巻の四十七「言葉で説教するよりも、あなたの生き方そのものがより良い説教となろう」 最近は、すっかり秋めいてきたようだ。 速くなった日の移ろいと気温の変化をしっかりと感じ取り、私はしみじみとそんな事を思った。 ……そろそろ、キノコの旨い季節だな。 今日あたり、妹紅の家に行って茸鍋でも作ってやるか。 放っておくと食事すら摂らなくなる無精な友人の事を思いながら、私は歩を進めていく。 まったく、不死身の蓬莱人でも腹は減るだろうに。どうしてああも食に無頓着になれるのか。「おっ、上白沢先生! どうだい、今日は野菜が安いぜっ!!」「……何とも、絶妙なタイミングで声をかけてくるものだな」 まるで私の思考を呼んでいたかのように、声をかけてくる八百屋の店主殿。 その手に抱えられた白菜は、密やかながらも確実に茸鍋の素晴らしさを引き上げてくれる事だろう。 むぅ、出来る事なら今すぐ購入しておきたい所だが、あいにく私は所用の真っ最中。 白菜片手に動きまわるわけにはいかん以上、この出会いは諦めるしかないか。「どうしたんだい先生、眉間に皺なんかよせて」「うむ。実は今、稗田殿に呼び出されていてな。その白菜は是非とも欲しい所なのだが……」「なんでぇそんな事かい! 先生のためなら白菜の十個や二十個、いつまでも取り置いてやるぜっ!!」「いつまでも取り置かれては困る。稗田殿の用件も分からんし、また来た時残っていたら売ってくれ」「おうよ、任せとけ! 美人先生のためなら、かーちゃんに睨まれたって白菜は残してやらぁ!」「だから取り置かなくていいと……後、先ほどから奥方が店主殿を見ているぞ」「げぇっ、かーちゃん!?」 冷やかな目付きの奥方に、店主殿が慌てて弁明を始める。 いつも通りの見慣れた光景だ。人の良い店主殿だが、彼はいささか口が滑らか過ぎる所があるからな。 私は店主の奥方に一礼し、再び稗田殿の屋敷にむかって移動を始めた。「……平和だな」 私が半獣だと知っていても、彼らは私に普通の態度で接してくれている。 四十年前には想像することしかできなかった光景が、今の人里では常識にまで変わっていた。 この光景が当時の人里にあれば、どうなっていただろうか。 そんな事をふと考えてしまったのはきっと、旧友の孫と出会ったためだろう。 久遠晶―――かつて幻想郷に迷い込んだ友人の血縁者。 彼女と出会ってから、当時の事を振り返る機会が増えたように思う。 それは如何なる感情の成せるものなのか。我が事ながら理解するのは難しい。「私は、悔いているのか?」 自らが漏らした呟きが、ひょっとすると最も真実に近い答えなのかもしれない。 歴史を作る力を持つ私でも、起きた事実は変えられないのだ。 四十年前、人里は一人の外来人を受け入れなかった。 それは当時の世情を考えれば仕方のない事だ。 しかし、そんな薄っぺらな言葉で拒否された当人は納得する事が出来たのだろうか。 私の知る「歴史」に、個人の感情が載る事は無い。 故に人でありながら人に歓迎されなかった彼の想いを、私は察することしか出来ないのだ。 ――なに、辛いことなど何一つ無かったよ。私はここで、かけがえの無い友を二人も得たのだから。 何もしてやれなかったと謝る私に、久遠は笑ってそう返してくれた。 その最後の言葉を、私は信じていいのだろうか。「……いや違う。信じねばならんのだ、友が遺してくれたこの最後の言葉を」 そうだ。過去を悔いているだけでは何も変わらないと、私はすでに理解しているではないか。 久遠は私を友だと言ってくれたのだ。なら私は、友としてその久遠の信頼に応えるべきではないのか。 今、彼の孫は幻想郷で辛い目に会っている。 その惨状を彼の友が、悠々と見過ごして良いのか? ――いや、良くない! 私には友として、人里の守護者として、彼女の窮地を救ってやる義務があるのだっ!! 「そうだ上白沢慧音! 今のお前なら、久遠の力になってやる事が出来るだろう!!」「おぉ、今日も上白沢先生が燃えとりますのー」「今日は一日快晴でしょうなぁ。えがったえがった」 先日は鴉天狗の言に納得してしまったが、やはり彼女を取り巻く状況は如何ともしがたいモノがある。 