※CAUTION! このSSの舞台は、数十年後の幻想郷となっております。 そのため、独自設定とオリキャラのオンパレードです。 東方キャラの一部も、容姿や設定が大きく変化しております。 以上の設定が許容出来ない方は引き返してください。天晶花・未来語りⅡ「賢人のわりといつも通りな一日」 木枠の窓から朝日が差し込んでくる。 どうやら、今日は‘日のあたる場所に出れた’ようだ。 僕は掛け布団を隙間に放り込んで、無理矢理に身体を叩き起こす。 冷たい空気が肌に心地良い。しかしまだちょっと寝惚け気味の僕は、隙間に顔を突っ込んで頭を冷やす事にした。 場所は――紅魔館前の湖にしておこうか、あそこは親分の影響か年中冷たいし。「―――ふぅ、目ぇ覚めたぁ」 濡れた頭をやはり隙間から引っ張り出したタオルで拭き、僕は普段着に着替え始める。 いやぁ、やっぱり便利だわ隙間。あんまり頼り過ぎない様にしてるんだけど、朝方はどうしてもねぇ~。 大黒柱に引っかけてあった我ながら和洋中節操の無い衣装に着替え、いつものポニーテールに髪型を整える。 ……腋メイドの時よりは女の子っぽさは無くなったけど、まだちょっと女の子らしく見えるかも。 うーん、いっそ髪型でも変えれば良いんだろうけど、そうなると文姉とかが泣くしなぁ。 この衣装を着る様になった時の事を思い出す。独立したのだからメイドは無いと言う事で衣装替えしたんだけど、皆には総じて不評だった。 理由は『スキマ妖怪っぽいから』――紫ねーさまは泣いて良い。 結局、腋メイド時代の袖を引き続き付ける事で見逃して貰ったんだけど……腋が露出し続けるのは僕の宿命か何かなんだろうか。 「……まぁいいか」 ロクでも無い考えを振り払って、煙管を手に取る。 目覚めの一服――は、いつも通り‘店’を開いた後で良いだろう。 僕は肩を軽く回しながら、土間を改装した店舗部分を横切って玄関へと向かった。 入口脇にかかった「準備中」の板を引っ繰り返し「営業中」に変える。 その隣には店の名前である『新奇楼』と書かれた看板と、『よろず承ります』の謳い文句が。 「さて、今日も一日適当に頑張りますか」 このよろず屋『新奇楼』は、ちょっと前――年数は忘れた――から僕が始めた幻想郷の何でも屋である。 仕事はそれこそ悩み相談から妖怪退治まで多岐にわたるが、僕は一つだけ仕事を受けるための条件を設けている。 それは「僕以外に頼れる者がいない場合のみ仕事を受ける」事。この条件を満たさない限り、僕はどんな仕事も受ける気は無いのだ。 営業妨害は後々怖いしねー。僕としては、幻想郷の受け皿程度にお仕事が出来たらそれで良いのですヨ。 ちなみにこの新奇楼、読みの通りに居場所が安定していなかったりする。具体的に言うと、一日おきに住所が変更されてしまうのである。 ねーさまの能力を実験する際、うっかりミスって住居がランダムワープする様になった不具合をそのまま採用した結果だ。 ……僕にも次の居場所が分からない完全ランダム仕様なので、旧地獄とか天界とかにワープする事もあるんだけど、そこはまぁ置いといて。 依頼上の制約もあり、場所が安定しない事もあり、ここへ依頼を持って来る人はほとんどいない―――はずなんだけど。「二代目様! ようやく見つけました、是非とも我らにお力添えをっ!!」「………やれやれ、一服の余裕はなさそうだ」 何故か知らないけど、よろず屋『新奇楼』には連日仕事が殺到しているのである。 鬼気迫った様相で駆けてくる人里の顔役の姿を眺めながら、僕は習慣で火の入っていない煙管を咥えるのだった。 適当に仕事、させて欲しいんだけどなぁ……。 それから時刻は過ぎ、正午を越えた頃。 最初の仕事で疲弊し切った僕は、板を『準備中』に変え優雅な午後を楽しむ事にした。 「と言うワケで、しばらく置いといてください」「もうツッコミを入れるのも面倒だから、大人しくお茶でも飲んでなさい」「……これは、歓迎されてると思って良いのでしょうか?」「歓迎はしてないわよ。追っ払っても無駄だと思ってるだけで」 はっはっはー、これは手厳しい。