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No.523の一覧
[0] よこしまなる者 96話から[キロール](2005/04/25 22:19)
[1] Re:よこしまなる者 96話から[キロール](2005/04/25 22:19)
[2] Re[2]:よこしまなる者 96話から[キロール](2005/04/25 22:19)
[3] Re[3]:よこしまなる者 96話から[キロール](2005/04/25 22:20)
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[5] Re[5]:よこしまなる者 96話から[キロール](2005/04/25 22:21)
[6] Re[6]:よこしまなる者 96話から[キロール](2005/04/25 22:21)
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[18] Re[16]:よこしまなる者 96話から[キロール](2005/05/14 00:57)
[19] Re[17]:よこしまなる者 96話から[キロール](2005/05/19 13:53)
[20] Re[18]:よこしまなる者 96話から[キロール](2005/05/25 01:58)
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[22] Re[20]:よこしまなる者 96話から[キロール](2005/05/31 23:42)
[23] Re[3]:よこしまなる者 96話から[キロール](2005/05/31 21:15)
[24] Re[21]:よこしまなる者 96話から[キロール](2005/06/01 23:44)
[25] Re[22]:よこしまなる者 96話から[キロール](2005/06/04 20:07)
[26] Re[23]:よこしまなる者 96話から[キロール](2005/06/05 21:48)
[27] Re[24]:よこしまなる者 96話から[キロール](2005/06/07 20:34)
[28] Re[25]:よこしまなる者 96話から[キロール](2005/06/09 23:41)
[29] Re[26]:よこしまなる者 96話から[キロール](2005/06/12 00:39)
[30] Re[27]:よこしまなる者 96話から[キロール](2005/06/15 20:10)
[31] Re[28]:よこしまなる者 96話から[キロール](2005/06/15 20:55)
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[51] Re[48]:よこしまなる者 96話から[キロール](2005/09/12 21:04)
[52] Re[49]:よこしまなる者 96話から[キロール](2005/09/18 18:51)
[53] Re[50]:よこしまなる者 96話から[キロール](2005/09/18 18:53)
[54] Re[51]:よこしまなる者 96話から[キロール](2005/09/30 12:32)
[55] Re[52]:よこしまなる者 96話から[キロール](2005/10/06 20:30)
[56] Re[53]:よこしまなる者 96話から[キロール](2005/10/06 20:32)
[57] Re[54]:よこしまなる者 96話から[キロール](2005/10/12 22:51)
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[523] よこしまなる者 96話から
Name: キロール 次を表示する
Date: 2005/04/25 22:19
 ≪横島≫
 早いもので三ヶ月という速成の映画作成は終了し、いよいよ試写会の運びとなった。
普通であればこんなに急遽映画を作っては配給もままならないはずなのだが、そこは六道の協力(六道家としての金を使わなくても、六道家が株を保有する企業の伝を使えば割り込ませることは可能だった。逆に言えば三ヶ月という工作期間があったのだから)のお陰でどうにか映画館も押さえ、日本映画にしては豊富にある広告宣伝費で認知も上げた。
今回は一般試写会に先駆けて出演者と著名人を集めたパーティー形式にしている。正式には出演者ではない魔鈴さんもお願いをして参加させてもらった。そしてそれがまるで当然のことのように冥華さんも参加していた。
 
試写会の席で元広監督がインタビューから始まった。
 
「この映画は映画監督元広克之としては大変遺憾な作品となった」
 
インタビューはそんな台詞から始る。
 
「この映画を主導したのはスポンサーであり、原案の横島氏と、協力をいただいたゴーストスイーパー、並びに出演してくださった人間ではない方々の協力があったからこそのものです。この映画は面白い。私の手柄ではないのが残念なくらいにね。この意味は実際にこの映画を見てくれたら理解してくれると思います。私はこの先映画人として、この作品を超えるものを撮ることを目的にしたいと思っています」
 
元広監督は真面目な顔でそういった。
 
「それと、この映画はアクションシーンを含むほとんどのシーン、およそ95%以上のシーンが実写で撮られています。信じられないでしょうがそのことを覚えておいてください」
 
