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No.8576の一覧
[0] 東方天晶花 (東方project+オリ主)【完結+未来語りⅡ追加】[ラリアー](2011/04/19 08:33)
[1] 巻の起「はじまり はじまり」 ~Welcome the beginner of the fantasy~[ラリアー](2009/11/06 15:52)
[2] 東方天晶花 巻の一「百聞は一見に如かず」[ラリアー](2009/11/06 15:51)
[3] 東方天晶花 巻の零点五「口は災いの元」[ラリアー](2009/11/06 15:51)
[4] 東方天晶花 巻の二「女心と秋の空」[ラリアー](2009/11/06 15:51)
[5] 東方天晶花 巻の三「人の振り見て我が振り直せ」[ラリアー](2009/11/06 15:51)
[6] 東方天晶花 巻の四「袖振り合うも多生の縁」[ラリアー](2009/11/06 15:51)
[7] 東方天晶花 巻の五「芸は身を助く」[ラリアー](2009/11/06 15:51)
[8] 東方天晶花 巻の五点五「知らぬが仏」[ラリアー](2009/11/06 15:52)
[9] 東方天晶花 巻の六「帯に短し襷に長し」[ラリアー](2009/11/06 15:52)
[10] 東方天晶花 巻の七「暗がりに鬼を繋ぐ」[ラリアー](2009/11/06 15:52)
[11] 東方天晶花 巻の八「鬼が出るか蛇が出るか」[ラリアー](2009/11/06 15:53)
[12] 東方天晶花 巻の九「親しき仲にも礼儀あり」[ラリアー](2009/11/06 15:53)
[13] 東方天晶花 巻の十「身から出た錆」[ラリアー](2009/11/06 15:53)
[14] 東方天晶花 巻の十点五「親の心子知らず」[ラリアー](2009/11/06 15:53)
[15] 東方天晶花 巻の十一 「縁は異なもの味なもの」[ラリアー](2009/11/06 15:53)
[16] 東方天晶花 巻の十二「玉磨かざれば器を成さず」[ラリアー](2009/11/06 15:53)
[17] 東方天晶花 巻の十三「藪を突突いて蛇を出す」[ラリアー](2009/11/06 15:53)
[18] 東方天晶花 巻の十四「精神一到何事か成らざらん」[ラリアー](2009/11/06 15:54)
[19] 東方天晶花 巻の十五「竹馬の友」[ラリアー](2009/11/06 15:54)
[20] 東方天晶花 巻の十五点五「呉越同舟」[ラリアー](2012/01/16 10:42)
[21] 東方天晶花 巻の十六「鷺を烏」[ラリアー](2009/11/06 15:54)
[22] 東方天晶花 巻の十七「無用の用」[ラリアー](2009/11/06 15:54)
[23] 東方天晶花 巻の十八「羹に懲りて膾を吹く」[ラリアー](2009/11/06 15:54)
[24] 東方天晶花 巻の十九「上に交わりて諂わず下に交わりて驕らず」[ラリアー](2009/11/06 15:54)
[25] 東方天晶花 巻の二十「用心は勇気の大半なり」[ラリアー](2009/11/06 15:55)
[26] 東方天晶花 巻の二十一「烏に反哺の孝あり」[ラリアー](2012/01/30 18:40)
[27] 東方天晶花 巻の二十二「子は三界の首枷」[ラリアー](2009/11/06 15:55)
[28] 東方天晶花 巻の二十三「立てば芍薬 座れば牡丹 歩く姿は百合の花」[ラリアー](2012/01/16 10:47)
[29] 東方天晶花 巻の二十三点五「画竜点睛」[ラリアー](2009/11/06 15:55)
[30] 東方天晶花 巻の二十四「情けは人の為ならず」[ラリアー](2009/11/06 15:55)
[31] 東方天晶花 巻の二十五「コチョウノユメ」[ラリアー](2009/11/06 15:55)
[32] 巻の承「それから それから」 ~The world of extending fantasy~[ラリアー](2009/11/21 02:27)
[33] 東方天晶花 巻の二十六「その日その日が一年中の最善の日である」[ラリアー](2009/11/06 15:56)
[34] 東方天晶花 巻の二十七「真の友愛においては、 私は友を自分のほうにひきつけるよりもむしろ自分を友に与える」[ラリアー](2009/11/06 15:56)
[35] 東方天晶花 巻の二十八「青春は短い。宝石の如くにしてそれを惜しめ」[ラリアー](2009/11/06 15:57)
[36] 東方天晶花 巻の二十九「時というものは、 それぞれの人間によって、 それぞれの速さで走るもの」[ラリアー](2009/11/06 15:57)
[37] 東方天晶花 巻の三十「不幸な人間は、いつも自分が不幸であるということを自慢しているものです」[ラリアー](2009/11/06 15:57)
[38] 東方天晶花 巻の三十一「食卓は、最初の間は人々が決して退屈することのない唯一の場所である」[ラリアー](2012/01/30 18:41)
[39] 東方天晶花 巻の三十二「軽信は大人の弱点であるが、子供にとっては力である」[ラリアー](2009/11/06 15:57)
[40] 東方天晶花 巻の三十三「怒りは他人にとって有害であるが、憤怒にかられている当人にとってはもっと有害である」[ラリアー](2009/11/06 15:57)
[41] 東方天晶花 巻の三十四「進歩とは、価値の置換によって生ずる錯覚にほかならない」[ラリアー](2009/11/06 15:58)
[42] 東方天晶花 巻の三十四点五「雨は一人だけに降り注ぐわけではない」[ラリアー](2009/11/06 15:58)
[43] 東方天晶花 巻の三十五「主よ、助けてくれとは申しません。私の邪魔をしないで下さい」[ラリアー](2015/01/19 22:38)
[44] 東方天晶花 巻の三十六「命と引き換えに金を欲しがるのは強盗であるが、女はその両方とも欲しがる」[ラリアー](2009/11/06 15:58)
[45] 東方天晶花 巻の三十七「苦痛には限度があるが、恐怖には限度がない」[ラリアー](2009/11/06 15:58)
[46] 東方天晶花 巻の三十八「成功する人は錐のように、ある一点に向かって働く」[ラリアー](2009/11/06 15:58)
[47] 東方天晶花 巻の裏側「教えろ! 山田さんっ!!」[ラリアー](2009/11/06 15:59)
