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No.8576の一覧
[0] 東方天晶花 (東方project+オリ主)【完結+未来語りⅡ追加】[ラリアー](2011/04/19 08:33)
[1] 巻の起「はじまり はじまり」 ~Welcome the beginner of the fantasy~[ラリアー](2009/11/06 15:52)
[2] 東方天晶花 巻の一「百聞は一見に如かず」[ラリアー](2009/11/06 15:51)
[3] 東方天晶花 巻の零点五「口は災いの元」[ラリアー](2009/11/06 15:51)
[4] 東方天晶花 巻の二「女心と秋の空」[ラリアー](2009/11/06 15:51)
[5] 東方天晶花 巻の三「人の振り見て我が振り直せ」[ラリアー](2009/11/06 15:51)
[6] 東方天晶花 巻の四「袖振り合うも多生の縁」[ラリアー](2009/11/06 15:51)
[7] 東方天晶花 巻の五「芸は身を助く」[ラリアー](2009/11/06 15:51)
[8] 東方天晶花 巻の五点五「知らぬが仏」[ラリアー](2009/11/06 15:52)
[9] 東方天晶花 巻の六「帯に短し襷に長し」[ラリアー](2009/11/06 15:52)
[10] 東方天晶花 巻の七「暗がりに鬼を繋ぐ」[ラリアー](2009/11/06 15:52)
[11] 東方天晶花 巻の八「鬼が出るか蛇が出るか」[ラリアー](2009/11/06 15:53)
[12] 東方天晶花 巻の九「親しき仲にも礼儀あり」[ラリアー](2009/11/06 15:53)
[13] 東方天晶花 巻の十「身から出た錆」[ラリアー](2009/11/06 15:53)
[14] 東方天晶花 巻の十点五「親の心子知らず」[ラリアー](2009/11/06 15:53)
[15] 東方天晶花 巻の十一 「縁は異なもの味なもの」[ラリアー](2009/11/06 15:53)
[16] 東方天晶花 巻の十二「玉磨かざれば器を成さず」[ラリアー](2009/11/06 15:53)
[17] 東方天晶花 巻の十三「藪を突突いて蛇を出す」[ラリアー](2009/11/06 15:53)
[18] 東方天晶花 巻の十四「精神一到何事か成らざらん」[ラリアー](2009/11/06 15:54)
[19] 東方天晶花 巻の十五「竹馬の友」[ラリアー](2009/11/06 15:54)
[20] 東方天晶花 巻の十五点五「呉越同舟」[ラリアー](2012/01/16 10:42)
[21] 東方天晶花 巻の十六「鷺を烏」[ラリアー](2009/11/06 15:54)
[22] 東方天晶花 巻の十七「無用の用」[ラリアー](2009/11/06 15:54)
[23] 東方天晶花 巻の十八「羹に懲りて膾を吹く」[ラリアー](2009/11/06 15:54)
[24] 東方天晶花 巻の十九「上に交わりて諂わず下に交わりて驕らず」[ラリアー](2009/11/06 15:54)
[25] 東方天晶花 巻の二十「用心は勇気の大半なり」[ラリアー](2009/11/06 15:55)
[26] 東方天晶花 巻の二十一「烏に反哺の孝あり」[ラリアー](2012/01/30 18:40)
[27] 東方天晶花 巻の二十二「子は三界の首枷」[ラリアー](2009/11/06 15:55)
[28] 東方天晶花 巻の二十三「立てば芍薬 座れば牡丹 歩く姿は百合の花」[ラリアー](2012/01/16 10:47)
[29] 東方天晶花 巻の二十三点五「画竜点睛」[ラリアー](2009/11/06 15:55)
[30] 東方天晶花 巻の二十四「情けは人の為ならず」[ラリアー](2009/11/06 15:55)
[31] 東方天晶花 巻の二十五「コチョウノユメ」[ラリアー](2009/11/06 15:55)
[32] 巻の承「それから それから」 ~The world of extending fantasy~[ラリアー](2009/11/21 02:27)
[33] 東方天晶花 巻の二十六「その日その日が一年中の最善の日である」[ラリアー](2009/11/06 15:56)
[34] 東方天晶花 巻の二十七「真の友愛においては、 私は友を自分のほうにひきつけるよりもむしろ自分を友に与える」[ラリアー](2009/11/06 15:56)
[35] 東方天晶花 巻の二十八「青春は短い。宝石の如くにしてそれを惜しめ」[ラリアー](2009/11/06 15:57)
[36] 東方天晶花 巻の二十九「時というものは、 それぞれの人間によって、 それぞれの速さで走るもの」[ラリアー](2009/11/06 15:57)
[37] 東方天晶花 巻の三十「不幸な人間は、いつも自分が不幸であるということを自慢しているものです」[ラリアー](2009/11/06 15:57)
[38] 東方天晶花 巻の三十一「食卓は、最初の間は人々が決して退屈することのない唯一の場所である」[ラリアー](2012/01/30 18:41)
[39] 東方天晶花 巻の三十二「軽信は大人の弱点であるが、子供にとっては力である」[ラリアー](2009/11/06 15:57)
[40] 東方天晶花 巻の三十三「怒りは他人にとって有害であるが、憤怒にかられている当人にとってはもっと有害である」[ラリアー](2009/11/06 15:57)
[41] 東方天晶花 巻の三十四「進歩とは、価値の置換によって生ずる錯覚にほかならない」[ラリアー](2009/11/06 15:58)
[42] 東方天晶花 巻の三十四点五「雨は一人だけに降り注ぐわけではない」[ラリアー](2009/11/06 15:58)
[43] 東方天晶花 巻の三十五「主よ、助けてくれとは申しません。私の邪魔をしないで下さい」[ラリアー](2015/01/19 22:38)
[44] 東方天晶花 巻の三十六「命と引き換えに金を欲しがるのは強盗であるが、女はその両方とも欲しがる」[ラリアー](2009/11/06 15:58)
[45] 東方天晶花 巻の三十七「苦痛には限度があるが、恐怖には限度がない」[ラリアー](2009/11/06 15:58)
[46] 東方天晶花 巻の三十八「成功する人は錐のように、ある一点に向かって働く」[ラリアー](2009/11/06 15:58)
[47] 東方天晶花 巻の裏側「教えろ! 山田さんっ!!」[ラリアー](2009/11/06 15:59)
[48] 東方天晶花 巻の三十九「事を行うに当って、いつ始めよう等と考えている時には、既に遅れをとっているのだ」[ラリアー](2009/11/06 15:59)
