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No.12590の一覧
[0] 【完結】Muv-Luv Unlimited -円環の欠片- (冥夜エンドAfter、悠陽ルート)[牛歩](2009/11/07 22:17)
[1] 【ネタ】Muv-Luv Unlimited -円環の欠片- 第02話[牛歩](2009/10/10 16:47)
[2] 【ネタ】Muv-Luv Unlimited -円環の欠片- 第03話[牛歩](2009/10/10 17:43)
[3] 【ネタ】Muv-Luv Unlimited -円環の欠片- 第04話[牛歩](2009/11/07 22:55)
[4] 【ネタ】Muv-Luv Unlimited -円環の欠片- 第05話[牛歩](2009/10/12 01:48)
[5] 【ネタ】Muv-Luv Unlimited -円環の欠片- 第06話[牛歩](2009/10/17 21:52)
[6] 【ネタ】Muv-Luv Unlimited -円環の欠片- 第07話[牛歩](2009/10/12 01:51)
[7] 【ネタ】Muv-Luv Unlimited -円環の欠片- 最終話[牛歩](2009/11/14 21:39)
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[12590] 【ネタ】Muv-Luv Unlimited -円環の欠片- 最終話
Name: 牛歩◆42d60b86 ID:27c2e476 前を表示する / 次を表示する
Date: 2009/11/14 21:39
世界が絶望に染まる中、国連総会が緊急招集される。
議題は当然、今後の対BETA戦略について。
重い空気の中始まった国連総会において、米国代表は残ったハイヴ跡の防備を固め、時間を稼ぐしかないと消極案を出すに留めた。
しかし時間を稼いでどうするのだ、というのが各国の思いだった。
米国はいい。世界各地からの難民を市民権を餌に徴兵し、戦術機を増産すれば1年程度で質はともかく数は揃えられる。
それに対し前線各国は軍事費用を賄う為、あらゆるものを担保に米国や後方各国に莫大な借金を重ねていた。
国家破産。
その言葉が前線各国代表の頭をよぎも、それは後方国家の代表達の無償援助表明により、回避された。
前線各国が崩壊すれば、BETAの侵攻を堰き止めるものがなくなり、自国が矢面に立たざるを得なくなることを、後方各国の代表達は理解していた。
だが、BETAの地球侵攻から36年。
前線各国は人的資源も枯渇し始め、大日本帝国のように徴兵年齢を16歳以上まで引き下げる国家もあった。
彼らまでも磨り潰したら、それ以上の引き下げはあまりにも無謀だ。

継戦限界は、近い。

それは誰も口にしなかったが、各国代表の共通認識だった。
通夜のように暗く重い空気に議場が沈む中、それまで無言を通していた日本代表が口を開いた。
その発言内容に、世界は驚愕する。
甲1号目標カシュガルハイヴに対し、再度攻略戦を仕掛けるというのだ。

曰く、先のハイヴ攻略戦と、その後のボパールとマシュハドへの反攻に伴い、BETAの数は著しく減少していると推定される。
曰く、ハイヴから南南西500kmの国連軍チラス基地は未だ健在であり、そこに備蓄された物資を活用すれば短期間で準備は整う。
曰く、すぐに反攻せねば、チラス基地とそこまでの補給線はBETAの前に後退を余儀なくされ、人類は再びインド洋に叩き落される。
曰く、これ以上カシュガルハイヴが成長すれば、通常兵器での攻略は不可能となる。
曰く、佐渡島のように反応炉が破壊されたハイヴはBETAにとって無価値であり、奪還に動くことはない。

日本は唯一通常兵器でのハイヴ攻略という実績を持ち、更には先日のBETA反攻においても独力でそれを跳ね除けていた。
その日本代表の発言に、米国代表は色めき立つ。
日本の最新鋭機、蜃気楼を以ってしても途中で発生する戦闘を考えれば、反応炉まで到達するには弾も燃料も足りない。
また、ハイヴ内に侵入した部隊はBETAの反攻開始と同時に、瞬く間に全滅している。
つまりは、通常兵器でのカシュガルハイヴ攻略など不可能なのだと。
それに対し、日本代表は反論する。
弾と油は、戦術機で構成した輜重部隊を同伴することで対応する。
ハイヴへの進入者に対し、BETAが雪崩をうって襲い掛かることなど帝国軍では既に知られていることであり、その対策も既に出来ているのだと。

その後も続く日本代表と米国代表のやり取りに、各国代表は日本が本気であることを知る。
そして、佐渡島ハイヴを攻略した者、征夷大将軍たる煌武院武が陣頭指揮を執るという発言に、作戦成功の可能性を見出した。
かくして大日本帝国主導の下、第2次カシュガルハイヴ攻略作戦は可決された。

作戦名は、『桜花作戦』。






桜花作戦に向け、世界各国各軍から派遣された軍人達は前進基地に戻った。
それに対し、BETAは不気味なまでの沈黙を守り、ハイヴ内のBETAが大幅に減じていることを人々に確信させた。
BETAが沈黙している間に、国連軍チラス基地に残された物資は急ピッチで前進基地へと送られていく。
またヒマラヤ山脈の影に隠れることで航空機が使用出来たことから、アフリカ大陸からカラチを経由し、大量の物資と人員が空輸され。
海路で運び込まれた物資と人員がやはりカラチに陸揚げされ、陸路前進基地へと送られた。

