<このWebサイトはアフィリエイト広告を使用しています。> SS投稿掲示板

エヴァSS投稿掲示板


[広告]


No.32048の一覧
[0] エヴァちーと【チート・ハーレム・アンチ・多重クロス】[主城](2013/12/29 22:27)
[1] プロローグ[主城](2012/12/15 11:32)
[2] 第壱話 使徒、襲来 Aパート[主城](2012/12/15 11:37)
[3] 第壱話 使徒、襲来 Bパート[主城](2012/12/15 11:44)
[4] 第壱話 使徒、襲来 Cパート[主城](2012/12/15 11:51)
[5] 第弐話 見知らぬ、天井 Aパート[主城](2012/12/15 11:58)
[6] 第弐話 見知らぬ、天井 Bパート[主城](2012/12/15 12:06)
[7] 第参話 鳴らない、電話 Aパート[主城](2012/12/15 12:14)
[8] 第参話 鳴らない、電話 Bパート[主城](2012/12/15 12:25)
[9] 第四話 雨、逃げ出した後[主城](2012/12/15 12:40)
[10] 第伍話 レイ、心のむこうに Aパート[主城](2012/12/15 12:54)
[11] 第伍話 レイ、心のむこうに Bパート[主城](2012/12/15 13:01)
[12] 第六話 決戦、第3新東京市 Aパート[主城](2012/12/15 13:13)
[13] 第六話 決戦、第3新東京市 Bパート[主城](2012/12/15 13:21)
[14] 第六話 決戦、第3新東京市 Cパート[主城](2012/12/15 13:39)
[15] 第七話 人の造りしもの[主城](2012/12/17 13:13)
[16] 第八話 アスカ、来日 Aパート[主城](2012/12/20 09:44)
[17] 第八話 アスカ、来日 Bパート[主城](2012/12/31 23:26)
[18] 第八話 アスカ、来日 Cパート(書きかけ)[主城](2013/12/29 22:25)
感想掲示板 全件表示 作者メニュー サイトTOP 掲示板TOP 捜索掲示板 メイン掲示板

[32048] 第伍話 レイ、心のむこうに Aパート
Name: 主城◆ce8e3040 ID:99e23a8e 前を表示する / 次を表示する
Date: 2012/12/15 12:54
エヴァちーと 第伍話 レイ、心のむこうに Aパート[改訂版]


「なんじゃと!ユートピアコロニーが壊滅したじゃと!」

『麻帆良学園』学園長室に驚愕の声が響いた。

「はい・・・今朝のメガロセンブリアからの連絡では、ボレアリス海峡以北、龍山山脈のあたりに謎のエイリアンが突然現れ始め、あっという間に周辺を制圧すると、南下しユートピアコロニーを襲撃しました。コロニーは壊滅状態だそうです。現在連合、帝国、アリアドネーの3国が合同で大規模結界を張り巡らせ、エイリアンの侵入を阻止しようとしているようですが、間に合わず、連合内の数カ国が酷い状況だと・・・。現在はテンペテルラまで敵に押し込まれているそうで、必死の防衛戦をしているようです・・・」

「なんということじゃ・・・」

魔法世界(ムンドゥス・マギクス)は火星にある。これは地球のマグル(魔法の使えない人)達には内緒なのだが、魔法使い達はこの火星にある魔法世界を故郷としているのである。実際には移相をずらした幻想世界なのだが、直接火星行き入り込めば魔法世界に入ることは可能なのである。無論今のところマグルが火星に人を送るすべはないのであるが。

しかしセカンドインパクトの混乱の際、魔法使い達は当然魔法世界へ逃れたのだが、その時マグル達もこの世界へ大勢逃れてきた。これは顔見知りのマグルを捨て置いていくのは忍びないというもので、数万人のマグルの人々が魔法世界にゲートを通って移住したのである。

そんな彼らが作った町が『ユートピアコロニー』だった。オスティアのさらに海を越えた北に位置する島に作られ、連合の援助を得て生活をしていたのである。学園長の友人達も数多く暮らしていたのだが・・・。

「・・・その化け物の正体はわかっておるのか・・・」

「いえ・・・ただ、誰が名付けたのかはわかりませんが『BETA』と呼称しているようです・・・。現在第三新東京市に襲来している『使徒』との関連は不明です」

「元老院はどう動くかのう・・・。あの連中が素直に地球のマグルに対して救援を頼むなんぞありえんじゃろうが・・・。セカンドインパクト時、マグルの難民の受け入れすら渋っておったからのう・・・」