[49] 東方天晶花 巻の四十「善良な性格は法律よりもさらに信頼ができる」[ラリアー](2013/05/27 22:17)
[50] 東方天晶花 巻の四十一「人間が幸福であるために避けることのできない条件は勤労である」[ラリアー](2012/02/06 13:03)
[51] 東方天晶花 巻の四十二「良い判断は無分別な親切に勝る」[ラリアー](2013/05/27 22:20)
[52] 東方天晶花 巻の四十三「病気は千もあるが、健康は一つしかない」[ラリアー](2009/11/16 01:55)
[53] 東方天晶花 巻の四十四「この瞳を、どうしてにごしてよいものか」[ラリアー](2009/11/21 02:31)
[54] 東方天晶花 巻の四十五「公にされることを望む慈善はもう慈善ではない」[ラリアー](2013/06/10 19:50)
[55] 東方天晶花 巻の四十六「報酬への期待を行動のバネとする人にはなるな」[ラリアー](2013/04/22 19:40)
[56] 東方天晶花 巻の四十七「言葉で説教するよりも、あなたの生き方そのものがより良い説教となろう」[ラリアー](2013/05/06 23:58)
[57] 東方天晶花 巻の四十八「真実には特定の時などない。真実はどんな時代にも真実である」[ラリアー](2012/02/06 13:06)
[58] 東方天晶花 巻の四十九「正義は永遠の太陽である。世界はその到達を遅れさせることはできない」[ラリアー](2012/02/06 13:07)
[59] 東方天晶花 巻の五十「希望に満ちて旅行することは、目的地にたどり着くことより良いことである」[ラリアー](2010/01/07 20:28)
[60] 東方天晶花 巻の五十一「人間の真の性格は、彼の娯楽によって知られる」[ラリアー](2010/01/14 13:33)
[61] 東方天晶花 巻の五十二「恋愛は人を強くすると同時に弱くする。友情は人を強くするばかりである」[ラリアー](2013/05/06 23:58)
[62] 東方天晶花 巻の五十二点五「不思議なものは多い。しかし人間ほど不思議なものはない」[ラリアー](2010/01/24 18:04)
[63] 東方天晶花 巻の五十三「最強者の理屈が、いつも最も良いとされる」[ラリアー](2013/06/10 19:50)
[64] 東方天晶花 巻の五十四「怒りの結果は、怒りの原因よりはるかに重大である」[ラリアー](2010/02/07 06:05)
[65] 東方天晶花 巻の五十四点五「自負は常に他人の感嘆によって強化される」[ラリアー](2010/02/14 09:54)
[66] 東方天晶花 巻の五十五「友情は最初、残酷なほど明確にものを見る」[ラリアー](2012/02/18 15:06)
[67] 東方天晶花 巻の五十六「至上の処世術は、妥協することなく適応することである」[ラリアー](2010/02/24 21:21)
[68] 東方天晶花 巻の五十七「あまり道徳的になるな。自分を欺いて人生を台無しにしてしまう」[ラリアー](2010/03/03 17:18)
[69] 東方天晶花 巻の五十八「慣習とは反対の道を行け。そうすれば常に物事はうまくいく」[ラリアー](2010/03/10 21:29)
[70] 東方天晶花 巻の五十九「自尊心は美徳ではないとしても、それは多くの美徳の両親である」[ラリアー](2010/03/30 01:45)
[71] 東方天晶花 巻の五十九点五「まず事実をつかめ。それから思うままに曲解せよ」[ラリアー](2010/03/23 17:54)
[72] 東方天晶花 巻の六十「活動的な馬鹿より恐ろしいものはない」[ラリアー](2010/03/30 01:46)
[73] 東方天晶花 巻の六十一「行動するためには、いかに多くの事に無知でなければならぬ事か」[ラリアー](2012/02/26 08:32)
[74] 東方天晶花 巻の六十二「勇敢な行為は、決して勝利を欲しない」[ラリアー](2010/04/20 00:01)
[75] 東方天晶花 巻の六十三「忍耐とは、肉体的な小心と道徳的勇気の混じり合いである」[ラリアー](2012/02/26 08:56)
[76] 東方天晶花 巻の六十四「神の存在を立証しようとするあらゆる試みは、すでに神に対する冒涜である」[ラリアー](2012/02/26 08:57)
[77] 東方天晶花 巻の六十五「行動はいつも幸せをもたらすものではないが、行動なくしては幸せはない」[ラリアー](2012/03/03 12:21)
[78] 幻想郷うろ覚え童話「モモタロウ」[ラリアー](2010/05/08 00:56)
[79] 東方天晶花 巻の六十六「運命は我々の行為の半分を支配し、他の半分を我々自身にゆだねる」[ラリアー](2012/03/03 12:25)
[80] 東方天晶花 巻の六十七「王国を統治するよりも、家庭内を治めることのほうが難しい」[ラリアー](2010/05/20 10:28)
[81] 東方天晶花 巻の六十八「常識の有無は教育の有無とは関係ない」[ラリアー](2010/05/27 01:01)
[82] 東方天晶花 巻の六十九「不正の存在を前にして黙する人は、実は不在の共犯者にほかならない」[ラリアー](2010/06/02 00:17)
[83] 東方天晶花 巻の七十「馬は死ぬ前に売ってしまうことだ。人生のコツは、損失を次の人に回すこと」[ラリアー](2012/03/15 18:46)
[84] 東方天晶花 巻の七十一「人間は自分の知っていることなら半分は信じるが、聞いたことは何も信じない」[ラリアー](2013/05/12 23:50)
[85] 東方天晶花 巻の七十二「友人の失敗には目をつぶれ、だが悪口には目をつぶるな」[ラリアー](2012/03/15 18:47)
[86] 東方天晶花 巻の七十三「今が最悪の状態と言える間は、まだ最悪の状態ではない」[ラリアー](2012/03/26 23:52)
[87] 東方天晶花 巻の七十四「学校での成績がよいからといって、社会で認められるとは限らない」[ラリアー](2010/07/07 00:16)
[88] 東方天晶花 巻の七十五「神はあらゆる人間のうちに住むが、すべての人間は神のうちに住まず」[ラリアー](2010/07/21 10:29)
[89] 東方天晶花 巻の七十六「苦しんで強くなることがいかに崇高なことであるかを知れ」[ラリアー](2012/03/26 23:53)
[90] 東方天晶花 巻の七十六点五「家庭はどこで始まるか? 若い男と若い娘が恋愛に陥ることから始まる」[ラリアー](2010/07/28 01:23)