この作戦に投入される国連軍は、作戦を主導し、その全戦力の実に半数を投入した日本帝国ですら全体の1割というほど、数多の国々が多数の戦力を供出していた。
言語の違い、習慣の違い、思想の違いから来る軋轢は多々発生したものの、地上部隊の指揮官に任じられた沙霧は、国連軍大分基地所属の人員に仲介させることで収めていた。
このような事態は予め予想されていた為、沙霧は各国に断った上で大分基地から大量の人員を引き連れてきていたのだ。
とはいえ、彼らが祖国への想い故にその眼を濁らせ、大局を、世界情勢を見極めきれずに利害関係を生み、衝突する様を沙霧は苦々しい思いで見ていた。
将軍に実権を取り戻す為、かつてクーデターさえ計画した自身と彼らの姿が重なってしまうのだ。
若気の至り、というにはあまりに大事ではあったが、それ故に彼らの思考を理解できる沙霧もまた、折衝役として大いに活躍したのだった。

そして先の攻略戦から僅か2週間後、国連軍は全ての準備を完了した。






一方、その頃の日本では。
煌武院武は自らが選抜した突入部隊を率い、最後の調整を行っていた。
征夷大将軍となった彼がハイヴに潜ることに対し、反対する者は多かった。
しかし、この状況下で日本が世界を率いるには、自身が先頭に立ち、ハイヴに挑むしかないと言って武は耳を貸さない。
武の妻にして政威大将軍たる悠陽もまた、彼を止めなかったことから、引き止める声は徐々に消えていった。

出撃の前日。
武と悠陽は二人で桜の蕾の下を歩いていた。
お互い、無言。
ここ数日は共に仕事に追われ、碌に顔も逢わせられなかったにも係らず、お互いがそこに居るというだけで良かった。
やがて、桜並木が終わる。
そこで始めて武は悠陽と向かい合う。

じゃあ、ちょっとカシュガル堕として来るわ。

武は軽くそう言って笑い。

はい。この子と共に、お帰りをお待ちしております。

悠陽は大きくなった腹に手を添えて、そう返した。
それに対し武は頷いて返すと、背を向けて桜並木を抜けた先で待つ迎えの車に乗り込んだ。

翌日、悠陽の演説に見送られ、武達突入部隊を乗せたHSSTは蒼穹の空へと旅立った。





かくして桜花作戦は状況を開始する。
前進基地から出撃した戦術機や支援戦術機、各種車両はカシュガルハイヴ目指し進軍を開始する。
それに反応し、数多のBETAが迎え撃つが、山岳部で一時進軍を停止した国連軍は支援戦術機部隊と支援砲撃部隊で迎え撃つ。
山岳部故にレーザーの斜線は遮られ、また直射しか出来ない電磁投射砲もそれなりに制限を受ける。
それに対し、通常の砲弾は曲射が可能だ。それ故に複数箇所で重金属雲を発生させると、そこをキルゾーンとして作戦に参加する全砲撃部隊は山を楯にして砲撃を開始した。
多くのBETAがその砲撃により屠られていくが、それでも生き延びるBETAは多い。
それに対し、支援戦術機が弾幕を張って迎え撃つ。しかし彼らは前面のBETAではなく、斜め前方に向かい、斉射する。
それは、重突撃級対策だった。重突撃級は正面からの射撃には強く、電磁投射砲の弾を逸らして退ける事すら可能だ。
しかしそれは前面に限ってのことだった。重量の問題からか、側面の装甲殻の厚さと傾斜角は突撃級とそう変わらないことが、先の大侵攻において得られた死骸から判明していた。
それ故に正面からの撃ち合いを避けたのだ。
十全でないとはいえ、電磁投射砲はBETAに対しその有効性を取り戻し、その力を持って迎撃に現れたBETAを退けたのだった。

再び進軍を開始した国連軍は平野部へと進出、遂にカシュガルハイヴの、禍々しきモニュメントをその視界に納める。
その黒き塔の下にいるあ号標的、地球上最大の反応炉を破壊すべく、彼らは決意を新たに歩みを進めた。
その彼らを、再びBETAが迎え撃つ。未だモニュメントまでは100km以上あるにも拘らず、ハイヴの地下茎はここまで達しているのだ。
それに対し、散開した戦術機と支援戦術機は電磁投射砲で戦線を構築し、その後ろから支援砲撃部隊が面制圧で一定区画毎に吹飛ばす。
それによって国連軍は部隊を前進させようとするが、半径100km以上の地下茎は伊達ではなく。電磁投射砲の射程外からも出現するBETAによって、進むことが出来なかった。
航宙爆撃の支援を受け、戦線は維持されていたものの、作戦司令部は地上からの侵攻を断念、地上部隊は陽動と暫減に勤めた。
そして、陽動が十分に機能したと判断するや、遂に作戦を第2段階に移行する。
即ち、軌道降下兵団、宇宙からのハイヴ突入部隊の投入。
今まで以上の密度の航宙爆撃が行われ、一時的に地表のBETAが一掃されると、彼らは降下を開始した。






さあ行くぞ、兄弟。
その少し前、宇宙空間上の国連軍衛士らに激励の言葉を送った武は、帝国軍及び斯衛軍から選抜された部隊のみに通信を絞って、そう告げた。
兄弟、ですか?と若い衛士が、思わず返した。
そうだ。貴様らは、私の後ろを、私の切り開いた道を歩む子に非ず。私の横に立ち、私と共に新たな道を、勝利への道を共に切り開く兄弟だ!
満願成就の時は来た。今日、この日を持って我ら人類は甲一号目標、オリジナルハイヴを攻め落とす。地球を我ら人類の手に奪還するのだ!
プラチナム・ブラザーズに告げる!これより我ら、あ号標的に向かって、進軍を開始する!!
それを聞いた彼らは、決意を新たに敬礼を返す。士気は天井知らずに跳ね上がり、兄弟達の眼には獰猛な輝きが燈っていく。
それを確認し、武もまた獰猛な笑みを口元に浮かべると、通信回線を再び全軍に繋げた。
全部隊に告げる。桜花作戦第2段階、状況を開始せよ!


