巻の九十八「やがて辿り着く結果までは、この閻魔にも見通せません」 どうも、実はとっても凄い能力を持っていたらしい久遠晶です。――実感の方は全然有りませんが。 同時に発覚した衝撃の事実から何とか立ち直った僕は今、残った動揺を押し込めるため必死にフォローの言葉を捻り出しております。 諦めるな僕、諦めたらそこで試合終了だ僕。 ほらアレだよ。直接的な手段が封じられただけだから、完全に出来なくなったワケじゃないんだよ。多分。 だからやり方なんて、幾らでもあるはずなんだよ。多分。「……そういえば、この能力ってどう使えば良いんですかね?」 冷静になったおかげでようやく基本的な所に思い当たった僕は、とりあえず目の前の映姫様にその事を尋ねてみた。 真の能力は明らかになったけど、実はその使用法に関してはまだピンときてなかったりするのだ。 と言うか、余りにも条件が温過ぎて現実感が無いと言った方が正しいか。 今までが今までだけに、キツイ条件が無いと不安になってくる僕はおかしいのでしょうか?「そのうち、自然と分かる様になります」「……そ、そのうちですか」「そのうちです。鳥が大空を羽ばたく様に、魚が水中を泳ぐ様に、自然と使い方を感覚で覚えていく事でしょう」「そういうモノなんですか?」「難しく考える必要はありません。能力とは身体の延長、即ち手足の様なモノです。今まで使えなかったのは、単にそれが有ると知らなかっただけの事」「本当の能力を知った以上、自然と使いこなせるようになるワケですか」 言われてみれば「相手の力を写し取る程度の能力」の時も他のコピーした能力の時も、自然と使い方を覚えていた気がする。 今は現実感が無いだけで、時間が経てば当たり前の様に使えるのかもしれない。 ……僕自身はそんな気が欠片もしないんだけど、映姫様には何やら確信があるみたいだ。 彼女は難しい表情で、真っ直ぐ僕の目を見つめてきた。 えっと、またお説教ですかね。正座しましょうか?「ですがそれは、喜ばしい結果ばかりを生むとは限りません。そもそも貴方は幻想への適性が高過ぎる、それは貴方が幻想郷に‘招かれた’事からも明らかです」「……そうなんですか?」「映姫様、久の字全然分かってません」 仕方が無いじゃないですか、幻想郷に入った時の記憶はあやふやなんですよ。 だけど言われてみれば確かに何かに呼ばれた様な気も……しないなぁ。ぜんっぜんしないなぁ。 大体そんな星の声を聞くヒロインみたいな設定があったら、二年間も切っ掛けを求めて右往左往したりしませんから。「貴方はもう少し自らの評価を客観的に行うべきだ。僅か二年探しただけで、幻想郷に意図的に辿り着ける人間はむしろ稀なのですよ」「……言われてみれば、そうですね」 ワリと頻繁に聞く外来人の話や、博麗神社と言う‘出入り口’の存在を知ったため忘れてたけど、幻想郷って本来それくらい到達困難な場所なんだよね。 そう考えると素直に嬉しい――はずなんだけどなぁ。なんだろうこの素直に喜べない感じ。「にしても‘招かれた’ねぇ。……確かに、久の字を見てたらそれも納得かな」「納得って、何がデスか?」「いやだってさ。幻想郷に呼ばれるヤツって、ほとんどは外の世界じゃ幻想扱いの妖怪共だろ?」「―――あっ」 それだ。 引っかかっていたモノが取れた僕は、納得を表わす様に両手を叩き合わせた。 ……と言うか僕って、最初期の状態から幻想郷公認の妖怪扱いだったの? その事実はあんまり知りたくなかったなぁ。「安心なさい。貴方自身が幻想郷行きを望んだ事も、辿り着けた理由の一つですから。……影響は三割程度ですが」 さすがに気の毒に思ったのか、映姫様が余り同情してない顔でフォローを入れてくれた。 