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No.8576の一覧
[0] 東方天晶花 (東方project+オリ主)【完結+未来語りⅡ追加】[ラリアー](2011/04/19 08:33)
[1] 巻の起「はじまり はじまり」 ~Welcome the beginner of the fantasy~[ラリアー](2009/11/06 15:52)
[2] 東方天晶花 巻の一「百聞は一見に如かず」[ラリアー](2009/11/06 15:51)
[3] 東方天晶花 巻の零点五「口は災いの元」[ラリアー](2009/11/06 15:51)
[4] 東方天晶花 巻の二「女心と秋の空」[ラリアー](2009/11/06 15:51)
[5] 東方天晶花 巻の三「人の振り見て我が振り直せ」[ラリアー](2009/11/06 15:51)
[6] 東方天晶花 巻の四「袖振り合うも多生の縁」[ラリアー](2009/11/06 15:51)
[7] 東方天晶花 巻の五「芸は身を助く」[ラリアー](2009/11/06 15:51)
[8] 東方天晶花 巻の五点五「知らぬが仏」[ラリアー](2009/11/06 15:52)
[9] 東方天晶花 巻の六「帯に短し襷に長し」[ラリアー](2009/11/06 15:52)
[10] 東方天晶花 巻の七「暗がりに鬼を繋ぐ」[ラリアー](2009/11/06 15:52)
[11] 東方天晶花 巻の八「鬼が出るか蛇が出るか」[ラリアー](2009/11/06 15:53)
[12] 東方天晶花 巻の九「親しき仲にも礼儀あり」[ラリアー](2009/11/06 15:53)
[13] 東方天晶花 巻の十「身から出た錆」[ラリアー](2009/11/06 15:53)
[14] 東方天晶花 巻の十点五「親の心子知らず」[ラリアー](2009/11/06 15:53)
[15] 東方天晶花 巻の十一 「縁は異なもの味なもの」[ラリアー](2009/11/06 15:53)
[16] 東方天晶花 巻の十二「玉磨かざれば器を成さず」[ラリアー](2009/11/06 15:53)
[17] 東方天晶花 巻の十三「藪を突突いて蛇を出す」[ラリアー](2009/11/06 15:53)
[18] 東方天晶花 巻の十四「精神一到何事か成らざらん」[ラリアー](2009/11/06 15:54)
[19] 東方天晶花 巻の十五「竹馬の友」[ラリアー](2009/11/06 15:54)
[20] 東方天晶花 巻の十五点五「呉越同舟」[ラリアー](2012/01/16 10:42)
[21] 東方天晶花 巻の十六「鷺を烏」[ラリアー](2009/11/06 15:54)
[22] 東方天晶花 巻の十七「無用の用」[ラリアー](2009/11/06 15:54)
[23] 東方天晶花 巻の十八「羹に懲りて膾を吹く」[ラリアー](2009/11/06 15:54)
[24] 東方天晶花 巻の十九「上に交わりて諂わず下に交わりて驕らず」[ラリアー](2009/11/06 15:54)
[25] 東方天晶花 巻の二十「用心は勇気の大半なり」[ラリアー](2009/11/06 15:55)
[26] 東方天晶花 巻の二十一「烏に反哺の孝あり」[ラリアー](2012/01/30 18:40)
[27] 東方天晶花 巻の二十二「子は三界の首枷」[ラリアー](2009/11/06 15:55)
[28] 東方天晶花 巻の二十三「立てば芍薬 座れば牡丹 歩く姿は百合の花」[ラリアー](2012/01/16 10:47)
[29] 東方天晶花 巻の二十三点五「画竜点睛」[ラリアー](2009/11/06 15:55)
[30] 東方天晶花 巻の二十四「情けは人の為ならず」[ラリアー](2009/11/06 15:55)
[31] 東方天晶花 巻の二十五「コチョウノユメ」[ラリアー](2009/11/06 15:55)
[32] 巻の承「それから それから」 ~The world of extending fantasy~[ラリアー](2009/11/21 02:27)
[33] 東方天晶花 巻の二十六「その日その日が一年中の最善の日である」[ラリアー](2009/11/06 15:56)
[34] 東方天晶花 巻の二十七「真の友愛においては、 私は友を自分のほうにひきつけるよりもむしろ自分を友に与える」[ラリアー](2009/11/06 15:56)
[35] 東方天晶花 巻の二十八「青春は短い。宝石の如くにしてそれを惜しめ」[ラリアー](2009/11/06 15:57)
[36] 東方天晶花 巻の二十九「時というものは、 それぞれの人間によって、 それぞれの速さで走るもの」[ラリアー](2009/11/06 15:57)
[37] 東方天晶花 巻の三十「不幸な人間は、いつも自分が不幸であるということを自慢しているものです」[ラリアー](2009/11/06 15:57)
