<このWebサイトはアフィリエイト広告を使用しています。> SS投稿掲示板

その他SS投稿掲示板


[広告]


No.8576の一覧
[0] 東方天晶花 (東方project+オリ主)【完結+未来語りⅡ追加】[ラリアー](2011/04/19 08:33)
[1] 巻の起「はじまり はじまり」 ~Welcome the beginner of the fantasy~[ラリアー](2009/11/06 15:52)
[2] 東方天晶花 巻の一「百聞は一見に如かず」[ラリアー](2009/11/06 15:51)
[3] 東方天晶花 巻の零点五「口は災いの元」[ラリアー](2009/11/06 15:51)
[4] 東方天晶花 巻の二「女心と秋の空」[ラリアー](2009/11/06 15:51)
[5] 東方天晶花 巻の三「人の振り見て我が振り直せ」[ラリアー](2009/11/06 15:51)
[6] 東方天晶花 巻の四「袖振り合うも多生の縁」[ラリアー](2009/11/06 15:51)
[7] 東方天晶花 巻の五「芸は身を助く」[ラリアー](2009/11/06 15:51)
[8] 東方天晶花 巻の五点五「知らぬが仏」[ラリアー](2009/11/06 15:52)
[9] 東方天晶花 巻の六「帯に短し襷に長し」[ラリアー](2009/11/06 15:52)
[10] 東方天晶花 巻の七「暗がりに鬼を繋ぐ」[ラリアー](2009/11/06 15:52)
[11] 東方天晶花 巻の八「鬼が出るか蛇が出るか」[ラリアー](2009/11/06 15:53)
[12] 東方天晶花 巻の九「親しき仲にも礼儀あり」[ラリアー](2009/11/06 15:53)
[13] 東方天晶花 巻の十「身から出た錆」[ラリアー](2009/11/06 15:53)
[14] 東方天晶花 巻の十点五「親の心子知らず」[ラリアー](2009/11/06 15:53)
[15] 東方天晶花 巻の十一 「縁は異なもの味なもの」[ラリアー](2009/11/06 15:53)
[16] 東方天晶花 巻の十二「玉磨かざれば器を成さず」[ラリアー](2009/11/06 15:53)
[17] 東方天晶花 巻の十三「藪を突突いて蛇を出す」[ラリアー](2009/11/06 15:53)
[18] 東方天晶花 巻の十四「精神一到何事か成らざらん」[ラリアー](2009/11/06 15:54)
[19] 東方天晶花 巻の十五「竹馬の友」[ラリアー](2009/11/06 15:54)
[20] 東方天晶花 巻の十五点五「呉越同舟」[ラリアー](2012/01/16 10:42)
[21] 東方天晶花 巻の十六「鷺を烏」[ラリアー](2009/11/06 15:54)
[22] 東方天晶花 巻の十七「無用の用」[ラリアー](2009/11/06 15:54)
[23] 東方天晶花 巻の十八「羹に懲りて膾を吹く」[ラリアー](2009/11/06 15:54)
[24] 東方天晶花 巻の十九「上に交わりて諂わず下に交わりて驕らず」[ラリアー](2009/11/06 15:54)
[25] 東方天晶花 巻の二十「用心は勇気の大半なり」[ラリアー](2009/11/06 15:55)
[26] 東方天晶花 巻の二十一「烏に反哺の孝あり」[ラリアー](2012/01/30 18:40)
[27] 東方天晶花 巻の二十二「子は三界の首枷」[ラリアー](2009/11/06 15:55)
[28] 東方天晶花 巻の二十三「立てば芍薬 座れば牡丹 歩く姿は百合の花」[ラリアー](2012/01/16 10:47)
[29] 東方天晶花 巻の二十三点五「画竜点睛」[ラリアー](2009/11/06 15:55)
[30] 東方天晶花 巻の二十四「情けは人の為ならず」[ラリアー](2009/11/06 15:55)
[31] 東方天晶花 巻の二十五「コチョウノユメ」[ラリアー](2009/11/06 15:55)
[32] 巻の承「それから それから」 ~The world of extending fantasy~[ラリアー](2009/11/21 02:27)
[33] 東方天晶花 巻の二十六「その日その日が一年中の最善の日である」[ラリアー](2009/11/06 15:56)
[34] 東方天晶花 巻の二十七「真の友愛においては、 私は友を自分のほうにひきつけるよりもむしろ自分を友に与える」[ラリアー](2009/11/06 15:56)
[35] 東方天晶花 巻の二十八「青春は短い。宝石の如くにしてそれを惜しめ」[ラリアー](2009/11/06 15:57)
[36] 東方天晶花 巻の二十九「時というものは、 それぞれの人間によって、 それぞれの速さで走るもの」[ラリアー](2009/11/06 15:57)
[37] 東方天晶花 巻の三十「不幸な人間は、いつも自分が不幸であるということを自慢しているものです」[ラリアー](2009/11/06 15:57)
[38] 東方天晶花 巻の三十一「食卓は、最初の間は人々が決して退屈することのない唯一の場所である」[ラリアー](2012/01/30 18:41)
[39] 東方天晶花 巻の三十二「軽信は大人の弱点であるが、子供にとっては力である」[ラリアー](2009/11/06 15:57)
[40] 東方天晶花 巻の三十三「怒りは他人にとって有害であるが、憤怒にかられている当人にとってはもっと有害である」[ラリアー](2009/11/06 15:57)
[41] 東方天晶花 巻の三十四「進歩とは、価値の置換によって生ずる錯覚にほかならない」[ラリアー](2009/11/06 15:58)
[42] 東方天晶花 巻の三十四点五「雨は一人だけに降り注ぐわけではない」[ラリアー](2009/11/06 15:58)
[43] 東方天晶花 巻の三十五「主よ、助けてくれとは申しません。私の邪魔をしないで下さい」[ラリアー](2015/01/19 22:38)
[44] 東方天晶花 巻の三十六「命と引き換えに金を欲しがるのは強盗であるが、女はその両方とも欲しがる」[ラリアー](2009/11/06 15:58)
[45] 東方天晶花 巻の三十七「苦痛には限度があるが、恐怖には限度がない」[ラリアー](2009/11/06 15:58)
[46] 東方天晶花 巻の三十八「成功する人は錐のように、ある一点に向かって働く」[ラリアー](2009/11/06 15:58)
[47] 東方天晶花 巻の裏側「教えろ! 山田さんっ!!」[ラリアー](2009/11/06 15:59)
