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No.12590の一覧
[0] 【完結】Muv-Luv Unlimited -円環の欠片- (冥夜エンドAfter、悠陽ルート)[牛歩](2009/11/07 22:17)
[1] 【ネタ】Muv-Luv Unlimited -円環の欠片- 第02話[牛歩](2009/10/10 16:47)
[2] 【ネタ】Muv-Luv Unlimited -円環の欠片- 第03話[牛歩](2009/10/10 17:43)
[3] 【ネタ】Muv-Luv Unlimited -円環の欠片- 第04話[牛歩](2009/11/07 22:55)
[4] 【ネタ】Muv-Luv Unlimited -円環の欠片- 第05話[牛歩](2009/10/12 01:48)
[5] 【ネタ】Muv-Luv Unlimited -円環の欠片- 第06話[牛歩](2009/10/17 21:52)
[6] 【ネタ】Muv-Luv Unlimited -円環の欠片- 第07話[牛歩](2009/10/12 01:51)
[7] 【ネタ】Muv-Luv Unlimited -円環の欠片- 最終話[牛歩](2009/11/14 21:39)
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[12590] 【ネタ】Muv-Luv Unlimited -円環の欠片- 第07話
Name: 牛歩◆42d60b86 ID:27c2e476 前を表示する / 次を表示する
Date: 2009/10/12 01:51
2009年3月、カシュガルハイヴ攻略戦が開始される。
小型G弾で表層付近のBETAとAG11を排除すると、理論上の安全限界の威力を持ったG弾が投下された。
これをもってフェイズ7に達した地上最大のハイヴの、その最深部まで薙ぎ払う。
その後にハイヴを制圧するというのが、大まかな作戦内容だった。

重金属雲を発生させた後、衛星軌道上より投下された無数の小型G弾はその威力を遺憾なく発揮し、地表付近のBETAを薙ぎ払った。
そして、次弾が投下される。
カシュガルの地に出現した史上最大の黒い太陽は、それを眼にすることとなった各国の軍人達を畏怖させた。
爆風と土煙が落ち着くのを待ち、米国と統一中華戦線(自国領であることから参加。東トルキスタンは漢民族の避難が優先された為、他の民族は9割方死に絶え、戦時下であることもあって独立運動はまったく行われていない)からなる国連軍は、人類史上初めてオリジナルハイヴへと足を踏み入れた。

突入部隊が地下1000mに達したその時。それは、起きた。
突然の大振動と共に、大深度地下からBETAの大群が押し寄せ、突入部隊に襲い掛かったのだ。
電磁投射砲をいくら撃ち込もうと、仲間の死骸を後ろから押し出し、死の津波となって押し寄せるBETAに、抵抗むなしく突入部隊は全滅する。
BETAの津波はなおも止まらず、地上へと押し寄せた。
振動からそれを予期していた米国陸軍は、電磁投射砲の斉射を持ってそれを迎え撃つ。
しかし、それでもBETAは止まらない。
地下からの奇襲で混戦状態に持ち込まれたならともかく、未だ距離を保っている状態でBETAの前進を止められないことに、衛士達は焦りを隠せなかった。
そして彼らは、それを見つける。

それは突撃級より一回り大きく。
突撃級より前面の傾斜角緩やかな、厚い多層構造の装甲殻を持ち。
内に1体の小型種を搭載する。
それは後に、重突撃級と呼ばれることになる新型BETAだった。

その殻はモース硬度15以上の装甲を幾枚も割らせることで、電磁投射砲から放たれたアルミニウム合金製の弾頭の持つ莫大な運動量を相殺させ。
その突撃級より緩やかな傾斜角で弾道を僅かに逸らしてしまう。
貫通したとしてもその運動量を著しく減退させた弾丸は、次の重突撃級に容易く弾かれるのだった。
また、例え死してもその装甲殻の山は堡塁として機能し、後続のBETAへの被害を最小化させてしまっていた。

