<このWebサイトはアフィリエイト広告を使用しています。> SS投稿掲示板

その他SS投稿掲示板


[広告]


No.8576の一覧
[0] 東方天晶花 (東方project+オリ主)【完結+未来語りⅡ追加】[ラリアー](2011/04/19 08:33)
[1] 巻の起「はじまり はじまり」 ~Welcome the beginner of the fantasy~[ラリアー](2009/11/06 15:52)
[2] 東方天晶花 巻の一「百聞は一見に如かず」[ラリアー](2009/11/06 15:51)
[3] 東方天晶花 巻の零点五「口は災いの元」[ラリアー](2009/11/06 15:51)
[4] 東方天晶花 巻の二「女心と秋の空」[ラリアー](2009/11/06 15:51)
[5] 東方天晶花 巻の三「人の振り見て我が振り直せ」[ラリアー](2009/11/06 15:51)
[6] 東方天晶花 巻の四「袖振り合うも多生の縁」[ラリアー](2009/11/06 15:51)
[7] 東方天晶花 巻の五「芸は身を助く」[ラリアー](2009/11/06 15:51)
[8] 東方天晶花 巻の五点五「知らぬが仏」[ラリアー](2009/11/06 15:52)
[9] 東方天晶花 巻の六「帯に短し襷に長し」[ラリアー](2009/11/06 15:52)
[10] 東方天晶花 巻の七「暗がりに鬼を繋ぐ」[ラリアー](2009/11/06 15:52)
[11] 東方天晶花 巻の八「鬼が出るか蛇が出るか」[ラリアー](2009/11/06 15:53)
[12] 東方天晶花 巻の九「親しき仲にも礼儀あり」[ラリアー](2009/11/06 15:53)
[13] 東方天晶花 巻の十「身から出た錆」[ラリアー](2009/11/06 15:53)
[14] 東方天晶花 巻の十点五「親の心子知らず」[ラリアー](2009/11/06 15:53)
[15] 東方天晶花 巻の十一 「縁は異なもの味なもの」[ラリアー](2009/11/06 15:53)
[16] 東方天晶花 巻の十二「玉磨かざれば器を成さず」[ラリアー](2009/11/06 15:53)
[17] 東方天晶花 巻の十三「藪を突突いて蛇を出す」[ラリアー](2009/11/06 15:53)
[18] 東方天晶花 巻の十四「精神一到何事か成らざらん」[ラリアー](2009/11/06 15:54)
[19] 東方天晶花 巻の十五「竹馬の友」[ラリアー](2009/11/06 15:54)
[20] 東方天晶花 巻の十五点五「呉越同舟」[ラリアー](2012/01/16 10:42)
[21] 東方天晶花 巻の十六「鷺を烏」[ラリアー](2009/11/06 15:54)
[22] 東方天晶花 巻の十七「無用の用」[ラリアー](2009/11/06 15:54)
[23] 東方天晶花 巻の十八「羹に懲りて膾を吹く」[ラリアー](2009/11/06 15:54)
[24] 東方天晶花 巻の十九「上に交わりて諂わず下に交わりて驕らず」[ラリアー](2009/11/06 15:54)
[25] 東方天晶花 巻の二十「用心は勇気の大半なり」[ラリアー](2009/11/06 15:55)
[26] 東方天晶花 巻の二十一「烏に反哺の孝あり」[ラリアー](2012/01/30 18:40)
[27] 東方天晶花 巻の二十二「子は三界の首枷」[ラリアー](2009/11/06 15:55)
[28] 東方天晶花 巻の二十三「立てば芍薬 座れば牡丹 歩く姿は百合の花」[ラリアー](2012/01/16 10:47)
[29] 東方天晶花 巻の二十三点五「画竜点睛」[ラリアー](2009/11/06 15:55)
[30] 東方天晶花 巻の二十四「情けは人の為ならず」[ラリアー](2009/11/06 15:55)
[31] 東方天晶花 巻の二十五「コチョウノユメ」[ラリアー](2009/11/06 15:55)
[32] 巻の承「それから それから」 ~The world of extending fantasy~[ラリアー](2009/11/21 02:27)
[33] 東方天晶花 巻の二十六「その日その日が一年中の最善の日である」[ラリアー](2009/11/06 15:56)
[34] 東方天晶花 巻の二十七「真の友愛においては、 私は友を自分のほうにひきつけるよりもむしろ自分を友に与える」[ラリアー](2009/11/06 15:56)
[35] 東方天晶花 巻の二十八「青春は短い。宝石の如くにしてそれを惜しめ」[ラリアー](2009/11/06 15:57)
[36] 東方天晶花 巻の二十九「時というものは、 それぞれの人間によって、 それぞれの速さで走るもの」[ラリアー](2009/11/06 15:57)
[37] 東方天晶花 巻の三十「不幸な人間は、いつも自分が不幸であるということを自慢しているものです」[ラリアー](2009/11/06 15:57)
[38] 東方天晶花 巻の三十一「食卓は、最初の間は人々が決して退屈することのない唯一の場所である」[ラリアー](2012/01/30 18:41)
[39] 東方天晶花 巻の三十二「軽信は大人の弱点であるが、子供にとっては力である」[ラリアー](2009/11/06 15:57)
[40] 東方天晶花 巻の三十三「怒りは他人にとって有害であるが、憤怒にかられている当人にとってはもっと有害である」[ラリアー](2009/11/06 15:57)
[41] 東方天晶花 巻の三十四「進歩とは、価値の置換によって生ずる錯覚にほかならない」[ラリアー](2009/11/06 15:58)
[42] 東方天晶花 巻の三十四点五「雨は一人だけに降り注ぐわけではない」[ラリアー](2009/11/06 15:58)
[43] 東方天晶花 巻の三十五「主よ、助けてくれとは申しません。私の邪魔をしないで下さい」[ラリアー](2015/01/19 22:38)
[44] 東方天晶花 巻の三十六「命と引き換えに金を欲しがるのは強盗であるが、女はその両方とも欲しがる」[ラリアー](2009/11/06 15:58)
[45] 東方天晶花 巻の三十七「苦痛には限度があるが、恐怖には限度がない」[ラリアー](2009/11/06 15:58)
[46] 東方天晶花 巻の三十八「成功する人は錐のように、ある一点に向かって働く」[ラリアー](2009/11/06 15:58)
[47] 東方天晶花 巻の裏側「教えろ! 山田さんっ!!」[ラリアー](2009/11/06 15:59)