いやまぁ、わりといつも通りの反応なんだけどね。 さすがに云十年の付き合いともなると、扱いは乱雑になるらしい。晶君ちょっとしょんぼり。 だけどこの前、マンネリ打倒のために新しい挨拶をしたら危うく生涯の幕を下ろす所だったからなぁ。 何がダメだったんだろう、「結婚してください」ジョーク。ウケは悪くないと思ったんだけど。「で、今日は何をやらかしたのよ」「いや、僕が悪い事した前提で話を進められても」 少なくとも今回、僕に落ち度は無い、はずだ。多分。 僕は午前中に起きた事を思い出しながら、一つずつアリスに説明し始める。「えーっと、まずねぇ」 顔役さんの依頼は、人里にある畑の調査であった。 その畑は以前、僕が「幻想入りした新しい野菜」の栽培法を教える際に一から十まで僕の指示で作らせたモノだ。 依頼を承諾したことからも分かる様に、件の野菜の育て方を知るモノは人里にいない。 一応説明はしたけど、畑自体にも色々と実験的な要素を詰め込んだからなぁ。さすがに人里の人達だけで応対するのは無理があったみたいだ。 なので、アフターサービスも兼ねて依頼を受ける事にしたのだけど……。「どうもそれが、一部神様達の逆鱗を逆撫でしてしまったようで」「そういや、最近のアンタは結構な数の神から信仰をガッツリ横取りしてたわね」「横取りしたんじゃないやいっ、何か知らんうちに崇められてただけだい!」「余計タチ悪いわよ。二代目になってから芸風変え過ぎじゃないの? スキマ妖怪」「その『二代目スキマ妖怪』も、自称した覚えは無いんだけどね……」 あれは間違いなく紫ねーさまの罠だ。断言してもいい。 なんでも屋はその性質上、僕以外に出来ない仕事であれば何でも受ける事になる。 なので一種一妖であるスキマ妖怪が行方知れずになると、それだけで僕はその仕事を引き受けられる理由が出来てしまうのだ。 ……どーりで、ねーさまが快く「境界を操る程度の能力」の遣い方を教えてくれたワケだよ。 毎回半泣きの藍さんが持って来る依頼を断る事も出来ず、片っ端から受けていった結果、僕はいつの間にか「二代目スキマ妖怪」と呼ばれるようになったのである。 そしてもちろん、信仰の方も特に欲しがったワケでは無い。 人里での仕事をそこそこに受けていたら、いつの間にか準神様的扱いを受ける様になっただけである。 最初は、御供え物も単なる差し入れだと思ってたからなぁ。皆が食事中の僕に熱心な御祈りを奉げているのを見るまで全く気が付かなかったヨ。「まぁ、神奈子様が怒鳴りこんでくるのはいつもの事だったけど……秋姉妹に泣き縋られたのはキツかったなぁ」「……その野菜、旬は夏なのよね?」「季節を選ばず実りを与えるからヤバい、らしいよ。僕にその気は無いって何度も説明したんだけどね」「結局、アンタが中途半端過ぎるのがいけないんでしょーが。とっとと自分が何者なのかを決めとかないと、また同じ事が起こるわよ」「あははははー、僕は一応人間デスよー」「一応、ね」 僕の返答に、呆れた風に肩を竦めるアリス。 無理も無い話だ。未だ何者でも無い僕だけど、少なくとも人間で無い事だけは明らかなのだから。 だけど人で無いからこそ、僕は‘人間’を自称しているのだ。 神にも妖怪にも人にもなる事が出来る、だけど何者にもならない『半端モノ』こそが、幻想郷の穴埋め役には丁度良いと思うから。 ……いやまぁ、特定の種族になったら大変な事になりそうって言うのもあるんですけどネ?「ま、晶のスタンスはこの際どうでも良いわ。今のアンタは刺されても死にそうに無いし」「手厳しいなぁ……」「信頼してあげてるのよ。ほっといても大丈夫だと思うくらいにはね」 ニヤリと意地悪く笑うアリスに対して、僕は肩を竦め返した。 反論は……しない方が良さそうだ。無駄に傷口を広げる事になりそうだし。「それよりも、そろそろ帰らなくていいの? 家が半壊するわよ」「え? うわっ、もうこんな時間!?」 真上にあったと思われた太陽は、いつの間にか西の方に傾いていた。 もうすぐ夕飯の時間だ。恐らくいつも通りなら、文姉か幽香さんが新奇楼で夕飯を作ってくれている頃だろう。 