ガヤガヤガヤ……… ガヤガヤガヤ………始業前の学校の教室。
ここは、第3新東京市立 第壱中学校 2年A組。
いつの時代、どこの学校でも、授業の始まる前の時間は騒がしい。
だが、今日に限って、それはいつにも増している。
何故なら、今日は転校生が来るのだ。
皆、その噂で持ちきりだった。
男か?
女か?
背が高い?
低い?
カッコいい?
そういう噂ではなかった。
彼らは登校中に、その転校生らしき人物を見ていた。あの『綾波レイと一緒に登校する少年』の姿を。
『寡黙の妖精』と言われ、誰にも心を開かなかった少女が、とても穏やかな雰囲気で一緒に登校した少年。
噂にならないはずはなかった。
こういう情報に一番敏感で、2-Aの情報発信源となっている少年・相田ケンスケの周りには、情報を求める生徒が殺到したが、ケンスケ自身 情報を探っている途中だったので、まともに答えられる訳はなかった。
最後の手段は『寡黙の妖精』綾波レイ嬢に直接 訊くことなのだが、その近寄りがたい雰囲気は、普段と変わらずであった。
だが、彼女が教室に入ってきた時は少々違った。いつもの彼女ではなく、同年代の普通の少女のような雰囲気があったのだ。
その様子に、しばし教室の時間が止まりかけたが、次の瞬間、それが完全に止まった。
「………………お…おはよう………」
少し顔を赤らめ、挨拶する少女。
レイが勇気を持って踏み出した、最初の一歩であった。
そして、朝のHR(ホームルーム)。
「それでは綾波君、入ってきなさい」
2-A担任の老教師・根府川が呼ぶと、ドアが開き、一人の少年が教室に入ってきた。
その途端、きゃ~~~!! と女生徒の黄色い歓声が上がる。
同年代の男子に比べて、やや女顔だが、端正な顔立ちで自信に満ちたその表情。少年は所謂、美少年と呼ばれるものだった。
久々のヒットよ~
いや、ホームランかも
と、大半の女生徒が心の中でガッツポーズをしたのはお約束。
そして、男子生徒大半の反感を買ったのもお約束。
ウッ、ウン!老教師は一つ咳払いをし、教室を静める。
「では、自己紹介を」
「はい。 京都から来ました綾波シンです。 こちらには、親の仕事の都合と家の都合で来ました。 あと、『綾波』という名前でお気付きかもしれませんが、僕は綾波レイの双子の兄になります」
「「「「「何~っ!?」」」」」「綾波さんのお兄さん?」
「美少年と美少女の兄妹………」
「素敵………」
「売れる! 売れるぞ~~!」
一気に教室が騒がしくなる。
「あ~あ~、まだ済んでませんよ。 静かにしなさい」
優しい口調で老教師が諌める。徐々に静かになる教室。
「………え~、訳あって今まで別々に暮らしてきましたが、この度、やっと家族一緒に暮らせるようになりましたので、とても嬉しいです。………レイ」
シンがレイを呼ぶと、レイはトコトコと前に出てきてシンの横に立つ。
「妹ともども、宜しくお願いします!」
「………します」
シンが頭を下げると、一拍遅れてレイも頭を下げる。
そのレイの仕草に、教室の男子生徒の心は鷲掴みにされた。後日、本気でシンを「お兄さん」と呼ぼうか議論されたほどだ。
女生徒も、その可愛い仕草に、レイに対する認識を改めた。彼女は寡黙なのでなく、ただ人付き合いが苦手なだけの普通の少女なのだと。
これをきっかけに、レイとクラスメートの関係は、少しずつ良いものになっていった。
シンとマイの願い通りに。
NERV本部、総司令官公務室。
「六分儀、綾波シンがコード707に接触した」
「何?」
「第壱中学校に転入してきたらしい。 レイと同じ教室だ」