降下部隊は、航宙爆撃で地上のBETAが一掃された僅かな隙を突き、地上に降り立つ。
反応炉破壊部隊1中隊に対し、戦術機のみで構成された輜重部隊2中隊が同伴するという、3中隊からなる大隊で、数多のBETAが待ち受ける魔窟へと挑む。
それぞれが割り振られたシャフトへと突入していく。目指すは、あ号標的の破壊のみ。

武の率いる、蜃気楼(斯衛軍仕様。帝国軍の物とは装甲形状と塗装が違う)で構成された部隊もまた、突入を開始する。
脚部キャタピラで縦横無尽に、壁や天井をも走り抜け、或いはスラスターを噴かしてBETAの頭上を飛び越えていく。
穿つBETAはその進路を阻む者のみであり、撃つ弾丸を最小限に抑え、消耗を防ぎながら前進する。
しかしシャフトを埋め尽くす津波となって押し寄せてくれば、逃げ場はない。
それが後方からであれば、S11でシャフトを崩落させてBETAの進路を塞ぎ、更にはBETA側に崩落が収まってから起爆するよう、タイマーを設定したS11を複数設置することで、シャフトを銃身、崩落箇所を銃底に見立て、吹飛ばすことで対応できた。
前方からBETAが雪崩を打って押し寄せてきた時は、前進するためには崩落させる訳にもいかない以上、排除するしかない。
その対応策は、佐渡島ハイヴ攻略時に既に出来上がっていた。即ち電磁投射砲で穴を穿ち、そこにS11を打ち込んで吹飛ばす。それを突破口が開くまで繰り返したのだ。
幾度かは崩落させた地点まで押し込まれ、泡や全滅か?という場面もあったものの、そこまで後退すればシャフトを銃身と見立て、吹飛ばすことも可能だった。
この時は戦術機もまた爆風に曝されてしまうが、重突撃級の死骸を楯とすることで彼らは難を逃れていた。

そうして予想される道程を半ばまで来たホールで、武達はその歩みを止めた。
反応炉破壊部隊と輜重部隊の半数が、輜重部隊の残り半数から武器弾薬と燃料の補給を受ける為、進軍を一時停止したのだ。
手付かずの増槽からの補給だけでなく、内蔵タンクの燃料までをも給し、更には当初の想定以上にS11を消費していた為、自決用のそれまでをも渡し、彼らはあ号標的の破壊をこれから先に進む仲間に託した。
そして補給が終わると、敬礼を交して彼らは別れた。
彼らがここで脱落することは、当初から予定されていたことだった。

脱落した彼らにも、容赦なくBETAは襲い掛かる。それに対し、彼らは内蔵タンクの底に僅かに残された燃料を燃やしきって抵抗する。
弾薬は全て、仲間に託した。彼らに残されたのは、耐久値の理論限界を超えた07式近接戦用長刀や07式近接戦用短刀のみ。
それでも彼らは仲間の後を追わせはしないと、残燃料の警告をOFFにしてBETAに挑む。
しかしすぐに1機、また1機と燃料が尽きた巨人はその動きを停止していく。
停止した戦術機は戦車級に食われ、要撃級に吹飛ばされ、突撃級に弾き飛ばされ、要塞級に溶かされていく。
しかし彼らは、その中には居なかった。停止すると同時にベイルアウトし、機械化歩兵装甲でなお足掻いていたのだ。
だがその必死の抵抗もBETAの物量に抗えるものではなく。武達と別れて30分とせず、彼らは全滅した。


残り1/4まで来た時点で再度の補給を行い、残りの輜重部隊と別れた反応炉破壊部隊は、遂にメインホールに到達する。
佐渡島ハイヴにも同様の空間があったことから、その存在は予想されていたものの、そのあまりに広大な地下空間に彼らは絶句する。
しかしすぐに彼らは気を引き締めると、止まった足を再度進めた。
その広大な地下空間を進む蜃気楼の前を、BETAはその圧倒的物量を持って塞ぐ。
それに対し、武達は僅かな穴を抉じ開け、強行突破し後ろに回ると、メインホールを崩落させて後背の憂いを絶つ。
そうして前進した彼らの前を壁が塞ぐ。後に門級と呼ばれることになる新型BETAは、それと知らぬ武達にとっては行き止まりにしか見えなかった。
足を止めた彼らに、更なる新型BETA、後に母艦級と呼ばれることになる大型BETAが奇襲をかける。
至近距離に出現した母艦級から出現するBETAと混戦になったものの、元々混戦を十八番にする武達斯衛軍はその初撃を持ち堪える。
しかし行き詰った現状が、ここまでの進軍で蓄積した疲労を自覚させる。それにより集中力を切らした者が一人、堕ちる。
1機減れば残された者の負担は増え、また精神(ココロ)を削る。1機、また1機と蜃気楼がBETAの津波の中に沈んでいく。
そんな中、音紋解析からその先が反応炉ブロックに繋がる事を察した武達は、門級の障壁の一枚の根元へと電磁投射砲の集中砲火を放ち、破壊することで突破口を開き、死地を脱したのだった。

