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No.8576の一覧
[0] 東方天晶花 (東方project+オリ主)【完結+未来語りⅡ追加】[ラリアー](2011/04/19 08:33)
[1] 巻の起「はじまり はじまり」 ~Welcome the beginner of the fantasy~[ラリアー](2009/11/06 15:52)
[2] 東方天晶花 巻の一「百聞は一見に如かず」[ラリアー](2009/11/06 15:51)
[3] 東方天晶花 巻の零点五「口は災いの元」[ラリアー](2009/11/06 15:51)
[4] 東方天晶花 巻の二「女心と秋の空」[ラリアー](2009/11/06 15:51)
[5] 東方天晶花 巻の三「人の振り見て我が振り直せ」[ラリアー](2009/11/06 15:51)
[6] 東方天晶花 巻の四「袖振り合うも多生の縁」[ラリアー](2009/11/06 15:51)
[7] 東方天晶花 巻の五「芸は身を助く」[ラリアー](2009/11/06 15:51)
[8] 東方天晶花 巻の五点五「知らぬが仏」[ラリアー](2009/11/06 15:52)
[9] 東方天晶花 巻の六「帯に短し襷に長し」[ラリアー](2009/11/06 15:52)
[10] 東方天晶花 巻の七「暗がりに鬼を繋ぐ」[ラリアー](2009/11/06 15:52)
[11] 東方天晶花 巻の八「鬼が出るか蛇が出るか」[ラリアー](2009/11/06 15:53)
[12] 東方天晶花 巻の九「親しき仲にも礼儀あり」[ラリアー](2009/11/06 15:53)
[13] 東方天晶花 巻の十「身から出た錆」[ラリアー](2009/11/06 15:53)
[14] 東方天晶花 巻の十点五「親の心子知らず」[ラリアー](2009/11/06 15:53)
[15] 東方天晶花 巻の十一 「縁は異なもの味なもの」[ラリアー](2009/11/06 15:53)
[16] 東方天晶花 巻の十二「玉磨かざれば器を成さず」[ラリアー](2009/11/06 15:53)
[17] 東方天晶花 巻の十三「藪を突突いて蛇を出す」[ラリアー](2009/11/06 15:53)
[18] 東方天晶花 巻の十四「精神一到何事か成らざらん」[ラリアー](2009/11/06 15:54)
[19] 東方天晶花 巻の十五「竹馬の友」[ラリアー](2009/11/06 15:54)
[20] 東方天晶花 巻の十五点五「呉越同舟」[ラリアー](2012/01/16 10:42)
[21] 東方天晶花 巻の十六「鷺を烏」[ラリアー](2009/11/06 15:54)
[22] 東方天晶花 巻の十七「無用の用」[ラリアー](2009/11/06 15:54)
[23] 東方天晶花 巻の十八「羹に懲りて膾を吹く」[ラリアー](2009/11/06 15:54)
[24] 東方天晶花 巻の十九「上に交わりて諂わず下に交わりて驕らず」[ラリアー](2009/11/06 15:54)
[25] 東方天晶花 巻の二十「用心は勇気の大半なり」[ラリアー](2009/11/06 15:55)
[26] 東方天晶花 巻の二十一「烏に反哺の孝あり」[ラリアー](2012/01/30 18:40)
[27] 東方天晶花 巻の二十二「子は三界の首枷」[ラリアー](2009/11/06 15:55)
[28] 東方天晶花 巻の二十三「立てば芍薬 座れば牡丹 歩く姿は百合の花」[ラリアー](2012/01/16 10:47)
[29] 東方天晶花 巻の二十三点五「画竜点睛」[ラリアー](2009/11/06 15:55)
[30] 東方天晶花 巻の二十四「情けは人の為ならず」[ラリアー](2009/11/06 15:55)
[31] 東方天晶花 巻の二十五「コチョウノユメ」[ラリアー](2009/11/06 15:55)
[32] 巻の承「それから それから」 ~The world of extending fantasy~[ラリアー](2009/11/21 02:27)
[33] 東方天晶花 巻の二十六「その日その日が一年中の最善の日である」[ラリアー](2009/11/06 15:56)
[34] 東方天晶花 巻の二十七「真の友愛においては、 私は友を自分のほうにひきつけるよりもむしろ自分を友に与える」[ラリアー](2009/11/06 15:56)
[35] 東方天晶花 巻の二十八「青春は短い。宝石の如くにしてそれを惜しめ」[ラリアー](2009/11/06 15:57)
[36] 東方天晶花 巻の二十九「時というものは、 それぞれの人間によって、 それぞれの速さで走るもの」[ラリアー](2009/11/06 15:57)
[37] 東方天晶花 巻の三十「不幸な人間は、いつも自分が不幸であるということを自慢しているものです」[ラリアー](2009/11/06 15:57)
