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No.8576の一覧
[0] 東方天晶花 (東方project+オリ主)【完結+未来語りⅡ追加】[ラリアー](2011/04/19 08:33)
[1] 巻の起「はじまり はじまり」 ~Welcome the beginner of the fantasy~[ラリアー](2009/11/06 15:52)
[2] 東方天晶花 巻の一「百聞は一見に如かず」[ラリアー](2009/11/06 15:51)
[3] 東方天晶花 巻の零点五「口は災いの元」[ラリアー](2009/11/06 15:51)
[4] 東方天晶花 巻の二「女心と秋の空」[ラリアー](2009/11/06 15:51)
[5] 東方天晶花 巻の三「人の振り見て我が振り直せ」[ラリアー](2009/11/06 15:51)
[6] 東方天晶花 巻の四「袖振り合うも多生の縁」[ラリアー](2009/11/06 15:51)
[7] 東方天晶花 巻の五「芸は身を助く」[ラリアー](2009/11/06 15:51)
[8] 東方天晶花 巻の五点五「知らぬが仏」[ラリアー](2009/11/06 15:52)
[9] 東方天晶花 巻の六「帯に短し襷に長し」[ラリアー](2009/11/06 15:52)
[10] 東方天晶花 巻の七「暗がりに鬼を繋ぐ」[ラリアー](2009/11/06 15:52)
[11] 東方天晶花 巻の八「鬼が出るか蛇が出るか」[ラリアー](2009/11/06 15:53)
[12] 東方天晶花 巻の九「親しき仲にも礼儀あり」[ラリアー](2009/11/06 15:53)
[13] 東方天晶花 巻の十「身から出た錆」[ラリアー](2009/11/06 15:53)
[14] 東方天晶花 巻の十点五「親の心子知らず」[ラリアー](2009/11/06 15:53)
[15] 東方天晶花 巻の十一 「縁は異なもの味なもの」[ラリアー](2009/11/06 15:53)
[16] 東方天晶花 巻の十二「玉磨かざれば器を成さず」[ラリアー](2009/11/06 15:53)
[17] 東方天晶花 巻の十三「藪を突突いて蛇を出す」[ラリアー](2009/11/06 15:53)
[18] 東方天晶花 巻の十四「精神一到何事か成らざらん」[ラリアー](2009/11/06 15:54)
[19] 東方天晶花 巻の十五「竹馬の友」[ラリアー](2009/11/06 15:54)
[20] 東方天晶花 巻の十五点五「呉越同舟」[ラリアー](2012/01/16 10:42)
[21] 東方天晶花 巻の十六「鷺を烏」[ラリアー](2009/11/06 15:54)
[22] 東方天晶花 巻の十七「無用の用」[ラリアー](2009/11/06 15:54)
[23] 東方天晶花 巻の十八「羹に懲りて膾を吹く」[ラリアー](2009/11/06 15:54)
[24] 東方天晶花 巻の十九「上に交わりて諂わず下に交わりて驕らず」[ラリアー](2009/11/06 15:54)
[25] 東方天晶花 巻の二十「用心は勇気の大半なり」[ラリアー](2009/11/06 15:55)
[26] 東方天晶花 巻の二十一「烏に反哺の孝あり」[ラリアー](2012/01/30 18:40)
[27] 東方天晶花 巻の二十二「子は三界の首枷」[ラリアー](2009/11/06 15:55)
[28] 東方天晶花 巻の二十三「立てば芍薬 座れば牡丹 歩く姿は百合の花」[ラリアー](2012/01/16 10:47)
[29] 東方天晶花 巻の二十三点五「画竜点睛」[ラリアー](2009/11/06 15:55)
[30] 東方天晶花 巻の二十四「情けは人の為ならず」[ラリアー](2009/11/06 15:55)
[31] 東方天晶花 巻の二十五「コチョウノユメ」[ラリアー](2009/11/06 15:55)
[32] 巻の承「それから それから」 ~The world of extending fantasy~[ラリアー](2009/11/21 02:27)
[33] 東方天晶花 巻の二十六「その日その日が一年中の最善の日である」[ラリアー](2009/11/06 15:56)
[34] 東方天晶花 巻の二十七「真の友愛においては、 私は友を自分のほうにひきつけるよりもむしろ自分を友に与える」[ラリアー](2009/11/06 15:56)
[35] 東方天晶花 巻の二十八「青春は短い。宝石の如くにしてそれを惜しめ」[ラリアー](2009/11/06 15:57)
[36] 東方天晶花 巻の二十九「時というものは、 それぞれの人間によって、 それぞれの速さで走るもの」[ラリアー](2009/11/06 15:57)
[37] 東方天晶花 巻の三十「不幸な人間は、いつも自分が不幸であるということを自慢しているものです」[ラリアー](2009/11/06 15:57)
