エヴァちーと 第七話 人の造りしもの
「ぷはっーーー!!やっぱ人生、この時の為に生きているようなもんよねぇ♪」
綾波レイは第三新東京市『雪広ビル』最上階、シンジの屋敷のリビングで美味しそうにビールを飲むミサトを訝しげに眺めていた。
先日の使徒戦で、葛城ミサトはJAと共に爆散して死んだのではなかったのか??
しかし、今こうしてレイの目の前で彼女は、ユイ達大人の面々と一緒にビールを飲んで喜んでいるのである。
この人物は間違いなく『葛城ミサト』であり、しかもこのミサトは以前のミサトとはまるで別人のようだった。
(葛城一尉にも代わりがいたのかしら?人間じゃない?・・・わからないわ・・・)
レイは小首を傾げてうんうんと唸った。
このレイの悩みはもちろん皆わかっているのだが、まだレイに『チートシステム』のことを教える訳にはいかない。レイは未だネルフの最深部に関わる重要人物なのだから。
シンジがレイとマナ二人の目を盗んでミサトを召喚したのは、使徒戦の直後のことである。
呼びたてのミサトに「すまないけど、今から海に飛び込んで。僕がその後泳いで助けに行くからさ」とアリバイ工作を行ったのである。ミサト当人は至極嫌そうだったのだが。
その後、葛城ミサトはJA爆発前に『脱出』し、シンジによって奇跡的に救助されたと報告しこの入れ替わりは成功したのである。ヒカリの時と同様に元の死体は自動的に消えるようだ。
とはいえ、この葛城ミサトはこの世界のミサトとは殆ど別人である。
彼女はセカンドインパクトも経験してなければ、そもそも軍人の経験すらも無いただの『中学校の先生』なのである。
研究者だったユイやただの中学生であるヒカリと違い、今のミサトにとってこの世界の自分に成り代わるのは相当な苦労を必要とした。
助かったのはこの世界の自分も仕事嫌いでズボラな性格は一緒だったので、たとえ彼女が上手く仕事が出来なくても誰も変に思わなかったことである。
そして何一つわからず困ったミサトを助けたのは、『忠犬』日向であった。
彼はミサトが奇跡的に助かったと聞くとすぐさまやって来て、あれやこれやと世話を焼いてくれたのである。
彼はミサトの病院の検査に付き添い、終わると自宅まで送ってくれ、次の日は迎えにも来てくれて本部まで運転してくれた。
発令所の場所も「どこだっけ?」と聞けば普通なら何かおかしい?と思いそうなものだが彼はちゃんと案内してくれる。
執務室、ロッカールーム、全部「どこだっけ?」の一言で済んでしまったのだった。
仕事に関しても「あー、ゴミンだけど全部教えて?難しいのは代わりにやって」と言えば親身になって喜々として教えてくれるし、難しい仕事もやってくれるのである。
(よっぽどこの世界の私ってバカだったのかしら(汗・・・。軽く引くわね)
至れり尽くせりで教えてくれるのはいいのだが、この世界の日向は一体どんだけこの世界の自分をバカだと思っていたのか問い詰めたい気分になるミサトであった。
そんな理不尽な思いを抱かれているとは思ってもいない日向は、ようやく葛城さんが少しは真面目になってくれたと喜んでいたし、そもそも大好きな上司に頼られるのは彼にとって何よりのご褒美なのである。
さて、無事入れ替わったミサトであるが、彼女ももちろん『神の洗脳』済みでありシンジLOVEになっている。
無論、29歳と14歳であり、さすがに恋愛関係はシンジが望まない限りなることはないが、一応はお姉さんとしてシンジ優先で動くことになる。
そうなると今のネルフでの対立している現状は大いに困るわけで、ミサトはさっさと作戦一課長を辞職する旨をヒゲに伝えた。
ヒゲとしても彼女は失態続きであったし、内部の引き締めのためにもその申し出はありがたかった。
しかし、ゼーレの意向では彼女は使徒戦に関わり続けなくてはならないため、一度だけ慰留した後、二つに分かれた作戦課を再び一つに戻し、シンジを課長にミサトを課長代理に任命したのだった。二課の面々はシンジ不在時の指揮をミサトが執ることに難色を示したが、シンジの説得とミサトがJAに乗り込み、命を賭けて使徒と戦ったことが評価されてようやくまとまったのである。
