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No.254の一覧
[0] 腕時計[dexter](2007/10/27 21:59)
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[254] 腕時計
Name: dexter◆b9a6e56f ID:c0ac131e
Date: 2007/10/27 21:59
prologue
今日は最悪だ。
折角の休日だってのに。

彼、宮本聡は相当荒れていた
と言うのも

ヤな夢見るわ。
GKBR(口に出すのも恐ろしい)が光臨するわ。
しかもそのGKBRがなかなか手強くて、
危うく顔に飛びかかって来そうになるわ。
お陰でGKBRの格闘で午前が潰れちまうわ。
何年も生きてきたけどGKBRだけは洒落にならん。
もうあれだ
こうなりゃ取って置いたスピリタスをそのままがぶ飲みしてやらあ。

自棄になりトンでもないことを言い出す聡
聡は自他共に認める酒豪であり、彼によると
「ビール?あんなもん小便と同じよ」
と言い放つ程なのだが
これは何でも無茶と言うものだ
聡は最近の不運が重なり、精神も限界が来ていたのだろう
恐らく本場ポーランドの人もやらないような偉業を成し遂げようとしているのである。
ウォッカの一種でアルコール度数96%を誇るスピリタスは
火気厳禁、この酒を飲んでいるときに煙草でも吸ったら火事になってしまう程で、
普通はカクテルにしたりする物なのだが、
それを聡は一気飲みしようとしているのである
殆どエタノールの原液に近いそれは
威力としては硫酸のそれと遜色無いのだろう
並の大人がビールを一気飲みして死に掛けるのである
聡がどうなるかは想像に難くない

結果、聡はやり遂げた
そう、スピリタス三本を全て胃の中に流し込んだのだ
だが、やり遂げたと同時に聡は睡魔に囁かれた
いや、もしかしたら死神だったのかもしれない
聡は睡魔のささやきに負けてしまい、
ゆっくりと意識を閉じていくのだった…………。
酷い頭痛
頭がクラクラする
気持ち悪い
吐きたい!吐きたい!吐きたい!

聡は酷い頭痛と気持ち悪さで目が覚める
聡は気持ち悪さの余りトイレに光の速さで駆け込み
胃液と胃の中に残っていたアルコールを全部吐き出した
アルコールが逆流する度、また喉や食道が灼けるような感じがする
先程は心地よく思えたそれは今の彼に取って不快でしかなかった
ゲッソリした聡は三分の二ぐらい死に掛けた表情で、
居間に戻っていった
頭がまだクラクラし、目の前さえボヤケて見えない
彼は台所で水を飲み、居間を何となく見渡した
五畳半の居間
テーブルの上には酒の瓶の山があった
そしてテーブルの前には黒いヘルメットのような物を被り、
黒いコートを着ている黒尽くめの奴が居た
そこには意識を失う前と変わらない…………
いや、変わっていた
テーブルの上に散乱する酒の瓶の山
いつも整理しているデスク
いつも付けっぱなしのパソコン
枕元にいつもあるガスガンと文庫本
それは何時もと変わりない
だが…………彼の部屋には異質な存在があった

