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No.3797の一覧
[0] 俺はここで生きていく (現実→オリジナルなドラクエっぽい世界) [ノンオイル](2009/03/29 23:44)
[1] 序章 第一話[ノンオイル](2008/12/19 22:25)
[2] 序章 第二話[ノンオイル](2009/02/24 02:50)
[3] 序章 第三話[ノンオイル](2009/02/24 02:50)
[4] 序章 第四話[ノンオイル](2008/12/19 22:26)
[5] 序章 第五話[ノンオイル](2009/02/24 02:49)
[6] 序章 第六話[ノンオイル](2009/02/24 02:49)
[7] 序章 第七話[ノンオイル](2009/02/24 02:51)
[8] 序章 第八話[ノンオイル](2008/12/19 22:27)
[9] 序章 第九話[ノンオイル](2008/12/19 22:28)
[10] 序章 第十話[ノンオイル](2008/12/19 22:29)
[11] 序章 第十一話[ノンオイル](2008/12/19 22:29)
[12] 序章 第十二話[ノンオイル](2008/12/19 22:30)
[13] 序章 第十三話[ノンオイル](2008/12/19 22:31)
[14] 第一章 第十四話[ノンオイル](2008/12/19 22:33)
[15] 第一章 第十五話[ノンオイル](2009/02/24 02:44)
[16] 第一章 第十六話[ノンオイル](2008/12/19 22:34)
[17] 第一章 第十七話[ノンオイル](2008/12/19 22:34)
[18] 第一章 第十八話[ノンオイル](2008/12/19 22:34)
[19] 第一章 第十九話[ノンオイル](2008/12/19 22:35)
[20] 第一章 第二十話[ノンオイル](2009/02/24 03:14)
[21] 第一章 第二十一話[ノンオイル](2009/02/24 03:14)
[22] 【オマケその一】 魔法について ―― とある魔法使いの手記 3/29  【それぞれの魔法について】 追加[ノンオイル](2009/03/29 23:42)
[23] 第一章 第二十二話[ノンオイル](2009/02/28 19:22)
[24] 第一章 第二十三話[ノンオイル](2009/03/17 21:41)
[25] 第一章 第二十四話[ノンオイル](2009/03/19 18:13)
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[3797] 第一章 第十九話
Name: ノンオイル◆eaa5853a ID:aa12ef82 前を表示する / 次を表示する
Date: 2008/12/19 22:35
リアです。
おふとん……あったかで………ぬくぬくしてます………はぅ……。

ん~~ふんふーん♪

柔らくてお日様の匂いのする枕に顔を埋めてゴロゴロしてると、お風呂場から少し音程のずれた、くぐもった鼻歌が聞こえてきました。
ちょっと音痴ですね……ふふふっ。

ここ、『黄金のほったて小屋』には、なんと部屋毎にお風呂がついてたんです!
どこの宿屋にも、共同のお風呂は大抵あるらしいんですが、ここのように一部屋毎についている宿屋は滅多にないんだとか。
その代わり部屋は少し狭いんですけど、わたしとユートの二人が生活するには十分な広さはあるし、気に入りました!

さすがに値段が高いだけはありますよね。
わたしには、あまり人間のお金の価値はよくわからないんですけど、ユートが言うには、この宿に一泊するだけで、あの美味しいお饅頭が80箱も買えてしまうんだとか!!
一箱10個入りなので、800個もあるらしいです。
800個ですよ、800個!!!
ここに泊まるのを我慢するだけでお饅頭800個貰えるなら……う~ん、でも、この枕は捨て難いですし、お風呂も……。
さっきユートに言われて、先にお風呂に入ったんですけど(ユートはれでぃふぁーすとって言ってました。どういう意味なんでしょう?)、ここのお風呂、すっごく気持ちいいんですよね。
お饅頭を取るか、宿を取るか、悩みどころです……。

コロンと寝返りを打つと、少し硬い感触が手に触れました。
視線を向けると、ユートが脱ぎ散らかした服が落ちてます。

「全く……脱いだ服はたたまないと皺になっちゃうのに、ユートときたら……」

まるで子供ですよね。
ユートのシャツを畳もうと手に取ると、その下から黒い上着が顔を覗かせました。
自然、肩の部分にあるわたしのポケットに目が行きます。

「……証、ですか……」

そう口から出た言葉は、自分でもわかるくらい沈んでいました。

アレはわたしの見間違いだったんじゃないでしょうか。
そんな有り得ない期待を抱いてそっとポケットへと手を伸ばし。
現実をまた突きつけられるのが怖い……。
そんな自分の弱さから、伸ばしかけた手を下ろす。

……わたしは、そんな仕草を何回か繰り返した後、自分の情けなさに零れ落ちそうになる涙を堪えて、手をぎゅっと握り締める。
と、突然、ガチャッ、という音がして扉が開かれると共に、セディが顔を出します。

