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No.8576の一覧
[0] 東方天晶花 (東方project+オリ主)【完結+未来語りⅡ追加】[ラリアー](2011/04/19 08:33)
[1] 巻の起「はじまり はじまり」 ~Welcome the beginner of the fantasy~[ラリアー](2009/11/06 15:52)
[2] 東方天晶花 巻の一「百聞は一見に如かず」[ラリアー](2009/11/06 15:51)
[3] 東方天晶花 巻の零点五「口は災いの元」[ラリアー](2009/11/06 15:51)
[4] 東方天晶花 巻の二「女心と秋の空」[ラリアー](2009/11/06 15:51)
[5] 東方天晶花 巻の三「人の振り見て我が振り直せ」[ラリアー](2009/11/06 15:51)
[6] 東方天晶花 巻の四「袖振り合うも多生の縁」[ラリアー](2009/11/06 15:51)
[7] 東方天晶花 巻の五「芸は身を助く」[ラリアー](2009/11/06 15:51)
[8] 東方天晶花 巻の五点五「知らぬが仏」[ラリアー](2009/11/06 15:52)
[9] 東方天晶花 巻の六「帯に短し襷に長し」[ラリアー](2009/11/06 15:52)
[10] 東方天晶花 巻の七「暗がりに鬼を繋ぐ」[ラリアー](2009/11/06 15:52)
[11] 東方天晶花 巻の八「鬼が出るか蛇が出るか」[ラリアー](2009/11/06 15:53)
[12] 東方天晶花 巻の九「親しき仲にも礼儀あり」[ラリアー](2009/11/06 15:53)
[13] 東方天晶花 巻の十「身から出た錆」[ラリアー](2009/11/06 15:53)
[14] 東方天晶花 巻の十点五「親の心子知らず」[ラリアー](2009/11/06 15:53)
[15] 東方天晶花 巻の十一 「縁は異なもの味なもの」[ラリアー](2009/11/06 15:53)
[16] 東方天晶花 巻の十二「玉磨かざれば器を成さず」[ラリアー](2009/11/06 15:53)
[17] 東方天晶花 巻の十三「藪を突突いて蛇を出す」[ラリアー](2009/11/06 15:53)
[18] 東方天晶花 巻の十四「精神一到何事か成らざらん」[ラリアー](2009/11/06 15:54)
[19] 東方天晶花 巻の十五「竹馬の友」[ラリアー](2009/11/06 15:54)
[20] 東方天晶花 巻の十五点五「呉越同舟」[ラリアー](2012/01/16 10:42)
[21] 東方天晶花 巻の十六「鷺を烏」[ラリアー](2009/11/06 15:54)
[22] 東方天晶花 巻の十七「無用の用」[ラリアー](2009/11/06 15:54)
[23] 東方天晶花 巻の十八「羹に懲りて膾を吹く」[ラリアー](2009/11/06 15:54)
[24] 東方天晶花 巻の十九「上に交わりて諂わず下に交わりて驕らず」[ラリアー](2009/11/06 15:54)
[25] 東方天晶花 巻の二十「用心は勇気の大半なり」[ラリアー](2009/11/06 15:55)
[26] 東方天晶花 巻の二十一「烏に反哺の孝あり」[ラリアー](2012/01/30 18:40)
[27] 東方天晶花 巻の二十二「子は三界の首枷」[ラリアー](2009/11/06 15:55)
[28] 東方天晶花 巻の二十三「立てば芍薬 座れば牡丹 歩く姿は百合の花」[ラリアー](2012/01/16 10:47)
[29] 東方天晶花 巻の二十三点五「画竜点睛」[ラリアー](2009/11/06 15:55)
[30] 東方天晶花 巻の二十四「情けは人の為ならず」[ラリアー](2009/11/06 15:55)
[31] 東方天晶花 巻の二十五「コチョウノユメ」[ラリアー](2009/11/06 15:55)
[32] 巻の承「それから それから」 ~The world of extending fantasy~[ラリアー](2009/11/21 02:27)
[33] 東方天晶花 巻の二十六「その日その日が一年中の最善の日である」[ラリアー](2009/11/06 15:56)
[34] 東方天晶花 巻の二十七「真の友愛においては、 私は友を自分のほうにひきつけるよりもむしろ自分を友に与える」[ラリアー](2009/11/06 15:56)
[35] 東方天晶花 巻の二十八「青春は短い。宝石の如くにしてそれを惜しめ」[ラリアー](2009/11/06 15:57)
[36] 東方天晶花 巻の二十九「時というものは、 それぞれの人間によって、 それぞれの速さで走るもの」[ラリアー](2009/11/06 15:57)
[37] 東方天晶花 巻の三十「不幸な人間は、いつも自分が不幸であるということを自慢しているものです」[ラリアー](2009/11/06 15:57)