せめて居住だけでも変えるよう、私から進言してやらねばいかん。 とは言え、どう説得するべきか……彼女の頑固さは祖父に通じるモノがあるからな。「彼女の居る場所も場所だし、とりあえず妹紅にも相談して―――」「おーい! 上白沢せんせーっ!!」「………私は、考えた相手を呼び出す程度の能力でも身に付けたのか?」 そんな風に考えていると、前方からニコヤカな笑顔で件の人物が現れた。 まさしく噂をすれば何とやらだ。両手を激しく振りながら、久遠は無邪気な顔でこちらに近寄ってくる。 その後ろには、コメカミを抑えながら溜息を吐く七色の魔法使いの姿も。 ふむ、以前にも見た組み合わせだな。 どうやら二人は友人として、良好な関係を築いているようだ。うむうむ、仲良き事は美しきかな。 「みっともないから止めなさいよ、恥ずかしいわね」「う、うぐぅ」 ……き、築いているんだよな? 冷やかな目で久遠を見つめるマーガトロイドの姿を見て、そんな不安が頭をよぎった。 しかしキツい言い方をする割には、双方から険悪な様子を感じる事は無い。 だとするとこれは……彼女なりの親愛の証なのだろうか。 うーむ。これは何と言うか、少しばかり分かりにくい友情の表し方だな。「マーガトロイド、もう少し素直に好意を表しても良いと思うぞ?」「人におかしなキャラクター付けをしないで。私は額面通りの意味で言ったのよ」「無邪気で良い事じゃないか」「いい年した人間の態度じゃないわよ」 私の忠言にも冷淡な態度を崩さないマーガトロイド。 むぅ、私は子供らしくて良いと思うのだが……確かに年齢を考えると、少々子供過ぎるかもしれんな。 しかし少々言い過ぎではないか? 久遠が半泣きになっているぞ?「ははは、アリスは容赦ないなぁ。ちょっと泣いてきていいですか」「後にしなさい」「はい」 マーガトロイドの言葉に従い、彼女はあっさりと引き下がってしまった。 その姿を見て項垂れた子犬を連想してしまったのは、身に付けた首輪のせいだけではあるまい。 ……お前はそれでいいのか、久遠よ。 何とも情けない状況の彼女を見て、さっきとは違う意味での不安が増してしまった。 「それより慧音、話したい事があるから少し時間を貰えない?」「話か……私も用件があるので、手短に頼みたいのだが」 マーガトロイドの提案に、私は意図せずして眉を顰めてしまう。 あまり他人を頼らない彼女の話だ。出来ればじっくり聞いてやりたい所なのだが、稗田殿の呼び出しも疎かにするワケにはいかない。 結果半端になってしまった私の答えに、彼女は文句も言わず頷いてくれた。「聞いて貰える以上贅沢は言わないわ。それじゃ、早速だけど本題に入らせてもらうわね」「うむ、そうしてくれ」 「実はね――」 マーガトロイドの『話』とは、ある妖怪に関する頼み事だった。 何でも無名の丘に住まう毒の妖怪、メディスン・メランコリーが人里に寄る許可を貰いたいらしい。 それにしても、彼女の事は噂で聞いていたがまさかそんな事態になっていたとはな。 人に敵意を持つと言うのは悲しい事だが、頭ごなしに否定出来るモノではない。 それでも共存を望むなら、確かにマーガトロイドのやり方が最適だろう。 人里の守護者としても、皆が危険に遭う可能性が減るのは好ましい事だしな。「分かった。他でもないマーガトロイドからの頼みだ、人に害を与えないと約束するなら来訪を歓迎しよう」「そこは確約するわ。……まぁ、今のあの子には暴れる元気も無いでしょうしね」「そうそう。それにいざとなったら揉め事になる前に止めてくれますよ。主にアリスが」「そのつもりよ。――ああ、安心なさい。貴方は始めから当てにしてないから」「あはは、アリスは辛辣だなぁ。ちょっと首吊ってきていいですか」「後にしなさい」 いや、それは後でもダメだろう。 マーガトロイドの辛辣な言い方に思わず苦笑する。 確かに人間の久遠では心許無いかもしれないが、もう少し言い方は柔らかくしてやるべきではないか? 彼女とて数ヶ月幻想郷に居たのだから、多少の心得は持っているはずだろう。 そんな風に思いながら二人のやり取りを眺めていた私は、ふとある事に気が付いた。 ……そういえば、久遠の実力と言うのはいったいどの程度のモノなのだ? 