「ユート、リア、そろそろ食事に行か……な…い…かい………?」

「あ……っ、ユートなら、今お風呂ですよ」

わたしは涙を手に持った物で拭うと、意識して明るい声で答えます。
そう何度も弱い部分を見られるわけにはいきません。

「……そ、そっか。……えっと、それじゃ、ユートがあがったら教えてくれないかな。夕食を食べに行こう。結構美味しい店なんだ、楽しみにしててね」

そして、セディはわたしの了解の声も聞かずに、そそくさと部屋を出る。
……が、すぐにまた扉が開いたと思うと、若干頬を赤く染め、目を伏せたセディが顔を出した。

「その……さ、人の趣味ってそれぞれだとは思うけど……、ユートには見つからないようにね」

そして、今度こそ完全に出て行った。
わたしはしばらく意味がわからずにキョトンとしていたが、自分の手に持っている物 ― ユートのシャツ ― と、自分の行動 ― セディに涙を見せまいと、手に持ったユートのシャツで顔を拭った事 ― を思い出し、セディが勘違いしていた事に思い至って、顔が熱く燃える。

「ちょ、ちょっと待ってくださいっ!! セディ、それは誤解、誤解なんですっ!?」

……セディを追いかけ、何とか誤解を解いて部屋に戻ってきた時には、すでにユートは風呂から上がっていて、待ちくたびれてました。






           俺はここで生きていく 

          ~ 第一章 第十九話 ~






「「「かんぱーい!!」」」

3つのジョッキが小気味良い音を立てる。
俺は一息にジョッキを空けると、ウェイトレスにもう一杯同じものを注文する。
俺とセディが飲んでいるのは、エール ―― あっちの世界で言うビールだった。
他のテーブルに目をやると、ワインのような物を飲んでいる客や、ソーダ割りを飲んでいる客もいる。
どの世界でも、酒にはやっぱり色々な種類があるようだ。
しかも見覚えのある物が多くて、俺としては嬉しい限りだ。
エール以外の物も追々試していくとしよう。

あぁ、ちなみにリアにはミルクを頼んでやった。
さすがにあの身体の大きさで俺達と同じ量のビールを飲ませたら、すぐに酔いつぶれちまいそうだったし。
リアサイズのコップなんて都合のいいものは当然無いので、コップに麦わらを刺して飲んでいる。
こっちの世界では麦わらをストロー代わりに使っているらしい。
ストローに口を付け、必死にミルクを飲む様子は小動物っぽくて可愛らしく、見ているだけで癒されたが、いつまでもこのまま、ってのもかわいそうだよな。
コップくらい専用の物を手に入れてやるべきかも。
ま、それは今度考える事にして。

つまみに頼んだ枝豆をパクつき、運ばれてきたビールをあおって、『ぷはーーっ』と、至福のため息をこぼす。
やっぱビールには枝豆だよなー。
そんな俺の様子を見て、リアがジト目でつぶやく。

「……ユート、おっさんくさいです……」

「うるせー」

この至高の組み合わせを理解できないとは寂しいやつめ。
ま~、今の俺は気分いいから許してやるけどな!
実は、宿屋の代金、考えていた半分で済むことになったんだ。
最初、セディは二人部屋を取っていたのだが、リアがベッドじゃなくても大丈夫だ、って事になったので、これまた空いていたセディの向かいの一人部屋に変えてもらった、ってわけだ。
その変わりに枕とジャケットをリアに持ってかれる事になったが、それくらいどうとでもなる。
本当は、リアに不便をかけるのは心苦しかったんだが、本人はそんなに気にしてないみたいだし、まぁいいか。
……気のせいかもしれないが、ベッドよりもジャケットの方が気に入ってる印象も受けたし。

ともかく、当初の予定の半額、56Gで済む事になったんだ。
これくらいならすぐにでも返せそうだし、気分が良くなるのも当然だろう。







セディに案内されたこの店は、宿からそう離れていない、軽食もやってる酒場だった。
多くの人で賑わっていたが、決して下品な騒がしさではなく、どこか基調の取れた雰囲気を持つ店だった。
冒険者の多い西どおりではなく南通りの酒場だからか、客層には、明らかに冒険者だとわかるような格好の人間はほとんどおらず、仕事帰りの商人や農夫が多く目立つ。
女性や子供連れも多く、恐らく元の世界で言えば、ファミレスの位置付けの店なのだろう。
なんにしても、落ち着いて食事が出来るのはありがたい。
冒険者だからってカッペのようなヤツばかりではないだろうけど、さすがにあんなのが大勢いたら食事するだけでも疲れるだろうし。







「お待たせー! ゆっくり食べてってくださいね!」

ウェイトレスに運ばれてきた料理に、早速齧りつく。
これは……鶏肉のソテーだろうか。
肉質は柔らかく、噛むとそこからじわっと肉汁が口いっぱいに広がる。
味付けは塩だけのようだが、香草の香りがいいアクセントになっていて、すごく美味かった。
これもビールに良く合うなぁ。

