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No.8576の一覧
[0] 東方天晶花 (東方project+オリ主)【完結+未来語りⅡ追加】[ラリアー](2011/04/19 08:33)
[1] 巻の起「はじまり はじまり」 ~Welcome the beginner of the fantasy~[ラリアー](2009/11/06 15:52)
[2] 東方天晶花 巻の一「百聞は一見に如かず」[ラリアー](2009/11/06 15:51)
[3] 東方天晶花 巻の零点五「口は災いの元」[ラリアー](2009/11/06 15:51)
[4] 東方天晶花 巻の二「女心と秋の空」[ラリアー](2009/11/06 15:51)
[5] 東方天晶花 巻の三「人の振り見て我が振り直せ」[ラリアー](2009/11/06 15:51)
[6] 東方天晶花 巻の四「袖振り合うも多生の縁」[ラリアー](2009/11/06 15:51)
[7] 東方天晶花 巻の五「芸は身を助く」[ラリアー](2009/11/06 15:51)
[8] 東方天晶花 巻の五点五「知らぬが仏」[ラリアー](2009/11/06 15:52)
[9] 東方天晶花 巻の六「帯に短し襷に長し」[ラリアー](2009/11/06 15:52)
[10] 東方天晶花 巻の七「暗がりに鬼を繋ぐ」[ラリアー](2009/11/06 15:52)
[11] 東方天晶花 巻の八「鬼が出るか蛇が出るか」[ラリアー](2009/11/06 15:53)
[12] 東方天晶花 巻の九「親しき仲にも礼儀あり」[ラリアー](2009/11/06 15:53)
[13] 東方天晶花 巻の十「身から出た錆」[ラリアー](2009/11/06 15:53)
[14] 東方天晶花 巻の十点五「親の心子知らず」[ラリアー](2009/11/06 15:53)
[15] 東方天晶花 巻の十一 「縁は異なもの味なもの」[ラリアー](2009/11/06 15:53)
[16] 東方天晶花 巻の十二「玉磨かざれば器を成さず」[ラリアー](2009/11/06 15:53)
[17] 東方天晶花 巻の十三「藪を突突いて蛇を出す」[ラリアー](2009/11/06 15:53)
[18] 東方天晶花 巻の十四「精神一到何事か成らざらん」[ラリアー](2009/11/06 15:54)
[19] 東方天晶花 巻の十五「竹馬の友」[ラリアー](2009/11/06 15:54)
[20] 東方天晶花 巻の十五点五「呉越同舟」[ラリアー](2012/01/16 10:42)
[21] 東方天晶花 巻の十六「鷺を烏」[ラリアー](2009/11/06 15:54)
[22] 東方天晶花 巻の十七「無用の用」[ラリアー](2009/11/06 15:54)
[23] 東方天晶花 巻の十八「羹に懲りて膾を吹く」[ラリアー](2009/11/06 15:54)
[24] 東方天晶花 巻の十九「上に交わりて諂わず下に交わりて驕らず」[ラリアー](2009/11/06 15:54)
[25] 東方天晶花 巻の二十「用心は勇気の大半なり」[ラリアー](2009/11/06 15:55)
[26] 東方天晶花 巻の二十一「烏に反哺の孝あり」[ラリアー](2012/01/30 18:40)
[27] 東方天晶花 巻の二十二「子は三界の首枷」[ラリアー](2009/11/06 15:55)
[28] 東方天晶花 巻の二十三「立てば芍薬 座れば牡丹 歩く姿は百合の花」[ラリアー](2012/01/16 10:47)
[29] 東方天晶花 巻の二十三点五「画竜点睛」[ラリアー](2009/11/06 15:55)
[30] 東方天晶花 巻の二十四「情けは人の為ならず」[ラリアー](2009/11/06 15:55)
[31] 東方天晶花 巻の二十五「コチョウノユメ」[ラリアー](2009/11/06 15:55)
[32] 巻の承「それから それから」 ~The world of extending fantasy~[ラリアー](2009/11/21 02:27)
[33] 東方天晶花 巻の二十六「その日その日が一年中の最善の日である」[ラリアー](2009/11/06 15:56)
[34] 東方天晶花 巻の二十七「真の友愛においては、 私は友を自分のほうにひきつけるよりもむしろ自分を友に与える」[ラリアー](2009/11/06 15:56)
[35] 東方天晶花 巻の二十八「青春は短い。宝石の如くにしてそれを惜しめ」[ラリアー](2009/11/06 15:57)
[36] 東方天晶花 巻の二十九「時というものは、 それぞれの人間によって、 それぞれの速さで走るもの」[ラリアー](2009/11/06 15:57)
[37] 東方天晶花 巻の三十「不幸な人間は、いつも自分が不幸であるということを自慢しているものです」[ラリアー](2009/11/06 15:57)