[38] 東方天晶花 巻の三十一「食卓は、最初の間は人々が決して退屈することのない唯一の場所である」[ラリアー](2012/01/30 18:41)
[39] 東方天晶花 巻の三十二「軽信は大人の弱点であるが、子供にとっては力である」[ラリアー](2009/11/06 15:57)
[40] 東方天晶花 巻の三十三「怒りは他人にとって有害であるが、憤怒にかられている当人にとってはもっと有害である」[ラリアー](2009/11/06 15:57)
[41] 東方天晶花 巻の三十四「進歩とは、価値の置換によって生ずる錯覚にほかならない」[ラリアー](2009/11/06 15:58)
[42] 東方天晶花 巻の三十四点五「雨は一人だけに降り注ぐわけではない」[ラリアー](2009/11/06 15:58)
[43] 東方天晶花 巻の三十五「主よ、助けてくれとは申しません。私の邪魔をしないで下さい」[ラリアー](2015/01/19 22:38)
[44] 東方天晶花 巻の三十六「命と引き換えに金を欲しがるのは強盗であるが、女はその両方とも欲しがる」[ラリアー](2009/11/06 15:58)
[45] 東方天晶花 巻の三十七「苦痛には限度があるが、恐怖には限度がない」[ラリアー](2009/11/06 15:58)
[46] 東方天晶花 巻の三十八「成功する人は錐のように、ある一点に向かって働く」[ラリアー](2009/11/06 15:58)
[47] 東方天晶花 巻の裏側「教えろ! 山田さんっ!!」[ラリアー](2009/11/06 15:59)
[48] 東方天晶花 巻の三十九「事を行うに当って、いつ始めよう等と考えている時には、既に遅れをとっているのだ」[ラリアー](2009/11/06 15:59)
[49] 東方天晶花 巻の四十「善良な性格は法律よりもさらに信頼ができる」[ラリアー](2013/05/27 22:17)
[50] 東方天晶花 巻の四十一「人間が幸福であるために避けることのできない条件は勤労である」[ラリアー](2012/02/06 13:03)
[51] 東方天晶花 巻の四十二「良い判断は無分別な親切に勝る」[ラリアー](2013/05/27 22:20)
[52] 東方天晶花 巻の四十三「病気は千もあるが、健康は一つしかない」[ラリアー](2009/11/16 01:55)
[53] 東方天晶花 巻の四十四「この瞳を、どうしてにごしてよいものか」[ラリアー](2009/11/21 02:31)
[54] 東方天晶花 巻の四十五「公にされることを望む慈善はもう慈善ではない」[ラリアー](2013/06/10 19:50)
[55] 東方天晶花 巻の四十六「報酬への期待を行動のバネとする人にはなるな」[ラリアー](2013/04/22 19:40)
[56] 東方天晶花 巻の四十七「言葉で説教するよりも、あなたの生き方そのものがより良い説教となろう」[ラリアー](2013/05/06 23:58)
[57] 東方天晶花 巻の四十八「真実には特定の時などない。真実はどんな時代にも真実である」[ラリアー](2012/02/06 13:06)
[58] 東方天晶花 巻の四十九「正義は永遠の太陽である。世界はその到達を遅れさせることはできない」[ラリアー](2012/02/06 13:07)
[59] 東方天晶花 巻の五十「希望に満ちて旅行することは、目的地にたどり着くことより良いことである」[ラリアー](2010/01/07 20:28)
[60] 東方天晶花 巻の五十一「人間の真の性格は、彼の娯楽によって知られる」[ラリアー](2010/01/14 13:33)
[61] 東方天晶花 巻の五十二「恋愛は人を強くすると同時に弱くする。友情は人を強くするばかりである」[ラリアー](2013/05/06 23:58)
[62] 東方天晶花 巻の五十二点五「不思議なものは多い。しかし人間ほど不思議なものはない」[ラリアー](2010/01/24 18:04)
[63] 東方天晶花 巻の五十三「最強者の理屈が、いつも最も良いとされる」[ラリアー](2013/06/10 19:50)
[64] 東方天晶花 巻の五十四「怒りの結果は、怒りの原因よりはるかに重大である」[ラリアー](2010/02/07 06:05)
[65] 東方天晶花 巻の五十四点五「自負は常に他人の感嘆によって強化される」[ラリアー](2010/02/14 09:54)
[66] 東方天晶花 巻の五十五「友情は最初、残酷なほど明確にものを見る」[ラリアー](2012/02/18 15:06)
[67] 東方天晶花 巻の五十六「至上の処世術は、妥協することなく適応することである」[ラリアー](2010/02/24 21:21)
[68] 東方天晶花 巻の五十七「あまり道徳的になるな。自分を欺いて人生を台無しにしてしまう」[ラリアー](2010/03/03 17:18)
[69] 東方天晶花 巻の五十八「慣習とは反対の道を行け。そうすれば常に物事はうまくいく」[ラリアー](2010/03/10 21:29)