[48] 東方天晶花 巻の三十九「事を行うに当って、いつ始めよう等と考えている時には、既に遅れをとっているのだ」[ラリアー](2009/11/06 15:59)
[49] 東方天晶花 巻の四十「善良な性格は法律よりもさらに信頼ができる」[ラリアー](2013/05/27 22:17)
[50] 東方天晶花 巻の四十一「人間が幸福であるために避けることのできない条件は勤労である」[ラリアー](2012/02/06 13:03)
[51] 東方天晶花 巻の四十二「良い判断は無分別な親切に勝る」[ラリアー](2013/05/27 22:20)
[52] 東方天晶花 巻の四十三「病気は千もあるが、健康は一つしかない」[ラリアー](2009/11/16 01:55)
[53] 東方天晶花 巻の四十四「この瞳を、どうしてにごしてよいものか」[ラリアー](2009/11/21 02:31)
[54] 東方天晶花 巻の四十五「公にされることを望む慈善はもう慈善ではない」[ラリアー](2013/06/10 19:50)
[55] 東方天晶花 巻の四十六「報酬への期待を行動のバネとする人にはなるな」[ラリアー](2013/04/22 19:40)
[56] 東方天晶花 巻の四十七「言葉で説教するよりも、あなたの生き方そのものがより良い説教となろう」[ラリアー](2013/05/06 23:58)
[57] 東方天晶花 巻の四十八「真実には特定の時などない。真実はどんな時代にも真実である」[ラリアー](2012/02/06 13:06)
[58] 東方天晶花 巻の四十九「正義は永遠の太陽である。世界はその到達を遅れさせることはできない」[ラリアー](2012/02/06 13:07)
[59] 東方天晶花 巻の五十「希望に満ちて旅行することは、目的地にたどり着くことより良いことである」[ラリアー](2010/01/07 20:28)
[60] 東方天晶花 巻の五十一「人間の真の性格は、彼の娯楽によって知られる」[ラリアー](2010/01/14 13:33)
[61] 東方天晶花 巻の五十二「恋愛は人を強くすると同時に弱くする。友情は人を強くするばかりである」[ラリアー](2013/05/06 23:58)
[62] 東方天晶花 巻の五十二点五「不思議なものは多い。しかし人間ほど不思議なものはない」[ラリアー](2010/01/24 18:04)
[63] 東方天晶花 巻の五十三「最強者の理屈が、いつも最も良いとされる」[ラリアー](2013/06/10 19:50)
[64] 東方天晶花 巻の五十四「怒りの結果は、怒りの原因よりはるかに重大である」[ラリアー](2010/02/07 06:05)
[65] 東方天晶花 巻の五十四点五「自負は常に他人の感嘆によって強化される」[ラリアー](2010/02/14 09:54)
[66] 東方天晶花 巻の五十五「友情は最初、残酷なほど明確にものを見る」[ラリアー](2012/02/18 15:06)
[67] 東方天晶花 巻の五十六「至上の処世術は、妥協することなく適応することである」[ラリアー](2010/02/24 21:21)
[68] 東方天晶花 巻の五十七「あまり道徳的になるな。自分を欺いて人生を台無しにしてしまう」[ラリアー](2010/03/03 17:18)
[69] 東方天晶花 巻の五十八「慣習とは反対の道を行け。そうすれば常に物事はうまくいく」[ラリアー](2010/03/10 21:29)
[70] 東方天晶花 巻の五十九「自尊心は美徳ではないとしても、それは多くの美徳の両親である」[ラリアー](2010/03/30 01:45)
[71] 東方天晶花 巻の五十九点五「まず事実をつかめ。それから思うままに曲解せよ」[ラリアー](2010/03/23 17:54)
[72] 東方天晶花 巻の六十「活動的な馬鹿より恐ろしいものはない」[ラリアー](2010/03/30 01:46)
[73] 東方天晶花 巻の六十一「行動するためには、いかに多くの事に無知でなければならぬ事か」[ラリアー](2012/02/26 08:32)
[74] 東方天晶花 巻の六十二「勇敢な行為は、決して勝利を欲しない」[ラリアー](2010/04/20 00:01)
[75] 東方天晶花 巻の六十三「忍耐とは、肉体的な小心と道徳的勇気の混じり合いである」[ラリアー](2012/02/26 08:56)
[76] 東方天晶花 巻の六十四「神の存在を立証しようとするあらゆる試みは、すでに神に対する冒涜である」[ラリアー](2012/02/26 08:57)
[77] 東方天晶花 巻の六十五「行動はいつも幸せをもたらすものではないが、行動なくしては幸せはない」[ラリアー](2012/03/03 12:21)
[78] 幻想郷うろ覚え童話「モモタロウ」[ラリアー](2010/05/08 00:56)
[79] 東方天晶花 巻の六十六「運命は我々の行為の半分を支配し、他の半分を我々自身にゆだねる」[ラリアー](2012/03/03 12:25)
[80] 東方天晶花 巻の六十七「王国を統治するよりも、家庭内を治めることのほうが難しい」[ラリアー](2010/05/20 10:28)
[81] 東方天晶花 巻の六十八「常識の有無は教育の有無とは関係ない」[ラリアー](2010/05/27 01:01)
[82] 東方天晶花 巻の六十九「不正の存在を前にして黙する人は、実は不在の共犯者にほかならない」[ラリアー](2010/06/02 00:17)
[83] 東方天晶花 巻の七十「馬は死ぬ前に売ってしまうことだ。人生のコツは、損失を次の人に回すこと」[ラリアー](2012/03/15 18:46)
[84] 東方天晶花 巻の七十一「人間は自分の知っていることなら半分は信じるが、聞いたことは何も信じない」[ラリアー](2013/05/12 23:50)
[85] 東方天晶花 巻の七十二「友人の失敗には目をつぶれ、だが悪口には目をつぶるな」[ラリアー](2012/03/15 18:47)
[86] 東方天晶花 巻の七十三「今が最悪の状態と言える間は、まだ最悪の状態ではない」[ラリアー](2012/03/26 23:52)
[87] 東方天晶花 巻の七十四「学校での成績がよいからといって、社会で認められるとは限らない」[ラリアー](2010/07/07 00:16)
[88] 東方天晶花 巻の七十五「神はあらゆる人間のうちに住むが、すべての人間は神のうちに住まず」[ラリアー](2010/07/21 10:29)