テーブルの前に胡座をかいている黒尽くめ

誰だ
こんな奴知り合いには居ないはず
泥棒だとしても様子が変
泥棒ならばテーブルの前で堂々と胡座をかいているわけがない

長い沈黙

酒でボヤケた頭が一気に醒めた
そうだ、取り合えずコミュニケーションを取ろう
そうすれば相手も心を開いてくれるはず

聡は意を決して話しかけようとした瞬間
黒尽くめがいきなり声をかけてきた
「こんにちは
いや、今は「こんばんは」かな?
宮本聡君」

沈黙が、破られた
「へ?」
思わず素っ頓狂な声を上げてしまった
「いやしかし凄いね
あんな硫酸三本も一気飲みしちゃうなんて、
あんた人間じゃないよ。うん。」
機械が出す合成音声
声は正しくそんな感じだったが、機械とは違い
人間のように滑らかに話している
その噛み合わない声はその黒尽くめの不自然さを際立たせていた
「あんた誰?」
俺のモットーは「礼に始まり礼に終わる」
親に礼儀の大切さを叩き込まれた俺だが、
そんなことを気にしている余裕は無かった
「ああ、すまんね
いやさ、余りにも気持ちよく寝ていたもんだから
起こしちゃマズいと思って」
「その気遣いは嬉しいけど、そんなことはどうでも良いんだ
お前誰よ?」
何となくお礼を言ってしまう
それにしても本当に誰だろうか
全く見当がつかない
「そうは言ってもねえ
なんか言いづらいんだよな
神様に近い存在だけど、近くない存在だし………
人間よりも優れているけど、神様から見たらそうでもなかったり」
は?
コイツ電波さんですか?
何処の妄想の世界から飛んできた?
疑問は色々あるが一つ言えることは
「訳ワカンね」
って事だ
「まあ、一言で分かりやすく言うと、
超越者、かね?」
「いや、聞かれても分からんし
取り合えず帰ってくれないか?」
もうこれ以上付き合うのは危険だ
今すぐ帰す
コレに尽きる
「信じてくれないか
まあ当たり前だよね
それじゃ見せてあげるよ」
そう言うと黒尽くめ……自称超越者は、
テーブルの上に散乱していた酒の瓶を一つ手に取り、
両手で暖めるように包んだ
「何してんの?」
「まあ見てなよ」
自称超越者は、手に力を込めた
その瞬間
空っぽだった酒の瓶に透明の液体が流れ出ていた
それはゆっくりと増えていき、ついには
買ったときと変わらない、透明の液体が
その瓶を満たしていた
「なんなんだ?」
自称超越者はその液体が入った瓶を俺に突き出す
どうやら飲んで見ろと言うことらしい
正直、得体の知れない物を飲む気には成れなかったが、
仕様がないので少しだけ口に含んでみた
………この口が灼けるような感覚
忘れもしない
さっき飲んでいたスピリタスそのものだった
「何故…………?」
「それだけじゃないよ」
これで度肝を抜かれたというのに、まだあるというのか
「まだあんの?」
「なんか欲しいものある?」
俺の質問には答えず、欲しい物を聞いてきた
「ウィスキーが欲しいよ」
嘘をついても仕方ないので正直に言ってみる
もしかしてくれるのであろうか?
「また酒か、ちょっと待ってて」
そいつはそう言うと、いきなりパソコンをいじり始める
どうやらショッピングサイトにでもアクセスしているようだ
「もしかして、買うのか?」
少し不安がよぎる
「いいや、買う必要なんか無いさ。見てなよ」
そいつはそう言うと、ウィスキーの写真が写っている液晶のディスプレイに
徐に手を突っ込む
「おい、お前何をして……え?」
止めようとしたその瞬間
そいつは、ディスプレイからウィスキーを取り出した
全く持って訳が分からない
「な、え?え?」
俺は最早二の句が継げなくなっていた
「信じて貰えたかな?」
無機質のように聞こえる声には、
ほんの少しばかり喜びが現れていた気がした
「と言うことはつまり、俺をおとぎ話の世界へ連れていきたいと?」
そう言う俺に、超越者は少し頷いた
「うん、そう言うこと
勿論お話は君の好きなので良いよ」
「って言われてもね」
余りにも唐突すぎる
コイツが本物の力を持ってることは分かった
だけど何故、俺の希望を聞こうとするのか
その意図が分からない
「なんでかって?暇だからだよ」
なんとまあ分かりやすい理由だなコンチキショウ
何でもコイツ、この世界に飽きたから、
この世界の人間をお話の中に放り込んで
どうなるか見てみたいらしい
まあ、一言で言えば実験だな
「良いじゃないの
聡は好きなお話の世界へ行ける
俺は其れを楽しく見させてもらう
利害は一致していると思うけど?」
確かに俺も二次元に逃げ込みたいと思ったりすることは多々ある
ただ、其れが実現するとなるとな
色々と混乱するもんだ
「良いじゃないの
今だったらお助けアイテムも貸してあげるからさあ」
「お助けアイテム?」
非常に気になる響きだ
「そう、例えば俺がいろんなお話の世界からかき集めてきた史上最強の軍隊とか、
普通に銃とか
変身ヒーローベルトとか
いろいろあるよ?」
コイツ、精神年齢結構低いんじゃね?
史上最強の軍隊とかふざけているとしか思えん
「さあさあ早く!決めちゃってよ」
「そんなこと言われたって、悩むもんは悩んじゃうの!」
何故にそんなに俺を急かす
慌てなくても良いじゃない
「それじゃあさ、コレどうよ」
超越者(多分中身餓鬼)が差し出してきたのは

一時期社会現象にまでなったあのアニメ

新世紀エヴァンゲリオンのDVDだった

「よりにもよってそれかよ」
エヴァは嫌いではなかったが、主人公が気に食わない
あんなナヨナヨした奴を見ると、アニメのキャラクターと分かっていても
苛ついてしまうものだ
「それじゃあさ、主人公になってくれば?」
「へ?」
また素っ頓狂な声を出してしまう
そんなことができんのか?
「出来るよ」
平然と答えやがって畜生
「お助けアイテム貸してあげるから!
ほら、行った行った!!」
そう言って超越者は俺を玄関の外へ押し出す
何故外に?と思ったが、
外を見た瞬間、そこは
電車の中だった
作者から:
前置き糞長くて申し訳ないorz
所々見苦しい点はあるかも知れないですが、
そこは温かい目で見守って頂ければ幸いです
次回はついに聡がエヴァの世界に踏み込みます
お楽しみに


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