「どうしたんだ、セディ。酒が進んでないぞ~」

「だから僕はお酒駄目なんだって……」

セディが苦笑しながら、料理の合間にちびちびとジョッキに口をつける。
その中身は乾杯からほとんど減っていない。
そういや、注文する時に酒に弱いって言ってたっけ。
まぁ、一杯くらい付き合えって、無理に頼ませたんだ。
あまり強制するのもマナー違反だろう。

「ま、飲めないっていうヤツに飲ませるのは俺も好きじゃないし、しゃーないか。
……ところで、それも美味そうだな、それ、何て料理?」

俺やリアにはメニューが読めないから、注文はビール以外全部セディに任せてたからな。
何を頼んでいたのかよく知らなかったり。
セディの前にあるのは魚介類のスープ。
ホワイトソース仕立てで、具が多く美味そうだ。
クリームシチュー……ぽいか?

「あぁ、これは『たまてがいとエビのシチュー』だよ」

お、やっぱシチューだったか。
たまてがい……か。
こっちの世界にはやっぱり向こうにはない食材が多いんだろうなぁ。
なるほどなるほど、と相槌を打ちながら運ばれてきた三杯目のビールを口にする。

「で、リアのは『季節野菜のサラダ』、ユートのは『ピッキーのもも肉ソテー』だよ。足りなかったら頼むから、欲しかったら言ってね」

へぇ、俺のは『ピッキーのもも肉のソテー』ね。
ピッキーか……ピッキー………ピッキー!!??

ぶふーーーーっっ!!

聞き覚えのある名前に思い至り、思わず口に含んでいたビールを噴き出してしまう。

「げほっ、げほ……ちょ、ピッキーってまさか、あのピッキーか!!?」

あまりの驚きに咽てしまい、涙目でセディを見上げる。

「い、いきなりどうしたの、ユート。言ってる意味がよくわからないんだけど……」

「だから、この肉ってあのピッキーなのか!? あのモンスターのっ!! ……そ、そういや、たまてがいってのも確か……」

「う、うん、多分そのピッキーやたまてがいであってると思うよ」

マジかっ!?
俺、知らないうちにモンスター喰っちまった!!?

「……何を驚いてるのかよくわからないんだけど、……とりあえず、生き残ってね」

そして、そっと横を指差すセディ。
その指の先には……鬼と化したリアがいた。
風呂上りに変えたばかりの服は頭からびしょ濡れで、何があったか一目瞭然だった。

「……あ、あはは、悪い、リア。ちょ、ちょっとショックな事があって……」

俺は冷や汗を垂らしながら後ずさる。

「悪い、で済むと思いますか……?」

声には抑揚が全くなく、底知れぬ迫力があった。
まずいまずいまずい、メチャクチャ怒ってる!?
いや、まぁ、いきなりビールを吹きかけられて怒らないヤツはいないとは思うけど。
な、なんとか怒りを静めてもらわないと……!

「え……えっと、その……、そ、そう! 水も滴るいい女になってるぞ、リア! すごく色っぽ……」

そこまで話したところで、何かが切れるような音が聞こえ、次いですごい衝撃が顔に走り。
結論から言おう。
目が覚めたのは十数分後の事だった。







「いつつ……。ったく、少しは手加減しろよな……」

「ふんっ、当然の罰を与えたまでです!」

俺が痛む箇所をさすりながら睨むと、リアは顔を背けてストローに口をつける。
すでにGモシャスを使ったのか、その姿は濡れる前とまた変わっていた。
濃紺ベースに白チェックのワンピースに、黒のパンツ……なんかちょっと前にどこかで見たような……?
と、テーブルの脇を、リアと似た格好のウェイトレスが元気良く歩いていく。
あぁ、なるほど、ここのウェイトレスと似た服だったわけか。
ウェイトレスの着ていた制服はスカートなので、スカートとパンツの違いはあるが、リアの顔立ちにはこのパンツのほうが良く似合っていた。

「……なんですか」

「いや、その服、良く似合ってるな、って思って見てただけ」

「……っ! ふ、ふん、煽てても許してあげたりしないんですからっ」

「くくく、わかってるって」

羽ばたきの増えた羽をニヤニヤ眺めながら、セディに向き直る。

……何の話してたんだっけ?
……そうだった!
この飯がモンスターの肉だった、って事だったっけ。
慌てて話を戻してセディに問いただすと、セディは事も無げな表情をする。

