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No.13837の一覧
[0] DQD ~ドラゴンクエストダンジョン~ (現実→オリジナルDQ世界)[ryu@ma](2010/10/02 23:31)
[1] DQD   1話[ryu@ma](2009/11/10 23:28)
[2] DQD   2話[ryu@ma](2009/11/10 23:42)
[3] DQD   3話[ryu@ma](2009/11/11 23:03)
[4] DQD   4話[ryu@ma](2009/11/12 22:35)
[5] DQD   5話[ryu@ma](2009/11/14 00:01)
[6] DQD   6話[ryu@ma](2009/11/14 22:32)
[7] DQD   7話[ryu@ma](2009/11/15 23:14)
[8] DQD   8話[ryu@ma](2010/01/03 22:37)
[9] DQD   9話[ryu@ma](2010/01/03 22:37)
[10] DQD   10話[ryu@ma](2010/01/03 22:38)
[11] DQD   11話[ryu@ma](2010/01/03 22:38)
[12] DQD   12話[ryu@ma](2010/10/07 22:18)
[13] DQD   13話[ryu@ma](2010/10/07 22:19)
[14] DQD   14話[ryu@ma](2010/10/07 22:21)
[15] DQD   15話[ryu@ma](2010/10/07 22:22)
[16] DQD   16話[ryu@ma](2010/10/07 22:24)
[17] DQD   17話[ryu@ma](2010/01/31 22:16)
[18] DQD   18話[ryu@ma](2010/01/31 22:08)
[19] DQD   19話[ryu@ma](2010/02/07 22:28)
[20] DQD   20話[ryu@ma](2010/02/14 21:42)
[21] DQD   21話[ryu@ma](2010/02/28 23:54)
[22] DQD   22話[ryu@ma](2010/03/28 23:23)
[23] DQD   23話[ryu@ma](2010/03/28 23:23)
[24] DQD   24話[ryu@ma](2010/03/28 23:24)
[25] DQD   25話[ryu@ma](2010/03/28 23:35)
[26] DQD   26話[ryu@ma](2010/05/10 23:13)
[27] DQD   27話[ryu@ma](2010/04/14 23:31)
[28] DQD   27.5話[ryu@ma](2010/05/10 22:56)
[29] DQD   28話[ryu@ma](2010/05/10 23:18)
[30] DQD   29話[ryu@ma](2010/05/28 22:28)
[31] DQD   30話[ryu@ma](2010/06/13 00:30)
[32] DQD   31話[ryu@ma](2010/07/06 22:16)
[33] DQD   32話[ryu@ma](2010/09/03 20:36)
[34] DQD   33話[ryu@ma](2010/10/02 23:14)
[35] DQD   34話[ryu@ma](2010/10/02 23:11)
[36] DQD   35話[ryu@ma](2010/10/02 23:21)
[37] DQD   35.5話[ryu@ma](2010/10/07 22:12)
[38] DQD   36話[ryu@ma](2010/11/21 00:45)
[39] DQD   37話[ryu@ma](2010/12/07 23:00)
[40] DQD   38話[ryu@ma](2010/12/30 22:26)
[41] DQD   39話[ryu@ma](2011/01/26 23:03)
[42] DQD   40話[ryu@ma](2011/02/09 22:18)
[43] DQD   41話[ryu@ma](2011/03/02 22:31)
[44] DQD   42話[ryu@ma](2011/05/15 22:07)
[45] DQD   43話[ryu@ma](2011/09/25 22:54)
[46] DQD   44話[ryu@ma](2011/12/30 21:36)
[47] DQD   45話[ryu@ma](2012/05/04 21:57)
[48] DQD   46話[ryu@ma](2012/05/04 21:50)
[49] DQD   47話[ryu@ma](2013/03/22 23:00)
[50] DQD   47.5話[ryu@ma](2013/03/22 22:57)
[51] DQD   48話[ryu@ma](2013/10/11 22:33)
[52] DQD   設定[ryu@ma](2010/10/07 22:13)
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[13837] DQD   46話
Name: ryu@ma◆6f6c290b ID:a11fdd2d 前を表示する / 次を表示する
Date: 2012/05/04 21:50
DQD   46話

オオオオオオオオオオオオッ!!!!

歓声に包まれた闘技場の中央には4人の男たちがいた。二回戦を勝ち抜き準決勝に勝ち進んだ男たちだった。

「皆様、本日はここまでとなります。どうもありがとうございました。明日も引き続きトーナメントは行なわれますので、皆様のお越しをお待ちしております。それでは最後に明日の準決勝に勝ち残った4名を再びご紹介します。ピサロ、トール、テリー、ハッサン。明日も彼ら4名の健闘をお楽しみください。それではまた明日お会いしましょう」

司会者が深々と頭を下げて一礼をすると、又歓声が大きくなった。



多くの観客の中でレイルズもまた自然と吼える様に声を上げていた。
ある意味興奮状態でもあった。
自分と多少の縁がある者が4人の中の一人として勝ち残っている事と、その応援がてらに来た闘技場で買った賭け券が見事に当たり、持ち金を何倍にも増やしていたためだった。

レイルズは4人の中でトールと浅からぬ縁があった。というのもトールはこの世界で始めて会った人物こそがレイルズだった。だがトール自身はその事を覚えていない。この世界に来た時、トールは何も分からぬまま街の外で気絶していたからだ。
そのトールを見つけルイーダの酒場に連れて行ったのが、警備で街の周囲を巡回していたレイルズだった。