そして、映画が始められる。
                   ・
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              【踊るゴーストスイーパー THE MOVIE 2】
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 この映画はフィクションであり、実際に登場する人物・名称とは一切事実と関係ありません。
また、特定の個人、団体、異種族を攻撃することを目的とした作品でもありません。
登場する異種族のほとんどはストーリーに合わせるために種族的な変更はありますが、ほとんどが人類に友好的な本物の異種族が登場しており、彼らと協力をいただいたゴーストスイーパーの方々に深い感謝を捧げます。
                   ・
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 いつものように、いや、対象が抵抗しなかっただけいつもより簡単に横山は悪霊の除霊を行った。
旧家のご令嬢が悪霊に取り付かれたというのを除霊に来たのだが、悪霊は横山の姿を見ると静かに、そして悲しそうにラヴソングを歌うだけだった。
 
「ユタカ、ユタカ、いやぁぁぁぁあ!」
 
除霊の終了後、両親を振り切り美鈴(セイレーン)が部屋の中に入ってきた。
そこにユタカ(ジェームス伝次郎)の姿がないことに気がつくと狂乱して横山に掴みかかる美鈴。
 
「返して! ユタカを返してよ!」
 
「え!? 貴女は悪霊に執りつかれていたんじゃ?」
 
「私はユタカを愛していたのよ! 例え死んで幽霊になったとしても。返して! ユタカを返してよ!」
 
部屋の中に入ってきた両親に再び取り押さえられる美鈴。
 
「娘にとりついていた悪霊を払っていただきありがとうございました」
 
丁重に、しかし有無を言わされない調子で家から追い出される横山。
釈然としないものを感じながらも事務所に戻って所長の和玖平八(微笑屋長介)に報告する。
遠田菫(浅津エリ)も交えて今日あったことについて疑問を漏らすのだが平八は『気にするな』と言うだけでそれ以上の質問は避けているようだった。
 
そして三日後、横山は美鈴がユタカの後を追い、自殺したことを知って強い衝撃を受ける。
まるで廃人か何かのようになって思い悩む横山。
頭の中では狂乱する美鈴の姿がリフレインする。
そして思い悩むあまり簡単な除霊にも失敗し、G・Sを辞めることを決意し平八にその旨を報告し、辞表の提出をする。
 
「……あの家にとって、ユタカという幽霊は娘をたぶらかす悪霊にすぎなかった。それをお前が除霊した。何を悩む必要がある?」
 
「ですが、……彼女が自殺をしたのは俺の責任です。俺が事前にもっと調べていれば」
 
「調べたところで変わらんさ」
 
「……所長」
 
「……横山。お前に暫く休暇をやる。……そうだな、一ヶ月くらいよく考えてみろ。もしそれで決意が変わらないようであれば……この辞表、受理してやる。お前の人生だ、止める権利はないがよく考えてから結論を出すといい」
 
黙礼をしてその場を辞する横山。
同僚の遠田が心配そうに平八に声をかける。
 
「横山君。大丈夫でしょうか?」
 
「さてな。こればかりは俺もどうにもできん。……この仕事を続けていれば何れぶつかる壁のようなものだ」
 
「所長!」
 
「騒ぐな! ……あいつにはいつかこんな日が来るのは判っていたんだ。……菫。お前はどうしてこの世界に入ってきた?」
 
「私ですか? 私は実家が代々霊能家の一族ですので」
 
「ま、この世界なら一番ポピュラーな理由なのかもな。他にも自分が持って生まれた才能を活かすためにこの世界に入った連中。金のためにこの世界に入った連中。強くなりたくてこの世界に足を踏み入れるもの。それ以外に生きる術を見出せなかったもの。他にもいろいろな理由でG・Sになる奴はいる。……あいつと俺はそのどれでもない理由でこの世界に入ってきた。【正義の味方】になりたかったんだよ。力を持たない人々を悪霊や邪悪な魔物から守れる存在。……笑っちまうだろう? この世界に入ったってそんなものになれるはずもないのに」
 
平八が自嘲する。
 
「……所長」
 
菫が気遣うように平八の背中に手をやった。
 
「昔、山の中でダム工事をする人間を襲う妖怪を除霊する仕事をしたことがある。ところが、その妖怪はその土地に人間達が住むより以前からその土地に住まう妖怪で、自分の棲家を守るために自分の領域を侵すものを追い払っていたに過ぎなかった。その妖怪にとって人間は自分の領域を侵す侵略者に他ならなかったわけだ。しかし人間にとってそのダムを作ることは必要なことだった。山の木を切りすぎたことが原因で治水能力が失われ、洪水が起こることが予想され洪水が起これば多くの人命が奪われるからな。……人間同士でさえ価値観や信じる神の相違で互いに殺しあうって言うのに、異種族であり、価値観の違う侵略者である人間を殺さずに追い払っていたその妖怪は決して邪悪な存在ではなかったのだろうさ。むしろ昔は山の神として祀られていた存在なのかもしれない。……だが俺は、その妖怪を除霊した。必要だったから、というのは言い訳にしか過ぎない。それ以来、俺は【正義の味方】を目指すのを止めた。その資格は失われたと思ったからな。……俺は今でも、力を持たない人間を守る存在だとは自負しているが決して【正義の味方】なんかではない」
 