先を急ぐ彼らの前に再度門級が立ち塞がるも、同様に1枚の障壁を根元から折ることで、遂に10機の蜃気楼があ号標的フロアに到達する。
フロアの中心に聳え立つあ号標的を最大望遠で確認した武は、S11を設置すべく前進しようとするが、あ号標的から放たれた触手に阻止されてしまう。
電磁投射砲で迎え撃つも、触手の先端部は突撃級の殻や要撃級の爪と同じ素材らしく、僅かな動きで絶妙な傾斜角を持たせて弾道を逸らされてしまう。
突撃砲で迎え撃とうにもそれほどの太さがなく、また常に素早く蠢く触手に当てるのは容易ではなく。近接戦で切捨てるのが精一杯だった。
防戦一方に追い込まれる武達だったが、更には後方での異音に振り向けば、門級が残された5枚の障壁を開いていた。
後方からのBETA追撃を防いでいた小隊から、メインホールからBETAが押し寄せて来ているとの報告を受けた武は崩落と時間差爆破を指示しようとするも、S11の残弾数はそれを許さなかった。
崩落だけさせて何とか時間を稼いだ武だったが、残弾、残燃料ともに心細くなり始めており、進退窮まったとの思いを拭えない。


打開の糸口が掴めず手詰まり感が漂う中、一機の蜃気楼がその腹部を触手に貫かれた。
触手はその機体を軽々と持ち上げるとあ号標的の方へと引き寄せる。
一瞬呆気にとられたものの武は救出を命じ、部下もそれに答えて動く。
しかしそれは捕獲された蜃気楼からの銃撃によって阻まれてしまう。
驚く武達に対し、捕われた衛士から通信が入る。
あ号標的からハッキングを受けており、機体制御が奪われていっている、と。
ハッキングによる出鱈目な銃撃はその弾道が読めず、武達を惑わせる。
被弾した一機が片足を膝からもがれ、体勢を立て直そうと動きが鈍ったところを触手に襲われて爆発四散する。
ある機体は片腕を失い、またある機体は頭部に直撃を受け、メインカメラを損傷する。
その状況においてなお、今助けてやる、脱出は出来ないのか?と叫ぶ武に対し、捕われた部下は不可能だと返す。
自身もまた侵食されており、指一つまともに動かせないのだと。
殺して下さい。そう懇願する姿に武は最後の一歩を踏み出せず、苦悶する。
そして彼が決断を下せぬ間に、捕われた蜃気楼は全弾撃ち尽くしてその動きを止めた。
救出のチャンスかと思ったのも束の間、耳障りな警告音が鳴り響く。
それは、S11による自爆を知らせる警告音だった。
それと同時に蜃気楼を捕らえていた触手が武達へと襲い掛かる。
心のどこか冷めた部分で事態を冷静に把握した武は、ここに来て遂に捕われの蜃気楼へとその銃口を向け、引金を引いた。
ありがとうございます、殿下。
撃って下さい。討って下さい。殺して下さい。と半狂乱に叫んでいた衛士は、最後にそう微笑んで逝った。


S11の爆風が過ぎ去ると、感傷に浸るまもなく、煙の中から触手が襲い掛かる。
視界を遮られている状況の拙さに、武はまずは煙の中から脱するべく、右側へと転進しようとするが、それもまた触手に妨害される。
その妨害を潜り抜け、5機まで減った部下を率いて煙を脱したその時、右側の門級の障壁が吹飛んだ。
そこから現れたのは、帝国軍カラーの6機と斯衛軍の黄の蜃気楼の他、途中で合流したであろう各国の戦術機だった。

榊大尉以下6名、煌武院殿下の指揮下に入ります、と敬礼する榊千鶴少佐。
あれ?一番乗りは取られちゃったかー、と能天気に呟く鎧衣美琴中尉。
ん、そう言って崩れた敬礼をする彩峰慧大尉。
た、武さん?あ、いえ、こ、煌武院殿下、お、御久しぶりであります!と慌てて敬礼する珠瀬壬姫大尉。
委員長、美琴、綾峰、たま、良い所に来た!と思わずガッツポーズをする征夷大将軍、煌武院武。

篁大尉、煌武院殿下の指揮下に入りますと、篁唯依大尉。
我が中隊は私を残し、全滅しましたと、彼女は続けた。
そうか。貴様をここまで送り届けた彼らの挺身に感謝する、と武は緩んだ表情を引き締めると、一転して真面目に返す。

そして各国の衛士達が武と言葉を交し、指揮下に入っていく中、F-22Cに乗ったユウヤ・ブリッジス米国陸軍大尉は指揮下に入ることを拒否し、協力すると伝える。
先に合流した時にも一悶着起こしていたこともあり、榊千鶴は米国に対して抱く隔意もあって眉を顰め、篁唯依はもう少し言葉を選べ、この馬鹿、と頭を抱えた。
それに対し、米国の桜花作戦参加条件を知る武は、歯に衣着せぬユウヤに眉を顰めながらも、好きにしろ、とだけ答えた。