[38] 東方天晶花 巻の三十一「食卓は、最初の間は人々が決して退屈することのない唯一の場所である」[ラリアー](2012/01/30 18:41)
[39] 東方天晶花 巻の三十二「軽信は大人の弱点であるが、子供にとっては力である」[ラリアー](2009/11/06 15:57)
[40] 東方天晶花 巻の三十三「怒りは他人にとって有害であるが、憤怒にかられている当人にとってはもっと有害である」[ラリアー](2009/11/06 15:57)
[41] 東方天晶花 巻の三十四「進歩とは、価値の置換によって生ずる錯覚にほかならない」[ラリアー](2009/11/06 15:58)
[42] 東方天晶花 巻の三十四点五「雨は一人だけに降り注ぐわけではない」[ラリアー](2009/11/06 15:58)
[43] 東方天晶花 巻の三十五「主よ、助けてくれとは申しません。私の邪魔をしないで下さい」[ラリアー](2015/01/19 22:38)
[44] 東方天晶花 巻の三十六「命と引き換えに金を欲しがるのは強盗であるが、女はその両方とも欲しがる」[ラリアー](2009/11/06 15:58)
[45] 東方天晶花 巻の三十七「苦痛には限度があるが、恐怖には限度がない」[ラリアー](2009/11/06 15:58)
[46] 東方天晶花 巻の三十八「成功する人は錐のように、ある一点に向かって働く」[ラリアー](2009/11/06 15:58)
[47] 東方天晶花 巻の裏側「教えろ! 山田さんっ!!」[ラリアー](2009/11/06 15:59)
[48] 東方天晶花 巻の三十九「事を行うに当って、いつ始めよう等と考えている時には、既に遅れをとっているのだ」[ラリアー](2009/11/06 15:59)
[49] 東方天晶花 巻の四十「善良な性格は法律よりもさらに信頼ができる」[ラリアー](2013/05/27 22:17)
[50] 東方天晶花 巻の四十一「人間が幸福であるために避けることのできない条件は勤労である」[ラリアー](2012/02/06 13:03)
[51] 東方天晶花 巻の四十二「良い判断は無分別な親切に勝る」[ラリアー](2013/05/27 22:20)
[52] 東方天晶花 巻の四十三「病気は千もあるが、健康は一つしかない」[ラリアー](2009/11/16 01:55)
[53] 東方天晶花 巻の四十四「この瞳を、どうしてにごしてよいものか」[ラリアー](2009/11/21 02:31)
[54] 東方天晶花 巻の四十五「公にされることを望む慈善はもう慈善ではない」[ラリアー](2013/06/10 19:50)
[55] 東方天晶花 巻の四十六「報酬への期待を行動のバネとする人にはなるな」[ラリアー](2013/04/22 19:40)
[56] 東方天晶花 巻の四十七「言葉で説教するよりも、あなたの生き方そのものがより良い説教となろう」[ラリアー](2013/05/06 23:58)
[57] 東方天晶花 巻の四十八「真実には特定の時などない。真実はどんな時代にも真実である」[ラリアー](2012/02/06 13:06)
[58] 東方天晶花 巻の四十九「正義は永遠の太陽である。世界はその到達を遅れさせることはできない」[ラリアー](2012/02/06 13:07)
[59] 東方天晶花 巻の五十「希望に満ちて旅行することは、目的地にたどり着くことより良いことである」[ラリアー](2010/01/07 20:28)
[60] 東方天晶花 巻の五十一「人間の真の性格は、彼の娯楽によって知られる」[ラリアー](2010/01/14 13:33)
[61] 東方天晶花 巻の五十二「恋愛は人を強くすると同時に弱くする。友情は人を強くするばかりである」[ラリアー](2013/05/06 23:58)
[62] 東方天晶花 巻の五十二点五「不思議なものは多い。しかし人間ほど不思議なものはない」[ラリアー](2010/01/24 18:04)
[63] 東方天晶花 巻の五十三「最強者の理屈が、いつも最も良いとされる」[ラリアー](2013/06/10 19:50)
[64] 東方天晶花 巻の五十四「怒りの結果は、怒りの原因よりはるかに重大である」[ラリアー](2010/02/07 06:05)
[65] 東方天晶花 巻の五十四点五「自負は常に他人の感嘆によって強化される」[ラリアー](2010/02/14 09:54)
[66] 東方天晶花 巻の五十五「友情は最初、残酷なほど明確にものを見る」[ラリアー](2012/02/18 15:06)
[67] 東方天晶花 巻の五十六「至上の処世術は、妥協することなく適応することである」[ラリアー](2010/02/24 21:21)
[68] 東方天晶花 巻の五十七「あまり道徳的になるな。自分を欺いて人生を台無しにしてしまう」[ラリアー](2010/03/03 17:18)
[69] 東方天晶花 巻の五十八「慣習とは反対の道を行け。そうすれば常に物事はうまくいく」[ラリアー](2010/03/10 21:29)