街の外で初めてトールを見たレイルズがはじめに思った事は、『また貴族のボンボンが無理してきたのか』だった。
トールの見慣れぬ衣服や傷のない綺麗な手は、少なくともこの世界の平民とは思えないものだったため、そう思うのは仕方のない事だった。

そしてこの時にしたレイルズの判断は、後のトールにとって重大な分岐点であった。
即ちトールをどうするか、だ。
警備兵である以上見捨てるという事はしないが、警備兵が身元不明者を発見した時の対応は主に三つだ。
警備の詰め所に連れて行く、教会に連れて行く、ルイーダの酒場に連れて行く、だ。
その場からの距離は近くから詰め所、教会、ルイーダの酒場で順になる。普段なら詰め所に連れて行くのが普通なのだが、この時は事情があった。

そもそもレイルズは普段は街の外の警備兵ではなく、この時は人手不足のための臨時の手伝いだった。
そのため詰め所には人が少なく、このまま連れて行っても面倒が見られるのか分からない状態だった。気絶している者を一人で放っておくわけにもいかない。
そうなれば次に近い教会に連れて行くのが普通なのだが、この時レイルズは何故かトールをルイーダの酒場にまで連れて行った。
本人にも何故そうしたのかが良く分からなかった。

ただこの判断はトールにとっては吉となった。
はっきり言えばトールの『渡り人』という事情を分かってくれる人は、極少ない限られた人物しかいないという事だ。
詰め所にいる警備兵では無理。教会でも上層部の者中には分かる者もいるだろうが、行き倒れが会うような教会関係者で知っている者はまずいないだろう。
トールの話を聞いても頭が狂ったのかと思われるのが関の山だ。

その点、『渡り人』の事情を分かっていたルイーダに会えたのは、トールにとって幸運としか言いようがない。
レイルズはトールにとって恩人とも言える存在だが、この世界に来た混乱、そしてその日の内に有り金を奪われるなどの経験が、自分をルイーダの酒場まで連れてきてくれた人の存在をすっかり頭から消え去せる事になった。
レイルズにしても仕事の一環と割り切っていたため気にする事もなかった。



レイルズの普段の仕事は街の中での衛兵、そして迷宮への門の番兵だった。
街の衛兵の大多数は元冒険者だ。レイルズもその一人であり、かっては冒険者として迷宮を探索していた。
冒険者を名乗るのは誰でも出来るが、迷宮の冒険者は誰にでも名乗れるわけではない。条件として街での冒険者カードの登録もある。
そして迷宮の冒険者となっても続けていくための条件があった。
この条件は冒険者に提示されない。ある時期までにその条件を満たさないと迷宮への権利を剥奪されるのだ。

その条件とは始めて迷宮に入った時から4年以内に第三層、つまり11階までたどり着く事だ。
それは多くの冒険者にとって壁となる存在、ゴーレムとドラゴンを倒す事でもあった。
迷宮はモンスターもいるが、それ以上にゴールドや様々なアイテムも存在する宝物庫のようなものだ。ただ日々を暮らすだけなら第一層のモンスターを相手にできるレベルさえあればそれで十分だった。
そしてそれは『自動レベルアップ』のスキルがなくても普通に上げる事の出来るレベルだった。

人間、楽な道があればそちらを選ぶ方が多いだろう。危険を冒さずに金銭が得られるのなら、更に迷宮を潜り危険な目に会おうとは思わないだろう。
だが迷宮を管理する教会としては、それでは困る。
迷宮の奥深くを探索し、モンスターを倒し邪神の力を殺ぎ、『天空の塔』を目指してもらうことこそが、冒険者を迷宮に招きいれる目的なのだ。
これに関しては迷宮の冒険者になるときの誓いにもある。この誓いも守る気もない者、またはあっても力の足りない者には教会としては用がない。
それらを選別する意味で授けられた条件でもあった。

レイルズはこの条件を満たす事が出来なかった。結果迷宮に入る事は出来なくなった。
再度迷宮に入れる方法がないわけではないが、それには大量のゴールドが必要であり、第二層までで燻っていた者には払う事が困難な金額でもあった。
その後、多くの者は冒険者を辞めたり、護衛などを主とする旅の冒険者になったりするのだが、街の衛兵として雇われたレイルズは、第三層に行けなかったとしてもそれなりの腕前である事が認められた証でもあり、運が良かったとも言えるだろう。
そして主に門の番兵としてこの街で生きていくことになった。
才能がないのは分かっていたが、悔しいという思いがないわけでもなかった。だがしょうがないという達観にも似た思いもあった。

門番になってから何百人、何千人もの冒険者が迷宮へ挑むのを見続けてきた。
トールもその中の一人だった。門で始めて見た時、自分が助けた相手であると直ぐに分かった。
貴族のボンボンだと思っていた相手が、ただの『ひのきのぼう』と『ぬのの服』だけで迷宮に来た時は驚いた。何か訳ありかとも思ったが、そもそもそんな冒険者は珍しくもなかった
それよりその後のほうが驚かせられる事は多かった。

週に5,6日は迷宮探索を行なうというハイペース。始めは無知な初心者の無謀な行為だと思っていた。
始めのうちはレベルもさくさく上がるため、頻繁に迷宮に行くのは初心者にはよくあることだった。その後に多少痛い目に会ってペースを落とす事になるのだ。もっともこの多少の痛みが多少で終わらず、もう冒険が出来なくなってしまう者もいる。
レイルズにしてみればトールもいずれそうなるだろうと思っていた。だが忠告はしない。そのことに気がつくかどうかも冒険者としての資質を測るための一つだからだ。