[48] 東方天晶花 巻の三十九「事を行うに当って、いつ始めよう等と考えている時には、既に遅れをとっているのだ」[ラリアー](2009/11/06 15:59)
[49] 東方天晶花 巻の四十「善良な性格は法律よりもさらに信頼ができる」[ラリアー](2013/05/27 22:17)
[50] 東方天晶花 巻の四十一「人間が幸福であるために避けることのできない条件は勤労である」[ラリアー](2012/02/06 13:03)
[51] 東方天晶花 巻の四十二「良い判断は無分別な親切に勝る」[ラリアー](2013/05/27 22:20)
[52] 東方天晶花 巻の四十三「病気は千もあるが、健康は一つしかない」[ラリアー](2009/11/16 01:55)
[53] 東方天晶花 巻の四十四「この瞳を、どうしてにごしてよいものか」[ラリアー](2009/11/21 02:31)
[54] 東方天晶花 巻の四十五「公にされることを望む慈善はもう慈善ではない」[ラリアー](2013/06/10 19:50)
[55] 東方天晶花 巻の四十六「報酬への期待を行動のバネとする人にはなるな」[ラリアー](2013/04/22 19:40)
[56] 東方天晶花 巻の四十七「言葉で説教するよりも、あなたの生き方そのものがより良い説教となろう」[ラリアー](2013/05/06 23:58)
[57] 東方天晶花 巻の四十八「真実には特定の時などない。真実はどんな時代にも真実である」[ラリアー](2012/02/06 13:06)
[58] 東方天晶花 巻の四十九「正義は永遠の太陽である。世界はその到達を遅れさせることはできない」[ラリアー](2012/02/06 13:07)
[59] 東方天晶花 巻の五十「希望に満ちて旅行することは、目的地にたどり着くことより良いことである」[ラリアー](2010/01/07 20:28)
[60] 東方天晶花 巻の五十一「人間の真の性格は、彼の娯楽によって知られる」[ラリアー](2010/01/14 13:33)
[61] 東方天晶花 巻の五十二「恋愛は人を強くすると同時に弱くする。友情は人を強くするばかりである」[ラリアー](2013/05/06 23:58)
[62] 東方天晶花 巻の五十二点五「不思議なものは多い。しかし人間ほど不思議なものはない」[ラリアー](2010/01/24 18:04)
[63] 東方天晶花 巻の五十三「最強者の理屈が、いつも最も良いとされる」[ラリアー](2013/06/10 19:50)
[64] 東方天晶花 巻の五十四「怒りの結果は、怒りの原因よりはるかに重大である」[ラリアー](2010/02/07 06:05)
[65] 東方天晶花 巻の五十四点五「自負は常に他人の感嘆によって強化される」[ラリアー](2010/02/14 09:54)
[66] 東方天晶花 巻の五十五「友情は最初、残酷なほど明確にものを見る」[ラリアー](2012/02/18 15:06)
[67] 東方天晶花 巻の五十六「至上の処世術は、妥協することなく適応することである」[ラリアー](2010/02/24 21:21)
[68] 東方天晶花 巻の五十七「あまり道徳的になるな。自分を欺いて人生を台無しにしてしまう」[ラリアー](2010/03/03 17:18)
[69] 東方天晶花 巻の五十八「慣習とは反対の道を行け。そうすれば常に物事はうまくいく」[ラリアー](2010/03/10 21:29)
[70] 東方天晶花 巻の五十九「自尊心は美徳ではないとしても、それは多くの美徳の両親である」[ラリアー](2010/03/30 01:45)
[71] 東方天晶花 巻の五十九点五「まず事実をつかめ。それから思うままに曲解せよ」[ラリアー](2010/03/23 17:54)
[72] 東方天晶花 巻の六十「活動的な馬鹿より恐ろしいものはない」[ラリアー](2010/03/30 01:46)
[73] 東方天晶花 巻の六十一「行動するためには、いかに多くの事に無知でなければならぬ事か」[ラリアー](2012/02/26 08:32)
[74] 東方天晶花 巻の六十二「勇敢な行為は、決して勝利を欲しない」[ラリアー](2010/04/20 00:01)
[75] 東方天晶花 巻の六十三「忍耐とは、肉体的な小心と道徳的勇気の混じり合いである」[ラリアー](2012/02/26 08:56)
[76] 東方天晶花 巻の六十四「神の存在を立証しようとするあらゆる試みは、すでに神に対する冒涜である」[ラリアー](2012/02/26 08:57)
[77] 東方天晶花 巻の六十五「行動はいつも幸せをもたらすものではないが、行動なくしては幸せはない」[ラリアー](2012/03/03 12:21)
[78] 幻想郷うろ覚え童話「モモタロウ」[ラリアー](2010/05/08 00:56)
[79] 東方天晶花 巻の六十六「運命は我々の行為の半分を支配し、他の半分を我々自身にゆだねる」[ラリアー](2012/03/03 12:25)
[80] 東方天晶花 巻の六十七「王国を統治するよりも、家庭内を治めることのほうが難しい」[ラリアー](2010/05/20 10:28)
[81] 東方天晶花 巻の六十八「常識の有無は教育の有無とは関係ない」[ラリアー](2010/05/27 01:01)
[82] 東方天晶花 巻の六十九「不正の存在を前にして黙する人は、実は不在の共犯者にほかならない」[ラリアー](2010/06/02 00:17)
[83] 東方天晶花 巻の七十「馬は死ぬ前に売ってしまうことだ。人生のコツは、損失を次の人に回すこと」[ラリアー](2012/03/15 18:46)
[84] 東方天晶花 巻の七十一「人間は自分の知っていることなら半分は信じるが、聞いたことは何も信じない」[ラリアー](2013/05/12 23:50)
[85] 東方天晶花 巻の七十二「友人の失敗には目をつぶれ、だが悪口には目をつぶるな」[ラリアー](2012/03/15 18:47)
[86] 東方天晶花 巻の七十三「今が最悪の状態と言える間は、まだ最悪の状態ではない」[ラリアー](2012/03/26 23:52)
[87] 東方天晶花 巻の七十四「学校での成績がよいからといって、社会で認められるとは限らない」[ラリアー](2010/07/07 00:16)
[88] 東方天晶花 巻の七十五「神はあらゆる人間のうちに住むが、すべての人間は神のうちに住まず」[ラリアー](2010/07/21 10:29)