ただし、最後の一言が完全に蛇足です映姫様。理由の七割ならもう充分に妖怪判定下されると思います。「あ、いやでもアレだよ? 同じ様な入り方する奴等が皆妖怪とは限らないからね? 山の上の神社だって似た様なもんだしさ」「まぁ、どちらにせよ『人ならざる者』に変わりはありませんが」 「……映姫さまぁ」「‘今はまだ人間’の久遠晶よ。貴方には、幻想と為り得る可能性が有ります。それも、かなり高い割合で」 小町姐さんもフォローを入れてくれたかと思ったら、映姫様がそこからお説教に繋げてきた。 いや、本人にお説教してるつもりは全く無いんでしょうけど、この人は言葉の一つ一つが重いからそうとしか受け止められないんですヨ。 それにしても……幻想に為り得る可能性か。同じ様な事、前にもどこかで言われた気がする。あれは確か――。 そう、確か一番初めに能力を使った時、紫ねーさまが言っていたんだ。「やがて辿り着く結果までは、この閻魔にも見通せません。ですが久遠晶、貴方が現世への帰還を望むのなら――幻想郷への滞在は、大きな楔となる事でしょう」「楔って……どういう意味ですか?」「貴方の力は強過ぎるのです。幻想郷ならともかく、外の世界で貴方の力は重荷にしかなりません」「うぐっ」 ……そういえば、帰った後の事は全然考えていませんでしたネ。 精々が「外に戻ったら能力は使わない様にしよう」くらいで、具体的な対策なんかは一切用意しておりませんでした。 と言うか、基本僕の能力も覚えた能力も、使うつもりで使わないと使えないモノばかりなんだよね。 無意識下に使ってしまう危険性があるのは、それこそ発動条件がオカシイくらい温過ぎる真の能力くらいだろうし。 いや、その唯一の例外が大問題なんですけどね? 一番ヤバいのに一番暴発し易いってどうよ。 今更ながらちょっと焦ってきた。どうしよう、僕の事だからうっかり地下鉄の駅を増やすとか平気でやらかしそう。 ああ、って言うかもう今すでに増えてたりしないかな。 出来ればさらにバスに乗り換える必要のある、あそこらへん辺りとかに出来てくれると大変ありがたいのですが。あ、いやなんでもないです。「もっとも貴方は、自分自身の力を全く信用していません。現状では、多少考えた程度で無を有に変えたりは出来ないでしょう」「まぁ、僕ほど自分を信じてないヤツは中々いないでしょうけど……それだけでそんなに変わるモノなんですか?」「先ほども言ったでしょう、能力とは身体の延長だと。自分の身体が動く事すら疑っている者に、そこから先など望めるはずがありません」 なるほど、大変良く分かりました。 元々、内容を知る前から否定気味だった能力だ。 受け入れる覚悟を決めたとはいえ、早々簡単に使える様にはならないのだろう。 と言うか、知ってからこんな事言うのはダメなのかもしれないけど、正直忘れたいです。手に余ります。「でも映姫様、それなら久の字の力が邪魔になる事は無いんじゃないですか? 使いたくても使えないんでしょう?」「あくまでも現時点での話です。幻想郷の環境は、久遠晶の‘停滞’を認めない。……それは、本人が一番分かっているはずです」 困ったもんだと言わんばかりに肩を竦める映姫様。 色々心当たりのある僕としては、苦笑を返す事しか出来ません。 ほんわかしてるけど、幻想郷の基本理念は「狼は生きろ、豚は死ね」だからなぁ。 「時間の経過は幻想への順応を進めるだけです。帰還に不都合が発生するまで、最長で一月と言った所でしょうか」「ふーん、一月ですかぁ。―――ひとつきぃっ!?」「あくまで目安です。さらに言うと非戦闘を想定した目安ですから、実際の猶予は半月程度だと思った方が良いでしょう」「そ、それまでに帰らなかったらどうなりますかね?」