[70] 東方天晶花 巻の五十九「自尊心は美徳ではないとしても、それは多くの美徳の両親である」[ラリアー](2010/03/30 01:45)
[71] 東方天晶花 巻の五十九点五「まず事実をつかめ。それから思うままに曲解せよ」[ラリアー](2010/03/23 17:54)
[72] 東方天晶花 巻の六十「活動的な馬鹿より恐ろしいものはない」[ラリアー](2010/03/30 01:46)
[73] 東方天晶花 巻の六十一「行動するためには、いかに多くの事に無知でなければならぬ事か」[ラリアー](2012/02/26 08:32)
[74] 東方天晶花 巻の六十二「勇敢な行為は、決して勝利を欲しない」[ラリアー](2010/04/20 00:01)
[75] 東方天晶花 巻の六十三「忍耐とは、肉体的な小心と道徳的勇気の混じり合いである」[ラリアー](2012/02/26 08:56)
[76] 東方天晶花 巻の六十四「神の存在を立証しようとするあらゆる試みは、すでに神に対する冒涜である」[ラリアー](2012/02/26 08:57)
[77] 東方天晶花 巻の六十五「行動はいつも幸せをもたらすものではないが、行動なくしては幸せはない」[ラリアー](2012/03/03 12:21)
[78] 幻想郷うろ覚え童話「モモタロウ」[ラリアー](2010/05/08 00:56)
[79] 東方天晶花 巻の六十六「運命は我々の行為の半分を支配し、他の半分を我々自身にゆだねる」[ラリアー](2012/03/03 12:25)
[80] 東方天晶花 巻の六十七「王国を統治するよりも、家庭内を治めることのほうが難しい」[ラリアー](2010/05/20 10:28)
[81] 東方天晶花 巻の六十八「常識の有無は教育の有無とは関係ない」[ラリアー](2010/05/27 01:01)
[82] 東方天晶花 巻の六十九「不正の存在を前にして黙する人は、実は不在の共犯者にほかならない」[ラリアー](2010/06/02 00:17)
[83] 東方天晶花 巻の七十「馬は死ぬ前に売ってしまうことだ。人生のコツは、損失を次の人に回すこと」[ラリアー](2012/03/15 18:46)
[84] 東方天晶花 巻の七十一「人間は自分の知っていることなら半分は信じるが、聞いたことは何も信じない」[ラリアー](2013/05/12 23:50)
[85] 東方天晶花 巻の七十二「友人の失敗には目をつぶれ、だが悪口には目をつぶるな」[ラリアー](2012/03/15 18:47)
[86] 東方天晶花 巻の七十三「今が最悪の状態と言える間は、まだ最悪の状態ではない」[ラリアー](2012/03/26 23:52)
[87] 東方天晶花 巻の七十四「学校での成績がよいからといって、社会で認められるとは限らない」[ラリアー](2010/07/07 00:16)
[88] 東方天晶花 巻の七十五「神はあらゆる人間のうちに住むが、すべての人間は神のうちに住まず」[ラリアー](2010/07/21 10:29)
[89] 東方天晶花 巻の七十六「苦しんで強くなることがいかに崇高なことであるかを知れ」[ラリアー](2012/03/26 23:53)
[90] 東方天晶花 巻の七十六点五「家庭はどこで始まるか? 若い男と若い娘が恋愛に陥ることから始まる」[ラリアー](2010/07/28 01:23)
[91] 東方天晶花 巻の七十七「長いこと考え込んでいるものが、いつも最善のものを選ぶわけではない」[ラリアー](2010/08/04 00:06)
[92] 東方天晶花 巻の七十八「男に惚れられるような男でなければ、女には惚れられない」[ラリアー](2012/04/10 09:56)
[93] 東方天晶花 巻の七十九「二人の女を和合させるより、むしろ全西欧を和合させる事の方が容易であろう」[ラリアー](2010/08/25 00:02)
[94] 東方天晶花 巻の八十「友情は瞬間が咲かせる花であり、そして時間が実らせる果実である」[ラリアー](2010/09/07 22:54)
[95] 東方天晶花 巻の八十一「文学は商売と芸術が半々であるとき最も栄える」[ラリアー](2010/09/08 00:07)
[96] 東方天晶花 巻の八十一点五「さすらいと変化を愛するものは生ある者である」[ラリアー](2010/09/13 00:07)
[97] 東方天晶花 巻の八十二「絶望とは、闘う理由を知らずに、しかもまさに闘わねばならないということだ」[ラリアー](2010/09/27 01:22)
[98] 東方天晶花 巻の八十三「真の勇気というものは、極端な臆病と無鉄砲との中間にある」[ラリアー](2010/09/27 01:23)
[99] 東方天晶花 巻の八十四「今日は堂々と勇ましく、そして明日は墓の中」[ラリアー](2012/04/15 23:09)
[100] 東方天晶花 巻の八十五「賽は投げられた」[ラリアー](2012/04/23 22:15)
