有志の方により、復活する事が出来ました。ログを提供して頂いたSingspiel様、本当に有難う御座います。EVANGELION~BlueBlue GlassMoon閑話 アスカ来日~その後~………いや~ま~、こうなる事は判ってたんだけどね。「凄いな、これは………」「まぁ、普段はこんなんじゃないんですけどね」何て言うか、百鬼夜行の大行列に紛れ込んだおじいちゃんとその孫みたいなボクら。目の前では魑魅魍魎が大酒を飲みながら泣いて、笑って、怒って、喰って、飲んで………。「…凄いな、これは」「…………本当、普段はこんなんじゃ、ないんですよ」なんとなく、最後のほうは力なく言ってしまった。まぁ概要を説明すると、パーティー開始して15分後には三度目の乾杯で、僕の母さんという死んだはずの存在にやっと気付いた惣流さんが問い詰めようとした所秋葉さんに捕まってブランデーを飲まされて逝去。その15分後には五度目の乾杯、これに綾波が巻き込まれて善戦するも憤死。さらに10分後の六度目の乾杯で志貴さん、及び翡翠さんが脱落。パーティー開始一時間経ってようやく冬月先生到着の頃には、マヤさん、及びレンまでも脱落していた。ガッチャーン「あぁれぇ~、ビンおっことしっちゃったぁ~」葛城さん、目がヤバいな、マジで。「らいじょぉ~ぶです。ウチのめかひすぃに~、任せれば~」秋葉さんも、けっこ~キてますねぇこれ。「フフッ………無様ねぇ」人型のレンの頭のこねくり回しながら、リツコさんが平静を装ったやう゛ぁい目でそんな事を言う。「あはは~、メカ翡翠ちゃん、お願いしますねぇ~」…………あんだけ飲んで普通だなぁ、琥珀さん。「混ざってきたらどうですか?二人とも」「いや、私は遠慮しておくよ…、もう年だしな」「あら、冬月先生は未だそんな年ではないでしょう?」あの一団から離れた所で、冬月先生と母さん、僕はゆっくりと飲んでいた。「それで、今日遅れたのは、何かあったんですか?」「いや、そう大した事ではないよ…。 ただまぁ、君達、というか碇シンジとその後ろ盾を探ろうとしている奴が居てな」「加持さんが、今日のパーティーに出席しようとしてきたんですか」「………そうか、MAGIに載っていたな、そういえば」「えぇ、とりあえずどんなもんなのかはしっかりとチェックしておきました」「……彼は一応、NERVとしては注意人物となっているが、どうも彼は好奇心という物が強すぎる」「そのお陰で、動きが読みやすい。何を考えてるかは別として」「まぁな。恐らく彼の事実を知っているのは、こちらとSEELEだけだろう」「内務省のような所では、扱いきれないんですか?」「腕は一流だからな。それに、日本の機関が怠慢なのは今に始まった事ではないしな」「彼が何を探っているかはご存知なんですか?」「いや…。だが恐らく、人類補完計画、アダム計画、E計画の全貌を探っているのだろう。 ……恐らく、ドイツ支部でも何か探っていたんだと思うしな。 以前、ファーストチルドレン、綾波レイの過去を洗っていたようだ」「……綾波、ですか」「うむ…」冬月さんはそう言うと、グラスを傾けウイスキーを口に流し込んだ。「冬月先生、綾波レイちゃんは…」「…先日赤木君がシンジ君達に言われて調べたそうだ。 彼女の遺伝子は、限りなくユイ君と一致している。 ………99.89%の確立で、彼女は碇ユイだと言う事だ」「…ヒトのしての一致率は?」「それも、99.89%…。 本当に、この数字にお目にかかる事が多すぎる」「僅か0.11%の違い、か…。 ヒトと使徒の違い、綾波と母さんの違い。 大きいですね、この差は。」「……私は、あの子とどう接すればいいのかしら」ふと、母さんが力無く呟いた。「今まで、あの子は生まれてからずっと、ゲンドウさんの道具になるように生きてきて、その目的が私だった…。 でも、彼女は私の…」「母さんは母さん、綾波は綾波だよ。 その違いが、きちんと数字で証明されてる。 最も、100%遺伝子が同じでも育つ環境が違えば別人だと思うけどね。 ……僕は、綾波は綾波として、母さんは母さんとしてしか接する事しか出来ないから」「彼女は綾波レイ、それでいいんじゃないかな? 最も、私がそのような事を言えた義理ではないんだが……」「……割り切る、という事ですか?」「いや、その必要も無く、別人だよ彼女は…。 割り切るとすれば、碇がした事をユイ君、君の所為でした事だと思い違いしないという所だろうな」「責任の一端はあるけれど、全てじゃない。 そこを履き違えないで、きちんと認識出来れば大丈夫だと僕は思うけど」「…厳しいのね、シンジは。 私は、シンジの事、リッちゃんの事、ナオコさんの事、お父様や碇の人達の事、沢山悩むの。 ………ナオコさんには、もう何も言えないしね。 私がしようとした事って、間違ってたのかもしれないって。 私が取った行動によって出た犠牲が、大きすぎるもの…」母さんはそう言うと、気落ちした表情でグラスの酒を呷る。冬月さんは、その様子を沈痛な表情を浮かべて、一人物思いに耽っていた。