独立してからも、何故か毎日ご飯を作りにきてくれるんだよなぁ、あの二人。 いや、その事には感謝しているのですがね? 頑なに僕を厨房に入れようとしないのは、どうしてなんでしょうかネ? 「僕だって、色々と料理のレパートリー増やしたのになぁ」「……殺害手段を多様化させたの間違いでしょ」「ほへ? 何か言った?」「なんでもないわ。はいはい、帰った帰った」 おざなりな感じに手をヒラヒラさせる僕の親友。そろそろ抗議しても許される気がする。 だけど、早く戻って幽香さんと文姉を宥めないとリアルファイト勃発確定だしなぁ。 ちくしょう、覚えていろよアリスめ。明日は菓子折り持参でたっぷりじっくり居座ってやる! よく分からない報復を考えながら、僕は氷で作った飛竜の式神に跳び乗った。 ちなみに隙間による帰宅は出来る限りしないようにしている。前にそれやった時、ねーさまだと誤認した二人に全力で殴りかかられたためだ。 ……ねーさまは本気で泣いていい。「それじゃあアリス、また明日! 今度は片付けを中断して挨拶する様に促してやるから覚悟しろよっ!!」「私、アンタが幻想郷最強の最有力候補だって事実が、たまに凄く怖くなるわ」 僕もそう思います。心の底から。 極一部からしか呼ばれてないけど、「全知の賢人」なんて二つ名まであるくらいだからね、僕。 ……世間の評価ってアテにならないよなぁ。いや、マジで。「はーい、お姉ちゃん特製の肉野菜炒めですよー」「味付けが大雑把ね。一人暮らしだからと言い訳して、粗雑な料理を続けているからこんな漢の一品が出来上がるのよ」「私は貴方みたいに暇じゃないんです! それに、毎回形を変えて嫌がらせしてくる貴方よりマシですから」「あらあら、別に嫌がらせしてるワケじゃないわよ? 捕まえやすいのよ、鳥って。特に烏はね」「よし、オモテ出ろ」 いつも通りの平和な食卓――ええ、平和です。ついでに言うと毎度のことです。 険悪化する二人の会話を聞き流しながら、僕は文姉の料理を味わう。 ……まぁ確かに、味付けはやたら男らしいかもしれない。麺も一緒に炒めたらさぞ美味しい焼きそばになった事だろう。 尚、僕が二人を止めようとしないのは諦観しているからではなく、単に止める手立てが無いだけである。 なまじ強くなってしまったために、僕が下手に介入してしまうと結果的に火に油を注ぐ事となってしまうのだ。 そして、うまく介入する方法は知らない。なので放置するしかないというワケです。……うん、味付けは大雑把だけどご飯は進むなぁコレ。「文姉、ご飯おかわり」「はーい。……ちっ、今日の所は見逃してあげますよ」「見逃されたのはどちらかしらね。あ、私もおかわり貰えるかしら」「……少なめでいいですね」 もうすでにマンネリを通り越して名人芸の域にまで到達した口喧嘩を中断し、黙々と僕と幽香さんのご飯をよそる文姉。 実にいつも通りの光景だ。たかが数十年程度の歳月では、彼女らのパーソナリティに大きな変化を与えることは出来ないらしい。 僕も大概変わってないけど、やっぱり完全な妖怪であるこの二人には負けるかなぁ。 霊夢ちゃんや魔理沙ちゃんと話している時とはまた違った、妖怪と人との時間間隔の差をヒシヒシと感じる。 こういう時、中途半端な立場は辛い。まぁ、望んで選んだ立場なんで特に後悔はないんだけどね。「あら。この子ったら、また面倒な事を考え始めたみたいね」「またですか。晶さん最近そういうの多いですよ~」「え、あ、いや。……ふふ、どうでしょうかね」 うわぁお、ものすっごい嫌な顔された。 外面用の振る舞いだと心は読まれないんだけど、大体の人が嫌な顔をするんだよなぁ。 曰く「とてもスキマっぽくてムカつく」――ねーさまは……もういいか。 僕としては、うっかりもしなくなるし冷静に振るまえるから割と好きなんだけど、何がいけないんだろう。 「晶さんが不良になってしまって、お姉ちゃんは悲しいです」「不良と言う表現はどうかと思いますが……」「不良ですよ! 知らないうちにタバコまで吸う様になっちゃって!! 清純派アイドルだった頃の自分を思い出してください!」