「あそこにはチルドレン候補を集めているのだぞ。 なぜ候補でもない者が入れる?」
「碇家からの圧力だ。 表向きは学校だからな。 文部科学省の意向には逆らえんらしい」
「第2東京の腰抜け共が………。 で、あの二人の正体は?」
「MAGIによると、彼らは実在の人物だ。 電子データだが、レイ誘拐と思われる新聞記事と、当時の捜査記録を見つけた」
「馬鹿な……そんなはずは………」
これは予め、シンがMAGIをスキル=イロウルでハッキングして支配下に置いている為である。NERV本部の中枢にありながら、MAGIはGGGの味方なのである。GGGに都合の悪い情報は、NERVに伝わらないようになっている。
「貴様についていくことが本当に正しいのかどうか、最近 特に考えるよ」
「ユイに逢う為だ。 正しいに決まっている。 冬月、貴様もそうではないのか?」
「そう考えると、碇ソウイチロウ抹殺のテロ事件、失敗して良かったと思うよ」
「何故だ?」
「自分の父を殺したのが夫の謀略だと判ってみろ。 ユイ君はどう思うかな?」
その状況を想像して、顔が青ざめるゲンドウ。
「………彼の言う通りだな。 お前は頭が悪い」
シン転入の数日前、レイはNERVの病院施設から退院した。
その際、リツコは強硬に反対した。シン達には、怪我は大した事はないと言ったが、実際は内臓に損傷があり、動かすにはまだ危険な状態であった。
しかし、レイ自身が退院を強く希望した。もう大丈夫だと言うのだ。
シン達も退院させると言うので、検査の結果が良好なら退院を許可するとリツコは約束した。
その結果、レイは全快していた。
リツコは結果に驚愕し、もう一度検査するとレイを連れて行こうとしたが、シンとマイがそれを許さなかった。
レイの怪我はシンが治療していた。スキル=リリンによる『A.T.フィールド・コントロール』で損傷部分をL.C.Lに変換、瞬時に再構成することで怪我を治したのだ。もちろん、リツコやミサトに気付かれないように。
リツコの突き刺さるような疑惑の視線を背に、綾波親子は病院を後にした。
ミサトは、地上への移動手段であるモノレールの駅まで送ると言い、ニコニコと微笑みながらついてくる。
時折「家族で暮らせるようになってよかったわね~」と話し掛けてくるので、シン達も無視する事はないだろうと会話に参加していた。
だが、ミサトのこの一言が、場の雰囲気を一変させた。
「レイも元気になったし、もうすぐ零号機の調整も終わる。 これでドイツから弐号機が来れば、使徒戦は万全ね。 もう、あいつ等にデカイ顔はさせないわ」
「あ……そうそう、その件なんですけどね」
シンが口を開く。
「レイにチルドレンを辞めさせようと思います」
「!?」
シンの一言に、ミサトは目を見開いて驚く。
「ちょっ……どういうことよ!!」
「レイは14歳の女の子ですよ。 戦いなんて出来るわけないでしょ」
「エヴァは
――――― ……って!?」
ミサトはあることに気付いた。最高機密であるエヴァとチルドレンの存在。何故、彼は知っているのか。
「どうして知ってるの?……って顔ですね」
「……そうよ。 どうして?」
シンは、さっき総司令室で話した事を、ミサトにも話した。
「親の承諾もないのに『チルドレン』なんて危険な仕事………させられませんよ!」
「でも、知ってるんでしょ? エヴァは14歳の少年少女じゃないと動かせないわ! それに、全人類の未来が懸かっているのよ!!」
「シンジにもそう言って強制させた。 怪我したレイを見せつけて、乗るしかない状況に追い込んだ!」
「!!」