[89] 東方天晶花 巻の七十六「苦しんで強くなることがいかに崇高なことであるかを知れ」[ラリアー](2012/03/26 23:53)
[90] 東方天晶花 巻の七十六点五「家庭はどこで始まるか? 若い男と若い娘が恋愛に陥ることから始まる」[ラリアー](2010/07/28 01:23)
[91] 東方天晶花 巻の七十七「長いこと考え込んでいるものが、いつも最善のものを選ぶわけではない」[ラリアー](2010/08/04 00:06)
[92] 東方天晶花 巻の七十八「男に惚れられるような男でなければ、女には惚れられない」[ラリアー](2012/04/10 09:56)
[93] 東方天晶花 巻の七十九「二人の女を和合させるより、むしろ全西欧を和合させる事の方が容易であろう」[ラリアー](2010/08/25 00:02)
[94] 東方天晶花 巻の八十「友情は瞬間が咲かせる花であり、そして時間が実らせる果実である」[ラリアー](2010/09/07 22:54)
[95] 東方天晶花 巻の八十一「文学は商売と芸術が半々であるとき最も栄える」[ラリアー](2010/09/08 00:07)
[96] 東方天晶花 巻の八十一点五「さすらいと変化を愛するものは生ある者である」[ラリアー](2010/09/13 00:07)
[97] 東方天晶花 巻の八十二「絶望とは、闘う理由を知らずに、しかもまさに闘わねばならないということだ」[ラリアー](2010/09/27 01:22)
[98] 東方天晶花 巻の八十三「真の勇気というものは、極端な臆病と無鉄砲との中間にある」[ラリアー](2010/09/27 01:23)
[99] 東方天晶花 巻の八十四「今日は堂々と勇ましく、そして明日は墓の中」[ラリアー](2012/04/15 23:09)
[100] 東方天晶花 巻の八十五「賽は投げられた」[ラリアー](2012/04/23 22:15)
[101] 巻の転「むかし むかし」~the end of fantasy~[ラリアー](2010/10/20 23:50)
[102] 東方天晶花 巻の八十六「未知になるって言うのは、死んじゃうのと同意義なのさ」[ラリアー](2010/10/30 18:11)
[103] 東方天晶花 巻の八十七「宴には上等の酒と上等の肴があれば充分よ」[ラリアー](2012/04/23 22:24)
[104] 東方天晶花 巻の八十八「幻想郷は、宴会も自由だなぁ」[ラリアー](2010/11/06 11:22)
[105] 東方天晶花 巻の八十九「溜まったツケを払わないと、新しい事は始められないでしょ?」[ラリアー](2010/11/13 00:39)
[106] 東方天晶花 巻の九十「世間から必要とされない音楽はこうやって消えていくのね~」[ラリアー](2010/11/20 00:02)
[107] 東方天晶花 巻の九十一「この幸せ者共め! お代は聞いてのお帰りだよっ!!」[ラリアー](2010/12/02 00:44)
[108] 東方天晶花 巻の九十二「他人のペースに合わせて自分を見失ってはダメなの」[ラリアー](2010/12/09 00:03)
[109] 東方天晶花 巻の九十三「人や妖怪と一緒、家にも色んな形があるの」[ラリアー](2010/12/16 10:51)
[110] 東方天晶花 巻の九十四「まるで、巌流島の決闘みたいね」[ラリアー](2010/12/23 00:57)
[111] 東方天晶花 巻の九十五「きっと貴方自身ですら知らない秘密を教えてくれるわよ」[ラリアー](2010/12/30 00:21)
[112] お正月特別変「フタマルイチイチ、ヲトシダマ異変」[ラリアー](2012/05/14 17:48)
[113] 東方天晶花 巻の九十六「正直で結構! あたいも生きてる奴を運ぶほど暇じゃないからね」[ラリアー](2011/01/13 00:03)
[114] 東方天晶花 巻の九十七「半端な智慧は時として、無知よりも罪深き業となります」[ラリアー](2012/05/29 01:47)
[115] 東方天晶花 巻の裏側弐「スキマ妖怪が教えてア・ゲ・ル♪」[ラリアー](2011/01/26 10:35)
[116] 東方天晶花 巻の九十八「やがて辿り着く結果までは、この閻魔にも見通せません」[ラリアー](2011/02/02 00:55)
[117] 東方天晶花 巻の九十九「胸を張れとは言わないけどさ、お礼くらいはちゃんと受け取りなよ」[ラリアー](2011/02/09 00:02)
[118] 東方天晶花 巻の百「譲れないモノがあるなら死んでも守り切りなさい」[ラリアー](2011/02/16 00:20)
[119] 東方天晶花 巻の裏側参「もう一度教えろ! 山田さんっ!!」[ラリアー](2011/02/23 02:18)
[120] 東方天晶花 巻の百一「幻想郷らしく、力尽くで居場所を‘奪って’きます」[ラリアー](2011/03/01 00:02)
[121] 東方天晶花 幕間「誰が為に鐘は鳴る」[ラリアー](2011/03/08 11:09)
[122] 東方天晶花 巻の百二「つまりはいつも通り、一か八かの出たとこ勝負をするワケね」[ラリアー](2011/03/15 01:59)
[123] 東方天晶花 幕間・弐「久遠の空に舞い踊る風花」[ラリアー](2011/03/22 00:01)
[124] 東方天晶花 巻の百三「―――切り札ならありますよ。最低最強、とっておきの一枚がね」[ラリアー](2011/03/29 08:04)
[125] 巻の結「めでたし めでたし」~The fantasy continues~[ラリアー](2011/04/11 23:50)
[126] 東方天晶花 キャラ紹介(第九十五話まで[ラリアー](2012/05/29 01:48)
[127] 天晶花・昔語り①「晶と隙間とお茶会と」[ラリアー](2009/11/26 19:11)
[128] 天晶花・昔語り②「晶と隙間とお袋の味と」[ラリアー](2009/12/17 01:51)
[129] 天晶花・昔語り③「晶と巫女とカラオケと」[ラリアー](2010/08/18 04:29)
[130] 天晶花・昔語り④「早苗と神と悪戯メールと」[ラリアー](2010/11/27 00:04)
[131] 天晶花・未来語りⅠ「次代のユウウツ」[ラリアー](2012/06/04 21:40)
[132] 天晶花・未来語りⅡ「賢人のわりといつも通りな一日」[ラリアー](2012/06/04 21:41)
感想掲示板 全件表示 作者メニュー サイトTOP 掲示板TOP 捜索掲示板 メイン掲示板