以前マーガトロイドと弾幕ごっこをしたと言っていたから、最低限身を守る術は持っているに違いないだろう。 しかし半端な実力では、トラブルの素にしかならないものだ。 彼女の身を心配する者として、ある程度その力量を確かめておいた方がいいかもしれないな。「どうしたの先生? 急に考え込んで」「い、いや、何でもない。気にしないでくれ」 うーむ、とは言え本人にはっきりその事を尋ねるのも、少々不躾な気がする。 久遠の性格を考えると、正しい実力を聞けない可能性も高いしな。 ……いっそ、実力を確かめるために私も彼女と弾幕ごっこをするべきか? いや、それは本末転倒が過ぎる。 出来れば穏便に、久遠の力量を測る方法は無いだろうか。「……私の保証だけじゃ、やっぱり不安かしら」「む? 何の事だ?」「メディスン――毒の妖怪の事よ。確かに彼女は友好的な妖怪じゃないから渋る気持ちは分からなくも無いけど……」 深刻な顔で、何故かマーガトロイドがそんな事を言ってくる。 はて、私はすでにその事で許可を出したはずだが、何かまずい事があったのだろうか。 私は首を傾げながら彼女の問いかけに答えた。「その事なら了承したはずだろう? むしろ私としては、戦えない毒の妖怪の方が不安だぞ」 確かに、戦う力が無ければ他者に害を与える事は無い。 しかしそれは同時に、身を守る術も存在しないという事にもなる。 最近は人里にも強い力を持つ存在が訪れるようになった。 人里で暴れるわけではないから黙認されているが、彼女らが好戦的な性質である事に変わりは無い。 元から人里に顔を出す巫女も、妖怪が相手となれば容赦はしないだろう。 そういう意味では人里も充分な危険地帯だ。幾ら私でも、妖怪の安全まで保障する事は出来ない。「そっちは大丈夫よ、逃げのプロがついているから。……それより、問題ないなら何でそんなに眉根を寄せてるの?」 なるほど、そう言う事だったのか。 どうやら久遠の事を考えていたせいで、要らぬ不安を彼女に与えてしまったようだ。 別の事に気を取られ、目前の相手との会話を疎かにするとは……生徒達の事を叱れたモノではないな、これは。「すまない、別の考え事をしていた。先ほども言ったが、今の人里に悪意無き訪問を断る理由は無いさ」「ならいいわ、話を聞いてくれてありがとう。……ただ、あまり手短には出来なかったみたいね。ごめんなさい」 言われてみれば確かに、少々時間が経ち過ぎてしまったようだ。 こういった事態も想定して早めに家を出たのだが、あまり意味は無かったかもしれん。「なに、こういった用向なら仕方無いよ。稗田殿も分かってくれるだろう」 しかし、それだけの価値がマーガトロイドとの話し合いにはあった。 開き直るつもりは決して無いが、私は彼女たちとの会話が無駄な時間だったとも思わない。 ……久遠との話し合いは、また今度になってしまいそうだがな。 僅かな時間が彼女の心に致命傷を与えない事を祈りつつ、私は二人に向き直る。 そしてそのまま別れの言葉を口にしようとして―――ようやく私は、久遠の身に起きた異変に気が付いた。 「……く、久遠?」「ちょ、ちょっと晶! 脂汗ダラダラ出てるわよ!?」 定まらない視点で虚空を見つめ、久遠はガタガタと身体を震わせる。 豪放磊落を地で行ってそうな彼女がこんな態度を取るとは、私が惚けている間に一体何があったのだろうか。 「か、かかか、上白沢せんせ。いまっ、今稗田って言った!?」「確かに言ったが……それより久遠、身体の方は」「僕の身体なんぞどーでもえぇわいっ!!」「うおっ!?」 震え続ける身体で私の両肩を掴み、久遠は人格を崩壊させたような叫び声を上げた。 近くで見るとさらに酷い。瞳孔が開きっぱなしな上に、歯の根まで噛み合っていないではないか。 はて、彼女はここまで動揺を露わにする子だっただろうか。 マーガトロイドに視線を送ってみても、戸惑った様子で肩を竦ませるだけだ。 どうやら彼女にとっても初めての状況であるらしい。困った、何がどうしてこんな事に。「どうしたのよ晶。御阿礼の子と何か因縁みたいなモノでもあるの?」「そ、それっ! その稗田さんって人は、幻想郷縁起を書いたあの稗田阿礼さんの子孫さんだよねっ!?」