だがトールはペースを落とすことなく、第一層を何なく通過して行った。
迷宮に来ない期間もあったが、その間でさえ修練に時間を割いていたという。
レイルズにしてみると自分とはものが違うと思うしかなかった。

だがある日、そんなトールが片目、片手をなくし、血まみれのボロボロで迷宮から出てきた。
地上に出てすぐに倒れこんだトールを発見したのは、その日たまたま番兵をしていたレイルズだった。すぐさま教会に連れて行ったが、はっきり言えばもう駄目じゃないのかとも思っていた。
だが何とか回復に成功し、そして二週間もしないうちにまた迷宮探索を始めた。
そしてあっけなく第二層を通過して、レイルズがたどり着けなかった第三層へ進んでいった。

この時期になると始めはあった悔しさといった感情がなくなっていた。
自分だって『自動レベルアップ』があればと思うことは多々あったが、それでも自分がトールほど頑張ったかといえば首を横に振るしかない。
トールなら例え『自動レベルアップ』がなくとも、スキルでどうにかしたのではないかとも思えた。こういう者が英雄といわれる存在になっていくのではないか、レイルズにはそう思えた。
この頃からレイルズはトールのファンと言ってもいい存在になったのだった。

明日の又トーナメントがある。
当然応援に来るつもりだ。優勝者の賭けにはもちろんトールにかけてあるのだ。各試合でも十分に稼がせてもらえた。
今日は少し贅沢してから帰ろう。レイルズは止まぬ歓声の中でそんなことを思った。


****


トーナメントの一日目は恙なく終わった。とはいっても勝ち残った上位4名は明日の続きがある。そのためこのまま各自解散ではなく、トルネコ商会の屋敷へと連れて行かれ各自部屋に案内された。
明日までこの部屋で過ごしてほしいとのことだった。もちろん外に出ることはできない。今もトーナメントの最中である事には違いがないのだ。
トーナメントが終わるまで帰れないというのは、ここでも適応されていた。
食事は『トルネコ商会』のほうが各部屋に用意をしてくれた。流石に豪華な料理だった。
後、『よろしければ女性の方も用意しますが』と言われたときには、一瞬何のことか分からなかったが、直ぐに何を言っているかを悟りその場で断りをいれた。

『トルネコ商会』が用意するというのだから、やばい女ではないのはトールも分かる。後腐れもないのだろう。トールとて興味がないわけではない。
いや、関係を持つのなら、トールさえ望んで行動すれば、受け入れてくれるだろう女性が側にいることにトール自身気づいている。
ただそれをすると、自分がこの世界に骨をうずめる決心をしてしまいそうで決断できなかった。

それにあまりにも不自然に感じたという事もあった。未だに『トルネコ商会』から発表はないが、このトーナメントの賞品に一つにはルドマンの娘、つまりフローラかデボラとの婚姻がある。
他の3人は知らないかもしれないが、トールはその事を知っている。それなのに将来娘の婿になるかもしれない者に態々他の女を抱かせる必要があるのかという事だ。それとも婚姻の話自体がなくなったか、元からなかったという事だろうか。この辺りの事はトールでは知りようがなかった。

ただ『女性を用意する』ということに関しては、トールが元の世界の常識にとらわれている性もあると思っている。
そもそもこの世界では一夫多妻、又は多夫一妻を禁じていない。本人たちが了承しているならそれでいいのだ.
事実ルドマンには二人の妻がいる。
財力、権力、暴力等の力を持つ者は多くを手に入れて当然だという風潮があった。
つまり強い男という事はそれだけで価値があることだ。
女の一人や二人抱いたとしても大して問題ないのかもしれない。
あるいは将来の娘たちのために性癖などを調べようのかもしれないと思えた。
まあ、明日の事を考えれば、無駄な体力や神経を使うべきじゃない。トールの判断自体は間違っているとは思わなかった。



明日の戦いは後二回。誰と当たっても楽が出来るとは思わなかった。
最後に闘技場顔を合わせた三人の名を思い浮かべる。
ハッサン、テリー、ピサロ。

ハッサン、トールにとっては恩人であり、友人であり、兄のような存在でもある。
ハッサンはパーティーで行動しており、迷宮探索はするが、クエストで街の外に行く事も多いため、実際どの程度の腕前なのかは知らなかった。
分かる事といえば、アリーナとおなじ武神流の使い手だという事だ。つまり闘気法も使いこなすだろう。武術自体の腕前もアリーナより数段上と思っていい。とにかく油断は出来ないだろう。

テリー、言わずと知れた引換券。姿格好からしても間違いないだろう。
以前ミレーユから世界を旅している弟がいる事は聞いていた。腕前までは分からないがゲームでの知識やここまで勝ち進んできた事を考えるとかなりのレベルはあるだろう。

後はピサロ、名前からDQⅣのピサロかと思っていたがどうやら違うようだ。
見た目は普通の人間、取り立てて美男子というわけでもない。魔族としての特徴である尖った耳もなくと青銅色の肌でもない。どういう人間なのか最も分からないといっていいだろう。