[8576] 東方天晶花 巻の五十二「恋愛は人を強くすると同時に弱くする。友情は人を強くするばかりである」
Name: ラリアー◆536635cd ID:9d10842d 前を表示する / 次を表示する
Date: 2013/05/06 23:58
巻の五十二「恋愛は人を強くすると同時に弱くする。友情は人を強くするばかりである」




 トイレから帰還すると、そこには一匹の兎さんがおりました。
 もちろんてゐの事では無い。彼女ならその兎さんの隣でニヤニヤしている。
 赤い兎さん――バニーガール姿のアリスは、僕の視線に気付くと自分の身体を抱きしめながら一歩下がった。
 では以下、少し長めの描写で。
 僕の立ち位置でまず最初に注視してしまうのは、大胆に開かれた背中の部分だ。
 腰まで届いていそうな露出のおかげで、彼女のシミ一つない白磁のような肌は大胆に晒されている。
 また、ぴっちりとしたそのスーツは普段の服装と違い、はっきりと彼女の身体のラインを露わにしていた。
 その均整のとれた体つきは、少女の儚い可憐さと女性の艶めいた美しさの両者を感じさせる。
 少々下卑た話になるが、両腕が抑えつける事で強調される胸も中々に刺激的だ。
 元々着やせするタイプだったのか、幽香さんにも劣らない張りのある双丘は適度な力を得て蠱惑的に―――

「上海、目潰し」

「コノコメントハショウリャクサレマシタ、ツツギヲミルニハ『シャンハイカワイイ』トカキコンデクダサイ!」

「ふぎゃん!?」

 アリスの姿に釘付けだった僕は、モロに上海の拳を喰らってしまう。
 サイズ差のせいで、ただの正拳突きが見事な目潰しなるとは。上海恐るべし。
 あと、さすがに台詞が長いと思う。上海読みにくい。
 
「ところでアリス、この行動の意図は分かるけどさすがにやり過ぎだと思う。最悪目が潰れるよ?」

「……そのわりには余裕あるね。晶」

「一応それなりに防ぎましたから。さすがに直撃は洒落にならないし」

「当たれば良かったのに」

 いやその、マジマジと観察してしまった事は謝りますんで、その断罪するような視線は引っ込めてもらえないでしょうか。
 出来るだけアリスを視界から外しながら、僕は大人しく元の位置に着席する。
 それでも微妙に顔がそちらを向いてしまいそうになるのは、男の子の悲しいサガだろう。
 あっ、見てませんよ? すっごく見たいけど見ていませんよ?