[48] 東方天晶花 巻の三十九「事を行うに当って、いつ始めよう等と考えている時には、既に遅れをとっているのだ」[ラリアー](2009/11/06 15:59)
[49] 東方天晶花 巻の四十「善良な性格は法律よりもさらに信頼ができる」[ラリアー](2013/05/27 22:17)
[50] 東方天晶花 巻の四十一「人間が幸福であるために避けることのできない条件は勤労である」[ラリアー](2012/02/06 13:03)
[51] 東方天晶花 巻の四十二「良い判断は無分別な親切に勝る」[ラリアー](2013/05/27 22:20)
[52] 東方天晶花 巻の四十三「病気は千もあるが、健康は一つしかない」[ラリアー](2009/11/16 01:55)
[53] 東方天晶花 巻の四十四「この瞳を、どうしてにごしてよいものか」[ラリアー](2009/11/21 02:31)
[54] 東方天晶花 巻の四十五「公にされることを望む慈善はもう慈善ではない」[ラリアー](2013/06/10 19:50)
[55] 東方天晶花 巻の四十六「報酬への期待を行動のバネとする人にはなるな」[ラリアー](2013/04/22 19:40)
[56] 東方天晶花 巻の四十七「言葉で説教するよりも、あなたの生き方そのものがより良い説教となろう」[ラリアー](2013/05/06 23:58)
[57] 東方天晶花 巻の四十八「真実には特定の時などない。真実はどんな時代にも真実である」[ラリアー](2012/02/06 13:06)
[58] 東方天晶花 巻の四十九「正義は永遠の太陽である。世界はその到達を遅れさせることはできない」[ラリアー](2012/02/06 13:07)
[59] 東方天晶花 巻の五十「希望に満ちて旅行することは、目的地にたどり着くことより良いことである」[ラリアー](2010/01/07 20:28)
[60] 東方天晶花 巻の五十一「人間の真の性格は、彼の娯楽によって知られる」[ラリアー](2010/01/14 13:33)
[61] 東方天晶花 巻の五十二「恋愛は人を強くすると同時に弱くする。友情は人を強くするばかりである」[ラリアー](2013/05/06 23:58)
[62] 東方天晶花 巻の五十二点五「不思議なものは多い。しかし人間ほど不思議なものはない」[ラリアー](2010/01/24 18:04)
[63] 東方天晶花 巻の五十三「最強者の理屈が、いつも最も良いとされる」[ラリアー](2013/06/10 19:50)
[64] 東方天晶花 巻の五十四「怒りの結果は、怒りの原因よりはるかに重大である」[ラリアー](2010/02/07 06:05)
[65] 東方天晶花 巻の五十四点五「自負は常に他人の感嘆によって強化される」[ラリアー](2010/02/14 09:54)
[66] 東方天晶花 巻の五十五「友情は最初、残酷なほど明確にものを見る」[ラリアー](2012/02/18 15:06)
[67] 東方天晶花 巻の五十六「至上の処世術は、妥協することなく適応することである」[ラリアー](2010/02/24 21:21)
[68] 東方天晶花 巻の五十七「あまり道徳的になるな。自分を欺いて人生を台無しにしてしまう」[ラリアー](2010/03/03 17:18)
[69] 東方天晶花 巻の五十八「慣習とは反対の道を行け。そうすれば常に物事はうまくいく」[ラリアー](2010/03/10 21:29)
[70] 東方天晶花 巻の五十九「自尊心は美徳ではないとしても、それは多くの美徳の両親である」[ラリアー](2010/03/30 01:45)
[71] 東方天晶花 巻の五十九点五「まず事実をつかめ。それから思うままに曲解せよ」[ラリアー](2010/03/23 17:54)
[72] 東方天晶花 巻の六十「活動的な馬鹿より恐ろしいものはない」[ラリアー](2010/03/30 01:46)
[73] 東方天晶花 巻の六十一「行動するためには、いかに多くの事に無知でなければならぬ事か」[ラリアー](2012/02/26 08:32)
[74] 東方天晶花 巻の六十二「勇敢な行為は、決して勝利を欲しない」[ラリアー](2010/04/20 00:01)
[75] 東方天晶花 巻の六十三「忍耐とは、肉体的な小心と道徳的勇気の混じり合いである」[ラリアー](2012/02/26 08:56)
[76] 東方天晶花 巻の六十四「神の存在を立証しようとするあらゆる試みは、すでに神に対する冒涜である」[ラリアー](2012/02/26 08:57)
[77] 東方天晶花 巻の六十五「行動はいつも幸せをもたらすものではないが、行動なくしては幸せはない」[ラリアー](2012/03/03 12:21)
[78] 幻想郷うろ覚え童話「モモタロウ」[ラリアー](2010/05/08 00:56)
[79] 東方天晶花 巻の六十六「運命は我々の行為の半分を支配し、他の半分を我々自身にゆだねる」[ラリアー](2012/03/03 12:25)
[80] 東方天晶花 巻の六十七「王国を統治するよりも、家庭内を治めることのほうが難しい」[ラリアー](2010/05/20 10:28)
[81] 東方天晶花 巻の六十八「常識の有無は教育の有無とは関係ない」[ラリアー](2010/05/27 01:01)
[82] 東方天晶花 巻の六十九「不正の存在を前にして黙する人は、実は不在の共犯者にほかならない」[ラリアー](2010/06/02 00:17)
[83] 東方天晶花 巻の七十「馬は死ぬ前に売ってしまうことだ。人生のコツは、損失を次の人に回すこと」[ラリアー](2012/03/15 18:46)
[84] 東方天晶花 巻の七十一「人間は自分の知っていることなら半分は信じるが、聞いたことは何も信じない」[ラリアー](2013/05/12 23:50)
[85] 東方天晶花 巻の七十二「友人の失敗には目をつぶれ、だが悪口には目をつぶるな」[ラリアー](2012/03/15 18:47)
[86] 東方天晶花 巻の七十三「今が最悪の状態と言える間は、まだ最悪の状態ではない」[ラリアー](2012/03/26 23:52)
[87] 東方天晶花 巻の七十四「学校での成績がよいからといって、社会で認められるとは限らない」[ラリアー](2010/07/07 00:16)
[88] 東方天晶花 巻の七十五「神はあらゆる人間のうちに住むが、すべての人間は神のうちに住まず」[ラリアー](2010/07/21 10:29)
[89] 東方天晶花 巻の七十六「苦しんで強くなることがいかに崇高なことであるかを知れ」[ラリアー](2012/03/26 23:53)