[101] 巻の転「むかし むかし」~the end of fantasy~[ラリアー](2010/10/20 23:50)
[102] 東方天晶花 巻の八十六「未知になるって言うのは、死んじゃうのと同意義なのさ」[ラリアー](2010/10/30 18:11)
[103] 東方天晶花 巻の八十七「宴には上等の酒と上等の肴があれば充分よ」[ラリアー](2012/04/23 22:24)
[104] 東方天晶花 巻の八十八「幻想郷は、宴会も自由だなぁ」[ラリアー](2010/11/06 11:22)
[105] 東方天晶花 巻の八十九「溜まったツケを払わないと、新しい事は始められないでしょ?」[ラリアー](2010/11/13 00:39)
[106] 東方天晶花 巻の九十「世間から必要とされない音楽はこうやって消えていくのね~」[ラリアー](2010/11/20 00:02)
[107] 東方天晶花 巻の九十一「この幸せ者共め! お代は聞いてのお帰りだよっ!!」[ラリアー](2010/12/02 00:44)
[108] 東方天晶花 巻の九十二「他人のペースに合わせて自分を見失ってはダメなの」[ラリアー](2010/12/09 00:03)
[109] 東方天晶花 巻の九十三「人や妖怪と一緒、家にも色んな形があるの」[ラリアー](2010/12/16 10:51)
[110] 東方天晶花 巻の九十四「まるで、巌流島の決闘みたいね」[ラリアー](2010/12/23 00:57)
[111] 東方天晶花 巻の九十五「きっと貴方自身ですら知らない秘密を教えてくれるわよ」[ラリアー](2010/12/30 00:21)
[112] お正月特別変「フタマルイチイチ、ヲトシダマ異変」[ラリアー](2012/05/14 17:48)
[113] 東方天晶花 巻の九十六「正直で結構! あたいも生きてる奴を運ぶほど暇じゃないからね」[ラリアー](2011/01/13 00:03)
[114] 東方天晶花 巻の九十七「半端な智慧は時として、無知よりも罪深き業となります」[ラリアー](2012/05/29 01:47)
[115] 東方天晶花 巻の裏側弐「スキマ妖怪が教えてア・ゲ・ル♪」[ラリアー](2011/01/26 10:35)
[116] 東方天晶花 巻の九十八「やがて辿り着く結果までは、この閻魔にも見通せません」[ラリアー](2011/02/02 00:55)
[117] 東方天晶花 巻の九十九「胸を張れとは言わないけどさ、お礼くらいはちゃんと受け取りなよ」[ラリアー](2011/02/09 00:02)
[118] 東方天晶花 巻の百「譲れないモノがあるなら死んでも守り切りなさい」[ラリアー](2011/02/16 00:20)
[119] 東方天晶花 巻の裏側参「もう一度教えろ! 山田さんっ!!」[ラリアー](2011/02/23 02:18)
[120] 東方天晶花 巻の百一「幻想郷らしく、力尽くで居場所を‘奪って’きます」[ラリアー](2011/03/01 00:02)
[121] 東方天晶花 幕間「誰が為に鐘は鳴る」[ラリアー](2011/03/08 11:09)
[122] 東方天晶花 巻の百二「つまりはいつも通り、一か八かの出たとこ勝負をするワケね」[ラリアー](2011/03/15 01:59)
[123] 東方天晶花 幕間・弐「久遠の空に舞い踊る風花」[ラリアー](2011/03/22 00:01)
[124] 東方天晶花 巻の百三「―――切り札ならありますよ。最低最強、とっておきの一枚がね」[ラリアー](2011/03/29 08:04)
[125] 巻の結「めでたし めでたし」~The fantasy continues~[ラリアー](2011/04/11 23:50)
[126] 東方天晶花 キャラ紹介(第九十五話まで[ラリアー](2012/05/29 01:48)
[127] 天晶花・昔語り①「晶と隙間とお茶会と」[ラリアー](2009/11/26 19:11)
[128] 天晶花・昔語り②「晶と隙間とお袋の味と」[ラリアー](2009/12/17 01:51)
[129] 天晶花・昔語り③「晶と巫女とカラオケと」[ラリアー](2010/08/18 04:29)
[130] 天晶花・昔語り④「早苗と神と悪戯メールと」[ラリアー](2010/11/27 00:04)
[131] 天晶花・未来語りⅠ「次代のユウウツ」[ラリアー](2012/06/04 21:40)
[132] 天晶花・未来語りⅡ「賢人のわりといつも通りな一日」[ラリアー](2012/06/04 21:41)
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[8576] 東方天晶花 巻の七十三「今が最悪の状態と言える間は、まだ最悪の状態ではない」
Name: ラリアー◆536635cd ID:5c171fc7 前を表示する / 次を表示する
Date: 2012/03/26 23:52