「シンジは僕達の大事な家族だった。 そのシンジを見殺しにしたNERVを、僕たちは許さない」
「見殺しなんてしてないわ。 私たちは………」
「精一杯やった、と言いたいんですか?」
「そうよ!」
「あの戦い、NERVとGGGの戦力差は一目瞭然だったはず。 それでも戦闘させたのは何故です?」
「………………」
ミサトは答えられなかった。
あの時、誰もがシンジが素人だという事を忘れていた。GGGを押さえ、使徒のサンプル、そして彼らの技術を手に入れることを最優先として、エヴァパイロットの生命など考えていなかった。
最前線で戦っているのは、まだ14歳の少年だというのに………。
「そういうことです。 信用の置けないところに大事な家族を預けるわけにはいかない。 まあ、レイがチルドレンを続けたいと言うのであれば、こちらとしても条件付きで考えますがね」
「ホント!?」
ミサトがレイに訊ねると、レイは続けると言った。
シンとマイは難色を示したが、レイの「お兄ちゃんとお母さんを助けたい」という言葉にしぶしぶ認めた。条件に関してはシンとマイに任せると言うので、後日知らせるということにして、綾波親子はジオフロントを後にした。
街に戻り、碇家が用意したマンションに向かっていると、レイが何かに気付いた。
「………お兄ちゃん」
「後ろだろ。 気付いているよ」
「どうしたの?」
と、マイが訊ねる。
「NERVの保安諜報部………三人か……尾行してる」
「まあ、当然でしょうね」
「じゃあ、先にオービットベースに行こうか? レイにみんなを紹介したいしね」
「そうね。 いい、レイ?」
「うん」
「あの角を曲がったら僕に掴まって………スキル=レリエル」
シン達が曲がり角の向こうに消えると、小走りに黒服を着た男三人が角に近付く。
そっと覗くと、もうそこには誰もいなかった。驚き、辺りをキョロキョロ見回すと、弾かれたように三人が走り出す。だが、どこを探しても、尾行していた綾波親子を見つけることはできなかった。
その際、MAGIはA.T.フィールドの反応を捉えたが、パターンがシンのものだと確認すると、MAGIは自動的にそのログを消去した。
尾行していた保安諜報部の三人が上司に大目玉を食らっている頃、綾波親子はGGGオービットベースにいた。メインオーダールームに集まったスタッフにレイを紹介していた。
「………綾波…レイ……です。 ………よろしく」
ぺこっ、とレイは頭を下げる。
それに続き、GGGスタッフが自己紹介していく。そして、最後にガイが自己紹介をすると、瞬間、レイの視線が冷たく変わった。
ツカツカと、ガイに近寄るレイ。
「?………何かな、レイちゃん?」
怒ってる?
どういうことなのか、ガイには判らない。
「………あなたが……碇くんをいじめたのね」
「へっ?」
「………碇くんが乗った初号機を……消し去ったわ」
レイの言葉に、ようやく合点がいったガイとみんな。
「い、いや……あれは作戦で………なあ、シンジ君」
「僕はシンですよ」
「ああ、そうだった。 シン君、助けてくれよ」
「………赦さない」
レイはガイの両頬を掴むと、ムニッと左右に引っ張った。
「い…いひゃいよ、ひぇいひゃん」
(い…痛いよ、レイちゃん)
呆気にとられるGGGメンバー。
「ぶわはははははははははははっ!!」
シンが笑い転げる。
マイもクスクス笑ってる。
「わひゃってひゃいで、はひゅひぇへぇ~」
(笑ってないで、助けてぇ~)
「だってさ。 どうする、レイ?」
レイは上目遣いにガイを見て、
「ニンニクラーメン、チャーシュー抜き」
「ひぇ?」
(え?)