「帰還する事は出来ます。ですが――多くを偽って生きていく事になるでしょうね」 まぁ、そうなりますよねぇ。 映姫様の言葉に、僕は冷や汗を流しながらも納得する。 言ってしまえば今の僕は、個人で核ミサイルを所持している様なモノなのだ。 と言うか、下手するともっとヤバい。某大国大喜びな非人道的だけど人道的な核以上の兵器とかポンポン作れてしまう。今は無理だけど。 幻想郷だと「厄介だけど対処できないワケじゃない能力」扱いで済むんだろうけどねぇ。 ……しょうがない、か。さすがに潮時だよね。「分かりました。その、色々とありがとうございました」 映姫様と小町姐さんに礼をして、僕は踵を返す。 さて、帰るのなら後腐れの無いように引き継ぎや帰り支度を済ませておかないとね。 特にフランちゃんの事は、しっかり姉弟子にお願いしておかないと……。「待ちなさい。まだ話は終わっていません」「ほへ?」「そうやって貴方は、また自らの望まない選択肢に‘気付かないフリ’をしてやり過ごすつもりですか」「……な、なんの事です?」「『幻想郷に残る』。貴方は意図的に、その答えを避けていますね」「そ、それは……」 だって僕は、あくまで外来人だし。 帰るべき場所が、外の世界にあるワケだし。 山ほど出てくる言い訳は、全て口にする前に霧散してしまった。 こちらを真っ直ぐ見詰めてくる映姫様の視線が、軽率な言葉でお茶を濁そうとする僕の本心を見抜いていたためだ。 ……誤魔化されてはくれないワケですか。 僕は一旦深呼吸を重ねると、今までずっと抱えこんでいた悩みを口にした。「――分からないんです。このまま、僕なんかが幻想郷に残って良いのかが」 正直に白状すると、ここに残りたいと言う気持ちも確かにある。 だけど幻想郷に残るためには、早苗ちゃんの様に外の世界の全てを捨てなければいけない。 そのための‘理由’が、そのための‘覚悟’が、僕には不足しているのだ。 もちろんそれが、帰るための理由になるとは思っていない。 しかしそんな半端な気持ちの人間が、幻想郷に残れるとも思えないんですよ。「皆には悪いと思ってるんですが、僕にはどちらか選ぶ事が出来なくて……」「ま、外の世界に戻っても幻想郷にはまた来れるだろうしねぇ」 そこらへんの甘い期待が、外の世界へ帰る事を選んだ最大の理由だったりします。 また来られる保障なんて無いのは分かってるんだけどなぁ。やっぱり可能性の高い方を選んじゃうよネ。 ……うう、すっごい怒られそうな予感。スパッと決めなさいとか言われて。「安心なさい、貴方のその迷いは正しいモノです。いけないのは、その迷いを‘無かったモノ’として扱う事」「ほぇ?」「帰還までの期間は充分にあります。安易に結論を出さず、後悔しないよう己自身を見つめ直してください」「は、はい」 意外な事に、映姫様は穏やかな笑顔で僕にアドバイスをしてくれた。 確かに、どれだけ早くても半月は猶予があるのだから、少なくとも今すぐ答えを出す必要は無いだろう。 けど出せるのかなぁ、結論。 堂々巡りになる予感がヒシヒシとするんですが。「……やれやれ、人形遣いが懸念するワケです。貴方は肝心な所で他人に頼らな過ぎる」「うぐっ。ご、ごめんなさい」「謝る相手は私では無いでしょう。反省しているのなら、彼女の言う通り行動してあげるべきです」「そうします……」「では、話は以上です。私と小町はこれから少々‘話し合う’ので、失礼させて頂きますね」「え、いやちょっと映姫様? 目が笑って無いですよ? 話し合うんですよね? ね?」「はい! ありがとうございました!!」「久の字待った! 爽やかに終わらせようとしないで!! 