<このWebサイトはアフィリエイト広告を使用しています。> SS投稿掲示板

エヴァSS投稿掲示板


[広告]


No.185の一覧
[0] 『人生はままならぬもの』[ドリルスキー](2004/08/07 03:39)
[1] 『人生はままならぬもの その2』[ドリルスキー](2005/01/11 19:18)
[2] 『人生はままならぬもの その3』[ドリルスキー](2005/03/20 01:40)
[3] Re:『人生はままならぬもの その4』[ドリルスキー](2005/05/12 21:31)
[4] 『人生はままならぬもの その5』[ドリルスキー](2005/10/10 00:28)
[5] 『人生はままならぬもの その6』[ドリルスキー](2006/04/23 10:12)
[6] 『人生はままならぬもの その7』[ドリルスキー](2008/10/05 12:51)
感想掲示板 全件表示 作者メニュー サイトTOP 掲示板TOP 捜索掲示板 メイン掲示板

[185] 『人生はままならぬもの』
Name: ドリルスキー 次を表示する
Date: 2004/08/07 03:39








 別に、赤い世界に大した不満があった訳じゃない。


 ちょっぴりヒトから足を踏み外したりもしちゃったけれど。
 それは、それ、僕らの他にヒトが居る訳でも無かったから、差別される訳でも無し。
 それと、別段、孤独が嫌だった訳でも無いしね・・・いや、最初は確かに辛かったよ?
 でもね、よくよく考えると、元々僕は孤独だったし、危害を加えるヒトが居ない分、この世界の方がマシだと思える様になったんだよ。
 それに、実際のとこ、僕ひとりって訳じゃ無かったしね。
 あっ、アスカの事じゃ無いよ?
 彼女は、「キモチワルイ」って言った後、LCL化しちゃったし。
 僕の相棒の名は。
 「この場合、人生のパートナーと言うべきだ・・・全く、碇シンジと云う男は、乙女心と云うモノが分かっておらん」
 イヴリン・ローズルージュ。
 いや、イヴリン、君ね、僕のモノローグに突っ込みを入れるなんて、奇特なマネは止めて。
 「・・・・・・・・多少は、考慮しよう」
 ・・・多少ですか・・・はぁ・・・お願い。
 で、イヴリンの事だけど。
 彼女は、NERVアメリカ第二支部で開発されていたエヴァンゲリオン四号機の専属パイロット、そう、チルドレンだったんだ。
 四号機のS2機関が暴走した際に、四号機に取り込まれ、って云うか、同化してしまったらしく。
 サードインパクトが起きるまで、四号機として、ディラックの海で揺蕩っていたんだって。
 僕が赤い海の畔で黄昏れていたら、いきなり目の前に、大量のLCLとエヴァのパーツと共に落ちて来たから吃驚したよ。
 その後、LCLとエヴァの機械部品が、うぞぞっって、ひとりでにディラックの海に戻っていくのを見た時は、もっと吃驚したけどね。
 まあ、そんな奇特な出会いをした僕らだったけど、どう云う訳か馬が合ってさ。
 それ以降ずっと一緒に居たって訳。
 「結構長い間一緒に居たからな、うん、まあ、皆が思っている通りの仲だぞ」
 うわわっ、イヴリン、余計な事は説明しなくていいってば。
 で、まあ、そんなこんなで、僕らは幸せに暮らしていたんだ・・・・たったひとつの不満を抱いて。
 たったひとつの不満。
 それは、ヒトの三大欲求のひとつ。
 そう、食欲だよ。
 もう、マトモに食べられるモノが無いんだ。
 そりゃあ、ちょっとばかしヒトから足を踏み外した僕らは、食事の必要なんか無いケド。
 でも、元々備わっていた欲求ってのは、やっぱりキツくってさ。
 「うむっ、牛の様に寝て、猿の様にヤッても、腹は満たされんからな」
 まあね。
 ま、そんな訳で、それは渡りに船だったのかもしれないね。
 それ・・・・つまり、初号機が宇宙から落ちて来てからの出来事は。


 どぼーんっ!と赤い海に落っこちた初号機の顔が、碇ユイ、母さんのそれであったのを見た時は、そりゃあ度肝を抜かれたよ。
 イヴリンも、珍しく呆けていたね。
 それが、「あら、サイズを間違ったかしら」とか、母さんの声で洩らした日にはもう、何処に突っ込んでいいのか分らなかったもんさ。


 で、母さん顔の初号機と会話した結果、以下の事が判明。


☆サードインパクトをSEELEと父さんに引き起こさせた後、宇宙の旅へと旅立った母さんは、しっかりと迷子になった。
☆迷子中の母さんに、接触者あり。なんと、地球外生命体さんだ。
☆で、この地球外生命体さん、やっぱりと云うか、侵略シャ。それも、現地生命体と融合(記憶も読むらしい)し、支配すると云うエグいタイプ。まあ、母さんは、あんま他人の事言えないケドね。
☆初号機ばっちり融合されてます。いやーんな感じ。
☆目標は地球だそうです。