要撃級も突撃級も要塞級も光線級も重光線級も、有象無象の区別なく等しく薙ぎ払ってきた電磁投射砲は、ここに来て突撃砲同様の銃器へとその価値を下げてしまった。
それを成した新型BETAは、更にレーザーを照射しながら突撃するという戦術に出た。
彼らは、その体内に小型種を一体潜ませており、それは当然、航空戦力の天敵たる光線級であった。
彼らは前進する重突撃級の中から、その装甲殻に僅かに開いた銃眼からレーザー照射を行い、電磁投射砲の弾幕に対抗した。
その光は対峙する衛士達を絶望の淵に追い込み、その命を手折っていく。

混乱をきたしながらも必死の抵抗を継続する地上部隊に対し、BETAは攻勢を緩めない。
地上部隊後方の、それまで誰も気付かなかった隠しゲートから、BETAの大群が出現する。
そのBETAは二手に分かれ、その一方が地上部隊を挟撃する。
挟撃された地上部隊は撤退を試みるも、二手に別れたもう一方、今までにない大規模進攻の目標とされた前進基地の守備隊にそれを支援する余力はなく。
ハイヴ攻略部隊は自力での脱出に成功した僅か7名を残し、BETAの津波の中に消えていった。




前進基地は新型BETAも加わっての大進攻を前に、残存戦力では防衛は不可能と判断され、早々に破棄が決定される。
しかし撤退するにしても、最低限持ち出したいデータや機材というものがあり。
足の遅い各種車両が撤退する時間を稼ぐ必要があった。

この撤退戦には、補給作戦に従事していた世界各国の部隊も参加していた。
新型BETA出現の報告から、彼らは急場の対策として要所々々に戦術機サイズの巨大な塹壕を掘っていた。
そこに支援戦術機ターミネータを配置することで対抗しようとしたのだ。
更にはBETAの通り道になるであろう箇所には地雷の代用品として、S11が埋められた。
そしてそれらは、一定の成果を挙げた。

新型BETAは突撃級よりは僅かに遅く、それ以外のBETAより遥かに早かった為、電磁投射砲の天敵である新型を狙って埋設したS11を起爆することが可能だった。
また、ハイヴ周辺の平野部と違い、山岳部であることから射線が遮られ、レーザー照射を受け難かったことも幸いした。
支援戦術機部隊は、地雷原を突破した新型BETAや光線級に対し、塹壕に篭ってレーザーと電磁投射砲を撃合い。
近接されれば戦術機部隊が混戦に持ち込んで時間を稼ぎ、その間に支援戦術機部隊は次の塹壕まで後退すると、今度は戦術機の撤退を支援戦術機が支援する。
その繰り返しで彼らは時間を稼ぎ出すことに成功、カシュガルハイヴから南南西500kmのチラス基地までの撤退に成功する。
それに対し、BETAは破棄され無人となった前進基地を無視し、そのまま南下を継続、緊迫する国連チラス基地から東に約150kmのスカルデゥを通過して、更に南下を続けた。

この時点でBETAの最終目標は国連軍ボパール基地、つまりはボパールハイヴ跡であると推測された。
そして、同様の事態が世界各地で発生していた。
国連軍マシュハド基地、甲2号目標マシュハドハイヴ跡には、甲1号目標カシュガルハイヴ攻略部隊を殲滅したBETA群が増強された上で侵攻を開始する。
更には甲3号目標ウラリスクハイヴ、甲9号目標アンバールハイヴからもBETAの大群がマシュハド基地へと侵攻を開始した。
他にも、国連軍ロギニエミ基地、甲8号目標ロギニエミハイヴ跡には甲4号目標ヴェリスクハイヴから。
国連軍ブダペスト基地、甲11号目標ブダペストハイヴ跡には甲5号目標ミンスクハイヴから。
国連軍リヨン基地、甲12号目標リヨンハイヴ跡には同じく甲5号目標ミンスクハイヴから。
国連軍重慶基地、甲16号目標重慶ハイヴ跡には甲14号目標敦煌ハイヴから。
国連軍マンダレー基地、甲17号目標マンダレーハイヴ跡には同じく甲14号目標敦煌ハイヴから。
異常重力地帯と化した国連軍横浜基地跡、甲22号目標横浜ハイヴ跡には甲20号目標鉄源ハイヴから。
国連軍ハタンガ基地、甲24号目標ハタンガハイヴ跡には甲10号目標ノギンスクハイヴから。
国連軍エヴェンスク基地、甲26号目標エヴェンスクハイヴ跡には甲25号目標ヴェルホヤンスクハイヴから、BETAは同時に侵攻を開始していた。