「それで、私はいつまでこの卑猥な服を着てなきゃいけないのかしら」

「いつまでって……そりゃ守護者達が来るまででしょ」

「え゛っ? ちょっと、どういう事よ!?」

「わぁ、もっと可愛いアリスが見られるんだね! やったぁ!!」

「そういう問題じゃないわよ!?」

「良いじゃないですか。すぐに脱いだら罰ゲームになりませんよ。……ところで、どう使うんでしたっけコレ」

「カメラは仕舞いなさいよ!?」

「あ、じゃあカード配るね」

「スルー!?」

 だって、ここで僕も同意したら怒るでしょ? ――フォロー? しませんよ、ええ。
 とりあえず、賢者のように悟りを開いた顔で淡々とカードを配る僕。
 他の三人もそれ以上話を続ける気は無いらしく、カードを回収して一喜一憂し始める。
 そうなるとさすがにアリスも諦めるしかないようで、何やらブツブツ言いながら配られたカードを手に取るのだった。

「こうなったら……この恨みをどこかの誰かにぶつけるしかないわね」

 ―――で、その誰かってのは誰の事なんですかね、こっちを見ているアリスさん。
 そんな風にちょっとした寒気を感じさせながら、二回戦は始まった。
 なお、展開は会話によるダイジェストでお送りします。

「早速だけど覚悟しなさい! リバースよ!!」

「じゃあ、ドローツー出すね」

「では私も」

「てゐちゃんも」

「私は出せるの無いからドローフォー! 赤色で!」

「メディスンなら捻りはなさそうね。はい、ドローツー」

「そろそろ洒落にならなくなってきたなぁ……ドローツー」

「流せませんね。十四枚ですか」

 にこにこ笑顔の稗田さんが、手札を一気に増やした所で決着はついた。
 僕の隣ではアリスが、心底悔しそうに僕を睨みつけている。
 ……いや、このゲームで狙って相手を負かすのは相当難しいから。
 二連敗しなかっただけで良しとして欲しいんですが、この人はどれだけ僕に負けて欲しいんだろうか。

「わーい! 罰ゲーム、罰ゲーム!」

「さて、何を引くんでしょうね……おや?」

 稗田さんは、楽しそうな顔で罰ゲームの紙を引く。
 彼女にとってはこれもゲームの楽しさの一つなんだろう。その暢気さが正直羨ましい。

「なになに? 今度は何が出たのさ」

「今度も、また私の書いた罰ゲームみたいですね。ほら」

「二連続か……って、チャイナドレス!?」

 彼女が見せてくれた紙には、バニーの時と同様に簡潔な文字でそう書かれていた。
 まさかのコスプレ二連続である。……この人、自分の罰ゲーム全部コスプレにしてるのかな。
 得心した様子で頷いた稗田さんは、全員に罰ゲームの紙を見せると例の衣装部屋へと入っていった。
 そして、僅か数分で戻ってくる物分かりの良過ぎる阿礼乙女。もはや罰ゲームなのかただ着替えただけなのか判別は出来ない。
 
「じゃーん、どうですか?」

「わー、可愛いねっ!」

 稗田さんが着てきたのは、黄色いチャイナドレスだった。
 美鈴の様なセクシーなデザインではなく、上と下がそれぞれ独立した中華風の衣装となっている。
 下はミニスカートで上もノースリーブと露出自体は高めだが、色気よりも活発さが強調されるのはデザインのシンプルさ故か。
 髪飾りは簪から中華風の花飾りに変わっており、おかっぱ頭が丁度良く衣装にマッチしている。
 うん、普通に似合ってて良いけど……何かアリスの時と凄い格差があるような気が。

「どうでもいいけど、私の時と違って随分デザインが大人しいわね」

「あ、同感。私はてっきり、腰まで切れ目が入ってる激烈セクシーなチャイナドレスを着てくると思ってたんだけど」

「――私の身体の凹凸がもっとはっきりしていれば、そういう選択もあったんですがね」

「………ご、ごめんなさい」

 さすがのてゐも、自分の胸を虚ろな目で見つめる稗田さんの姿に謝らざるを得なかったようだ。
 アリスも、思わぬ自虐にツッコミにくそうにしている。
 メディスンは……全然分かって無さそうだ。不思議そうに首を傾げている。
 え、僕? 僕は黙々とカードの束をシャッフルしてるだけですよ?
 どうフォローしても地獄を見そうな状況で、下手に口を滑らす気は無いからね。

「それじゃあ、またカード配りますよー」

「わーい! 三回戦突入ーっ」

 何も聞かなかった顔で、いけしゃあしゃあと僕は告げる。
 もちろん、何か呪詛の念を漏らしている稗田さんは視界から外して。
 聞こえないよ? 巨乳死ねとかそんな不穏当な発言僕には全く聞こえないデスよ?

「……早く来ないかしら、あの二人」

 当分は来ないと思うから、大人しく諦めてください巨乳代表。
 はい。と言うわけで三回戦目もダイジェストでサクサク行きますね。

「ふふふ……とりあえず、久遠さんをスキップしますね」

「ええっ!? ――山札から一枚引くわ」

「アリス無かったんだー。あ、私は普通に出すよ」

「ほいほい。なら色変えしましょうねーっと、青色ね」

「残念。山札から一枚引きます」

「僕も無いや。ドローフォー出すね」

「それ、チャレンジするわ」

「アリスさんに六枚追加入りましたー」

「……やられた」

 三回戦目は、ちょっと警戒し過ぎたアリスが見事にチャレンジを失敗した事で勝敗が決りました。
 その後も上手い具合に手札を消費出来た僕は、三度目の一抜けで罰ゲームを回避する。
 うん、良い感じに勝負運がこちらへ向いているみたいだね。
 悔しげに罰ゲームの紙を引くアリスを横目に、僕はこっそり安堵の息を吐きだした。
 ……いつものパターンだと、ここらへんで痛い目に遭うのが定番だからなぁ。