[38] 東方天晶花 巻の三十一「食卓は、最初の間は人々が決して退屈することのない唯一の場所である」[ラリアー](2012/01/30 18:41)
[39] 東方天晶花 巻の三十二「軽信は大人の弱点であるが、子供にとっては力である」[ラリアー](2009/11/06 15:57)
[40] 東方天晶花 巻の三十三「怒りは他人にとって有害であるが、憤怒にかられている当人にとってはもっと有害である」[ラリアー](2009/11/06 15:57)
[41] 東方天晶花 巻の三十四「進歩とは、価値の置換によって生ずる錯覚にほかならない」[ラリアー](2009/11/06 15:58)
[42] 東方天晶花 巻の三十四点五「雨は一人だけに降り注ぐわけではない」[ラリアー](2009/11/06 15:58)
[43] 東方天晶花 巻の三十五「主よ、助けてくれとは申しません。私の邪魔をしないで下さい」[ラリアー](2015/01/19 22:38)
[44] 東方天晶花 巻の三十六「命と引き換えに金を欲しがるのは強盗であるが、女はその両方とも欲しがる」[ラリアー](2009/11/06 15:58)
[45] 東方天晶花 巻の三十七「苦痛には限度があるが、恐怖には限度がない」[ラリアー](2009/11/06 15:58)
[46] 東方天晶花 巻の三十八「成功する人は錐のように、ある一点に向かって働く」[ラリアー](2009/11/06 15:58)
[47] 東方天晶花 巻の裏側「教えろ! 山田さんっ!!」[ラリアー](2009/11/06 15:59)
[48] 東方天晶花 巻の三十九「事を行うに当って、いつ始めよう等と考えている時には、既に遅れをとっているのだ」[ラリアー](2009/11/06 15:59)
[49] 東方天晶花 巻の四十「善良な性格は法律よりもさらに信頼ができる」[ラリアー](2013/05/27 22:17)
[50] 東方天晶花 巻の四十一「人間が幸福であるために避けることのできない条件は勤労である」[ラリアー](2012/02/06 13:03)
[51] 東方天晶花 巻の四十二「良い判断は無分別な親切に勝る」[ラリアー](2013/05/27 22:20)
[52] 東方天晶花 巻の四十三「病気は千もあるが、健康は一つしかない」[ラリアー](2009/11/16 01:55)
[53] 東方天晶花 巻の四十四「この瞳を、どうしてにごしてよいものか」[ラリアー](2009/11/21 02:31)
[54] 東方天晶花 巻の四十五「公にされることを望む慈善はもう慈善ではない」[ラリアー](2013/06/10 19:50)
[55] 東方天晶花 巻の四十六「報酬への期待を行動のバネとする人にはなるな」[ラリアー](2013/04/22 19:40)
[56] 東方天晶花 巻の四十七「言葉で説教するよりも、あなたの生き方そのものがより良い説教となろう」[ラリアー](2013/05/06 23:58)
[57] 東方天晶花 巻の四十八「真実には特定の時などない。真実はどんな時代にも真実である」[ラリアー](2012/02/06 13:06)
[58] 東方天晶花 巻の四十九「正義は永遠の太陽である。世界はその到達を遅れさせることはできない」[ラリアー](2012/02/06 13:07)
[59] 東方天晶花 巻の五十「希望に満ちて旅行することは、目的地にたどり着くことより良いことである」[ラリアー](2010/01/07 20:28)
[60] 東方天晶花 巻の五十一「人間の真の性格は、彼の娯楽によって知られる」[ラリアー](2010/01/14 13:33)
[61] 東方天晶花 巻の五十二「恋愛は人を強くすると同時に弱くする。友情は人を強くするばかりである」[ラリアー](2013/05/06 23:58)
[62] 東方天晶花 巻の五十二点五「不思議なものは多い。しかし人間ほど不思議なものはない」[ラリアー](2010/01/24 18:04)
[63] 東方天晶花 巻の五十三「最強者の理屈が、いつも最も良いとされる」[ラリアー](2013/06/10 19:50)
[64] 東方天晶花 巻の五十四「怒りの結果は、怒りの原因よりはるかに重大である」[ラリアー](2010/02/07 06:05)
[65] 東方天晶花 巻の五十四点五「自負は常に他人の感嘆によって強化される」[ラリアー](2010/02/14 09:54)
[66] 東方天晶花 巻の五十五「友情は最初、残酷なほど明確にものを見る」[ラリアー](2012/02/18 15:06)
[67] 東方天晶花 巻の五十六「至上の処世術は、妥協することなく適応することである」[ラリアー](2010/02/24 21:21)
[68] 東方天晶花 巻の五十七「あまり道徳的になるな。自分を欺いて人生を台無しにしてしまう」[ラリアー](2010/03/03 17:18)
[69] 東方天晶花 巻の五十八「慣習とは反対の道を行け。そうすれば常に物事はうまくいく」[ラリアー](2010/03/10 21:29)