まあ、それでもミサトに対する不審は根深かったが、何度も言うが彼女は全くの別人であり、サボり癖はあるものの、一応は中学校でのお仕事はちゃんとやっていた彼女は作戦課のお仕事もそれなりに真面目に取り組んでいた(難しいのは日向任せだが)。
一週間もすると「どうやら葛城一尉は心を入れ替えたらしい」となり、作戦課の職員達も疑心暗鬼ながらもミサトを認め始めたのである。
他のネルフの職員達が驚いたのはシンジとミサトの和解である。
一触即発、会えば罵り合うような関係の二人が手を繋いで発令所に出勤してきた時は、リツコもコーヒーを噴き出し、マヤは動揺し過ぎてもう少しで本部の自爆をマギに申請するところだった。お口あんぐりとはこのことである。
これが表面上仲良くしているわけでは無く、ガチで仲良くしているわけで「これはいったいどういうことなの?!」とリツコがミサトに問い詰めることとなった。
というのもミサトは住んでいるマンションを引き払い、雪広ビルに引っ越したことも判明したからだ。
まあ、ミサトもそう問い詰められても返答に困ってしまうので、とりあえずシンジは命の恩人だからと答えたが「あんた達はあの時爆発の瞬間まで言い争っていたでしょうが!」と言われると、「人ってロジックじゃ無いのよ」とミサトが言い返すとリツコも口惜しそうに黙った。
マヤは「私もシンジ君のお家に引っ越したいな」とシンジにおねだりしていたが、残念ながら却下されて凹んでいた。
シンジだってマヤならウエルカムなのだが、雪広ビルは機密も多いので下手に呼び寄せることは出来ないのである。洗脳するのも可愛そうだし。
そんなわけで『雨降って地固まる』という言葉があるように、一連の作戦課を巡るゴタゴタはこうして解決したのであった。
レイと同じくここで暮らし始めたマナの二人が部屋に戻ると、ハーレムメンバーの面々は27階の会議室に集合した。
それはお寝むの美羽もであり、七乃に抱かれてやって来ている。
千鶴(榊)、壬姫、3バカの5人は富士演習場で行われることになった戦術機の発表会の準備のため不在である。
まりもは夕呼の元に戻り二人は引き続き悠陽のサポートをしている。この3人も夜が遅いためこの場に出ていない。なかなか戦自総本部では隠れて通信行うのが難しいのである。代わりに夕呼は用件をピアティフらに伝えているようだ。
あとキョウコもすでに寝てしまい起こしても起きなかったのでそのまま欠席である。
「すっかり遅くなったけど、今から皆で今回のポイントの使い道について会議をしたいと思う」
この会議室にはシンジの指示で大きな円卓が置かれており、皆それぞれ好きな場所に座っている。会議に出れないナガサキの二人はテレビ電話での参加である。
「悠陽達の召喚や『黒百合』の開発とかで、余っていたポイントもほとんど使っちゃってたんだけど、今回の戦いで一億ポイント以上入ったからいよいよ『初島』の開発を行いたいと思うんだけど」
シンジがそう議題を切り出すと、ハーレムメンバーの面々は嬉しそうに微笑んだ。
「よ・・・ようやく台詞が回って来ましたわ。ここ最近マブラブ勢以外のメンバーは空気でしたから(ホロリ)」
「それでもアヤカさんはいいですよー。私なんて何話ぶりなんですか!!第二話でご主人様の逸物を咥えて以来ですよ!!」
「・・・それでも七乃さん達は『オチ』に使われていたではないですか。私なんてこれが初めての台詞です。あっ初めまして『科学に魂を売った乙女』にして『でも魂なんて非科学的なものは信じない!』葉加瀬聡美です。よろしくお願いします」
「あ、どうもよろしく」
頭を下げる聡美にシンジも律儀に頭を下げた。
ごめんね、忘れてて。でももうこれで君の出番は(多分)終わりなんだ・・・。
「はいはい、メタなことは置いといてさっさと進めようよ。この第七話は1話分しか書くつもりないんだから」
「JAなくなっちゃいましたもんねー。発表会(笑)も」
「というわけで、話を戻すよ。ポイントの使用についてご意見どうぞー」
「失礼ですが、まず先にシンジ様は『初島』以外にはなにか希望はありますか?」
「そうだねぇ・・・。女の子を呼んじゃうと『危機』が増える!っていうのは困るんだけど。だからといってそれで召喚を自重しちゃうのはもったいないから、今まで通り呼ぶつもりだよ」