[38] 東方天晶花 巻の三十一「食卓は、最初の間は人々が決して退屈することのない唯一の場所である」[ラリアー](2012/01/30 18:41)
[39] 東方天晶花 巻の三十二「軽信は大人の弱点であるが、子供にとっては力である」[ラリアー](2009/11/06 15:57)
[40] 東方天晶花 巻の三十三「怒りは他人にとって有害であるが、憤怒にかられている当人にとってはもっと有害である」[ラリアー](2009/11/06 15:57)
[41] 東方天晶花 巻の三十四「進歩とは、価値の置換によって生ずる錯覚にほかならない」[ラリアー](2009/11/06 15:58)
[42] 東方天晶花 巻の三十四点五「雨は一人だけに降り注ぐわけではない」[ラリアー](2009/11/06 15:58)
[43] 東方天晶花 巻の三十五「主よ、助けてくれとは申しません。私の邪魔をしないで下さい」[ラリアー](2015/01/19 22:38)
[44] 東方天晶花 巻の三十六「命と引き換えに金を欲しがるのは強盗であるが、女はその両方とも欲しがる」[ラリアー](2009/11/06 15:58)
[45] 東方天晶花 巻の三十七「苦痛には限度があるが、恐怖には限度がない」[ラリアー](2009/11/06 15:58)
[46] 東方天晶花 巻の三十八「成功する人は錐のように、ある一点に向かって働く」[ラリアー](2009/11/06 15:58)
[47] 東方天晶花 巻の裏側「教えろ! 山田さんっ!!」[ラリアー](2009/11/06 15:59)
[48] 東方天晶花 巻の三十九「事を行うに当って、いつ始めよう等と考えている時には、既に遅れをとっているのだ」[ラリアー](2009/11/06 15:59)
[49] 東方天晶花 巻の四十「善良な性格は法律よりもさらに信頼ができる」[ラリアー](2013/05/27 22:17)
[50] 東方天晶花 巻の四十一「人間が幸福であるために避けることのできない条件は勤労である」[ラリアー](2012/02/06 13:03)
[51] 東方天晶花 巻の四十二「良い判断は無分別な親切に勝る」[ラリアー](2013/05/27 22:20)
[52] 東方天晶花 巻の四十三「病気は千もあるが、健康は一つしかない」[ラリアー](2009/11/16 01:55)
[53] 東方天晶花 巻の四十四「この瞳を、どうしてにごしてよいものか」[ラリアー](2009/11/21 02:31)
[54] 東方天晶花 巻の四十五「公にされることを望む慈善はもう慈善ではない」[ラリアー](2013/06/10 19:50)
[55] 東方天晶花 巻の四十六「報酬への期待を行動のバネとする人にはなるな」[ラリアー](2013/04/22 19:40)
[56] 東方天晶花 巻の四十七「言葉で説教するよりも、あなたの生き方そのものがより良い説教となろう」[ラリアー](2013/05/06 23:58)
[57] 東方天晶花 巻の四十八「真実には特定の時などない。真実はどんな時代にも真実である」[ラリアー](2012/02/06 13:06)
[58] 東方天晶花 巻の四十九「正義は永遠の太陽である。世界はその到達を遅れさせることはできない」[ラリアー](2012/02/06 13:07)
[59] 東方天晶花 巻の五十「希望に満ちて旅行することは、目的地にたどり着くことより良いことである」[ラリアー](2010/01/07 20:28)
[60] 東方天晶花 巻の五十一「人間の真の性格は、彼の娯楽によって知られる」[ラリアー](2010/01/14 13:33)
[61] 東方天晶花 巻の五十二「恋愛は人を強くすると同時に弱くする。友情は人を強くするばかりである」[ラリアー](2013/05/06 23:58)
[62] 東方天晶花 巻の五十二点五「不思議なものは多い。しかし人間ほど不思議なものはない」[ラリアー](2010/01/24 18:04)
[63] 東方天晶花 巻の五十三「最強者の理屈が、いつも最も良いとされる」[ラリアー](2013/06/10 19:50)
[64] 東方天晶花 巻の五十四「怒りの結果は、怒りの原因よりはるかに重大である」[ラリアー](2010/02/07 06:05)
[65] 東方天晶花 巻の五十四点五「自負は常に他人の感嘆によって強化される」[ラリアー](2010/02/14 09:54)
[66] 東方天晶花 巻の五十五「友情は最初、残酷なほど明確にものを見る」[ラリアー](2012/02/18 15:06)
[67] 東方天晶花 巻の五十六「至上の処世術は、妥協することなく適応することである」[ラリアー](2010/02/24 21:21)
[68] 東方天晶花 巻の五十七「あまり道徳的になるな。自分を欺いて人生を台無しにしてしまう」[ラリアー](2010/03/03 17:18)
[69] 東方天晶花 巻の五十八「慣習とは反対の道を行け。そうすれば常に物事はうまくいく」[ラリアー](2010/03/10 21:29)