「なんでそんなに嫌がるのかよくわからないんだけど……?」

「いや、だって、おい、モンスターだぞ、モンスター! ってか、そもそも、浄化したら消えちゃうんだろ!? なんで肉が残ってるんだよっ!」

「いや、浄化しないで持ってくればいいだけだしね……」

「ぐ……。た、確かに」

ルイーダの店で斡旋される仕事の中には、モンスターを狩って持ち帰るという仕事もあるらしい。
特に何も考えずにモンスターと戦えばいいだけの任務なので、駆け出しの冒険者にとっては手ごろな仕事なのだそうだ。

「で、でも、モンスターの肉なんて、喰って平気なのかっ!?」

「別に牛や豚を食べるのと同じだよ? それに、平気も何も、ユートだって美味しそうに食べてたじゃない」

確かに美味かった。
美味かったけど……モンスターだぜ、モンスター!
そもそも喰って大丈夫なのかよ……。

「うぅ……で、でも、なんか腹壊しそうで……」

「大丈夫だって。僕も……というか、こっちの世界の人は普通に食べてるけど、お腹壊したって話は聞かないし。それに、ユートも昨日から今日まで何ともなかったでしょ?」

「え、そりゃ何ともなかったけど? ……っ! ってまさか、昨日の干し肉っ!?」

「うん、昨日のあれは一角ウサギの干し肉だよ」

おいおい、マジかよ、全く気づかなかった…。
いつの間にかモンスターは俺の血肉になっていたようだ。

その後もあれこれと反論してみたが、全て論破されてしまった。
そもそも、モンスターを食してきた、という歴史上の事実がある以上、俺がゴチャゴチャ言った所で変わるはずもない。
まぁ、それに、確かにセディの言うとおり、モンスターと言っても肉になってしまえば変わりはない。
食べられるモンスターも、ごく一部のモンスターに限られているみたいだし、そう忌避したものでも……ないのかなぁ…。
モンスターを食べる事に対する抵抗感はまだほんの少し残っているが、そのうち慣れるだろう……。





モンスター談義が終わり、しばらく他愛も無い話に花を咲かせた後、話が途切れたところでセディのジョッキが目に入る。

「でも、酒が嫌いなんて、人生の半分は損してるぞ。いや、8割はしてるぞ!」

俺はすでに四杯目のジョッキを開けているが、セディは未だに一杯目すら飲み終えていなかったのだ。
この心地良いほろ酔い加減を味わえないなんて、かわいそうなヤツだ。

「そ、そんなにかい?」

あまり信じてない表情で疑わしそうにしているセディ。

「そうですよー、こーんなに美味しいのに~」

突然、それまで静かにミルクを飲んでいたはずのリアが、上気した顔で相槌を打つ。

「リアは飲んでないだろ。……って、これ酒じゃねーかっ!! いつの間に頼んだんだ、お前っ!?」

「キャハハハッ! お代わり頼んだら、持ってきてくれたんです~。気にしない気にしない~」

いつの間にかリアの身体ほどもあるジョッキに、ストローが刺さっていた。
どうやら何かの手違いで、ミルクのお代わりのはずがエールが運ばれてきたらしい。
リアは、すでに中身がほとんどなくなっているコップに口付けると、残りを飲み干していく。
その残りの量に反比例して身体は赤く染まっていき、コップが空になった時には、リアはリンゴの様に真っ赤になっていた。

「あ……もうなくなっちゃいました。ユートォ、おかわりぃ~」

「もう駄目だっ!! ……ったく、フラフラじゃねーか!
とりあえず、水でも飲んどけ。あんまり飲みすぎると身体に悪いぞ」

ウェイトレスに水を持ってきてもらいリアの前に置くと、『うー、仕方ありませんね……』と素直に水を飲み始める。
その身体はフラフラしていて、これでもか、というくらいに酔っていた。
まぁ、それも当然か。
リアは身体が小さいんだから、一杯でも十分飲みすぎなんだろうし。
でも、リアもこんな調子だし、セディも酒が苦手となると、今後も寂しい酒盛りになりそうだな。

カッペやラマダがいたら少しは違ってたんだろうけど。
カッペは……豪快に飲みそうなイメージあるよな。
いやいや、意表をついて、一杯で真っ赤になってつぶれるってパターンも有り得るか?
ラマダは静かにワインとか飲んでる姿が似合いそうだ。
五人で飲んでいる光景を思い浮かべて思わず笑顔がこぼれる。
さっきはカッペがいると疲れるかも、って考えたけど……騒がしそうだが、すごく楽しそうだ。

「どうかした? 楽しそうだけど」

「あはは、いやさ……」

俺は笑いながらさっき想像していた光景を話す。
セディは俺の話をニコニコと微笑みながら聞いていたが、ラマダの名前を聞いた瞬間、僅かにだが顔に緊張が走ったのがわかった。
すぐに元の笑顔に戻ったが、一度気になった違和感はそう簡単に消えるものではなく、さっきとまるで変わりのない笑顔のはずなのに、どこか無理をしているのではないか、と邪推してしまう。