「さすがご主人様!私たちに出来ないことを平然とやってのけるッ!そこにシビれる!あこがれるゥ!」
「七乃・・・最近ジョジョのアニメにはまっていることを晒すでない。恥ずかしい」
「すみません、美羽様。つい使いたくなって」
「・・・というわけで誰を呼ぼうかな?って、その前に必要なことにポイントを使おうか。でも・・・島の開発って何から手をつけたらいいのかな??」
「それでは初島の開発ですが私たちで『雛形』を作っておきました」
アヤカが丸めていた紙をシンジの前に広げて見せる。初島の白地図に細かくいろいろな施設などが書き込まれている。
「セカンドインパクト以前にホテルやプールなどレジャー施設があった島の南側は同じように再建したいと思います。というのも、いつもビルに籠もっていたり仕事をしていたりではストレスが溜まりますし、シンジ様もレイ様たちと遊びたいとおっしゃっていましたので作るべきと考えます。もちろん私たちもご一緒したいですわ。安全面を考えても初島に作ってしまうのが一番です」
「うん。それは面白そうだね!」
「ホテルに関しては以前存在していたホテルの2倍の規模で建てます。というのも、このホテルを初島の軍事施設としても利用しますので、ホテルと言うより基地と言った方がいいかもしれません。シェルターも整備します。周りには屋外プールや海泉浴場、アジアンガーデンなどを整備します。詳しくはググって下さい」
「うん、あとでググっておくよ(良い所だからみんなも行ってみてね!)」
「島の中央部には滑走路を一本通します。その北側に戦術機を格納するケージを六棟建てます。生産工場はさすがに作れないので、漁港を拡張して輸送艦が入港できる港を作ります。そして地下ですが、基本的には倉庫として使用しますが、潜水艦ドックは作りたいと思います。海神(わだつみ)と潜水母艦用ですね。あと細かいところもありますが、これだけ開発してだいたい・・・えーと・・・2700万ポイントくらいです。軍事的に関係ない施設は安めの設定ですし、初島はナガサキの十分の一ほどの大きさなので、いろいろ改造を施してもこれくらいで済みそうです」
「これくらいといっても・・・最初から考えたら凄いポイント量だけどね。なにげにナガサキより高いし。じゃあ、アヤカ早速やっちゃってよ」
「わかりました」
シンジはアヤカにチートシステムを委託した。こういった操作はやり慣れているアヤカの方が早いのである。
「じゃあ、この間に他にはどうかな?」
『戦術機の『兵装開発』を行いたいです。現在、突撃銃と長刀くらいしかないので』
壁に取り付けられているモニターからイリーナが発言する。
「ああ、そうだね。アヤカ、ついでにやっておいて。多分そんなにポイント数は必要ないと思うから。あー、あとついでに資源の追加もしておこうかな?」
「・・・はい、了解しました。ん?シンジ様、今気がついたのですが資源の欄に『使徒』というのがあるんですが・・・」
「へ?何それ?ヘルプを押して調べてみてよ」
「はい・・・えーと、使徒の死骸を専用の施設で回収すると重さに応じて新たに資源が得られるそうです・・・」
「マジで!!いままで資源は全部ポイントで買ってたのに・・・。これは大至急ネルフと交渉しないと!!えーと誰に言えばいいのかな?」
「たしか赤木先生・・・リツコが使徒の死骸の処理が大変だわーとか言ってたような・・・。多分リツコの担当だと思います」
ミサトがはーいと手を上げてシンジの問いに答える。
「それなら、回収施設を近場に作ってネルフから死骸をもらおうよ!」
「ええ、早速明日にでもネルフと交渉を始めますわ」
「うん、資源の問題が解決すれば戦術機をいくらでも作れるしね」
『でもパイロットがいませんよ。現状でも3バカさんたちがいなくてテストができてませんし・・・』
「何人かは新たにいずれ呼ぶつもりだけど、戦自の人たち、それにマナで実証されたけど少年兵の子供たちも優秀みたいだからどんどん活用したいと思うよ。シミュレーターを増やして対応しよう。もちろん初島でも訓練できるように整備しなくちゃね」