「はい・・・今のところ何も・・・」

「た?・・・デスメガネ君はどうするのじゃ。魔法世界へ行くかね?」

「いえ、学園長・・・。現在麻帆良には様々な勢力が侵入を試みています。私がいなくなれば戦力が下がり子供達の安全も脅かされます・・・。残念ですが私を含め魔法先生たちはここを動くことはできません」

「そうじゃな・・・しかし、君もまだ名前を思い出せんのかね?」

「はい・・・学園長もですか・・・」

「うむ・・・なぜか『ぬらりひょん』という名前しか浮かばん。不思議なことにこの名前で書類を決済しても問題なく通る。さらには銀行で金すら引ける・・・。なんらかの魔法(?)が働いておるようなのじゃが・・・原因不明じゃ」

「はい・・・。私の名前が書いてあっただろう全てのモノに『デスメガネ』と書き直されていました。それに記憶にも欠損が多々あります。とはいえ、それが不快というわけではないのです・・・」

「そうじゃな・・・。朝から申し訳なかったの・・・」

「いえ・・・」

「しかし・・・火星が滅べば次は地球・・・。今行われておるサードインパクトを防ぐための使徒戦を勝利してもまた次の脅威がやってくるか・・・。神はなぜにこうまで人に試練を与えるのかの」

麻帆良のぬらりひょんとデスメガネが己の名前を取り戻すのは、まだしばしの時が必要であった。また元老院が地球に救援を求めるのにもまだ数ヶ月の時が必要である。


「戦自を解体させるですと!!田中大臣、突然何を言い出すんですか!!」

ドン!!と軍服を着た白髪の老人が机を拳で叩く。

「落ち着いてください、沖田海将。なにもすぐ全てを無くしてしまうというわけじゃない。まずは私の話をじっくり聞いてはくれないか」

「しかし・・・ふぅ・・・わかりました。では、最後まで聞きましょう」

「ありがとう。実はね、現在政府内では『新たな軍』の創設を準備しているんだ」

「新たな軍ですか?現在でも3つの、いや細かく言えば4つも軍事組織を抱えている我が国にこれ以上何を作ろうと?」

現在日本には防衛庁が管轄する『自衛隊(陸・海・空)』がある。しかしこの部隊の大半は『国連軍』の傘下に入っており、一般的には彼らは『国連軍』という扱いである。

日本に駐留する国連軍の大半は自衛隊だが、『太平洋艦隊』はアメリカ軍を中心とした艦隊であるため、日本の国連軍には二つの勢力が一緒に存在していると言ってよい。

2003年に起きた南沙諸島を巡る中国とベトナムの衝突を受け、日本も『独自』の戦力確保が必要となり、新たに国防省が作られ『戦略自衛隊』が創設された。

戦略自衛隊の規模は日本の国連軍の四分の一程度だったが、政府直属なためいちいち国連を通さなければ出動を依頼できない国連軍と違い扱いやすかった。なので装備は優先的に最新鋭のものが彼らには配備されており、またつくばの理化学研究所を組み入れ『戦略自衛隊技術研究所(戦自研)』に変えると多額の予算を出して新兵器を研究し、この数の不利を覆そうと試みていた。

また、さらに日本には『特務機関ネルフ』も存在している。

ネルフの情報は秘匿されており、内情は窺い知れないのだが、サードインパクトを防ぐため『使徒』と呼ばれる化け物を撃破するロボットを所有しており、軽視できない存在であった。

使徒には既存の兵器が役に立たないことは最初の使徒戦で国連軍が証明しており、戦自も開発中である陸上軽巡洋艦『トライデント級』では歯が立たないと結論付けられていた。唯一、戦自研では『陽電子砲』が試作されており、これをトライデント級に搭載できればもしかするのではないかと期待を集めていた。とはいえ、トライデント級の完成は6年後を目指しており、今はただの欠陥兵器でしかない。

それとネルフは『使徒戦のみに特化している組織』であり軍事的脅威にはなりえない。ただ国家の予算を湯水の如く浪費する『金食い虫』であり、その煽りを戦自が受けているため国連軍よりも彼らの恨みは深かった。