桜花作戦実施にあたり、日本は米国に対し様々な便宜を図っていた。
国連軍チラス基地は米国主体の基地であったし、そこにある物資も殆どが米国の物だった。
桜花作戦はその物資を利用することを前提にしていたし、また海外派遣兵力の7割以上を喪失したとはいえ、未だ世界最大の戦力を有する米国が不参加を表明するだけで、頓挫するのだ。

その為、日本はF-22B(F-22AにXM-3を搭載し、脚部キャタピラの追加に伴い下半身を中心に再設計した機体)より航続距離の長い蜃気楼の提供や、北側からのハイヴ突入といった条件を米国に提案していた。
蜃気楼に対し、F-22Bは推力や最大巡航速度で上回っていたものの燃費が悪く、あ号標的到達には補給が2回多く必要だった。
その分、燃料を運ぶ為の燃料が、弾薬を運ぶ為の弾薬が、それらを運ぶ為の戦術機がより多く必要となってしまう。
その為、部隊が大規模になってしまい、より多くのBETAを惹きつけてしまう危険性が憂慮されたのだ。
また北側からのハイヴ突入は、地上陽動はハイヴ南側で実施する為、BETA出現率がもっとも低くなることが予想された。
その最も条件がいい突入経路を米国に譲る、つまりはあ号標的破壊の手柄を米国に譲ると言ったのだ。

それに対し、米国は自国の部隊が他国の指揮下に入らない独立行動権と、蜃気楼の装甲をF-22の物に換装しF-22Cとすることを要求した。
彼らにしてみれば、世界最大最強の米国の軍人が、脆弱な他国の軍人(消耗品)の下に付くなど許せることではない。
そして世界の工場たる米国の軍隊が他国製の戦術機を表立って堂々と使うなど、それこそ国家の面子にかけて認める訳にはいかないのだ。

独立行動権に関しては、ハイヴ突入後に米国部隊は独自の作戦行動を行う、と日本が作戦参加各国を説得することで同意したものの、蜃気楼の改造には難色を示した。
先のオリジナルハイヴ攻略戦から僅か2週間後に作戦を開始する為には、改装する人手と時間が足りず、また機体変更に伴う習熟訓練の時間も不足することが予測された。
渋る日本政府とメーカーに対し、米国は他国の倍額で買うと言って度肝を抜いた。
戦争特需に沸いているとはいえ、鉄源ハイヴ攻略とその後の西日本復興を控えている日本にとって、それは余りにも美味し過ぎる話だった。

上層部の思惑に引っ掻き回された現場は、正しく修羅場だった。
エンジニア達は先の西日本防衛戦にてメーカー修理となった多数の戦術機を桜花作戦までに修理するだけでなく、新品の蜃気楼200機の装甲をF-22の物に換装し、その為に狂った機体各部のバランス調整に四苦八苦する羽目になる。
また、同様に米国陸軍の衛士達は、設計思想からして異なる日本製戦術機の扱いに四苦八苦しながらも、かつて不知火弐型のテストパイロットを務めたユウヤが先頭に立って習熟に勤めた。
こうして極めて短い時間で造られた、政略色の強い戦術機がF-22Cだった。




攻めあぐねいていた武達にとって、援軍はありがたかった。
榊達にも対応する為だろう、武達に向かってくる触手の数は半減していた。
初めて相対するあ号標的からの攻撃に、千鶴の率いてきた混成中隊は苦戦を強いられるも、武からの助言を受けて態勢を立て直す。
態勢が整うと、武は斯衛から3機を選抜し、自らを加えた4機で切り込むといい、他の機体にはその援護を命じた。
榊はその危険な役割を武が担うことに反対するが、武は機体制御で自らを超える者がいないことを挙げ、榊の意見を却下した。
そして、彼らは反撃に移る。武の駆る紫の蜃気楼に選ばれた白白黄3機の蜃気楼が続き、その後ろを仲間達がバックアップする。
更には突入する4機の後ろに、F-22Cが続いた。
武からの叱責に、ユウヤは4機より5機の方が確実だと反論し、またアンタの指揮下に入った覚えはない、と言って取り合わなかった。
武は舌打ち一つでユウヤのことは忘れ、前だけを向いた。
襲い掛かる触手を跳んで避け、潜って避け、太刀で切り落とす。点と線で押し寄せる触手に、銃器は大して有効ではなかった。
しかし後方からの支援は、切込部隊へと四方から殺到する触手の何割かを打ち落としていた。
更には、壬姫の電磁投射砲による狙撃は、進路を阻害する触手や、死角から襲い掛かろうとする触手を狙い打っていた。
それでも尚、襲い来る触手は圧倒的であり、遂には白の蜃気楼が主機を穿たれ、爆散する。
それに続き、やはり白の蜃気楼が胸部を穿たれ、衛士は即死し、機体を乗っ取られてしまう。
だがその機体は、後方より援護射撃を行っていた赤の蜃気楼、月詠真那によって撃ち抜かれ、爆散した。
驚く武に対し真那は、部下の亡骸をBETA如きに穢させはしません。殿下はただ前だけを見ていてください、と告げた。