[70] 東方天晶花 巻の五十九「自尊心は美徳ではないとしても、それは多くの美徳の両親である」[ラリアー](2010/03/30 01:45)
[71] 東方天晶花 巻の五十九点五「まず事実をつかめ。それから思うままに曲解せよ」[ラリアー](2010/03/23 17:54)
[72] 東方天晶花 巻の六十「活動的な馬鹿より恐ろしいものはない」[ラリアー](2010/03/30 01:46)
[73] 東方天晶花 巻の六十一「行動するためには、いかに多くの事に無知でなければならぬ事か」[ラリアー](2012/02/26 08:32)
[74] 東方天晶花 巻の六十二「勇敢な行為は、決して勝利を欲しない」[ラリアー](2010/04/20 00:01)
[75] 東方天晶花 巻の六十三「忍耐とは、肉体的な小心と道徳的勇気の混じり合いである」[ラリアー](2012/02/26 08:56)
[76] 東方天晶花 巻の六十四「神の存在を立証しようとするあらゆる試みは、すでに神に対する冒涜である」[ラリアー](2012/02/26 08:57)
[77] 東方天晶花 巻の六十五「行動はいつも幸せをもたらすものではないが、行動なくしては幸せはない」[ラリアー](2012/03/03 12:21)
[78] 幻想郷うろ覚え童話「モモタロウ」[ラリアー](2010/05/08 00:56)
[79] 東方天晶花 巻の六十六「運命は我々の行為の半分を支配し、他の半分を我々自身にゆだねる」[ラリアー](2012/03/03 12:25)
[80] 東方天晶花 巻の六十七「王国を統治するよりも、家庭内を治めることのほうが難しい」[ラリアー](2010/05/20 10:28)
[81] 東方天晶花 巻の六十八「常識の有無は教育の有無とは関係ない」[ラリアー](2010/05/27 01:01)
[82] 東方天晶花 巻の六十九「不正の存在を前にして黙する人は、実は不在の共犯者にほかならない」[ラリアー](2010/06/02 00:17)
[83] 東方天晶花 巻の七十「馬は死ぬ前に売ってしまうことだ。人生のコツは、損失を次の人に回すこと」[ラリアー](2012/03/15 18:46)
[84] 東方天晶花 巻の七十一「人間は自分の知っていることなら半分は信じるが、聞いたことは何も信じない」[ラリアー](2013/05/12 23:50)
[85] 東方天晶花 巻の七十二「友人の失敗には目をつぶれ、だが悪口には目をつぶるな」[ラリアー](2012/03/15 18:47)
[86] 東方天晶花 巻の七十三「今が最悪の状態と言える間は、まだ最悪の状態ではない」[ラリアー](2012/03/26 23:52)
[87] 東方天晶花 巻の七十四「学校での成績がよいからといって、社会で認められるとは限らない」[ラリアー](2010/07/07 00:16)
[88] 東方天晶花 巻の七十五「神はあらゆる人間のうちに住むが、すべての人間は神のうちに住まず」[ラリアー](2010/07/21 10:29)
[89] 東方天晶花 巻の七十六「苦しんで強くなることがいかに崇高なことであるかを知れ」[ラリアー](2012/03/26 23:53)
[90] 東方天晶花 巻の七十六点五「家庭はどこで始まるか? 若い男と若い娘が恋愛に陥ることから始まる」[ラリアー](2010/07/28 01:23)
[91] 東方天晶花 巻の七十七「長いこと考え込んでいるものが、いつも最善のものを選ぶわけではない」[ラリアー](2010/08/04 00:06)
[92] 東方天晶花 巻の七十八「男に惚れられるような男でなければ、女には惚れられない」[ラリアー](2012/04/10 09:56)
[93] 東方天晶花 巻の七十九「二人の女を和合させるより、むしろ全西欧を和合させる事の方が容易であろう」[ラリアー](2010/08/25 00:02)
[94] 東方天晶花 巻の八十「友情は瞬間が咲かせる花であり、そして時間が実らせる果実である」[ラリアー](2010/09/07 22:54)
[95] 東方天晶花 巻の八十一「文学は商売と芸術が半々であるとき最も栄える」[ラリアー](2010/09/08 00:07)
[96] 東方天晶花 巻の八十一点五「さすらいと変化を愛するものは生ある者である」[ラリアー](2010/09/13 00:07)
[97] 東方天晶花 巻の八十二「絶望とは、闘う理由を知らずに、しかもまさに闘わねばならないということだ」[ラリアー](2010/09/27 01:22)
[98] 東方天晶花 巻の八十三「真の勇気というものは、極端な臆病と無鉄砲との中間にある」[ラリアー](2010/09/27 01:23)
[99] 東方天晶花 巻の八十四「今日は堂々と勇ましく、そして明日は墓の中」[ラリアー](2012/04/15 23:09)
[100] 東方天晶花 巻の八十五「賽は投げられた」[ラリアー](2012/04/23 22:15)