「雪広重工と那波重工の提携話は聞いているかね?」

「ええ・・・どちらの会社とも戦自と関係は深いので・・・」

「なぜ今までライバル関係だった両社が急接近したか・・・その訳はこれだ」

そういうと田中は封筒から十数枚の書類と写真を取りだし沖田に見せる。

「・・・これは?ロボット?!まさか!!」

「『戦術機』と言うらしい。すでに開発は完了し、現在3機がテストの最終段階だそうだ・・・。ビデオもあるよ、見てみるかね?・・・信じられん性能だよ・・・」

そう言うと田中は机の上に置いてあるテレビのリモコンを操作した。
その映像には戦術機と呼ばれる機体が滑らかな動きで広大な訓練場を走り、遠くの的に正確な射撃を行っているものだった。それは沖田に衝撃を与えた。

「戦術機は雪広重工が開発した・・・。信じられんことにいままでこのことは全く露見していなかった。あの内調も驚いたそうだよ。那波重工はすでに戦術機を輸送する輸送艦と潜水母艦の製造に入っているらしい。この海神(わだつみ)という機体は水中を動けるんだそうだ、信じられないだろう?もちろん政府は一切この開発に金を出していない。完全に彼らの金だけでここまでこぎ着けたというわけだ。最初に話を聞いたときは「ありえん、なんの笑い話だ」と思ったが・・・どうやら本当のようだ。鈴木次官が直接長崎に見にも行っている。私も機会があれば視察に行きたいものだが」

「・・・それで、彼らはこれを政府に売りつけに?」

「いや、買ってもらう必要は無いと・・・。建前としては、これは『使徒』との戦いでネルフが敗れたときの『保険』として作っているだけだそうだよ」

「そんな馬鹿な!!これだけの兵器をどこにも売るつもりが無いだと!!少なくとも数千億、いや数兆の金が無ければこのような開発は無理ですよ!!」

「・・・可能なんだそうだよ・・・所謂『天才』の力があればね」

「天才?」

「碇ユイという名を知っているかね」

「碇ユイ??いえ・・・いや、そういえばネルフの司令が碇という名前でしたな」

「ああ、現在ネルフの使徒戦で使われているロボットの開発主任だった女性だ。学術分野の世界ではセカンドインパクト前から天才として有名だったそうだよ。ネルフの碇司令は彼女の夫だ。今は別居しているそうだが」

「それで?」

「実は彼女は10年前に事故で死亡したと思われていたのだ。しかし、実際は雪広が彼女を匿っていたらしい。詳しい理由はよくわからないのだが・・・。また彼女は事故の影響で記憶喪失なのだそうだ。だが天才は天才・・・。雪広は極秘に碇ユイを使ってネルフのロボットに対抗できる機体、つまりこの『戦術機』を研究開発をしていたのだ。そして完成とほぼ時を同じくして使徒もやってきた。・・・もはやこのことを隠す必要もなくなったということだろう」

「・・・」

「偶然か必然かはわからんが、現在使徒を2体撃破しているネルフのパイロットは彼女の息子だそうだよ。つまりはネルフの司令が夫、雪広の新兵器の開発責任者が妻、ネルフのロボットのパイロットが息子というわけだな・・・。この息子もとんでもない。戦術機のOSは彼が作ったらしい。そのビデオには映っていないが『陽炎』という別の機体は彼の設計だとか・・・。蛙の子は蛙なのだな。補足するとこの息子は雪広の娘と婚約しているそうだよ・・・。いつのまにやら日本は雪広と碇家に乗っ取られ寸前という状況だ・・・」

「それは・・・不味いですな」

「しかし、確かに不味くはあるがこれは大チャンスでもある。雪広・那波を取り込み、碇ユイをも取り込めば国力の大幅な増強になる。雪広によると戦術機以外の革新的な技術も開発されているらしい・・・。ということで・・・」

「まさかそれで戦自を解体して雪広にそっくり渡すとか言うわけではないでしょうな」

「そこまでは言わんよ。しかし、新たな組織を立ち上げるチャンスでもある」

「ふむ・・・。それが『新たな軍』ですか。まあ、戦自は規模も数万人と小さいですから・・・。しかし、彼らをどうやって取り込むおつもりです?大臣」

「最近雪広からのエージェントが各省庁、そして様々な政治家と面会している。私ももちろん話したが・・・これがまだ若い極上の美女でな・・・しかし相当なやり手だ。あれほどの手腕は私が秘書時代に世話になった元総理くらいだな・・・。彼女の話では『将軍家』を復活させ『斯衛(このえ)軍』を創設する計画なのだ。この軍に戦自と雪広の私兵を合流、再編して作り上げるそうなのだよ」