「そうよ。ついでに言うとその子孫は、現在進行形で最新版の幻想郷縁起も書いてるわ。けどそれがどうし――」「やっぱりそうなの!? 初代の写本しか手元に無かったから半信半疑だったけど、当代の稗田はこの人里に居るんだねっ!!」「あ、ああ、確かに居るが……」「うっ」「……う?」「うっひゃっほぉーっ☆」「うっひゃっほぉーっ!?」 意味不明な雄叫びと共に、久遠が思いっきり跳ねまわる。 軽業師のような軽快な動きだ。惜しむらくは、それを誇るべき観客がこの場に居ない事か。 ……これは、お捻りを投げ入れた方が良いのだろうか。 あまりに奇怪な状況のため、私の頭がそんな場違いな事を考え出す。 あの行動は如何なる感情が発露したものなのだろうか、等と言うどうでもいい事ばかりが無性に気になってしまう。 一方、マーガトロイドはまだ幾分か冷静であったようだ。飛び跳ねる久遠に対し、動揺しながらも動きを止めようと近づいて行く。「お、落ち着きなさいって! 何をそんなに興奮してるのよ!?」「こーれが落ち着いていられるかぁーっ!!!」「その上逆切れ!?」 最終的にマーガトロイドの眼前に着地し、今度は彼女の肩を掴んで揺さぶる久遠。 最早、何が何だか。 久遠にとって稗田殿が、これほど過激な感情表現をするほどの相手である事はかろうじて分かるのだが。 ここまで急激に昂ぶられると、理解できても付いて行く事が出来なくなってしまう。「アリス、ねぇアリス! 会いに行こう!! 今すぐ稗田さんに会いに行こう!!」「……貴方ね、私達が何をするために人里へ来たのか覚えてる?」「忘れたっ!! って言うかここ人里だったっけ!?」「いっそ清々しい混乱具合ね……」「はわわ、ご主人様敵が来ちゃいましゅぅ――って誰がご主人様やねんっ!」「慧音、悪いけどコイツに一発お願いするわ。目が覚めるようなヤツを」「う、うむ、分かった」 確かにこれは気つけが必要だ。 そんな失礼な事を考えつつ、私は右往左往する久遠の身体を抑える。「はひふほへ? ばいばいきーん?」「しっかりせんか!」「あばんぎゃるどっ!?」 それでも未だ混乱を続ける彼女に対し、私は全力で頭を振り下ろした。 鈍い激突音と共に、久遠は地面に倒れ込む。 ……あまりに動揺していたから、少しばかりやり過ぎたかもしれないな。 伏したまま手足を痙攣させる久遠を見て、罪悪感が湧き出てくる。 だが即座に立ち上がった彼女の姿に、湧き出た罪悪感はあっさり引っ込んでしまった。「ああイタい、とってもイタい、ああイタい。それにつけても金の欲しさよ」「一発受けても目を覚まさないわね……そんなに御阿礼の子に会いたいのかしら」「が、頑丈なんだな、久遠は」「難易度easy程度の弾幕なら、タイムラグ無しで復帰できる程度にはタフよ。だからこそタチが悪いんだけどね」 うーむ、何だか心配していたさっきまでの自分が馬鹿みたいに思えてくるな。 い、いやいや、それは幾らなんでも失礼過ぎるぞ上白沢慧音! 例え身体が丈夫だろうと、心までもがそうであるとは……あるとは……。「分かったこうしよう。代わりに式神を置いて対処すれば」「それはただの紙ね」「使えないよ式神なんてっ!!」「色々言いたい事はあるけど、とりあえず式神主張するなら人型に切りなさいよ」「切り絵なんぞ『柳の下の幽霊』しか作れんわいっ!」「なんで貴方の技術は一々極端なのよっ!?」 ――久遠殿。貴方の孫はほっといても全然大丈夫じゃないのか、と一瞬でも思ってしまった私を許してくれ。 マーガトロイドと漫才を続ける久遠の姿に、自分の決意は凄い筋違いなモノではないかと言う考えが押し寄せてくる。 いや、なんだ、ほら、ああみえても久遠は……。 そのだな……えーっと……スマン、今の私ではこれ以上フォローの言葉が出てこない。「はぁ、しょうがないわね。……ねぇ慧音。悪いけどこの馬鹿、稗田邸に連れてってくれないかしら」「むっ?」「馬鹿だけど十六年間必死に生きてました! ヨロシクお願いします!!」 目の中でグルグル螺旋が回ってそうな久遠が、今すぐ店でも通用しそうなお辞儀をこちらに向ける。 まだ混乱しているんだよな? 変な所で話が噛み合っているから、正直分かり辛いぞ?「そうだな。