巻の七十三「今が最悪の状態と言える間は、まだ最悪の状態ではない」




 どうも、哨戒天狗見習いの久遠晶です。
 気付けば妖怪の山に来てから、五日もの時間が経っていました。
 最初は慣れない事が多く戸惑ってばかりの僕でしたが、今ではすっかり妖怪の山にも馴染みました。

「ぐ、がはっ……た、たすけっ」

「母さん……母さん……死にたくないよぉ」

「くすくす。あれだけ威勢良く挑んできておきながら、無様ですわねぇ」

 ……おっと失礼、今ちょっと立てこんでまして。
 僕は鴉天狗Aの首を絞めつけている手を離し、鴉天狗Bを踏んでる足を浮かす。
 今まで散々命ごいしていた二人は、弾けるように横たわった姿勢のまま慌てて逃げ出した。
 ああ、ゴメンナサイ。そこまで痛めつけるつもりは無かったんです。
 どうも四季面をつけていると、変な意味で加減が出来るようになっちゃうんだよね。

「お疲れ……と言って良いのか分からないけど、お疲れ様ー」

「あら、お気遣いどうも。別に疲れてはおりませんけど」

 呆れた様な困った様な笑顔のにとりに、僕は内心で苦笑を返す。
 哨戒任務を始めてから今日まで、これと似たような光景が延々と続いていたからだ。
 どうも、初日に鴉天狗二名をボコボコにした事が原因らしい。
 それからと言うモノ、僕を倒すために自称「以前のヤツより強い鴉天狗」達が引っ切り無しに勝負を挑んできたのである。
 正直、凄く鬱陶しいです。仕事させてください。

「すまない、久遠殿には迷惑をかける」

「御気になさらず。時間はかかりますが、大した手間でもありませんから」

「そ、そうか……」

「いやアキラ、気持ちは分かるけどもうちょっと言い方を」

 確かに、片手間で出来るって言い方はちょっと無神経だったかな。
 仲の良くない相手だとしても、同じ天狗の仲間なんだし。
 ……でも、本当に時間しか使わないだよねぇ。
 襲いかかってくるのは血気盛んな若手天狗だけで、実力もだいたい似たり寄ったりの相手しかいない。
 おまけに天狗間で情報を共有していないらしく、戦法も基本ワンパターン。
 唯一、襲いかかってくる人数だけがその時々で変わるんだけど……何か意図があるのか、毎回対処可能な数でしか来ないと言う有様。
 各個撃破されに来るぐらいなら、その人員を全部纏めてかかってきた方が勝算上がると思うんだけどなぁ。
 まぁ、それをやられると僕はエライ目に遭うワケですがねっ!
 
「……だが、久遠殿の言葉は事実だ。現状彼らの行動は、嫌がらせにしかなっていない」

「そうでしょう? まったく、毎度毎度芸が無くて困りますわ」

「だから言い方を――でもそうだねぇ。こんだけ派手に暴れてたら、格上の天狗が出張ってきそうなものだけど」

「いや、それは有り得ないな」

「あらあら?」

 ヤケに確信めいた口調で、椛がにとりの疑問を否定した。
 とりあえず邪魔になりそうな仮面を外し、僕は彼女の次の言葉を待つ。

「何故なら久遠殿には、そこまでする旨みが無い」

「……うまみ?」

「ああ。確かに久遠殿は強い、妖怪の山でも上位に入る程の力量だ。しかし、あくまで久遠殿はただの人間に過ぎないのだよ」

「ただのって……アキラがかい?」

「スマン、言葉が足りなかったな。要するに、多くの天狗は久遠殿を「ただの人間」と認識していると言いたかったんだ」

「なるほどねー。つまり、仮にどこぞの天狗がアキラに勝ったとしても」

「称賛も名誉も与えられはしないだろうな。しかも、負けた場合には「人間風情に負けた天狗」と言う汚名を被る事になる」

 それは確かに旨みが無いなぁ……。
 勝っても得無く負ければ大損、格上の天狗が喧嘩を売ってこないのも納得だ。
 まぁ、勝算が高いなら示威行為の一種として戦うのもありだと思うけどね。
 椛やにとり曰く、僕の実力は格上の天狗とほぼ互角なんだそうで。
 つまり、これだけ面倒臭い相手なのに勝ち目自体も薄いと。
 ……うーむ。ここまで喧嘩売るメリットの無い状況も珍しい。椛が断言する気持ちも良く分かると言うモノだ。

「まぁ、状勢の読めない輩はそれでも攻めてくるだろうが、今より厳しい状況にはならないはずだ」

「それは何と言うか……ありがたいような、そうでないような」

 出来れば割と上位の天狗に出てきてもらって、その人相手にズバッと決着をつける方が好みなんだけどね。
 ――はっ、面をつけてないのに、別の人の影響が出てきちゃってる。
 いけないいけない。そういう豪快な真似が出来るのは、幽香さんとか文姉クラスの実力者だけだと言うのに。
 最近、微妙に持て囃されている気がしたから、ちょっと調子に乗っちゃってたかも。

「ま、どっちにしろ今日はもう新しい挑戦者は出てこないだろうさ。だから、とっとと哨戒に――」

「こんにちは~。くろーさんと愉快な皆さま方~」

「……行けそうにないねぇ、これは」

「あ、雛さん」

 森の奥から現れた、シックなゴスロリ衣装の女の子――鍵山雛さん。
 天狗の縄張り近くに居る以上、当然彼女も普通の人間ではない。
 妖怪の山に住まう厄神様、つまり神の一種だ。
 厄神と言っても厄を振りまく神では無く、むしろ人間に纏わりつく厄をため込んでくれる実にありがたい神様である。
 ちなみに、ため込んだ厄が近づく相手を不幸にするため、雛さんは一定以上の距離を絶対に縮めようとしない。
 そのため先ほどの会話は、キャッチボール出来そうな距離を置いて交わされると言うかなりシュールなものになっている。

「また来たのかい? 普段人と接したがらないアンタにしては珍しいね」

「だって……くろーさんが居ますから~」

 夢見心地な乙女の瞳で、うっとりと語る厄神様。
 彼女とにとりは顔見知りらしく、哨戒任務二日目当たりでにとりが雛さんの事を紹介してくれた。
 それから今日まで四日間、ほぼ毎日雛さんは僕等の所に顔を出している。
 理由は簡単、僕こと「くろーさん」が居るためだ。
 ……あー、先に言っておくけど、色気のある理由じゃありませんヨ?