「な、なによコレ!?」

「ほへっ?」

 等と考えていたら、アリスが罰ゲームの紙を見て叫んでいた。
 はて、どうしたのだろうか。今度はスケスケネグリジェ着ろとでも書いてあったのかな。

「なになに……『膝枕』ね。簡潔過ぎて意味分からない罰ゲームだなー」

「あ、それ私のだ」

「メディスンさんの罰ゲーム……なんですか?」

「うん! 罰ゲームって良く分からなかったから、やって欲しい事書いたの!!」

 良く分からなかった聞こうよ。まぁ、変な事書かれるよりずっと良いけどさ。
 しかし、この罰ゲームはどう解釈すれば良いんだろうか。
 膝枕をする側は負けたアリスだとしても、される側が明確に決まっていないよ?
 提案者であるメディスンにさせる? でもそれじゃあ、今後メディスンが自分の罰ゲームを引いた時に対処出来ないよなぁ。

「普通に考えたら、される側は一抜けの人だよね」

「同感です。特権は勝者にこそ与えられるべきです」

「ほへ? と言う事は……」

「いいなー。晶が膝枕されるんだー」

「え、ええぇぇぇえぇえっ!?」

 その叫びはどちらの声だったのか。少なくとも、両者とも叫びたい気持ちだった事は間違いない。
 え? っていうか僕が膝枕されるの? バニー姿のアリスに?
 今まで視界から外していたアリスに顔を向ける。
 さっきは描写するのに夢中で特にコメントしなかったが、うっかり間違いを犯してしまいそうなセクシーさだ。
 そんなアリスに膝枕? ああなるほど、つまり死ねって言ってるワケですね。

「いやいやいやいや、無理無理無理無理無理ですって」

「……何でそんなに否定するのよ」

「否定するよ! 僕を殺す気なの!?」

「な、死ぬってなによ! 失礼しちゃうわねっ!!」

 いかん。彼女にはこちらの意図が欠片も伝わっていない。
 今のはオトコノコの切ない事情から来る切実な否定なんですが、アリスはそれを侮辱と捉えてしまったらしい。
 憤慨した様子の彼女は、おもむろに僕の手を取って正座を始める。
 うわぁ、しかもムキになってるし!? ダメだ、これは急いで離脱しないと……。
 
「こ、こら、大人しくしなさいっ!」

「ふにゃっ!?」

 倒れ込んだ僕の頬に柔らかい感触。それが何なのかは察するまでもない。
 ヤバい、本格的にヤバい! 顔の向き的にアリスの身体は視界に入らないから良いけど、他がヤバい!
 具体的に言うと太ももの感触と鼻孔をくすぐる良い匂いがヤバい!
 アリスも、僕が硬直している姿を見て自分のやった事の意味を再認識したのだろう。
 下手に動かないように僕の頭を手で押さえつけ、そのまま身体を硬くしている。

「微笑ましいですねー」

「……なんか、やたら空気がピンク色な気もするけどね」

「いいなー、私もやってほしいなー」
 
 っていうかマジでどう収拾付けるんですか、この罰ゲーム。
 正直僕、動けないですよ? いや、動かないと言った方が正しいですが。
 本音を言うと、明日からこれを枕にして寝させて下さいと土下座してお願いしたいくらいです。
 
「おっ、終わり! もう終わりよっ」

「あいたっ」

「えー、もうちょっと良いじゃん。ニヤニヤさせてよー」

「絶対イヤ!」

 アリスが膝を引き抜いたため、僕は頭をしたたかにぶつける。
 それでも、正直まだ夢見心地な感じだ。
 何と言うハニートラップ、アリスの膝は世界を狙える。
 ううっ、しかも今ので集中が切れてしまった。せっかく良い感じに勝ち抜けてきたのに。

「仕方無いなー。それじゃあ四回戦目、いっくよーっ?」

「えっ!? ちょっ、ちょっと待って! 今それどころじゃ……」

 全然気持ちが切り替えられない僕をヨソに、そんな事を言うてゐさん。
 それに対し思わず抗議の声を上げた僕は―――その行為が失態以外の何物でもない事に遅れて気付いてしまった。

「よし、とっとと始めましょう! 今の晶ならヤれるわっ!」

「いえーいっ! 人の弱みには全力で付け込めー!!」

「やっぱりそうなるよねーっ!?」

 何だかんだで負けず嫌いな彼女らが、そんな僕の致命的な隙を見逃すワケが無いのだ。
 全力で僕を潰す気のアリスとてゐ。特に肯定も否定もしないけど、反対はしない稗田さんとメディスン。
 幻想郷の住人に、武士の情けという単語はあまり無い。
 ――僕がその後の四回戦目で、ダブルスコア以上の差をつけられ惨敗したのは言うまでも無い事だ。

「さぁ、皆の待ってた罰ゲームの時間よ」

「待ってたのはアリスさんですよね、絶対にっ!?」

「何を引くのかなー、わくわく」

「罰ゲーム、罰ゲームっ!!」

「どうぞ久遠さん、いっそ纏めて引いても良いですよ?」

 稗田さん、さりげなく酷いです。
 全員の期待の視線を一身に受けながら、僕は恒例となった罰ゲームの選択を始める。
 ううっ、出来れば心に傷を負わない程度のネタで済んで欲しいなぁ。

「で、何が出たの?」

「……『貴方が見た、他人の失敗談を話せ』だって」

「あー、それ私のだ」

「そうだろうと思ったよ」

 むしろこんな露骨な罰ゲーム、てゐ以外の誰が書くと言うのだろうか。
 しかし何だろう。本来ならあーだのうーだの唸りを上げそうな罰ゲームなのに、ちょっとホッとしてしまったのは。
 多分、今までの罰ゲームを見てきたからだろうね。アリスなんて露骨に悔しそうにしているし。
 けれど……これはこれで面倒な罰だ。
 何しろその他人のミスを、てゐが利用する事は明らかなのである。
 変にレミリアさんや幽香さんのうっかりを話した日にはどうなる事やら。とりあえず、身体の一部とサヨナラする覚悟は必要だろう。
 ……特に某吸血鬼さんは、やたらその手の話に事欠かないからなぁ。
 仕方無い、幻想郷での平穏な生活のためだ。封印していたあの話を使う事にしよう。