[91] 東方天晶花 巻の七十七「長いこと考え込んでいるものが、いつも最善のものを選ぶわけではない」[ラリアー](2010/08/04 00:06)
[92] 東方天晶花 巻の七十八「男に惚れられるような男でなければ、女には惚れられない」[ラリアー](2012/04/10 09:56)
[93] 東方天晶花 巻の七十九「二人の女を和合させるより、むしろ全西欧を和合させる事の方が容易であろう」[ラリアー](2010/08/25 00:02)
[94] 東方天晶花 巻の八十「友情は瞬間が咲かせる花であり、そして時間が実らせる果実である」[ラリアー](2010/09/07 22:54)
[95] 東方天晶花 巻の八十一「文学は商売と芸術が半々であるとき最も栄える」[ラリアー](2010/09/08 00:07)
[96] 東方天晶花 巻の八十一点五「さすらいと変化を愛するものは生ある者である」[ラリアー](2010/09/13 00:07)
[97] 東方天晶花 巻の八十二「絶望とは、闘う理由を知らずに、しかもまさに闘わねばならないということだ」[ラリアー](2010/09/27 01:22)
[98] 東方天晶花 巻の八十三「真の勇気というものは、極端な臆病と無鉄砲との中間にある」[ラリアー](2010/09/27 01:23)
[99] 東方天晶花 巻の八十四「今日は堂々と勇ましく、そして明日は墓の中」[ラリアー](2012/04/15 23:09)
[100] 東方天晶花 巻の八十五「賽は投げられた」[ラリアー](2012/04/23 22:15)
[101] 巻の転「むかし むかし」~the end of fantasy~[ラリアー](2010/10/20 23:50)
[102] 東方天晶花 巻の八十六「未知になるって言うのは、死んじゃうのと同意義なのさ」[ラリアー](2010/10/30 18:11)
[103] 東方天晶花 巻の八十七「宴には上等の酒と上等の肴があれば充分よ」[ラリアー](2012/04/23 22:24)
[104] 東方天晶花 巻の八十八「幻想郷は、宴会も自由だなぁ」[ラリアー](2010/11/06 11:22)
[105] 東方天晶花 巻の八十九「溜まったツケを払わないと、新しい事は始められないでしょ?」[ラリアー](2010/11/13 00:39)
[106] 東方天晶花 巻の九十「世間から必要とされない音楽はこうやって消えていくのね~」[ラリアー](2010/11/20 00:02)
[107] 東方天晶花 巻の九十一「この幸せ者共め! お代は聞いてのお帰りだよっ!!」[ラリアー](2010/12/02 00:44)
[108] 東方天晶花 巻の九十二「他人のペースに合わせて自分を見失ってはダメなの」[ラリアー](2010/12/09 00:03)
[109] 東方天晶花 巻の九十三「人や妖怪と一緒、家にも色んな形があるの」[ラリアー](2010/12/16 10:51)
[110] 東方天晶花 巻の九十四「まるで、巌流島の決闘みたいね」[ラリアー](2010/12/23 00:57)
[111] 東方天晶花 巻の九十五「きっと貴方自身ですら知らない秘密を教えてくれるわよ」[ラリアー](2010/12/30 00:21)
[112] お正月特別変「フタマルイチイチ、ヲトシダマ異変」[ラリアー](2012/05/14 17:48)
[113] 東方天晶花 巻の九十六「正直で結構! あたいも生きてる奴を運ぶほど暇じゃないからね」[ラリアー](2011/01/13 00:03)
[114] 東方天晶花 巻の九十七「半端な智慧は時として、無知よりも罪深き業となります」[ラリアー](2012/05/29 01:47)
[115] 東方天晶花 巻の裏側弐「スキマ妖怪が教えてア・ゲ・ル♪」[ラリアー](2011/01/26 10:35)
[116] 東方天晶花 巻の九十八「やがて辿り着く結果までは、この閻魔にも見通せません」[ラリアー](2011/02/02 00:55)
[117] 東方天晶花 巻の九十九「胸を張れとは言わないけどさ、お礼くらいはちゃんと受け取りなよ」[ラリアー](2011/02/09 00:02)
[118] 東方天晶花 巻の百「譲れないモノがあるなら死んでも守り切りなさい」[ラリアー](2011/02/16 00:20)
[119] 東方天晶花 巻の裏側参「もう一度教えろ! 山田さんっ!!」[ラリアー](2011/02/23 02:18)
[120] 東方天晶花 巻の百一「幻想郷らしく、力尽くで居場所を‘奪って’きます」[ラリアー](2011/03/01 00:02)
[121] 東方天晶花 幕間「誰が為に鐘は鳴る」[ラリアー](2011/03/08 11:09)
[122] 東方天晶花 巻の百二「つまりはいつも通り、一か八かの出たとこ勝負をするワケね」[ラリアー](2011/03/15 01:59)
[123] 東方天晶花 幕間・弐「久遠の空に舞い踊る風花」[ラリアー](2011/03/22 00:01)
[124] 東方天晶花 巻の百三「―――切り札ならありますよ。最低最強、とっておきの一枚がね」[ラリアー](2011/03/29 08:04)
[125] 巻の結「めでたし めでたし」~The fantasy continues~[ラリアー](2011/04/11 23:50)
[126] 東方天晶花 キャラ紹介(第九十五話まで[ラリアー](2012/05/29 01:48)
[127] 天晶花・昔語り①「晶と隙間とお茶会と」[ラリアー](2009/11/26 19:11)
[128] 天晶花・昔語り②「晶と隙間とお袋の味と」[ラリアー](2009/12/17 01:51)
[129] 天晶花・昔語り③「晶と巫女とカラオケと」[ラリアー](2010/08/18 04:29)
[130] 天晶花・昔語り④「早苗と神と悪戯メールと」[ラリアー](2010/11/27 00:04)
[131] 天晶花・未来語りⅠ「次代のユウウツ」[ラリアー](2012/06/04 21:40)
[132] 天晶花・未来語りⅡ「賢人のわりといつも通りな一日」[ラリアー](2012/06/04 21:41)
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[8576] 東方天晶花 巻の四十「善良な性格は法律よりもさらに信頼ができる」
Name: ラリアー◆536635cd ID:9d10842d 前を表示する / 次を表示する
Date: 2013/05/27 22:17
巻の四十「善良な性格は法律よりもさらに信頼ができる」