「今日もくろーさんは凄いですね~。たった一日でこれほどの厄を溜められるなんて~」

「あはは、どーも」

「私も長い間色んな人を見てきましたが、こんなに厄を溜め易い体質の人は初めてですよ~」

「わはははは、さようですか」

 ……まぁ、つまりそういう事です。
 厄の専門家である雛さん曰く、僕はいっそ芸術的なくらい強烈に厄を引き寄せるんだそうで。
 何しろ初対面の第一声が「貴方、良く今まで生きてこられましたね~」だ。
 そう言われる心当たりがあり過ぎて苦笑いしか返せなかった僕の心境、推して知るべし。
 
「雛殿。久遠殿に会うためだけに、天狗の縄張りへ近づかれても困るのですが」

「大丈夫ですよ~、皆さんの迷惑にはなりませんから~」

「いえ、そういう問題では無くてですね」

 ちなみに、彼女が口にする「くろーさん」と言う名前は、九郎判官義経に倣った僕の渾名である。
 名付け親は雛さんでは無く、初日の騒動を聞いた天狗の長――天魔さんだ。
 何でも牛若丸と呼ばれた頃の義経が、かつて鞍馬天狗に育てられた話に起因しているらしい。
 ……別に、僕は文姉に育てられているワケじゃないんだけどなぁ。
 僕等に好意的な天狗はほとんどが僕の事をこう呼ぶので、いつの間にかこの渾名は妖怪の山全体に浸透していたようだ。
 それにしても、最初に聞いた時には誰の事かと思いましたよ。
 分かり難い渾名付けるなぁ、天狗の長さんも。
 ちなみに、そんな天魔さん曰く今回の騒動は「面白いから好きにやれ」だとか。無責任にも程がある。

「とりあえず雛。私達今から見回りに行かなきゃいけないから、アキラで遊ぶのは後にしてくれないかい?」

「遊ばれてるんですか、僕」

「そんな事ありませんよ~? 私はくろーさんの今後を本気で心配して、こうして厄を取りに来ているんですから~」

「……あの、そんなに酷いんですか? 僕に集まる厄って」

「量、質ともに申し分ない厄が集まってますね~。私と同じ能力持ってたりします?」

「あはははは……ちょっと泣いてきますね」

「お、落ち着きなってアキラ! 大丈夫だよ、大丈夫!!」

 にとりは優しいなぁ。でも視線が泳いでますヨ?
 あと椛さん、別にそっちへ話を振るつもりは無いから顔を背けないでください。
 
「まぁ、くろーさんがお忙しいなら後にします~。お仕事頑張って~」

「あ、はい。ありがとうございます」

 にこやかな笑みでそう言うと、こちらに手を振ってくれる雛さん。
 ちょっと言動がぶっ飛んでいると言うか、ずれてる所が気になるけど、基本的には良識な神様なんだよなぁ。
 ちなみにここ妖怪の山は、その名称に反して多くの神々が住んでいる場所でもある。
 雛さんの他にも、ここ数日で僕は二人の神様と知り合いになっていた。
 こっちは偶然出会ったんだけど、どうも行動範囲が微妙に噛み合っているらしく良く出会うので、今度会った時にでも紹介させて貰おう。
 ……それより今は、心の底から同情するような笑みを浮かべている雛さんの方が気になるし。

「本当に頑張って、生きて帰ってきてくださいね~」

「あの雛さん? 何ですかその不吉な物言いは」

「今までの人生で起きた最悪の出来事が、もう一度やってくると思えば乗り越えられますよ~」

「何をっ!? と言うか、僕の背後にどんな厄を見たんですか雛さんっ!?」

「あ~、くろーさんなら二番目か三番目かに悪い出来事でも大丈夫かもしれませんね~」

「それはひょっとしてフォローのつもりだったりするのかなっ!? かなっ!?」

 そこまで酷いなら、せめてちょっとくらいの厄を持ってっても良いじゃないですか。
 今はダメって言われたからって、そんな律義な真似しなくても。

「それでは、おサヨウナラ~」

 クルクル回って去っていく、何故かテンション上がってる厄神様。
 良識があってもやっぱり幻想郷の住人、マイペースな所は変わらないようだ。
 引き留めようにも、雛さんの周りには厄があるからそもそも近づけない。
 ああ、待って欲しいのに見送るしかないこのジレンマ。あっという間に雛さんは山の奥へと消えて行った。