映姫様から放たれる殺意はスルーかいっ!?」 や、僕自分の事で手一杯なんで。 映姫様に首根っこを摘ままれ引きずられて行く小町姐さんを見送りながら、僕は二人に対して軽く礼を送った。 ――さて、これからどうしたもんかなぁ。「久の字の裏切者ぉぉぉぉおお」 すいません、僕も我が身が惜しいんです。 しばらく考えた後、とりあえず白玉楼に戻ろうと結論付けた僕は中有の道を遡っていた。 ここでフランちゃんとチャンバラごっこしていた頃は、こんな事になるなんて思っても無かったんだよなぁ。「いやそもそも、あの時は未来の事を考えている余裕自体無かったワケで」「おっ兄ちゃぁぁぁあん!!」「げぶっほぉ!?」 呑気に考え事をしながら飛んでいた僕の腹部に、もうすでに馴染み深くさえ感じるタックルが差し込まれた。 ごめん、嘘。馴染み深くは無いっす、ぶっちゃけキツイです。 だけど何とか気合いを入れ、僕は地面に落下しないよう踏ん張った。 そんな僕の視界内では、シャンデリアの様な形の羽根がひらひらと動いている。 タックルしてきた相手は言うまでもなく、全力タックルに定評のある僕等のアイドルフランちゃんです。 そういえば、夕方頃には回復しているって話だったね。もうすっかり日が傾いていたのに全く気が付かなかったよ。「フ、フランちゃん。身体は大丈夫?」「うん! 幽々子お姉さんのおかげですっかり元気だよ!!」「……妖夢ちゃんは?」「箒に寄りかかって休んでた!」「そこまで疲れてたならしっかり休もうよ妖夢ちゃん……」 出発する時から気になってたけど、妖夢ちゃんは何でそんなにグロッキー状態だったんだろう。 原因が分かっているのか、フランちゃんは困った様に苦笑いしている。 うーむ、何だかとっても疎外感。果たしてこの二人の身に一体何が起こったのであろうか。「ところでお兄ちゃん、閻魔様には会えたの?」「あ、うん。ちゃんと会えたよー。能力の事も教えて貰えたし」「本当! どんな能力だったの?」「そこはまぁ、ゆっくり飛びながら説明してあげるよ」「わーいっ」 身体から離れたフランちゃんに手を引かれ、僕等は先ほどよりもゆっくりとした速度で白玉楼に飛んでいく。 さて、まずはどこまで話したものかな。 フランちゃんにも、あの事は相談した方が良いんだろうけど……良いのかなぁ? や、別に彼女をハブにするつもりはありませんよ? だけど、教育係としてフランちゃんに弱い所を見せるのはちょっと……。 しかし、僕がいなくなって一番影響を受けるのは間違いなく彼女だ。と思いたい。それくらいは影響与えてると自惚れても良いよね? 大人しく変な意地なんか一切合財投げ捨てて相談するのが、フランちゃんにとっても良い事なのだと思うんですけど。 ……問題なのは、どんな答えが返ってくるにせよ二つ返事で同意してしまいそうな僕の精神力かなぁ。 どうもフランちゃんには甘くなっちゃうんだよね、僕ってば。 とは言え、そんな理由で残るか帰るかを決めてしまったら、それこそ映姫様に忠告して貰った意味が無いワケで。 うーん。本当にどうしたものか。「どうしたの、お兄ちゃん?」「え、いや、なんでもナイデスヨ?」 「ふーん……」 深く悩み過ぎて逆さまに飛行していた僕を見て、フランちゃんが心配そうにこちらの様子を窺ってくる。 いけないいけない。自分の事ばかり考えていたせいで、彼女に余計な心配をかけてしまったみたいだ。 ……やっぱり、相談した方が良いよね。 黙っていても良い方向には行かないと判断した僕は、フランちゃんに自分の悩みを告げようとして―― 「あのさ、フランちゃん」「あ、待って。言わなくて良いよ」 けれど、あっさりと本人に止められてしまいました。 