「それで許してあげる」
「わ…わひゃっひゃ」
(わ…判った)
「うん」
レイは、引っ張っていたガイの頬を離した。
「あー、痛たたた」
頬をさするガイに、ミコトが苦笑しながら冷たく濡らしたハンカチを差し出す。
「大丈夫、ガイ?」
「ああ。 サンキュ、ミコト」
ハンカチを頬に当てるガイの袖を、レイが引っ張る。
「行きましょ」
「へ?」
「………ここの食堂は美味しいって……お兄ちゃんが言ってたわ」
「ああ、判った判った。 そんなに引っ張るなって」
「あ…ちょっと、私も行く」
レイに引っ張られ、ガイとミコトが出て行く。
三人がいなくなると、メインオーダールームに爆笑が広がった。
「やれやれ………あれ教えたの、母さんでしょ?」
シンが嘆息する。
「そうよ。 レイも努力してるの。 少しでもみんなとの距離を縮めようとね。 その為なら、私はどんな協力も惜しまないわ」
「水臭いな。 僕も相談に乗るのに」
「女のことは女に任せるの。 男の人じゃ絶対に出来ないことがあるんだから」
「なるほど」
納得だ。
「私達も食堂に行きましょう。 ちょっと早いけど、ここで夕飯にしましょう」
「そうだね」
シンとマイも食堂に行く為、笑いに包まれたメインオーダールームを後にした。
途中、マイがふと、あることに気付いた。
「ニンニクラーメンなんてマニアックなもの、ここの食堂にあるの?」
「僕がメニューに入れてって頼んでおいたんだ」
「………………兄バカねぇ」
「
////………うるさいなぁ」
楽しい食事の後、メインスタッフ全員は、オービットベース下層にある研究モジュールに集まった。ここには、サキエルのコアを浄解したコアクリスタルが保管してある。
「お兄ちゃん、ここで何をするの?」
「もう少し後でも良かったんだけど、できるだけ早めにやっておかないと。 今後、何があるか判らないからね」
「………?」
レイは首を傾げる。
「レイを『人間』にする」
「………!!」
「正確には、君の魂とリリスの魂を切り離す。 その後封印し、リリス本来の肉体に戻した後、浄解してコアクリスタルに変換させる。 肉体に戻す作業は、もうちょっと後のことになるけど、とりあえず、今回はリリスの魂を封印し、レイを人間にする」
「私……人間に……なれるの?」
「そうだよ。 怖いかい?」
「………………」
俯き、スカートを握り締めるレイ。
「レイ、これはとても重要なことなの。 あなたの中にあるリリスの魂をそのままにしておくと、あなたはまた補完計画に利用されるかもしれない。 もちろん、そんなことは私達が絶対にさせないけど………万が一のこともあるし、今のうちにやっておいた方がいいと思うの」
マイは屈んでレイの目線と自分の目線を合わせ、手を優しく握り、諭すように言う。
すると、ポタッ ポタッと水雫がレイの目から零れ落ちた。
「レ…レイ!?」
「レイ、やっぱり怖い? 嫌なら、また今度でも
――――― 」
オロオロとうろたえるマイとシン。
そんな母と兄の様子に気付いたのか、レイは顔を上げ、満面の笑顔を浮かべた。
「ううん、嬉しいの」
「「嬉しい?」」
ユニゾンする母子。
「お兄ちゃんやお母さん……みんなが私のことを……こんなに想ってくれるのが……すごく……嬉しいの」
そう言ってレイは、視線をGGGメンバーに向ける。
頷くガイ。
手を振るミコトとスワン。
親指を立てる火麻と大河。
鼻頭をポリポリ掻いて照れるウッシー。
長い口髭をピンと張るライガ。
照れて顔を赤く染める猿頭寺。
笑顔のスタリオン。
皆が優しい顔で、当然だと言っている。
「だから大丈夫よ、お兄ちゃん。 ………ガイさん達が教えてくれたもの。 人を信じる心………勇気さえあれば、何も恐れることはないって。 ………私はお兄ちゃんを信じる。 お母さんを信じる。 ガイさんやミコトさん、スワンさん、みんなを信じる。 だから……大丈夫………」