「清純でもアイドルでも無かったデスよっ!?」「どっちでもいいけど、私の前でタバコ吸ったら殺すわよ」「……重々承知しております」 幽香さん、タバコの匂い嫌いだからなぁ。喫煙者としてそこら辺のマナーはきちんと弁えておりますよ。 煙管盆に立て掛けた煙管を未練がましく眺めながら、僕は密かに狙っていた食後の一服を諦めた。 ――こうして僕がタバコを吸う様になったのは、意外な事にレミリアさんの影響だったりする。 これも独立の際に貰った代物で、レミリアさん曰く「新しいカリスマの演出用小道具」なんだそうだ。 友好の証も兼ねているため、全く同じ物を二人分特注してくれたのだが……本人はタバコと相性が悪かったらしく、三日でギブアップしている。 しかもフランちゃんが喫煙に興味を示したため、煙管自体も処分しちゃったというオチ付きで。いや、僕は別に気にしてないけどね? そういうワケで、紅魔館側には何も定着しなかった喫煙趣味は、しかし僕の方にはしっかり根付いてしまったのです。 まぁ、随時吸っていないと落ち着かない程タバコに依存しているワケでもないし、演出用小道具である事も否定はしないけど。 ……全く吸えないのは、やっぱりちょっと寂しいなぁ。「あ、『にこれっと』ってのを香霖堂で見つけたんですが、使いますか?」「いや、そういうのに頼らなきゃいけないほど重度なヘビースモーカーじゃ無いんで」 まさか幻想入りしてから、喫煙者の苦労を味わう事になるとは思わなかった。 外でも幻想郷でも受け入れられない、タバコ達の行き着く先はどこなんだろうか。 あんまり稀少価値を上げられるとどこぞの道具屋が値段釣り上げるから、程々に流通してほしいんだけどなぁ。無理かなぁ。 二代目スキマとか呼ばれてる割に外との接点がほとんど無い僕は、そんな希望を抱きながら残ったご飯をかき込んだ。「ごちそうさまー。あ、片付けは僕がやっときますね」「はいはい、お任せしますよ。ああ幽香さん、私の分のお茶もお願いします」「食べてすぐ寝転がるなんて無様ねぇ。竈の上に飾れば、良い火難避けになりそうよ」「ふふん、今の私に何を言っても無駄ですよ。あー、極楽極楽。このままずっとのんびりしていたいんですがねぇ」「別に構いませんけど、明日の朝は覚悟しておいてくださいよ?」「……晶さんのおウチはお泊りに向かなすぎです」 そりゃしょうがないでしょう、一日単位で住居が移動するワケですし。 ちなみに新奇楼の転移は、戸締りをきちんとした状態で僕が屋内に居ると日が替わる頃に開始する。という仕組みになっています。 僕は移動の際一緒に運ばれる仕様になっているけど、他の人はもちろん対象範囲外なワケで。 うっかり居残ったりすると、狐に化かされたトルネコさんみたいな目に遭ってしまうと言う事なんですよ。 ……本当は、お泊りしても置いてきぼりにされない方法もあるにはあるんだけど、それを教えると文姉が本格的に居座り出すからなぁ。 そうなるとタダでさえ苦労している椛に、勘弁してくれと泣き縋られてしまう。それは避けたい。 なんか最近、下半身に縋り付かれる機会が増えたよなぁ僕。 「まぁ、その時にはちゃんと帰りますから安心してくださいよーっと。ああ、晶さん、この本借りますよ?」「別に良いですけど……自分が出ずっぱりな本をよくもまぁ読む気になれますね」「いやいや、中々面白いですよコレ。人里だと創作本の一種にされてしまっているのが残念ですが」「世間の評価とかけ離れ過ぎているモノねぇ、貴方の書いた本」 文姉が、棚に置いてあった本の一冊を手に取った。 それは幻想入りした僕の軌跡、今まで書き貯めてきた覚書の総纏めである。 タイトルは「幻想郷覚書」。自画自賛になってしまうが、人里でもそれなりに人気のある本だ。……長編創作モノの一つとして。 理由は幽香さんの言ったとおり、世間――と言うか人里――との人物評価の違いにある。 レミリアさんがれみりあ☆うーだったり、輝夜さんがグータラ姫だったり、神奈子様がキレ芸の使い手だったり、紫ねーさまがねーさまだったり。 