「かむばっく、雛さぁぁぁぁん!」

「お、落ち着きなってアキラ。雛はあれで茶目っ気のあるヤツだから、ただの冗談で言った可能性も―――」
 
「こんなタチの悪い冗談があるのっ!?」

「……いや、ゴメン。気休め言った」

 なんか色々とへし折れそう。オウチニカエリタイ。
 これから僕の身に、何が起きようとしているんだろうか。

「雛殿の位置は把握しているぞ。追いかけるか?」

「……大丈夫。うん、平気だから哨戒任務に移ろう」

「え、良いのかい?」

 椛の気遣いを丁重に断り、僕はそう答えた。
 にとりは心配そうな顔をしているけど、そもそも追いかけて厄を取って貰ってもあまり意味は無いのだ。
 何しろ―――

「どうせ今日の厄を取って貰っても、明日か明後日当たりに同じ厄が来ると思うしねっ!」

「アキラぁ……」

 泣かないでくださいにとりさん、僕も泣きたくなりますから。
 凄く切なそうな顔をする二人から視線を逸らし、僕はわざとらしく明るい声を出した。

「さぁ、楽しく哨戒任務と行きましょうかっ!!」

「そうだね。出来るだけ明るく行こうか」

「ああ、これが最後になるかもしれんしな……」

 だから、そういう今を慈しむような台詞は勘弁してください。
 こう見えて心はガラスの様に繊細なんですよ? 散々否定されてきてますけど。
 とりあえず、遺憾の意を込めて先に進む事にしよう。
 泣いてないよ? まだギリギリで泣いてないからねっ!?

「おっとっと、待ちなよアキラ。なるべく一緒に居た方が良いだろう?」

「ああ、用心は必要だな」

「もうそのフリは良いからっ!」

「そう言いつつも、私達に近づくアキラだったとさ」

 いや、これはアレですよ? 僕が先頭じゃ迷子になるかもしれないからですよ?
 まだまだ勤務日数ちょっとのひよっ子なワケですし、だからそのあのね……ビビりでスイマセン。
 ――しかし、そんな不吉な予言のようなものを受けつつも、哨戒任務は問題無く進んでいった。
 にとりの予想した通り、新しい挑戦者も現れないし、今のところ僕がボロボロになる事態も発生していない。
 世はなべて事も無し。……このまま哨戒任務が終わってくれれば言う事無しなんだけどなぁ。

「そういや、今日はこないね。あの姉妹」

「ああ、秋姉妹? 確かにいつもならもう会ってる時間だよね」

 秋姉妹と言うのは、さっき言っていた「ここ数日で知り合った二人の神様」の事だ。
 それぞれが紅葉と豊穣を司る神々で、秋と言う季節を象徴した姉妹だと言える。
 何しろ豊穣を司る妹さん――秋穣子さんなんかは、人里の収穫祭に毎年呼ばれたりしているんだそうだ。
 ふむ、こういう説明をすると、あの二人がメジャーな神様に聞こえてくるから不思議である。
 いやまぁ、有能な神様ではあるらしいんだけどね? どうもパッとしないと言うか地味というか……。

「もう少し歩いていたら、そのうち会うんじゃないかな? この辺だよね、二人が居るのって」

「そうだな。……まぁ、別段会いたい理由も無いし、会えないのなら会えないで問題は無いだろう」

「そろそろ秋も終わりだしねぇ。冬が来ると途端にテンションの下がる神様だから、いっそ会えなくても良いかもね」

「酷い言い草だなぁ。そりゃ、特別会いたいワケでも無いけどさ」

「久遠殿も、中々酷いと思うぞ?」

 そう言われても、ご近所付き合い以外の会う理由は無いからなぁ。
 雛さんみたいに相手が会いたがってるワケでも無いし、そこまで必死になって会う必要が無いんだよね。
 アレ? じゃあ別に、秋姉妹の話をする必要は無かったような。
 
「……とりあえず、先に進もうか」

「そうだな――むっ!?」

 何だか実りの無い時間を過ごした気がして、僕は疲れた様に話題を変える。
 すると、同意していた椛の表情がある方向で固まった。
 僕らがそちらに視線を向けても、鬱蒼と茂った森の姿しか見えない。
 魔眼の方にも反応は無し。……と言う事は、もっと遠くで何かがあったと言う事かな?
 僕らが椛に注視すると、彼女は緊迫した声色で見えたモノを口にした。

「―――フラワーマスターだ。奴が、この近くで戦っている」

「え、幽香が?」

「幽香さんがっ!?」

「なんだ、二人とも知り合いなのか?」

 ああ、そういえば椛は知らなかったっけ。僕等と幽香さんの関係。
 しかし、あまり外との接点が無いはずの妖怪の山でも有名とは、やっぱ幽香さんは凄いんだなぁ。
 って問題はそこじゃない、幽香さんが戦ってるだって!?