え、どうしましたフランさん? まさかお前の話なんて聞きたくないと言う意思表示ですか? 死んで良いですか?「お兄ちゃん、閻魔様に何か言われたんだよね? これから言うのは、そのお話に関する事なんでしょう?」「う、うん。良く分かったね」「幽々子お姉さんが言ってたの。お兄ちゃんは閻魔様に、辛い事を言われるかもしれないって」「うーん、まぁ辛いワケでは無かったよ? ただ悩ましいと言う事か何と言うか」「でもその事で、お兄ちゃんは悩んでるワケだよね。それで私にお話を聞いて欲しいんでしょう?」「は、はい。左様でございます」「……だとしたら、私はそのお話を聞きたくない」 えっと、僕の悩みなんて犬の餌にもならないモンを話すなって事でしょうか。 彼女の言葉に思わず泣きそうになったけど、フランちゃんの表情を見てさすがにそれは無いと思い直した。 フランちゃんは辛そうな顔で、真っ直ぐ僕の目を見つめている。 その表情は、明らかに本心から続きを聞く事を拒否しているワケでは無いと語っていた。「お兄ちゃんは優しいから、きっと自分の事より私の事を優先しちゃう。だから、私には話さないで」「……フランちゃん」 ああもう、僕は本当に大馬鹿野郎だ。 フランちゃんは知らない事が多いだけで、決して馬鹿ではない。むしろ、洞察力や考察力は人一倍優れているのだ。 そんな彼女が、僕の下手くそな気遣いに気が付かないはずがない。 だからこそ彼女は、自分の言葉で僕の行動を縛ってしまわない様にこんな事を言ったのだろう。 ……まったく、教育係どころか友達ですら失格だね。こんなにもフランちゃんを心配させてしまうなんて。「私は、何があってもお兄ちゃんの決めた事を応援するから。だから、私の事は気にしないで良いよ?」「フ…フランちゃわぁぁぁぁん!!」「わぷっ」 もうそれで限界だった。健気な笑顔を浮かべるフランちゃんを、僕は思いっきり抱きしめた。 そして、ムツゴロウさんもドン引きなレベルでワシャワシャとフランちゃんを撫でまくる普通に犯罪者な僕。 その後フランちゃんにツッコミと言う名の弾幕を喰らうまで、僕は彼女を愛で続けたのだった。 ◆隙間を覗きこんでみますか?◆ →はい いいえ(このまま引き返してください)【スキマ妖怪が教えてア・ゲ・ル♪】スキマ「博麗神社からこんばんは。超時空アイドルスキマさんです♪」腋巫女「吐くだけ吐いたら楽になったわ、胃が寂しいけど。アシスタントの腋巫女よ」スキマ「いよいよ、このコーナーも最終回ね。全国八十億人のスキマファンが悲しむわ」腋巫女「……アンタ、とうとう脳が」スキマ「…………本気で同情するのは止めてちょうだい」腋巫女「まぁ、私は貰うモノ貰えればどうでも良いんだけどね。今日は何をくれるのかしら」スキマ「そうねぇ……しゃぶしゃぶとかどうかしら?」腋巫女「しゃぶしゃぶぅ? そんなの、私しょっちゅう食べてるわよ」スキマ「あらそうなの? 貴方なら、もうちょっとお腹に溜まる食べ方をすると思っていたわ」腋巫女「でも、障子紙って結構お腹に溜まるのよ? 湯がき過ぎると無くなっちゃうのが難点だけど」スキマ「……一週間、牛肉しゃぶしゃぶ食べ放題で良いかしら」腋巫女「え、何よソレ。何でその二つの言葉がくっ付くの?」 Q:ひょっとして、「『無』を『有』にする程度の能力」でも『晶君の知らないモノ』は創り出せない?スキマ「ゴホン。これは、無理な場合と出来る場合があるわね」腋巫女「と言うと?」スキマ「例えばそうね。質問者の例から引っ張ると「・未来に出版される本を入手」なんかは難しいわ。少なくとも能力で直接手に入れるのは無理ね」腋巫女「……間接ならいけるのね」スキマ「真の能力は、段階さえ踏めば大概の事が出来る様になってるのよ。