[70] 東方天晶花 巻の五十九「自尊心は美徳ではないとしても、それは多くの美徳の両親である」[ラリアー](2010/03/30 01:45)
[71] 東方天晶花 巻の五十九点五「まず事実をつかめ。それから思うままに曲解せよ」[ラリアー](2010/03/23 17:54)
[72] 東方天晶花 巻の六十「活動的な馬鹿より恐ろしいものはない」[ラリアー](2010/03/30 01:46)
[73] 東方天晶花 巻の六十一「行動するためには、いかに多くの事に無知でなければならぬ事か」[ラリアー](2012/02/26 08:32)
[74] 東方天晶花 巻の六十二「勇敢な行為は、決して勝利を欲しない」[ラリアー](2010/04/20 00:01)
[75] 東方天晶花 巻の六十三「忍耐とは、肉体的な小心と道徳的勇気の混じり合いである」[ラリアー](2012/02/26 08:56)
[76] 東方天晶花 巻の六十四「神の存在を立証しようとするあらゆる試みは、すでに神に対する冒涜である」[ラリアー](2012/02/26 08:57)
[77] 東方天晶花 巻の六十五「行動はいつも幸せをもたらすものではないが、行動なくしては幸せはない」[ラリアー](2012/03/03 12:21)
[78] 幻想郷うろ覚え童話「モモタロウ」[ラリアー](2010/05/08 00:56)
[79] 東方天晶花 巻の六十六「運命は我々の行為の半分を支配し、他の半分を我々自身にゆだねる」[ラリアー](2012/03/03 12:25)
[80] 東方天晶花 巻の六十七「王国を統治するよりも、家庭内を治めることのほうが難しい」[ラリアー](2010/05/20 10:28)
[81] 東方天晶花 巻の六十八「常識の有無は教育の有無とは関係ない」[ラリアー](2010/05/27 01:01)
[82] 東方天晶花 巻の六十九「不正の存在を前にして黙する人は、実は不在の共犯者にほかならない」[ラリアー](2010/06/02 00:17)
[83] 東方天晶花 巻の七十「馬は死ぬ前に売ってしまうことだ。人生のコツは、損失を次の人に回すこと」[ラリアー](2012/03/15 18:46)
[84] 東方天晶花 巻の七十一「人間は自分の知っていることなら半分は信じるが、聞いたことは何も信じない」[ラリアー](2013/05/12 23:50)
[85] 東方天晶花 巻の七十二「友人の失敗には目をつぶれ、だが悪口には目をつぶるな」[ラリアー](2012/03/15 18:47)
[86] 東方天晶花 巻の七十三「今が最悪の状態と言える間は、まだ最悪の状態ではない」[ラリアー](2012/03/26 23:52)
[87] 東方天晶花 巻の七十四「学校での成績がよいからといって、社会で認められるとは限らない」[ラリアー](2010/07/07 00:16)
[88] 東方天晶花 巻の七十五「神はあらゆる人間のうちに住むが、すべての人間は神のうちに住まず」[ラリアー](2010/07/21 10:29)
[89] 東方天晶花 巻の七十六「苦しんで強くなることがいかに崇高なことであるかを知れ」[ラリアー](2012/03/26 23:53)
[90] 東方天晶花 巻の七十六点五「家庭はどこで始まるか? 若い男と若い娘が恋愛に陥ることから始まる」[ラリアー](2010/07/28 01:23)
[91] 東方天晶花 巻の七十七「長いこと考え込んでいるものが、いつも最善のものを選ぶわけではない」[ラリアー](2010/08/04 00:06)
[92] 東方天晶花 巻の七十八「男に惚れられるような男でなければ、女には惚れられない」[ラリアー](2012/04/10 09:56)
[93] 東方天晶花 巻の七十九「二人の女を和合させるより、むしろ全西欧を和合させる事の方が容易であろう」[ラリアー](2010/08/25 00:02)
[94] 東方天晶花 巻の八十「友情は瞬間が咲かせる花であり、そして時間が実らせる果実である」[ラリアー](2010/09/07 22:54)
[95] 東方天晶花 巻の八十一「文学は商売と芸術が半々であるとき最も栄える」[ラリアー](2010/09/08 00:07)
[96] 東方天晶花 巻の八十一点五「さすらいと変化を愛するものは生ある者である」[ラリアー](2010/09/13 00:07)
[97] 東方天晶花 巻の八十二「絶望とは、闘う理由を知らずに、しかもまさに闘わねばならないということだ」[ラリアー](2010/09/27 01:22)
[98] 東方天晶花 巻の八十三「真の勇気というものは、極端な臆病と無鉄砲との中間にある」[ラリアー](2010/09/27 01:23)
[99] 東方天晶花 巻の八十四「今日は堂々と勇ましく、そして明日は墓の中」[ラリアー](2012/04/15 23:09)
[100] 東方天晶花 巻の八十五「賽は投げられた」[ラリアー](2012/04/23 22:15)