「それじゃあ、一発お話させて貰います」

「わーい、ぱちぱちー」

「ほどほどで良いわよ? 貴方の場合、交友関係が洒落にならないからね」

「同感、てゐちゃんも命は惜しいからあんまヤバいのは止めてね」

「僕もそのつもりだから安心して」

 ある意味では、一番ヤバい気もするけどね。
 まぁあの人ならきっと、笑って許してくれるだろう。……多分。
 
「ではでは。―――これは、僕が実際に体験した話です」

「そういう罰ゲームですよね?」

 うーむ。幻想郷ではこの手の怪談語りは通じないのか、残念。
 別に通じなくても問題は無いんだけど、話を始める前に多少空気を暖めておきたかったのも事実だ。
 ……まぁ、大した話じゃないし、それならそれでさっさと終わらせようか。



 あれはそう、丁度去年の今頃の話だったかな?
 その時期、たまたまドリフ――じゃ分からないかな、喜劇の一種なんだけど……あ、コントで通じるんだ。
 まぁ外の世界では国民的なコントに、ちょっと憧れてね。
 その定番ギャグの一つを、自分の身体で体験してみたくなったんだよ。
 あ、ちゃんと真似するに当たってきちんと安全面は確保したよ?
 ……それ以前に、真似しようと考える事自体がおかしいですかそうですか。
 オホン。そういうわけで、僕は部屋にバナナの皮と金ダライを用意したワケなんですよ。
 や、僕の失敗談では無いですよ? ここから話が繋がるんだってば。
 僕には、お世話になっている後見人が居てね。
 普段はいつの間にかそこに居るって言う、かなり神出鬼没な人なんだけど。
 その日は何故か、普通に入口から入ってきてね。
 ――ちょ、メディスン先にオチを言っちゃダメだよ!?
 あーはいそーですよ。そこに丁度良く現れたその人が、バナナの皮で滑って転んでタライの直撃を受けたんです。
 あれは何度思い出しても芸術的な転び方だった……。
 その人のキャラ的に考えると、ワザとって可能性もあったんだけどね。うん、そういう人なんだよ。
 頭にドでかいタンコブ作りながらも、何一つその事に触れないその人の姿を見て僕ははっきり確信したんだ。
 嗚呼、この人でもこんなドジやらかすんだなぁ――って。
 ほへっ? 謝りはしなかったのかって? そりゃ当然謝ろうとはしたよ?
 だけどその人、その話に繋がりそうな話題を振るだけで話を逸らすんだもん。謝れやしないよ。
 
 

「なるほど、それは確かに失敗談ですね」

「でしょう?」

「てゐの求めていた内容とは大分意図が違うみたいだけど。……まぁ、落とし所としては最適じゃないの?」

「うう~、てゐちゃんツマンナイ」

 いや、ちゃんと罰ゲームの内容は遵守致しましたよ?
 まぁこれは、皆が知らない人の失敗談は言っちゃダメってルールを設けなかったてゐのミスだね。
 ……ねーさまの知名度を考えると、皆知っていそうな気もするけど。
 後見人の名前は言ってないからセーフだろう。さすがのてゐも、外の世界の人物の事まで追求する気はないみたいだし。
 
「まーいいさ。今のは私の書いた罰ゲームの中でも一番の小物、まだまだ後ろにはもっと凶悪な罰ゲームが控えているのだ」

「何その悪の四天王みたいな捨て台詞」

 相変わらず、腹黒い笑みがあつらえた様に似合ってるんですけどこの兎詐欺。
 やはりこやつも油断ならない。いつもの事だからスルーしていたけど、罰ゲーム内容に躊躇が無い。
 改めて、今回の稗田邸ウノ大会がほのぼのとは違う空気を纏っている事を実感する。

「それじゃあ五回戦目、行ってみましょうか」

「いえーいっ! ―――コンドコソヒカセテヤル」

「はぁ、そろそろこないかしらあの二人。―――ソノマエニアキラガイタイメニアエバイイノニ」

「……ほんと、どんどん空気が重くなっていく気がするよ」

「皆の想いが集まってるからだね!」

 微妙に上手い事言いますねメディスンさん。
 だけどその想いは、ちょっと淀んでると思いませんか? 空気同様に。
 
「それじゃあ、今度は私が配るよー」

 大した問題では無いですかそうですか。
 メディスンはマイペースにカードを配り始める。
 ここらへんが被害者と傍観者の認識の違いか、同じゲームを受けているのにこの余裕の差は何なんだろう。
 僕は溜息を吐きだしつつ、配られたカードを受け取った。
 さて、あと何回、罰ゲームは執行される事になるんだろうかね……。







 


 その後も、稗田邸ウノ大会は一部に災厄をばら撒きながら続行された。
 無事一抜け出来たと思ったら、メディスンの欲望だだ流しな罰ゲームを引いた稗田さんが腰に抱きついてきたり。