紫の蜃気楼に、黄の蜃気楼とF-22Cが続き、あ号標的へと迫る。
残り1/3程度まで近づいた時だった。黄の蜃気楼が脛に一撃を貰い、片足を失った。
また、それを庇う様に動いたF-22Cも機体を横殴りに跳ねられ、機体各部に損傷を負ってしまう。
黄の蜃気楼の衛士、篁唯依はF-22Cの衛士、ユウヤ・ブリッジスに対し、何故自分を見捨てて進まなかったのか、と叱責するが、ユウヤは唯依を見捨てることは出来なかったとだけ答えた。
それを見ていた武は、共に戦う仲間を見捨てぬ心意気を褒め、機体の損傷した部下と共に援護してくれるよう、ユウヤに依頼した。
ユウヤはそれを受け入れると、唯依と共に損傷した機体を騙しながら、その場に留まり、尚も進む紫の蜃気楼の援護に勤めた。

紫の蜃気楼は、共に進む仲間がいなくなった事で、その動きをより先鋭化させていた。
後続の部下と合わせる必要も、気遣う必要もない。唯己の腕だけを持って、進むのみ。いや、後方から支援してくれる仲間を信じて、切り込むだけだ。

Go Ahead.

ただ前だけを見て、突き進む。迫り来る触手を切捨て、キャタピラを唸らせて駆け巡り、跳躍ユニットを噴かして飛び。
迫り来る触手をも足場として蹴飛ばし、或いはその上を走り抜け。
その背後を狙う不届き者は、世界随一のスナイパーが、仲間が打ち払ってくれる。
我が背後に憂いなし。故に、唯前進あるのみ。
そして、遂にはあ号標的、反応炉に紫の蜃気楼は達する。
その瞬間、あ号標的はその半球状の上部構造体から無数の触手を放ち、飽和攻撃を仕掛けた。
視界を埋め尽くし、壁の如く押し寄せる触手を、武は下に潜り込む事で回避する。
そして素早く吸着式のS-11を幾つかその下部に放り投げ、貼り付けると、襲い来る触手を掻い潜り、反転して距離をとった。
その30秒後。武が安全距離に達するよりも僅かに早く。S-11のカウントは0となり、その内に秘めた破壊力を如何なく開放した。
閃光と、爆音。そして、煙の晴れた先には、あ号標的の姿はなかった。

やった、のか?

誰かの呟いた声が響く。
それに答えるように、地響きが鳴り響く。
それは、BETAが最寄のハイヴへと移動し始めたことを表していた。
誰ともなく、歓声が沸き上がる。涙を拭う事もせず、ただ喜びを分かち合う。誰もが、笑っていた。

その中で、ユウヤは唯依と笑い合いながら、先程の戦闘のことを考えていた。
最後に煌武院武が見せた機動。あれは、自分達とは次元の違う物だった。
あれこそが本当の3次元機動。全ての衛士が目指すべき物なのだろう。
今日、それをこの眼で見れた俺は運が良かった。あの機動を己の物としたとき、俺は更に強くなれる!
そう思うと、ユウヤは血が滾るのを抑えられなかった。そして思考は、今日の作戦に移る。
今回の作戦では日本製戦術機の操縦経験から抜擢されたが、日系人であることから主侵攻ルートから外された。
だがそのお陰で、唯依や日本軍と合流することができ、米国人として唯1人、反応炉フロアに達することが出来た。
G弾が無効化され、また通常兵器でのオリジナルハイヴ攻略がなされた以上、米国は戦略の大きな転換を迫られることは明白だ。
そうなればF-22C、いや蜃気楼と同じコンセプトの新たな戦術機の開発がスタートすることだろう。
その計画が始まれば、反応炉フロアに到達した俺は、必ずテストパイロットとしてその開発に参画することになるだろう。
衛士としてより高みに上る為の道筋を見つけ、また未だ見ぬ新型戦術機に思いを馳せ、ユウヤは有頂天だった。
そう、その横で唯依が、コイツまた戦術機のことばっかり考えて、私のこと忘れている・・・。と非難めいた視線を向けていることに気付かぬほどに。






武達は電磁投射砲で反応炉フロアの天蓋を吹飛ばすと、メインシャフトを通って地表付近まで上昇、モニュメントを内側から穿って地上へと出た。
その途端、ありとあらゆる回線から、あらゆる言語で賞賛の言葉が送られてきた。
ハイヴの南側に布陣した地上陽動部隊は、再建された甲13号目標ボパールハイヴへと落ち延びるBETAの対応に四苦八苦しながらも、武達へと賛辞の言葉を送ってきた。

BETAは、当初の予想通り、四方のハイヴへと落ち延びていった。
南側へと向かったBETA達は地上陽動部隊が山岳部まで後退しながらも暫減に勤め、最終的には航宙爆撃をも駆使し、その全てを駆り尽くした。
航宙艦隊は全弾撃ち尽し、地上陽動部隊も残弾は各機の手持ちだけと言う辛勝に、人類はBETAの圧倒的な物量に改めて脅威を覚えた。
甲1号目標カシュガルハイヴは、2週間前に攻略部隊を撃滅した後、甲2号目標マシュハドハイヴと甲13号目標ボパールハイヴに大部隊を送り、ハイヴを再建している。
更にはそれから2週間後の今回の作戦においても、反応炉破壊までの間に地上及び地下茎内において大量のBETAを駆逐していたのだ。
その中を生き延びたBETAの1/4を駆逐しただけで、この決戦の為に人類が用意した弾薬は底を付いてしまったのだから、物量の差は圧倒的であった。
桜花作戦を早急に実施していなければ、カシュガルハイヴを落とすことは出来なかった。それが、人類の偽らざる思いだった。