[70] 東方天晶花 巻の五十九「自尊心は美徳ではないとしても、それは多くの美徳の両親である」[ラリアー](2010/03/30 01:45)
[71] 東方天晶花 巻の五十九点五「まず事実をつかめ。それから思うままに曲解せよ」[ラリアー](2010/03/23 17:54)
[72] 東方天晶花 巻の六十「活動的な馬鹿より恐ろしいものはない」[ラリアー](2010/03/30 01:46)
[73] 東方天晶花 巻の六十一「行動するためには、いかに多くの事に無知でなければならぬ事か」[ラリアー](2012/02/26 08:32)
[74] 東方天晶花 巻の六十二「勇敢な行為は、決して勝利を欲しない」[ラリアー](2010/04/20 00:01)
[75] 東方天晶花 巻の六十三「忍耐とは、肉体的な小心と道徳的勇気の混じり合いである」[ラリアー](2012/02/26 08:56)
[76] 東方天晶花 巻の六十四「神の存在を立証しようとするあらゆる試みは、すでに神に対する冒涜である」[ラリアー](2012/02/26 08:57)
[77] 東方天晶花 巻の六十五「行動はいつも幸せをもたらすものではないが、行動なくしては幸せはない」[ラリアー](2012/03/03 12:21)
[78] 幻想郷うろ覚え童話「モモタロウ」[ラリアー](2010/05/08 00:56)
[79] 東方天晶花 巻の六十六「運命は我々の行為の半分を支配し、他の半分を我々自身にゆだねる」[ラリアー](2012/03/03 12:25)
[80] 東方天晶花 巻の六十七「王国を統治するよりも、家庭内を治めることのほうが難しい」[ラリアー](2010/05/20 10:28)
[81] 東方天晶花 巻の六十八「常識の有無は教育の有無とは関係ない」[ラリアー](2010/05/27 01:01)
[82] 東方天晶花 巻の六十九「不正の存在を前にして黙する人は、実は不在の共犯者にほかならない」[ラリアー](2010/06/02 00:17)
[83] 東方天晶花 巻の七十「馬は死ぬ前に売ってしまうことだ。人生のコツは、損失を次の人に回すこと」[ラリアー](2012/03/15 18:46)
[84] 東方天晶花 巻の七十一「人間は自分の知っていることなら半分は信じるが、聞いたことは何も信じない」[ラリアー](2013/05/12 23:50)
[85] 東方天晶花 巻の七十二「友人の失敗には目をつぶれ、だが悪口には目をつぶるな」[ラリアー](2012/03/15 18:47)
[86] 東方天晶花 巻の七十三「今が最悪の状態と言える間は、まだ最悪の状態ではない」[ラリアー](2012/03/26 23:52)
[87] 東方天晶花 巻の七十四「学校での成績がよいからといって、社会で認められるとは限らない」[ラリアー](2010/07/07 00:16)
[88] 東方天晶花 巻の七十五「神はあらゆる人間のうちに住むが、すべての人間は神のうちに住まず」[ラリアー](2010/07/21 10:29)
[89] 東方天晶花 巻の七十六「苦しんで強くなることがいかに崇高なことであるかを知れ」[ラリアー](2012/03/26 23:53)
[90] 東方天晶花 巻の七十六点五「家庭はどこで始まるか? 若い男と若い娘が恋愛に陥ることから始まる」[ラリアー](2010/07/28 01:23)
[91] 東方天晶花 巻の七十七「長いこと考え込んでいるものが、いつも最善のものを選ぶわけではない」[ラリアー](2010/08/04 00:06)
[92] 東方天晶花 巻の七十八「男に惚れられるような男でなければ、女には惚れられない」[ラリアー](2012/04/10 09:56)
[93] 東方天晶花 巻の七十九「二人の女を和合させるより、むしろ全西欧を和合させる事の方が容易であろう」[ラリアー](2010/08/25 00:02)
[94] 東方天晶花 巻の八十「友情は瞬間が咲かせる花であり、そして時間が実らせる果実である」[ラリアー](2010/09/07 22:54)
[95] 東方天晶花 巻の八十一「文学は商売と芸術が半々であるとき最も栄える」[ラリアー](2010/09/08 00:07)
[96] 東方天晶花 巻の八十一点五「さすらいと変化を愛するものは生ある者である」[ラリアー](2010/09/13 00:07)
[97] 東方天晶花 巻の八十二「絶望とは、闘う理由を知らずに、しかもまさに闘わねばならないということだ」[ラリアー](2010/09/27 01:22)
[98] 東方天晶花 巻の八十三「真の勇気というものは、極端な臆病と無鉄砲との中間にある」[ラリアー](2010/09/27 01:23)
[99] 東方天晶花 巻の八十四「今日は堂々と勇ましく、そして明日は墓の中」[ラリアー](2012/04/15 23:09)
[100] 東方天晶花 巻の八十五「賽は投げられた」[ラリアー](2012/04/23 22:15)