「・・・すみません。もう一度言ってもらっても?」

「将軍家を再興するんだそうだ」

「・・・はぁ」

沖田は田中大臣は頭が狂っているのではないかと正気を疑った。

(将軍家だと??一体全体なんのことなんだ・・・)

「大臣。要約しますが、雪広・那波両財閥は天才碇ユイの力で極秘に戦術機と呼ばれる機体の開発に成功。目的は使徒戦と言っていますが、実際はその力を持って将軍家を再興、斯衛軍を創設する。大臣はそれに乗って国力を増強するため、戦自を解体してその斯衛軍に合流させ影響力を有しようと思っている。でよいのですか?」

「そうだ」

「夢物語ですな・・・荒唐無稽ですよ」

「だが・・・すでに根回しがほぼ済んでいる。戦自の土方陸将も昨日賛成してくれたよ。防衛庁は蚊帳の外だが、その他の各省庁間では事務次官級の協議がもう始まっている・・・。そもそも総理以下主要閣僚が推しているんだ。さらには国連事務次官まで軍承認の準備が出来ているそうだよ・・・。これは本当に本当に内緒だが陛下も乗り気だ」

「つまりは外堀も内堀も本丸も埋まっているわけですか・・・それで私が最後ということですか?」

「まあ、そういうことだ。君には不快に思わないで欲しいのだが、これはたった一ヶ月ほどで急にまとまった話なんだ・・・。先日就任したばかりの統合幕僚長は必死に反対していたんだが・・・どういう説得を受けたのやら・・・翌日には手のひらを返してこの件の推進派になっていたよ。・・・資金もかなり集まっているようだ。まさに魔法だよ」

「それで将軍家ですが『徳川家』を担ぎ出すのですか?」

「いや、なんでも『煌武院』という家の若い娘だそうだが・・・」

「・・・・・・・・・・・・誰ですそれ?」

「わからん・・・。私だって聞いたことがない。なにやら皇家に連なる家柄だとか・・・。しかし、宮内省によると確かに『煌武院』という名家は存在しているし、陛下に近い高貴なお方であるのは間違いないそうだ」

「大丈夫なのですか?彼女は御神輿ではなく実権もあるのでしょう?」

「うむ・・・。無論その辺りは君たちの力が必要となるだろう。ぜひ協力してあげて欲しい。斯衛軍は所謂『ロイヤルガード』だ。今の戦自よりも格式は高いし、自衛隊への命令権も有させるつもりだ。あのネルフへの対抗という意味もある。そして周辺諸国への抑止力にもなってもらいたい」

「戦術機はどれくらい配備ができるのですか?予算とかは・・・」

「・・・予算は人員の人件費だけで結構だそうだ。その他の経費は雪広、那波、碇の3家と煌武院家を含めた名家、皇族、さらには個人、企業からの寄付金で賄うそうだ。すでに戦術機は今年中に200機以上、CP車両や輸送車、補給車など1000車以上を配備するそうだ。その費用はすでに集めたので日本政府にこの分は出してもらわなくて良いとのことだ。現在ナガサキに戦術機の基地も出来ていてパイロットの訓練も行えるそうだ。とりあえず実戦配備は2ヶ月後ということになっている」

「・・・え・・・なにそれこわい」

「私もこわいよ。この話は一ヶ月前に突然出てきたが・・・いつのまにやら陛下にまで根回しをしているんだ。実際は相当前から話は進んでいたのだろう。我々が馬鹿な国民を嘘の公約で騙して政権交代を果たした時、前政権からこの件の引き継ぎを受けなかったから知ることができなかったのではないかと思っている。まあ、別段問題は無い」

「問題しか無いと思いますが・・・それでこの件の発表は?」

「今日の18時に首相が発表する手はずだ」

「・・・・・・本当に私が最後だったのですね」

「心配するな防衛庁の奴らも知らんよ。あいつらは国連軍に近すぎて海外に情報を漏洩してしまうからな。それとネルフもな。いやーあいつらの驚く顔が直に見れないのが残念で仕方ないよ」