唯一の条件だって有って無い様なですもの」スキマ「もっとも、有る程度イメージが無いと作る事は出来ないけれどね。だから「世界を終わらせる力」みたいな具体性の無いモノは無理」腋巫女「なるほどねぇ。ちなみに、他の例はどうなってるのかしら」スキマ「全部出来るわよ。こっちは能力で直接作れるわ」腋巫女「……本当に反則臭いわね。なんてデタラメな能力なのかしら」スキマ「貴方が言えた義理じゃないでしょう。私もそうだけど」 Q:主人公が知らない既存の能力(出会ってない人たちの能力)を作った場合、それを知った瞬間に作った能力は無効になるんですか? Q:晶くんの能力で作り出した物体を他人に譲渡しても機能は、維持されますか。スキマ「もちろん残るわよ。むしろ消せないわ。だって『すでに有るモノは弄れない』もの」腋巫女「それじゃあ、何かヤバい生き物とか作っても無くせないワケね」スキマ「いあ、いあ、はすたっ! いあ、いあ、くとぅるふ!!」腋巫女「……本当に頭大丈夫?」スキマ「こほん。当然、他人に譲渡しても作りだした機能は残りますわ。時間制限を作らない限りね」腋巫女「良いわねぇ。私にも何か作ってくれないかしら。呑んだくれ鬼の瓢箪みたいなやつ」スキマ「貧困に喘いでも優先順位は酒>食べ物なのね……」 Q:これってつまり、相手の能力を覚える場合は今まで通り、ってことでしょうか?スキマ「ええ、その通りよ。形としては「相手の力を写し取る程度の能力」を作った時に、‘習得条件’も同時に作った事になるわね」腋巫女「面倒ねぇ。何でわざわざ自分で縛りを入れたのかしら」スキマ「……さぁて、何故かしらね」腋巫女「(何かしましたって笑顔してるわねー。……まぁ無視でいいか)」 Q:そういえば、無を有にする程度の能力で海とか造れたりするんでしょうか?スキマ「こちらも可能ね。規模等の概要は、その時の本人の意思で変わるわ。つまり下手をすると地球が正真正銘の水の星に為るワケね」腋巫女「なるほど。けどその「下手すると」は起きないワケか」スキマ「まぁ無理でしょうね。全てを海にするためには、色んな物が‘有り過ぎる’もの。干上がった池を海に変えるくらいは出来るでしょうけど」腋巫女「ふぅん。……ちなみに、能力の方は作らなくても良いの?」スキマ「あった方がスムーズに海を作る事が出来るでしょうね。でも、作らなくても問題は無いわ」 Q:「無」を「有」にする程度の能力は限度が無いとおっしゃいましたが、 「無」を「有」にする程度の能力で「有」を「無」にする程度の能力を作り、 「無」を「有」にする程度の能力を無いことにしようとした場合はどうなりますか?腋巫女「……ゲシュタルト崩壊が起きそうね」スキマ「結論から言うと、晶君の能力が「「有」を「無」にする程度の能力」に変わるわね。問題無く上記の行動は出来るわよ」腋巫女「へー、消せちゃうのね」スキマ「能力は別に、一生固定されるワケじゃ無いもの。原作にも前例はあるしね」腋巫女「能力を変えたヤツなんて居たかしら」スキマ「ああ、貴方は知らないわよ。まだあの妹は出てきていないし」腋巫女「妹って……レミリアの?」スキマ「ふふ、HI☆MI☆CHU♪」腋巫女「―――久々にイラっときたわ。滅ぼしていいかしら」スキマ「さぁて、そろそろ牛しゃぶしゃぶを食べに行きましょうか」腋巫女「そうね! こんな下らないコーナーとっとと終わらせて、さっさと食べに行きましょう!!」スキマ「現金ねぇ。……まぁ、私もそろそろ動かないといけないし、ね」腋巫女「ん、何か言ったかしら?」スキマ「何でもないわ。それじゃあ、またどこかでお会いしましょう?」 とぅーびぃーこんてぃにゅーど