[101] 巻の転「むかし むかし」~the end of fantasy~[ラリアー](2010/10/20 23:50)
[102] 東方天晶花 巻の八十六「未知になるって言うのは、死んじゃうのと同意義なのさ」[ラリアー](2010/10/30 18:11)
[103] 東方天晶花 巻の八十七「宴には上等の酒と上等の肴があれば充分よ」[ラリアー](2012/04/23 22:24)
[104] 東方天晶花 巻の八十八「幻想郷は、宴会も自由だなぁ」[ラリアー](2010/11/06 11:22)
[105] 東方天晶花 巻の八十九「溜まったツケを払わないと、新しい事は始められないでしょ?」[ラリアー](2010/11/13 00:39)
[106] 東方天晶花 巻の九十「世間から必要とされない音楽はこうやって消えていくのね~」[ラリアー](2010/11/20 00:02)
[107] 東方天晶花 巻の九十一「この幸せ者共め! お代は聞いてのお帰りだよっ!!」[ラリアー](2010/12/02 00:44)
[108] 東方天晶花 巻の九十二「他人のペースに合わせて自分を見失ってはダメなの」[ラリアー](2010/12/09 00:03)
[109] 東方天晶花 巻の九十三「人や妖怪と一緒、家にも色んな形があるの」[ラリアー](2010/12/16 10:51)
[110] 東方天晶花 巻の九十四「まるで、巌流島の決闘みたいね」[ラリアー](2010/12/23 00:57)
[111] 東方天晶花 巻の九十五「きっと貴方自身ですら知らない秘密を教えてくれるわよ」[ラリアー](2010/12/30 00:21)
[112] お正月特別変「フタマルイチイチ、ヲトシダマ異変」[ラリアー](2012/05/14 17:48)
[113] 東方天晶花 巻の九十六「正直で結構! あたいも生きてる奴を運ぶほど暇じゃないからね」[ラリアー](2011/01/13 00:03)
[114] 東方天晶花 巻の九十七「半端な智慧は時として、無知よりも罪深き業となります」[ラリアー](2012/05/29 01:47)
[115] 東方天晶花 巻の裏側弐「スキマ妖怪が教えてア・ゲ・ル♪」[ラリアー](2011/01/26 10:35)
[116] 東方天晶花 巻の九十八「やがて辿り着く結果までは、この閻魔にも見通せません」[ラリアー](2011/02/02 00:55)
[117] 東方天晶花 巻の九十九「胸を張れとは言わないけどさ、お礼くらいはちゃんと受け取りなよ」[ラリアー](2011/02/09 00:02)
[118] 東方天晶花 巻の百「譲れないモノがあるなら死んでも守り切りなさい」[ラリアー](2011/02/16 00:20)
[119] 東方天晶花 巻の裏側参「もう一度教えろ! 山田さんっ!!」[ラリアー](2011/02/23 02:18)
[120] 東方天晶花 巻の百一「幻想郷らしく、力尽くで居場所を‘奪って’きます」[ラリアー](2011/03/01 00:02)
[121] 東方天晶花 幕間「誰が為に鐘は鳴る」[ラリアー](2011/03/08 11:09)
[122] 東方天晶花 巻の百二「つまりはいつも通り、一か八かの出たとこ勝負をするワケね」[ラリアー](2011/03/15 01:59)
[123] 東方天晶花 幕間・弐「久遠の空に舞い踊る風花」[ラリアー](2011/03/22 00:01)
[124] 東方天晶花 巻の百三「―――切り札ならありますよ。最低最強、とっておきの一枚がね」[ラリアー](2011/03/29 08:04)
[125] 巻の結「めでたし めでたし」~The fantasy continues~[ラリアー](2011/04/11 23:50)
[126] 東方天晶花 キャラ紹介(第九十五話まで[ラリアー](2012/05/29 01:48)
[127] 天晶花・昔語り①「晶と隙間とお茶会と」[ラリアー](2009/11/26 19:11)
[128] 天晶花・昔語り②「晶と隙間とお袋の味と」[ラリアー](2009/12/17 01:51)
[129] 天晶花・昔語り③「晶と巫女とカラオケと」[ラリアー](2010/08/18 04:29)
[130] 天晶花・昔語り④「早苗と神と悪戯メールと」[ラリアー](2010/11/27 00:04)
[131] 天晶花・未来語りⅠ「次代のユウウツ」[ラリアー](2012/06/04 21:40)
[132] 天晶花・未来語りⅡ「賢人のわりといつも通りな一日」[ラリアー](2012/06/04 21:41)
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[8576] 東方天晶花 巻の五十七「あまり道徳的になるな。自分を欺いて人生を台無しにしてしまう」
Name: ラリアー◆536635cd ID:9d10842d 前を表示する / 次を表示する
Date: 2010/03/03 17:18