[101] 巻の転「むかし むかし」~the end of fantasy~[ラリアー](2010/10/20 23:50)
[102] 東方天晶花 巻の八十六「未知になるって言うのは、死んじゃうのと同意義なのさ」[ラリアー](2010/10/30 18:11)
[103] 東方天晶花 巻の八十七「宴には上等の酒と上等の肴があれば充分よ」[ラリアー](2012/04/23 22:24)
[104] 東方天晶花 巻の八十八「幻想郷は、宴会も自由だなぁ」[ラリアー](2010/11/06 11:22)
[105] 東方天晶花 巻の八十九「溜まったツケを払わないと、新しい事は始められないでしょ?」[ラリアー](2010/11/13 00:39)
[106] 東方天晶花 巻の九十「世間から必要とされない音楽はこうやって消えていくのね~」[ラリアー](2010/11/20 00:02)
[107] 東方天晶花 巻の九十一「この幸せ者共め! お代は聞いてのお帰りだよっ!!」[ラリアー](2010/12/02 00:44)
[108] 東方天晶花 巻の九十二「他人のペースに合わせて自分を見失ってはダメなの」[ラリアー](2010/12/09 00:03)
[109] 東方天晶花 巻の九十三「人や妖怪と一緒、家にも色んな形があるの」[ラリアー](2010/12/16 10:51)
[110] 東方天晶花 巻の九十四「まるで、巌流島の決闘みたいね」[ラリアー](2010/12/23 00:57)
[111] 東方天晶花 巻の九十五「きっと貴方自身ですら知らない秘密を教えてくれるわよ」[ラリアー](2010/12/30 00:21)
[112] お正月特別変「フタマルイチイチ、ヲトシダマ異変」[ラリアー](2012/05/14 17:48)
[113] 東方天晶花 巻の九十六「正直で結構! あたいも生きてる奴を運ぶほど暇じゃないからね」[ラリアー](2011/01/13 00:03)
[114] 東方天晶花 巻の九十七「半端な智慧は時として、無知よりも罪深き業となります」[ラリアー](2012/05/29 01:47)
[115] 東方天晶花 巻の裏側弐「スキマ妖怪が教えてア・ゲ・ル♪」[ラリアー](2011/01/26 10:35)
[116] 東方天晶花 巻の九十八「やがて辿り着く結果までは、この閻魔にも見通せません」[ラリアー](2011/02/02 00:55)
[117] 東方天晶花 巻の九十九「胸を張れとは言わないけどさ、お礼くらいはちゃんと受け取りなよ」[ラリアー](2011/02/09 00:02)
[118] 東方天晶花 巻の百「譲れないモノがあるなら死んでも守り切りなさい」[ラリアー](2011/02/16 00:20)
[119] 東方天晶花 巻の裏側参「もう一度教えろ! 山田さんっ!!」[ラリアー](2011/02/23 02:18)
[120] 東方天晶花 巻の百一「幻想郷らしく、力尽くで居場所を‘奪って’きます」[ラリアー](2011/03/01 00:02)
[121] 東方天晶花 幕間「誰が為に鐘は鳴る」[ラリアー](2011/03/08 11:09)
[122] 東方天晶花 巻の百二「つまりはいつも通り、一か八かの出たとこ勝負をするワケね」[ラリアー](2011/03/15 01:59)
[123] 東方天晶花 幕間・弐「久遠の空に舞い踊る風花」[ラリアー](2011/03/22 00:01)
[124] 東方天晶花 巻の百三「―――切り札ならありますよ。最低最強、とっておきの一枚がね」[ラリアー](2011/03/29 08:04)
[125] 巻の結「めでたし めでたし」~The fantasy continues~[ラリアー](2011/04/11 23:50)
[126] 東方天晶花 キャラ紹介(第九十五話まで[ラリアー](2012/05/29 01:48)
[127] 天晶花・昔語り①「晶と隙間とお茶会と」[ラリアー](2009/11/26 19:11)
[128] 天晶花・昔語り②「晶と隙間とお袋の味と」[ラリアー](2009/12/17 01:51)
[129] 天晶花・昔語り③「晶と巫女とカラオケと」[ラリアー](2010/08/18 04:29)
[130] 天晶花・昔語り④「早苗と神と悪戯メールと」[ラリアー](2010/11/27 00:04)
[131] 天晶花・未来語りⅠ「次代のユウウツ」[ラリアー](2012/06/04 21:40)
[132] 天晶花・未来語りⅡ「賢人のわりといつも通りな一日」[ラリアー](2012/06/04 21:41)
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[8576] 東方天晶花 巻の三十五「主よ、助けてくれとは申しません。私の邪魔をしないで下さい」
Name: ラリアー◆536635cd ID:9d10842d 前を表示する / 次を表示する
Date: 2015/01/19 22:38
巻の三十五「主よ、助けてくれとは申しません。私の邪魔をしないで下さい」