 前回までのあらすじ。


 (薬師に)ならないか。


 ……大まか間違ってないから困る。
 永琳さんの突然の提案に、僕は混乱しきっていた。
 いや、話自体はレイセンさんとの弾幕ごっこの直後ぐらいから出ていたワケですが。
 まさかこのタイミングでそれが出てくるとは思わなかった。というか永琳さん、その話は嘘だって気付いてなかったっけ。
 ちなみに僕がこんな状況でそれなりに冷静でいられる理由は、僕以上にテンパっている人が他に居たからです。
 以下、その人と永琳さんの聞いてるだけで事情が分かる質疑応答。

「い、いきなり何を言ってるんですか! 師匠!!」

「あら、だってそういう約束だったでしょう?」

「てゐが勝手に決めた約束じゃないですか! 守る必要はありません!!」

「弟子入りを考慮する理由としては十分よ」

「こ、こいつが弟子に相応しいって言うんですか!?」

「ええ、相応しいわ」

「うぐっ」

 うわぁ、論破はやっ。
 永琳さんの言葉に、早々と二の句が告げられなくなるレイセンさん。
 まぁ確かに、こっちが弟子入り望んでてあっちもそれを認めているなら、弟子入りには何の問題もないよね。
 おまけにレイセンさんは、その弟子入り認定騒動の過程で僕に負けている。
 ……この状況からの反論は難しいだろうなぁ。
 もっとも、弟子入り云々の話はてゐの捏造なんだけどね。
 さて、いつまでも傍観はしていられないワケですが、これから僕はどうすればいいんだろうか。

「ねぇ文姉、どうしよう。話がどんどん僕の手を離れて遥か遠くへと旅立とうとしてるよ」

「……晶さんの好きにしたらいいんじゃないですか」

 おねえちゃんいくらなんでもそっけないです。
 僕が話しかけても、そっぽを向いてまともに答えてくれない文姉。
 すいません、この状況下で相談に乗ってもらえないのはかなり辛いんですけど。

「あーらら、ブン屋はだいぶ機嫌が悪いみたいだね。晶がかなり無茶したから怒ってるんじゃないの?」

「うーん、怒ってるのとはまた違うと思う。むしろ怒ってないからこそタチが悪いというか」

「そうなの?」

「そう。怒ってるというよりは……自己嫌悪中かな?」

 恐らく、僕に無茶させてしまった自分が許せないんだろう。
 僕としては、あの状況で文姉がフォローする事の方が難しかったと思ってるんだけどね。
 何しろ四季面の特性には、僕自身でさえ気づいてなかったんだから。
 でも、文姉は根っこの所が生真面目だもんなぁ。
 頭で理解出来ていようと、自分の中で折り合いをつけなければ次に進む事が出来ないんだろう。

「私には、怒っているようにしか見えないんだけど?」

「いや、拗ねてるんだよ。今謝るとさらに機嫌が悪くなるから、ちょっと時間をおこう」

 あれ? なんかこういうやり取り、かなり前にした気がする。
 その時はてゐの位置に僕が居たような……気のせいかな。

「じゃあ、晶は単体でししょーに挑まねばならんという事か」

「………あ゛っ」

「……見事に忘れていたみたいだね」

 そういえば、元々助けを求めるために話しかけたんでした。
 レイセンさんと永琳さんの話し合いは、永琳さん優勢のまま膠着状態に入っている。
 このまま黙って見ていれば、消極的賛成で弟子入りが認められてしまうだろう。

「ならてゐ、少しでいいから手伝ってくれない?」

「晶が弟子になる事で、私に不利益が出るって言うならね」

 永琳さんを説得するためにさらにてゐを説得しろってか、無茶言うな。
 頼れるのが自分だけだと理解してしまった僕は、思わずため息を吐いた。
 ……まぁ、弟子入り志願が誤解だという事を説明すれば、とりあえず何とかなるだろう。
 援軍を諦めた僕は、自分で問題を解決すべく永琳さんに話しかけた。