結局のところどの相手でも楽な戦いは出来ないだろう。
明日でこの長かった競技会も終わる。全力で勝ちを掴もう。トールは改めて決意を固めた。


****


準決勝の第一試合、トールの試合である。
通路奥からでも闘技場の歓声が聞こえる。闘技場に行くまではっきりとした相手が誰かまでは分からないが、少なくとも昨日あった3人の誰かだという事が分かっているだけ、昨日よりは落ち着いている事が出来た。
闘技場の門をくぐり中に入る。対戦相手も凡そ同時に入ってきた。

「それではこれより準決勝、第一試合を始めます。西門よりはトール、そして東門よりはハッサン」

トールの相手はハッサンだった。武闘着を着て、手には棍を持っていた。

対戦相手については驚くような事はない。
少なくとも昨日の内に戦う覚悟はしておいた。それはハッサンの方も同じのようだ。いつものような気のいい表情はせず、鋭い視線でトールの方を睨みつけていた。
トールもその視線を逸らさず視線をぶつけた。
恩人ではあるが、戦うとなった以上勝ちを譲る気はなかった。

「それでは双方、ともに力を尽くさんことを、ファイト!」

審判がそう言った瞬間、すぐさまハッサンが動いた。

「波動拳!」

突き出した右手からバレーボール大の光球が放たれる。開幕早々の一撃。トールもそれに反応するように剣を振るった。

「海波斬!」

剣から放たれる衝撃波と光球がぶつかり合い相殺される。威力は互角だ。
ハッサンはその間に棍を構えると、地を蹴り一気にトールに迫る。トールもすぐさま剣と盾を構え迎え撃つ。

ババババッ!

棍による一息での4連突き。スキルではない。修練により得た技術だ。
トールは剣と盾でそれを何とか防ぐ。
ハッサンの攻撃の手は緩まない。足払い、横薙ぎ、連撃、振り下ろし、様々な角度から棍が襲い掛かってくる。

上手い、早い。致命傷はないが何度か攻撃を食らっている。
レベル自体はトールの方がもう高いのだろうが、ハッサンの長年鍛え続けてきた武闘家としての腕前がそのレベル差をなくしていた。
それでもトールとて今まで実戦で何度も戦ってきている。確かの他の者よりレベル、スキルは上がりやすいかもしれないが、それでも今まで戦い続けてきたのは伊達ではなかった。
ハッサンの動きにも慣れてくる。盾で防ぎ、剣で逸らしながらも隙をついて斬りつける。もちろんハッサンも防いでくるが、当初の防戦一方ではなくなっていた。

闘技場の中央でトールの剣とハッサンの棍がぶつかり合う。もう何合交えたか分からない。この乱戦の中では呪文は使えない。確実に隙になるからだ。一撃食らう覚悟でもなければ、呪文は使えないだろう。
このままでは決め手にかけると思えた。
だが打ち合っているうちに次第に何となくだが、相手の攻撃が読めるようになってきた。突き、払い、振り上げ、薙ぎ…。ある一定のパターンに似たものがあった。
これは均衡をくずすチャンスだと思えた。
トールはそのパターンを読み、ハッサンが振り上げた瞬間、それを避け合わせるように棍を下から剣で斬り上げ弾いた。

カァーン!

あまりにも剣に感じる衝撃が軽かった。本来すぐさま剣を返し斬り下ろすのだが、身体がわずかだがバランスが崩れ、剣も流れた。
瞬間、背筋に感じる悪寒。
視界の隅で、ハッサンが腰を落とし、腰だめに拳を引きしぼるのが見えた。

『やられた』

トールはハッサンの一連の動きが罠だと気づいた。動きのパターン化もわざとこちらに読ませていたのだ。

「魔破…」

ハッサンの呟きが聞こえる。トールの中で警報が鳴り響く。これをまともに食らうのはまずい。

「正拳突き!」

ハッサンは吼えるともに、弓から放たれた矢のような正拳を放った。

ゴウッッッ!

空気を引き裂く一撃。避けることは不可能。ならば致命傷を避けるしかなかった。

ガツンッ!

ハッサンの一撃にトールが吹き飛ぶ。そして地面に落ちて何度か転がる。決め手の一撃に思えたが、それでもトールは立ち上がる。根性だけで立ち上がれたわけではない。それなりの事をあの一瞬でやったのだ。
やった事は単純。ハッサンの拳と自分の身体の間に、盾をつけている左手を挿しいれた。そして無理やり後方へと自分で飛んだだけだった。

だが無傷ではない。
腕につけていた盾は衝撃で外れてあらぬ方向で転がっている。へし折れた盾がハッサンの突きの凄まじさを表していた。

【盾: 聖騎士のたて(守+25) → なし      しゅび力:185 → 160】

そしてその衝撃にはトール自身も襲われていた。
腕は関節が一つ増え、左わき腹の肋骨は確実に何本かは逝っていた。内臓も多分傷ついているだろう。激痛が襲い呼吸もままならない。気を抜けば今すぐにでも気絶してしまうだろう。
それでもこうして意識を保っていられるのは、一度死にそうな目に会っているからだ。つまり覚悟が出来ているからだ。その時の経験がトールの生に対する意識を強くしていた。

それでも追い討ちをかけられていればそれで終わっていただろう。
だがハッサンは直ぐに動かない。いや、動けないのだろう。トールの『トールブレード』にも当てはまるが、必殺技といえるような技には、溜めや終わった後の硬直がある。修練によって短縮は出来るがなくなる事はない。
ハッサンにとってあの技はまさしく必殺技なのだろう。