[89] 東方天晶花 巻の七十六「苦しんで強くなることがいかに崇高なことであるかを知れ」[ラリアー](2012/03/26 23:53)
[90] 東方天晶花 巻の七十六点五「家庭はどこで始まるか? 若い男と若い娘が恋愛に陥ることから始まる」[ラリアー](2010/07/28 01:23)
[91] 東方天晶花 巻の七十七「長いこと考え込んでいるものが、いつも最善のものを選ぶわけではない」[ラリアー](2010/08/04 00:06)
[92] 東方天晶花 巻の七十八「男に惚れられるような男でなければ、女には惚れられない」[ラリアー](2012/04/10 09:56)
[93] 東方天晶花 巻の七十九「二人の女を和合させるより、むしろ全西欧を和合させる事の方が容易であろう」[ラリアー](2010/08/25 00:02)
[94] 東方天晶花 巻の八十「友情は瞬間が咲かせる花であり、そして時間が実らせる果実である」[ラリアー](2010/09/07 22:54)
[95] 東方天晶花 巻の八十一「文学は商売と芸術が半々であるとき最も栄える」[ラリアー](2010/09/08 00:07)
[96] 東方天晶花 巻の八十一点五「さすらいと変化を愛するものは生ある者である」[ラリアー](2010/09/13 00:07)
[97] 東方天晶花 巻の八十二「絶望とは、闘う理由を知らずに、しかもまさに闘わねばならないということだ」[ラリアー](2010/09/27 01:22)
[98] 東方天晶花 巻の八十三「真の勇気というものは、極端な臆病と無鉄砲との中間にある」[ラリアー](2010/09/27 01:23)
[99] 東方天晶花 巻の八十四「今日は堂々と勇ましく、そして明日は墓の中」[ラリアー](2012/04/15 23:09)
[100] 東方天晶花 巻の八十五「賽は投げられた」[ラリアー](2012/04/23 22:15)
[101] 巻の転「むかし むかし」~the end of fantasy~[ラリアー](2010/10/20 23:50)
[102] 東方天晶花 巻の八十六「未知になるって言うのは、死んじゃうのと同意義なのさ」[ラリアー](2010/10/30 18:11)
[103] 東方天晶花 巻の八十七「宴には上等の酒と上等の肴があれば充分よ」[ラリアー](2012/04/23 22:24)
[104] 東方天晶花 巻の八十八「幻想郷は、宴会も自由だなぁ」[ラリアー](2010/11/06 11:22)
[105] 東方天晶花 巻の八十九「溜まったツケを払わないと、新しい事は始められないでしょ?」[ラリアー](2010/11/13 00:39)
[106] 東方天晶花 巻の九十「世間から必要とされない音楽はこうやって消えていくのね~」[ラリアー](2010/11/20 00:02)
[107] 東方天晶花 巻の九十一「この幸せ者共め! お代は聞いてのお帰りだよっ!!」[ラリアー](2010/12/02 00:44)
[108] 東方天晶花 巻の九十二「他人のペースに合わせて自分を見失ってはダメなの」[ラリアー](2010/12/09 00:03)
[109] 東方天晶花 巻の九十三「人や妖怪と一緒、家にも色んな形があるの」[ラリアー](2010/12/16 10:51)
[110] 東方天晶花 巻の九十四「まるで、巌流島の決闘みたいね」[ラリアー](2010/12/23 00:57)
[111] 東方天晶花 巻の九十五「きっと貴方自身ですら知らない秘密を教えてくれるわよ」[ラリアー](2010/12/30 00:21)
[112] お正月特別変「フタマルイチイチ、ヲトシダマ異変」[ラリアー](2012/05/14 17:48)
[113] 東方天晶花 巻の九十六「正直で結構! あたいも生きてる奴を運ぶほど暇じゃないからね」[ラリアー](2011/01/13 00:03)
[114] 東方天晶花 巻の九十七「半端な智慧は時として、無知よりも罪深き業となります」[ラリアー](2012/05/29 01:47)
[115] 東方天晶花 巻の裏側弐「スキマ妖怪が教えてア・ゲ・ル♪」[ラリアー](2011/01/26 10:35)
[116] 東方天晶花 巻の九十八「やがて辿り着く結果までは、この閻魔にも見通せません」[ラリアー](2011/02/02 00:55)
[117] 東方天晶花 巻の九十九「胸を張れとは言わないけどさ、お礼くらいはちゃんと受け取りなよ」[ラリアー](2011/02/09 00:02)
[118] 東方天晶花 巻の百「譲れないモノがあるなら死んでも守り切りなさい」[ラリアー](2011/02/16 00:20)
[119] 東方天晶花 巻の裏側参「もう一度教えろ! 山田さんっ!!」[ラリアー](2011/02/23 02:18)
[120] 東方天晶花 巻の百一「幻想郷らしく、力尽くで居場所を‘奪って’きます」[ラリアー](2011/03/01 00:02)
[121] 東方天晶花 幕間「誰が為に鐘は鳴る」[ラリアー](2011/03/08 11:09)
[122] 東方天晶花 巻の百二「つまりはいつも通り、一か八かの出たとこ勝負をするワケね」[ラリアー](2011/03/15 01:59)
[123] 東方天晶花 幕間・弐「久遠の空に舞い踊る風花」[ラリアー](2011/03/22 00:01)
[124] 東方天晶花 巻の百三「―――切り札ならありますよ。最低最強、とっておきの一枚がね」[ラリアー](2011/03/29 08:04)
[125] 巻の結「めでたし めでたし」~The fantasy continues~[ラリアー](2011/04/11 23:50)
[126] 東方天晶花 キャラ紹介(第九十五話まで[ラリアー](2012/05/29 01:48)
[127] 天晶花・昔語り①「晶と隙間とお茶会と」[ラリアー](2009/11/26 19:11)
[128] 天晶花・昔語り②「晶と隙間とお袋の味と」[ラリアー](2009/12/17 01:51)
[129] 天晶花・昔語り③「晶と巫女とカラオケと」[ラリアー](2010/08/18 04:29)
[130] 天晶花・昔語り④「早苗と神と悪戯メールと」[ラリアー](2010/11/27 00:04)
[131] 天晶花・未来語りⅠ「次代のユウウツ」[ラリアー](2012/06/04 21:40)
[132] 天晶花・未来語りⅡ「賢人のわりといつも通りな一日」[ラリアー](2012/06/04 21:41)
感想掲示板 全件表示 作者メニュー サイトTOP 掲示板TOP 捜索掲示板 メイン掲示板