『あとそれと、香月博士から伝言です。「生産はまだ先だけど、『武御雷』『不知火』を開発するために『瑞鶴』を開発して生産する必要があるわ。性能としては陽炎とどっこいどっこいだけどね。完成までに最低でも一ヶ月はかかるから早めに取り組んだ方がいいわよ」とのことです』
「なるほど・・・先を見据えてだね。その意見も採用します。これで基地と戦術機と資源については大丈夫かな?あと残りが・・・約6000万ポイントか・・・多いようで少ないよね」
「まあ、どんどん事業規模が大きくなってますから、とはいえ、雪広財閥も今回の件で日重を傘下に収めることができましたし、かなりお金が回るようになってきました。日本の景気も上向きですし、資金に関しては潤沢になってきましたわ」
実は日重の買収工作を仕掛けていたのはゼーレの傘下企業が先だったのだが、その計画は発表会翌日の株価下落を見込んでの予定だったため、今回の急な動きに出遅れてしまったのである。
これは最近日本のゼーレの支持者の中で裏切り者が続出しており、統制に混乱をきたしていたという事情もあった。
さらに雪広が日重の買収を政府を通して申し込んだことも大きく、政府が保証してくれるのであれば日重側も買収を受け入れるのも吝かではなかったからである。
その保障とは斯衛軍からの『発注』であり相当額の契約を日重側にチラつかせたのである。
おかげで日本の三大重工は一つにまとまり、生産量が増え、生産コストは大幅に下がったのであった。
「そうだね。操祈と夏美ちゃんにたくさん頑張ってもらったね」
「当然です!これからも任せてくださいね」
「いえいえそんな恥ずかしい(//∇//)」
「戦術機を国連に売ればさらに儲かりますわ!1機300億で納入予定ですw」
「経費は組み立て費用だけだもんね。ボロ儲けだ」
「はい、しっかり性能は落としてますし・・・自爆装置もこちらで作動させることができますから万が一敵対することになっても安心ですわ」
「酷いのぅ」
「ですねー」
ちなみに実際アメリカが日本や韓国に売っている戦闘機も同じような仕組みになっています。敵対した場合アメリカ側の操作でコクピットが飛んでいくとかいかないとかw
性能を落としてあるのは公式でも認めています。でも日本はアメリカ軍より高値で買わされています。本当に情けない話ですね。
「というわけで、それじゃいよいよ美少女召喚の時間だよ!今回は追加された世界もあるから選択肢はかなりあるよね!!」
「・・・でも追加された世界ってどれもこれもヤバくありませんか?悪魔だとかお化けだとか英霊だとか・・・。私たちじゃどれも対処できないものばかりですよ!!唯一めだかボックスの世界は操祈さんの世界によく似ているようですけど・・・」
「この安心院さんを呼んだらこの話終わっちゃうんじゃないですか??」
「心配しなくても彼女は1京2858兆519億6763万3867ポイントだから選べないけどね」
「なーんだ・・・それは残念。彼女のせいでどれだけの中二病作者が悔しさで壁ドンしたのかというのに・・・」
「一生懸命考えたスキルが3つほど被っていたときの神様(作者)の荒れようったらありませんでしたものね。ジャンプを床に叩きつけてましたよ」
「しかも、その時書いてた作品はオリジナルで、それもすでにかなりの量を書いてて懸賞にも投稿する気満々だったとか・・・」
「どうせ黒歴史になるだけだから逆によかったんですよね。ゴミを読まされる審査員さん達も可愛そうです」
「このSSとは比べものにならないくらい頑張ってたんですけどねぇ・・・」
「態々鎌倉まで現地取材まで行ったのにm9(^Д^)プギャー」
「しかももったいなくて『なろう』に出したらポイント2桁しかもらえないとか(笑)」
「やめろ!やめるんだ!みんな!!もう神様のライフは0だよ!!」
シンジは泣きながらみんなを止めた。シンジはわかっている。安心院さんが悪いんじゃない、くだらない作品を書いた神様が悪いんだと・・・。
でもいくらなんでもあんな捨てるようなスキルの使い方しなくたっていいじゃないか、あれは禁じ手だろうと思ったのは確かだ・・・。
いいんだよ、神は今後も好きなようにオ○ニー小説を世の中に垂れ流せればそれで満足なんだから!!これからもいろんなSSをいっぱい書くぞー!!
