程で邪魔な人類を駆除しているというわけだ。

 まぁ人類からすれば結局は同じ事かもしれないけどね。

 ……で、このあいだ大々的なBETAの大移動を行ったのである。

 東へ東へとBETAを移動させた所、行き着いた場所は広い海。

 一面に広がる青い海は人間だったらその身で泳ぎきる事など到底不可能。

 大自然の前では人間はちっぽけで無力な存在だ。

 だがBETAならば話は変わってくる。

 月でも火星でも何処であろうと資源を採掘できるのがBETAという機械だ。

 こいつらにとって水中などはちょっと動きにくいだけの障害物に過ぎない。

 その信じられないタフネスさはこうして見ると改めて実感する。

 何せ酸素を必要としない。

 暑さ寒さも感じない。

 水圧すら物ともせずにひたすら海底を歩かせて辿り着いた新たな大地。

 BETAが今まで侵攻した事のない場所だったのだろう。

 緑豊かで自然と人間の生活が融合した美しい国であった。

 そこで人類との衝突が起きた。

 あれは多分歴史に残る戦いではなかろうか?

 オレはその時の光景を思い出す。

 地球外起源種BETAと地球内起源種である人類との壮絶な戦いを。

 何の感情も持たずに突っ込んでくるBETAに対して、人類側の士気の高さは尊くすらあった。

 人間ってあそこまで魂というものを燃やす事が出来るんだなぁとある意味感動し、また羨ましくすらあった。

 平和な世界から来訪したオレにはそういった経験なかったから……。

 だがそれでも非情なのがマブラヴの世界。

 人類の尊厳など一切踏み拉かれBETAに蹂躙されるのがこの世界の人類の運命!!

 ……のはずだったんだけどその戦いに勝っちゃったわけだ『人類側』が。

 いやぁ~このあいだ出した『美女は生かす。イケメン殺す』という作戦が不味かった。

 BETAって基本的に物量を活かした特攻が主体なわけだが、オレが下した作戦のせいで変な足の引っ張り合いをしたとでも言おうか?

 BETAの特攻が上手く機能しなくなってしまったのである。

 BETAの対人感知スキルはイケメンを混戦状態の中、的確に見つけ出し優先的に特攻をかます。

 だがここに大きな落とし穴があった。

 オレは忘れていたのだ。

 イケメンの周りには常に美女がいるという事を!!

 最低でも2人が両脇に、多いときには12人の美女がイケメン中心にサークル・ワンを形成していた。

 あっはっはっはっはっ…………!!

 ふざけんな! なんだそれは反則だろ!?

 最優先の駆除の対象の前に張られる駆除対象外による美女バリヤー。

 イケメンだけに許される固有スキルである。

 おかげでBETAは特攻していいのか悪いのか指揮系統が無茶苦茶混乱していた。

 素人が適当にプログラミングを組んでも正しくコンピューターシステムが機能しないように、感情に任せて組んだオレの命令は穴だらけであったという事だ。

 もちろんイケメンだって美女に守られているだけの存在ではない。

 人類が繰り出す近代兵器、特に戦術機と呼ばれる人類の刃はBETA戦においてとてつもない猛威を振るう。

 オレのいた世界では実用にはまだまだ未来の技術である完全に二足歩行のロボット。

 耐レーザー塗膜を鈍く反射させ陣形を組む巨大な人影はさながら神話の時代の鉄巨人のようで、BETAと戦うその姿は実際にそれと比較しても色あせる事はないだろう。

 そうつまりは英雄……モテモテ……イケメン。

 つまりイケメンって言うのはどうやら衛士である事が殆どのようだ。

 ……それは良いんだけどさ、思うにイケメンって美女の前だと戦闘力アップしてないか?

 まぁ女の前でカッコつけたいと言う気持ちは分かるけどさ。

 なんか引き立て役になってしまったこっちとしてはムカつくんですけど。

 イライラを抑えるために心の中でオレは大きく深呼吸する。

 オレは今、BETAから送られてきた先日の戦いの情報を眺めている。

 すでにいくつも同じような映像を見てきたわけだが、はたして次の情報はどんなものだろうか?