[38] 東方天晶花 巻の三十一「食卓は、最初の間は人々が決して退屈することのない唯一の場所である」[ラリアー](2012/01/30 18:41)
[39] 東方天晶花 巻の三十二「軽信は大人の弱点であるが、子供にとっては力である」[ラリアー](2009/11/06 15:57)
[40] 東方天晶花 巻の三十三「怒りは他人にとって有害であるが、憤怒にかられている当人にとってはもっと有害である」[ラリアー](2009/11/06 15:57)
[41] 東方天晶花 巻の三十四「進歩とは、価値の置換によって生ずる錯覚にほかならない」[ラリアー](2009/11/06 15:58)
[42] 東方天晶花 巻の三十四点五「雨は一人だけに降り注ぐわけではない」[ラリアー](2009/11/06 15:58)
[43] 東方天晶花 巻の三十五「主よ、助けてくれとは申しません。私の邪魔をしないで下さい」[ラリアー](2015/01/19 22:38)
[44] 東方天晶花 巻の三十六「命と引き換えに金を欲しがるのは強盗であるが、女はその両方とも欲しがる」[ラリアー](2009/11/06 15:58)
[45] 東方天晶花 巻の三十七「苦痛には限度があるが、恐怖には限度がない」[ラリアー](2009/11/06 15:58)
[46] 東方天晶花 巻の三十八「成功する人は錐のように、ある一点に向かって働く」[ラリアー](2009/11/06 15:58)
[47] 東方天晶花 巻の裏側「教えろ! 山田さんっ!!」[ラリアー](2009/11/06 15:59)
[48] 東方天晶花 巻の三十九「事を行うに当って、いつ始めよう等と考えている時には、既に遅れをとっているのだ」[ラリアー](2009/11/06 15:59)
[49] 東方天晶花 巻の四十「善良な性格は法律よりもさらに信頼ができる」[ラリアー](2013/05/27 22:17)
[50] 東方天晶花 巻の四十一「人間が幸福であるために避けることのできない条件は勤労である」[ラリアー](2012/02/06 13:03)
[51] 東方天晶花 巻の四十二「良い判断は無分別な親切に勝る」[ラリアー](2013/05/27 22:20)
[52] 東方天晶花 巻の四十三「病気は千もあるが、健康は一つしかない」[ラリアー](2009/11/16 01:55)
[53] 東方天晶花 巻の四十四「この瞳を、どうしてにごしてよいものか」[ラリアー](2009/11/21 02:31)
[54] 東方天晶花 巻の四十五「公にされることを望む慈善はもう慈善ではない」[ラリアー](2013/06/10 19:50)
[55] 東方天晶花 巻の四十六「報酬への期待を行動のバネとする人にはなるな」[ラリアー](2013/04/22 19:40)
[56] 東方天晶花 巻の四十七「言葉で説教するよりも、あなたの生き方そのものがより良い説教となろう」[ラリアー](2013/05/06 23:58)
[57] 東方天晶花 巻の四十八「真実には特定の時などない。真実はどんな時代にも真実である」[ラリアー](2012/02/06 13:06)
[58] 東方天晶花 巻の四十九「正義は永遠の太陽である。世界はその到達を遅れさせることはできない」[ラリアー](2012/02/06 13:07)
[59] 東方天晶花 巻の五十「希望に満ちて旅行することは、目的地にたどり着くことより良いことである」[ラリアー](2010/01/07 20:28)
[60] 東方天晶花 巻の五十一「人間の真の性格は、彼の娯楽によって知られる」[ラリアー](2010/01/14 13:33)
[61] 東方天晶花 巻の五十二「恋愛は人を強くすると同時に弱くする。友情は人を強くするばかりである」[ラリアー](2013/05/06 23:58)
[62] 東方天晶花 巻の五十二点五「不思議なものは多い。しかし人間ほど不思議なものはない」[ラリアー](2010/01/24 18:04)
[63] 東方天晶花 巻の五十三「最強者の理屈が、いつも最も良いとされる」[ラリアー](2013/06/10 19:50)
[64] 東方天晶花 巻の五十四「怒りの結果は、怒りの原因よりはるかに重大である」[ラリアー](2010/02/07 06:05)
[65] 東方天晶花 巻の五十四点五「自負は常に他人の感嘆によって強化される」[ラリアー](2010/02/14 09:54)
[66] 東方天晶花 巻の五十五「友情は最初、残酷なほど明確にものを見る」[ラリアー](2012/02/18 15:06)
[67] 東方天晶花 巻の五十六「至上の処世術は、妥協することなく適応することである」[ラリアー](2010/02/24 21:21)
[68] 東方天晶花 巻の五十七「あまり道徳的になるな。自分を欺いて人生を台無しにしてしまう」[ラリアー](2010/03/03 17:18)
[69] 東方天晶花 巻の五十八「慣習とは反対の道を行け。そうすれば常に物事はうまくいく」[ラリアー](2010/03/10 21:29)