「――失礼します。やはり、退屈そうにしておられますね」


「ええ、ご期待に添える報告となりますよ」


「変わった人間です。……ふふっ、そうですね。あの紅白や黒白に近いタイプかもしれません」


「あら、それだけでは興味を惹かれませんか」


「私の意見ですか? そうですね、試す価値はあると思いますよ。―――かの五つの難題に、応える器があるかどうかを」


「ふふっ、では少しお話をしてみます?」


「畏まりました。少々お待ち下さい――――姫様」










「えー、それではお茶を持ってきますので大人しくしてなさい特にそこの人間」

 不機嫌さと敵意を隠そうともしないで、安静にすべきはずのレイセンさんが立ち上がる。
 永琳さんに押されるまま永遠亭に案内されてしまった僕達は、やはり流されるまま座敷の一つへと通された。
 ところが、招待者である永琳さんは早々とどこかへ行ってしまったのだ。
 残されたのは、接客する気が無いてゐと色々言付けされていた彼女だけで。
 必然的にレイセンさんは、怪我した身体で客人である僕達をもてなす羽目になってしまったワケだ。
 ああ、見え隠れする包帯が痛々しい。だけど、ブレザー、ウサ耳、包帯の組み合わせはあざと過ぎるんじゃないだろうか。

「アンタにだけは言われたくないわよっ!!」

「はわわっ!?」

「れ、鈴仙? どしたの?」

「晶さんが何かしましたか?」

「分からないわ……だけど、今何故か「お前が言うな」的な不愉快さが急に」

 ……彼女、クロコゲになった影響で精神不安定になってない?
 目眩を抑えるように頭を押さえ、首を傾げつつその場を後にするレイセンさん。
 残されたのは、僕と文姉と何故かお客様の位置にいるてゐだけだった。
 って、てゐさん? 何故君はそこにいるんでしょうか?

「気にしない気にしない」

「……心を読むのは、幻想郷のデフォルト技能なの?」

「気にしない気にしない」

「…………」

 いや別に、心読まれるのも横に居られるのも全然構わないんだけどさ。
 どうも君が突飛な行動を取るたびに、何かあるんじゃないかと勘ぐってしまうわけなんですよ。
 ここにいるのも半分くらいはてゐの仕業だしなぁ。残り半分は……何も言うまい。

「文姉もゴメンね? なんか、取材どころじゃなくなったみたいで」

「いいんですよ。それよりも私は、晶さんの体の方が心配です」

「心配って……僕は無傷で弾幕ごっこを終えたんですが」

 身体中擦り傷だらけな上に打ち身で全身ギシギシいってる事に加え畳みかけるようにたんこぶも出来てるけど、これ全部やったのは貴方ですよね?
 回避も防御もできない耐久スペルはただの拷問なんだと、おかげでシミジミ理解しましたよ、ええっ。

「ブン屋が心配してるのは、アンタが弾幕ごっこ中にやった『変化』による影響じゃないの?」

「面変化の事? 何か心配するような所があったっけ、アレに」

「ありまくりです! 狂気の魔眼による性格変化に上位の妖怪を真似るという無茶までやっておいて、「心配する所はない」なんて言わないでください!!」

「そ、そうかなぁ……?」

「普通に考えたら、心狂うか体壊すかして人生終わらせてるよねー」

 てゐは気楽そうに言ってるけど、文姉の方は本気でその心配をしているようだった。
 まぁ、言われてみると確かにそうだ。理屈の上で考えれば、僕がこうしてオシオキの痛みにだけ耐えている事は本来ありえない。
 文姉を真似……げふんげふん、鴉天狗を真似た天狗面の方はまだ問題ない。
 元々僕自身の基本戦法はヒットアンドアウェイだ。
 同時にスペルカードを使えるようになりはしたけど、そこまで逸脱した力が備わったというワケでもない。
 問題なのは、幽香さん……げほげほ、四季面の方だろう。
 普段の僕は気の使い方を、「強度」――要するに頑丈さに主眼を置いて強化している。痛いのは嫌だからね。
 ……や、一応「身体能力は強化してもあんまし使わない」という真っ当な理由もあるんですよ?
 けど、結局のところ強度の方を優先している一番の理由はソレだから、無駄にカッコつけてもしょうがなくてね。
 戦法的に要らないだけであって、あればあったで他の使い道が出来るものだし、それは。
 ……言い訳ごめんなさい。そもそも問題ってそこじゃないですよね。

「確かに、あれだけ無茶苦茶な身体強化しておいて、全然平気なのは僕もおかしいと思うけど」

「分かってるんじゃないですか……」

 気で強化している事を考えても、あの身体能力の向上は異常過ぎる。
 普通に考えれば、身体のセーフティ的なものが外れているとしか考えられない。
 後遺症がないのかを文姉が気にしているのも、至極真っ当な事だと言えるだろう。
 ……実を言うと、デメリットがない事に関しては、僕も僕なりに仮説を立ててはいたのだ。
 ただ、あまりにも突飛……と言うか、その、何と言うか、かなりアレなので、口にはしなかったのだけど。

「とりあえず、無事なんだからいいじゃん」

「そういうのを問題の先送りと言うんですよ」

「目先の問題を見なかった事にする天才だよね、晶って」 

「あははははー」

 二人のもっとも過ぎるツッコミに苦笑だけを返す。
 こんな仮説、言えるはずがない。言ったら恥をかくに決まっている。



 そう、‘面による変化で発揮されているモノこそが、僕の能力で出せる本来の力じゃないのか’なんて。



 ……我ながら、自信過剰にも程がある妄想だと思います。
 いや、根拠なら一応ある――というか、前から似たような事を考えてはいたんだけどね。
 能力が劣化するのは、僕が人間だからなのだろうかって。
 人が妖怪に敵う事はない。というのは、未だ変わらぬ僕の根底にある認識だ。
 だけど、幻想郷にはその認識を崩す人間が存在していた。
 十六夜咲夜さん。吸血鬼の最も信頼する侍従で、紅魔館でも屈指の実力者である。
 彼女が人の身でありながら強者の地位を保っていられるのは、強力な能力があるからに他ならない。
 少なくとも、力の無い者に己の傍を許すほどレミリアさんは甘くないのだ。
 彼女を見ていると、「人だから」という理由が能力の劣化に繋がるとはどうしても思えない。