そして何より、作中の主役である『久遠晶』が同姓同名の人物評とあまりにも違い過ぎるため、創作という扱いになってしまったらしい。 ……人里との付き合いが薄かった上に、代替わりまでしちゃってるからなぁ。そういう認識になっちゃったんだよね。 人里に住んでる知り合いも、阿求さんが転生しちゃったから今は慧音さんしかいないワケだし。 本当なら自身の高評価を喜ぶべきなんだろうけど、なんか複雑。 「ま、一部殺意の湧く表記もありますが。概ね事実なのは私達が認めてあげますよ」「……殺意湧きますか」「湧きます。特に、面変化とかサラッと混じる毒舌とかが」「あ、あはははは」「ふふふ、晶らしくていいじゃない。私は好きよ? 別の意味では殴りたくなるけど」「……殴りたくなりますか」「なるわね。特に、無鉄砲に突っ込む時とか甘い算段の時とか」 言い返す言葉もありません。自分でも推敲している時に同じ様な事考えたんで。 とりあえず、二人に出すお茶菓子をワンランク上のモノにすり替えておく。 べっ、別にご機嫌取りするために良いお茶菓子を出したワケじゃないからね! 勘違いしないでよね!! ……我ながら無理のあるツンデレである。むしろただの言い訳だよコレ。 尚、こちらの心情を知らない二人は普通に本を読み進めている。って、いつの間にか幽香さんまで読み始めてるし。 本当に何が面白いんだろうか。書いた僕が言うのもアレだけどさ。「さてさて、これで天晶異変はおしまいですね。次巻からはいよいよ晶さんが色んな異変に首を突っ込んで行くワケですか」「その言い方はどうかと思いますが」「事実でしょうが。天界に旧地獄に魔界に――大冒険にも程があるわね」「にはははは」「笑って誤魔化さないでくださいよ。……あ、そうです。どうせなら本人の注釈を付けてください。此処から先は私も知らない事が多いですからね」「あら、それは良い考えね。私も聞いてみたいわ。大人になった貴方が当時の無茶にどんな評価を下すか」 ……無茶する事は前提なんですね。否定はしませんけど。 何やら期待の目でこちらを見つめる二人の姿に、どこか懐かしい気分になりながら僕は居間に戻った。 さて、まずは何から話したものか。何しろ話す事は山ほどあるのだから。 ――けどまぁ、じっくり語るとしようか。時間は幾らでもあるのだしね。 ◆隙間を覗きこんでみますか?◆ →はい いいえ(このまま引き返してください)【スキマ妖怪が最後に教えてア・ゲ・ル♪】スキマ「山田さんかと思った? 残念、スキマさんでした! 裏最終回は私達がジャックさせて貰ったわよ」死神A「無事出番があってホッとしている死神Aです。……でもなんか、ヤケにテンション高いですね?」スキマ「そうしないと、このコーナーの存在が危ぶまれるからよ」死神A「そんな大袈裟な……」スキマ「大袈裟ではないわ。何気に本編とあまり性格の変わってない私と山田さんの影響で真面目になっている貴方で、面白愉快な話が出来ると思っているの?」死神A「お、思いません」スキマ「分かってもらえたようね。ボケの一つも挟まずに真面目な解説をしては、コーナーを乗っ取った意味が無いわ。全力で行きましょう」死神A「それは構いませんが。何をするんですか?」スキマ「…………」死神A「…………」スキマ「……………………」死神A「……………………」スキマ「さ、まずは最初の質問よ」死神A「(これはダメかもしれんね)」 Q:次代ちゃんのスペック(主に能力名。設定があるなら、スリーサイズ、趣味、好きな勇者ロボの名前なども)を教えてくださいスキマ「質問に答える前に言っておくけど、実は未来編の設定はほとんど決まってないのよ。当然、次代ちゃんも設定なんてあってない様なモノなの」死神A「へー、そりゃまたなんで?」スキマ「作者によると『晶くんを清く正しい最強系主人公にしたかったが、現状だとまず不可能なので数十年後にした。続ける気は特に無い』との事よ」死神A「まぁ、一発ネタですからね。いろんな意味で思いつきって事ですか」スキマ「そういう事よ。そこら辺を踏まえた上で上記の質問に答えると、こんな感じになるわ」 次代ちゃんスペック 能力:「主に空を飛ぶ程度の能力」博麗の巫女は代々能力固定。