[70] 東方天晶花 巻の五十九「自尊心は美徳ではないとしても、それは多くの美徳の両親である」[ラリアー](2010/03/30 01:45)
[71] 東方天晶花 巻の五十九点五「まず事実をつかめ。それから思うままに曲解せよ」[ラリアー](2010/03/23 17:54)
[72] 東方天晶花 巻の六十「活動的な馬鹿より恐ろしいものはない」[ラリアー](2010/03/30 01:46)
[73] 東方天晶花 巻の六十一「行動するためには、いかに多くの事に無知でなければならぬ事か」[ラリアー](2012/02/26 08:32)
[74] 東方天晶花 巻の六十二「勇敢な行為は、決して勝利を欲しない」[ラリアー](2010/04/20 00:01)
[75] 東方天晶花 巻の六十三「忍耐とは、肉体的な小心と道徳的勇気の混じり合いである」[ラリアー](2012/02/26 08:56)
[76] 東方天晶花 巻の六十四「神の存在を立証しようとするあらゆる試みは、すでに神に対する冒涜である」[ラリアー](2012/02/26 08:57)
[77] 東方天晶花 巻の六十五「行動はいつも幸せをもたらすものではないが、行動なくしては幸せはない」[ラリアー](2012/03/03 12:21)
[78] 幻想郷うろ覚え童話「モモタロウ」[ラリアー](2010/05/08 00:56)
[79] 東方天晶花 巻の六十六「運命は我々の行為の半分を支配し、他の半分を我々自身にゆだねる」[ラリアー](2012/03/03 12:25)
[80] 東方天晶花 巻の六十七「王国を統治するよりも、家庭内を治めることのほうが難しい」[ラリアー](2010/05/20 10:28)
[81] 東方天晶花 巻の六十八「常識の有無は教育の有無とは関係ない」[ラリアー](2010/05/27 01:01)
[82] 東方天晶花 巻の六十九「不正の存在を前にして黙する人は、実は不在の共犯者にほかならない」[ラリアー](2010/06/02 00:17)
[83] 東方天晶花 巻の七十「馬は死ぬ前に売ってしまうことだ。人生のコツは、損失を次の人に回すこと」[ラリアー](2012/03/15 18:46)
[84] 東方天晶花 巻の七十一「人間は自分の知っていることなら半分は信じるが、聞いたことは何も信じない」[ラリアー](2013/05/12 23:50)
[85] 東方天晶花 巻の七十二「友人の失敗には目をつぶれ、だが悪口には目をつぶるな」[ラリアー](2012/03/15 18:47)
[86] 東方天晶花 巻の七十三「今が最悪の状態と言える間は、まだ最悪の状態ではない」[ラリアー](2012/03/26 23:52)
[87] 東方天晶花 巻の七十四「学校での成績がよいからといって、社会で認められるとは限らない」[ラリアー](2010/07/07 00:16)
[88] 東方天晶花 巻の七十五「神はあらゆる人間のうちに住むが、すべての人間は神のうちに住まず」[ラリアー](2010/07/21 10:29)
[89] 東方天晶花 巻の七十六「苦しんで強くなることがいかに崇高なことであるかを知れ」[ラリアー](2012/03/26 23:53)
[90] 東方天晶花 巻の七十六点五「家庭はどこで始まるか? 若い男と若い娘が恋愛に陥ることから始まる」[ラリアー](2010/07/28 01:23)
[91] 東方天晶花 巻の七十七「長いこと考え込んでいるものが、いつも最善のものを選ぶわけではない」[ラリアー](2010/08/04 00:06)
[92] 東方天晶花 巻の七十八「男に惚れられるような男でなければ、女には惚れられない」[ラリアー](2012/04/10 09:56)
[93] 東方天晶花 巻の七十九「二人の女を和合させるより、むしろ全西欧を和合させる事の方が容易であろう」[ラリアー](2010/08/25 00:02)
[94] 東方天晶花 巻の八十「友情は瞬間が咲かせる花であり、そして時間が実らせる果実である」[ラリアー](2010/09/07 22:54)
[95] 東方天晶花 巻の八十一「文学は商売と芸術が半々であるとき最も栄える」[ラリアー](2010/09/08 00:07)
[96] 東方天晶花 巻の八十一点五「さすらいと変化を愛するものは生ある者である」[ラリアー](2010/09/13 00:07)
[97] 東方天晶花 巻の八十二「絶望とは、闘う理由を知らずに、しかもまさに闘わねばならないということだ」[ラリアー](2010/09/27 01:22)
[98] 東方天晶花 巻の八十三「真の勇気というものは、極端な臆病と無鉄砲との中間にある」[ラリアー](2010/09/27 01:23)
[99] 東方天晶花 巻の八十四「今日は堂々と勇ましく、そして明日は墓の中」[ラリアー](2012/04/15 23:09)
[100] 東方天晶花 巻の八十五「賽は投げられた」[ラリアー](2012/04/23 22:15)