[8576] 東方天晶花 巻の三十四「進歩とは、価値の置換によって生ずる錯覚にほかならない」
Name: ラリアー◆536635cd ID:9d10842d 前を表示する / 次を表示する
Date: 2009/11/06 15:58

巻の三十四「進歩とは、価値の置換によって生ずる錯覚にほかならない」




 やっほー☆ みんなのアイドルてゐちゃんだピョン。
 私の力で幸せにして欲しい子は、永遠亭の裏手にあるポストに在るだけお金を振り込んでねっ。
 とまぁ、軽い冗談を挟んだところで話を元に戻そう。
 さてさて、上手い具合に鈴仙を乗せて実現させた、晶対鈴仙の弾幕ごっこなんだけど。
 ……しょっぱなから随分とおかしな事になってきたねー。

「な、なによそれ! 仮装のつもり!? とことん馬鹿にしてっ」

 鈴仙がくってかかるのも、また当然の話だ。
 晶の格好は、今までの腋メイド服に鴉天狗の要素を加えたコスプレみたいな姿になっている。
 氷でできた衣装一式を身につけているとかなり寒いと思うんだけど……晶は、全然平気そうだねー。

「ねぇ、あやや。晶って全力出すとあんな風に戦うの?」

「あややって……まぁいいですけど。とりあえず私の知る限り、晶さんがあんな格好した事はなかったはずです」

 と言う事は、今回初めて見せた姿って事か。
 ふーむ。鈴仙は仮装だ何だと怒っているけど、本当にそうなのかね?
 付き合いなんてほとんど無い間柄だけど、アイツがなんだかんだで無駄な事をやらないのは分かってたつもりなんだけどなー。
 まぁ、結果的に無駄になる事はしそうだけどね。うっかりしてそうだし。
 ひょっとしてあの仮装にも、何かしらの意味があるのかな?

「おやおや、馬鹿にしているとは心外です。わたくし至って真剣に対峙しているつもりですよ?」

「それならそのふざけた喋り方を引っ込めなさいっ」

「これは失礼いたしました。まさかレイセンさんが口調の変化も受け入れられないほど短慮な方でしたとは、この晶ついぞ知りませんでしたので」

「あ、ああいえばこういって……」

 氷の葉団扇――氷団扇? を仰ぎながら、余裕の表情で微笑む晶。
 その口調も態度も、今までの晶とは全然違う。なんか色々とウザくなってる。

「それよりもよろしいのですか?」

「な、何よ」

「いえいえ、「徹底的に狂わせてやる」と勢いこんでいたわりに一向にしかけてきませんので、いかがなされたのかなぁと思いまして」

「―――っ、上等よ。その口、無理やりにでも閉じてもらうわっ」

「おおっ、怖い怖い」

 別人に変わったような晶の挑発的な言葉で、戸惑っていた鈴仙の怒りに再び火が付く。
 指先を銃の形に変え、彼女は悠然と佇んでいる晶に向って先端を突き付けた。
 そして再び、怒りの言葉を口にしようとする鈴仙。
 しかしその言葉を私達が聞く事は叶わなかった。
 いきなり相手を見失った彼女は、怒りではなく驚愕の言葉を漏らしたからだ。