「……だけど、僕自身が‘人は妖怪に勝てない’と思い込んでいたらどうだろう」

 「相手の能力を写し取る程度の能力」という力の特性上、僕には必ずオリジナルという「比較対象」が存在してしまう。
 それが、精神に依存している幻想の力にどう影響を与えるのかは、改めて言う必要もないはずだ。
 劣化させているのが、僕自身の思い込みにあるというのなら。
 それを取り払った面変化の能力が強化されるのは、当然の結果であると言える。
 ……うん、やっぱりこの仮説は都合が良すぎるよね。 
 仮に真実だとしても、素の僕の能力劣化が治らない事に変わりはないんだし。
 
「それに、体力に関しては完全に人間基準なんだよね。僕って」

 この際だから心の内で白状しておきますが、後一発休まずに四季面でマスタースパーク撃てばヘロヘロになります。
 いや、普通に戦う分にはまだ問題ないんですけどね? やっぱりアレ系の技は消費激しいです。

「色々考察しているのは分かるけど、もう少し台詞を漏らしてもいいんじゃない?」

「へっ?」

 気づけば、てゐが僕の口にウサ耳近づけメモを取っていた。
 どこからともなく取り出した手帳には、ミミズののたくったような文字で何かが書かれている。
 下手なのか暗号なのか分からない所がてゐらしい。
 だけど少なくとも、そこに僕の弱みっぽいモノが書かれている事は間違いないはずだ。
 本当に、この妖怪兎は他人の隙を見逃さないね。

「な、何でも無いですって。ただの根拠皆無な仮説ですよ? 弱点とか欠点とかの話でもないよ?」

「追及して欲しくなければ永遠の忠誠を誓え」

「代償でかいなぁっ!?」

「ジョークジョーク」

 可愛らしく舌なんか出して誤魔化したけど、今のが本気だって事くらい分かってるからね?
 ここで冗談交じりに「じゃあソレで」とか答えたら、その瞬間に既成事実をでっちあげて本当に下僕にする気でしょ。
 瞳の奥に、ひっそりと輝く策士の光を見逃すと思わないでほしいね。

「………ちっ」

 本当に怖いですこの兎詐欺、いちいち気が抜けないんですけど。

「晶さんの推測は適当半分思いつき半分ですから、メモする価値はありませんよ」

「……酷いと思うのに否定できない自分に泣きたくなりました」

「自覚あるなら直せばいいのに」

 無理っす。いろいろ理屈は考えるんだけど、最終的に「結果が合っていればいいか!」となるのが僕の悪い所です。
 まぁ文姉の言う事ももっともだし、これ以上思考の翼を広げて明後日の方向に飛んで行くのは止めておこう。

「ちなみに、身体だけでなく心の方も心配してるんですが、そっちはどうなんですか?」

「ああ、そっちは全然大丈夫だよ。たぶん」

「おやおや? こっちは自信がありげだね。最後に弱音ひっ付けたけどさ」

「うん。面変化してる時って、性格は変わってるけど中身は変わんないんだよね。あの感覚は、FPSってジャンルのゲームをやってる感じに近いかも」

「………はい?」

「………あや?」

 うっ、さすがに今の例えは伝わらないか。反省反省。
 一応自分の意思が反映されているのに細かい所で差違が出る部分とか、面特有の‘お喋り’を止められない部分とかは特にゲームっぽいと思うんだけど。
 違うのは、痛みが伴う所と確実な攻略法が無い所くらいか。
 もちろん例えただけであって、本当にゲームと割り切る事はできません。割り切って痛い目に遭うのは僕だしね。

「良く分からない例えですが……まぁ、一応大丈夫という事で納得しておきますよ」

「そうしてください。詳しく説明を求められると答えられそうにありません」

 自分で自分を説明できないというのは、思った以上に辛い。
 けど、幻想を理屈で語りきっちゃうのも、それはそれで間違っている気がする。
 結局感覚で理解するしかないんだよなぁ……今度、理論的に自分の力を語れそうなメンツに話を聞いてみようか。

「随分と話が弾んでいるようね――あら?」

 僕達がそんな、生産的なのか無駄なのか分からない話を重ねていると、座敷の奥から永琳さんが入ってきた。
 彼女はぐるりと部屋の中を見渡し、怪訝そうな顔をてゐに向ける。