 ちょっとした期待を持ちながらもオレは意識を集中させる。

 頭の中に一気に情報が流れ、まるで幽体離脱したかのような感覚と共にオレは戦場の中に降り立った……。









『うわあぁぁぁーーーー!!』

 新米の女衛士なのだろう。

 初めて見た地球外からの侵略者に恐慌状態に陥り、声を荒げながら張る弾幕があらぬ方向に飛び交う。

 BETAの体は巨大だ。

 どんなに銃の扱いが下手でも戦術機を持ってすれば当てるだけなら割と容易である。

 だが当てるだけではBETAは止まらない。

 こいつ等は機械だ。

 機械で言う所の破壊、生命体で言う所の死を与えてやらなければ構わず動き続ける。

『落ち着けシルバー6!!』

 パニくる新米衛士の戦術機の横を掠め、一発の銃声と共に放たれた120mmの弾丸が突撃級の装甲角を粉砕する。

『は、はいぃ……』

 後方から援護射撃をした男の声に新米の女衛士は涙声だ。

 赤いショートな髪に淡い水色の瞳。

 年齢的には多分この部隊の中で一番若く、どこか小動物っぽい感じのする女性だ。

 う~む、かわいい……。

 いやオレは決してサドではないけど泣いてる女の子はこう……守りたくなるじゃん?

 特にちょっと弱い感じのする女の子はさ。

『アハハッ! どうしたの? 初陣で漏らしちゃった?』

『ちょッ! な……そ、そんなわけないじゃないですか! 変な言いがかりは止めてください!!』

 ある意味軍人らしい下品な先輩のジョークに顔を赤くしてムキになって女衛士は否定する。

 ……って言うか漏らしたのか?

『でも気付いているか? どんな無様な形であろうとも貴様はちゃんと『死の8分』を乗り越えたんだぞ?』

『えッ?』

 ……あぁ、そう言えば『死の8分』なんて設定あったなぁ。

 衛士が初めてBETAと相対した時における平均生存時間だっけか。

 どんなに優秀な衛士でもBETAと初めて顔を合わせたときには実力を出せずに8分以内で死を向かえる事があるらしい。

 確かマブラヴでも武が初陣の時に苦労してたっけ。

 横浜基地のトライアルでBETAが突如現れて、すっかり錯乱状態に陥りペイント弾でBETAに立ち向かっていったのだ。

 その後のまりもちゃんのイベントは正直トラウマだったが。

『そ~いうことッ! おめでとう! そして地獄へようこそ!!』

 先輩らしき女衛士が新人である後輩に対して明るい口調で歓迎の意を表しながらも近くにいた要撃級を長刀で切り裂く。

 ――すごいッ!!

 要撃級のドロッとした鮮血がシャワーとなり、自然が残った緑豊かな大地を赤く染める。

 そのあまりに殺し慣れている手際は彼女が幾多の死線を乗り越えてきた証であり、またオレとは違う世界の人種であるという事を証明している。

 今の要撃級でとりあえず周辺にBETAは駆逐されたらしく、幸運にもこの隊には死傷者は出なかったようだ。

 それに対して皆純粋に嬉しいのだろう。

 黒塗りの戦術機から笑い声が聞こえる。

 何だかんだで初陣の女衛士の事を皆気にかけていたようだ。

 でもまぁ今回この新米衛士は別にパニックになろうがなるまいが生き残れたんだけどね。

 だってBETAに対して美女には可能な限り攻撃しないように命令してあるからさ。

 よっぽど下手を打たない限り死ぬことはないよ。

 これもひとえにオレのお陰だな! うん!

 今回の戦いはこちら側が負けちゃったけどこういった可愛い子が助かったなら別にいいか?

『はい! これもひとえに中佐のお陰です!!』

『は?』

『は?』

『はぁ?』

 はあぁぁぁ? あッこれはオレの台詞ね。

 えへへと顔を赤くしながら笑う新米衛士の言葉にオレと他の女性の間の抜けた声が重なる。

 ム、ムカつく! い、いやかわいいけどムカつく!!

 中佐と呼ばれた人間は先程支援砲撃をして新米衛士を救った男だ。

 さっきまでの和やかな空気が一瞬にして冷めた。

『中~佐~? 一体どういう事ですか?』

『わたくしも是非その件についてお伺いしたい物ですわ』

 恨みがましそうな別の声……1人はハキハキした物言いの女性の声で、もう1人は丁寧なお嬢様的な感じのする口調だ。

 つーか『中佐』以外にさっきから男の声聞かないぞ?

 どうやらこの『中佐』と呼ばれる男はこの部隊の唯一の男性であり、周りの女性(全員美人)から好意を寄せられている存在らしい。

 つまり『イケメン』。オレの敵と言うわけだ。

『別に特別な事などしていない。初陣に向けて不安を感じているようだったからカウンセリングを進めただけだ。……まぁ余計なお世話だったかもしれないがな』

『そんな事ありません! 中佐がカウンセリングを進めてくれなければ私は今頃どうなっていた事か!!』

 強くキッパリとした口調で断言する新米女衛士。

 いや……いやいやちょっと待て!!