巻の五十七「あまり道徳的になるな。自分を欺いて人生を台無しにしてしまう」




 次の日、早速僕はお師匠様に教えを乞うため永遠亭に向かった。
 すでに迷う要素皆無の迷いの竹林を抜け、永遠亭の門を越えた僕の前に現れたのは――。
 
「良くもまぁ、おめおめと顔を出せたわね」

 両手を腰に当て不敵に微笑む僕の姉弟子、レイセンさんだった。
 こちらが玄関の土間に居るせいで、見下ろされる形になるのが心臓に悪い。
 謎のライバルキャラと邂逅した主人公は、総じてこんな気持ちになるのだろうか。
 どうでもいいけど、その悪役チックな言い回しは現在の状況と合わない気がしますよ?
 内心でそんなツッコミを入れながら、僕は出来る限り元気に姿勢を正した。

「うっす! おめおめと顔を出して知識を学びに来ました!! ヨロシクお願いしますっ!」

「そ、そう……良い心がけね」

 ありゃ、まさかのドン引き?
 むぅ、今のはレイセンさんからのテストだと判断したのですが、違ったのですか。
 永遠亭の門を潜った以上、僕は薬師の弟子として相応しい態度を取らなければいけない。
 そんな僕の心意気を図るため、あえてあんな言い方をしたのだと思ったのだけど……考え過ぎだった?
 いやいや、気を抜いてはダメだぞ久遠晶。ここは永遠亭、どんな知略策謀が張られているのか分かったモノではないのです。
 こう、秘伝的な何かを伝授されるために意味の分からない修業をしたり。
 精神的な何かを高めるために、必要以上に厳しい目にあったり。
 とにかくそういう、凄まじい試練的なモノがあるに違いない。
 おおっ、なんかすっごいワクワクしてきた!

「くっ、落ち着きなさい鈴仙。昨日決めたじゃない、コイツに永遠亭の流儀を骨の髄まで叩きこんでやるって」

「うっす! ご指導お願いします姉弟子っ!!」

「……それにしても調子狂うわね。もう少し反抗したって良いでしょうに」

「何かおっしゃいましたか姉弟子っ!!」

「何でも無いわよ! それより分かっているの? 後輩で有る以上、先輩には」

「うっす! 絶対服従、馬車馬の如く働かせて頂きますっ!!」

 ふっ、こう見えても結構ノリは体育会系なんですぜ?
 脅かすような様子のレイセンさんに、僕は新米海兵隊の様な愚直な態度を返した。
 自分でも驚くほどの下っ端根性っぷりだ。ちょっと泣けてくる。
 ところで姉弟子。その、当てが外れたって顔にはどういう意味があるのでしょうか?

「わ、分かっていればいいのよ。分かっていれば」

「うっす! それで、今日はどんな事をすれば良いのでしょうか!!」

 何だか良く分からないけど、一応レイセンさんは僕を出迎えてくれてるのだろう。
 それなら、今後の方針なり何なりをお師匠様から聞いているかもしれない。
 そんな簡単な気持ちで尋ねてみたのに、何故かレイセンさんは戸惑っているようだった。
 もしかして、今の一連の流れがやりたいがために顔出したの?
 ……そんなはずないか。別に、さっきのやり取りに何かしらの意味があったワケでもないんだし。
 
「ふふっ、そうね」

 突然、戸惑っていたレイセンさんがニヤリと笑った。多分。顔面神経痛を患っていたので無ければ。
 ……ひょっとして姉弟子は、意地の悪いキャラになっているつもりなのだろうか?
 そう考えると、彼女の仕草にも一応の説明が付く。
 彼女の笑顔には「引用元:因幡てゐ」なんて説明文が付けれそうだ。
 と言うか、付けないと正直分からない。
 何をトチ狂ったのか腹黒キャラに転身している様だけど、どう考えてもレイセンさんにそのキャラは向いてないデスヨ?
 ――まぁ、実害があったワケじゃないから良いんですけどね。

「貴女、今日は応急手当を覚えに来たんでしょう?」

「そうなるのかな? 確かに、そういう話を以前された気がします」

「だけどそう言った技術を覚えるには、やっぱり怪我をしてなきゃいけないわよね?」

「怪我して無くても学べる気はしますけど。……まぁ、そっちの方がより分かりやすく覚えられそうですね」

「そうでしょう? だから―――私が弾幕ごっこの練習も兼ねて、耐久スペルに挑ませてあげるわ!」

「うっす! ヨロシクお願いしますっ!!」

「……えっ?」

 やはり僕の予想は間違っていなかった。来て早々こんな試練が待ってるとは。
 話を聞く限りではただのイジメに聞こえるけれど、そこには奥深い意図が隠されているに違いない。
 激流に身を任せ同化し、ワックス掛けてワックスとって、三つのペダルを同時に踏むぜ。
 技の極意とは、案外何気ない日常の一ページに潜んでいるモノなのである。例えは微妙に間違ってる気がするけど。
 
「それじゃあ姉弟子、早速外で弾幕ごっこといきましょうか」

「えっ? えっ?」

 そういうワケで乗り気な僕に、何故かレイセンさんは困っているようだった。
 はて、どうしたのだろう。まるで冗談を本気にされたような顔をしているけど。
 ……ちょっと急ぎ過ぎたかな? さすがに、来て早々弾幕ごっこははしゃぎ過ぎかもしれない。
 