「あの永琳さん……」

「だけど、薬師としての修業は後になるでしょうね。晶さんの場合、まずは応急手当を覚えた方が良さそうだもの」

「応急手当、ですか?」

「ええ、自分の怪我を治療できるようになれば、貴方も幾分か弾幕ごっこが楽になるでしょう?」

「……た、確かに」

 自分でもイヤになるくらいナマ傷の絶えない生活を送ってきたからなぁ。
 そう考えると、医療技術の習得は僕の境遇的にかなり役に立ちそうな気がする。

「いや、晶が説得されてどうすんのさ」

「はっ!?」

 しまった! 甘い言葉に釣られそうになった!?
 てゐの言葉に冷静になった僕は、思わず「はい」と言いそうになった口をふさぐ。
 でも、そう考えると僕にとってもプラスな提案なんだよね、弟子入りって。
 って落ち着け僕! レイセンさんの汚物でも見るような目を思い出すんだっ!
 ……うん、泣けてきたけど落ち着けました。

「あの、すいません永琳さん。僕って幽香さんのペ――保護下に入ってる上に紅魔館の客人でもあるので、これ以上肩書きが増えるのはちょっと」

「ちょい待ち、ストップ」

「ほへ?」

「あ、あなたっ、あの悪魔の館の面々や花の妖怪とも関係があるのっ!?」

「さすがに私もビックリなんだけど、アンタ顔広すぎ」

 てゐとレイセンさんが、やたら強張った顔で話を中断させた。
 なんか紅魔館の人達や幽香さんの事を言うと、毎回似たようなリアクションが返ってくるよね。
 畏敬と言うか腫物扱いと言うか、とにかく非好意的な反応しか見たこと無い気がする。
 ……あの人たち、本当に普段は何をしてるんだろうか。
 親しい方々の素行に疑問を抱きつつ、僕は二人へ気になった事を尋ねた。

「二人とも、幽香さんやレミリアさんの事を知ってるの?」

「あいつらは悪魔よ!」

 まぁ、スカーレットデビルですもんね。って意味合いが違うか。
 やたら身体を震わせ半泣きになるレイセンさん。
 意味が分からないので、とりあえずてゐに救助の視線を送ってみる。
 こらそこ、面倒な事をこっちに振るなよみたいな顔しないの。今僕の頼れる相手は君しかいないんだから。

「あいつらを良い人だと思ってる晶には分かんないよ」

 しかも、凄くどうでもいい感じにそんな事言うし。
 幾ら僕でも、そこまで無条件に身内を信じるわけじゃないんですが。

「納得してない顔だね」

「いや、そもそも説明してないのに納得できるわけないじゃん」

「そうだなー。あの二人、実は幻想郷を地獄に変える未曾有の大災害を引き起こしたんだよ――って言ったら信じる?」

「うーん……ごめん、信じられない。レミリアさん当たりなら、自分の住みやすいように幻想郷を作りかえるとかはやりそうだけどね」

「そう来たか。やっぱり晶って、変なとこはしっかり見てるよね」

「そ、そうかな?」

「変なとこだけだけどね。……まー、鈴仙にとっては大災害並みの出来事があったと思っておけばいいよ」

 てゐはため息交じりにそう言った。
 この様子だと、その大災害並みの出来事にはてゐも関わっていたんだろう。珍しく被害者側で。
 そんなてゐの困り顔を見てしまうと、さすがにそれ以上話を追求する事は出来なかった。
 ……一回つつくと五倍くらいになって返ってきそうだしなぁ。
 しかしそうなると必然的に、残された選択肢は弟子入り関連の話に戻る事だけになってしまう。
 僕が視線を横にズラすと、待ってましたと言わんばかりに満面の笑みを浮かべる永琳さん。
 何故か土蜘蛛の話を思い出した。お客様の中に頼光はいらっしゃいませんか。

「えーっと、その、永琳さん? さっきの話に戻るんですが……」

「そうね。なら、時間がとれる範囲で永遠亭に来てくれればいいわ。週に一度も良いから顔を出しなさい」

 勇気を出して話題を戻した矢先に、永琳さんから意外な言葉が出てきた。
 てっきり「おはようからおやすみまで勉強漬けの楽しい弟子生活を送ろう」とか言われると思っていたので、少しビックリ。
 でも、それはそれで楽しそうかも。
 月の知識を一日中学べるのかぁ……はっ!? 危ない危ない、自分の想像にかどわかされる所だった。

「あの、本当にそれでいいんですか?」

「私もやる事が色々あるから、そちらの方が都合がいいのよ。貴方にとっても悪い話ではないでしょう?」

「そうですね。それくらいなら許可も下りそうですし」

 空いた時間でいいなら、他との折り合いもつけやすいもんね。
 あれ? いつの間にか弟子になる前提で話が?
 
「では、これから私の事を『師匠』と呼ぶように。良いわね、『晶』」

「え、でもその」

「――――良いわね?」

「……了解しました、お師匠様」

 嗚呼、浄水器を買わされた人間の気持ちってこんな感じなのかな。
 満面の笑みの裏側にあるカリスマという名のサカラッタラ○○ス的なオーラに押され、頷いてしまったチキンな僕。
 さすがのてゐも、露骨に呆れた目でこっちを見ている。……ううっ、心が痛い。
 あと文姉、拗ねてるだけだったくせに「やっぱりこうなったか」みたいな顔をしないでください。泣きたくなります。
 レイセンさんは……あ、まだトラウマから立ち直って無いのか。震えてるや。

「では、とりあえず今後の予定を軽く決めておきましょうか」

 そんな微妙な空気の中でも、あくまで永琳さん――もといお師匠様はマイペースに話を進める。
 いや違う。あれは間違いなくワザと無視しているんだ。
 必要以上に笑顔の眩しいお師匠様の態度に、僕は確信を抱くのだった。










「天才薬師の弟子、と言う新たな肩書が加わった事に関して一言どうぞ」

「一生恨んでやる」

「私がフォローしてたって、晶さんは弟子になってましたよ。あのノリじゃあ」

「……うぐぅ」

 まさしくその通りなので反論が出来ない。
 自己嫌悪から復活した文姉は、テキパキと僕にツッコミを入れてきた。
 さすが文姉は頼りになる。後は僕の心が再起不能になる前に止めてくれると、文句のつけどころが無くなります。