という感じで。 スリーサイズ:同じ年齢の少女達より平均やや下。博麗の巫女は発育不足。 趣味:日向ぼっこ。昼寝。ぼーっとすること。 好きな勇者ロボ:アドベンジャー。死神A「……今決めましたよね」スキマ「今決めたわ」死神A「というか、アドベンジャーって何ですか?」スキマ「黄金勇者ゴルドランに出てくる、SL型の黒の勇者よ。他が金だったり銀だったりする中で鋼鉄を全面に出すその姿勢が素敵だったわ。CVが茶風林だし」死神A「それ、作者の好みじゃないんですか?」スキマ「作者は「大概の勇者作品は主役の最強合体が好み」と言う分り易いタチだから違うわ。この次代ならこういうのが好きそうというのをチョイスしただけの話よ」死神A「なるほど……。ちなみに、晶君なら何を選ぶんで?」スキマ「同作品内ならウサリンMkⅡかゴルソドランね」 Q:未来編に登場しなかったキャラの近況を教えてくださいスキマ「前述した通り、未来編の設定はほとんど決めてないの。それでもあえて言うなら「妖怪勢はほとんど変わってない」ね」死神A「まぁ、たかだか数十年ですしね」スキマ「そういう事よ。ちなみに人間側は、稗田阿求が死去。東風谷早苗と十六夜咲夜が外見的には変化無しと言う風になっているわ」死神A「稗田は短命ですからねぇ。でも他二人はどうして変化無しなんですか? 人間ですよね?」スキマ「東風谷早苗は神様に片足突っ込んでいるためほぼ不老。十六夜咲夜は自身の時を止めたため年を取らない。故に変化無しと言う感じよ」スキマ「作者は「霊夢と魔理沙だけが、人間として年を取っていく」という考えを元に未来編を構築させてるの。晶くんが人間を辞めかけてるのもその影響ね」死神A「なるほど、それじゃあ半人はどうなっているんですか?」スキマ「こちらもほとんど変化無しね。唯一魂魄妖夢だけが本当に多少成長してるくらいかしら、0.8人前くらいに」死神A「ほとんどの環境が変わってないんですねぇ」スキマ「幻想郷はあらゆるモノを受け入れる楽園だけど、同時に何を受け入れても変わらない不変の園でもあるのよ」死神A「……いいんですか? そういう真面目な事を言っても」スキマ「…………それじゃあ最後の質問ね」死神A「(ダメだ。圧倒的にボケが足りない)」 Q:性別も年齢も見返す度に変わるってどういう事なの?スキマ「晶くん外面モードのパッシブスキル、「胡散臭さブースター」の効果よ。本当に年齢性別が変わってるワケでは無いの」死神A「外面モードだとだいぶ性格変わってますよねぇ。これも面変化の一種ですか?」スキマ「どちらかというと、水晶華蝶かしらね。いえ、別に晶くんと華蝶仮面に何か関係あるわけでは無いのだけど」死神A「あ、ここでもそういう扱いになるんですか」スキマ「新一=コナン→ねーよ。みたいなモノかしら。ちょっとしたお約束ってヤツね」死神A「まぁ別に、どっちでもいいですけど」スキマ「なら納得なさい。……さて、これで質問は終了よ。天晶花最後の質問コーナー、どうだったかしら」死神A「いつも通りでした。としか言い様が無いですね。第二期もやっぱり私と山田様でこんなノリになるんでしょうか」スキマ「多分そうだと思うけど……貴方の場合、緋想天で一時レギュラーになる可能性があるから、全部がそうだとは言い切れないわね」死神A「え、なんですかソレ。初耳なんですけど」スキマ「正確には、小野塚小町と鈴仙・優曇華院・イナバが候補に上がってるって状態なんだけど。小野塚小町が選ばれれば当然その間ココは代役が立つワケで」死神A「マジですか……ちなみに両方選ばれる可能性は?」スキマ「実はもう一人、一時レギュラー確定してる子がいるから無いわね。確実にどっちかよ。作者はまだどちらか決めてないけど」死神A「そうなんですか。……それにしても、レギュラーの話があんまり嬉しくないのは何故なんでしょうね」スキマ「どちらにせよ、碌でも無い目に遭うからでしょう」死神A「やっぱそうですよねぇ。うう、平穏な日々が欲しいなぁ……」 ごーとぅーねくすと