食堂で一緒に食事をとった時、ガイ達はいろいろな事をレイに話した。
最初は聞くだけだったレイも、徐々に自分から話題を振るようになった。
そうする内、彼らの強い心はレイにとって憧れとなった。
レイは、彼らのようになりたかった。
そして、教えられた。まずは人を信じ、心を開くことが大切だと。
「判った。 じゃあ、始めるよ?」
「うん」
シンとレイを除くメンバーが、邪魔にならないように離れる。
「スキル=リリン、発動!」
シンの容姿が変わる。レイを思わせる銀髪と赤い瞳に。
「お兄ちゃん、綺麗」
「そ、そう?」
照れるシン。
「妹相手に照れないの!」
真面目にやれ、とユイ。
「さ、さてと………いくよ!」
「うん」
緑色の輝きがシンとレイを包んでいく。
【クーラティオー・テネリタース・セクティ
――――― !?】
突然、シンから発せられていた光が消える。髪が黒くなり、赤くなった目も元に戻った。
何事か、と不安になるGGGスタッフ一同とマイ。それはレイも同じだった。
「ど…どうしたの、お兄ちゃん?」
「いや……まさか!? レイ、ちょっとゴメンね?」
シンはレイの髪の毛を一本引き抜いた。
「………痛い」
「ごめん! ………ライガ博士! 至急、レイの遺伝子を調べてください!!」
数十分後。
「結論から言うとじゃなぁ………レイちゃんは『人間』になっとるんだなぁ、これがぁ」
「「「「!?」」」」
「どういうことだね?」
大河が訊ねる。それにシンが答えた。
「レイの身体からリリスの波動が感じられませんでした。 いつ、どの時点で抜けたのかは判りませんが、既にレイの身体にリリスの魂はありません」
「では、いったい何処に?」
「リリスの魂ほどモノが宿るとしたら、それなりのスペックが必要です。 単純に考えればドグマにあるリリス本来の肉体か
――――― 」
「私の予備の身体?」
「うん、その可能性は高いね」
「これもまたイレギュラーかのう、シン君?」
「そうですね、ライガ博士。 この世界はもう、全く違う世界なのかもしれません………」
NERV本部地下、セントラルドグマ。
「ふう………。 もう補完計画なんて実行不能もいいとこなのに………どうして私はここにいるのかしら」
リツコはL.C.Lが満たされた水槽を見詰める。綾波レイの予備、魂の無い肉の塊が力無く漂っていた。
「あら?」
ふと、リツコはある違和感を感じた。
何かが違う。水槽の外じゃない………内側(なか)?
「まさか………」
リツコの手が震えた。
「1……2……3……」
数を確認する。素体の数を。
「……13……14!?」
足りない!!
「まさか!? そんな!? 昨日まで、確かに15体あったはず………何故? どういうこと?」
リツコは混乱した。
「ここの存在を知ってるのは司令と副司令、そして私とレイ…………まさか、レイが!? ………そんなはずないわね。 ここの存在はレイも知られたくないはず」
思考の海に浸るリツコ。そんな彼女に近寄る一体の人影があった。
彼女は気付かない。
シュッ!影の右手刀がリツコの延髄を捉えた。
「うっ!?」
急激に意識が遠くなり、崩れるリツコ。
倒れたリツコに影が近寄る。彼女の頭にそっと手を添えると、ボウっと淡い光が発せられた。
「……まだ…知られるわけには…いかないの。 ごめんなさい……赤木博士……クス♪」
影は静かに笑ったかと思うと、次の瞬間、忽然と消え去った。
それからしばらくして、リツコは目を覚ました。
「……う……ここ…は?」
ノロノロと起き上がる。
「私……何故ここにいるの?」
前後30分間の記憶が無いリツコであった。
そして、まだ誰も気付かなかったが、ターミナルドグマの奥深くに封じられているリリスの肉体が、ゆっくりと崩壊を始めた。
第拾伍話へ続く