「すいません。別に責めているわけじゃないんですよ」

「えっ?」

「晶さんはそれで良い。そう言いたかったんです」

 ……それはつまり、流木のように場の状況に流されまくれという事でしょうか。
 思わず泣きそうになった僕の顔を見て、文姉は慌てて言葉を付け加えた。

「べ、別に馬鹿にしているわけでもないんですって!」

「……そうなの?」

「そうですよ。私が良いと言ったのは、流された事ではなく月の頭脳に弟子入りした事なんですから」

「さっきは呆れてたのに?」

「そりゃ呆れますって。終始相手にペースを握られていたじゃないですか」

「うぐぅ」

「ですが、弟子入りそのものには賛成しているんです。そうですね……晶さんは八方美人なくらい丁度いいんですよ、きっと」
 
 いや、どっちにしろ酷い言われようじゃありませんか? 幾らなんでも八方美人は無いでしょう。
 だけど文姉は、まるでそれが褒め言葉だと言わんばかりに笑って見せた。
 笑みの中に何割か、意地悪な感情も込められてるみたいだけど。
 文姉の笑顔には、出かかった文句を引っ込めるくらいの優しさが込められていた。

「ま、お人好しの晶さんには「皆と仲良くできる凄さ」なんて分からないでしょうから、刺されないよう気をつけてもらう以上の事は望みませんよ」

「ええっ、刺され!? どういうことっ!?」

「自分の玩具に手を出されると、烈火の如く怒る方だらけなんですよ。幻想郷は」

 まるで説明になってない事を言って、おしまいとばかりに手を叩く文姉。
 良く分からないけど――つまり今まで通りで良いってことかな?

「はぁ……相変わらず見事に分かっていないみたいですが、まぁいいでしょう。それより」

「はい?」

「お願いですから、帰りはしっかりついてきてくださいよ」

「あ、あはははは」

 そうそう。今僕らは紅魔館へと帰るべく、迷いの竹林を進んでいる。
 お師匠様はもう少し永遠亭に居ても良いと言ってくれたけど、あまり長居はしていられないので遠慮させてもらった。
 何しろ僕が倒れたせいで、日帰りだった永遠亭取材が丸一日伸びてしまったのだ。
 昨日は紅魔館に連絡する暇もなかったから、きっと皆心配してるはずだろう。……はずだよね?
 とにかくそういうわけだから、僕が早急に帰ろうとする事は至極当然の話なのである。
 だから間違ってもレイセンさんの殺意溢れる目が怖かった事は、この急な帰還には何の関係もない。断じてない。

「迷いの竹林に関してはもう大丈夫だよ。道筋は全部‘見えて’いるから」

 とりあえず、未だ心配そうな文姉にそう言って笑みを返す。
 訪れた頃は前後左右すら分からなかった迷いの竹林だが、今はもう迷う気がしない。
 僕のその言葉に、文姉は納得したように感嘆の声を漏らした。

「なるほど、狂気の魔眼ですか」

「そういう事。物の波長を捉えるこの目なら、竹林でも迷うことなく動く事ができるんだ」

「……なんか晶さん、段々何でもありになってきましたね」

「そ、そうですね」

 成長しても結局なんか言われるんですか。
 呆れ顔でそんな事を言われたから、ちょっとしょんぼりな僕。
 まぁ、これで僕が迷わない事は分かってもらえただろう。

「そういうワケだから、安心して進んでもら―――」

「晶さん?」

「くせものっ!」

 氷でナイフを作り出し、竹林の奥へ五つほど無造作に投げ込む。
 以前てゐも言っていたけれど、狂気の魔眼はその特性ゆえに強力な策敵能力を持っている。
 だからこそ僕は、文姉ですら見逃していた相手に気付く事が出来たのだ。
 不意に放たれたナイフに驚いたのか、竹林の奥に居る相手は動きを止めた。
 僕はさらにナイフを構成し、その相手に向って警告をする。

「さぁ、大人しく出てくる事をお勧めするよ。次は当てるっ!」

「ちょっと、ストップストップ! 私だって私!!」

「……あれ?」

「まったく、いきなり攻撃してくるとは思わなかったよ」

「おや、誰かと思えばてゐさんじゃないですか」

 謎の影の正体はてゐだった。
 なるほど、道理で見た事がある波長をしていると。
 ……嘘ですスイマセン。本当は話しかけられるまで全然分かってなかったです。

「どこぞの暴力魔女じゃないんだから、見敵必殺撃つと動くぜとか勘弁してよー」

「ご、ごめん。僕たちを偵察するみたいにこっそりと近づいてくるものだから、てっきり敵意ある相手かと」

「お互い不幸な行き違いがあった! 大切なのは許しあう事さっ!!」

「なんだ、てゐさんの自業自得じゃないですか」

 教育テレビの締めみたいな言葉で誤魔化そうとするてゐに、文姉の冷静なツッコミが入る。
 いやほんと、頼りになる姉ですね。

「……ところで、なんでてゐがこんな所に?」

「そういえばそうですね。何か忘れ物でもあったでしょうか」

 文姉の疑問の言葉に合わせて、僕も首を傾げる。
 永遠亭を出るにあたってきちんと挨拶は済ませているし、今後通う予定も大まかだけど決めたはずだ。
 僕も文姉も大した荷物は持ってきていないから、何かを忘れたって線も薄いだろうし。
 思い当たる範囲では、てゐが僕達を追っかけてくる理由は見つからないのだけど。
 そうやって困惑する僕達に、てゐはヒラヒラ手を振りながら苦笑して見せた。
 