 数分前の自分の事を思い出してみなさいって!

 無茶苦茶パニックってたじゃん! 代わりにオレが断言してあげるけど、中佐のアドバイス全然役に立ってないよ!?

『……ふ~~ん、中佐は新人にはとってもお優しいんですねぇ』

『あのなぁ貴様ら。部下の面倒は上官の勤めだろう』

 そんな棘の有る言い回しにも中佐と呼ばれた男は溜息まじりにサラリと流す。

 ケェッ! ……随分と手馴れた事ですね。恋愛絡みの女性の嫉妬は日常茶飯事ですか?

『HQよりシルバー隊! これより作戦は第2段階へ移行する。繰り返すこれより作戦は第2段階へ移行』

『『『『『『――――ッ!!』』』』』』

 HQの通信によりまた隊に緊張感が走る。

 ……作戦の第2段階?

 フム、一体どんな作戦なんだろう?

 オレはBETAから受けとった映像の視点を調整する。

 するとどうだろう? 地上からの視点のはずなのにまるで将棋の盤上を上から捉えているかのように戦場全体が一気に見渡せる。

 ……相変わらずすごいなBETAの技術は。

 視覚に頼っていないからこそ、こういった風に映し出す事ができるのだ。

 こうして見るとBETAの……最近覚えたが軍用語で2個師団(約2万)の数が陽動により一箇所に集中させられつつある。

 なるほどねぇ。これを一気に支援砲撃で殲滅しようというのか?

 軍略の知識がなくてもそれくらいの事はオレにも理解できる。

『――HQよりシルバー1、艦隊の全力砲撃開始は約20分後』

 やっぱりそうか。

 うん。少しずつだがこういった作戦の類がわかってきたぞ。

……でも大丈夫か?

『なおシルバー隊はポイントNNE-22-31に向かい1個小隊(約40)の光線級を殲滅せよ』

『『『『『『――了解ッ!!』』』』』』

 ん……、まぁそうだろうなぁ支援砲撃をするにはこっちの光線級を始末しなくちゃいけないからな。

 ……でも残念だったね。

『『『『『『――ッ!!』』』』』』

 溢れかえる土砂と共に大隊規模(約500)のBETAが出現する。

 ちょっとわからなかったかな? BETAの中には地下を掘り進む役割の種類がいてね。

 体内に大量のBETAを内蔵して運搬するだけでなく、当然そのBETAが通った事によりできた巨大トンネルを他のBETAが徘徊してたりするわけだ。

 丁度この真下に3時間ほど前に形成された巨大トンネルがあったわけだけど、500体程度の数でしか来なかったから振動も少なくって気付かなかったでしょ?

『くっ、仕方無い……全機楔弐型(アローヘッド・ツー)! 一気に駆け抜ける! 遅れるなよ!』

 戦況を一瞬で分析し部下に大声で命令を下す。

 BETAの群れに特攻をかます事はどれだけ危険な事かいうまでも無い。

 だが部下である彼女達の顔に怯えの色は一切見られない。

『了解です! 中佐!!』(元気娘)

『…………中佐についていきます』(クーデレ)

『中佐の後方はお任せをください』(お嬢様)

『私だって……が、がんばります。見ててください中佐!』(癒し系)

『し、死んだら許さないんですからね中佐!!』(ツンデレ)

 ……死んでください中佐(オレ)

 思わず本音が漏れてしまったオレをよそにシルバー隊はBETAの群れに突っ込む。

 モテモテであるイケメン中佐とクールな感じの美人衛士をツートップにした矢尻のような陣形が地球侵略者共の軍勢を切り裂いていく。

 光線級までの道のりを最短距離で、直線で一気に突き進む。

 部隊長である中佐が前衛を張るとは珍しい。

 シルバー隊は中衛、後衛を得意としている人物達で固められているのか、それともイケメン中佐の接近戦とやらがズバ抜けているのか、それは分からないがこっちとしても好都合だ。

 何せ男である中佐が後ろに引っ込んでいたら今のBETAは何も出来ないからだ。

 美女バリヤーを展開されてはBETAは頭を垂れて道を空けるしかないのである。

 だが、これなら殺れる!

 行けBETA共!! イケメンをこの世から駆逐するのだ!!

『どけッ!! 雑魚がぁぁぁーーーー!!』

 イ、イケメン超強えぇ……。

 渾身の力で振りぬかれた横薙ぎの一振りが10体の戦車級を蹴散らす。

『さすが中佐!!』

『…………カッコイイ//////』

 ぐおぉぉぉぉーーーーー!!!!