「……えっ?」

「申し訳ありませんが、わたくし痛いのは苦手なんですよ。なのでそこまで言われてしまっては逃げる他ありません」

「う、後ろっ!?」

 鈴仙が振り返っても、そこに晶は存在していない。
 動揺する彼女をあざ笑うかのように、再び晶は鈴仙の背後を取っていた。
 ……速い。鈴仙が振り返るあの一瞬で、あそこまで移動するなんて。

「あんっ♪ その真っ赤なお目目で私を見ないでください。狂わされてしまいます☆」

「い、いい加減ふざけるのを止めなさい! 背後をとったくらいで調子にっ」

「はい残念。今度は真正面です」

「えっ!?」

 完全にペースを握った晶が、からかう様に鈴仙に囁く。
 宣告通り戸惑う彼女の真正面には、今までと同じく気楽な姿勢で佇んでいるアイツがいた。

「こ、このっ! とことん馬鹿にして!!」

「おおっ、怖い怖い」

「くっ、あ、当たらないっ」

 咄嗟に放った鈴仙の弾幕を、晶は最小限の動きで回避していく。
 距離を詰めるでもなく、反撃するでもなくただ避けるだけの晶の姿に、鈴仙の焦りは増していくようだった。
 ……なるほど、態度こそ別人になっているけど、中身はアイツのまんまなのか。
 一見すると挑発に見えるその行動で、私の疑問は氷解した。

「上手いわね、あの子。戦術的な思考ってモノが分かっているわ」

 師匠も同じ結論に達したのか、感嘆の言葉を呟いた。
 鈴仙は……ダメっぽいね。馬鹿にされてるとしか思ってないみたい。
 まったく、言動と行動にすっかり惑わされてるから、相手の挑発が‘挑発でない’事に気づかないんだよ。
 晶のスピードを考えれば分かるだろうに。真正面にいようが背後にいようが、アイツは一瞬あれば別の場所に移動できるんだよ?
 むしろ今の行動で、鈴仙の頭には「いなくなったからといって後ろにいるとは限らない」という疑念が差し挟まれてしまった。
 頭に馬鹿がつくほど正直だからなぁ、鈴仙は。策士タイプに弱いんだよねー。

「……アレは、いや、まさか」

「ん? どしたのあややん」

「いえ、何でも無いです。後、せめて呼称は統一してください」

 晶の謎の変貌に、自称晶の姉である文は色々考えているようだ。
 まー、作戦だと考えてもあのキャラチェンジは異常だよね。
 その事に関して、なーんか引っかかってる気もするんだけどさー。
 なんだったっけ? 私は別に当事者じゃないから、ゆっくり考えても全然問題ないんだけどね。

「―――のっ、ならこれでどう!!」



 ―――――――幻爆「近眼花火(マインドスターマイン)」



 鈴仙のスペルカードが発動する。
 八方に広がる爆風。なるほど、弾幕ごっこらしく数撃って当てに来たか。
 ……だけどそれ、今までの展開から考えると明らかに読まれちゃってるよねー。

「助かりましたよ、‘実弾系’の弾幕で。‘幻覚系’の技だったら避けるしかありませんでしたからね」

 仮面の奥に鋭い光を放つ瞳を湛え、ボソリと晶が呟く。
 あっちゃー、やっぱりそこまで読まれてたのか。



 ―――――――風符「天狗道の開風」



 振るわれた氷団扇から、放たれる竜巻。
 それは、鈴仙を包囲するように風の壁を作りだす。
 ……あれ? 直接攻撃じゃ無い?
 てっきり鈴仙の攻撃を捌きつつ反撃するのかと思ったんだけど、晶の攻撃はそもそも鈴仙に掠ってすらない。
 おっかしいな。私の読み間違いだったかな。

「うどんげ! 下がりなさいっ!!」

「へっ? 師匠、なにを……ってうわっ!?」

 ししょーが叫ぶと同時に、‘鈴仙のスペルカードが鈴仙に襲いかかって’きた。
 逆再生するかのように戻ってくる爆風を、鈴仙は回避しようと試みる。
 だが、それを竜巻が阻止した。周囲を覆う風の壁は、逃げようとする鈴仙の身体を押しとどめる。
 うわっ、そう言う事か。えげつなっ。
 晶が作ったのは、風による通り道と封鎖壁だ。
 鈴仙の弾幕を風で誘導し相手に返しつつ、その風で同時に相手の動きを阻害する。
 ……まさしく攻防一体。っていうかマジで上位の鴉天狗並に風を使いこなしてない? 晶のヤツ。

「天狗のスペルカード――なるほど、見た目だけではないという事ね」

 ししょーが感嘆の言葉を口にする。
 確かに、晶の強さをただのコスプレと断じるのは難しい。
 あまりにも、鴉天狗‘らし過ぎる’のだ。
 晶が人間であるという事を、思わず忘れてしまうくらいに。
 
「ってそうか、狂気の魔眼!」

「てゐ? いきなりどうしたの?」

「あまりにも晶のキャラが変わってたから、おかしいとは思ってたんですよ。だけど、今その理由に思い当りまして」

 いくつか着弾しつつも、鈴仙は己の弾幕で何とか相殺する事に成功した。
 だが、その間にも晶は動きを止めない。
 休ませる時間も与えず戦闘続行か。本来の性格を考えると、信じられないくらいシビアな事するね。