[101] 巻の転「むかし むかし」~the end of fantasy~[ラリアー](2010/10/20 23:50)
[102] 東方天晶花 巻の八十六「未知になるって言うのは、死んじゃうのと同意義なのさ」[ラリアー](2010/10/30 18:11)
[103] 東方天晶花 巻の八十七「宴には上等の酒と上等の肴があれば充分よ」[ラリアー](2012/04/23 22:24)
[104] 東方天晶花 巻の八十八「幻想郷は、宴会も自由だなぁ」[ラリアー](2010/11/06 11:22)
[105] 東方天晶花 巻の八十九「溜まったツケを払わないと、新しい事は始められないでしょ?」[ラリアー](2010/11/13 00:39)
[106] 東方天晶花 巻の九十「世間から必要とされない音楽はこうやって消えていくのね~」[ラリアー](2010/11/20 00:02)
[107] 東方天晶花 巻の九十一「この幸せ者共め! お代は聞いてのお帰りだよっ!!」[ラリアー](2010/12/02 00:44)
[108] 東方天晶花 巻の九十二「他人のペースに合わせて自分を見失ってはダメなの」[ラリアー](2010/12/09 00:03)
[109] 東方天晶花 巻の九十三「人や妖怪と一緒、家にも色んな形があるの」[ラリアー](2010/12/16 10:51)
[110] 東方天晶花 巻の九十四「まるで、巌流島の決闘みたいね」[ラリアー](2010/12/23 00:57)
[111] 東方天晶花 巻の九十五「きっと貴方自身ですら知らない秘密を教えてくれるわよ」[ラリアー](2010/12/30 00:21)
[112] お正月特別変「フタマルイチイチ、ヲトシダマ異変」[ラリアー](2012/05/14 17:48)
[113] 東方天晶花 巻の九十六「正直で結構! あたいも生きてる奴を運ぶほど暇じゃないからね」[ラリアー](2011/01/13 00:03)
[114] 東方天晶花 巻の九十七「半端な智慧は時として、無知よりも罪深き業となります」[ラリアー](2012/05/29 01:47)
[115] 東方天晶花 巻の裏側弐「スキマ妖怪が教えてア・ゲ・ル♪」[ラリアー](2011/01/26 10:35)
[116] 東方天晶花 巻の九十八「やがて辿り着く結果までは、この閻魔にも見通せません」[ラリアー](2011/02/02 00:55)
[117] 東方天晶花 巻の九十九「胸を張れとは言わないけどさ、お礼くらいはちゃんと受け取りなよ」[ラリアー](2011/02/09 00:02)
[118] 東方天晶花 巻の百「譲れないモノがあるなら死んでも守り切りなさい」[ラリアー](2011/02/16 00:20)
[119] 東方天晶花 巻の裏側参「もう一度教えろ! 山田さんっ!!」[ラリアー](2011/02/23 02:18)
[120] 東方天晶花 巻の百一「幻想郷らしく、力尽くで居場所を‘奪って’きます」[ラリアー](2011/03/01 00:02)
[121] 東方天晶花 幕間「誰が為に鐘は鳴る」[ラリアー](2011/03/08 11:09)
[122] 東方天晶花 巻の百二「つまりはいつも通り、一か八かの出たとこ勝負をするワケね」[ラリアー](2011/03/15 01:59)
[123] 東方天晶花 幕間・弐「久遠の空に舞い踊る風花」[ラリアー](2011/03/22 00:01)
[124] 東方天晶花 巻の百三「―――切り札ならありますよ。最低最強、とっておきの一枚がね」[ラリアー](2011/03/29 08:04)
[125] 巻の結「めでたし めでたし」~The fantasy continues~[ラリアー](2011/04/11 23:50)
[126] 東方天晶花 キャラ紹介(第九十五話まで[ラリアー](2012/05/29 01:48)
[127] 天晶花・昔語り①「晶と隙間とお茶会と」[ラリアー](2009/11/26 19:11)
[128] 天晶花・昔語り②「晶と隙間とお袋の味と」[ラリアー](2009/12/17 01:51)
[129] 天晶花・昔語り③「晶と巫女とカラオケと」[ラリアー](2010/08/18 04:29)
[130] 天晶花・昔語り④「早苗と神と悪戯メールと」[ラリアー](2010/11/27 00:04)
[131] 天晶花・未来語りⅠ「次代のユウウツ」[ラリアー](2012/06/04 21:40)
[132] 天晶花・未来語りⅡ「賢人のわりといつも通りな一日」[ラリアー](2012/06/04 21:41)
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[8576] 東方天晶花 巻の六十「活動的な馬鹿より恐ろしいものはない」
Name: ラリアー◆536635cd ID:9d10842d 前を表示する / 次を表示する
Date: 2010/03/30 01:46