 ――幾ら僕が細身で有る事に驚いたからって、服の中に手を差し込むのはやり過ぎだと思いますよ稗田さん。

 アリスの設定した罰ゲームが無難過ぎて、まさかのノーカウントになったり。

 ――まぁ、さすがに普通の早口言葉三回は罰ゲームとしてどうかと思う。
 
 稗田さんの罰ゲームを僕が引いてしまい、何故か腋が空いている紅白の巫女服を着る羽目になったり。

 ――ちなみに、着た感想は「……平時の方がコスプレっぽい」だった。しかも全員同意見。泣いて良いですか。

 とにかく、罰ゲームはこれでもかと言うくらい容赦なく執行され続けた。
 ……コスプレしている三人、限定の話ですがね。
 アリスが僕を集中的に狙っているせいで、僕と左右に居る二人の手札暴発率が尋常じゃない事が原因だろう。
 もちろん、アリスさんの自爆も多かったって意味も含めてね。
 その結果罰ゲームは僕達三人に集中し、僕とアリスの精神はかなりギリギリまで追いつめられてしまったのである。
 稗田さん? 何が出てもノリノリでやってますよ。
 彼女が一番このゲームを満喫していると言っても過言ではないだろう。
 そして第……何回戦目かは忘れたけど、ついさっきの事。
 ボロ負けしたアリスが、僕の「アンパン買ってくる」という罰ゲームを引いた所で、ゲームはストップしている。

「くそーっ、人形遣いめ時間稼ぎしおってからにぃ」

「仕方ありませんよ。あんパンは珍しい食べ物ですから」

 僕は簡単そうな食べ物をチョイスしたつもりだったんだけど、幻想郷ではそうでもなかったらしい。
 まぁ確かに、そもそもパンの流通量自体が少なそうな幻想郷では普通に珍しい品だよね。アンパンって。
 それでも無いワケでは無いので、アリスも素直にアンパンを買いに出かけたワケなんだけど。
 確かに、ちょっと時間がかかり過ぎな気がする。
 ……さてはアリスめ、先生達が来るまで時間を潰す気だな。良いぞもっとやれ。
 あ、ちなみに彼女はもうバニー姿じゃない。
 本人は意地になってその姿で出かける気だったけど、さすがに笑い事にならないので皆で押し留めました。
 
「久遠さん」

「ほへ?」

「……ありがとうございます」

 メディスンとてゐがウノで遊んでいるのを横目に寛いでいたら、何故か隣に座っていた稗田さんからお礼を言われた。
 はて、僕は何か彼女に感謝されるような事をしただろうか。
 
「こんなにも楽しい時間を過ごしたのは、初めてかもしれません」

「た、楽しかったですか? 罰ゲームばっかりやってた記憶があるんですが」

「はい。御阿礼の子である私には、皆遠慮してしまいますから」

「……何と言うかその、遠慮してなくてすいません」

 緊張がほぐれたと思ったらコレだよ。本当に僕は遠慮と礼儀って言葉を知らないんだから。
 僕が自分の態度を軽く反省していると、稗田さんは何故か嬉しそうにはにかんだ。
 むぅ、この笑みは、そういう無礼な態度の方がありがたいって意味なのかな。
 そうやって優しい言葉を掛けられると、僕は調子に乗ってしまうんですが。

「あ、あの、これから凄く恥ずかしい事を言いますから、笑わないでくださいね?」

「はぁ、何を言うのか知りませんが、一応善処はさせてもらいます」

「ありがとうございます。それでですね……えっと」

 そこで言葉を一旦止めると、稗田さんは顔を真っ赤にして俯いてしまう。
 それでも僕の方をチラチラと見ながら、彼女は絞り出すように言葉を続けた。

「さっき久遠さんは、遠慮していない事を謝りましたが。別に謝る必要は無いんですよ」

「そうですか?」

「そうです。だってその……と、友達の間に遠慮とか、要らないじゃないですか」

「……………ともだち」

「――あぅ」

 本当に恥ずかしそうに、顔を手で覆ってしまう稗田さん。
 一方の僕はと言うと―――そんな稗田さんの言葉が嬉しくて、知らずニヤニヤしてしまっていた。
 友達、かぁ。なるほど、そう考えると彼女がずっと機嫌が良かった理由も頷ける。
 だから僕はその言葉に何度も頷きつつ、あえてメディスンに話を振った。

「ねぇ、メディスン」

「んー? なぁにー?」

「友達同士でワイワイ遊ぶのは、楽しいね」

「うん! アリスも早く帰ってくればいいのにねっ!!」
 
 さすが無邪気っ子。そういう素直な台詞が欲しかったんですよ。
 彼女の言葉に、俯いていた稗田さんは照れくさそうに顔を上げる。
 僕は、そんな稗田さんに心の底からの笑顔を向けた。

「……その、久遠さん。『晶さん』って呼んでも良いですかね?」

「僕も『阿求さん』って呼んでいいなら、良いですよ」

「―――はい! 晶さん!」

 稗田――阿求さんが、僕の言葉に満面の笑みを返してくれる。
 そうだよね。阿礼乙女だって人間なんだ、生きてるうちから偉人扱いされて嬉しいはずがない。
 そんな彼女の苦労が、僕達とのくだらないやり取りで除かれると言うなら、このウノ大会をやる価値もあった……あったのかなぁ?
 さすがにそれは差し引いてマイナスになると思うけど。まぁ、阿求さんが喜んだ事だけはプラスなると思っておこう。
 二人のウノに笑顔で混ざりに行く阿求さんを見て、僕はそう結論づける事にしたのだった。





 ちなみにアンパンを買いに行ったアリスは、結局上白沢先生や妹紅さんと一緒に戻ってきた。
 その際、二人が僕や阿求さんの姿を見て目を点にした事は一応語っておこう。



前を表示する / 次を表示する
感想掲示板 全件表示 作者メニュー サイトTOP 掲示板TOP 捜索掲示板 メイン掲示板

SS-BBS SCRIPT for CONTRIBUTION --- Scratched by MAI
0.068766117095947