平八は搾り出すようにそう呟いた。
 
「……今回の横山の件にしたってあいつに過失はない。一般人にとっては幽霊と悪霊の区分などないに等しい。幽霊を見れば気味悪がって除霊を依頼するし、それが自分達に害を及ぼせば悪霊だと判断する。あの家の両親にとってはユタカは紛れもなく娘を誑かし家の名に傷をつける悪霊だったのさ。……それは仕方のないことだ。ゴーストスイーパー協会からの情報が間違っていたのだってそのことでゴーストスイーパー協会を攻めることはできない。状況を説明するのはオカルト知識のない発見者の一般人なのだし、よほどのことがない限りオカルト知識を持った調査員を派遣することはできない。そんなことをすれば時間がかかりすぎて被害が広がってしまうかもしれないし、一般人にとってはただでさえ高い除霊費用が更に高騰してしまうからな。……俺たちは不確かな情報を元に正しい情報を推測し、正義だ悪だに関係なく依頼を達成するしかない。……邪悪じゃなかったとしても、殺し合いになる羽目になることはそれこそいくらでもあるんだ。そしてその善悪の判断なんて霊能力者であったとしてもできやしない」
 
「因果な商売ですよね」
 
「そうだな。……その馬鹿高い除霊費用だって赤字になることがしばしばだ。オカルトアイテムは高いからな。一千万の仕事に五千万の札を使わなければ殺されかねないなんて事だってありうる。悪霊に本当に悩まされていても除霊費用が払えなくてあきらめるしかない人間だって多いさ。だが、そんな状態でG・Sが動くのは難しいんだ。見捨てるような話であるが、何百万と赤字を出して、命を危険にさらすことを命じることなんかできないだろうよ」
 
「だからこそオカルトGメンみたいな組織ができるんですよね」
 
「まぁな。奴さんたちは俺たちにとっては商売敵だが、俺たちが手を差し伸べられない場所に代わりに手を差し伸べてくれているという意味では感謝をしているG・Sもいないじゃないさ。俺もその一人だ。……だが、奴さんたちも人材不足の勘は否めないな。一部は超一流のG・Sだが、全てのものがそうではない。むしろG・Sになれなかった者や、霊能力のない者の方が多いくらいだ。俺たちが数百万で請ける仕事に数千万のオカルトアイテムを投入することすらあり、その全てが税金によってまかなわれている。……ま、有意義な使い道ではあるがな。それにただでさえ一般の警察官よりも殉死しやすい職業だ。人命のことを考えれば致し方ないのかもしれないな」
 
「そうですね」
 
「些細な仕事でも命の危険は常にある。自分のミスで仲間や依頼者が死んでしまうかもしれない。……毎年二千人近い特殊能力者が集まるG・S資格試験の合格者はたったの32人。その内の半分は一年後にはG・Sを辞めている。半分は現実の厳しさに耐え切れず辞め、四分の一は再起不能の怪我を負い、残りは死んでいる。……そして毎年16名ずつは生き残っていたとしても、G・S全体の数はさほど増えない。一年持ったとしても数年で廃業に追い込まれるもの、赤字を出し続けて借金を背負い辞めていくもの、年齢を重ねた体が追いつかなくなってしまうもの、そして死んでしまうもの……儲かる商売のイメージは高いが、決して楽な商売じゃあないさ。……理想と現実のギャップに苛まれ、横山がG・Sを辞めてしまったとしてもその中の一人になっていくだけだ。あいつの命で、あいつの人生で、例えどんな結末を選んだとしても決して横山を責められない。むしろ、今の状態から快方に向かわないのであれば辞めていったほうがいいのかもしれない。……俺はあいつが死ぬところを見たくはないからな」
 
平八は苦いものを吐き出すようにタバコの煙を顔をしかめてはいた。
菫も沈痛な面持ちでため息をつく。
 
そこで場面は横山のほうに移る。


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