巻の六十「活動的な馬鹿より恐ろしいものはない」




「ちょいやさーっ!」

「なんのっ!」

 拳が交差する。
 打点のブレた互いの一撃は頬を掠り、虚空へと打ち出された。
 僕は目の前の相手――美鈴と視線を一瞬交わし、大きく距離をとる。

「よもやこれほど腕を上げていたとは……晶さんの成長度合いには本当ビックリです」

「ふっふっふ、自慢じゃないけど『気を使う程度の能力』に頼る頻度は相当数あったからね」

「それ、本当に自慢じゃありませんよね?」

「振り返させないで! 涙が止まらなくなるからっ!!」

「うわぁ、晶さんだぁ……成長しても間違いなく変わって無い晶さんだぁ」

 うるさいやい、余計な御世話だ。
 何故か嬉しそうな美鈴を軽く笑顔で威嚇しつつ、僕は少し前のめりの姿勢になる。
 今度は、両手両足に冷気を含ませた風を纏わせて突撃してやる。
 名付けて風神拳! ――って前もやったじゃんコレ。しかも相手同じで。
 しかし以前のフェイク技と違い、今回の風神拳はきちんと猛威を振るう仕様となっておりますヨ?
 さぁ美鈴! 属性異常攻撃デフォルト持ちの恐ろしさを存分に味わうと良い!!

「厄介な技を持ちだしてきましたね……ですが、それだけで優位に立ったと思わない方が良いですよ!」

「まぁ、‘これだけ’ならね」

「へっ!?」

 さらに、僕は銀の棒を展開させる。
 手に巻きついていた冷気の風は、そのまま棒に纏わりつき武器を強化した。

「どうだ! 名付けて、氷華風装!!」

「何だかちょっと痛々しいネーミングですね」

「う、うぐぅ」

「それはまぁそれとして……何ですか、その武器は?」

 さらりと人の心を抉りつつ、構えを解いて興味深げに棒を覗きこむ美鈴。
 そういや、昨日の組手は動きの確認みたいなものだったから、こういうのは一切使ってなかったんだっけ。
 ―――紅魔館に帰還してから二日目の朝。未だ主の帰らぬ吸血鬼の館で、僕と美鈴は再び組手を行っていた。
 何故か彼女が張り切っているのが謎だけど、この‘おさらい’はとてもありがたいので問題ない。
 
「この前、永遠亭に行った時に貰ったんだ。見た目はわりと普通だけど、これで意外と汎用性は高いんだよ?」

「なるほど……で、何て名前なんですか?」

「はへ?」

「名前ですよ。見た所かなり上等な武器みたいですし、さぞや立派な名前が――」

「あー、そういや棒としか呼んでなかったねー」

「ありゃりゃ、そうなんですか」

 渡された時に名前を聞かなかったから仕方が無いんだけど、見た目通り「棒」と呼び続けるのはちょっと抵抗がある。
 鎧の方も「魔法の鎧」としか呼んでないワケだし、良い機会だから両方共に名前を付けておこうか。
 
「ふむ、「シルバー・クリスタル・ブレスト」と「水晶銀甲坤」ってのはどうだろう」

「いきなり何を言ってるのか分からないんですけど……晶さんがお嬢様と仲の良い理由が何となく分かるネーミングですね」

「いやいや、レミリアさん程のカッコイイセンスは僕にはまだ無いって」

 しかしイマイチでしたか。確かに、ちょっと呼びにくいかなぁとは思っていたんですよ。
 一々「水晶銀甲坤展開!」みたいな事を言って回るのは――イカすとは思うけどさすがに疲れるからね。
 もうちょっと短くて、小粋な呼び方は無いかなぁ……うーん。
 
「……とりあえず、しばらくは『魔法の鎧』と『ロッド』と呼ぶ事にします」
 
「何の事だかさっぱり分かりませんが、シンプルで良いと思いますよ?」

 結局、何も思いつかなかった。肝心な所で何も出てこない自らの浅い知識力が泣ける。
 いーもん! いつかこう、確固たる実力を手に入れた時に、その力に括ったエスプリの効いた名前を付けてやるんだもん!
 それまで待っててね! 僕の頼れる装備品達!!
 ……あれ? 今、心なしかロッドの輝きが鈍くなったような。

「気のせいかな。まぁとりあえず、続きやりましょうか」

「そうですね。それじゃあ、どうぞ遠慮なくかかってきてください」

「ではお言葉に甘えて。―――先制マスタースパァーク!」

「ほ、本当に遠慮が無いですぅ!?」

 ちなみに、組手と名は付いていますが基本的には弾幕ごっこです。
 永遠亭の時とは違い、負けても問題ないので伸び伸びと戦う事が出来るのが嬉しいなぁ。

「そぉーれっ、氷華風装を解除してさらにダイヤモンドリッパーを射出っ! 不意打ち上等でガンスっ!!」

「うわぁ! 避けたと思ったら今度は氷でできたおっきい手裏剣!?」

「追撃で風刃下段撃ち! 足止めしちゃうぜ―っ」

「しかも風で脚が取られた!?」

「どっせい、トドメとばかりに、不安定な姿勢の美鈴へアグニシャインじゃーっ」

「タチ悪っ!? この人夢とは別の方向性で強くなってる!?」

 ええ、伸び伸びと負けても良い気持ちで戦ってますよ? ちゃんと。
 とは言えさすがに相手もベテランの門番。不利な弾幕ごっこで毎回戦ってきただけの事はある。
 美鈴は震脚で足に纏わりついた風を振り払い、そのままの勢いでアグニシャインを蹴散らしながら突貫してきた。
 うわぁ、何と言う強引な突破法を――って、これ僕も四季面でやったっけ。
 やられてみると怖さが分かる。力押しは下手な小細工なんて通用しないからなぁ。