[90] 東方天晶花 巻の七十六点五「家庭はどこで始まるか? 若い男と若い娘が恋愛に陥ることから始まる」[ラリアー](2010/07/28 01:23)
[91] 東方天晶花 巻の七十七「長いこと考え込んでいるものが、いつも最善のものを選ぶわけではない」[ラリアー](2010/08/04 00:06)
[92] 東方天晶花 巻の七十八「男に惚れられるような男でなければ、女には惚れられない」[ラリアー](2012/04/10 09:56)
[93] 東方天晶花 巻の七十九「二人の女を和合させるより、むしろ全西欧を和合させる事の方が容易であろう」[ラリアー](2010/08/25 00:02)
[94] 東方天晶花 巻の八十「友情は瞬間が咲かせる花であり、そして時間が実らせる果実である」[ラリアー](2010/09/07 22:54)
[95] 東方天晶花 巻の八十一「文学は商売と芸術が半々であるとき最も栄える」[ラリアー](2010/09/08 00:07)
[96] 東方天晶花 巻の八十一点五「さすらいと変化を愛するものは生ある者である」[ラリアー](2010/09/13 00:07)
[97] 東方天晶花 巻の八十二「絶望とは、闘う理由を知らずに、しかもまさに闘わねばならないということだ」[ラリアー](2010/09/27 01:22)
[98] 東方天晶花 巻の八十三「真の勇気というものは、極端な臆病と無鉄砲との中間にある」[ラリアー](2010/09/27 01:23)
[99] 東方天晶花 巻の八十四「今日は堂々と勇ましく、そして明日は墓の中」[ラリアー](2012/04/15 23:09)
[100] 東方天晶花 巻の八十五「賽は投げられた」[ラリアー](2012/04/23 22:15)
[101] 巻の転「むかし むかし」~the end of fantasy~[ラリアー](2010/10/20 23:50)
[102] 東方天晶花 巻の八十六「未知になるって言うのは、死んじゃうのと同意義なのさ」[ラリアー](2010/10/30 18:11)
[103] 東方天晶花 巻の八十七「宴には上等の酒と上等の肴があれば充分よ」[ラリアー](2012/04/23 22:24)
[104] 東方天晶花 巻の八十八「幻想郷は、宴会も自由だなぁ」[ラリアー](2010/11/06 11:22)
[105] 東方天晶花 巻の八十九「溜まったツケを払わないと、新しい事は始められないでしょ?」[ラリアー](2010/11/13 00:39)
[106] 東方天晶花 巻の九十「世間から必要とされない音楽はこうやって消えていくのね~」[ラリアー](2010/11/20 00:02)
[107] 東方天晶花 巻の九十一「この幸せ者共め! お代は聞いてのお帰りだよっ!!」[ラリアー](2010/12/02 00:44)
[108] 東方天晶花 巻の九十二「他人のペースに合わせて自分を見失ってはダメなの」[ラリアー](2010/12/09 00:03)
[109] 東方天晶花 巻の九十三「人や妖怪と一緒、家にも色んな形があるの」[ラリアー](2010/12/16 10:51)
[110] 東方天晶花 巻の九十四「まるで、巌流島の決闘みたいね」[ラリアー](2010/12/23 00:57)
[111] 東方天晶花 巻の九十五「きっと貴方自身ですら知らない秘密を教えてくれるわよ」[ラリアー](2010/12/30 00:21)
[112] お正月特別変「フタマルイチイチ、ヲトシダマ異変」[ラリアー](2012/05/14 17:48)
[113] 東方天晶花 巻の九十六「正直で結構! あたいも生きてる奴を運ぶほど暇じゃないからね」[ラリアー](2011/01/13 00:03)
[114] 東方天晶花 巻の九十七「半端な智慧は時として、無知よりも罪深き業となります」[ラリアー](2012/05/29 01:47)
[115] 東方天晶花 巻の裏側弐「スキマ妖怪が教えてア・ゲ・ル♪」[ラリアー](2011/01/26 10:35)
[116] 東方天晶花 巻の九十八「やがて辿り着く結果までは、この閻魔にも見通せません」[ラリアー](2011/02/02 00:55)
[117] 東方天晶花 巻の九十九「胸を張れとは言わないけどさ、お礼くらいはちゃんと受け取りなよ」[ラリアー](2011/02/09 00:02)
[118] 東方天晶花 巻の百「譲れないモノがあるなら死んでも守り切りなさい」[ラリアー](2011/02/16 00:20)
[119] 東方天晶花 巻の裏側参「もう一度教えろ! 山田さんっ!!」[ラリアー](2011/02/23 02:18)
[120] 東方天晶花 巻の百一「幻想郷らしく、力尽くで居場所を‘奪って’きます」[ラリアー](2011/03/01 00:02)
[121] 東方天晶花 幕間「誰が為に鐘は鳴る」[ラリアー](2011/03/08 11:09)
[122] 東方天晶花 巻の百二「つまりはいつも通り、一か八かの出たとこ勝負をするワケね」[ラリアー](2011/03/15 01:59)
[123] 東方天晶花 幕間・弐「久遠の空に舞い踊る風花」[ラリアー](2011/03/22 00:01)
[124] 東方天晶花 巻の百三「―――切り札ならありますよ。最低最強、とっておきの一枚がね」[ラリアー](2011/03/29 08:04)
[125] 巻の結「めでたし めでたし」~The fantasy continues~[ラリアー](2011/04/11 23:50)
[126] 東方天晶花 キャラ紹介(第九十五話まで[ラリアー](2012/05/29 01:48)
[127] 天晶花・昔語り①「晶と隙間とお茶会と」[ラリアー](2009/11/26 19:11)
[128] 天晶花・昔語り②「晶と隙間とお袋の味と」[ラリアー](2009/12/17 01:51)
[129] 天晶花・昔語り③「晶と巫女とカラオケと」[ラリアー](2010/08/18 04:29)
[130] 天晶花・昔語り④「早苗と神と悪戯メールと」[ラリアー](2010/11/27 00:04)
[131] 天晶花・未来語りⅠ「次代のユウウツ」[ラリアー](2012/06/04 21:40)
[132] 天晶花・未来語りⅡ「賢人のわりといつも通りな一日」[ラリアー](2012/06/04 21:41)
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[8576] 東方天晶花 巻の三十八「成功する人は錐のように、ある一点に向かって働く」
Name: ラリアー◆536635cd ID:9d10842d 前を表示する / 次を表示する
Date: 2009/11/06 15:58