「というわけで、今回は追加された世界からは召喚は無しというわけで」
『『『『賛成ー!』』』
シンジは改めてチートシステムの召喚画面を開き眺めて見た。
「前から気になっていたんだけど、このバカテスの世界の人たちってみんなポイント低いよね・・・。主要な人たちを全員呼んでもたいしたことないし。危機もこの文月学園を買収してサーバー破壊すれば終わりみたいだから、この人達を呼んじゃおうか?」
「そうですねぇ・・・。召喚獣?付きなら結構強いみたいですし」
「秘書室も相変わらず人手不足なので人が増えるのは助かります。一日中無表情のガイノイドたちと過ごすのも辛かったんです」
エリナが悲しそうに呟く。そういえば秘書室に補充された人員はガイノイドだけだったね(汗。
「よーし、なら今回は使徒撃破記念だ。ばばっと呼んじゃうよ!!姫路瑞希、島田美波、木下秀吉、霧島翔子、工藤愛子、木下優子、清水美春、玉野美紀、島田葉月・・・えーと姫路瑞穂さんも瑞希さんのコンボで必要みたいだから一緒に召喚!!これだけ呼んでも10万ポイント未満とか!!」
シンジが操作すると会議室の円卓の上にドサドサッと女の子達が現れた。
さすがに10人も一度に現れると壮観な眺めである。パンツも何人か見えるた。
「ちょ!呼び方が雑い!!もっとこの娘にしようかなーって悩んでから選んでよ!」
ショートカットのボーイッシュな女の子がシンジに抗議する。
「ごめんね。でも皆ポイントが数千ポイント単位だったもんで。一番高いポイントの霧島さんたちで5000ポイントなんだし・・・。6000万ポイントある現状、つい大人買いしちゃうのも仕方ないよね(テヘペロ)」
ちなみに一番安いのが葉月ちゃんの1000であり、高いのが秀吉の1万である。
いや別にこのポイントに意味は無い。能力と人気が反映されてるのかな?かな??
「でもみんな可愛くて最高だよ!これからよろしくね(ニコリ)」
「「「はわわわわ、こちらこそ(//∇//(//∇//(//∇//) テレテレ」」」
「・・・なぜワシがこの場に呼ばれておるんじゃ・・・。ワシ男なのに・・・」
「く・・・私にはお姉さまがいるのに・・・なぜこんなにも男にトキメクの・・・」
一人の美少女がうむむと首を傾げ、もう一人の縦ロールツインテール少女はぐぬぬと唸った。
秀吉、君を外すなんてとんでもない。美春お前は『神の洗脳』をさっさと受け入れろ。
「みんなには秘書とかメイドさんとか縁の下の力持ちになってもらいたい。よろしくね」
「・・・一言で言えば雑用係なんだよね(ジト目)」
「うん。あとエッチ要員かな」
「ヒドイ!!なんというぶっちゃけ!!」
「冗談だよ。エッチなことも雑用もしてもらうけど、大切な仲間だよ」
「・・・なんか学校で苛められてる子がよくいじめっ子に言われてることのような?」
「気のせい気のせい。さて、ポイントは全然減ってないけどこの後どうしようか??」
シンジがそう言うとユイが珍しく手を上げた。
「愛でる女の子はこれだけいればしばらく十分でしょう?さすがに母親として、あまり女の子を消費物のように扱うのはダメだと思うわ。もちろん人が増えなければ使徒戦や危機に立ち向かえないのもわかってる。だから今度は6000万ポイントで選べるもっともポイントの高い人を呼んでみたら?」
「・・・結局呼ぶんじゃないですか、ユイさん」
「でもまあ、理にかなっているかも。しかし今一番活躍してるのがアヤカさんだとすると結構難しい問題ですよね?」
「いえ、私の場合は『財閥』に追加でポイントを出してもらってますから・・・合計すれば億単位になってますわ。結局の所ポイント量は正しいのではないかと思います。」
シンジは召喚画面にて高ポイント順にソートしてみた。安心院さんは除外だ。
「最もポイントが高い人は川神百代さんの1億ポイントなんだけど・・・。特質としてはどのような敵が出現しても『最強という存在が揺るがない』らしい。ただし、必ずしも『最高』で『最適』かはわからないみたいだよ」
「ということは負けることもあるということですね・・・。必ずしも勝負事は最強が勝つわけではありませんから・・・」
「あー川神百代ねー・・・。アタイじゃなかった、私が知っている限り確かに『最強』ですよ。マシンガンで撃っても蹴りで全部止めてましたし」