「ああ、鈴仙ならお茶を入れに行ったっきり戻ってきませんよ」

「そうなの。……そんなに時間がかかるはずないのにねぇ」

 そういえばレイセンさん、全然戻ってこない。
 すっかり忘れてたけど大丈夫だろうか。廊下の途中で倒れてたりしてないよね。
 しかし、そんな僕の不安なんて考えてもいないのか、永遠亭の二人はあっさりそれでレイセンさんの話題を切り上げた。
 ううっ……ヒエラルキーの最下層って悲惨だよね。

「そうそう。ブン屋さん、貴方取材に来たのよね」

「はぁ、そうですが」

「今、‘許可’を取ってきたから、私達の‘道具’を幾つか見せてあげてもいいわよ?」

「あややっ!? 本当ですかっ」

 永琳さんの言葉に、文姉の顔色が変わる。
 だけど色々おかしくないかな、今のセリフ。
 僕の聞いた話では、永琳さんが永遠亭の元締めだったはずだよね?
 なら、いったい誰から許可を取ったって言うんだろう。
 それに文姉の興奮具合もちょっとおかしい。僕の持ってきた道具を見せられた時のようにハイテンションだ。
 ……良く考えたら僕、永遠亭に関して全然情報を持ってないんだなぁ。

「ええ、てゐが迷惑をかけたお詫びも兼ねてるから、遠慮しなくていいわよ」

「本当ですか! やりましたね晶さん、大スクープの予感ですよっ」

「あ、うん。やったね文姉」

 だから、どこらへんが大スクープなのかを淡々と説明台詞で分かりやすく漏らしてください。
 ……ダメっぽいか。文姉ってば完全にゴシップモード入ってるもんね。
 こうなると彼女からは、倫理観や平常心や姉心が完全に失われてしまうしなぁ。

「ただ、申し訳ないんだけど晶さんは連れていけないの。そういう条件を出されてね」

「晶さんは大人しくしててくださいよっ!!」

「……はーい」

「あー、やっぱブン屋はブン屋かー。ちょっと安心した」

 確かに最近、別の側面が主張しまくってたからね。
 だけど、ここまで来て置いてきぼりくらうのはちょっと寂しいかも。
 どんな道具があるのか、僕も態度には出さなかったけど興味はあったのになぁ。
 あ、永琳さんが申し訳そうにこっちを見てる。

「ごめんなさいね。代わりと言ってはなんだけど―――てゐ」

「はいはい」

「貴女は晶さんの面倒を見てあげなさい。いい、永遠亭の‘隅々’まで案内するのよ? ……分かるわね」

「……なるほど、了解しましたー」

「えっと、端々に陰謀臭を感じさせる言動も含まれてますが、結論としては永遠亭を案内してくれると言う事でいいんですよね」

「ダメですよ晶さん! 変に疑いを持つのは彼女らに失礼ですっ」

「あーそうですねあやねぇのいうとおりです」

 ダメだこの人。完全にスクープに目が眩んじゃってる。
 普段あれだけ口を酸っぱくして言っている忠告すら記事のために投げ出すこの人は、困った事に僕の姉です。

「じゃ、早速行こうか晶。てゐちゃんが無料で案内してあげるよ」

「うわっ、ちょっと!?」

 てゐが僕の腕を掴み、勢いよく引っ張っていく。
 まるで、これ以上話していたら何かに気づかれると言わんばかりだ。
 永琳さんも同じように、文姉を連れてどこかに行こうとしている。
 ……嫌な予感がガンガンするなぁ。
 果たして僕は、生きてここから帰ってこれるんだろうか。










「まったく、てゐの影響かしら……兎の悪戯好きにも困ったものね」


「おかげでお茶をいれるのも一苦労よ」


「お待たせしました。お茶持ってきました――って、あれ?」


「え? 何で誰もいないの? え? え?」










「それにしても、なんだかちぐはぐな所だよね、永遠亭って」

 しばらくてゐに促されるまま永遠亭案内を受けていた僕は、何とはなしに呟いた。
 そんな僕の言葉に、てゐが不思議そうな顔して振り返る。

「およ? なんだい急に」

「いや、なんか紹介されてて思ったんだけど、ここってちょっとおかしくない?」

「どこらへんが?」

「……微妙にだけど、なんか「外国から見た誤った日本」的な感じがするんだよね」

 基本的に、永遠亭は造りも中身も完全な和の屋敷である。
 診療所でもあるため、幾つか現代テイストな部分も見受けられるけど、根本のところは公家屋敷だ。
 周囲の竹林を風景の一部とした庭等、雅さを重視した工夫も随所に見えるあたり、主人のセンスはかなりのモノだと思われる。
 ……あれ? おかしいな、どこにも誤った所が見つからないぞ?