巻の三十八「成功する人は錐のように、ある一点に向かって働く」




 迫りくる弾幕。
 あまりに圧倒的なその攻撃の中、僕に許された手段は回避のみだった。

「まったく、冗談じゃありませんわねっ」

 まさかこんなにも早く、「グレイズ」を試す機会が訪れるとはね。
 もっとも、避け損ないが掠っているだけとも言えるけど。
 とりあえずは、直撃じゃ無ければそれでいい。
 
「ふふっ、どうしたの? さっきの気概はどこへ行ったのかしらねぇ」

「……えいっ」

「あぶなっ!?」

 優勢だと分かった途端ニヤリと笑いだした輝夜さんに、とりあえず傘をブン投げてみた。
 鈍器として使ってる氷の傘だけど、使い捨て可能だから投擲にも使えるのだ。
 しかも気で強化してるから、実は劣化版「スピア・ザ・ゲイボルク」と言えるほどの威力があったり。
 ―――まぁ、普通に外れたけどね。
 ついでに言うと投げてる最中にガシガシ攻撃も当たってたりするんですが……意趣返しできたからいいや。

「本当に我が身を省みない子ね。私は不老不死だって言ったでしょ、こんなことしても無駄よ?」

「そうですわね。けれど、気をそらす程度のけん制にはなりましたわよ?」

「っ!? しまった、今のは」

「ご察しの通り、本命はこっちですっ!!」

 こちらが詰まっている間に、スペルカードを抜けた文姉が葉団扇を構える。
 即席コンビと侮ってもらっては困る。単純な連携なら、会話しないで疎通をはかる事くらい可能だ。
 複数の小型の竜巻が、輝夜さんに襲いかかった。