「しかし、遠距離攻撃に力を割き過ぎましたね! 同じ能力しか使えない状況なら、私の方が圧倒的に有利!!」

「―――えい、狂気の魔眼」

「甘いっ! 拳法使いがそんな雑な目線で狂うと思わない事ですっ!!」

「拳法使いすげぇーっ!?」

 しまった。気を使う能力の気と狂気を操る能力の波長は、同じ様なノリで操れるんだった。
 こっちの魔眼はまだまだ未熟な上に、相手は気の扱いに長けた熟練者。さすがに幻覚を仕掛けるのは無理があったか。

「とりゃあ! 必殺、さりげなく狂気の魔眼が使える事にビックリしちゃったよパンチっ!!」

「それは感想ですねげふぅっ!?」

 そのまま、加速した一撃を綺麗に叩きこまれてしまった。
 ううっ、さすがに避け専念してなきゃ美鈴の一撃を裁く事は難しいか。
 僕は三十メートルほど吹っ飛ばされ、地面との懐かしくも土臭い逢瀬を再び重ねるのだった。
 
「ばぶばべーびん、びぼぶびばばべばばべばべんべ」

「えーっと……『さすが美鈴、一筋縄では勝てませんね』ですか?」

「ヴぁい」

「そう言われると照れますねー。でも晶さんも相当強くなってますよ? 追いつかれる日もそう遠くは無いかもしれません」

「べべばぶべー」

「照れなくって良いんですよ、本当の事ですし」

「……貴方達の会話を聞いていると、脳が蕩けてくる気がするわね」

 僕達が通訳必須の会話を交わしていると、聞きなれた声が割って入ってくる。
 若干の呆れを含んだその声の主は、四季のフラワーマスターであり僕のご主人様でもある幽香さんだ。

「幽香さん、お早うございます」

「ぼばぼぶぼばびばぶ」

「とりあえず晶は、いい加減顔を引き上げなさい」

「ヴぁーい」

 顔を上げ、微妙についた土を払う。
 結構派手に一撃を喰らったはずなのに、ダメージの方は思ったよりも少なめだ。
 まぁ、それは美鈴も同様だけど。……気を使う程度の能力持ちは本当にタフになるなぁ。
 
「ところで幽香さん、何か御用ですか? 朝のお仕事ならもう終わりましたけど……」

「暇だから顔を出しただけよ。修繕が終わったら本格的にやる事が無くてね」

「ううっ、すいません。客人ももてなせないダメ門番で」

 ……門番に接客しろって言うのは、ちょっとばかり無理があるんじゃないだろうか。
 内心そう思いながら、僕は美鈴の言葉に苦笑する。
 レミリアさんが宴会に行ってからすでに日を跨いでいるのだが、紅魔館の主が帰宅する様子は一切無い。
 昔の王侯貴族は一週間ぶっ続けで宴会したって話だけど、レミリアさんも実はそういう事するタイプの貴族なのかなぁ。
 神社で? さすがにそれは無いか。

「まぁ、もてなす立場の吸血鬼達が居ないのは」

「ほへ?」

「――事情が事情だから、仕方ないと思うけどね」

「じ、事情ですか」

 それを何故、僕の目を見つめながら言うのでしょうか?
 あと、部外者の方が事情知ってるってんで、美鈴がガチ凹みしてるんですが。
  
「……こちらからも、少し干渉すべきかもしれないわね」

「幽香さん?」

 頬に手を当てて、何やらブツブツ言ってる幽香さん。
 何だろう、不思議とその姿を見ていると背筋が寒くなってくる気がする。
 はは、気のせいだよね。うん。
 その証拠に、顔を上げた幽香さんの顔には満面の笑みが浮かんでいる。
 ええい、気のせいだから止まれよ僕の膝小僧!

「ねぇ美鈴、しばらく私と門番の役目を変わらない?」

「ええっ!? ど、どうしたんですか急に」

「単なる暇つぶしよ。同じのんびりするなら、襲撃される可能性のある門番をやってる方がまだマシじゃない」

「……普通は逆だと思うんですが」

 さすがは幽香さん、戦場の空気のみが己を酔わせてくれるワケですね。とても漢らしいです。
 幽香さんは唖然とした様子の僕等を気にする事も無く、そのまま笑顔で言葉を続けた。