「確かに・・・」

「おお、忘れていたが戦自では少年兵を飼っていたな」

「はい。トライデント級のパイロットとしてですが。まあ、戦術機が世に出た以上研究は中止でしょうが」

「別に研究を止めろとまでは私は言われていないが、、、そこに女の子はいるかね?」

「・・・ええ、何人かはいるでしょう」

「年は14歳で容姿の良い女児を1人用意してくれ」

「なぜです?」

「碇ユイ博士の息子にあてがうのだよ。彼は将来の雪広・那波両財閥を統合した碇財閥の初代会長になることが決まっているらしい。パイロットとしても優秀だが研究者としても碇博士を超える才能があるらしいのだ。とにかくスゴイそうなのだよ!さらに英雄色を好むというのか女好きでもあるらしい。無論スパイ目的で彼に近づけるほど甘くはないが、それでもとりあえず送り込んでおくだけでも価値がある」

「なるほど・・・確かに・・・。わかりました、スパイ云々は無しにして碇博士の息子に1人あてがいましょう。後々、なにで役に立つやらわかりませんからな」

「ああ、まあ、同じようなことを考えている所は他にあるだろうがな・・・」

「そう思うと彼も大変ですな。ハニートラップ盛りだくさんだ。羨ましいやら・・・」

「そうだな。少年兵の女児に某国の女だけは彼に近づけさせないよう言っておいてくれたまえ。彼が愚かなハニートラップにかからないよう注意させることだ」

「ええ、それだけでも重要な任務ですな」


その日の夕方、首相官邸より緊急の発表が行われた。

マスコミ各社は首相はとうとう退陣を決断か?いや内閣改造だ!と囁きあっていたが、実際はもっととんでもないものであった。

内閣総理大臣『榊是親』より発表された内容は以下の通り。

『戦略自衛隊を解体、新たに創設される『斯衛軍』に統合。斯衛軍を率いるのは陛下に新たに任じられた政威大将軍『煌武院悠陽』。彼女には日本国国務全権代行の地位も与えるが、当分の間政務は引き続き内閣が行うものとする』

『必要な憲法・法律改正を明日の通常国会で行う。すでに主な野党との調整は完了』

『斯衛軍(ロイヤルガード)は自衛隊の上位組織で有り、その命令権を有する』

『国連事務次官『珠瀬玄丞斎』より斯衛軍を国連が承認。天皇直属の軍隊として認定する。いかなる勢力からもその『独立権』は犯されない。いかなる機関の超法規的処置の対象外とする。但し委員会、ネルフ、国連軍などからの要請には適時応じる』

『雪広重工業により次期主力兵器『戦術機』の開発・量産に成功。斯衛軍に今年中に200機配備する。これにともない、生産力強化のため那波重工業と業務提携。将来の統合を目指す』

『雪広重工業・那波重工業の両社は斯衛軍を通じて国連軍に正当な価格での戦術機の納入義務を課す。但し国連軍以外の第三国への販売はこれを認めない』

『『戦術機』開発総責任者『碇ユイ』を斯衛軍技術二佐に任命する。『戦術機』OS開発責任社『碇シンジ』国連軍三尉を斯衛軍一尉に任命する。併せて国連軍一尉に昇進させるよう申請する。引き続き碇シンジ一尉は現在所属している部署にて作戦行動を取る事』

『斯衛軍の発足は9月1日。また戦術機の発表会を防衛庁が後援し日本重化学工業が旧東京にて開催を予定している『JA』の発表会と併せて行う。マスコミ諸君は防衛庁に取材の申請を行うこと。テレビ中継もこれを認める』

『詳しい内容については会場外に冊子を用意したのでそれを読むこと』

この首相の発表を聞いていたほとんどの記者はポカーンだった。
一体なにから突っ込んでいいのかわからないまま、首相はさっさと壇上を降りて会場から去ってしまった。しばらくして再起動した記者達は一斉に会見場を走り出たのである。


<<原典破壊ボーナス(極大)>>
『戦略自衛隊が解体された。そして斯衛軍が設立された。これにより原典における『戦自によるネルフ侵攻』が無くなった。但し、ネルフ侵攻のフラグが折れたわけでは無い。注意したまえ。ボーナスとして5000万ポイントを進呈する』