私としても久遠と話したい事があったし、会わせるくらいなら……」「マジですか! いいんですかっ!! 生きているんだ友達なんだ!?」「ならお願い。とりあえず、また馬鹿をやろうとしたらもう二、三発叩きこんでいいから」「押忍! 面倒おかけしますっ!!」「はははっ。構わんが、道すがらで少しは落ち着いてくれよ?」「無理ですっ!!」 そうか、正直なのは良い事だな。この場合は違うような気がするが。 元気よく手を上げる混乱中の久遠の姿に、ほんの少しばかり早まったかと言う気持ちが生まれる。 今の久遠と真っ当に話すのは、妖精に哲学を教える事並に困難かもしれない。 い、いや、元々話の通じない相手と言うワケでは無いのだ。 私がゆっくりと落ち着かせてやればいいだけの話ではないか。 そう、これはチャンスなのだ! 久遠と話し合う最良の! だいぶボヤけてきた目標を再確認し、私は静かに握り拳を固めるのだった。「ところでアリス、僕が居なくなったら待ち合わせはどうなるの?」「……私が何でついて行かないか。その理由を考えようとは思わないのかしら」「セーブポイント?」「聞いた私が馬鹿だったとしても後で覚えてなさい」 ……チャ、チャンスなんだよな? 再びボヤけ始めた目標を、確かめようとする勇気はさすがに出てこなかった。 ◆白黒はっきりつけますか?◆ →はい いいえ(このまま引き返してください)【色々教えろっ! 山田さんっ!!】山田「実は上だけ体操服なスク水姿の山田です」死神A「なんでそうあざとさを主張するんですか? 死神Aです」山田「萎めばいいのに」死神A「……いや、好きで膨らんだワケじゃないですって」山田「今のは山田的に、八寒地獄へたたき落とすレベルの暴言です」死神A「そんなこと言われても」山田「妬まし―――」死神A「すいませぇーん! 山田様が閻魔に有るまじきキャラを演じる前に質問お願いしまーすっ!!」 Q:花を操る程度の能力による付加効果は何でしょうか?山田「本日の教えろ山田さんは「何故かゆうかりん特集」となっております」死神A「なんででしょうねぇ……しかも、花の妖怪自身は直接関係ない質問ばっかですし」山田「ざまぁみろレギュラーメンバー」死神A「ちょっとカメラ止めて、いいから、早く」山田「では白黒はっきり付けましょう」死神A「カメラ止めてってばぁ~」山田「主人公に付加された効果は「花から発生するバットステータスを無効にする」です」死神A「イマイチ分かりにくいんですが、鈴蘭からの毒を無効にするとかですか?」山田「あれは『毒』のカテゴリに入りますから、軽減する事はあっても無効化する事は無いです」死神A「なら、具体的にはどんな恩恵があるんですか?」山田「花粉症になりません」死神A「……一部の人は土下座してでも欲しがる効果ですが、それだけなんですか?」山田「各所で言われてますが花の妖怪は能力自体がかなり弱いので、効果自体もこんなものなんです」死神A「つくづく戦闘に関わらない技能だなぁ……」山田「では、続いて次の質問です」 Q:幽香に関する旧作設定(夢幻館や部下達)はどうなってるの? 山田「七色の人形遣いの旧作設定が確認された事により発生した質問ですね」死神A「旧作だと館持ちなんですよね、花の妖怪。……ちなみに、実際の所どうなってるんですか?」山田「一応夢幻館も部下も存在していますが、天晶花には間違いなく出てきません」死神A「問答無用だなぁ……ちなみに、どういった経緯でそんな事に?」山田「一言で言うと花の妖怪の気紛れですね。面白い拠点(太陽の畑)を見つけたのでしばらく住んでみる、的な」死神A「その間、夢幻館は?」山田「部下に管理を投げっ放しです」死神A「不憫だなぁ」山田「まぁ、旧作は設定を使ってもキャラは出す予定ありませんから。それでも出る可能性があるのは、あの怨霊と魔界神ぐらいですね」死神A「旧作知らないと誰の事やら」山田「東方メインキャラとの繋がりがある(旧作の中では)メジャーな面子しか出ないと言う事です。まぁ、そんな奴らよりとっとと私らを本編に出せよと言う話で」死神A「わぁ~っ!? 今度こそカメラ止めてぇーっ!! それでは皆様、ま、また次回ーっ!!」 とぅーびぃーこんてぃにゅーど