「貴方達、何をやってるの?」

「あっ、お師匠様! おはようございますっ」

「う゛っ、し、師匠……」

 僕達がグダグダやっていると、屋敷の奥からお師匠様――永琳さんが現れた。
 相も変わらず、気品のある仕草とにこやかな笑みが眩しい。

「あらあらうどんげ、先に出迎えをしてくれたのね。ありがとう」

「い、いえっ、姉弟子として当然の事ですよ」

 お師匠様の労いの言葉に、レイセンさんはこっちをチラチラ見ながら苦笑いする。
 どうやら、姉弟子の出迎えを永琳さんは知らなかったらしい。
 と言う事は、さっきの練習も口から出まかせだったのか。道理であんなに困ってたわけだ。
 ……医療を応用した謎の暗殺拳法の伝授は無しかぁ。残念だ。

「でも、いきなり耐久スペルに挑ませるのは酷くないかしら? 医療に携わるモノが、無為に人を傷つけるのは感心しないわよ」
 
「いやその、ちょっと脅かすだけのつもりだったんです。だけどコイツがあっさり信じて……」

「人のせいにしないの」

「……すいません」

 お師匠様に叱られ、レイセンさんのウサミミが垂れた。何とも分かりやすい感情表現だ。
 ――っていうか脅かされていたのか、アレ。
 全然気付かなかった。何しろちゃんと勝負の形になっていたワケだし。 
 回避防御不可とか、手足縛っとけとか、能力使用禁止とか、もうサンドバックで良いじゃんとかの多様なオプションも付いてこないんだよね?
 なーんだ、問題なんかまったく無いじゃん。レイセンさんって意地悪出来ない人なんだね。

「晶も御免なさいね。うどんげが迷惑かけたみたいで」

「いやいや、僕が勝手に早とちりしただけですから。気にしないでくださいよ」

 個人的には、今の発言で殺意を撒き散らすようになったレイセンさんの方がずっと迷惑です。
 狂気の魔眼を持っているせいか、姉弟子に睨まれると凄くゾクゾクしてくるんだよね。
 そういう意味では、さっきみたいに意地悪? されていた方がまだ良かった。優越感のおかげで視線が緩和されるから。

「そう言ってもらえるとありがたいわ。それじゃあ、はいコレ」

「はいどうも――って、何ですかこの筒は?」

「弟子入りする貴方へのプレゼントよ」

 お師匠様から手渡されたのは、三十センチくらいの長さがある銀色の筒だった。
 筒の表面には滑り止め防止の溝が彫られており、ゴツイ外見に反してかなり持ちやすい。
 それに……これは金属製なのだろうか? 見た目に反して凄い軽さだ。
 何だろう、乳棒? サイズ的にはすりこぎっぽいけど、薬師関連のプレゼントなんてそれしかないよね?

「あの、これって何に使うモノ何ですかね? 診察棒?」

「ふふっ、軽く棒を捻ってみなさい。そうすれば分かるわよ」

 捻る? ……あっ、本当だ。筒の中央に切れ目みたいな線が入ってて、そこから捻れるようになってるみたい。
 お師匠様に言われるまま、僕は銀色の筒を軽く捻ってみる。
 すると、筒の両端から勢いよく棒が飛びだしてきた。
 
「ふにゃっ!? 何これ!?」

「棒よ?」

「……いや、それは見れば分かります」

 むしろ聞きたいのは、この棒の用途なんですが。
 二メートル半ほどに伸びた銀の棒は、体積だけが大きくなった分さらに軽くなったような気がする。
 しかし長い。もうすりこぎじゃなくて物干し竿のレベルだ。
 ここまで長い道具を使う医術が、世の中には存在していただろうか?
 はっ!? まさか熱した鉄棒を肌に押し当て、ツボを刺激するとかそんな民間医療が!?
 ……さすがに無いか。あったとしても素直にお灸した方が絶対に安全だよね。

「何って、武器じゃないの?」

 僕がこのアイテムの用途に悩んでいると、姉弟子が呆れ顔であっさりそんな事を言った。
 ふむ、それはまた斬新な解釈をしたものだ。
 確かに広がった棒の部分に装飾は無く、目的のためあえてシンプルな形状にした感じがする。
 しかも、折りたたみ式の割には展開後も意外と強度があるような。
 ――なるほど、これは武器以外の何物でもないですね。

「あの、僕は医術を学びに来たんですが……」

「私もそのつもりだったけど、それだけだと低くなっちゃうのよね」

「な、何がですか?」

「永遠亭の比率」

「姉弟子、僕にはお師匠様の言葉の意味が分からない」

「一生悩んでなさい」

 うわ酷い。自分だって分かってない癖に。
 完全に置いてきぼりになっている僕達を余所に、お師匠様は呑気に話を続けていく。
 
「だから応急手当を教えるついでに、棒術でも教えてあげようかと思って」

「棒術――ですか?」

「ええ、貴方なら上手く活用できるはずよ。その武器も含めて、ね」

「なるほど……」

 確かに、攻め手は多い方が良いよね。
 僕は与えられた銀の棒を眺めつつ、そんな事を考える。
 この武器も、何で出来ているのか分からないけど色々やれそうだ。
 それに何と言うか―――武器は男の浪漫ですもんね!
 冷静に考察を進めながら、それでも内心では与えられた玩具に大はしゃぎする僕。
 そんな僕を優しく見つめながら、お師匠様は同じ長さの木の棒を構えてにこやかに告げてきた。