「いやー大騒ぎになってるね」

シンジはまるで人ごとのように、国営放送のニュース番組を眺めながら言った。

「騒ぎというより、これからどうなるのかわからなくて混乱してるんでしょう」

「でも~よかったです。パパがシンジ君のお役にたって」

シンジの左右に座っている女性は、先日呼び出した『榊千鶴』と『珠瀬壬姫』である。

2人は夕呼からの要請で残っていた1000万ポイントの内、200万ずつ、併せて400万で召喚した。彼女たちの能力というよりも彼女達の『親』が必要になったのだ。

榊千鶴の父親は『総理大臣』、珠瀬壬姫の父親は『国連事務次官』なのである。

オプションで指定し召喚すれば彼女達の父親もこの世界の該当人物と入れ替わって出現するのである。もちろん、召喚せずに操祈を使って総理などを操っても良かったのであるが、操祈の力も万能では無く、言われたことしかできない上、ふとしたことで元に戻ることもあるため、このような処置が取られた。この2人を使って周りを説得していき、どうしても反対する人物のみ洗脳したのだ。まあ、そうした人物はたったの数十人程度であり、大半の政治家、官僚、軍人達は説得できた。副次的な効果として様々な勢力に買収されている人物を発見することができ、諜報部は大喜びである。

呼び出された榊千鶴と珠瀬壬姫の両名はナガサキには行かず、第二東京で父親達の仕事を手伝ったり、家事をしたりしていたのだが、今回の発表を受けシンジの所に戻ってきていたのである。
不満を持ったどこぞの過激な輩が彼女達に危害を加えないとも限らない。情勢が少し落ち着くまではここに避難していた方が安全だからである。

そしてシンジも可愛い女の子を二人こうして侍らせることが出来て大満足なのだ。

といっても、現在部屋には美羽、七乃、あやか、千鶴(那波)、夏美、エリナ、あずみ、ユイ、キョウコ、操祈に聡美もおり、総勢13人のハーレムが形成されていた。

それともう一人『煌武院悠陽』という女の子も500万ポイントで召喚している。彼女は現在も第二東京におり、側には夕呼とまりもが付いていた。


シンジは先ほどから千鶴(榊)のその豊満なおっぱいを手で揉んで楽しんでいた。

とうとうシンジ君が『FSS(太ももスリスリ)』から『OMM(おっぱいモミモミ)』に進化したのである。これは実はこの場に今はいないがレイの協力の賜である。

シンジに従順なレイは都合の良い人形であり、ダッチワイフ状態な女の子なのだが、そのおかげでシンジにとってセクハラし放題の女の子でもあった。まあ、一般的な知識が欠落した、心が育っていない少女をセクハラしまくるとかお前『鬼畜ヘタレ』過ぎるだろと頭の中の神が囁いたが、それでもシンジにとってレイは女の子に馴れるのに最適な子だったのだ。

レイもシンジにかまってもらうのは嬉しいらしく、ヒゲのことは忘れ、シンジに深く依存していった。まあ、ほどなくそれに気がついたユイにバレ、シンジがレイにセクハラをするのは控えさせられるようになる。レイもユイからいろいろと教わることになった。

ユイに怒られたシンジだったが、レイで馴れたOMMをまず鬼畜にも美羽で試し、次に七乃に頼んで揉ませて貰い・・・アヤカに頼んで揉ませて貰い・・・と1人1人順番に頼んで揉ませて貰い、ようやくOMM初心者を脱したのである。無論まだまだ中級者へのランクアップは遠い訳だが。


ただ、ヒカリだけはちょっと揉めた。それはもちろんおっぱいだけの事ではない。
頭が少しおかしくなっていたシンジは、こともあろうに教室でヒカリの胸を揉んだのである。別にそれ事体はよかったのだが、一部始終をトウジに見られ殴りかかられたのだ。
無論、あずみによってトウジはあえなく成敗されたのだが、この頃トウジはどういうわけか『チルドレン候補生』になっており、ネルフ内でちょっとだけ問題になったのだ。

そのせいでリツコから『教室で女子生徒のおっぱいは揉んじゃだめよ』と注意される始末だった。マヤは『うう、不潔だけど・・・シンジ君なら許せるかも・・・』と悩んでいた。どうやら彼女は今日も順調のようである。

「じゃあ、どこで揉んだらいいんですか!こんなことでいちいちリツコさんに怒られてたら、僕もう控え室とか家でしかおっぱい揉めないじゃないですか!僕はただ、女の子のおっぱいを揉んだら、何か興奮することに気がついただけなんだ!」

そんなシンジの主張はリツコには響かなかったらしく、彼は保安部の面々によって連れて行かれた。あの強いシンジが大人しく連行されたことで保安部の面目は大きく躍如されたのである。別段シンジ君は『様式美』に従っただけであるが。

