※この話は過去のわりとどうでもいい話をだらだら描いたものです。 過度な期待を抱かれると作者のストレスがマッハ。 なお今回の話は、巻の七十五以降のネタバレを多分に含んでおります。 天晶花・昔語り④「早苗と神と悪戯メールと」早苗「『い・ま・な・に・を・し・て・い・ま・す・か・?』――送信っと」神奈子「ううっ、ちくしょー。たかが箱ごときに早苗を取られたぁ~」諏訪子「携帯電話でしょ。私らの場合、本当に知らない様に聞こえるんだからさ。言い方には気をつけないと」神奈子「うるさい、現実を認識させるな! あの電話の向こうにヤツが居ると思うと……くぅっ、何故私は祟り神じゃないんだ!!」諏訪子「私はその事実にホッとしてる所だよ。ま、あの子にだってそろそろ男友達の一人や二人くらい――」神奈子「男は狼なんだぞ!?」諏訪子「……この親馬鹿め」早苗「お二人共、少し静かにしてください。――えっと、『わ・た・し・も・だ・い・す・き・で・す』っと」神奈子「さ、さささ、早苗ぇぇええっ!? お前何を言って」早苗「『お・い・し・い・で・す・よ・ね・、・ご・ま・だ・ん・ご』――ふぅ、送信。ってアレ? どうしました神奈子様?」諏訪子「うわー、ド派手に転んだなぁー」神奈子「……早苗よ、メールの内容は一々口にするな」早苗「あ、はい。気をつけます」諏訪子「くくくっ、神奈子の心情に悪いもんねぇ。私としては愉快な限りだけど」神奈子「――あぁん? やる気か諏訪子!?」諏訪子「面白い。私が勝ったら今日のオカズを一品貰うよ?」神奈子「上等だ! かかってこい」早苗「……ここで喧嘩したら、どっちも晩御飯は抜きです」諏訪子「―――神は風祝の模範となる行動を取るべきだよね、神奈子」神奈子「―――まったくだ。喧嘩いくない」早苗「お二人とも、仲が宜しくて何よりです。……あ、返信届きました」諏訪子「ところで早苗さん、どんなメールが届いたんだい? ケロちゃんに見せてみなよ」早苗「あ、ちょっと諏訪子様!」 『早苗ちゃんの好きなお菓子は何ですか?』諏訪子「ふむふむ、これは中々難しい質問だね」早苗「む、難しいですかね?」諏訪子「ほら、あの子ってウチに遊びに来る時、毎回お土産を持って来るだろ?」早苗「そうですね。私はいつも遠慮しているんですが……」神奈子「ふん、遠慮する必要もあるまい。貰えるモノは貰っておけばいいのだ」早苗「そりゃあ神奈子様はそう言いますよね。いつも晶君のお土産をほとんど一人で食べちゃいますし」神奈子「な、何を言ってるんだ早苗!? 私は別にそういうつもりで言ったワケでは……」諏訪子「(食べ物の好みが割と似通ってるんだよねー、晶と神奈子って)」諏訪子「さて、ツンデレな神奈子は置いといて、話をそのメールに戻そうか」神奈子「おいコラ諏訪子このヤロウ」諏訪子「あの子はきっと、この質問の答えを次のお土産にするつもりさ。だから下手にうっかり高いモノの名前を言ったりすると……」早苗「晶君に負担をかける事になりますね。どうしましょうか……」諏訪子「―――ふむ」諏訪子「…………(ニヤリ)」神奈子「(何か悪い事を考えている顔だな、アレは)」諏訪子「決まらないなら私に決めさせてくれない? 大丈夫、無難なモノにしとくから」早苗「……変なモノにしないでくださいよ?」諏訪子「任せときなさいって、カコカコっと~」神奈子「(……人間より携帯の操作がスムーズな神って何かシュールだな)」諏訪子「よし出来た。送信っと」 『草もちが好きです。でも晶君の事はもーっと好きです』諏訪子「うんうん、完璧だね」神奈子「って何やっとるか貴様ぁぁあぁぁああっ!?」諏訪子「ジョークだよ、ジョーク。頭固いなぁ神奈子は」早苗「その、私もちょっと恥ずかしいです……」諏訪子「早苗までそんな事言う。こんなの軽いジャブみたいなモノで――おっと返信だ」 『エレファントラブは食べ物ではありません』早苗「………」諏訪子「………」神奈子「……なんだこれ」諏訪子「いやぁ、予想の斜め上を行く男だねぇ。どうやったらこんな結論が出てくるんだか」早苗「どう受け取られたと判断すれば良いんでしょう。コレ」諏訪子「とりあえず、本来の意図と限りなくかけ離れた解釈をされてる事は間違い無いだろうね」神奈子「ええいじれったい! ちょっと貸せ!!」早苗「あ、神奈子様!?」 『言いたい事があるならハッキリ言え!!』神奈子「よし、送信!」早苗「もう神奈子様ぁ、何してるんですか!!」神奈子「ふんっ、ワケの分からないメールを送ってくるアイツが悪い!」諏訪子「まぁ、私も正直どういう事か説明して欲しいかなぁ……あ、返信届いたよ」 『なぞ』神奈子「貴様の方がよっぽど謎じゃボケぇぇぇええっ!!」早苗「か、神奈子様落ち着いてください! 携帯に当たらないで!!」神奈子「やはりアイツは気に食わん。メールの文章でも私の神経を逆立てるとは……いつか必ず祟ってやる!」諏訪子「だから、祟り神じゃないでしょ神奈子は」神奈子「ヤツを祟るためなら、そうなる事も躊躇わない所存だ!!!」諏訪子「そこは躊躇いなよ、守矢の主神」早苗「ぐすん。晶君に嫌われたんでしょうか、私」神奈子「オマケに早苗まで泣かすとは! もうこうなったらミシャグジの鉄槌をヤツに喰らわすしかっ」諏訪子「それは私の持ちネタだっ! アンタは大人しく御柱でも磨いてろ!!」神奈子「御柱――そうか、ヤツの家に御柱を落としてやれば……くっくっく」諏訪子「はぁ……これじゃ守矢神社の信仰も薄れていくワケだよ」 続く(?)『途中で送信しちゃった、ゴメン。で、謎かけの類じゃ無かったの? さっきの答えって』