 ちくしょう何をやってるBETA共!!

 数はこっちの方が上なんだ! 物量で押しつぶせぇ!!

 すっかり三流の悪役の台詞を吐きながら勝敗が分かっている過去の映像に向かって、オレは全力でBETAを応援する。

『遅いッ!! とっとと消えろこの下等生物ッ!!』

 だがそんなオレの応援とは逆に、イケメン中佐は次々とBETAを切り裂き、あるいは弾丸で撃ち砕き完全に無双状態である。

 そんな勇姿にすっかり美女達は参ってしまっているようだ。

 BETAを倒しながらもどこかで中佐の姿を視線で追っている。

 本来BETAの戦いではそんな余裕がない事を彼女達は気付いているのだろうか?

 いや、気付いていないだろう。

「ステキ!! 中佐//////」とか思ってるに違いない。

 違う!! 違うんだよぉ!! 中佐の動きが凄いんじゃないんだよ!!

 いや凄いかもしれないけど原因はそっちじゃないんだって!!

 何かBETAの動きがトロくさいんだよ!

 戦術機より弱いとは言えBETA本来の動きはもっと機敏のはずなのに、今のBETAはまるでノロマな亀だ。

 ……あぁそうか美女か……混戦状態で美女が横にいるから本気の動きが取れないのか……下手したら巻き添えにしちゃうから……。

 これは美女バリヤーならぬ美女結界ッ!!

 BETAの戦闘力を10分の1に下げますかそうですか。

 つまりオレのせいですね。ごめんなさい。

 くそう! プレイヤーの時はマブラヴ主人公の白銀武の事をカッコイイと思っていたが、敵対するとモテキャラがここまでムカつくとは!!

 つーかさっきから中佐の本名がわからねぇ!!

 貴様何者だ! 名を名乗れーーッ!!

 そんなオレの声を天が聞き取ったのかどうか分からないがイケメン中佐が大声で自分の名前を叫んだ。

『やってみろBETA共! オレを殺せるならやってみろ! 帝国本土防衛軍の白銀影行が貴様らの相手だッ!!』

 武の親父じゃねぇかッ!!

 アンタこんな所で何やってるんだよ!?

 ……いやBETAと戦ってるのか?

 でもオレには浮気現場を目撃したようにしか見えないんですけど!?

 何てこった! さすがにEXで冥夜と武の「不純異性交遊許可証」にサインしただけの事はある。

 つーか中佐って言ったらかなり偉いよね? よく分からんけど大尉である伊隅みちるが中隊(12機)任せられてたなら最低でも大隊規模(36機)くらいは任されているはず。

 下手したら連隊規模(108機)?

 さすがに部下全員美女って事はないよな? いやいやないない!

 ……だが武の親父なら! いやしかしッ!!

 いかん美女12人でサークル・ワンなんてもんじゃない。

 恋愛原子核の持ち主はこの世界の美女を食い尽くす!

 こいつはここで仕留めねば駄目だッ!!

『よしッ!! ここはオレが引き受ける! 貴様らは全員光線級に向かえ!』

『『『『――了解ッ!!』』』』

 手応えからして自分1人でも大丈夫だと判断したのだろう。

 よっしゃ!! ナイス判断ミスッ!!

 美女が横から消えればこっちの物だ。BETAの本来の動き見せてくれるわ!

『02!! 貴様も早く行かぬか』

『……1人じゃこの数は無理ですよ中佐。それに最少単位は二機連携です。わたしも御一緒します』

 うわあぁぁぁぁーーー!! ちくしょう! 何で行かないんだよぉ!

 お前がそこにいたらBETAが本気だせないじゃないかあ。

 一緒にBETAの群れに残ったのは02と呼ばれた女性。

 コールナンバーからして恐らく副隊長なのだろう。

 サラリとした長い黒髪に切れ長な瞳はクールな女剣士と言った感じで、言うまでもなく美人であり、胸もデカイ。

『02! だがしかしッ!!』

『早くBETAの群れを抜けられましたので、光線級はあの4人だけで十分間に合います。命令違反は覚悟の上!! 後でどのような厳罰も受けますのでお側にいさせてください中佐!!』

『……くっ! 何故だ02!? 何故そこまで……』

 ホント何~故~だぁ~~ッ!!

 マブラヴって軍の戒律とかめっちゃ厳しくなかったっけ!?

 あれか? オレが変なことやったから『風が吹けば桶屋が儲かる』の理屈で何かどっかに影響が出たのか?