[101] 巻の転「むかし むかし」~the end of fantasy~[ラリアー](2010/10/20 23:50)
[102] 東方天晶花 巻の八十六「未知になるって言うのは、死んじゃうのと同意義なのさ」[ラリアー](2010/10/30 18:11)
[103] 東方天晶花 巻の八十七「宴には上等の酒と上等の肴があれば充分よ」[ラリアー](2012/04/23 22:24)
[104] 東方天晶花 巻の八十八「幻想郷は、宴会も自由だなぁ」[ラリアー](2010/11/06 11:22)
[105] 東方天晶花 巻の八十九「溜まったツケを払わないと、新しい事は始められないでしょ?」[ラリアー](2010/11/13 00:39)
[106] 東方天晶花 巻の九十「世間から必要とされない音楽はこうやって消えていくのね~」[ラリアー](2010/11/20 00:02)
[107] 東方天晶花 巻の九十一「この幸せ者共め! お代は聞いてのお帰りだよっ!!」[ラリアー](2010/12/02 00:44)
[108] 東方天晶花 巻の九十二「他人のペースに合わせて自分を見失ってはダメなの」[ラリアー](2010/12/09 00:03)
[109] 東方天晶花 巻の九十三「人や妖怪と一緒、家にも色んな形があるの」[ラリアー](2010/12/16 10:51)
[110] 東方天晶花 巻の九十四「まるで、巌流島の決闘みたいね」[ラリアー](2010/12/23 00:57)
[111] 東方天晶花 巻の九十五「きっと貴方自身ですら知らない秘密を教えてくれるわよ」[ラリアー](2010/12/30 00:21)
[112] お正月特別変「フタマルイチイチ、ヲトシダマ異変」[ラリアー](2012/05/14 17:48)
[113] 東方天晶花 巻の九十六「正直で結構! あたいも生きてる奴を運ぶほど暇じゃないからね」[ラリアー](2011/01/13 00:03)
[114] 東方天晶花 巻の九十七「半端な智慧は時として、無知よりも罪深き業となります」[ラリアー](2012/05/29 01:47)
[115] 東方天晶花 巻の裏側弐「スキマ妖怪が教えてア・ゲ・ル♪」[ラリアー](2011/01/26 10:35)
[116] 東方天晶花 巻の九十八「やがて辿り着く結果までは、この閻魔にも見通せません」[ラリアー](2011/02/02 00:55)
[117] 東方天晶花 巻の九十九「胸を張れとは言わないけどさ、お礼くらいはちゃんと受け取りなよ」[ラリアー](2011/02/09 00:02)
[118] 東方天晶花 巻の百「譲れないモノがあるなら死んでも守り切りなさい」[ラリアー](2011/02/16 00:20)
[119] 東方天晶花 巻の裏側参「もう一度教えろ! 山田さんっ!!」[ラリアー](2011/02/23 02:18)
[120] 東方天晶花 巻の百一「幻想郷らしく、力尽くで居場所を‘奪って’きます」[ラリアー](2011/03/01 00:02)
[121] 東方天晶花 幕間「誰が為に鐘は鳴る」[ラリアー](2011/03/08 11:09)
[122] 東方天晶花 巻の百二「つまりはいつも通り、一か八かの出たとこ勝負をするワケね」[ラリアー](2011/03/15 01:59)
[123] 東方天晶花 幕間・弐「久遠の空に舞い踊る風花」[ラリアー](2011/03/22 00:01)
[124] 東方天晶花 巻の百三「―――切り札ならありますよ。最低最強、とっておきの一枚がね」[ラリアー](2011/03/29 08:04)
[125] 巻の結「めでたし めでたし」~The fantasy continues~[ラリアー](2011/04/11 23:50)
[126] 東方天晶花 キャラ紹介(第九十五話まで[ラリアー](2012/05/29 01:48)
[127] 天晶花・昔語り①「晶と隙間とお茶会と」[ラリアー](2009/11/26 19:11)
[128] 天晶花・昔語り②「晶と隙間とお袋の味と」[ラリアー](2009/12/17 01:51)
[129] 天晶花・昔語り③「晶と巫女とカラオケと」[ラリアー](2010/08/18 04:29)
[130] 天晶花・昔語り④「早苗と神と悪戯メールと」[ラリアー](2010/11/27 00:04)
[131] 天晶花・未来語りⅠ「次代のユウウツ」[ラリアー](2012/06/04 21:40)
[132] 天晶花・未来語りⅡ「賢人のわりといつも通りな一日」[ラリアー](2012/06/04 21:41)
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[8576] 東方天晶花 巻の六十一「行動するためには、いかに多くの事に無知でなければならぬ事か」
Name: ラリアー◆536635cd ID:9d10842d 前を表示する / 次を表示する
Date: 2012/02/26 08:32
巻の六十一「行動するためには、いかに多くの事に無知でなければならぬ事か」