「その間、貴女は晶の面倒を見てあげなさい。晶も、吸血鬼が帰ってくるまで館ですし詰めは辛いでしょう?」

「まだ二日目ですから辛い事は特にありませんけど……そうですね、強いて言うなら」

「強いて言うなら?」

「ちょっと紅魔館の中を探検してみたいですね」

「―――そう」

 前々から気になってたんだよね、この中身が異常に広い館の全容。
 色々と屋敷の仕事も任されてるから、それなりに構造自体は把握してるんだけど。
 逆に、行かない所にはとことん行かないからなぁ。
 不思議大好き晶君としては、そういう攻略済みダンジョンのマップが百パーセントになってないような事態は許容出来ないのですよ。
 あ、不思議大好きと全然関係無い例えでしたね。ゴメンナサイ。
 ……ところで僕の発言後、幽香さんの笑みが最高潮と言わんばかりに輝きだしたのは何故なんでしょうか。

「ほら、晶もこう言ってるわよ」

「むぅ……確かに、幽香さんになら門番を任せても問題は……それに晶さんはお嬢様のお気に入りですし、要望には応えた方が……」

 幽香さんに話を振られ、困ったように唸る美鈴。
 門番の任と僕等へのもてなし、その両方を天秤にかけて迷っているようだ。
 それにしても、美鈴の幽香さんへの信頼度の高さにちょっとビックリ。
 門番任せても良いと思ってるなんて……やっぱ、同じ仕事をやり遂げたって共通点は大きいんだなぁ。

「―――分かりました! 私も紅魔館の一員として、お二人をもてなす覚悟があります!!」

「そんな大袈裟な」

「この紅美鈴。門番の役職を一時的に幽香さんへ譲り、紅魔館の案内役となろうではありませんかっ!」

「……そんな大袈裟なんだ」

「意外とプライドがあるのよ、あれでもね」

 普段居眠りしている姿からは想像もつかないけど、美鈴は確固たる信念を持って仕事に望んでいるのかもしれない。
 ……そのわりには、良くサボってる気がしないでもないですが。
 しかし幽香さんがこう言っているのだ。きっと、そんな腑抜けた態度の裏で血の滲むような努力を――。
 
「それじゃあ早速、門番は幽香さんに任せてゆっくり紅魔館観光と参りましょうか。えへへー、お仕事なら仕方ないですよねー」

 努力、してるの?
 ウキウキしている様にしか見えない美鈴の姿に、僕は頷きかけた首を傾げるのだった。










 紅魔館のロビー。丁度玄関に当たる部分で、僕と美鈴は対峙していた。
 ……自慢げに胸を張るのは良いけど、その行為であるパーツが強調される事をちょっとは気にして欲しい。
 ただでさえ、身長の関係でそっちの方に目が行ってしまうと言うのに。
 いや、別にやましい気持ちとかは――ゴメンナサイ、邪な考えを捨てきれないでゴメンナサイ。

「こーら、ちゃんとお話を聞いてくれないと困りますよー」

「ひゃ、ひゃいっ。わかりましたっ!」

「うんうん、素直なのは良い事です」

 そんなこっちの葛藤にも一切気付かず、美鈴は楽しそうにお姉さんぶっていた。
 彼女の立ち位置を考えると、浮かれる気持ちは分からないでもない。
 分からないでもないけど出来るだけ控えてください。貴女のその仕草は、僕の精神衛生上非常によろしくないです。
 
「じゃあ、後は移動しながら説明しますね。大雑把な部分は晶さんも良く知ってるでしょう?」

「あ、はい。そうしてください」

 移動のため美鈴が背を向けてくれたおかげで、僕はようやく一息つく事が出来た。
 でもまだちょっと心臓に悪いので、出来るだけ彼女の姿は視界の中に収めない様にしておこう。
 
「まぁ、今更晶さんに説明するのもアレですけど、一応注意しておきます」

 それにしても……改めて見直すとシミジミ思う。紅魔館ってやっぱり変な所だよなぁ。
 一目見ただけでも分かるほど、目の前の廊下の長さと外観の長さは明らかに噛み合っていない。
 当然、廊下に面した部屋の数も有り得ない事になっている。
 一部屋六畳計算で考えても、ここ一面だけであっさりと外見面積を越えてしまう事だろう。
 どこの四次元ポケットだここは、と思わず言いたくなる光景である。
 
「まず始めに。紅魔館は危険な所が多い屋敷なので、絶対に私から離れないでください」

 聞いた話だが、この驚異の拡張をやってのけたのは咲夜さんの能力であるらしい。 
 突然消えたり現れたり、さらにはナイフを止めたり出来る上、家の拡張も出来るとか……何でもありにも程があるでしょうメイド長。
 と言うか、あの人の能力って結局どんなものなんだろう。
 かなりトンデモな能力だって事は何となく想像出来るけど、現状分かるのはそれだけだからなぁ。

「あと、残念ながら地下で案内できるのは大図書館だけになります。他は――ちょっと事情があって見せられないんですよ」

 と言うか、上記の共通点って何さ。どれもこれも共通点があるようには見えませんよ?
 強いて言うなら、全部の現象で空間に干渉しているような気は……。
 まさか、空間を操る程度の能力? さすがにそれは勘弁して欲しいっす。反則過ぎます。