あずみがそう答えた。そういえばこの世界はあずみさんしかまだ召喚してなかったな。
「どちらにしてもポイントが足りず呼べませんね。次はどなたですか?」
「更識楯無さんで9000万ポイント、これはIS付きでね。前のラウラさんが8000万ポイントだったからさらに高くなっているね・・・。IS世界で6000万ポイント以下なのは・・・あれ?結構居るんだね。どうも楯無さんはロシアの代表で暗部用暗部「更識家」の当主ということ、ラウラさんは代表候補生なんだけど現役の『軍人』さんなのが評価されてるみたい・・・。他にも理由があるみたいだけど『原作でまだ明かされていない(泣』って書いてあるね。というかこれ百代さんより楯無さんの方が価値があるような気がするね(汗」
「そのお二人も残念ながら呼べませんが、それ以外の方は呼べるのですか?」
「えーと、そうだね。呼べるよ。箒さんという人は7000万だから無理だけど、セシリア、鈴、シャルロットさんが6000万、前に出た織斑千冬さんが5000万・・・でもこの人はISを持ってないんだね(汗、楯無さんの妹さんの更識簪さんが4000万なんだけど、ISは『開発中』なので完了まで協力が必要なんだって。あとシャルロットさんはデュノア社が出現するけど妾の子だから実権はないそうだよ。それとISの性能が他の人たちより若干落ちるみたいだ」
「・・・逆にそれは面白いかもしれませんわ・・・」
アヤカがなにかピンときたのかふむふむと考え始める。
「いずれISを出現させることは確定事項です。ISは戦術機を圧倒できる性能を秘めていますし、シンジ様の危機に対抗するにも重要な武器となるでしょう。そういえばISの開発者の篠ノ之束さんは何ポイントなのですか?」
「えーと、束さんは1000万かな。でもコンボで千冬さん箒さんの二人を呼ぶ必要があるから、併せて一億3000万ポイント必要だよ・・・。そっか、コンボなんてのもあるからただ単純に一人のポイント数で比べても仕方ないのかもしれない・・・」
「そうですわね・・・。束さんを召喚すればいくらでもISを作れますから・・・そんな甘いことにはならないようになっているようですね。わかりましたわ!ならばシャルロットさんを呼びましょう!!そして操祈さん夏美さんのお二人にフランスへ飛んで貰い、ドイツのイザベラさん達諜報部の人たちの協力を得てデュノア社の社長を洗脳しましょう。その後、雪広の金を使いデュノア社を買収します。それでシャルロットさんを次期社長にしてシンジ様の嫁にしましょう。研究開発もデュノア社のISに限られますがこれで出来ますしね」
「・・・ISコアは束さんしか作れないから、デュノア社にはそんなにコアは保有して無いんじゃないかな?」
「まあ、あの設定はそもそも可笑しすぎますから(汗、当初の設定したコアの数が少なすぎたのでしょう・・・。だいたいコア数が467個って・・・。アメリカでも戦闘機を4500機、中国でも1500機、ロシアで1000機、韓国で600機・・・と数を持っているのに少なすぎなのです。大方日本の保有数が250機ほどなのでそれを元に作ったんでしょうが・・・。白騎士一機で既存の兵器に圧勝したなんていう設定もありましたし。しかし、白騎士は千冬さんという生身でも相当に強いある種百代さんのようなバグキャラありきです。小説の内容を見ていると、主人公やヒロイン達、通常の兵士さん達は通常のミサイルやマシンガンの攻撃に晒されると恐怖心を覚えたり、ストレスを感じたりするようです。これでは長時間の戦闘はできません。それに絶対防御も絶対ではなくシールドバリアが無くなればそれでおしまい。永遠に稼働し続ける不可思議燃料をISが持っているわけでもありません。正直既存の兵器でも攻撃を続ければほとんどのISに勝てますし、ISパイロットのいる基地を隙をついて核爆弾で攻撃すればあっさり倒せてしまいます。だって一国に多くても十数機しかいないんですから・・・。それで国土を守れるんですか?それにたったそれだけの個数しかないのに候補生が多すぎですし、候補生にもなれない学生は学ぶ必要あるんですかね?なにがIS学園ですか??卒業生の数人しか職がない欠陥学園しかないじゃないですか。ISを製造しているメーカーも無茶苦茶です。開発に多額の金がかかるって描写されているのに、もし開発に成功しても最大で467機分しか売れないんですよ!!