ラマダ……か。
今思えば、セディはラマダに対して、何回かこんな態度を取ってたような気がする。
最初に会ったときも、森でも、門の前でも。
こうして考えてみれば思い当たるふしはいくつかあった。
……やっぱり、さっきのアレが関係してるんだろうな。







実は、食事に行こうと宿を出ると、広場で異様な光景に出くわしたのだった。

『世界は闇に覆われようとしているっ!!』

宿を出た直後、俺は突然大音量で響く声に驚き、その声の方へと顔を向けた。
そこには台の上に緑のローブを着た男が立っていて、そしてその周囲には黒のローブを着た者達が数人跪いていた。

『闇に怯えし子羊達よ! 光を求め、教団を信じよっ! 大教祖の御名を唱えよっ!! さすれば神に愛され、光の国へとたどり着けよう!!!』

緑のローブの男が声を高らかに上げると、周りの黒のローブの者達がそれに感極まったようにどよめきをあげる。
中には涙まで流している者もいるようだ。

「……なんですか、あれ」

リアが気味悪そうに身を震わせながらセディに尋ねる。
声には出さなかったが、俺もリアと同じ気持ちだった。
なんなんだ、あれ……。
なんか気持ち悪い……。

「あれは………『光の教団』だよ。……あれにはあまり係わり合いにならない方がいい」

セディは言葉少なにそれだけ告げると、後ろも振り返らずに歩いて行ってしまう。
俺とリアはその様子に困惑しながらも、ついていくことしかできなかった。



……その後、店に着くまでの間にポツリポツリと呟いたセディの話によると、『光の教団』とは、この世界で一番信仰されている、『聖ルビス教』に次ぐ大きな宗教団体との事だった。
その存在自体はかなり昔からあったものらしいが、ここ二十年で活動がかなり活発になってきたらしい。
一般信者は黒、下位の幹部は緑というように、ローブの色で教団内の地位が一目でわかるようになっており、先ほどのアレは布教の一環で、パフォーマンスのようなものだったようだ。
教えてもらったのはこれだけで、その教義や活動についてはあまり詳しく聞かなかった。
あまり興味はなかったし、セディ自身もあまり話したそうではなかったから。
ただ一つだけ気になったのは。
あの黒のローブ。
俺の見間違いでなければ、アレはラマダが着ていたものと同じだった気がする。
という事は、つまり、ラマダは光の教団の信者と言う事で……。
さっき気づいたように、セディがラマダに反応していたのが確かならば、ラマダ自身に対してと言うよりも、光の教団に対して、と考えた方が当たっていそうだ。
ラマダと会ったのは昨日が初めてと言ってたし。



……そこまで考えて、俺は頭を振った。
これ以上はやめよう。
こんな風に詮索するのは正直あまり好きじゃない。
これ以上考えたからと言って、答えが出るはずもないんだ。
それに、セディが話してもいい、と判断したならば、そのうち教えてくれるだろう。
その時にこそ、自分の全力でセディの力になってやればいい。
それまではこういう事があった、という程度に留めておけばいいだろう。
……とはいえ、今の俺じゃまだまだ力不足だということはわかってる。
セディに頼られるくらいに、さっさと強くならないと……っ!







「ユート?」

「……ん。あぁ、悪い、ぼーっとしてた」

話しかけられて、意識が浮上する。
もしかしたら大分長い事考えていたのかもしれない。
周りはまだまだ騒がしいが、覚えている限りでは顔ぶれが大分変わっている。
あんな風に考え事に没頭するなんて、俺も酔ってるのかね。

「ううん、ユートも大分酔ってるみたいだしね。そろそろ帰ろうか。……リアもこんなだし」

苦笑するセディに習ってリアを見ると、机の上のバスケットの中で、身体中を真っ赤に染めたリアが丸まって眠っていた。
リアが入る前はパンが三つ入っていたらしく、二つはテーブルに転がり、一つはリアの枕になっていた。
……なんか元の世界でこんなの見たことあるな。
あっちは土鍋で、妖精じゃなくて猫が丸まって入っていたんだけども。







宿に戻ってきた今も、リアは相変わらず腕の中のバスケットで眠スヤスヤと眠っている。
このバスケット、あまりにもリアにハマっていたので、お店に頼んで売ってもらったのだ。
実は内心断られると思ったのだが、寝ているリアの様子を見た店の店長の鶴の一声であっけなく売ってもらうことが出来た。
しかも定価の半額以下で。
その代わりにまた来店する事を約束させられたが、あの店は美味しいし、値段も手頃だったので、渡りに船といったところだろう。

バスケットを揺らして起こしてしまわないようにそっと部屋のドアを開ける。
開け放たれた部屋の中には光源がなく、窓も閉まっていて僅かな明かりすら入ってこないため足元すら覚束ない。
その、まるで飲み込まれそうな暗闇に、中に入るのを躊躇してしまう。