 目の前に現れた謎の少女。
 彼女は果たして、敵なのか味方なのか。

「だからそれ、私が言う台詞じゃないの?」

「じゃあ譲ろうか、はいどうぞ」

「ありがと。こほん―――貴方はだぁれ?」

「はい! 久遠晶十七歳、通りすがりの迷子ですっ!!」

 改めて口にすると、己のマヌケさ具合が良く分かるなぁ。
 こんな地下深くに偶然迷い込むって、どれくらい有り得ない事なんだろう。
 ひょっとしたら僕、変な神様の加護でも受けているのかもしれない。
 トラブルとかコメディとか、何かそこらへんを司ってる感じの。

「へー、貴方迷子なんだ。私迷子って初めて見た!」

「ふっふっふ、そう褒め称えられると照れちゃうね。なんだったら握手しようか?」

「うんっ!」

 ……ボケたら更なるボケを返された。恥を隠そうとしただけに、凄く反応に困る。
 シャンデリアっぽい何かを背負った少女は、心の底から溢れ出ているかのような笑みを浮かべ手を差し出してきた。
 そのまま、期待するような目でじっとこちらを見上げてくる金髪の少女。
 え? ボケじゃなくてマジなの?
 その視線の威圧に負け、僕は何故か迷子代表として握手する羽目になってしまった。

「ところで、これ何の意味があるの?」

 しかもそれを、握ってから聞いてきますか。
 単に勢いで言っただけなんだけど、そう言われると何か理由を捏造したくなる。
 僕は数瞬考え込み、限りなく嘘っぽい理由を敢えて口にした。

「――君も迷子になれる、とか」

「本当にっ!?」

「いやその、ひょっとしたら、多分」

「……なーんだ、つまんないの」

 お嬢さん、どれだけ迷子に憧れを抱いているのですか。
 本気で残念そうにそんな事を呟く、色んな意味で底の知れない謎の少女。
 容赦なく畳みかけてくる彼女の言動は、最早ボケの不法投棄と言っても過言ではない。
 垂れ流しはほんと勘弁して下さい、マジで。
 握った手を上下させながら、僕はこっそりと溜息を吐く。
 そんな僕の様子にこれっぽっちも気付かない少女は、ご機嫌な笑顔を浮かべたままポツリと呟いた。
 
「じゃあ、もう用は無いから殺しちゃうね?」

 それは本当に何気なく、新しい話題でも提供するかのようにあっさりと少女の口から漏れ出た言葉だった。
 今まで握手に使われていた手はゆっくりと僕の顔に向けられ、そのまま閉じられようと――。

「――アレ、いない?」

「あ、危なかった………」

 手が握られる僅かな合間で、僕は天井のシャンデリアにぶら下がっていた。
 言い方が他人事になってるのは、身体の方が勝手に動いてくれたからだ。
 僕の頭がこのままじゃヤバいと判断を下す前に、身体は反射で動いてくれたらしい。
 ありがたい事だ。あのまま彼女の前に立っていたら――僕は間違いなく死んでいただろう。

「わぁ、すごぉーいっ! こんなに早く動ける人間、初めてかもっ!!」

「は、ははは、意外と何とかなるものデスね」

「ねぇねぇ、そんな所で遊んでないで降りてきてよ! もっと色々お話ししよう?」

 いや、命のかかった遊びをするほど娯楽に飢えてませんから。
 と言うかここに退避したのは、あからさまにヤバい事を始めた貴女のせいなんですよ?
 そんなこちらの無言の抗議も気にせず、テンションを上げてはしゃぎまくる少女。
 え、ボケどころか殺意も垂れ流すだけ垂れ流して無視ですか? 
 さすがに唖然とする他ない。せめて、今の行動に対して何かしらの説明が欲しい所なんですが。
 この際「ムシャクシャしてやった、反省も後悔もしてない」的なモノで良いからさ。

「ほら、早く早くっ!」

 少女はベッドの上に座り、ポンポンと楽しそうに布団部分を叩く。
 ああ、説明するつもりは皆無なワケですね。分かりました。
 何かを諦めた僕は、彼女の誘導に従いベッドの上へと着陸する。
 そんな僕に無邪気な拍手を送る謎の少女。本当に敵なのか味方なのか分からない。

「どんなお話しようかな。うーんと、えーっと」

「お話も良いけど、その前に一つ聞かせて貰って良い?」

「なにっ!?」

 うっ、なんと言う穢れの無い瞳。
 こんな純粋な態度で構えられると、さっきの行動の理由を尋ねにくくなってしまう。
 僕は被害者のはずなのになぁ。世の中って理不尽。

「その……貴女のお名前なんてーの?」

 結局逃げに走ってしまった僕。チキンと罵られても文句は言えない。
 でもしょうがないんです。良く分からないけど、今なんか尋ねる事で変なフラグが立つ気がしたんですよ。
 
「私? 私はフラン、フランドール・スカーレット!」

「へぇー、フランドール・スカーレット。何とも素敵なお名前で―――スカーレット?」

 はて、その吸血鬼っぽい名字はどこかで聞いた事あるなぁ。
 そういえば彼女の格好。被ってる帽子といい、服のデザインといい、どこぞの吸血鬼に通じるモノがあるような気がする。
 と言うか背中のシャンデリアっぽいアレ、実は羽根なんじゃないの?
 