カシュガルハイヴは攻略後に徹底的に調査され、地下茎の内壁にAG11が含まれていたことが判明する。
それによりG弾が放つ異常潮汐力を中和し、内部のBETAを保護していたことが確認されたのだ。
その後に攻め落としたハイヴにおいても同様であったことから、G弾によるハイヴ攻略という戦略は破棄された。
また、AG11が異常潮汐力を中和することが確認されたことから、地下茎の内壁からAG11を抽出し、異常重力地帯に散布することで命息づく大地へと再生することが検討された。
その後それは実行に移され、カシュガル攻略から10年が経つ頃には横浜も立ち入り制限が解除され、復興が始まる事となる。
国連軍横浜基地跡には帝国軍の基地や衛士訓練校が立てられ、街も嘗ての賑わいを取り戻していった。






2009年3月末日。
桜舞散る帝都に、煌武院武とその配下が、あ号標的破壊を成し遂げた英雄達が凱旋した。
輸送機から降りる彼らを、多くの将兵が一部の隙もない見事な敬礼で出迎え。その後ろでは報道陣のフラッシュが瞬いていた。
そして、帝都城に戻った武を、桜花作戦に向かう彼を見送った桜並木の下で、悠陽は出迎えた。

ただいま、悠陽。
お帰りなさいませ、武様。

桜吹雪の元、2人は見詰め合い、唇を交わした。






―――それから30年の時が流れた。






オリジナルハイヴ攻略戦で確認された重突撃級や母艦級、門級以降、新型のBETAは確認されず、またBETAが新たな戦術を駆使することもなくなった。
それに対し、人類は兵器と戦略、戦術を常に進化させ、地球上のハイヴを全て攻略し、母なる大地を取り戻していた。
そしてこの日、BETA大戦は新たな局面を迎える。月奪還作戦が、遂に始動したのだ。

しかし、その作戦に煌武院武は参加していなかった。
重金属雲が漂う戦場を流離い、また異常重力地帯である国連軍横浜基地に所属していた事実は、彼の身を大いに蝕んでいたのだ。
病床に伏せた彼は、妻子に対して語りかけていた。

 俺は、俺達は、人類は地球を取り戻した。
 次は月だが、残念ながら俺にはもう時間がないようだ。我が子らよ、あとは任せて良いな?

彼の子供達が、銘々の口から承諾の言葉を返すと、それを聞いた武は満足げに微笑んだ。
そして悠陽を呼ぶと、その頬を撫でて眼を瞑った。

 ああ、もう思い残すことはない。
 悠陽、少し休んだら、またあの桜を2人で見に行こう――――――――――――。

はい、という返事を返し、悠陽は一筋の涙と共に悲しみを押し込んで微笑み、愛しい夫の手をとってその最期を看取った。



唐突であるが、この物語はここで終わる。
何故ならば、因果導体たる煌武院武、いや白銀武は鑑純夏に辿り着けなかったのだから。
この世界は白銀武の死を以って破棄され、再び2001年10月22日に巻き戻される。
白銀武が御剣冥夜を愛し、煌武院悠陽と結ばれ、地球上からBETAを駆逐したと言う事実は虚数空間に棄却された。
彼は全ての知識と経験を失い、再びかつての自室からリスタートするのだ。
そう、これは、一人の少女の純粋な願いによって、打ち砕かれた物語。
彼女に辿り着くことが出来なかった、幾億万の物語の一篇。
かくして人は、彼が彼女に辿り着くその時まで、閉じた円環の中で無限の勝利と敗北を繰り返す。




■後書き■

私が書きたかったSSの粗筋は、以上です。
書こうとした切欠は、どこかでunlimitedの冥夜エンドでは人類は敗北しており、武は純夏同様に脳髄だけになっている、という公式(?)設定を知ったことです。
それを知った時、いやいや、人類が逆転勝利を収めている可能性だってあるだろう、と憤ったことが始まりでした。
後はunlimitedとAlternativeのどちらにも悠陽エンドがなかったので、それならば俺が書いてやろう、などというおこがましい思いもありました。
それから2年位経ってしまいましたが、恥ずかしながらも人目に晒せる程度には形に出来て、取りあえずは満足しました。

10/10土曜に一度は書き終わり、順次切りの良い所で投稿し始めたのですが、一日経って見直すと、あ号標的戦からの流れがどうも気に入らず、結局書き直してしまいました。
そうしたら、最後の最後で、ユウヤ君が変なフラグを立ててくれました。※
深くは考えていませんが、地上のハイヴ根絶から月面侵攻までの間に、彼が何らかのトリガを引き、日米戦争が起きていたかもです。
トータルイクリプスは公式HP上の粗筋やキャラクター紹介でしか知らないので、人物像が違ったらご容赦ください。

※)10/18修正でこのフラグは削除されました。

話が途中でぶれるといけないと思ってプロットを書き始めましたが、ユウヤ以外にも米国がパワフル過ぎて思いきり脱線、日本も巻き込んで人類滅亡エンドに逝ってしまって書き直したり。。。
沙霧が大怪我した後に8割方擬体化したら、オレンジ卿というか恋愛原子核化して思い切り話をぶち壊してくれて、大幅に書き直したり。。。
当初は考えていなかった要素が後からどんどん出てきて、プロットの大切さを実感しました。
・・・そういう要素がないようにしようとしたら、徐々に記述が細かくなり、何時の間にやら粗筋になってしまいましたが。。。