「くっ、この程度の不意打ちで……」

「良いから当たってなさい」

「二発目っ!?」

「はい、サクサク追加しますよー」

「貴方達容赦ないわねっ!?」

 こちらが投擲でけん制し、その隙に文姉が風圧弾をお見舞いする。
 輝夜さんは全てギリギリで回避しているが、やはり避けきるのは無理なようで細かい傷が増えていく。
 とはいえ、あくまでこれは守りのための戦術。
 勝つためというよりは、相手の弾幕を乱すための攻撃という意味合いが強い。
 そもそも、相手の攻撃もこっち―――主に僕―――に届いているんだ。
 彼女が不死である事を考えれば、むしろこっちが損しているといっても過言ではない。
 それに輝夜さんは疲労を「感じる」と言ったが、残るとは言っていなかった。
 霊力も同様だ。確定的ではないが、彼女の不老不死が「不完全」なものであるという期待はしない方がいいだろう。
 まったく、ズルいよリザレクション。
 ……もういっそ、死なない程度に痛めつけて参ったと言わせようか。

「ねぇお姫様、前歯を全部引き抜かれた経験はおありですの?」

「な、何よその怖い問いかけはっ!? 言っておくけど、もう貴方を近づけさせないわよ」

 確かに、彼女は僕の接近を許さなかった。
 弾幕をグレイズしながら近づいても、その分彼女は下がってしまう。
 文姉の事も多少は警戒しているが、あくまでも僕を警戒するおまけのようなものとなっている。
 どうやら、あのパラソルデスマッチは意外と彼女の心に深い傷を与えたようだ。
 
「貴方の得意分野に持ち込まなければ、弾幕ごっこも真っ当にできるみたいだしね」

「ふんっ、それはどうかしら」

「あら、私が‘後ろに下がった’だけで、ここまで追い込まれているじゃない」

「……くっ」

 さすがに見抜かれちゃったか。何しろ僕には、遠距離攻撃がほとんど無いからね。 
 現状、けん制以上の手順を持ってないわけだし……。
 あーもう、本当にどうしようか。

「ふふっ、さぁ晶? ここからどうする気なの?」

「―――とりあえず、さっさとスペルブレイクしてもらいますよっ!」

「っ! また鴉天狗っ!?」
 


 ―――――――「幻想風靡」



 風を全身にまとった文姉が、輝夜さんを跳ね上げる。
 そのまま、輝夜さんをお手玉のようにポンポンと‘轢く’風の塊。
 二つ目の難題は砕け散り、何度も文姉に体当たりを食らった輝夜さんは地面に叩きつけられた。
 ……分かっていた事だけど、強いなぁ。
 そのまま優雅に僕の隣に降り立った文姉を見て、僕は感嘆のため息を漏らした。

「あやや? どうしました晶さん、お姉ちゃんの勇姿に見とれてました?」

「そうですわね。うっとりするほど美しいお姿でしたわよ、お姉様」

「……すいません。自分で聞いといてアレですけど、素直に褒められると何かイヤです」

「私にどうしろとおっしゃるのですか」

 いや、その複雑な気持ちは分からないでもないけどさ。
 いい加減、根っこの部分は僕なんだって事を理解してくださいよ。

「私は別にお姉様の事を嫌ってはおりませんわ。あの状況が続けばタダでは済まなかったでしょうし、感謝の気持ちを偽る理由はありません」

「至極まっとうな事をそのツラで言わないでください! 怖気がきますっ」

「本当にどうしろと」

 この人、どんだけ幽香さんの事嫌いなんだろうか。
 ……まぁいいや。好き嫌いで行動を惜しんでいるワケでもないし。
 危なかった。さすがに二回続けて喰らい続けるのは、四季面でもつらい。
 片腕も相変わらず動かせないままだし、下手するとあのままギブアップしていた可能性は高かった。
 とはいえ、まだ二つしか終わってないんだよなぁ。
 大の字で寝転がってるお姫様を恨めしげに睨みつけつつ、次の手を考える。
 残る三つのスペルカードをこのまま避けきれる自信は、当然持ち合わせていない。

「あーもう! 一回の弾幕ごっこで二回殺されるとは思わなかったわよっ」

「あ、起きましたわね」

「おや、寝てたんじゃなくて死んでたんですか」

「悪かったわね。幾ら私でも弾幕ごっこ中に寝たりはしないわよ」

「なるほど。つまり、死んだふりして馬鹿にしていたと言う事ですわね?」

「……死んだふりって意味合いとしては間違ってないけど、馬鹿にしてたワケじゃなくて単なる復活待ちよ」

「あら、それはつまり、リザレクションには多少のタイムラグがあると判断して良いという事かしら?」

「そういうことよ。復活に時間がかかる、それだけの話だけどね」

 付け入る隙は無いと言わんばかりに、ニヤリと笑ってみせる輝夜さん。
 復活中はリザレクションによる復活にも穴が出来るとか、ちょっと期待していたんだけどなぁ。
 そんな不完全な不死性は、期待するだけ無駄って事か。
 ああ、その誇らしげな顔が少しばかり憎らしい。

「すっごい腹立たしいです……月まで吹っ飛ばして差し上げましょうか」

 文姉の苛立ちも、よくわかるというものだ。
 こっちは――とはいっても僕だけだけど――ボロボロなのに、彼女は死んでしまえば完全復活。
 さっきの連携で与えた分のダメージも、もうとっくに消えてしまっているのだろう。
 この調子じゃ、三つ目の難題にも耐えられるかどうか……。
 ううっ、文姉じゃないけど、本当に月まで吹っ飛ばしたくなってきた。
 ――――ん? ちょっと待てよ。

「さて、それでは三つ目の難題に行きましょうか? もっともこれが、最後の難題になるかもしれないけどね」

「言いたい放題言ってくれますね。……とはいえ確かに、晶さんも限界が近そうです」

「ええ、そうですわね」
 
 もうすでに、初めほど速く動く事も出来なくなっていた。
 ダメージは少しずつ蓄積し、僕の体を縛る重りと化している。
 四季面の支柱である「気を使う程度の能力」も、強化に廻すだけで精一杯なのが現状だ。
 彼女の言うとおり、まともにやればこの難題で僕は脱落する。
 ……迷っている暇はない、か。
 はっきり言って思い付き以外の何物でもないが、少なくとも勝機は見いだせた。
 なら、それに賭けない理由はない!