「あのースイマセン。ちょっとお尋ね致しますが、フランドールさんってレミリアさんと如何なるご関係で?」

「私の事はフランで良いよ! 貴方は、お姉様の知り合いなの?」

「知り合いと言うか……紅魔館の客人兼メイド見習いって所ですかね」

 うん、だと思ったよ。
 謎の少女――フランドール・スカーレットは、さらっと重大な事実をぶっちゃけてくれた。
 ……あの人、妹が居たんだ。そんな話聞かなかったから全然知らなかった。
 しかし何でまた、その妹さんがこんな地下深くに居るんだろうか。

「そうなんだ! じゃあ、ええと――あきら? はここに住んでるの?」

「まぁ、色々あってお世話になってます」

 しかもこの様子だと地上、つまり紅魔館の状況は全然知らないと。
 さっきの態度といい、何か複雑な事情がありそうだなぁ。どうしたもんだろう。
 彼女――フランちゃんは僕の言葉に、何度も興味深げに頷いている。
 何がそんなに興味深いのかは良く分からない。この子の思考ルーチンはちょっと難解過ぎて想像出来ないのだ。
 ただ、気のせいか微妙にイヤな予感がする。根拠は全くないけど。

「お姉様、あきらの事すっごく気に入ってるんだね。へぇー」

「うーん……気に入られてるのかな? 玩具扱いされてる気もするけど」

「ねぇ、あきら」

「ん、なに?」

「――綺麗な眼だね。私に頂戴?」

 迷わず壁際に移動しました。マジだ、眼がマジ過ぎる。
 冷や汗を流す僕に、フランちゃんは笑みを浮かべて近づいてくる。
 ただし眼は笑っていない。ヤバい、これはマジで抉られる。
 
「フ、フランちゃん! ちょっと僕の目を見てっ!」

「ふふっ、見てるよ。――ところであきら、壁に寄り添って何してるの?」

「あはははは、強いて言うなら……命がけの説得工作かな」

 ほ、本格的に危なかった。ありがとう狂気の魔眼、こんな使い方ばっかりでゴメンナサイ狂気の魔眼。
 僕の魔眼で波長を弄られた彼女は、無事殺意を引っ込めてくれたようだ。
 ……それにしても妙だなぁ。フランちゃんの波長、派手に乱れていた割に凄い弄りやすかった気がする。
 前に弄ったのがメンタル強そうなアリスだったからかもしれないけど、まるで普段から‘乱れ慣れている’様な……。

「ねぇねぇ、破裂した人間の身体ってザクロに似てるって本当?」

「フランちゃん僕とオメメ見てお話しましょうかっ!!」

 とりあえず、考え事している場合ではないと思いましたっ!
 深い意味が無いとしても、今の台詞は超怖い。
 深い意味があったとしたら尚更怖い。どっちにしろ彼女には、もう少し落ち着いてもらわないと。
 
「お話……でも私、そんなにお話する事無いよ?」

「何をおっしゃいますやら。話の内容なんてものは、その場の空気に合っていれば何でも良いんですともさ」

「どういう事?」

「んー、つまりだねー」

 僕はあくまでフランちゃんの目を見つめながら、そっと彼女の髪を梳いてみせる。
 蜂蜜を糸にしたような透明で艶めいたフランちゃんの髪は、想像以上に抵抗せず指の合間を滑って行った。

「フランちゃんの髪がとっても綺麗だとか、そんな簡単な内容を話すだけでもお話になるってこと」

「……私の髪、綺麗なの?」

「うん、ずっと梳いていたいくらい」

「なら私の髪、好きなだけ触っても良いよ!」

「うん、ありがとう」

 満足そうな顔で微笑み、フランちゃんは僕の手櫛に身体を委ねる。
 何とも心温まるやり取りだけど……これ、お話してるワケじゃないよね。
 いや、当初の目的を考えると成功なのかもしれないけど。
 まぁ良いか、気にしない気にしない。

「あきらの手……気持ち良いね」

「ん、そうかな?」

「良いなぁ。欲しいなぁ、この手」

「……おてては、単体だと動きませんじょ?」

「そっかぁ、残念だね」

「あはははは、残念残念」

 き、気にしない。気にしないようにしないとね。
 僕の目に映る彼女の波長が、かなり頻繁なペースで乱れてるとか気にしたら負けだよ。
 なんだろう、この謎の温度差は。
 彼女の周りの空気はとても和やかなのに、僕の周りの空気はツンドラのように凍えている気がする。
 ……深い意味は無いしやった事もないんだけど、地雷撤去作業って凄く怖いんだね。いや、別にこれからやる予定も無いんですが。

「あきらの髪も、すべすべして綺麗そう。触って良い?」

「うん、じゃあ交代を――キャンセルしてナデナデ続行! もうちょっと触らせて? ねっ?」

「良いけど、ちゃんと代わってね?」

「ははっ、もちろんそのつもりデスよー」

 貴女が殺意を収めてくれたら、の話になりますがね。
 今、さりげなく僕をヤる気だったでしょ。
 君の行動パターンは……まだ分からないけど、波長の乱れるタイミングは分かってきたよ?