「別人を演じている……という感じじゃないでしょう?」

「確かにそうみたいね。そしてその理由が、狂気の魔眼だと言うのかしら」

「そういう事なんですよ」

「―――そういえば、さっき晶さんが「狂気の魔眼を覚えた」と言ってましたね」

「私もうどんげからその話は聞いているわ。では彼の人格の変貌は……」
 
「そういう事です。アレは狂気の魔眼を使った、別人格の貼り付けなんですよ」

 まさか、‘自分に’魔眼を使うなんてね。本当に発想がぶっ飛んでいるヤツだ。
 だけどこれで、今までの「不自然」に説明がついた。
 波長を弄る事による性格の改変―――いや、違う人格の固着。
 氷で作った小道具も、全ては別の自分になる為の演出だったワケだ。
 ……なるほどねぇ、だからわざわざあんな仮面をつけたのか。
 自分の波長を弄って別の人格を張り付けるなんて技、実際のところ気楽にやれはしない。
 例えそれが「偽物」の人格だったとしても、何度もそれを演じていれば「本物」の人格を侵食してしまうことだってある。
 ましてやアレだけ強烈な個性を持った性格だ。下手すれば一発で「自分」を食われてしまう可能性だって捨て切れない。
 だからこそ、晶は仮面をつけた。
 あれは別人格をよりスムーズに固定させるための道具であると同時に、確実に性格を切り替えるためのスイッチでもあると言う事なのだ。
 まー、そういう工夫をしたとしても、食われる時は食われるけどね。
 ほんとチャレンジャーだよねー。晶って。

「……だけど、それだけじゃないわね」

「へっ? それだけじゃないってどういう事ですか?」

「ただのモノマネじゃない、と言う事よ。あれは、本人のイメージの具現化と言っていいわね」

「イメージの具現化……ですか」

「本人が「鴉天狗」に抱いているイメージ。それを、自分の能力を掛け合わせる事によって現実化してるのよ」

 うーむ、さすがはししょー。
 良くもまぁほんの僅かな情報から、そこまでの事を推測できるもんである。
 確かに、私が確認しただけでも結構な量の能力を持っている晶だ。その力を掛け合わせれば別人になりきる事も可能だろう。
 だけどそれは、そのままならただのモノマネにしかならない。―――そう、そのままなら。
  
「狂気の魔眼による人格修正は、偽物を本物に変える最後の仕上げと言う事ですか」

「そういう事よ。まったく、とんでもない技を思いつく人間がいたものね」

「へ? それはどういう事ですかね、ししょー?」

「分からない? 肉体のポテンシャルとイメージの強さにもよるだろうけど、あの子のモノマネはオリジナルを超える事すら出来るのよ?」

「オリジナルを超える……」

 そうか。確かにししょーの言う通りだ。
 想像と言うのはどれほど現実に近くても、あくまでもその人物の持つ認識でしかない。
 本来の存在以上に捉えていることだってあるだろうし、その逆も然りだ。
 だから晶が相手を実力以上に捉えていれば、想像は現実を凌駕する事になる。
 ……確かに、これはとんでもない技だ。まさか‘過大評価’が武器になるなんて。
 
「晶が、鴉天狗という存在を強く思っていれば思っているほど、あの面をつけた晶は強くなるって事か」

 もちろん元となる存在がある以上、戦法や技などは限定されてしまうだろうけど。
 ここまでの仮定が真実なら、その程度の制限など問題にすらならないはずだ。
 いやー、凄いわ晶ってば。素直に感服するよ。

「おやおや、どうしました? 自慢の狂気の瞳も、相手を見れなきゃ意味がないようですねぇ」

「う、ウザい。なんてウザいのよコイツ!」

 他の「誰か」に成りきった晶が、鈴仙をかく乱し続ける。
 その仕草は、言ってしまえば晶がその「誰か」に抱いているイメージそのものだというわけで。

「ふふ、ふふふ、ふふふふふ、晶さんはユーモアのセンスに溢れていますね。お姉ちゃんはビックリです」

「……本人の目の前で、勇気あるなぁアイツ」

「そうねぇ」

 恐らく、というかほぼ間違いなく‘イメージ元’の、自称晶の姉であるブン屋が暗い笑みを浮かべた。
 ここまで技の概要が分かってしまえば、もはや多くを語る必要はないだろう。
 ……まー、自分のイメージがこんなウザいモノだったりすると、やっぱりショックなんだろうね。私はそっくりだと思ったけど。
 本当に凄いわ、感服する。良くもこんな命知らずな真似ができるもんだ。
 
「さて、テンポを変えますよっ!!」

 自分が姉の地雷を踏んだ事にも気づかずに、鴉天狗になりきった晶が新たな行動に移った。
 相手に気取られないための瞬間的な加速から、相手を惑わす為の目視可能な高速移動へとシフトする。
 緩急のあるかく乱からの急速な変化に、慣れ始めていた鈴仙が再度混乱し始める。
 応用が利かないからなぁ、鈴仙。
 だけど、いつまでもこうして相手をかき回しているだけじゃ限界が来るはずだ。
 すでに何度か致命的な隙を晒しているはずの鈴仙に、何故晶はとどめをささないのだろうか。

「まだかく乱を続けると言う事は、あの姿には確実が決め手がないと考えていいのかしら」

「でしょうね。……癪ですが、アレが私の姿を真似ているのなら得心がいきます」

「そうなの? あややんって攻撃力もそれなりにあったと思うけど」

「私はそうです。ですがその‘それなりにある’攻撃力を、晶さんには見せてないんですよ。元々、戦ってる姿も見せたワケでも無いですしね」

 なるほど。力の源が晶自身のイメージである以上、本人が出来る事でも知らなければ再現できないのか。
 だとすると今の晶には、具体的な決定打が無いという事になる。
 ……さて、どうするのかなー。いくら鈴仙でも、このままやられっぱなしなワケないし。

「―――甘いわね。いくら何でも私を舐め過ぎよ!」

「おおっ!?」

「私と同じ目を持っているなら分かるでしょう? 意外と応用が利くのよ、狂気の魔眼はっ」

 鈴仙の射撃が、晶の氷団扇を吹き飛ばす。
 疲労の色が濃い顔に笑みを湛え、彼女はようやく捉えた晶に弾幕を放った。
 ま、ただ速い程度じゃ、いくら鈴仙だって延々誤魔化されはしないか。
 今のは晶の戦術ミスだね。そしてこの失態は、今の状況では結構辛いハンデになるだろう。
 だけど晶のヤツ、ミスしたわりにはなんかヤケに落ち着いてない?
  