「いやいや、別にそういうワケじゃないんだよ。ここに来たのは個人的な理由でね」

「個人的な理由?」

「うん。まぁぶっちゃけて言うと―――鈴仙に弟子入り関連の嘘がバレました☆」

「……今更?」

「そう、今更。だから逆に鈴仙の怒りに触れちゃったみたいでねぇ」

 そりゃそうだ。
 弟子入り希望の話が嘘だったとしても、僕が弟子になった事まで無効になるワケではない。
 そもそもレイセンさん以外の全員が、その話は嘘であるという前提で弟子入り話を進めていたのだし。
 ……ああ、だから余計に怒っているのか。
 言ってしまえばレイセンさんは、自分の目の前で堂々と話からハブられてしまったのである。
 しかもその理由が、「レイセンさんは反対しようとするから」だ。
 僕なら、間違いなく涙で枕を濡らしていた事だろう。
 
「まったく、あんな嘘つくからそんな事になるんだよ」
 
 だからこそ、僕には自業自得以外の言葉が出てこなかった。
 いや、僕にも責任の一端はあるんだろうけどね。
 ここまで事態が厄介に捻じ曲ったのは、間違いなく永遠亭の方々が好き勝手にやったせいだ。

「へん、良く言うよ。晶だって鈴仙が怖いから永遠亭から逃げ出したんだろー?」

「に、逃げだしたワケじゃないよっ! ただ、紅魔館で待ってる皆を心配させないようにと」

「晶さん、さすがにその言い訳は無理ありすぎです」

「……やっぱり?」

 さすがに、二回続けて自分を騙す事は出来ませんでした。
 思わず苦笑した僕を見つめ、これ見よがしにニヤニヤするてゐ。
 ううっ、やっぱり一回つついたら五倍になって返ってくるし。
 思わぬ反撃に閉口していると、てゐは肩を竦めながら皮肉げに笑い返してきた。

「まー真面目な話、今のアンタと鈴仙に必要なのは‘時間’だと思うよ」

「時間?」

「やたらめったら顔を合わせたら、多分逆効果になるって事さ。今の鈴仙はだいぶ意固地になってるみたいだしね」

「鈴仙さんがあそこまで拒否反応を示す、と言う事はなかなかありませんものね」

「そういう事。とにかく、鈴仙との関係を改善したければ地道に時間をかけた方が良いと思うよ」

「うーん、それでいいのかなぁ?」

 出来ればレイセンさんとは、しっかり話し合って和解したいんだけどね。
 そんなニュアンスを含めて呟くと、呆れた顔の二人からアホの子を見るような目で見られていた。

「晶さん、それは幾らなんでも楽観が過ぎますよ」
 
「あのさー。感情ってもんが、話し合いや素敵イベントの一個や二個で簡単に改善されると本気で思ってんの?」

「えーっと……その」

 思ってたんですけど、まずかったですかね?

「確かに、一気に仲良くなるやり方もあるっちゃあるよ? ただし、だいぶ‘演出’が入ると思うけどね」

「―――ゆっくり和解していきます」

 その‘演出’はきっと、僕かレイセンさんが死ぬような目に会う事なんだろう。
 意地悪な笑みを通り越して悪役笑いになったてゐの言葉に、死の恐怖を感じた僕は素直に引き下がった。
 確かに二人で一緒に極限状態へと陥れば、わだかまりなんてあっという間に解けるに違いない。
 ただし、その後お互い無事でいられるかはまた別問題だ。

「分かれば宜しい。まー私にも責任はあるから、仲直りくらいなら手伝ってあげるさ」

「ありがと……って言うのはちょっと違うか。とにかく、頼りにさせてもらうよ」

 僕の背中に飛び乗り、てゐがニヤニヤと笑いかけてくる。
 ああ、何とも恐れ頼もしい姿だ。傍から見ると子供がジャレついているようにしか見えないけど。

「それにしても……てゐさん、なんかヤケに協力的ですね。いったい何を企んでいるんですか?」

 しかし、そんなてゐの態度が文姉には引っかかったらしい。
 探るようなジト目で、僕の背中に乗ったてゐをじっと睨みつけている。
 ……あと、微妙に羨ましそうな目で僕の事も見ている。
 ごめんなさい。男の子的な理由から、文姉をおんぶするのは遠慮したいです。

「ほら、さっき鈴仙がブチ切れたって言ったじゃん」

「言ってましたね。ですが、それもいつもの事でしょう?」

「いやー、今回のはちょっと根が深いんだよね。やった事がやった事だからさ」

「そ、そんなに酷いの?」 
 
「増毛したハリネズミより刺々しかったね」

 例えは良く分からないけど、尋常でないくらい怒っている事は分かりました。
 なんか、改めてレイセンさんと会うのが怖くなってきたなぁ。
 一応弟子入りしたから門前払いは無いと思うけど、後輩イジメとか始まらないよね?

「おかげで永遠亭に居辛くなっちゃってね。しょうがないからほとぼりが冷めるまで、晶に同行させてもらおうかと思ってさー」

「なるほどねぇ―――ってえぇっ!?」

「はぁ、何とも図々しい事を言い出しますね」

 あ、だから僕達を追っかけてきたのか。
 なるほど納得、ではなくて。

「い、良いの!? てゐも永遠亭で色々仕事があるんでしょ!?」

「ししょーの許可は取ってるから問題ないよ。おかげで色々言いつけられたけどね」

「永琳さんが良く許可を出しましたね。永遠亭、今だいぶ忙しいんでしょう?」

「兎共にはししょーの言う事聞くように言いつけておいたから人手の方は問題ないよ。それにさっきも言ったじゃん、仲直りには時間をかけた方が良いって」 
 
「うっ、なんかゴメン。僕のせいで面倒な事になっているみたいだね」

「そう思ってるなら同行させてくれない? 私、竹林がテリトリーだから余所とのコネがあんまり無いんだよ」

 うーん……まぁ、一人くらいなら大丈夫かな?
 ちらりと文姉の方をうかがうと、僕に任せると言った感じで肩を竦められた。
 ううっ、基本的に僕の立場はペットだから、こういう判断を振ってほしく無いんですが。
 まぁ、てゐは策士だけど悪いヤツでは無いから、ちゃんとお願いすれば大丈夫だろう。……多分。