「こんなに撫でられたの、初めてかも」

「そうなの? レミリアさんは結構されてたみたいだけど」

 や、一応髪の手入れと言う名目はあったみたいだけどね?
 あの咲夜さんの姿を見て、愛でていると言う感想以外の言葉が出てくるヤツはいないだろう。
 本人がその事に気付いてないのは、幸運なのか不幸なのか。
 ――話がずれた。
 そんな僕の疑問に、フランちゃんの顔色が分かりやすく曇った。
 あちゃー、これひょっとして地雷だったのかな。
 さっきとは違う意味で寒くなる空気、どう考えても「私は……アレだから」フラグです。アレってなんやねん。

「私――」

「よーしそれじゃあ、僕本気でナデナデしちゃうぞコノヤロー!!」

「あっ……」

 よって僕はフランちゃんの切なげな語りをあえて無視し、彼女を思いっきり可愛がる事にした。
 参考資料は文姉と咲夜さん。やり過ぎるとセクハラで訴えられるどころか痴漢扱いされる諸刃の剣である。
 ちなみに僕は訴える事が出来ない。世の中ってほんと理不尽。

「よーしよしよしっ、フランちゃんは良い子だなぁっ!」

「わっ、くすぐったいよー」

 余計なトラウマが含まれたため、天晴れなほどヤケクソな可愛がりになってしまった。
 口まで使い始めたら某動物王国の主レベルの愛でっぷりになる事だろう。ただしその場合、僕は社会的に死ぬ。
 フランちゃんは恥ずかしそうにしながらも、本気で抵抗する気は無いらしく為すがままである。
 この言い方、有らぬ誤解を招きそうなので始めに言っておくけど、エロスは無いよ? 微笑ましさはあるけどね。
 しかしこうして愛でられている姿だけを見てると、さっきまでの波長の乱れが嘘のように思えてくる。
 悪い子では無いと思うんだけどなぁ……接続の甘くなった爆破スイッチをオンオフし続けるような危うさはどうにかならないのだろうか。
 まぁ、こうして狂気の魔眼を使っている間は大丈夫だと思うけどね。
 ……アレ? 今なにかフラグ立った?

「ねぇねぇ、あきら」

「ん? どうかしたの?」

「私達って「トモダチ」なのかなっ」

「ほへ?」

「前にお姉様が言ってたの、トモダチって自分の楽しい事をいっぱいしてくれる人だって」

 とても幸せそうに、ニコニコ笑顔でそういうフランちゃん。
 やや過剰なこの可愛がりを喜んでもらえたようで、僕としては何よりです。
 でもフランさん、その友達の定義は主にイジメっ子が引用するモノだと思いますヨ?
 
「まぁその、僕でよければ友達と呼んでもらって結構ですが」

「本当っ!?」

「う、うん」

「じゃあさ、じゃあさ、一緒に遊ぼう!!」

 アレ、おかしいなぁ? なんで今の会話で寒気が来るんだろう。
 念のため、彼女の波長を確認してみる。うん、乱れてない乱れてない。
 僕の中にある危機感知センサーは――絶好調で鳴りまくってるけどきっと故障だ、無視しよう
 結論、問題なんて一切ないから大丈夫だと言う事にしたいなぁ。
 あはははは、でも話を真面目に聞くために身体は離しておこうかな。話を真面目に聞くためにねっ!!

「いいけど、遊ぶって何して?」

「弾幕ごっこ!」

 ……落ち着け僕、まだ逃げ出すのは早い。
 弾幕ごっこなんてこの世界じゃ挨拶と一緒なんだから、遊びで始めたっておかしくはありませんよ。
 波長は乱れてない。つまり彼女は現在、平静な状態であると言う事だ。
 ならきっと大丈夫! 弾幕ごっこのルールに則って、死なない程度のコミュニケーションが取れるはずですとも!!

「私もあきらに楽しい事してあげるねっ!」

「へ、へぇ、具体的にはどんな?」

「手足をバラバラにして、身体や頭から色んなものを出すの! とっても綺麗で楽しいよっ!!」

 ―――扉を蹴破り、全速力で逃げ出した僕を誰にも責めさせはしない。
 と言うか無理だからっ! そんなスプラッタな遊戯、吸血鬼と蓬莱人と幽香さんしか楽しめないからっ!!
 
「待て待てーっ!」

「きゃぁぁぁぁぁああっ! 壁が粉微塵ーっ!?」

「えへへ、鬼ごっこだぁーっ!!」

「意外とポジティブなんですねお嬢さんっ!?」

 無邪気に逃げ出す僕を追っかけてくる、台詞だけなら可愛らしいフランちゃん。
 だけどその姿は、荒れ狂う暴風の体現と言っても過言ではない。
 部屋を区切っていた分厚い壁は、一瞬で破片となってバラバラになってしまった。
 何アレ。壁が壊れる一瞬前ですら、何の変異も掴めなかったんですけど。
 ひょっとしてそれがフランちゃんの能力? だとしたら―――僕実は超ヤバく無い?
 いやでも、まだ説明すれば何とか……………あ、波長乱れた。

「アハハハハハ! 鬼ごっこオニごっこタノしいナ! アハハハハハハハ!!」

「いやぁぁぁぁあああっ! 目に殺意が込められ始めたーっ!?」

 しかも速っ! こっちも全力で走ってるのに全然引き離せない!?
 恐ろしい。悪い事と言うのは連続して続くモノだ。
 一本道だと思ってたこの地下も、気付かなかっただけで実は意外と入り組んでいたみたいだし。
 ……わぁーい、出口はどこだろー。
 
