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No.2937の一覧
[0] みなが幸せになるために 逆行 LAS[翔矢](2008/05/12 23:28)
[1] 第零話「逆行」[翔矢](2008/05/12 23:28)
[2] 第一話「使徒再び」[翔矢](2008/05/12 23:28)
[3] 第二話「シンジ学校へ」[翔矢](2008/05/12 23:28)
[4] 第三話「戦う為に」[翔矢](2008/05/12 23:28)
[5] 第四話「レイとの出会い」[翔矢](2008/05/12 23:28)
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[2937] 第四話「レイとの出会い」
Name: 翔矢◆663b9378 ID:9a288620 前を表示する
Date: 2008/05/12 23:28
「シンジ君、頼みがあるの」

「なんですか?」

この日、リツコはミサトに食事を誘われて葛城家に来ていた。
そして、食事も半ばでそれぞれが食べる事よりも話すことに重きを置き始めていた頃、リツコはふと思い出したように言ってカバンから何かを取り出す。

「綾波レイの更新カード。渡しそびれたままになっててね。悪いんだけど、本部に行く前に届けてもらえるかしら?」

そうリツコに頼まれたシンジは快く了承した。
そして、カードを受け取りそこにあるレイの写真を僅かの時間見つめながら、今度はどうレイに接していこうかと考えていた。

みなが幸せになるために
第三話『レイとの出会い』      by翔矢

カードを受け取った翌日。シンジはレイの家の前に立ち、インターフォンを押した。
しかし、やはり以前と同様にそれは壊れて役に立たず、扉を叩いても返事は返ってこなかった為に、シンジは無断でレイの家に入る。
そして、家に入ったシンジは玄関からレイの名前を呼ぶが返事は無く、仕方なしに部屋の奥へと進んで部屋全体を見回すと、やはり以前と同じく殺風景な部屋で、家具や置物の類は必要最低限にしか用意されていない。
そして、さらにぐるりと首を巡らして周りを見たシンジは、机の上に置いてある壊れたメガネを見つけると、それに近づき手に持って眺め、頭の中の記憶の糸を手繰りながら物思いに耽る。


確かこれ、前の時もあった。そして、僕がこれを手に持って眺めてたらシャワーから揚がった綾波が出て来てひったくるように取り上げたんだ。
でも、何でこんな物大事そうに取って置いてあるんだろう?
ん?…待てよ、このパターン、前と同じに進めば確かこの瞬間綾波が…


しかし、シンジの考えはここで途切れた。
なぜならば、シャワールームから出てきたレイが、首からバスタオルを一枚掛けただけで出てきたから。
この出来事にシンジはうろたえるが、レイは一歩ずつシンジに歩み寄る。
無言で近付くレイに対して、シンジはパニックに陥って意味不明の言葉を吐き出すが、そんなシンジには目もくれずに一直線にシンジの元へレイは向かうと、シンジの目の前でピタリ…と立ち止まり、シンジが手に持ったメガネを奪うようにして取り返した。
そして、こうなる事を知っていたはずのシンジなのだが、パニックになってしまった今となっては何の対応も出来ず、メガネを奪い取られた反動でバランスを大きく崩すと、レイを押し倒す形で床に倒れこんだ。





なんとか更新されたカードを渡す、という元々の用事を終えたシンジはレイと一緒に本部内の長いエスカレーターに一段違いで乗っていた。
しばらくは黙ってエスカレーターに乗っていたが、やがてシンジが口を開く。