その間にトールが何とか先に動いた。

『べホマ』

回復呪文によりトールの身体が癒される。
ハッサンのほうも硬直が解けたのか、棍を拾い上げ再び構えた。悔しそうな表情が伺える。あの一撃で終わらせるつもりだったのだろう。

ここまでの戦いで接近戦ではハッサンの方に分がある事は分かった。いや初めからこの事については分かっていた事だ。それでも心のどこかで何とかなるのではないのかという慢心があったのだろう。
だから馬鹿正直にもハッサン相手に接近戦で戦った。愚かしいにも程がある。

トールは今一度自分の利点を考える。それは剣と魔法であらゆる距離に対応できる事だ。そして接近戦を得意とするハッサンを相手にするにはどういう戦法をとるかは自ずと分かる事だった。

トールは片手を上げると素早く呪文を唱えた。

「ライデイン」

あたり一面に雷が降り注ぐ。
ハッサンはトールの動作に気づき、距離をとって雷を避ける。だがトールの攻撃は止まらない。

「ライデイン」

再び雷が降り注ぐ。そして手は緩めない。

「ライデイン。ライデイン。ライデイン……」

ただひたすらにトールは呪文を唱える。トールの得意呪文である『ライデイン』を。
かってクロコダインと戦った時、トールの命を救ったのもこの『ライデイン』の連撃だった。
呪文もスキルと同じで使えば使うほど慣れていき、一息の内に使えるようになる。迷宮内でレベル上げのためひたすら戦い続けたトールにとって『ライデイン』という呪文は、一息で使えるほど慣れ親しんだものになっていた。

ハッサンは雷を避け、それがかなわない時には棍で引き裂いていた。武神流の『海波斬』のような技なのだろう。
だがトールには近づけないでいた。ダメージを受けるのを覚悟で突っ込んでも、それにあわせる様にトールも距離をとったからだ。この時呪文が中断してしまうのはしょうがない事だろう。
魔法使い相手ならば良い対応なのだろうが、トールは一級の戦士でもあった。

ただトールのほうも『ライデイン』でダメージは与えられても、決定的な一撃にはならなかった。
『ギガデイン』であれば違うのだろうが、今トールでは『ギガデイン』を使うには多少の集中と溜めが必要であり、ハッサンがその隙を見逃すとは思えなかった。
それは他のスキルの技にも言える事だった。そもそも強大な技も呪文も仲間のフォローという前提があって使うものなのだ。でなければ後は修練を繰り返し、隙をなくすしかないのだ。ただトールはその域にまではいっていなかった。

ハッサンに与えたダメージも、ハッサンの回復呪文で癒されてしまう。使う呪文は『ベホイミ』だが、何度も使っているのか隙はなく、一瞬で唱えられて傷は治っていった。

これはイタチゴッコになる。そしてMP、回復薬がなくなった方が不利になる。これはもう一度まともに接近戦をする事も考えるべきだと思った。
もちろん闇雲ではない。勝ちへの道順は考えてある。技術やスキルではなく、純然なステータス勝負の持ち込む。
やり方は単純。攻撃を全て相打ちにする。もちろん先ほどのような必殺技は出させないようにする。その上で純粋な力対力の勝負にする。

やりあった感じではレベルはこちらが上、純粋な攻撃力で比べれば自分が上だとトールは感じた。そして回復手段もトールの『べホマ』に対してハッサンは『ベホイミ』までしか使っていない。いや使えないのだろう。
無理やり泥仕合の持ち込めば勝てるはずだ。もちろん油断はしないことは前提条件だ。

トールは呪文を唱えながらも剣を握る手に力が篭る。

だが突然ハッサンは手の棍を地面に落とした。トールは一瞬何ごとかと思ったが、様子を見ることにする。呪文を唱えていては咄嗟の行動が出来なくなるためだ。とりあえず如何なる事にも防御は出来るようにしておく。一撃で意識を刈り取られなければどうとでもなるからだ。
そんなトールを余所にハッサンは両手を上げた。

「降参だ。負けを認める」

何をするのか警戒したトールの耳にそんなハッサンの大声が聞こえた。

「はあ、なんで?」

トールは呟くように言うしかなかった。

「これにて勝負あり。勝者トール」

大会としてはハッサンの敗北宣言を認めたようだった。トールの呪文の連撃に対応できていないため、仕方ないと思われたのだろう。
トールとしては今一納得できなかったが、勝った以上文句を言うのもおかしなことのため黙っているしかなかった。

闘技場の観客席からは歓声と罵声が飛び交うが、その中をハッサンはやれやれといった表情をしてこちらに近づいてきた。

「何だ。納得行かないって顔だなあ」

「そんなことは……」

とは言うものの拍子抜けのような気持ちなのも事実だった。

「ジリ貧だ。実戦なら一旦撤退して仕切りなおしをするところだよ。でも今回は無理だし、このままやっても勝ち目は少ないな。トールもこのままなら自分が勝てることぐらい分かっていただろう。俺もそれは分かった。どうしても負けられない戦いだって言うなら無理もするが、今回は腕試しの一種だ。距離を取られると駄目な事も改めて確認できたし、今回はここまでで十分だよ。お前がどのぐらい強くなったのかも分かったしな。そりより強くなったなあ」

何処か遠くを見るような目でハッサンは言う。

「まあ決勝頑張れよ」

それだけ言うとハッサンは東門のほうへ返っていった。

トールは準決勝を勝ち進んだ。


*****


控え室で決勝を待つトールの耳に闘技場の方から歓声が聞こえた。もう一つの準決勝が終わったのだろう。つまりトールの対戦相手が決まったのだ。
30分の休憩の後決勝になる。
準決勝で失ったMPは『祈りの指輪』で回復した。これで一つ砕け散ってしまったが、なかなかもったほうだろう。