「さ、最悪だぁぁぁぁあああっ!」

「いいな、いイな、アナたのニゲるスガタはトてモ魅力てキ。アナタのスベテヲワタシニチョウダイィィィィィイィ!!」

「フランちゃん僕のおめめ見てーっ!!」

「――待て待てーっ! きゅっとしてドカーンとしちゃうぞーっ!!」

「何一つ改善されてなーいっ!?」

 ダメだ。波長を収めても全然態度が変わってない。
 むしろ無邪気になった分、一割五分増しで厄介になった気がする。
 ああ、これが所謂進むも地獄引くも地獄? 何か違う。

「わぁぁぁぁぁああん、誰でも良いから助けてぇぇぇぇぇええええっ!!」

「た~べぇ~ちゃ~う~ぞぉぉぉぉぉぉおおっ」

「冗談に聞こえない所がいやぁぁぁぁぁぁあああああっ!」

「晶さぁーん! 大丈夫ですかーっ!!」

 おおっ、まさかのタイミングで救いの女神がっ!
 ニコニコ笑ってこちらに手を振ってくる、頼りになる「中華小娘」紅美鈴。
 今この瞬間だけ、百万の味方を得た気分ですともさっ!
 同じく手を振りながら、僕は目の前の美鈴に向かって駆けよ――。

「って妹様!? うわぁっ!?」

 に、逃げやがったあのアマーっ!?
 僕の背後に迫る赤い高速飛行物体を視認した途端、踵を返して逃げ出す元・頼りになる味方。
 その姿にカッとなった僕は、己の奥底に眠る謎の底力を覚醒した気になって急加速した。
 あっという間に美鈴と横並びになった僕。思い込むだけでも、世の中案外何とかなるもんである。
 そして、そんな僕の姿にギョッとする美鈴。ざまーみろ、これで君も同じ被害者だー。

「ちょ、晶さん!? 何ですかその有り得ない馬力はっ」

「ははははは、命の危機に瀕して眠れる力が目覚めたようデスよ!?」

「それを何で心中に使うんですかっ! 逃げるのに使ってくださいよっ!!」

「……蝋燭は、燃え尽きる前に最も輝くのでございます」

「すでに死期を悟ってらっしゃる!?」

「わーい、めーりんも参加するんだーっ! よーし、私もホンキデヤッチャウゾー!!」

「あ……私も何だか走馬灯みたいなものが見えてきました」

 うん、結局追われる兎が二匹になっただけですね。
 すでに火事場の馬鹿力は失われたらしく、僕の速度は美鈴とそう変わらない。
 残念ながら、自力でこの鬼ごっこから離脱する事は難しいだろう。
 そう考えると、偶然の流れとは言え美鈴と一緒になれたのは僥倖だったのかもしれない。
 この地下迷宮は僕等にだけ不利に働く。現状では、フランちゃんを宥めるのも煙に巻くのも困難だ。
 まずは広い場所に出なければ。――出たところで何とかなるとは限らないけどね。
 とにかく美鈴。紅魔館の門番として、是非とも僕を外に導いてくださいっ!

「ところで晶さん、私達が今どこに居るのか分かりますかね?」

「うわぁぁぁ、想像以上にこの門番役に立たねぇーっ!?」

「しょ、しょうがないじゃないですかっ! 晶さん見つからないし、お屋敷なんて滅多に入らないし、地下の構造把握してないしっ!!」

「地下の構造を把握して無いなら、僕を探す前に地図でも用意すれば良いじゃんっ!?」

「……晶さん、頭良いですねー」

 終わったー! もーダメだ! さすがにこれはどーしようも無いっ!!
 本気で感心している美鈴の姿に、思わず僕は走りながら頭を抱えてしまう。
 最早僕に残された未来は、諦めて殺されるか抵抗して殺されるかの二択しかない。
 うん、どっちにしろ死ぬんですね。分かりたくありません。

「アハハハハハ! 斬ッテ砕イテ磨リ潰ス! 斬ッテ砕イテ磨リ潰ス!」

「フランちゃーん! そろそろ止めよう? 鬼ごっこ終わり! ね?」

 最後の希望を込めて、僕はフランちゃんを説得しようと試みる。
 ほとんど泣いてる状態の僕に、彼女はにっこりと微笑んで返事をしてくれた。

「あなたたちが、コンティニュー出来ないのさっ!」

 うん、説得失敗☆

「いやー! かえるーっ! おうちかえるのーっ! おうちにかえりたいのーっ!!!」

「諦めましょう晶さん。今朝からナイフが全く飛んでこなかった時点で、私達の運命は決まっていたんですよ」

「……こんな時にあれだけど、そーいう切ない占いは即刻やめた方がいいと思いますよ?」

 つーか、咲夜さんが帰ってきてない時点でその占い方法完全に破綻してるじゃん。
 変な諦観の仕方をしてる美鈴と並走しながら、僕は終りの見えない鬼ごっこに興じるのだった。





 ―――文姉、幽香さん。今までお世話になりました。晶はお星様になっちゃいそうです。
 



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