始末書を書かされたシンジは仕方が無いので控え室と家だけでOMMすることにした。

一応控え室のカエデにOMMしていいかと聞いたら快く応じてくれたので、勇気は出して見るものなんだなーと感動した。愛と勇気だけが友達のとあるパン男ならどれだけのことができるのだろうか・・・そう思うとなんだか胸が熱くなるシンジだった。

しかし、おっぱいというものは奥が深い。もちろん太ももだって人によって違う訳なのだが、おっぱいの奥深さには勝てないと思う。巨乳も良し、ちょうど良い美乳も良し、微乳だって揉み甲斐がある。美羽や壬姫のような無乳だって微笑ましくてシンジは好きだ。しかし、ただ欲望のままにOMMしていたシンジだったのだが、ある日はっと気付いた。

「だめだ!こんな独りよがりのOMMじゃ!女の子をただの『道具』にしか思っていないじゃないか!!ああ、なんて僕はだめなヤツなんだ。これじゃただの変態だ!僕は変態じゃない!仮に変態だとしても変態という名の紳士なんだ!!」

この日からシンジはOMMを一時封印した。

ハーレムメンバー達は「何か悪いものでも食べたんだろうか?」と心配したが、シンジは控え室や家で座禅を組み瞑想にふけるようになっていた。

しばらくして、ようやくなにかに気がついたのか、立ち上がると外へ買い物に出かけていった。

次の日、シンジは大きな三角定規でヒカリのスカートを持ち上げパンツを覗こうとしていた。別にそれ事体は問題無く、ヒカリはたいした抵抗もせずにパンツを見せてくれたのだが、再びトウジがシンジに殴りかかった・・・。それ以降はテンプレ通りである。

「教室でスカートめくり・・・小学生じゃないんだから。シンジ君、なんでこんなことをしたの?」

「僕もまた大きい三角定規におどらされただけの犠牲者の一人にすぎないってことさ」

「連れて行きなさい」

シンジは再び保安部に連れて行かれた。「いやスカートめくりくらいいいじゃないか」、「殴りかかった候補生の方が悪いだろ・・・」という擁護の声も出たが、シンジはきっちり始末書を書いたのであった。


「やれやれ、『生きるのって難しいね』」

「シンジ様・・・さすがにAGEキャラは止めましょう。収拾がつかなくなります」

「え?うん・・・。よく意味がわからないけどそうするよ」

「でもなんでシンジ様はスカートめくりを?パンツくらい毎日見てるではないですか」

「うん、反省して初心に返ろうと思ったんだ。でもよく考えたら僕ってクラスで孤立してたし、小学校時代に女子にスカートめくりなんてとてもじゃないけど出来なかったから・・・。だからスカートめくりから始まって徐々に『DQN』は成長していくのかなって考えると、僕もとりあえずめくることから始めてみようかと・・・」

「シンジ様は今でも十分『DQN』ですから大丈夫です。というよりシンジ様は『DQN』になりたかったんですか??」

「え?そりゃあ、あの横暴さがあれば人生楽しいかなって思わない?六○木で『関東○合』とか名乗りたいじゃないか」

「そんな危ないことをしてはだめです!シンジ様。私たちであればいくらでもFSSでもOMMでもスカートめくりでも何でもしていいです。だから誤った道には進まないで下さい。私たちでその『ク○吉道』とやらを極めてもらえれば良いと思います」

「アヤカ・・・ありがとう。こんな僕のために・・・(ノд・。) グスン 」

「え・・・ええ・・・もう、今更なんでも結構ですわ・・・」

こうして、シンジはハーレムメンバーに対し再びエッチなことをはじめたのであるが、その一方で今までより優しくFSS、OMMをするようになった。メンバーが止めるように言えば素直に止めるようにもなった。もちろんすぐに別のメンバーの所に行くのだが。

まあ、長々と何が言いたかったかというとおっぱいは至高だということである。
まだシンジが『お尻』のよさに気がつくまではしばしの時が必要になるのである。

ちなみにさすがのシンジ君も母親であるユイの胸は揉みませんでしたとさ。


「それにしても大きいわねぇ」

ミサトはトウジとケンスケを伴い第四使徒の回収・処理作業を見学に来た。
本人はさほどというか全く興味が無かったのだが、ケンスケにどうしてもとせがまれやって来たのである。早速使徒の死骸を見に行った2人を放って、ミサトはリツコが作業をしているプレハブに入った。