決勝の相手はピサロとテリーの果たしてどちらか。どちらだとしても油断は出来ない。ここまで来た以上は優勝するつもりだ。
盾については使い物にならなくなっていたため、装備に多少の不安はあるが気にしてもどうしようもない事である事も事実だ。
その内に決勝開始の呼び出しがあり、トールは闘技場に向かった。

「それではこれより決勝戦を始めます。西門よりはトール、そして東門よりはピサロ」

厄介な相手が残ったとトールは思った。
というのもテリーが相手ならある程度の傾向がつかめると思ったからだ。
今までDQのキャラであった人たちはある程度までゲームと似通っていた。例えばハッサンやアリーナは武闘家であったり、ビアンカやフローラが魔法が得意であったり、マーニャが踊り子を、ミネア、ミレーユが占い師をしているなど、DQシリーズを知っていればある程度の事が分かった。
これに当てはめればテリーなら戦士で魔法はあまり得意ではなく、魔法道具を頼るだろう事が想像出来る。もちろんむやみやたらにこのことを信じるわけではないが、心構えが違ってくる。

だがピサロという相手は残念ながら、トールの全く知らない人物だった。
ピサロという名前だけならDQⅣのラスボスになるのだが、目の前の相手は魔族ではなく人間だ。取り立てて美形というわけでもない。
ただ何と言うか嫌な感じがした。しいて言えば勘のようなものだろうか。一筋縄ではいかないと思えた。

そのピサロが手に持つ獲物は槍。槍の穂先には悪魔の顔のような意匠がある。トールには覚えのある特徴的なデザインだ。『デーモンスピア』だろう。確か攻撃時に急所に当たれば一撃死の可能性もある槍だ。
つまり軽々しく攻撃を食らうわけにもいかないと言う事だ。

『厄介な武器を持っているな』

トールとしては頭が痛くなる思いだった。

「競技会、そしてトーナメントもこれで最後となります。それでは双方、ともに力を尽くさんことを、ファイト!」

審判の声と同時にトールは呪文を唱えるが、そのトールの呪文に重なるようにピサロの呪文も唱えていた。

「ライデイン」

「ベギラゴン」

雷と閃光がトールとピサロの中央でぶつかり合い相殺される。
トールは内心驚きはするが止まらない。

「ライデイン」

「ベギラゴン」

再びぶつかり合い、相殺される。
威力はやはり互角。
だが呪文自体の強さを言えば、『ベギラゴン』は『ライデイン』よりも少し上だ。となると魔力自体はトールの方が上なのだろう。だが、上級呪文の『ベギラゴン』で『ライデイン』と同じ速さで唱えられるということはピサロの方が技術では上だと思えた。

このまま離れての呪文の打ち合いではどうにもなりそうもない。
トールはそう思い剣を握る手に力を込めるが、それは相手のピサロも同じだった。
槍を構えると地を蹴ってトールに突っ込んできた。確かに早いが驚くほどではない。

「海波斬」

トールは牽制でピサロに向かって放つが、ピサロは横にステップして避けるとそのまま突っ込んできた。
『疾風突き』の素早い一撃がトールを襲う。
トールは切っ先を剣で弾く様にして避ける。ピサロは続けて『さみだれづき』で連撃をしかけてくる。盾もなくなった現状では完全に防ぎきる事は難しいが、それでも致命傷を受けるような事はなかった。

そして反撃を試みる。本来剣と槍とでは間合いが違うため、普通に振るっては届く事はない。この間合いの差は厄介で、間合いでは槍が勝る。
だが剣は使った時の隙のなさで勝る。
そしてトールは剣で『海波斬』という遠距離攻撃が使えるため、本来の問題である間合いの差は何とかなる。
ただ連続で『海波斬』を使う事は厳しいため、隙を突いて適格な一撃を振るう事が必要だった。

もちろんピサロの方もやすやすと当たってくれるわけではない。避け、防ぎ、又は食らっても耐えたりもした。ただそれはトールの方も同じで致命的な一撃は確実に防いでいるという状態だった。

何度も剣と槍がぶつかり合う。

トールは自分が思ったより落ち着いているのが分かった。
ピサロの槍に対して冷静に対処できている。その理由も何となくだが理解できていた。それはトールがピサロ以上の槍術の使い手を知っており、手合わせした事もあるからだ。
ヒュンケルはその筆頭であり、そのヒュンケルよりも更に使い手であるラーハルトの存在があった。

彼ら、特にラーハルトと比べると、ピサロの腕前は一段落ちる。
それを知っているがゆえに対応が出来た。
ただピサロの槍には不可解な部分もある。時折だが槍の切っ先が不自然に動くように感じた。それもトールの隙をつくようにだ。ピサロがやっているのではなく、まるで槍がひとりでに動いてくるような感じがした。
奇妙でおかしな動き。始めは気のせいかとも思ったが、何度も同じように感じれば疑いも出てくる。
トールは戸惑ったが、その槍の動きに思い当たる事があった。

ピサロの持つ槍がトールの思っている通り『デーモンスピア』だとすれば、その効果である急所を突く時には、槍が自然に切っ先を急所に導いたはずだ。
つまり槍が不自然に動く時は『デーモンスピア』の効果がでている時なのだろう。つまりその攻撃には絶対あたらないようにしなければいけないということだ。