「すいません、お姉様。少しばかり私の無謀にお付き合い願えませんか?」

「無謀って――なるほど、何か思いついたみたいですね。随分と良い顔をしていますよ」

 文姉が僕の顔を覗き込み、ニヤリと笑った。
 自分では分からないけれど、どうやら僕は相当意地の悪い顔をしているらしい。

「……あまり期待されても困りますがね。では射命丸文殿、返答はいかに?」

「私はパートナーとして、最後まで貴方にお付き合いするつもりです」

「そうですか。色よい返事ありがとうございます」

 本当にありがたい話だ。彼女主体で動けば、もっと楽に勝つ事もできただろうに。
 どういう策を思いついたのか、それを具体的に口にしたわけでもないのに、彼女は僕に全幅の信頼を与えてくれた。
 なら、僕も彼女の信頼に全力で応えようじゃないか。

「私が彼女の三つ目の難題を消し飛ばしますので、お姉様はその隙に、ドでかい一発をお願いしますわ」

「ふふっ、お任せください」

 輝夜さんが、三枚目のスペルカードを取り出す。
 それに対抗するように、僕も空いた腕でスペルカードを示した。
 成否の可能性すら測れない一発勝負。
 だけどまぁ、それもまたいつもの事だよね。

「では、三つ目の難題「火鼠の皮衣」……これが最後にならぬ事を祈っておりますわ」



 ―――――――神宝「サラマンダーシールド」



 盾の名にふさわしく、赤い弾丸の壁が広がっていく。
 身体がすでに告げている。僕の技量で、あれに耐えきる事は出来ないと。
 だけどまぁ、耐えきる必要なんてどこにもない。

「残念ですがこれ以上、お姫様の我儘に付き合う気はありませんわっ!」



 ―――――――魔砲「マスタースパーク」



 閃光が、瞬いた。
 四季面唯一の遠距離射撃。
 飾り気も無く、ただ力ある光をぶつけるだけの、単純でありながら驚異的なスペルカード。
 そんな「力任せ」の象徴である一撃が、なよ竹のかぐやが用意した難題を吹き飛ばす。
 さらに、閃光は彼女をとらえようとその力を伸ばした。
 しかし―――

「貴女が「ソレ」を使えるという話は、すでに鈴仙から聞いているわよ!!」

 スペルブレイクと同時に、輝夜さんが真横に跳んだ。
 暴力的な光の奔流は、彼女を飲み込む事なく直進していった。
 ―――うん。ここまでは予想通り。

「文お姉様っ!」

「お任せくださいっ!!」

 障害となりうるマスタースパークをスペルブレイクし、文姉と輝夜さんの間に道を作る。
 文姉の手には、一枚のスペルカード。



 ―――――――竜巻「天孫降臨の道しるべ」


 
 今までで最も巨大な竜巻が、文姉の周りに巻き起こる。
 それは、輝夜さんを巻きこまんと激しく力を拡大させていく。
 ……鴉天狗の最大級スペルカード。すごいとは思っていたけど、ここまでとはね。
 だが、蓬莱山輝夜はその一撃すら読み切る。
 風に巻き込まれないように、彼女はどんどん後方へと下がっていった。
 やはり、輝夜さんは根本的な部分で戦士ではない。彼女はあくまで僕らを試しているのであって、戦っているわけではないのだ。
 だからこそ彼女は下がる事に抵抗が無い。
 僕らの全力攻撃は、全て空振りに終わってしまった。

「危ない危ない。だけどこれだけの威力があるスペルカードなら、それぞれを難題用にとっておいた方がよかったんじゃないの?」
 
 そういうワケにはいかなかった。
 何しろ僕にはもう、マスタースパークを使う余力が残っていないのだ。
 それぞれが一回ずつ難題を散らしたとしても、最後の一枚を裁き切れず結局は終ってしまう。
 文姉なら、もう一発くらい放つ事は出来るかもしれないけれど……それで得た勝利は、結局僕のモノではないのである。
 そんな勝利を享受できるなら、僕は最初に泣いて頼んで天狗面をつけていたはずだ。
 それに、彼女は一つ大きな勘違いをしている。

「構いませんわ。これで、おしまいですもの」

「えっ―――?」

 そう、‘ここまでも予想通り’だ。
 最大級のスペルカード二枚を囮に使ったのだから、成功してもらわなければ困るのだけれどね。
 文姉の竜巻に気を取られていた彼女は、僕の接近をまんまと許していた。

