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No.33の一覧
[0] コレもEOEあとのシンジ君[たいら](2003/08/01 01:33)
[1] Re:コレもEOEあとのシンジ君[たいら](2003/08/01 12:39)
[2] Re[2]:コレもEOEあとのシンジ君[たいら](2003/08/01 13:34)
[3] Re[3]:コレもEOEあとのシンジ君[たいら](2003/08/13 02:16)
[4] Re[4]:コレもEOEあとのシンジ君[たいら](2003/08/19 19:17)
[5] Re[5]:コレもEOEあとのシンジ君[たいら](2003/09/12 01:25)
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[33] Re[5]:コレもEOEあとのシンジ君
Name: たいら 前を表示する
Date: 2003/09/12 01:25
そして時は又流れ、2015年…

「よく頑張ったな、シンジ」
シンはシュミレーターから降りてきたシンジを笑顔で迎える。
「ううん、兄さんたちが小さい頃から僕をちゃんと育ててくれたおかげですよ」
裏の無い兄の賞賛に照れるシンジ。
「で、”G”はどうだ?」
「ばっちりです! これならいつでも出撃できます!」
兄の問いに、今度は自信たっぷりで応えるシンジ。
「言うなコイツ、でも皆がちゃんとシンジをサポートする。俺たちは決してお前一人に戦わせはしない。だから無理はしなくていいんだぞ」
「無理なんかしてません。それに兄さんたちを信頼してますから」
「こいつ」
シンはシンジの頭を上から押さえつける。
シンジは逃れようと体を捻るがシンの力は強く、なかなか振りほどけない。
しかし、そんな二人は偽りの無い笑顔を浮かべていた…


その日の夜。
執務室にシンとシオンの姿があった。
「早いものだ、こっちにきてもう10年になろうとしている…」
手にしたコーヒーカップをデスクにそっと置いて、シンはなにやら感慨深く言葉を口にする。
「明後日には、サキエルがきますね…」
シオンは窓の向こうの月を見ながらそう言う。
「ああ、これが俺たちの新たなる第一歩だよ」
「10年、待ったんですもの。長かったですね…」
「そうだね。本当に長かったよ…途中で何度あの髭と老人どもをこの手で捻り潰してやろうかと思ったことか」
シンはこの10年を思い返して険しい表情になる。
それはシオン以外誰も見たことの無い、”憎悪”を秘めた修羅の顔。
一度は消えたと思った怒りの感情だが、過去に帰還し、その感情を向けるべき相手が確固として存在するとなれば話はまた変わってくるようだ。
「私たちが知る歴史と、殆ど変わりがなかったんですものね…」
シオンはそっとシンの震えかけたその手を握る。

迂闊に干渉して余計な流れを作るつもりがなかったので、自分たちの足場固め以外はノータッチできたツケだったのだろうか?
そもそもにシンたちは他人のことなどお構いナシが基本スタンスではあるが、流れがそのままイコール悲劇の種が巻かれるのを見て見ぬ振りをしたきたということだ。
「ネルフやゼーレと関わるのが嫌でこうしてきたけど、ヤツらと関わららないことは同時に何の罪も無い人々を見殺しにするのと同じか…他人にそうこだわるつもりもないけど…結果的にあいつらと同じ行為をしちまったことだけが気に食わねぇ…」
例えばかつてのクラスメート。彼らは皆パイロット候補だった。
考えてみればコアが用意できるということはその彼らの親の命をどうこうしたのは間違いなくネルフの連中だろう。
彼らに罪は無い…だがネルフの身勝手に否応ナシに巻き込まれてしまったのだ。
「マジ碌なことしねえんだな、あの老人と髭どもは…」
「…でもだからこそ、きついお灸を据えてやる必要があるんですよ」
シオンは優しい笑みを浮かべてシンを見つめる…
「そうだったね…俺は自分の都合で君やかつての使徒たちや、過去の自分まで巻き込んだ。今更自己嫌悪でブルーになるほど無責任になるわけにはいかないな」
「私は私の意思で、あなたのそばにいることを選びました…気にしなくていいんですよ?」
そのシンの言葉にごまかしのない言葉を紡ぐシオン。
「それでもやっぱり、こんな道に着き合わせたのは俺だから。…なんか甲斐性ナシでちょっと情けないかな?」
苦笑するシン。
「やっぱり優しいんですね…”シンジさん”は」
”かつての名”で彼を呼ぶシオン。彼を見つめるその瞳は何処までも透き通っていて…
「そんな大層な人間じゃないよ”僕”はね…」
「でも、そんなあなただから私は…」

二人だけの部屋。
月だけがが見つめるその場所で
影が重なる。




「俺は当日、イルとリエと一緒にドグマに潜る。”リリス”対策とMAGIの制圧をするから。…シンジのバックアップ、頼んだよ」
「はい…」
ベッドの上で、二人は算段をする…
「イザナギとシオンの303があればサキエル戦は問題ないよね? まだ弐号機はドイツだし、初号機は怪我した綾波だからすぐに止まるでしょ。万一暴走したところでシンジの”G”にあのガラクタが敵うわけないしね」
「…ちょっと複雑です、その言われよう…」
かつての自分を卑下されて、シオンはあまりよい気がしないようだ。
「…時期がきたら、こっちの初号機もちゃんとサルベージするから」
拗ねたような眼で見つめられ、腰が少しばかり引けたシン。
「うー」
シオンはまだ完全には納得できなかったらしい。
「明日、サキとラミは102&103でアマテラスと南極に”鑓”の回収にいってもらう。シエルは207でドイツへ、ディアとミサのサポートつけて”アダム”回収してもらうよ」
「忙しくなりますね」
「でも、これでようやく舞台の幕が開くんだ。さあ出演者の皆さん、俺が脚本・演出・監督を務める史上最大の演劇にふるってご参加願いますよ」
そういいながら少々意地悪く笑うシン。
シオンはそんな彼の横顔を、ちょっとばかり困ったような笑みで見つめるのだった。


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