「セディ、悪い、ちょっと明かり頼めるか?」

両腕が塞がっていたので、セディに先に入ってもらい、明かりを灯してもらうことにした。
セディが部屋に入り少しすると温かい蝋燭の光が部屋を柔らかく照らす。

「それじゃ、また明日。おやすみ」

「おー、サンキューな! おやすみー」

俺は小声で礼を言うと、部屋に入り、ドアに鍵をかける。
バスケットをベッドにそっと置き、周りをゆっくりと見渡す。
ここがこれから一週間(場合によればそれ以上かもしれないが)お世話になる部屋なわけだ。
リアも気に入ってたみたいだけど、いい部屋だよな。
ベッドの他には、古い机が一台あるだけ。
自由に動ける空間はそれほどなく、他の宿に比べると部屋自体は狭いらしいが、元の世界での自分の部屋よりも広いし、十分すぎるだろう。
何より、風呂が部屋についてるってのはそんな欠点を補って余りある長所だし。





「………97っ……98っ! ……99、………100っと!」

寝る前に腕立てでもしてみようと思い立ち、床のスペースでやってみると、思いのほか続ける事ができた。
大学に入ってからは、遊び程度にしかスポーツをしておらず、まともに身体を鍛えていなかったというのに。
最後に腕立てやった時は30回がいい所だったはずだけど……もしかして、これがルビスにもらった体力のボーナスのおかげなのだろうか?
もしもそうなのだとしたら、証の祝福って、やっぱかなりすごいのかもしれない。

証をぼーっと眺めていると、腕立てでかいた汗が大分引いてきた。
当然と言えば当然だが、『ちから』が増えているという事はなかった。
さすがにちょっと腕立てしたからって上がるほど甘い物じゃないらしい。
でも、毎日続けていけば、銅の剣を振れるようになるかもしれないし。
もうちょいがんばってみよう。

着替えてさっさと寝るとするか。
一息ついて考える。
蝋燭もタダじゃない。
最初の一本はサービスらしいが、新しい物を頼む時は買わなければならないらしい。
まぁ、そう高いものでもないみたいだが、借金を持つ身としては節約するに越した事は無い。

汗をかいたので、置いておいた荷物の中から着替えを取り出す。
実は、東通りから宿に来るまでの間に、服を購入しておいたのだ。
最初は防具屋でみかけた布の服(30G)や旅人の服(70G)を買わなくてはならないかと思って、その値段に青くなってたのだが、普段着は南通りでもっと安い値段で売っていたので助かった。
防具屋で売っている布の服や旅人の服には、特別な処理が施されていて、そのせいで値段が高くなっているんだとか。
普通に着るだけなら当然そんな物は必要ない。
安物のシャツを、一着ではあるが、なんとか手持ちにあったルビィだけで購入する事ができたのだった。
着心地は……さすがに元々着ていた服には適わないが、そうそう悪い物でもなかった。
慣れれば気にならなくなるだろう程度の違和感しかない。
何より、汚れていた服を着替えることが出来たのは嬉しかった。
正直汗の臭いも少し気になってたし。

元々着ていたシャツを水で荒い、風呂場に干してから戻ると、リアのバスケットが目に入る。

「そういや、約束だったな……」

起こさないようにそっとリアをバスケットからベッドに横たえ、バスケットにジャケットと枕を敷いて寝床を整えてやる。
同じ様に細心の注意を払って寝床に寝かせてやると、寝ぼけた様子でジャケットに包まっていく。
その表情は幸せそうに緩んでいて、見ているこっちも嬉しくなる。
が……ジャケット、皺になったりしないだろうか。
少し心配だ……。





机に場所を移ってもらい、自分の寝床を整え、蝋燭を消そうと顔を近づけ ―― たところで、突然身体が固まって動かなくなった。
さっさと火を吹き消して寝ようと息を吸い込むが、なぜか吐き出す事ができない。

「……ん?」

自分でもわけがわからず、間抜けな疑問の声をあげるが、身体はようとして思い通りに動いてくれない。
……なんでだ?
ただ火を消して、眠るだけだってのに。
ただ……、ただ、明かりを消して、暗い暗闇の中で……。
閉ざされた部屋の中で……ひと…り、取り残……されて……?