「いくら貴方でも、三度目の回避は無理でしょう?」

「ま、待ちなさいよ。もう分かってるでしょ? 私に打撃は意味無いワケで――」

「安心して宜しいですわ。……思いっきり痛くしますから」

「わぁ、いい笑顔ぉー」

 涙目で笑っている彼女に、普段の倍は巨大にした氷の傘を叩きつける。
 大地が激しく揺れた。
 以前のように亀裂が入らなかったのは、‘クッション’が間に挟まっていたからだろう。
 ……よし、手ごたえはあった。

「か、かぁぐやぁさまぁー!?」

「あちゃー、今のはモロだったね」

「元々武闘派で無かったとはいえ……これで三度目ね」

 目的を果たし、障害物になった鈍器を投げ捨てる。
 陥没した地面の上で、輝夜さんが原型を残したまま手足を痙攣させていた。
 ……良かった。これでミンチになっていたら一生もののトラウマになっていた事だろう。
 耳を澄ますと聞こえてくる、ミシミシという何かが軋む音。
 すでに、リザレクションは始まっているようだ。
 僕は輝夜さんの首を優しく掴み、宙ぶらりんにする。

「……で、ここまでやってどうするんですか? まさか本当に死なない程度に痛めつけるつもりですか?」

「それで確実に勝てるなら、そうしますけどね」

 まぁ無理だろう。幻想郷の住人は意地っ張りばかりだし。
 それにもっと楽に勝つ方法を、僕は文姉から教えてもらったんだよ?

「う、うぐ……貴方達、難題に応えるっていう事は、私にトドメを刺すってことじゃないのよ?」

「ええ、分かっていますわ。これも作戦の一つですの」

「……こ、今度は何デスマッチなのかしら?」

 無事復活した彼女が、先ほどまでの事を思い出して顔を強張らせる。
 ……いや、確かに得意分野という事で、インファイトで散々好き勝手やったけど。
 そんな露骨に怯えられると、何だか自分がいじめっ子にでもなった気分になるんですが。
 ああ、ほとんど変わらないですかそうですか。
 いいもんいいもん。気にしてないもん。

「ねぇお姫様。最後に一つ、聞いても宜しいかしら」

「な、何よ」

「――――貴女、迷いの竹林をどこまで把握してますの?」

「……ちょっと待って。その質問の意図は、つまり」

 さすが、この一言で全てを察してくれたか。
 分かりやすく顔を青くする輝夜さん。雄弁な返答ありがとうございます。
 得るべき答えを確保した僕は、この勝負にカタをつけるために思いっきり振りかぶった。

「ああ、抵抗したいのならご自由にどうぞ。残りの腕くらいなら道連れして結構ですわ、止めませんけど」

「そ、それはさすがに弾幕ごっことしてどうかと思うわよ。ほら、落ち着いて」

「別に問題ないでしょう? ‘すぐに戻ってくれば’済む話ですわよ」

 照準は、迷いの竹林。
 四季面のパワーをフルに使って、僕は輝夜さんを‘竹林に向って’ブン投げた。

「せーのぉぉぉぉぉぉおっ!!!」

「いやぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁっぁあっぁぁぁぁぁぁぁっ!?」

 ドップラー効果を上げながら迷いの竹林へ消えていく、なよ竹のかぐや。
 さすが四季面、人間がまるでピンポン玉のようだ。
 ちなみによほど余裕が無かったのか、輝夜さんを投げ飛ばした僕の腕は無事だった。

「……さて、永琳さん」

「はい。何でしょう」

「あのお姫様は、自力で竹林から戻ってこれますか?」

「無理でしょうね。私やてゐやうどんげの案内がなければ、三日三晩は迷うと思いますよ」

「つまりそれは、戦闘続行が不可能である、という事ですわね」

「……相違ありませんわね」

「ちょ、師匠!?」

「なるほど、確かにこれも立派な「戦闘不能」だね」

 てゐが僕の屁理屈に苦笑する。
 まさしく、彼女の言うとおりだった。
 戦闘不能というのは相手が戦えなくなる事を指すのであって、相手を倒す事ではない。
 例え相手が不死の蓬莱人であっても、「戦えなくなる」という状況はきちんと存在しているのだ。
 それを教えてくれたのは、もちろん僕のお姉ちゃんである。

「あー、ひょっとして私の発言がアイディア元ですかね」

「そうですわね。あれはまさしくコロンブスの卵的発想でしたわ。さすがお姉様、頼りになります」

「それは「余計な口出ししやがってこのアマ」という喧嘩の売り文句ですね?」

「……てゐさん? 私おかしなこと申し上げました?」

「いや、おかしくないよ。問題なのは、その礼儀正しい発言がガマクジラの口から発せられた事だと思うけど」

「貴女はシビアなくらい優しく真実を突き付けるのですわね」

 つーかガマクジラって幻想入りしてたの?
 いや、してなかったとしても、てゐなら知っていておかしくない気もするけど。
 ……おっと、話題がずれた。

「とりあえずこれで我々の勝ち――そう思って宜しいのですわね」

「少なくとも私は、姫様が負けたと思っていますわ」

「難題続行不可なんだから、姫の負けでしょ」

「し、師匠!? それにてゐも! 二人はそれでいいんですかっ!」

 レイセンさんがくってかかっているけど、二人の意見は変わらないようだ。
 まぁ、迷いの竹林ぐらいでしか使えない勝ち方だから、彼女が納得できない気持ちもわかるけどね。
 僕としては、負けになっても一本取ってやったから別に問題は無い。
 あのまま戦ってたら確実に負けてたしね。