「ふー冷房が効いてて気持ちいい。エアコンは人類史上最高の文明の利器よね」

「なに?邪魔しに来たの?」

「冷たいこといわないでよー。『敵を知れば百戦危うからず』って言うでしょ。使徒を実際見に来ることは意義があるでしょ」

「敵を知って『己も知らなくちゃ』ダメなのよそれ・・・」

「そんな細かいことはいいのよ。で、何かわかった?」

「よくわからないことが『わかった』わ。使徒の肉体は粒子と波の二つの性質を持っていること、それと固有波形パターンは人間のDNAと99.89%一致していることよ」

「使徒って人間なの?」

「いいえ、でもチンパンジーなどの猿類よりも人間に近いわね・・・」

「それって」

『どういう意味?』とミサトが聞こうとしたところで、なにやら外が騒々しい。

ミサトはプレハブの窓から騒ぎの声が聞こえた方を見る。

視線の先には青色の軍服を着ている女性とヒゲ司令が使徒の死骸を見ながら話をしているようだ。
隣には同じ青色の軍服を着たシンジがいる。あの凶悪メイドは黒色の軍服を着て側に控えていた。それ以外にもミサトは誰かわからないが千鶴(榊)と壬姫が赤色の軍服を着てここに来ていた。あずみも望めば赤が着れたのだが、別に普段はメイド服なので着ないし、そもそも目立たない方が護衛がし易いということで黒を着ている。

「誰アレ?」

「碇ユイ二佐ほか斯衛軍の人たちよ。シンジ君もネルフと斯衛の両方に所属してるから・・・今日は斯衛の立場でここに来たのでしょうね」

「いいの?部外者をここに入れて」

「碇司令が許可してるんだからいいのよ」

リツコは不機嫌な表情でそう答えた。

「ふーん・・・それって、もしかして『公私混同』じゃないわよね」

「・・・ええ、あちらからの要請に応えただけなんだから。そうなんじゃないの」

「なんでリツコが機嫌悪いのよ。まあ、調査が邪魔されるのは仕方ないけどさ」

「別に機嫌は悪くなんかないわ。ただムカついているだけよ!」

「・・・・・・(これは触らぬ神になんちゃらなしかな)」


「これが使徒・・・」

ユイはおそるおそる使徒の表面を触る。別世界のユイは確かに優れた研究者であったが、兵器の研究者ではなく脳科学者であり、この2ヶ月ほどの猛勉強でなんとかこの世界の成り立ちなどを覚え、さらには兵器について、そして自分が開発したことになっている『戦術機』について勉強していたのである。しかし、百聞は一見にしかず。実際に使徒を間近で見て触れてみて今更ながらにその存在を実感したというのが正直な感想だった。

「ああ、人類の敵だ」

隣でヒゲがユイと同じように使徒に触る。
その際ヒゲが手袋を外したため、その手のひらの火傷痕がユイの目に入った。

「ゲンドウさん・・・その火傷・・・どうなさったんです?」

「ん?これか・・・これは、数ヶ月前にレイの乗る零号機の起動実験があったのだが、その際に事故があってな・・・その時のケガだ・・・」

「後遺症などないの?」

「ああ、問題ない」

ユイはヒゲの手を取ると火傷痕を見た。別段このヒゲは本物の夫ではないので、とくに彼に愛情があるわけではないのだが、一応姿形は自分の夫なのだし、心優しいユイは心配してケガの状態を見たのである。別に他意はない。

ヒゲからすれば内心してやったりであった。もちろんユイにケガをわざと見せるために手袋を脱いだのである。ケガを見せて嫁さんに心配してもらいたいというしょぼい計画が見事成功し大喜びであった。今回の視察の申し出もユイに会えるというので、この件を補完委員会に諮りもせずに許可を出したくらいである。

そんな彼らの様子をプレハブから見ていたリツコはまるで鬼だったとマヤは語った。

シンジはぺたぺたと使徒を触っているレイの後ろで「使徒に触るくらいなら、レイのおっぱいに触りたいなー」とのんきに考えていた。

初めて見る斯衛軍の軍服に興奮したケンスケが無断で千鶴達の写真を撮り、トウジとともにあずみにボコボコにされたのは余談であり、どうでもいい話である。


Bパートに続く



前を表示する / 次を表示する
感想掲示板 全件表示 作者メニュー サイトTOP 掲示板TOP 捜索掲示板 メイン掲示板

SS-BBS SCRIPT for CONTRIBUTION --- Scratched by MAI
0.040354013442993