間幕
白い清潔な廊下にいた。
女の人とそこを歩いていた
隣を歩くその人は僕の手を取り、歩幅を合わせ、ゆっくりと歩いている。
これからどこへ行くのかはわからない。
僕は幸せだった。
その道程は、幸せだった。
僕はきっと笑ってて、
隣を歩くその人も笑ってた。
そして大きな部屋に出た。
白く、たくさんの人がいるところだった。
僕を連れてきてくれた女の人は、一番年上らしい人とお話をしていた。話している内容は僕にはよくわからない。
女の人はとても誇らしげに話をしていたように思う。
話がわからなくて視線を周りに向けた。
僕はたくさんの人の中に一人の男の人を見つけた。
僕はその人に走り寄る。
男の人は僕をちらっと見ると、その手を僕の頭に乗せた。
なでられている僕はなんだか気恥ずかしかったけれど、うれしかった。
視線をあげるとその人は、もう僕の方はみていなかった
女の人に向けられている。
女の人を見る顔は、いつもと変わらないように見える。
やがて女の人が僕と男の人に何かを言って部屋を出て行った。
僕が男の人に行き先を聞いても、いつも道理なにも答えてはくれなかった。
やがて壁が動き出した。
そこに見えるのは大きな水槽。
でもそこにあるのは水ではなかった。
なんだかオレンジ色に近い色、でも濁ってるわけではなくて、透き通っている。
海の色が青色のように、この水はきれいなオレンジ色だった。
壁が完全に開ききったそのときにあいつはその姿を見せた。
まるで巨大なロボットのような姿だった。角のついたその顔を見れば、子供がみればそういってはしゃいだかもしれない
でも僕は怖くなって男の人の足にしがみついてた。
男の人はそれにかまわず真剣な顔で手元の作業を続けていた。
僕に声が向けられる。
大丈夫だよとその声は言った。
すると、僕を呼ぶ声がする。そちらに目を向けると先ほどの女の人が画面に映っていた。
女の人は水着のような格好で水槽と同じ水で満たされた、コックピットみたいなところにいた。
あそこはどこなんだろう?
そして何かが始まった。
周りの人の動きが先ほどよりもあわただしくなる。
聞こえてくるアラーム音
回る赤色灯、
うなり始めた巨人、
ガラスの向こう、
聞こえないずのその声は僕の耳にはっきり届いた。
その中で僕は女の人から目を離さなかった。
その人は、僕をみると困ったように、にっこりと笑った。
そして、
その手が
体が、
顔が、
ゆっくりと水に溶けるように
消えていこうとしていた。
そして、
消えかけているその口で
何かを喋ろうとして
それが言い終わる前に
お母さんは消えてしまった
お父さんがお母さんの名前を叫ぶ。
それに答える人はもう、
朱い水にとけてしまったあとだった。
僕は母が消えていくのを止められず、
父のように母を呼ぶことも出来なかった。
そこで、僕は目が覚めた。
アトガキ
こんにちは?こんばんは?haniwaです。
六話を楽しみにしてくださっていた方、すみません。今回、次に行くのにどうしてもワンクッションおきたかったんです。
でも全く関係ない話ではないので、お目を糖していただくだけでもありがたいです。
ではでは。