「さぁ、次は貴方の羽を奪うわよ!!」



 ―――――――喪心「喪心創痍(ディスカーダー)」



 放たれるスペルカード。速度を重視した弾幕が晶に向って飛んで行く。
 さっきの弾で軽く体勢を崩している晶に、それを避ける事はできないはずだ。
 弾丸が着弾しようとする、その直前。
 晶が、己の仮面に手をかけた。

「―――――四季面『花』」

「えっ!?」

 晶の仮面が、姿が切り替わる。
 顔半分を隠した面。前面だけを空けた氷のロングスカート。そして、晶自身と同じくらい巨大な氷の傘。
 サディスティックな笑みを浮かべ、晶はまた別の人物へと成り変わった。

「うそっ、一つじゃ無かったの?」

「あれは―――まさか、フラワーマスター!?」

「貧弱な弾幕ね。欠伸がでるわっ!!」

 晶が、氷の傘を振り回す。いや、傘の形を模して入るけど、あれはもう棍棒と言っても差支えないだろう。
 バカみたいにでっかい傘が起こす暴力の様な風の奔流に巻き込まれ、弾幕は軌道を変えた。

「そんな、私のスペルカードが……」

 呆然とする私達をよそに、晶は優雅に着地してみせた。
 傘を肩に引っ掛け、戸惑う鈴仙に対して冷笑を向けている。
 ……お、驚いた。他の面を用意していた事もそうだけど、力任せにスペルカードを破った事にも、私は驚嘆していた。 
 いくらあの花の妖怪を真似したとはいえ、まさかここまでの怪力が晶に宿るなんて。

「いえ、今のは違いますよ」

「へっ? どうしたのさ文っち、急に」

「てゐさんが勘違いしているようなので言っておきますが、アレは傘を振り回した勢いでふっ飛ばしたんじゃないんです」

「それじゃあなんで……」

「「風を操る程度の能力」でしょうね。役柄に入り込むための小細工とはいえ、ここまで巧妙にやると感嘆の声しか出てこないわ」

 あややの解説をししょーが引き継ぐ。
 なるほど、本物に及ばない部分は演出で誤魔化すわけか。
 ……でもそんな半端な再現が、奥の手って言うのはどうかと思うなー。

「もう少し、ぞくぞくする様な攻撃をしてほしいものね」

「ぐっ……なら、お望み通り強力なスペルカードでっ」

「残念、少し遅いわ」

 私達が考察している間にも、戦局は動く。
 新たなスペルカードを鈴仙が使おうとする前に、晶が彼女に接敵した。

「――うそ、はやっ」

 先ほどのような高速飛翔とは違う、ただ駆け出しだだけで鈴仙が相手を見失う程の肉体強化。
 フラワーマスターを真似た事で、晶の身体能力は天狗の面をつけていた時よりも遥かに強くなっていたようだ。
 射程内に近づいた晶は、担いでいた傘を勢いよく振り下ろした。
 鈴仙の顔色が変わる。ほとんど本能的に、彼女は真横へ跳んで逃げ出していた。
 ……そして、その判断は間違っていなかったようである。
 振りおろした傘は、まるでガラス細工を砕く様に地面に大きな亀裂を生みだした。

「へ――?」

「あ、あややっ」

「あらまぁ」

「    (声になってない)」

 ……わぁ、何それ。
 どうやら見誤っていたのは私のようだ。
 まさか、晶がフラワーマスターをここまで強大な存在だと認識していたとは。
 そんだけ馬鹿力を出せれば、もう演出とかいらないでしょうに。

「やるじゃない。じゃ、次行くわよ」

「あ、あわわ、あわあわ」

 鈴仙の顔色がどんどん青ざめていく。そして逆に、晶の顔は喜色に染まっていった。
 凄く楽しそうだ。なるほど、フラワーマスターを倣っているだけの事はある。……ちょっとサディスティック分が強めだけどね。
 しかも今度は一転して、一撃一撃が決定打になったワケだ。また極端な。

「はい」

「きゃぁーっ!?」

「ほら」

「うきゃーっ!?」

「えい」

「ひぃやぁー!?」

 軽そうな声とは裏腹に、一撃喰らえば折りたたまれそうな速度の攻撃が放たれ続ける。
 もはや、鈴仙に攻撃できる暇はなかった。
 あんな分かりやすく痛そうな攻撃を連発されれば、逃げに走るしかないだろう。
 どっかんばっかんと、とても打撃音とは思えない擬音が響き渡る。
 ……さっきのかく乱で疲労した鈴仙が、長い間耐えられるとも思えない。
 死ぬかもねぇ、鈴仙。

「いけない、このままじゃ……とりあえず距離をとって」

 大きく後ろに下がった鈴仙が、そのまま飛んで距離を取ろうとする。
 賢明な判断だ。少なくともあのまま近接戦闘を続けるよりはずっと賢い―――と思うんだけど。
 なんだろう、今の鈴仙の行動が死亡フラグにしか見えないんだけど。