BETAの世界同時侵攻。BETAによるハイヴ奪還作戦に、世界は戦慄した。







国連軍ボパール基地は、必死の防衛戦を展開した。
しかし、その抵抗むなしく最後にはG弾による自爆を決行、多くのBETAを道連れにしたものの、G弾の有効範囲外にいたBETAも未だ多く。ボパールは再びBETAの手に落ちた。
このとき、基地内部に侵入した小型種に反応炉破壊用に設置したS11への導線が切断され、反応炉の破壊に失敗。
甲13号目標ボバールハイヴは奪還され、再建されることとなる。


国連軍マシュハド基地は、東西北3方同時侵攻というその圧倒的物量の前に、早々に基地の破棄を決定していた。
反応炉をいつでも破壊できるようにS11を配置し、また自爆用のG弾も用意されていた。
その上で新型BETAのデータを取得すべく、また少しでも多くのBETAを間引くべく、ある程度防衛戦を行った後に撤退戦に移行することが決定されていた。
しかし、その作戦は失敗に終わる。
甲9号目標アンバールハイヴから侵攻したBETA群が、先んじて撤退を開始していた各種車両群とその護衛の戦術機に反応し、半数を基地南側に回して来たのだ。
これにより先行した部隊は全滅、マシュハド基地は重包囲下に置かれることとなり、僅かな衛士が脱出に成功した以外は、基地指令以下多くの将兵が基地とその命運を共にした。
反応炉破壊用に設置されたS11は正常に作動したものの、反応炉の強度が想定より高かったことから完全破壊に失敗してしまう。
再度S11を設置する為に戦術機を反応炉フロアに急行させるも、彼らはメインシャフトを雨のように降り注ぐBETAに邪魔され到達することが出来ず。
甲2号目標マシュハドハイヴは奪還され、再建されることとなる。


国連軍ロギニエミ基地はカナダからの増援を受け入れ、戦力を増強した上で防衛戦に臨んだが、抵抗むなしく基地内部に侵入され、陥落寸前まで追い詰められる。
しかし基地内部への進入を許した時点でロギニエミ基地指令は反応炉の破壊を決断、BETA到達前に反応炉を破壊する。
反応炉が破壊されると同時にBETAは撤退を開始、ロギニエミ基地は辛うじて防衛に成功した。


国連軍ブダペスト基地もまた、防衛戦を展開したものの、陥落。
反応炉破壊に失敗したことから甲11号目標ブダペストハイヴは奪還され、再建されることとなる。


国連軍リヨン基地は、英国と米国からの大規模な増援を受け、最大規模の防衛戦を展開、BETAの撃退に成功する。
英国は海峡を挟んだ地に再びハイヴが建設されることを恐れた為、可能な限りの増援を送っていた。
それは米国も同様であり、東海岸の部隊を過剰なほどに送りつけていた。


国連軍重慶基地では、統一中華戦線が核地雷まで使用して防衛戦を展開した。
しかし核さえも、津波の如く押し寄せるBETAの前には蟷螂の斧に等しく。
最後には反応炉ブロックで水爆を使用、侵攻したBETAごとハイヴを根こそぎ吹飛ばすという荒業を以って、撃退に成功する。