トールとピサロは呪文と剣を交えて戦うが、お互いに決め手がなく一進一退の攻防が続いた。
長丁場になるとトールは思ったが、それより少し気になった事もあった。
ピサロの表情があまりにもおかしいということだ。まるで張り付いた能面のように感じた。いや、表情は確かに変わっているのだが、それがどうにも不自然に感じるのだ。戦っている最中に気にする事ではないのかもしれないが、一度気になるとどうしようもなかった。

後、ピサロの胸元に時折微かに光る光点が見えるようになった。見覚えのある光点、それはモンスター相手に盗めるアイテムがあった時に見えるものだった。つまりピサロから『ぬすむ』が出来るという事だろう。

『何故?』という疑問が浮かぶ。
今までの相手にはこんなことはなかった。後、『ぬすむ』をすることに意味はあるのかという事だ。
『ぬすむ』をするにはある程度相手の隙を突く必要がある。今、『ぬすむ』が出来るなら一撃でも入れた方がいいのではないかとも思えた。
だが心の中の何処か、何か第六感のようなものがピサロのそれを『ぬすめ』と言ってきた。ピサロに感じる不自然さの原因がそれにあるのではないかとも思えた。

悠長に悩む時間があるとは思えない。とにかく『ぬすむ』事に決めた。ピサロの感じる違和感と、自分の第六感。これを信じることにした。
となれば後は行動だ。何か決定的な隙を作らないことには『ぬすむ』は成功しないだろう。だがそれについては当てがあった。だが危険である事は間違いない。

そんな危険を犯す必要があるのかとも思う。
これがただの試合ならここまではしない。だがかかっているものがやばい。
それはフローラの結婚相手だということではなく、もっと先の話。つまりこの世界で経済を支配しているとも言える『トルネコ商会』に目の前の良く分からない男が一員となる。これこそが問題だった。
あるいは考えすぎ、穿ちすぎなのかもしれないが、ピサロという男に対する不信感はトールにとって見逃せないものになっていた。

トールは剣で防ぎながらもピサロの槍に集中する。何度目かの交差の後、槍の切っ先が奇妙に動くのを感じた。
これをトールは待っていた。
不自然なまでの動きで槍は切っ先の方向を変える。狙いはトールの急所。今までは防がれていた切っ先がが、今回はトールの急所を貫いた。

ピシッ。

急所に当たったのがピサロにも分かったのだろう。ピサロの口の端が笑うように僅かにつりあがるのが見えた。
本来ならこれで終わり。だからこそピサロは動きを一瞬止めた。

だがトールはこの時を待っていたのだ。終わったと思い油断するこの一瞬をだ。
この一瞬を得るために、トールは罠を張ったのだ。
トール持ち物の中には『命の石』がある。即死系の攻撃を受けた際に身代わりになってくれるアイテムだ。トールはこの『命の石』を使ってピサロを騙した。『デーモンスピア』の特性を考えた時に直ぐに『命の石』の事は思い当たった。実際に効果もある事は文献で調べたり、人から聞いたりもしていたが、実際に自分の身で試すのは少々度胸がいる事だった。
問題として相手が油断してくれるかどうかだったが、何とかなったようだった

トールは倒れるかのように大きく一歩踏み出すと同時に、ピサロの胸元の光点に手を伸ばした。

『取った』

そう思った瞬間トールは大きく後ろに距離をとる。手の中になるのは奇妙なデザインのペンダントだった。
だがそれよりも目の前の光景の方が気になった。
人間だったはずのピサロの姿が変わっていた。銀の長髪に青銅色の肌、エルフのような長い耳。魔族だ。そしてその顔つきにはトールも覚えがあった。DQⅣのピサロそのものだった。
『ぬすむ』事に意味があると思ったトールの考えに間違いはなかった。

「しまっ…」

変装が解けた事を自分でも気づいたのか、あわてて手が顔を覆おうとする。それは決定的な隙でもあった。

「ギガスラッシュ!」

トールの横薙ぎの剣から雷の衝撃波が放たれる。
威力や速度を考えて最も適していたのがこの技だった。『トールブレード』などは溜めに時間がかかるため、一対一向きの技ではないのだ。
ピサロも流石に気づいて槍で何とか防ごうとするが、衝撃波は槍を弾き飛ばしピサロを襲った。胸板と腕が一文字に切り裂かれる。ピサロはよろけるが倒れず、トールを睨みつけた。
トールは怯まない。それどころか『こいつはここで仕留める』とまで思い至った。
名を変えるだけなら冒険者には良くある。トール自身も鳴海徹という本名から少し変えた名を名乗っている。ただ姿を全く変えてしまうアイテムまで使うとなると話は別だ。種族さえ偽っている。
『トルネコ商会』からの援助を受けるためのこの競技会トーナメントで姿を偽る理由など、ろくでもないものとしか思えなかった。

トールは剣を振り上げると、剣は光を放ち始めた。トールが持つべき最大の必殺技『トールブレード』、今ならこの技を使えると思ったのだ。
ピサロがそれを見て顔をしかめながら何かを取り出すのが分かった。

『今更なにが出来る。遅い』

トールはそう思ったが、ピサロの手の中の物を見て考えが変わった。ピサロの手にあるもの、それは『キメラの翼』だったからだ。

「トールブレード」

溜めは足りない未完成な状態だったが、ピサロの行動を止めるためにもトールは剣を振り下ろした。
光の帯が剣から放たれる。
だがピサロが『キメラの翼』を頭上に掲げる方が早かった。
ピサロの身体は一瞬にして飛び去り、その後を光の帯が通り過ぎる事になった。