「―――なるほどね。推測は思いつき半分とは、鴉天狗も良く言ったもんだ」

「ほへ?」

「あながち間違ってないって事だよ。日本滞在歴はアンタより長い外国人だけどね」

「えーっと、それってつまり……どういう事?」

「……ここの住人はね、月に住んでたのさ」

「へっ? 月?」

 思わず、屋敷の外を見つめてみる。
 とは言え今の時間では、月どころか夜の空すら見えないワケだけど。
 そんな僕の態度に、てゐは愉快そうに笑いだす。

「その様子だと、永夜異変関連の事は何も知らないみたいだね」

「……永夜異変?」

「困った主人の無茶ぶりを、もっと困った従者が叶えようとしておこしたイザコザの話だよ」

 肩をすくめながら、皮肉げな笑みを浮かべるてゐ。
 話の流れから考えると、永遠亭の人たちが関わっている事件なんだろう。
 むしろてゐの表情からすると、その永遠亭の人たちが起こしたイザコザなのかもしれない。
 ……だとすると、主人が永琳さんで従者がレイセンさん?
 てゐが自分の事を「もっと困った」と言うとは思えないから、妥当な組み合わせだと思うけど。
 被害者ポジション以外の定位置を考えられない彼女が、無茶ぶりとは言えイザコザを起こせるのかなぁ?

「ああ、言っておくけど鈴仙は関係ないよ」

 こちらの考えをあっさりと見透かしたてゐが、意地悪な顔で僕の勘違いを指摘する。
 なんだ、やっぱり違ってたか。
 僕としてもこれはないと思っていたから、否定されても驚きはしなかった。
 と言う事は、やっぱり……。

「居るんだね? 永遠亭には永琳さんの他に、本当の主と言うべき人が」

「居るよ。と言うより、私はししょーが一番偉いなんて言った覚えはないよ」

「……確かに、元締めをやってるからと言って、その人が一番偉いとは限らないけどさ」

「そういう事だよ。まートップってのは、元締め共が足並みを揃えるために祭り上げた奴を指す言葉だしね」

「いや、腹黒キャラの広辞苑から引用した言葉を常識のように語られても」

 そしてその理屈が事実だとすると、永遠亭の主も祭りの御神輿だって事になりませんか。
 ……自分の師匠も「もっと困った従者」扱いしてるし、てゐって永遠亭の一員の割には自由だよなぁ。

「あ、ちなみに私は月の住人じゃないから、永遠亭でもちょっと特殊な立ち位置にいるんだよね」

「へ? そうなの?」

「前に言ったじゃん、私は永遠亭の成立にも関わってるって。いくら時間があると言っても、月の奴らがいきなり地上に拠点は作れないよ」

「てゐは地上に来てからの協力者って事? なら何で永琳さんの事を師匠って……」

「それが取引の結果なんだけど―――これ以上先は、私よりトップに聞いた方が早いかもね」

「……トップ?」

 てゐがぴょんと跳んで後方に下がった。
 真横にある柱の一つに触れ、何故か僕に向かって手をヒラヒラと振るう。
 その仕草に嫌な予感を感じた僕は、慌てて自分の足元を確認した。
 良くある板張りの廊下には、何かが仕掛けられているとは思えない。
 なら上かな?

「勘は鋭いし頭も切れるけど、相変わらず危機感はないねぇ。残念でした、下であってるよ」

 てゐの触れている柱の一部が軽く凹む。
 それに合わせ、僕の立っていた廊下にぽっかりと穴が開いた。
 ……あの、この穴まるで地獄に繋がっていそうなほど深いんですけど、コレいつのまに用意したんですか?

「と、飛んで……」

「良いから落ちんかい」

「ひでぶっ!?」

 おもっ!? そして痛っ!?
 背中に凄い衝撃と重量が加えられる。
 何これ重たい!? 何を乗せられたのっ!?
 上からの衝撃に踏ん張れなくなった僕は、そのまま重しと一緒に穴の中へと落ちていく。

「うわぁぁぁぁぁあああんっ! 覚えてやがれこの兎詐欺ーっ!!」

「やだーっ」

「後でお詫状送るだけでもいいから、ちゃんと謝れーっ!!」

「やだーっ」

「うわぁぁぁぁあああんっ! 泣いてやるぅぅぅぅぅぅううっ!! 生きてても死んでてもてゐの枕元でシクシク泣きじゃくってやるぅぅう!!!」

「………余裕あるなぁ」

「ぎゃふんっ!?」

「あ、落ち切った。……つーか今、かなりヤバい音したね」

 落下の衝撃と上に乗ったモノの重量でサンドイッチプレスを受けた僕の意識は、一気に失われていった。
 やっぱりこの兎詐欺は、安易に信用する事ができないと切に思いましたとも。
 ――文姉、皆。僕は帰れないかもしれません。

「まーいいや。頼まれた仕事はこなしたし、戻って鈴仙で遊んでよーっと」

 遠ざかるてゐの足音だけが、遠のいた意識の中で何故かはっきりと聞こえるのだった。










「ふふっ、良くきたわね。御客人」


「私はこの永遠亭の主―――貴方には、なよ竹のかぐやと名乗った方が分かりやすいかしら」


「……あのね。驚いたのなら驚いたなりに反応ってものがあるでしょう?」


「なによ。この私を無視するなんていい度胸して―――ってきゃぁぁぁああっ!?」


「なんで!? なんでこの子、石を過積載した金ダライに押しつぶされているわけっ!?」


「ちょ、なんか出てる、なんか出てるーっ!?」


「えーりん!? ちょっとえーりん!? 助けてよえーりぃぃぃぃぃぃん!!」



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