粗筋ではなく、小説としてちゃんとした物が読みたい!という多数の声を頂け、嬉しく思います。
ですが1話の後書きで書きましたとおり、私の執筆速度はめちゃくちゃ遅いです。
また、仕事が忙しい時期だと、半年ぐらい執筆がストップしたりします。
今回は病気療養で長期休暇をとったお陰(?)で、一気に完結できた次第です。
これがなければ、後半年一年はかかっていた事でしょう。
そういう訳で、申し訳ないですが小説版は皆さんの心の中で、想像し、妄想し、具現化し、執筆して下さい(アレ?)。

最後に、没ネタのオマケです。


■没ネタ■

・OPは207B訓練小隊4人娘(榊、綾峰、珠瀬、鎧衣)でマクロスFのライオン。EDは冥夜&悠陽で同じくマクロスFのトライアングラー。笑顔の二人の前で正座する武付き。
→SSにOPとEDはいらないと後から気付く馬鹿な牛が一頭。

・日米交渉の折、米国が〇四式基幹算譜をコピーした証拠をマスコミを通じて米国国民に流し、民意を味方につけて優位な条件を引き出す。
→戦時下の米国国民は、『強いアメリカ』にYes!ということで、必要悪として認めてしまう。
 日米交渉は決裂し、日本ジリ貧ルート。G弾無効化後も日本が動けず、シナリオの建て直しが出来ず大幅に書き直し。

・武から結婚しないかと持ちかけられ、彼の胸に抱きついた悠陽が計画通りと新世界の神スマイル。
→悠陽殿下は黒くない!・・・よね?

・第2次明星作戦で武がもう1人出現。
→夕呼先生がいないと説明役がいない&出てくる必要性がまったくなかったので却下。
 2人目が純夏を助けたりする展開も考えたが、ループが終わってAlternative本編と繋がらなくなってしまうので没。
 そもそも夕呼先生がいないと純夏が脳髄のままで、話が進まないし。

・第2次明星作戦後の異常重力地帯に放置されて、純夏死亡。
→純夏が死んだら観測者が居なくなって強制的にループするんじゃないだろうか?ということで没。多分、青い液体がBETAの超科学で守ってくれた筈。
 オルタOPの(第1次)明星作戦の場面でも、地下茎内がG弾によって破壊されていたにも拘らず、純夏達捕虜の捕われたカプセル(?)は無事だったから問題なし!
 それに夕呼先生と霞がバーナード星系に行ってしまったので、純夏のことを知っている人間がおらず話に絡められない。

・沙霧が全身を8割方擬体化して、オレンジ化。
→悠陽にGetされた武に代わり、沙霧が主人公(恋愛原子核)になってしまったので没。
 クーデター騒ぎで示した将軍家への絶対的な忠誠から月詠従姉妹と接近し、大分基地では帝国軍と斯衛軍の代表として唯依と反発したり接近したり。
 その後の鉄源ハイヴの間引き作戦で、上級指揮官の不足から新任の教え子を引き連れて参加していたまりもちゃんを庇って大怪我して入院(オレンジ化)、それが原因でまりもちゃんが沙霧を気にし始めたところで、唯依がまりもちゃんを罵ってみたり。
 大分基地にその頃になってやってきたユウヤと三角関係でギスギスしてみたり。
 回復後の試製蜃気楼の御披露目で、ユウヤから後ろ弾食らってみたり。
 8割方擬体化したことから人類初の戦術機との神経接続実験の被験者となり、その実験を通じ蜃気楼を改造した専用機をGetしてしまったり。
 あ号標的を前に苦戦する武達の助太刀に参上。温存していたS11弾頭の短距離ミサイルで忠義の嵐。
 触手を薙ぎ払った後に単機切り込み、返り討ちにあったと思ったら追加装備をパージ、あ号標的を討ち取ちゃったり。
 色々暴れてくれたので、自重することにした。ラスボスを倒すのは、やっぱり主人公だと思いますから。
 変わりに大英帝国辺境伯ジェレミア卿を出したら、王子様王女様の為にとやっぱり大暴れしてくれたのでこちらも自重。

・桜花作戦の地上陽動部隊として、日露共同開発の蜃気楼ベース試作複座型支援戦術機で紅の姉妹が大暴れ。
→機体名をホノカグツチにしようとしたら、ギャグのような外伝で既に使われていたので萎えた。本筋に関係のない余談なので没に。
・桜花作戦の地上陽動部隊として、日露共(ryの後部座席で、まりもちゃんがガンナー兼指揮官として連隊の指揮をとる。前部座席で機体を操縦する元教え子の技量を見て、世代交代を実感、引退を決意する。
→乗機自体が没になったし、脳内まりもちゃんからの抗議により、没。


以上、没ネタでした。
ここまで御付き合い頂き、ありがとうございました。



■修正■
ユウヤはヤンキー(不良)で戦術機が大好きな武、といったキャラだから違和感を感じる。という指摘を受け、ユウヤ関連の記述を修正しました。
違和感、ヘイト臭が消えていればいいのですが。。。

■修正2■
没ネタを修正したいと思いますので、一旦削除させて頂きました。


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