「えっと……あ、あれ……? お、おかしい…な」

頬に違和感を感じて顔に手をやる。
しかし、その手は震えており、手を這わせた部分から肌をも震わせていた。
いや、手からの震えだけじゃない。
頬自体も震えていた。
歯の根が噛み合わず、ガチガチと耳障りな音が聞こえる。
うるさいな、この音を止めてくれ。
……誰か、この震えを止めてくれ。

「な、なんで……震えが、止まら…ないんだよ……? こ、ここは、…………じゃ、ない…ってのに。…なんでも……ない、っての…に」

そう、なんでもない。
なんでもないはずなんだ。
ただ部屋を暗くして、寝るだけだろ?
ここは“あそこ”じゃない。
アノ暗い部屋じゃない。
暗闇から見つめるモンスターの昏い瞳なんてないし、朽ち果てた人間の骨なんかも落ちていない。
出口だってすぐそこにあるし、出られない部屋なんかじゃない。
大丈夫だ。

“――― 眠ったって死にはしない”

なのに。
なのに、なんで歯の音は鳴り止まない。
なんで震えが止まらない。
明かりは目の前なのに、どうしてこんなにも暗いんだ。
なんで、俺はこんなに怖いんだ。

……怖い。

そう、怖いんだ。
俺は怖い。
暗闇が怖い、明かりが無いのが怖い、独りが怖い、死体が怖い、あんな風になるのが怖い、モンスターが怖い、暗闇から見つめる昏い瞳が怖い、怖いこわいこわいコワイコワイコワイコワイコワイ ―――

「ユートッ!!」

突然暗闇を切り裂くような鋭い声が聞こえ、視界に明かりがともる。
俺は悪い悪夢から目が覚めたような感覚で振り返る。

「………その…お饅頭……とっちゃ…だめ……で………」

「…………は?」

そこにはムニャムニャと寝言を言うリアの姿があった。

「く………くく…っ」

眠りについたまま猫のように顔を洗う寝相を見てると、腹の底から笑いがこみ上げてくる。
一頻り、声をあげずに笑いをかみ締めた後、俺は一人ごちる。

「そうだよな、ここは“あそこ”じゃないってものそうだけど……、何よりここにはお前がいたんだよな」

独りじゃなかった。
そう心の内で呟くだけで、身体に活力が沸いてくる。
俺はそっと机に近寄り、バスケットを手に持つ。

「悪い……もうちょっとだけ近くで眠ってくれな」

俺はバスケットの取っ手をしっかり手に握り締めると、蝋燭の火を吹き消す。
さっきの事がまるで嘘のように呆気なく蝋燭の火は消えた。












~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~



――― 証に書かれている言語について(とある聖ルビス教研究者のばあい) ―――


証に使われている文字について……でしたね。
証において、現在確認されている画面は三つ。
その全てにおいて文字と思われる物が書かれています。
順番に考えていきましょう。


・『浄化及びゴールド収納』の画面

この画面に書かれている文字は『G』と『EXP』の二つのみ。
これは疑いようもなく、『G』とはゴールド、『EXP』とは経験値、あるいはそれに類するものを表していると考えられます。
なぜならば、『G』については、ゴールドを収納すればその横の数字が収納した分だけ増え、そして浄化を行えば『EXP』の横の数字が増えるという事が確認されるているからです。
また『EXP』に関しては、この数字がある程度増えるタイミングで『レベル』(『レベル』に関しては後述する項目を参照)が上がることが確認されており、この数値が経験値やそれに類する物を示していることは疑いようも無いでしょう。


・『不思議な地図』の画面

ここで書かれている文字については、実はまだよくわかっておりません。
いえ、もちろん、ここに書かれているものがただの『記号』なんていう馬鹿げたものではなく、何らかの意味を持った美しい『文字』であるという事は疑いようのないものなのですが。
この画面には、文字の他に、城や街、塔や洞窟などの建物を示しているであろうマークや紋章を確認する事ができます。
そのマークの横に文字が書かれていることから、この文字はそのマークの名称を表しているのではないか、と考える事ができるのです。


・『初期』の画面

証を授けられた際、一番初めに目にする事になる画面です。
ここに書かれている物が『記号』に見えるなんて、節穴とか言いようがありま……ゴホン、失敬。
この画面の左半分には、いくつか我々の用いている文字が書かれています。
この事からも他に書かれている物が意味を持つ文字だとわかりそうなものですが……全く。
我々の用いている文字で書かれているのは、一番左上に、その証の持ち主の名前。
そして、その二つ下に、その持ち主のついている職業が書かれることになります。

まず、名前について。
この名前は、証を授けられる際に、司祭様へと告げた名前が描かれることになります。
ここで告げる名前は、必ずしも本名である必要はありません。
例えば、家名を言わずに名前だけだったり、渾名であったりでも大丈夫です。
しかし、あからさまな偽名では証を貰う事ができません。
この辺りの詳しい条件は未だ明らかにはなっていませんが……まぁ、普通に使う際には考える必要の無い事でしょう。

そして、次に職業について。
証を受け取ったばかりの駆け出しの冒険者には当然職業についておりません。
その代わりなのかはわかりませんが、職業についていない者の証の職業の欄には、平均して二文字から四文字程度の文字が書かれる事がわかっています。
一文字の人や、五文字以上の人もいますが、これは極稀で、あまりお目にかかることはありません。
ちなみに現在確認されている最多量は、八文字となっています。
これが何を意味するのかはわかりませんが……恐らく、ルビス様には何か深いお考えがお有りになるのでしょう。