「大変だ! 椛、幽香さんはどこにっ!?」

「大体山の反対あたりだが……って久遠殿、どこに!?」

「幽香さんを止めてくるっ! 天狗の縄張りの近くで暴れられたら大変な事になるし!!」

「そうかな? 確かに幽香に暴れられるのは困るけど、そこまで大変じゃ……」

「今、天狗の縄張りには文姉が居るんだよ!? 下手したら、二人の喧嘩で天狗の縄張りがヤバいっ!!」
 
「――――椛、急ぐよ!」

「あ、ああ、分かった。……何がヤバいのかは、いまいち分からんのだが」

 僕の説明で、今がどれだけ危険な状況か理解して貰えたようだ。にとりの顔に緊張の色が浮かぶ。
 何だかんだでストレスが溜まっている今の文姉と、幽香さんがカチあったりした日には……。
 最悪、天狗の縄張りが二度目の大惨事を経験する羽目になるかもしれないっ!
 自身の想像に冷や汗を流しながら、僕は急いで山の裏側に向かって駆けだした。

「あ、いたいた。おーい九郎くーん」

「まだまだ元気な秋姉妹ですよー……ってはやっ!? あっという間に見えなくなった!?」

 途中、誰かに声をかけられた気がするけどとりあえずスルー。今はそれどころじゃないのだ。
 そのまま、僕は全速力で森の中を駆け抜ける。
 直感だけを頼りに数分ほど真っ直ぐ走っていると、やがて進行方向から派手な破砕音等が聞こえてきた。
 そういや、現在進行形で戦ってるって言ってたっけ。
 誰と戦っているのか聞き損ねたけど、この様子だとただの妖怪って線は薄そうだ。
 
「ねぇ椛、幽香さんが戦ってる相手って誰なの――ってアレ?」

 そうして後ろを振り返っても、二人の姿は見当たらない。
 どうやらいつの間にか、辛うじて魔眼に引っかかる程度の距離まで二人を引き離してしまったようだ。
 ……ううっ、しょうがない。ここは僕一人の力で何とかするしかないか。
 すでに僕の魔眼にも、強烈な力を持った二人の姿とたくさんの弾幕がぼんやり映っている。
 こりゃ、文姉と会うまでもなく大変な事になってるかも。
 僕は覚悟を決めて、戦っているであろう二人の間に飛びだした。

「幽香さん待った! あんまり派手に暴れないで!!」

「――あら、晶じゃない」

「!?」

 ひらけた広場のような場所に、幽香さんともう一人は居た。
 悠然とした姿勢の幽香さんに息を切らせて対峙しているのは、独特の衣装をした巫女さんである。
 青と白で構成され、何故か腋の空いた巫女服。
 緑がかった長い髪に、カエルと蛇を模した髪飾り。―――あれ?
 おかしいな。いきなり僕の目がおかしくなったみたいだぞ?
 僕は自分の頭を叩きながら、改めて目の前に居る巫女さんの姿を確かめてみる。
 宙に浮き、こちらを攻撃的に睨む正体不明であって欲しい巫女さん。
 うん、こっちの記憶を検索して姿を真似る妖怪とかでは無い様ですネ。
 
「また新しい妖怪ですか! 良いでしょう、相手が何人居ようと、守矢の巫女に負けはありません!!」

「さっき、私一人に負けそうになっていたじゃないの」

「あ、あれは様子見ですっ! これから私の本気が始まるんですよっ!!」

「どっちでも良いけど、晶は妖怪じゃないわよ? そんな事も分からないのかしら、山の上の神社の巫女は」

「ぐぅっ――って、人間!?」

 幽香さんの告げる事実に、ビックリして目を見開く巫女さん。
 ちなみに、とっくにビックリしている僕はノーリアクションだ。
 何しろ目の前に居るのは――‘外の世界に居るはずの’馴染みのある人物なのだから。

「……そういう事ですか。ふっふっふ、語るに落ちましたね、花の妖怪さん」

「あまり興味は湧かないけど、一応聞いて上げるわ。なにかしら」

「妖怪の山に人間が居るはずありません! つまり、貴方の発言は私を惑わすための虚言なのでしょう!?」

「それ、優位な立場の私が使う必要のある嘘なのかしら」

 あ、やっぱり幽香さんの方が優勢なんですか。
 いや、乱入した時の状況からそんな気はしてましたけどね。
 名探偵の如く誇らしげに推理を語り、幽香さんへと指を突き付けた巫女さんは、あっさり論破されしょぼんと肩を落とす。
 それでもまだ自分の理屈に未練があるのか、彼女はおずおずと縋る様に上目づかいで幽香さんを見つめた。

「それじゃあ、あの人は誰なんですかぁー」

 心底不思議そうに、今度は僕を指差す巫女さん。
 ここで幽香さんに語らせると面倒な事になりそうなので、僕は自分から答えを語る事にした。
 ただし――自分の立場を言うワケでは無い。
 
「その、何と言うか……久しぶりだね、‘早苗’ちゃん」

「……えっ?」

「あら?」

 時間としてはそう長くない前、外の世界に居た頃の友人――東風谷早苗ちゃん。
 どういう経緯があったのかは知らないけれど、何の因果か僕等はこの幻想郷で再会したのだった。
 そしてそんな友人の言葉に、早苗ちゃんは唖然とした表情のままで一言返す。

「―――その、どちら様ですか?」

 ……そりゃ半年くらい会って無かったけどさ、一緒に下校して噂されるのを断らない程度には仲良かった友達にそれは無いでしょう。





 ちなみに、僕がそう返された原因――腋メイド姿――に思い至るまで、数回の問答を繰り返した事を一応述べておく。
 その間一度もフォローしてくれなかったけど、幽香さんは絶対気付いてて黙っていたと思う。泣きたい。


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