「それじゃ、早速訓練を始めましょうか」

「……はへ?」

「鉄は熱いうちに打てって言うでしょう? それに怪我した後なら、応急手当の練習もやりやすくなるわよ」

 お師匠様。ソレ、レイセンさんの脅しと同じ発想です。
 いけしゃあしゃあとそんな事を言うお師匠様に、さすがの姉弟子も苦笑いしている。
 この人、意外と天然なんだなぁ……。
 月の頭脳のお茶目な部分を覗き見た僕は、とりあえずさっきレイセンさんに言ったのと全く同じ台詞を返したのだった。

「うっす! ヨロシクお願いしますっ!!」

 さて、果たして『天才』八意永琳の棒術とは、どれほどのモノなんでしょうかね?










 一時間後、僕はメタクソにやられた。
 正直、天才の事舐めてました。月の頭脳マジ何でも出来る。

「馬鹿ねぇ、師匠に勝てるワケ無いじゃない」

「ぐぉぉぉおっ。折れてる、絶対コレ折れてるって!」

「ただの内出血よ。貴女の回復能力ならほっといても治るわ」

 現在は、レイセンさんによる応急手当講義と言う名の治療の真っ最中です。
 つーかコレ。実際この状況になって分かったけど、痛みが酷くて勉強どころじゃないです。
 強いて言うなら、姉弟子の治療が凄く上手いって事がギリギリ分かるレベル。
 これなら、まだ耐久スペルやってた方がマシだったかもしれない。

「それにしても……正直、意外だったわ」

「ほへ? 何がですか?」

「棒術の訓練よ。貴女、ずっと真面目に受けてたじゃない」

「……あのサンドバック状態が‘訓練を受けてた’と言うのなら、そうなりますね」

 いや、アレはアレで、かなり勉強にはなりましたがね?
 戦闘強化状態で思いっきり殴りかかったのに、全部あっさり流されるとは思わなかった。
 装備的にも腕力的にも、明らかに僕の方が優勢だったのに。
 あれが‘技’の真髄なんだろうなぁ。さすがに今の僕には真似できそうにない。
 ただ、得るモノが無かったワケではない。
 訓練と言うだけあって、お師匠様は非常に合理的に僕の動きの欠点を指摘してくれたのだ。
 具体的に言うと、攻撃や防御で隙があったらわりと容赦なく叩かれた。
 今までそういう類の戦闘訓練を受けた事のなかった僕にとって、そんなお師匠様の訓練は中々為になるものだったのである。
 おかげで、かなりボコボコにされましたけどねっ!

「ふんっ、てっきり上手い事ズルして訓練をサボるかと思ってたわ」

「サボるって……何で?」

「あら、この前の事を考えれば自然と分かるでしょう?」

「―――いや、さっぱり分かりませんが」

 この前の事と言うのは、僕が最初に永遠亭を訪れた時の話だろう。
 確かにあの時の僕はかなり無茶苦茶やったけど、サボりに直結するような真似はしてなかったはずだよ?
 僕がそう答えると、何故か姉弟子の表情が険しくなる。良く分からないけど土下座したい。

「良く言うわ。あれだけ卑怯な真似しておいて……」

「余計に意味が分からないんですが。それはむしろ、頑張る理由でしょう?」

「はぁっ!? 何ふざけた事言ってるのよ!」

「いや、至って本気ですよ? だってあの時、卑怯な真似を‘するしかなかった’から、今こうして努力してるワケだし」

「……私には、貴女が何を言っているかイマイチ良く分からないわ」

 はて、僕そんなに難しい事を言ったのかな?
 怪訝そうなレイセンさんの表情を見て、改めて僕は自分の発言を省みる。
 ――うん、やっぱりそんな不思議な事は言ってないよね。
 納得し何度も頷く僕に、レイセンさんは呆れた様子でさらに言葉を重ねた。

「どんな状況でも、卑怯な真似なんてして良いワケないじゃない」

「へっ? なんで?」

 強い確信を持ってそんな事を言うレイセンさんに、僕は思わず首を傾げる。
 彼女の言う事が理解出来ないワケじゃないけど、さすがにその意見は極端すぎる気がした。
 
「なんでじゃないわよ! 卑怯な事はしちゃダメなの! そんなの常識じゃない!!」

「どこの常識かは知らないけど……レイセンさんは負けちゃいけない状況でも、卑怯な手を使うくらいなら正々堂々戦って負けるべきだと思ってるの?」

「そうよ。当たり前の事を聞かないで」

「負けたら、自分の全てが奪われてしまうような状況でも?」

「そ、そういう時にはね。負けないよう、常日頃から努力して――」

「レイセンさんの戦う相手は、努力が形になるまでずっと待っていてくれるの?」

 その問いかけに、レイセンさんは言葉を詰まらせる。
 僕は、今まで戦う努力をしてこなかった人間だ。
 そんな環境に居なかったからしょうがない。と言い訳する事は簡単だけど、僕の状況はそれを許さなかった。
 僕に許されたのは全力を尽くす事。その中には、確かに「卑怯な事」も含まれていたに違いない。
 だけど、それは悪い事だったのだろうか。
 もちろん、今だって強くなる努力は欠かせていない。
 欠かせていないけど――僕はそれだけで、幽香さんやレミリアさんの様な強い妖怪たちに勝てるなんて思っていない。
 むしろ、努力するだけで彼女らに届くと思っている方が、よっぽど酷い侮辱では無いのだろうか。