「あれ? ちょっと待ってくださいよ?」

「ん? どしたのさ、あやゴン」

「えーっと、あのお面で晶さんは幽香さんになりきってて、イメージの範囲で能力が強化されてて、スペルカードは手持ちのモノで――あっ」

 文の表情が青ざめていく。
 何かトンデモない事実に気づいてしまったような、そんな表情で。
 彼女は、声を張り上げて叫んだ。
 ―――晶にではなく、大きく逃げた‘鈴仙に’対して。

「に、逃げてください鈴仙さぁーん! それはダメですよぉぉぉっ!!」

「へ?」

「うふふ、もう遅いわ」

 晶がスペルカードを取り出すと同時に、傘の先端を鈴仙につきつける。
 そして収束する光。私にすら分かるほどヤバいエネルギーが、傘の先に集まっていく。
 ……あ、あれ? あれってひょっとして。

「晶さんダメですぅーっ! そんなどこぞの性悪妖怪みたいな真似しちゃ―――」

「さ、頑張って耐えなさいね」

 文の叫びを完全に無視して、晶は満面の笑みと共にスペルカードを発現させた。



 ―――――――魔砲「マスタースパーク」



 光が、鈴仙を包み込む。
 圧倒的な力の流れが、そこにいる全ての者の感覚を一瞬奪い去った。
 それが、この戦いの決着。
 後には黒コゲになって目を回している鈴仙と、仮面を外し素に戻った晶の姿があった。
 しょうがないよねー、これはさすがに。
 見るとししょーも、諦めたように溜息を漏らしている。
 文っちは……なんか、「晶さんがUSCの影響を……影響を」とかブツブツ青い顔で呟いてるけど。
 いや、あやゴンも結構影響を与えていると思うよ? 主に天狗面的な意味で。
 そんな中、勝利者である晶は――何故か氷で作ったナイフを両手に持って構えていた。
 え? ここまでボコっておいてさらに追撃する気なの?

「何やってるのさ、晶」

「いやほら、油断するわけにはいかないじゃん。また起き上がってくるかもしれないし」

「油断って……どんな奇跡を使ったらこの状況で立ち上がれるようになるのさ」

 冷や汗をだらだら垂れ流しながら、素に戻った晶が呟く。
 いくら非常識な幻想郷でも、そこまで無茶な奴はそうそういないって。
 少なくとも鈴仙の場合、死んだふりするより耐えきって不敵に微笑むと思うよ?
 ……ひょっとして今まで容赦なくしてたのって、いつ逆転されるか分からないのが怖かったからなのかね。
 意外とあれでギリギリだったんだなー、晶のヤツ。

「もう決着はついたわ。トドメを指す気が無いなら、その危なっかしいものを仕舞ってもらえないかしら」

「いや、さすがに決着がついたっていうなら、ソレ以上何かする気はないんですけど……えーっと」

「八意永琳、永琳でいいわ。―――てゐ」

「はいはーい、鈴仙回収しまーす」

「さて、それじゃあ永遠亭に行きましょうか。鈴仙の手当てもしたいし、貴方もお休みしたいでしょう?」

「は、はぁ。だけどその……」

「細かい話は後で、ね」

「………はい」

 ししょーが笑顔でそういうと、晶は顔を真っ赤にして頷いた。
 甘い、甘い過ぎるよハニーボーイ。
 一見すると優しくこの場を纏めているように見えるししょーだけど、実際のところは自分の意見をごり押ししているだけだ。
 あーあ、間違いなく何か企んでるねこの人。晶もお可哀想に。
 どうやらさっきの弾幕ごっこは、師匠の琴線にも触れてしまったようだ。
 人の良さそうな考えの読めない笑みを浮かべながら、ししょーはブツブツ言ってるあややんにも視線を向けた。

「さ、貴方も永遠亭に行くんでしょう? いつまでもぼーっとしないで、一緒に行きましょうよ」

「……そうですね。いつまでもぼーっとはしていられませんね。では晶さん」

「はい?」

「―――ちょっと向こうに行きましょうか。いろいろお話があります」

 親指で軽く人気のない方を指さし、最高にイイ笑顔を浮かべる文。
 と言ってもししょーのように得体のしれないモノではない。むしろとっても分かりやすい。
 ああ、笑顔は本来攻撃的なもんだって話、本当なんだね。

「えとあの、そういう話も永遠亭についてからで」

「……いいえ、その話はこっちで済ませた方がよさそうね。私達はうどんげの応急手当をしているから、しばらく話し合ってくれて構わないわよ?」

「ありがとうございます。さぁ、行きましょうか晶さん」

「いや、あれですよ? さっきのはフィクションであって、実在の妖怪とは一切関係なくて」

「その言い訳してる時点で、もう何で呼ばれているのか自分で把握してるじゃないか」

「―――えへっ☆」

「さ、存分に‘話し合い’ましょう?」

「あうぅ……」

 可愛らしく誤魔化そうとした晶の試みも、あっさり失敗した。
 そして首輪を掴まれずるずると竹林の奥に連れていかれる、芸達者なおマヌケさん。
 ……どうやら、戦術眼はあっても戦略眼は持ってなかったようである。
 二人がいなくなった所から聞こえてくる悲鳴を聞き流し、私は一人苦笑するのだった。
 


前を表示する / 次を表示する
感想掲示板 全件表示 作者メニュー サイトTOP 掲示板TOP 捜索掲示板 メイン掲示板

SS-BBS SCRIPT for CONTRIBUTION --- Scratched by MAI
0.047755002975464