国連軍マンダレー基地もまた、防衛戦を展開したものの、陥落。
反応炉破壊に失敗したことから甲17号目標マンダレーハイヴは奪還され、再建されることとなる。


国連軍横浜基地跡へと向かうBETAには、国連軍大分基地と帝国軍京都鎮守府が対応した。
大分基地は玄界灘で戦艦部隊とともに上陸してくるBETAを迎撃する。
ただし、彼らは基地開設当初の取り決め通り、BETAが一定以上上陸し、継戦は甚大な被害をもたらすと判断された時点で撤退。
以降、一部の国連軍部隊がゲリラ戦を展開したものの、防衛戦は帝国軍が単独であたる事となった。
帝国軍はかつての侵攻経路上に病的なまでにS11弾頭の地雷を設置しており、これによって新型BETAをも下から屠っていった。
しかしそれだけでは圧倒的な数を誇るBETAに対処できるはずもなく。
他にも瀬戸内海には多数の護衛艦や砲艦を浮かべており、それらの小型艦船は大小様々な島々の陰に隠れて執拗なまでの砲撃を行い、BETAの暫減に努めた。
戦術機や支援戦術機で構成された機甲師団もまた、侵攻するBETAの頭を押させつつ戦線を後退させていく。
そして京都鎮守府から来た迎撃部隊と合流すると、姫路において遂に攻勢に転じた。
支援戦術機の砲火の元、蜃気楼が、不知火参型がBETAに肉薄する。
重突撃級もまた、突撃級同様後方は無防備であることがここまでの戦いで判明していた。
その為彼らは混戦に持ち込むことで、重突撃級の搭載する光線級のレーザーを撃ち難くさせ、そのうえで後ろから屠っていった。
従来のBETAに対してであれば、白銀武に鍛えられた帝国軍にとって混戦は十八番と言って良く。
予め部隊を幾つかに分け、補給のタイミングに気をつければ十分に対応可能であった。
かくして帝国軍は明石まで押し込まれたものの、BETAの撃退に成功する。


国連軍ハタンガ基地は極地にあり、その厳しい環境が防衛戦を困難なものとしていた。
折り悪くその日の天候は強烈な吹雪であり、屋外での戦術機の運用を困難なものにしていた。
その為、予め設置していた核地雷を使い切るとすぐに基地内部での迎撃戦となり、後は数の暴力にただ押し流されるだけであった。
その勢いは凄まじく、自爆どころか反応炉の破壊すら人類には許されず。
その日、ハタンガ基地に居た人間は老若男女の区別なく、等しくその生を終えた。
甲24号目標ハタンガハイヴは奪還され、再建されることとなる。


国連軍エヴェンスク基地は、米国本土に近かったことから米国も防衛の為に増援を派遣していた。
しかしアラスカにいた部隊は1/3がカシュガル攻略戦に派遣されており、その穴を埋める部隊は派遣されていなかった。
その為リヨンほど重厚な防衛線を構築することは叶わなかったが、彼らは基地へのBETA侵入を許しながらも辛うじて防衛に成功。
甲26号目標エヴェンスクハイヴの再建は阻止された。




反攻に転じたBETAの力に、世界は慄いた。
1999年の明星作戦による横浜ハイヴ攻略後、10年掛けて攻略した11箇所のハイヴのうち、実に5箇所が奪還されてしまったのだ。
水爆で根こそぎ吹飛ばした重慶や、反応炉を破壊したロギニエミを含めれば、7箇所が攻略されたことになる。
その事実はバビロン作戦を主導してきた米国の威信を失墜させるに十分なものだった。
一連のハイヴ跡防衛戦において、米国は海外派遣兵力の実に7割以上を喪失、その軍事力を著しく減退させた。



■後書き■

ボクの考えた新型BETA、登場です。
第一次世界大戦における、戦車の登場をイメージしています。
電磁投射砲の実戦投入後だと、AG11と併せてこの位しないと、BETAが攻勢に転じるのは不可能だと思いましたので。。。

次回で最終回です。切りのいい所がないので300行オーバーです。
エピローグに当たる部分がどうにも納得いかないので、もう少し弄ってから投稿させて頂きます。

≪追記≫
10/11中に上げるつもりが、未だ修正終わらず。。。
すみません、最終話は10/12夜に投稿させて頂きます。


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