実際は各国に製造企業があるようですから、だいたい数十機程度しか売れません。一機の価格を戦闘機の倍としても2~300億円です。たとえば10機売れても2~3000億ですよ。コレぽっちの売り上げ規模じゃ吹けば飛ぶような会社じゃないですか!売れてない売れてないと言われるソニーでも年間6兆円以上の売り上げがあるんですよ。戦闘機を作るボーイング社も通常でも6800億円売り上げがあるんです。軍の大型受注が決まればこの何倍も売り上げがあるんですよ。はっきり言って何年も研究してお金を使ってこれくらいしか売り上げがないんじゃやっていけません。軍需産業舐めんなと言いたいです。雇用問題もどうなっているんですか?一機のISを作るのに1万人くらい雇用してるんですか?アメリカの軍需産業で働いている人の数を調べたのかと。アメリカ一国で約360万人です。それだけの人々がISによって意味がなくなった既存の兵器の製造に関わっているんです。エヴァにだってエヴァンゲリオンの製造がゼーレの傘下企業しか恩得が得られないから失業対策にならなくて不満を持っているんだよって言っていたじゃないですか!ISなんかエヴァの比じゃない影響ですよ!!どれだけの問題が巻き起こったんですか!!ありえない。マジ設定がありえないと大事なことなので2度言わせてもらいます」
「「「・・・・・・・・・・・・」」」
「ふぅ・・・まあ、設定に文句を言ってもデュノア社の保有コアが増えるわけでは無いと思いますが、それでも3個以上は持っているでしょう。買収の価値はあると思います」
「うん・・・わかった。わかったから落ち着いてね」
確かに神も第一巻を読んだ時点で「これ大丈夫なのか?」と心配になったのだが、案の定作者さんも困り果てて、実は束が裏でいっぱい作っていて公表されてないコアがあるんだよー。ちゃんといろんな国に渡してもいるもんね♪とか実はコアがコピーされちゃったもんね♪ということにしたようである。最初からコア技術は提供したことにして、特別な進化するスーパー(笑)なコアは束しか作れないようにしとけばよかったのに。結局尻切れトンボで作品は終わり残念である。続き・・・あるのかな?かな??
「お気楽ハーレム小説にそこまで要求してはと思いますけどねー」
「そうそう、プロに偉そうに文句言ってんじゃーねーよって美波お姉様も言ってます」
「えっ美春!うちはそんなこと言って無いよ(汗」
「美波ちゃん・・・」
「言って無いって!ああもう、そのシャルロットさんを呼ぶなら早く呼びなさいよ!」
シンジは死んだミサトさんに代わり、新たな弄れる人材を見つけたことに深い喜びを感じていた。美春と目を合わせるとしばし美春はシンジを睨んだが、その後目元を僅かに緩ませた。
「なるほど・・・同士なのですね・・・」
「うん、美春ちゃん・・・これからもよろしく。僕は美春ちゃんにも興味あるけど」
「よろしくお願いします。お姉様と一緒ならかまいませんよ?あと私攻めですから」
「わかった、一緒に愛でるよ。二人で攻めようね」
シンジと美春は固い握手を交わした。というかようやく美春も洗脳を受け入れたようだった。美波は「いや美春とはしたく無いんやけど・・・」と冷静に突っ込んでいた。
「さてと、じゃあ、残りのポイントの大半を使ってシャルロットさんを呼ぶね。6000万ポイントを使用してシャルロット・デュノア召喚!!」
すると円卓の上に幾筋もの幾何学模様が浮かび上がり、その模様の一つ一つが光輝くと一人の金髪のスリムな女の子がゆっくりと出現した。その娘は閉じていた瞼をゆっくり開くとシンジに向かって微笑んだ。
「シャルロット・デュノアです。シンジ君よろしく。シャルって呼んでもらえたら嬉しいな」
「うん、こちらこそよろしく!」
バカテス勢は「なんか私たちの時と比べて召喚の演出が違い過ぎないか?」と愚痴っていたが、君達と6000万ポイントの彼女と比べるのはどうかと思う。
いや女の子の価値に上も下もないんだけどね。ブスと美人は明確な区別はあるけれども。
まあ、男よりも女のほうがブ男とイケメンの区別が悲しいくらい明確なのである。
忘れているかもしれないがシンジ君はイケメンだからセクハラもパワハラも許されているのだ。
イケメンは何をしても許される。これはこの世の摂理なのである。え?違います??