 で、この方達が快適に過ごす為には、大気を火山ガスで致死量まで満たす事が必須らしい。
 いやまあ、僕らは死なないけどね。
 ただ、この地球外生命体さん、仮名”XENO(とある小説で読んだ異星からの侵略シャに似ていたから・・・つーか、まんまだったから、この名で呼ぶ事に決めました)”さんは、僕らとも融合する気満々でさ。
 で、当然、戦いになる訳で。
 イヴリンが、ディラックの海から、四号機としての本体を喚び出して、僕をエントリープラグに放り込むと同時に、戦いは始まった。
 因みに、イヴリンが四号機に為る様は、スケールが違うケド強殖装甲を纏う様に良く似ている・・・・むしろ、ギガンテック?(え?意味がわからない?そう云うヒトは「強殖装甲ガイバー」って云うコミックを見てね)
 大地を揺るがす、斬った張ったの・・・泥仕合。
 いや、だって、初号機+XENOってば、大して強くない(普通にエヴァと比べたら、十二分に強いけど)のに、不死身っぽいモンだから、さあ大変。
 一ヵ月位、泥々と戦い続けましたよ、もう。
 まあ、僕らには、ある意味、いい暇潰しではあったんだけど。
 初号機+XENOは、そうは思わなかったようで。
 キレましたよ、彼。
 「宇宙放浪してた割には堪え性の無いヤツだ」
 エヴァ最強である筈の初号機と融合しているのに、イヴリン=四号機に良い様にあしらわれていた訳だから無理も無いけど。
 ひょっとしたら、母さんの記憶を食んだ所為?
 で、ブチ切れた初号機+XENOは、イキナリ地球割り。
 いやまあ、正確には、僕らを無視して、先ず自分達が住める環境を作るべく、地球の外核を攻撃した訳だけど。
 これが、大失敗。
 どうにもイヴリン=四号機に良い様にあしらわれた怒りがそれに篭ってしまったらしく。
 撃ち抜きちゃいましたよ、内核を。
 で、地球大爆発。
 いやもう。
 「困ったもんだ」
 まったくだね。










『人生はままならぬもの』










 「でもさ」
 ん?と、塩サバ定食のメインたる焼き鯖の骨を除いていたイヴリンが顔を上げた。
 「何で、よりによって、第三使徒襲来の1ヵ月前に遡行してきてるかね?僕らは」
 「ん、確かに、14歳の自分の中に戻ったと気付いた時は焦ったな」
 醤油が掛かった鯖の身を白米に乗せて、そのまま口に入れ、咀嚼しながら答えるイヴリンからは、全く焦ったと云う言葉が想像出来ない。
 「第二支部も、製作途中の四号機が消失したって、大騒ぎしてたからな・・・まっ、そのお陰で、私はお役御免で、あそこからすんなりと抜け出せた訳だがな、はっはっはっ」
 それは大騒ぎだったろう。
 「何と言うか、遡行したと言うよりは、僕らだけ巻き戻った?」
 「と、言うよりも、14歳に若返ったついでに、周りの時間もそれに合わせた、と云ったところか」
 「おおっ、確かにそんな感じ」
 生姜焼き定食の炒めたキャベツとモヤシを豚肉で巻き白米に乗せて、そのまま口に入れ、咀嚼していたシンジが頷く。
 遡行だ、巻き戻しだ、若返った、が、どんな感じかは、彼等にしか分らない感覚なのだろう。
 「ま、原因は、少なくとも私には分らんよ」
 「僕にも分らないよ」
 「あの初号機+XENOの所為なのは間違い無いがな」
 苦笑いするイヴリン。
 金髪碧眼の美少女たる彼女には、何故かその表情が良く似合っていた。
 「ま、それより問題は」
 「ぅん、これから如何するか、だね」
 シンジが頷く。
 「先ず確認したいのが、初号機が、XENOにとっ憑かれているかだね」
 どうせ、あと1ヵ月もすればNERVから素敵な手紙が届く事だろう。
 招来に応じるかどうかは別として、乗った時に、XENO憑きでしたぁ~は、勘弁して欲しい。
 「あと、サードインパクトだな」
 「僕は、サードインパクトは如何でもいいかな?僕が居なくてもどうせ誰かが代わりをするんだろうし、赤い世界になっても、元に戻るってだけだしね」
 「それは賛同しかねるな、シンジ」
 首を振るイヴリン。
 「何で?」
 シンジの問いに、ふふんっ、と14歳にしては豊かな胸を張ったイヴリンの応えは。
 「サードインパクトが起こると、塩サバ定食が食べれなくなるから、だ!―――あっ、親父、塩サバ定食を追加」
















 つづく


次を表示する
感想掲示板 全件表示 作者メニュー サイトTOP 掲示板TOP 捜索掲示板 メイン掲示板

SS-BBS SCRIPT for CONTRIBUTION --- Scratched by MAI
0.029345989227295