どこまでも続く白い大地。
眼前に広がるは一切の生命の存在を許さない赤い海。
遠くに微笑むはかつて同僚であった蒼い髪、紅い瞳の少女。
左隣にはかつて赤い髪に蒼い瞳を持っていた少女の形に地面が濡れている。
赤。
白。
紅。
白。
アカ。
シロ。
赫。
白。
赤。
白。
―暗転
優雅に頭上を旋回する純白のエヴァ。
その口元には鳥葬の如き様相の赤いエヴァ。
咆哮。
―暗転
地面に広がる赤い液体。
それは自らのみを呈して自分を庇ってくれたことの代償。
『大人のキスよ。帰ってきたら続きをしましょう。』
彼女に託されたロザリオ。
それは白地に濁った赤で彩られていた。
―暗転
無機質な連続音が響く純白の病室。
むせ返る白に自分までも漂白されそうなその部屋で、真っ白なシーツに広がる勝気な少女の赤い髪。
はだける胸。
自らの手についた白い汚濁。
僕は最低だ