 それともこう言った動きをしてたキャラも中には居たって事か?

 ともかく桃色の波動が甘ったるくてウゼェーー!!

『……わ、わたしは……わたしは中佐の事を……愛しているのです!! 失いたくない……例えこの身に変えても……ですからどうか!!』

『…………02』

 ゴフッ!!(吐血)

 ああああぁぁーーーーーッッ!!

 ぎゃがががぐおぉぉぉええぇぇぇぇーーーーーー!!!

 ゲホッ! ゴホッ! ウオェ! ち、ちくしょう……!

 な、なんだってんだ! なんでいきなり愛の告白なんか!

 あぁそうか……きっと何かオレの知らない『あいとゆうきのおとぎばなし』が……って知るかよそんな事!!

『わかった……だが命令違反は命令違反。罰は与えねばならない。……だからこの戦いが終ったら……オレの部屋へ来い!!』

『ッ!! ……………………はい(ポッ』

 死ね!!

 氏ね!!

 SHINE!!

 死んで転生して駄目押しにもう1回死んでください!!

 あぁもう神様どうか私にノートを授けてください!

 黒くて名前を書くと人が死ぬヤツを!

 本当怒りで自分がどうにかなりそうですッ!!

 何なら寿命半分と死神の目を交換しますからお願いします!

 つーかアンタ奥さんいるだろう!? 何堂々と浮気してるんだ!? 泣くぞ武のヤツ!

 いやアイツも人の事言えないけどさあ!

 オレの触手が数十本、怒りに任せ四方八方に振り回される。

 ラザフォードフィールドをも突破する固い鏃のような先端が反応炉の置いてある大広間の壁、床、天井を傷つける。

 本来BETAがハイヴを傷つける事はありえないのだがオレの怒りが本能を凌駕したのだ。

 くそッ! 負けた……ッ!

 戦いだけでなく何か根本的なものに負けた気がする!!

 いやいや待て待て!?

 白銀影行だと? ちょっと待てよ?

 ……これは!? BETA戦に勝利した事により大陸中至る所で振られている祝勝の国旗は日の丸の旗!?

 あぁ!! 思い出した!!

 つまりこれはアレか!? 原作でもあったBETAの日本を侵攻したアレか?

 たしか北九州から侵攻したBETAが1週間で九州・中国・四国地方を制圧し犠牲者3600万を生み出したアレだ。

 その後横浜ハイヴが建設されて、明星作戦でG弾の使用によりこれの奪還に成功。

 脳髄になった鑑純夏を発見した所からマブラヴ・オルタネイティヴはスタートするんだ。

 ってことはつまり……歴史変えちまったな。

 武も純夏も全然無事じゃん。何だよついうっかり原作キャラ救っちまったぜ!!

 つーかどうすんだよオルタネイティヴ4。

 あッ! それ以前にBETAに人体実験止めさせてたからどっちにしろ成功しないんだった。

 ……いや! いやいやこれで良い!

 そう! これはまさに計画通り(嘘)!

 例えオルタネイティヴ5を発動させようと確かG弾ではBETAには勝てないという設定だったはず。

 この世界でG弾が使われるにしても、まず間違いなくオリジナルハイヴ以外の所で使用されるだろう。

 そうしたら即効で対策立ててG弾を無効化してやる。

 フフ……フッフッフ……。

 オレの中で黒い笑みがこぼれる。

 そうだよ! すっかり忘れていた。

 確かに今回は変なバグが発生してしまってBETAが上手く機動しなくなってしまったが何の事はない。

 ようはそれに変わる物を作ればいいのだ。

 例えば原作でもあったようにBETAが単純な陽動作戦を仕掛けるだけでも人類にとって十分脅威になる。

 あの程度の戦略なら今のオレでも十分立てられる。

 尚且つ原作には登場しなかった新種のBETAだって生み出すことだって出来るのだ!

 いける! いけるぞ!! 見てろよイケメン共!!

 オルタ4もオルタ5もこの世界では通用しない。

 尚且つ今後はBETAが戦いに作戦を用いるようにするし、新種のBETAだってどんどん追加してやる。

 フフフ……。

 今回の戦いでの屈辱、10倍にして返してくれるわ!!

 よっしゃ! よっしゃあ!!

 これはもう決まりだね!

 うん! 俄然やる気出て来たッ!

 半ば勝利を確信したオレは心の中で右手の人差し指を映像に突きつける。

 やっぱり最後は決めゼリフで締めなくちゃいけない!

『勝ったッ! Muv-Luv Alternative モテない男の声を聞け!! 完!!』

 よしッ! 今度こそ完璧だ!!


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