「あの…さっきは、ごめん」

しかし、レイから帰ってきた返事は「なにが」というそっけのない言葉。
シンジはそれに対して「押し倒したこと」と答えるが、それに返事は無く、再び沈黙の時が訪れる。


………………


………………


………………


………………


そして、この沈黙をシンジは再び破る。

「あのさ、今日はこれから再起動の実験だよね?」

レイに問いかけるシンジだが、レイはまるで自分に聞かれてるのに気付いていないかのように返事を返さない。
だが、シンジはそれでもしゃべり続ける。

「こ、今度は上手くいくといいね」


………………


………………


………………


………………

再び流れた沈黙。またもシンジがそれを破る。

「あの、さ…綾波はまた零号機に乗るの、怖くないの?」

そして、漸くレイも返事を返した。

「どうして?」

レイから返事が返って来た事にシンジは内心安心しながら、会話を続ける。

「前の実験で大怪我したって聞いて。それで、平気なのかな、って」

「あなた、碇司令の子供でしょ。信じられないの?お父さんの仕事が」

レイの言葉にシンジは何とも複雑な表情をして答える。

「…正直、良く分からないよ父さんの事は。あまり父さんとは話さないし、父さんから話してくれたりもしないし」

その言葉を聞いたレイの口調に始めて感情が―僅かではあるが―篭る。

「そう…そうやってあなたは自分から挑戦して、傷付くことを恐れているのね」

「別にそんなんじゃないよ。話せる時間があれば話してみるよ。たぶん、だけどね」

「…時間。もう、行くわ」

話はまだ中途半端だったが、レイは時計を見るとエスカレーターを小刻みに走り降りていく。
そして、エスカレーターにはシンジ一人が残されていた。


そう、今度こそは何事にも自分から挑戦するんだ。そして、必ず前とは違う道を僕は辿る。


シンジは強く心に誓うが、しばらくして心の中で苦笑した。


でも、まずは綾波との関係をどうにかしないとな。これじゃ、前とあまり変わりないし。取りあえず友達にはならないと、な。
……………あの綾波と友達になんてなれるのかな?
…て、いやいや前の時も結構時間経ったらある程度話せてたし、今度はその経験を生かせば案外簡単に心開いてくれるかもしれないよな、うん。

などとシンジが勝手に色々考え、自己完結していたら、エスカレーターはいつの間にか下に到着し、シンジがつんのめったのはおまけの話。





「レイ、聞こえるか?」

「はい」

「これより零号機の再起動実験を行う。第一次接続、開始」

ゲンドウの言葉により始まった再起動実験は順調に進み、一つ、また一つと壁を突破していき、遂に前回失敗の絶対境界線の突破を成し遂げた。
と、その時だった。未確認飛行物体、すなわち使徒の接近が報せられる。
その報を受けたゲンドウはすぐさま命令を与えた。

「テスト中断、総員第一種警戒態勢」

そう言ったゲンドウに冬月が訝しむ用に訪ねる。

「零号機は戦闘には使わんのか?」

この冬月の問いにゲンドウは表情一つ変えずに淡々と事実を述べると、今度はリツコに問う。

「まだ戦闘には耐えん。初号機は?」

「380秒で準備できます」

それを聞いたゲンドウは一言「出撃だ」と命令を与えると、レイに話し掛ける。

「再起動は成功した。戻れ」

その言葉を聞いたレイは緊張を解き、軽く息を吐き出した。
そして、ふと先ほどの自分の言葉を思い出し、浅い物思いの海へと沈み込む。


自分から挑戦して傷付くことを恐れているのね
私も…自分から何もしていないのは、彼と同じなのかもしれない…





使徒襲来を受け、出撃の命を受けたシンジと初号機は着々と準備を整え、やがて発進可能状態になる。
それを待っていたかのように、ミサトは凛とした声で出撃を告げる。

「エヴァ初号機、発進!」

しかし、初号機が発進されたのを感知した使徒が迎え撃つために、エネルギーを自分の体内中心へと集め始める。
そのエネルギー反応を感知した青葉が慌ててそれを伝える。

「目標内部に高エネルギー反応!」

「なんですって?!」

「まさかっ…?!」

そして指令所が感じた危険は現実の物となった。
使徒は出撃された初号機に向けて高い破壊力を持つ加粒子砲を放つ。
しかし、前回も同じ手を経験しているシンジは、今回は咄嗟にA・Tフィールドを展開して僅かだが、時間を作る。
その隙に、何とか無傷のまま初号機はネルフ本部へと戻った。


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