「しかし鈴仙さんではありませんが、この勝利には釈然としないものがありますね」

「当然でしょう。試合に勝って勝負に負けたのですわ、私たちは」

「あー、やっぱ負けてますかね」

「ボロ負け、と言っても差し支えありませんわよ」

 それに関しては言い訳する気も無い。
 そもそもこの勝ち方は「五つの難題を破れない」事が前提となっている。
 本来求められている勝利条件を初めから放棄している時点で、負けを認めているようなものだ。
 それが分かっているから、僕は「ルール上の勝利」だけでも得るためにあんな無茶な真似をしたのである。

「ほらほら、晶たちもこう言ってるんだから大人しく勝たせてやりなって」

「そうね。せっかく形式だけでも勝利をもぎ取ったんだもの、その努力は認めてあげるべきよ」

 物分かりが良すぎて涙が出てくるなぁ。
 そんな二人を睨みつけ、レイセンさんは僕の顔に指を突き付けた。
 どうでもいいけど、それは失礼な行為に部類されてる仕草です。

「こんな卑怯な手段を使う奴を認めろって言うんですか!?」

「けれど姫様は、その卑怯な手段を見破れなかった。この子を責めるのは筋違いよ」

「………くっ」

 歯を食いしばって黙りこむレイセンさん。
 永琳さんの鶴の一声に、さすがに二の句を告げられないのだろう。
 ……そこまで声高に叫ぶなら、まずは輝夜さんを助けに行けばいいのに。
 そんな事を思いつつ、僕は仮面に手をかける。
 納得してない人もいるみたいだけど、とりあえず決着はついたのだ。元に戻っても問題は無いだろう。
 いつまでも、文姉に変な顔されるのは避けたいしね。

「あ、ダメよ」

「ほへ?」

 しかし、なぜかそれを永琳さんに止められた。
 どうしたんだろう。まさか、四季面を気に入ったとか?
 だとしたらスイマセン。もう外しちゃいました。

「どうしたんですかししょー……って、うぉうっ!?」

「あややややややーっ!?」

「ど、どうしたの二人ともっ!?」

「あたまっ、あたまーっ」

 頭?
 いきなり慌てだしたてゐと文姉が、僕の頭をそろって指差す。
 だからそれは、失礼な行為に部類される仕草ですってば。
 何故かレイセンさんも、びっくりした顔でこっちを見ている。
 どうしたんだろうと思い頭に手を添えてみると、ぴちゃりと音を立てて手が赤い何かに彩られた。

「……あれ?」

「マズイわね……」

「ちょ、ど、どういう事なんですか!? 永琳さんっ」

「分からない? ヒントは、「あの面による身体強化」よ」

「いや、ヒントとかどうでもいいんでとっとと治療してくださいよっ!」

 あ、やっぱりこれ、僕の血だったのか。
 ドクドクと手を赤く染める血液。これって普通に致死量じゃない?

「要するに、あの面で向上していたのは防御力だけじゃなかった、という事よ」

 永琳さんがため息混じりそう言った。
 なるほど、そういう事か。
 四季面は僕の身体能力や防御力を気で向上させている。
 だから僕は輝夜さんの弾幕を耐えきる事が出来た――と思っていたのだが、どうやらそれだけではなかったらしい。
 気を使う程度の能力は、体力の強化も無意識に行っていたようだ。
 僕の元々の体力が百だとするなら、百五十くらいには底上げされていたのかもしれない。
 そして僕は、今回の戦闘で九十程のダメージを受けた。
 四季面をつけている間は、まだ半分程度余裕が残っている値だ。
 だが面を外してしまえば底上げ分は無くなり、自分の元ある体力分だけでダメージに耐えなければいけなくなる。
 当然の話だがダメージの値自体は変わらない。そうなると僕の体力は、九十差っ引いて残り十に―――見事な瀕死の重体の出来上がりである。
 ……丈夫さに任せてガンガン受けるのは止そう、そう決めた直後にこれとは。
 僕のうっかりは、やっぱり致命的なのかもしれない。

「――――あっ」

 気が緩んだ瞬間、何とか保っていた最後の一線も崩れてしまったようだ。
 体中の傷口が開き、疲労が一気に押し寄せる。
 ……これは、本格的にやばくない?

「ぎゃぁーっ!? 晶さんがスプラッター!!?」

「なるほどね、これが本当の人間噴水。座布団一枚」

「こんな時に大喜利やってんじゃないわよっ! し、師匠!」

「うどんげは永遠亭から治療道具を持ってきなさい。私はこの子の応急処置をするわ」

「は、はいっ!!」

「あややややっ、私もお手伝いいたしますっ」

「ししょー、私は?」

「姫を回収してきなさい」

「あいよー」

 てきぱきと指示を飛ばす永琳さんが、僕の額に手を当てた。
 同時に、意識が急激に緩んでいく。

「少し眠っていなさい。その間に手当を済ませておくわ」

「す、すいません」

「お礼は助かってからにしなさい。……大丈夫、死なせはしないわよ」

 最後に聞いたのは、そんな母のような囁き。
 優しい暖かさを感じながら、僕の意識はブラックアウトするのだった。



 ――――あーあ、やっぱり大人しく負けとけば良かったかなぁ。


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