「初めまして、シャルロットさん。私は雪広あやかですわ。早速ですがお話が・・・夏美さんと操祈さんもこちらへお願いしますわ。明日の朝にはお二人には出て頂きたいですから」
「はっはい!」
「うわー。朝一でフランスに行くの?飛行機はファーストクラスでお願いね」
「えっフランス!!お買い物とか出来るかなぁ千鶴姉?」
「私はついていけないけど・・・、少しは出来ると思うわよ。お土産よろしくね」
「うん!みんなの分買ってくるよ!!」
「・・・夏美さん。お仕事が優先ですからね!」
「もっもちろんわかっていますとも(汗」
こうして、今回のポイントの使用は全て終了した。まだ数百万ポイント残っていたが、これは今後の保険のために取っておくことにした。本当は『情報』も買いたかったのだが、情報は日を追うごとにポイント数が下がっているので、もう少し待ってみようと思う。
「えっと、じゃあ美波ちゃん達、自己紹介と懇親を兼ねてお風呂に行こう!やっぱり日本人はフロニケーションが大事だよね!」
「え?シンジ君と一緒に入るってこと??」
「そう。異議は許さないから。あっ水着は着ても着なくてもいいからね♪」
「着ない人っているんですか・・・私あまりスタイルに自信がないんですが」
「瑞希ちゃん、そのプロポーションで自信がなかったら世の中の女性の相当数を敵にまわすよ。そうだね・・・最近は誰も着なくなったね。慣れちゃったのかな。あはは」
「あははって・・・。うーんうちはあんまり胸大きくないから見られるのが恥ずかしいなぁ」
「大丈夫だって。そうだマナも呼んでくるよ。仲間がいれば心強いよね!」
美波は当初シンジのこの言葉の意味を図りかねていたが、シンジが連れてきた(すでに寝ていた)マナのマナ板を見て無言でシンジにグーパンしたのであった。
ちなみにマナもシンジに同じようにグーパンした。その理由は推して知るべしである。
とはいえ、みんなで楽しくお風呂に入れてシンジはご満悦であった。シンジもげろ。
「初号機の胸部生体部品はどう?」
「大破ですから・・・新作になります。頭部も両腕部もです。追加予算の枠オーバーですね。大丈夫でしょうか?」
現在ネルフ本部では初号機の修理作業が行われていた。先の使徒戦で大破した初号機の修理に技術部、整備部共に頭を悩ましていたのである。
シンジには『黒百合』があるといっても、あれはネルフではなく斯衛の機体である。実際はまだ斯衛軍は正式に発足していないので、雪広の私物扱いなのであるが。
「とはいえ、初号機は私達の最大戦力だし、使徒戦はネルフの最優先事項。どの予算よりも優先させなきゃね。これでドイツから弐号機が届けば少しは楽になるのかしら?」
「逆かもしれませんよ。地上でやってる使徒の処理もタダじゃ無いんでしょう?」
「それが雪広が使徒の処理を請け負いたいって申し出てくれたのよ。まあ、大方サンプル目的なんでしょうけど・・・。必要な部分の回収出来たから、その他の部分は全て任せたわ。これで随分と助かったのよ」
実際、使徒の死骸の処理を雪広が破格の値段で請け負ってくれたことは、天からの恵みに他ならない。
S2機関やコアなどを渡す訳にはいかないが、それ以外の死骸にはなんの価値もないのである。それをあちらは喜々としてタダ同然で回収してくれているのだ。
しかも、今後の処分に関しても請け負いたいとのことだったので、リツコは大喜びで契約を結んだのである。もちろん司令の許可も得ている。
「それでも初号機の修理費には雀の涙・・・ですか」
「ほーんと、お金に関してはセコい所ねー。人類の命運をかけてるんでしょ?ここ」
ミサトが他人事のようにそう言うとリツコはミサトをキッと睨んだ。
「あんたが大破させたんでしょうが!あんたが!・・・・・・まあ、もうそれは済んだ事ね。仕方ないわよ。人はエヴァのみで生きるにあらず。生き残った人たちが生きていくにはお金がかかるのよ」
「予算ねぇ・・・。じゃああの司令さんはお金を集めてるわけなんだ」
「(司令さん?)ええ、今は機上の人よ。随分慌てて使徒戦の後出張に出かけてたけど」
「司令が留守だと、ここも静かでいいですね。あのヒゲずら鬱陶しいですもん。」
「マヤ、その言葉査定に響くこと覚悟しておきなさいね」
「しまった!つい本音が・・・(泣」
ちなみに、ヒゲはユイとリツコと自分の3者面談に臨む勇気が出ず、出張を言い訳に逃げただけである。もちろん未だリツコに浮気がユイにバレた件は話していない。
こういうことは時間をおけばおくほど事態が悪化するのだが、ヒゲにはそれはわからなかった。
ちなみにシンジとレイの進路相談には当然ながらユイが来たし、戦術機の発表会も無事開催することが出来ました。一番人気は参考展示の『黒百合』だったそうです。
そして、いよいよ物語は中盤戦へと入るのである。
「僕は、まだ登り始めたばかりなんだ。この果てしない男坂を・・・」
~~~序・終~~~
第八話 アスカ、来日 Aパートに続く