闘技場はざわめいている。それも当然だろう。ピサロの姿が変わりその後『キメラの翼』を使ってこの場から去った。いや状況的には逃げたと言っていいだろう。

「しょ、勝者トール」

司会者が何とか場を治めるためにも試合の終了をアナウンスしたが、ざわめきが収まる事はなかった。

こうして競技会はトールの優勝で幕を閉じた。




――― ステータス ―――
トール  おとこ
レベル:40
職:戦士
HP:374+40=414(+10%)
MP:130
ちから:123+20+5=148(+10%)
すばやさ:100+70+5=175
みのまもり:56+5=61
きようさ:113+70+80=263
みりょく:69+10=79
こうげき魔力:50+20+10=80
かいふく魔力:64+20+10=94
うん:134+40=174

・装備
頭:かげのターバン(守+13)
身体上:げんまのよろい(守+47、攻魔+10、回魔+10)
身体下:たまはがねのひざあて(守+16)
手:くらやみミトン(守+10、器+80)
足:ちんもくのブーツ(守+9、素+5)
アクセサリー: いやしのうでわ(守+4、自動回復大)
武器:光の剣(攻+70)
盾: なし

こうげき力:253
しゅび力:160

言語スキル:4(会話2、読解2、筆記)【熟練度:61】
戦士スキル:3(かばう、ちから+10、HP+10)【熟練度:3】
盗賊スキル:☆(索敵能力UP、すばやさ+10、ぬすむ、器用さ+20、リレミト、ピオリム、しのびあし、盗人斬り、ボミオス、すばやさ+50、とうぞくのはな、器用さ+50、かぎあけ、常時索敵)【熟練度:0】
武闘家スキル:3(おたけび、すばやさ+10、ちから+10)【熟練度:0】
魔法使いスキル:3(魔結界、こうげき魔力+20、ぶきみなひかり)【熟練度:0】
僧侶スキル:3(かみのおつげ、かいふく魔力+20、おはらい)【熟練度:0】
芸人スキル:3(ボケ、身かわし率UP、ツッコミ)【熟練度:0】
商人スキル:7(うん+10、アイテム入手率UP、HP+10、あなほり、インパス、HP+20、うん+30)【熟練度:0】
魔物ハンタースキル:3(まものならし、みりょく+10、あまいいき)【熟練度:0】
剣スキル:☆(剣装備時攻撃力+5、ドラゴン斬り、メタル斬り、剣装備時攻撃力+10、ミラクルソード、はやぶさ斬り、剣装備時攻撃力+20、会心率UP、魔神斬り、ギガスラッシュ、得意武器になった)【熟練度:56】
素手スキル:5(未装備時攻撃力+10、あしばらい、しっぷうきゃく、会心率UP、急所突き)【熟練度:57】
盾スキル:5(ガードアタック、盾ガード率+2%、大ぼうぎょ、盾ガード率+2%、ビッグガード)【熟練度:86】
ゆうきスキル:8(自動レベルアップ、ホイミ、デイン、トヘロス、べホイミ、ライデイン、いなづま斬り、マホステ、消費MP4分の3、ザオラル、べホマ、ギガデイン、ベホマズン)【熟練度:18】

特殊技能:闘気法(オーラブレード、ためる)、スカウト、アバン流刀殺法(大地斬、海波斬、空裂斬、アバンストラッシュ(偽)、常時ちから+5、常時身の守り+5)、トールブレード

経験値:596977


持ち物:モンスター袋、いのりのゆびわ(1個)、けんじゃのせいすい(5個)、特やくそう(5個)、いのちのいし(2個)、ばんのうくすり(3個)



――― 仲間のステータス ―――
前回と変わらず




所持金:93210G (預かり所:900000G)

Gコイン:26430


・持ち物『大きな小袋』
道具:やくそう(15個)、上やくそう(28個)、いやしそう(4個)、特やくそう(27個)、毒けし草(30個)、上毒けし草(5個)、特毒けし草(10個)、まんげつそう(4個)、きつけそう(11個)、おもいでのすず(5個)、せいすい(14個)、まほうのせいすい(113個)、けんじゃのせいすい(2個)、ゆめみの花(5個)、天使のすず(4個)、めざめのはな(4個)、キメラの翼(1個)、毒針(攻+1)、プラチナソード(攻+51)、ちからのルビー(攻+9)1個、銀のむねあて(守+25)、しっぷうのバンダナ(守+11、速+20、回魔+8)、聖竜のうろこ(守+8、状態異常耐性有)、ドラゴンシールド(守+25)、げんまのたて(守+23、攻魔+12、回魔+12)


大事な道具:モンスター袋、リリルーラの粉、オクルーラの秘石、自動地図、魔法の筒4本、従魔の輪2個、スカウトリング


小さなメダル:8枚


・預かり所
前回と変わらず




――― あとがき ―――

お久しぶりです。。

なかなか上手く分がまとまりませんでしたが、何とか今回でトーナメントは終了しました。

今回の話の中でですが、「魔破拳突き」はハッサンの必殺技です。正拳突きの強化版と思ってください。後、ピサロがしていたペンダントは、『変化の首輪』で、変化の杖のようなものと思ってください。

次回は競技会の後日談となります。

それでは、また会いましょう。



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