「ただ、以上の点を守ってもらえれば他は特に――って、晶さん?」

 やっぱ今度本人に聞いてみるべきかな?
 でも、下手に質問するとナイフで串刺しの刑が待っていそうな気がして怖い。
 どうしてくれようかこのジレンマは。
 ちょっと遠回りして、主であるレミリアさんに尋ねるってのも一つの手だけど……。

「うわぁ、説明してる間に居なくなってる!? 晶さぁーん!?」

「ほへ?」

 おや、そういえばここはどこだろうか。
 考え事しながらウロウロしていたら、いつの間にやら見慣れない所に。
 わりと清潔なイメージのある紅魔館にしては珍しく、ちょっと小汚い上にジメジメした場所だ。
 それに何より、蝋燭の光源が無いと何も見えないくらいに暗い。
 僕は視力が強化されてるから平気だけど、ここってひょっとして地下なのかな?
 同じ地下でも、パチュリーの居る大図書館とはえらい違いだ。

「しかし、いつのまに地下に来たのさ、めいり……」

 あれれー? おかしいな、中国娘さんの姿がどこにも見えないぞー?
 これは所謂迷子って状況なんですかね。
 まったくもう、美鈴さんったらだらしないな――って、迷ったのはどう考えても僕ですよね、はい。
 
「……どうしたもんかなぁ」

 帰ろうにも、そもそもどこから来たのかが分からない。
 遭難時のセオリーを考えると、大人しくしているのが正しい対処法なんだろうけど。
 実を言うと、溢れんばかりの冒険心がわりとウズウズしているんですよ。
 この何かありますよと言わんばかりの素っ気ない廊下――僕何だかワクワクしてきた!
 
『ケケケ、構う事はねぇよ。好き勝手にうろついちまえ!』

「あ、こういう時に有りがちな悪い心の囁き!」

 でも、言う事は僕の欲求に正しくそっているので特に反対する気は無い。
 そうだよねー。元々そういうつもりだったんだし、一人で冒険するのだって有りだよねー。

『えっ、ちょい待てよ。せ、せめて良心の囁きぐらい待ったらどうだ?』

「どうせ悪い心に同意して、「僕の心に良心はいないのかいっ!」ってオチになるから遠慮します」

『言いきるなよ! ちょっとは自分の中の善の心を信じたらどうだっ!?』

「ほら、僕って両親居ないじゃん。だから良心もいない。なーんちゃってー」

『その冗談は重すぎるわっ! とにかく、今はまだ即決をさけてこの場に残ってだな』

「さーて出発!」

『聞けやぁぁぁぁぁああああっ!!』

 悪魔の囁きを無視し、謎の廊下を進む事にした冒険隊。
 はたしてそこに待ちうけるモノは何か!
 BGMは某秘境を旅する探検隊でお願いします!!

「……って、もう行き止まりについちゃった」

 ざんねんわたしのぼうけんは――ってこれは最初の頃にやったなぁ。
 行き止まりの壁には、この廊下に不釣り合いなほど高級な木製の扉がポツンと取りつけられている。
 ううむ、これでもうこの地下迷宮は終わりなのかな。
 だとしたら幾らなんでも早すぎる。せめて、分かれ道の一つや二つ有っても良いんじゃないだろうか。
 後は罠とか。地下なんだから落ちてくる岩とか剣山付き落とし穴とかの、侵入者撃退用トラップがあるべきじゃない?
 ……さすがに無いか。迷宮ならともかく、館の地下じゃ防犯としてイマイチだもんねぇ。

「はぁ、残念」

 落胆の溜息を漏らしつつ、僕は目の前の扉を開く。
 ――あ、そういえば、この先に何があるのか全然調べて無かった。
 今更ながらその事に思い当たり、僕は身体を強張らせる。
 扉の向こう側は、そこが地下である事を忘れてしまうほど煌びやかな部屋だった。
 天井から吊り下げられている豪華なシャンデリア。それが邪魔にならない程広大な規模の部屋。
 その中央に置かれた、僕が六人は寝転がれそうな巨大なベット。
 
「……ナニコレ」

 王侯貴族の部屋、と言われても信じてしまう程の凄い部屋だ。
 強いて言うなら物が少なすぎる気がするけど、過剰な装飾のおかげで全然気にならない。
 そしてその中央には、ポツンと女の子座りしてこちらを見上げる少女の姿が。
 金色の髪を右側だけ結った少女の背中には、何故か天井にあるシャンデリアの様な飾りがぶら下がっていた。

「えーっと、どちらさまで?」

「それ、フランの台詞だと思うんだけど……」

 謎の少女は、僕の問いかけに困ったように首を傾げる。
 その姿はかなり愛らしいのだけど、僕の危機感知センサーは荒れ狂う暴風の如く警報を発していた。

 



 ――――良く分からないけど、どうやらトラブルの匂いがするのは確かみたいだね。

 


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