「戦わなきゃいけない時って、凄く唐突に来ると思うんだ」

 こちらにこちらの都合があるように、相手にも相手の都合がある。
 いつでも自分の全力が出せる状況で戦えるワケじゃないし、頑張れば勝てる相手ばかりが出てくるはずもない。
 そして、それが分かっていても勝たなきゃいけない時って言うのは、案外何度も出てくるモノだ。

「そういう時に使える手札を選り好みしてたら、勝てる勝負も勝てなくなっちゃわない?」

「……だからって、どんな卑怯な手段でも使って良い事にはならないわ」

 それもまぁ、道理だろう。
 僕だって正々堂々戦って勝てるなら、毎回そうやって勝ちたいものだ。
 何しろ、そういった勝利にはケチが付けられない。
 その戦いのルールに則り、全てにおいて相手に勝ったと証明されるからこそ、正々堂々の勝利と言うのは好まれるのである。

「むぅ、僕はそういう真理を語れるほど、人生を悟っちゃいないんだけど……そうだなぁ」

「なによ。言いたい事があるならはっきり言いなさい」

「そうやって変に線引きしちゃうのが、一番ダメなんじゃないかな?」

「―――っ!」

 あ、何かすっごいビックリされた。
 今のはひょっとして、地雷だったりするのだろうか。
 だとしたらマズい。もうちょっとオブラートに包んで説明し直さないと。

「ほ、ほら、青カビってあるじゃないですかっ」

「…………」

「あれだって特定の病気に投与すると薬になるけど、そうでなかったらただの毒でしょう? つまりそういう事ですよ!」
 
 ありゃ? ペニシリンってイコール青カビじゃなかったっけ?
 と言うか幻想郷にその手の知識って普及してるの? 
 いかん、外した気がする。冷静に考えると何故そこでカビをチョイスしたし。
 僕が自らのスベリに気付いて動揺していると、相変わらず怖い顔のままのレイセンさんが俯いたまま口を開いた。

「貴女は……」

「ひゃ、ひゃい!?」

「貴女は、ちゃんと線引きせずに戦えているの?」

「――えーっと、すいません。そもそも考えた事もありません、そんな事」

「……そう」

 ど、どうしたんでしょうかレイセンさんは。やっぱり、深く考えずに思った事を口にしたのがまずかったのかな?
 いやでも、実際戦う時に今からやる事が卑怯かそうでないか何て考えた事無いし。
 ……後で超怒られるんだろうなー、くらいは考えた事あるけどね。
 しかし、自分で偉そうな事を言っといてソレは、さすがにちょっと無責任過ぎただろうか。
 とりあえず、ここは大人しくジャンピングスパイラル土下座でもしておくべき?
 僕は戦々恐々と、俯いているレイセンさんの様子を窺う。
 じっと床を見つめていた彼女は――やがて、ゆっくりとこちらに向けて顔を上げた。
 その表情は、僕の気のせいで無ければどこか晴々としているようだった。

「まったく。お気楽ねぇ、晶は」

 どこか自虐しているような声で、彼女は僕に微笑みかけてくる。
 その言葉の意味は、良く分からないけれど。
 ……少しだけ、彼女が僕の事を認めてくれたような気がした。

「はい、おしまい。これで応急手当は完了よ」

「どうも――ってえぇっ!? 僕まだ何も覚えて無いよ!?」

 彼女の笑顔にぼーっとしている間に、彼女は一連の手当を終えていたらしい。
 僕が唖然としていると、レイセンさんはくすくすと小さく笑う。
 思いの外柔らかいその仕草に、ちょっとドキっとしてしまったのは秘密だ。

「よそ見するからよ。師匠からも言われてたでしょう? ちゃんと身体で覚えるようにって」

「ううっ、スイマセン、もう一回お願いします。出来れば怪我無しで」

「……まぁ、こういうのは何度も見て身に付くモノだしね。教えるくらいなら良いわよ」

 そう言いながら、レイセンさんが再び薬箱から道具を取り出す。
 自慢げな顔をしているけど、その声色には確かに優しいモノが含まれている。
 なるほど、これが本来の彼女の態度なのか。
 今まで殺意をぶつけられ続けた僕には、ちょっとこの優しさが眩し過ぎるね。あははー。

「二人とも、ちょっと良いかしらーっ」

「はーい、何ですか師匠」

「訓練の続きとして、軽く勝負をしてもらいたいのよーっ。出来れば‘何でも’ありでーっ」

 ――でもまぁ、どうやら一瞬の輝きになりそうデスよ?
 お師匠様の提案に、僕は一抹の不安を感じられずにはいられなかった。 

 
 



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