他にわかっている物としては、『レベル』『HP』『MP』の三つが上げられます。
『レベル』と書かれている文字、これは恐らくその者の力量 ―― レベルを表していると思われます。
『HP』、これはその者の体力を、そして『MP』はその者の精神力、あるいは魔力を表していると考えられます。


・最後に

残念ながら『初期』の画面の右半分については何もわかっておりませんので、現時点でわかっている物は以上となります。
ですが、左半分の例からわかるように、右半分も何か意味のある文字だという事はお分かりになっていただけたと思います。
まだまだ何かと秘密の多い、『冒険者の証』。
私たち、聖ルビス教を研究するものにとって、ルビス様の祝福を体現するこの証を解明する事は、研究者としての義務だと考えております。
まずはルビス様が独自にお使いになられている文字を、なんとか読み明かしていくことからはじめましょう。
そのためには、多くの方の情報が必要です。
どんなに些細な事でも構いません。
気づいた事があれば、ぜひ私たちにまでご一報よろしくお願いします。


発言者 ジャミド・ホレカ


――― 『文字』VS『記号』~徹底討論 真実はどっちだ!?~ より抜粋



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――― 証に書かれている言語について(とある言語学研究者のばあい) ―――


証に使われている文字について?
ふんっ、どいつもこいつもただの記号に意味を求めおって!
いいか、証に書かれているものはただの記号。
そこに意味を求めても得るものは何もないのだ。
その事について、話をしてやろう。


・『浄化及びゴールド収納』の画面

この画面に書かれている二つの記号。
『G』と『EXP』。
確かに、これが表しているものはどこかの狂信者が言う物で間違いないだろう。
それは認めよう。
しかし、これが文字であるとは断固として認めん!
……理由?
くくく、そう慌てるな、次を見てみようではないか。


・『不思議な地図』の画面

………。
……なに、コメントはないか、だと?
ふんっ、語ることなど特には無いわ。
さっさと次へ行くぞ。


・『初期』の画面

節穴だと?
どの口がほざく。
……まぁ、よい。
ん、意味だと?
名前と職業に関しては言う事は無いな。
当然だ、これこそが『文字』なのだからな。
他の記号に関しての意味も、そこの狂信者の言うもので概ね間違いは無いだろう。


・最後に

そこのお前っ! ……そう、お前だ。
今まで三つの画面を見てきたわけだがそれぞれの記号を見比べて、何か気づく事はないか?
……ふんっ、役に立たんやつめ。
おい、そっちのお前はどうだ。
……それでも司会者か、全く。

いいか、この三つの画面に書かれている物、どれもこれも全く似ていないとは思わないか?
まず、『浄化及びゴールド収納』の画面に書かれている『G』『EXP』の記号。
次に、『不思議な地図』の画面に書かれている記号。         (ここには筆記体の英文字を崩してデザイン化された文字が使用されていますbyノンオイル)
そして最後に、『初期』の画面の『レベル』や『ちから』の文字。
どうだ、どの文字も一目で全く違う系統の物だとわかるだろう?

あの狂信者は、これらが全てルビス様独自の文字だと言っているが、そんなことはありえんのだ。
文字とは伝える者と受け取る者がいて初めて成立する。
もし、この三画面全てに同じ系統の記号が使われていたならば私もこれを文字と考えることができたかもしれないが、このように全く違う系統のものを三種も使っている以上、それは無理だ。
……いや、『初期』の画面でも、見ようによっては三種類使っているとも考えられる。
『浄化及びゴールドの収納』、『不思議な地図』、そして、『初期』の三種類で、合計で五種類。
五種類もの文字を使って、ルビス様は一体誰に何を伝えるというのだ?

それに、言語学的にも、この記号を文字と考える事はできん。
我々の使っている文字や、古代に使われていた文字、そして精霊や妖精の用いる文字。
私はその全てにある程度精通しているが、これらの文字は見た目はかなり違えど、どこかしらの共通点を読み取る事ができる。
どれも根の部分は同じなのだ。
しかし、ここで使われている五種類の言語には、その共通点が全く見られない。
『初期』の画面に書かれている三種類は、それぞれにわずかに類似点が見られるが……他の物は似ても似つかん。
そうである以上、もしも万が一、この証に書いてある記号が文字だといいたいのならば、それは我々の扱う文字と全く成り立ちの違う……そうだな、くくくっ、異世界の文字とでも言うしかないだろう。
わはは、そんなことは有り得んがな。

何度でも言おう。
証に書いてあるものは全て記号で、文字などでは決して無い。
狂信者よ、あまり文字文字と連呼しておると、自分の低脳さをさらけ出す事になりかねんぞ。
わははははっ。


発言者 ガドクィ・イーィヤ


――― 『文字』VS『記号』~徹底討論 真実はどっちだ!?~ より抜粋



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