「えっと、大人しくしてるって言うなら同行しても良いよ。うん」

「ふっふっふ、そこらへんは任せてよ。まるで借りてきたミーアキャットのように大人しくしているから」

「いや、キャットってついてるけどそれ猫じゃないから、マングースの一種だから」

「ちなみにミーアキャットは、その荒い気性から「動物界のギャング」と呼ばれているんだよ☆」

「余計ダメじゃん!?」

「大丈夫ですよ。てゐさんが強い相手に喧嘩を売るわけないじゃないですか。悪戯にさえ注意を払っていれば、基本無害ですって」

「そーそー、私ってばチキンだから。晶に迷惑はかけないよ?」

「兎の味は鶏肉に似ているといいますしね」

「その通り!」

 いや、その通りって……まぁ、本人が問題ないなら良いけど。
 文姉のブラックジョークをあっさり受け流し、てゐは僕の肩に自分の顎を乗せる。
 
「そういうわけだから、よろしく頼むよ。晶」

 ちろりと舌を出し、こちらにウィンクを飛ばすてゐ。
 まったく、頷けばいいだけなのに、無駄にこっちを不安にさせてくれるんだから。
 あくまで自分のペースを崩さないてゐに、僕は苦笑を漏らす。
 まぁ、あからさまに嘘くさく猫かぶられるよりは、ずっと良いと思うけどね。
 
「うん。こちらこそよろしくね、てゐ」

 こうして僕は、新たに因幡てゐという同行者を得た。
 出来るなら、これが新たなトラブルの基のならない事を願いたいんだけど。



 ――――まぁ、無理だよねぇ。
 











 







◆白黒はっきりつけますか?◆

 →はい

  いいえ(このまま引き返してください)










【色々教えろっ! 山田さんっ!!】

山田「一部の方々お待たせしました、白黒バッサリ「色々教えろっ! 山田さんっ!!」のコーナーです」

死神A「出番はやいなぁ……つーかこれ、本編の後にやるんですか?」

山田「まとめてやるよりこっちの方が効率が良いと作者も気付いたようです。思い付きでやる人間はこれだから」

死神A「あのー山田様? 今回はツッコミ不在なんで、あんま無茶なボケは止めてくださいよ?」

山田「仕方が有りませんね。無駄に容量を消費するのは善行とは言えませんし、早速質問に移りましょうか」


 Q:意識を失っていた晶の回復が、なんで異常に早いの?


死神A「確かにおかしいっすね。能力ってオートで使えましたっけ?」

山田「いえ、違います。正確に言うとこれは、熟練度と隠れ機能の問題なのです」

死神A「山田様、おまけコーナーなんで簡潔にお願いします」

山田「熟練度、というのは「どれだけ能力に慣れているか」と言う事です。慣れていればいるほど能力は強力になります」

死神A「覚えたての「魔眼」と常時使っている「気」では、力のレベルが違うって事ですかね」

山田「そう思って違いありません。特に晶さんはナマ傷が絶えませんから、自己修復能力のレベルが半端でない程高くなっているのです」

死神A「だから丸一日で完治したのかぁ。……で、隠れ機能ってのは?」

山田「実は晶さん、相手の能力を覚える事で自身の力が底上げされるんです。以前にもそういう事があったでしょう?」

死神A「ああ、氷精に氷漬けにされた時の話ですか。確か、冷気に耐性ができていたんですよね」

山田「はい。能力が追加されるごとに、晶さん自身も少しずつ強化されていきます。もちろん、気を使う程度の能力も晶さんの力を底上げしているのです」

死神A「マジで人間離れしていくワケですね。ちなみに、今はどんだけ強化されているんですか?」

山田「では白黒はっきり付けた私が説明しましょう! 晶さんに追加された特性は以下の通りです。

    ○冷気を操る程度の能力 →冷気耐性
    ○風を操る程度の能力  →風耐性、風の流れが読める
    ○気を使う程度の能力  →身体能力やや強化、回復力増強
    ○狂気を操る程度の能力 →幻覚耐性、視力強化
   
   これらは意図した能力の使用とは別に、自動で晶さんを強化します。分かる人には、パッシブスキルだと説明しておきます」

死神A「本当に分かる人にしか分からない説明ですね。……つーか、マジで人外じゃないですかソレ」

山田「普通の人間より遥かに頑丈。という認識は間違ってませんが、幻想郷では大したレベルの話ではありません」

死神A「そうなんですか?」

山田「回復力などは瀕死から即座に立ち直れる程に強化されていますがね。あくまで他は、人よりすごい程度のものですよ」

死神A「あー、単に致死率が下がっているだけ、っつーことですかね」

山田「そういう事です」

死神A「(……不憫だ)」

山田「では、もうひとつ質問をいただいているので、それを最後に今回のコーナーを終りとしましょう」


 Q:晶君の身長ってどれくらい?


死神A「確か、年齢のわりに低めでしたよね」

山田「はい。具体的な数字は不明ですが、私以上、射命丸文未満くらいの体躯となっております」

死神A「ちっこいなぁ……だから女の子扱いされるんだよ」

山田「身長のコンプレックスと言うのは、男女関係なく等しく降りかかるものです」

死神A「ああ、そういや山田様もちっこ……」

山田「(にっこり)」

死神A「あ、次の質問行きましょう次の質問」

山田「これで最後だと言ったはずですよ? さぁ、残りは貴方に対するお説教の時間になりそうですね」

死神A「いやいや、その、今のはちょっとした失言で」

山田「お黙りなさい! 貴方は胸も背も欲張りに増やし過ぎる!! 少しは反省なさいっ!!!」

死神A「幾らなんでも言いがかり過ぎる!?」

山田「いいですか、そもそも女性の胸と言うのは母性の象徴と言われる程神聖なもので」

死神A「と、とにかく、「色々教えろっ! 山田さんっ!!」次回もヨロシクお願いしまーす」

山田「終わらせませんよ!!」

死神A「ひ、ひぇぇぇ」



 とぅーびぃーこんてぃにゅーど




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